Yve'noile(詳細・ネタバレ編)


  • ジラート人♀、独自フェイス、アル・タユ 「接見の間」
  • 家族構成;弟(Eald'narche)、弟(Kam'lanaut
  • 古代ジラート人。故人。
  • 暁の女神Altanaに仕える明星の巫女の代表格。


特記事項
  • 暁の女神アルタナに仕える者。また、神の扉へ至る道の番人である。
  • その立場は、明星の巫女というよりは「神官」に近いようである。
  • ジラートの王子達の「神の扉」計画を阻止すべく現れた冒険者達を、トゥー・リアへと導いた。
  • クリュー人にも優しく接し、Selh'teusNag'moladaとも深い関わりを持っている。
  • 現在は転生して、ある人物として冒険者とも接触している。


暁の巫女・イブノイルの壮絶な人生

  一万年前に栄えたジラート文明。その信仰を集めたのがアルタナ信仰であり、その巫女達であったイブノイルらもそれなりに高い地位にいた事が予想される。イブノイル自身その最高峰(少なくとも巫女の間では)と思われ、ジラート、クリュー、そしてヴァナ・ディールにおける全ての人々に変わらぬ慈愛をもって接していた。この模様はプロマシアミッションでのイベントで見られる。


Yve'noile:心の言葉失いし2人の子、右セルテウス、左ナグモラーダを連れてまいりました。クリューの都へ旅立つ前に、王の励ましと祝福をいただきたく思います。
Yve'noile:心配することはありませんよ。王の祝福をいただいた子は、クリューの都でも何不自由なく暮らすことができます。それに、私たちは女神アルタナさまに誓っています。できるだけ早く、あなたがたの病の原因を突き止め、ジラートもクリューもない世の中に戻そうと。
Yve'noile:心の言葉が聞こえずとも、私たちを信じてくださいね。心の言葉を失う前のように、人に正直に、人を疑わずに生きるのですよ。

  この優しさはクリュー人達も癒し、またジラートの王族からも絶大な信頼を寄せられていたようで、ジラートミッションの回想にも登場している。まさに女神Altanaをそのままその身に宿したかのような慈悲と愛情を持った女性である。


  しかしその立場故にジラートの王子達の計画をいち早く知る事になる。ジラート族至上主義のその計画に、人類平等を唱える彼女は賛同できなかった。苦悩した末、クリュー人達と協力しあう事を決意し(詳細はGrav'iton (詳細・ネタバレ編)参照)、自らもジラート王族と仇なす存在になっていく。Selh'teusをはじめとしたクリュー人の謀反、そして神獣達を用いた作戦に加担していくことになる。


Grav'itonらとも、ジラート王子達に「神の扉」計画の阻止を訴えたが、断られてしまう。

  そしてこの謀反が厄災「メルト・ブロー」へと続いていく。一方、Promathiaの存在、そして虚ろなる闇と戦うSelh'teusにも協力しており、その第一の理解者となっている。これは、上記の台詞から考えるとジラートとクリューを分け隔てる要素・虚ろなる闇の解明、そしてクリュー人をジラート人に戻す方法を探すためのものとも思われる。既に心が穢れてしまっていると述べあきらめている節が強かったGrav'itonに対し、Selh'teusは積極的にジラート・クリューの理解を求め、Diabolosの言葉に耳を向けようとしていたのだ。そこにイブノイルは共鳴したのかもしれない。彼女もまた、並ならぬ決意を胸に秘めていたのだ。


Nag'molada:イブノイル様!どうして、このようなところに!ここは封鎖されたはずの……!
Yve'noile:ナグモラーダ……あなたはクリューであるのに、なぜ、ジラートのために働くのです?
Nag'molada:イブノイル様?
Yve'noile:この戦いは、もはや戻れないところまで来てしまった。殺しあい、騙しあい、疑いあい、私たちは同じ人だというのに理解しあえない。
Nag'molada:すべては霊獣のせいです。奴らは愚かなるクリューの人々を利用している。ジラートの王に楽園の扉を開かせんがために。……それに、セルテウスなる裏切り者。ヤツがイブノイル様との約束を破ったがために、このようにたくさんの血が流れるまでに……!
Yve'noile:ナグモラーダ、あなたはまだ私を信じてくれているのですね。ジラートもクリューもない世界に戻すと誓った、あのときの言葉を……。
Nag'molada:……イブノイル様、私はクリューを裏切った男と呼ばれています。しかし、裏切るもなにも、私は初めから、クリューであろうと思ったことなどない。私は、あなた様のところへ戻ったに過ぎない。これから先、あなた様を裏切ることは決してありません。
Yve'noile:ナグモラーダ、それは私が、あなたの信頼を裏切ったとしても……?
Nag'molada:イブノイル様?
Yve'noile:あなただけではない、私はジラートの人々を裏切ろうとしている。なぜなら私は……

  この会話が交わされた場所は、後に明かされるが「神器と5つのクリスタルが壁面に配されたジラート施設」である。すなわち、そこはアル・タユの中枢であり、神器「虚ろの器」の前である。Nag'moladaは当時のこの会話を全て覚えていなかったのか、それともこの後立ち去ってその後のイブノイルを見ていなかったかは不明だが、プロマシアミッションにてアル・タユを訪れた際に、彼は初めてその真実を目の当たりにする。

Nag'molada:そ、そんな……どうしてだ……?なぜあのお方が、この器の中に……?
Prishe:ナグモラーダ!
Nag'molada:明星の巫女様まで、「虚ろなる闇」に冒されたというのか?それでは、我ら人はとうとう、暁の女神さまに見捨てられた……?
???:そうではない。イブノイル様は、女神さまの意志をお継ぎになったのだ。
Nag'molada:セルテウス!?
Selh'teus:それは生ける神々、クリューの者たちの抵抗が退けられたときの最後の手段。「虚ろの器」にあった「虚ろなる闇」を自らに封じこめ、イブノイル様は、ともに滅びようとした。
Nag'molada:何故、そのようなことを!?
Selh'teus:「世界の終わりに来る者」を受け入れるもの。「男神プロマシア」が蘇ったからだ。
Prishe:ちょっと待てよ?男神プロマシアは、ここアル・タユが落っこちたら復活するんじゃねぇのか? バハムートはそう言ってたぜ?
Selh'teus:……そうか、では訂正しよう。男神プロマシアの「器」が蘇ったからだと。
Prishe:「うつわ」、だって?
Selh'teus:「世界の終わりに来る者」とは、「男神プロマシアの意志」を継ぐもの。「男神プロマシアの意志」とは、「虚ろなる闇」。そしてそれを迎え入れるべく用意された器が蘇ったのだ。……器は、自らを満たす「虚ろなる闇」を求めた。その闇は、そこにあった。「虚ろの器」が完成するまで、何人ものクリューの者たちから汲み上げられた「虚ろなる闇」。いつか自然に生まれるとされた「世界の終わりに来る者」……それを超える膨大な量の闇が、ここに集められてしまっていたのだ。それを渡しては、男神プロマシアの復活に繋がる。そこで、イブノイル様は、闇と共に果てようとした。
Nag'molada:そんなことを!おまえは、そんなことをさせたのか!?イブノイル様に罪はない。愛ゆえに「虚ろの器」を作ろうとされたのだ!私たちクリューを救おうとされたのだ!
Selh'teus:そのとおりだ。すべての始まりは、私たちクリューだ。

  Selh'teusは自らが行った事を皆の前で初めて語りだした。男神Promathiaを止める為に打ち立てた計画。それは、神器「虚ろなる器」にたまったクリュー人の「虚ろなる闇」をその身に取り込み、死ぬことだった。その膨大な量の闇が消滅すれば男神Promathiaの力にはならず、復活に繋がらないという計算だった。しかしそれは大きな誤算となり、闇とともに消滅しても、それ自体は「プロマシア」ではない。だから、その闇を打ち消してもいずれ闇は人を通して復活してしまうのだ。フェニックスの力でSelh'teusは蘇ることができたが、Bahamutはその力を失い、またSelh'teus自身、その身に虚ろなる闇を抱える者として追われることになり、廃墟と化したアル・タユで孤独な時間を過ごす事になる。
  そしてイブノイルはというと、Selh'teusの計画が失敗してしまったのを見届けて、その意思を継ぎ自らの命の輝きをすべて放ち、「器」を「接見の間」に封じ込めた。

  そして現在、神都アル・タユに到達したNag'molada、そして冒険者達の前には神器「虚ろなる器」の中で静かに眠り続ける彼女の姿があった。


その後Nag'moladaは彼女が安らかに眠れるようにアル・タユの埋葬施設「ウ・パトの交霊塔」へ運んだものと思われる。


イブノイルとエルドナーシュ、カムラナートの関係

  この部分は、管理人も一つの可能性として仮説の一つとしてずっと考えていたものだが、確証を持てなかったので今まで特にまとめることも無かった。しかしウェブ拍手での指摘や世界設定を語るスレ34にて検証が挙げられ、その信憑性を強めるログも出されていたので、改めて書くことにした。


ウガレピ寺院にある絵画のうちの一枚。左からKam'lanautEald'narche、そしてイブノイルに見える。

  現実の歴史においても、政治と宗教は大半の文化の中で密接した関係にあり、上の絵画も、ジラート文明の王子達と、暁の女神の使いとして最高権威に当たるイブノイルが描かれている、とも解釈できる。しかし、逆に王子達「だけ」の絵画は見当たらない。やはり「3人」描かれているのに意味があるように思える。

  そしてプロマシアミッションにて、古のジラートについて、このような発言もある。

Kukki-Chebukki:おまえも聞いただろ? ジラートの王さまには男ふたりと女ひとりの子供がいたんだって!

  この情報によりチェブキー兄妹 は自らが「アル・タユの王子・王女になる」と言い出し、その後もそのような振る舞いでイベントを進行させていく(管理人のこの際の感情は敢えて伏せておきます)。もともと、ジラートミッション開始の段階で冒険者はEald'narcheKam'lanautこそが、この失われし文明・ジラートの王族の末裔だと知ることになる為、上の台詞にでてくる「男ふたり」の子供はこの通称・ジラート兄弟だと予想が付く。そして、更に「女ひとり」も兄弟にいたことも明言されている。すなわち、二人には姉か妹がいた、ということになる。
  よくよく考えてみれば、いくら明星の巫女であるからとはいえ、王族と真っ向から戦ったり、自らの命の輝きをすべて放ち、Promathiaの「器」を封じる為に死んだ。ジラートとクリューの平等な社会を作る為に尽くし、ジラートの王子たちの暴走を自らの命を掛けて阻止しようとし、死してなお、残留思念として冒険者達に加担し続けた彼女。いくら女神に仕える身だからといって、ここまでするのは「菩薩過ぎる」というか、少々博愛過ぎて逆に不自然に感じる事もあるのではないだろうか。
  しかし、その敵対している相手が「家族」であり、その家族が世界を滅ぼす勢いで暗躍していたら?感情論になってしまうが、そちらの方が実際動機として自然だし、博愛精神よりも共感を持ちやすい。ジラートミッションの最後で、Eald'narcheがイブノイルに諭され消えていくシーンも、辻褄が合いやすくなるのも事実である。
  そして、実はKam'lanautがジュノにいる状態で(つまりKam'lanautを倒さないでプロマシアミッションを完遂)プロマシアミッションを最後まで進めていくと、Mildaurionがとても重大な発言をすることが明かされた。

Mildaurion:明星の巫女ならば彼女の愛する弟たちに宛てて、なにかを残していることでしょう。 私はそれを探し、カムラナート様に呼びかけてみます。 あの方ならば、私の言葉を聞いてくださいましょう。

  劇中では基本的に「明星の巫女」として呼ばれるのはイブノイルである。そして彼女には愛する弟たちがおり、彼らに宛てた「何か」を残している可能性があると語る。しかも、それを探す旅にMildaurionが出ると語っており、それを届ける相手がKam'lanautであるとも言っている。これはすなわち、イブノイルがEald'narcheKam'lanautの「姉」であることを暗示している。
  王族の姫君や貴族の娘が英才教育の一環や、高潔な役職の一つとして寺・寺院・聖堂等に仕える物語は現実でも小説、ゲーム等でもよく使われている。イブノイルが王族の女児として「明星の巫女」の座に就いたというのも充分に有り得る話なのだ。そして慈愛に満ち、女神Altanaの教えに忠実だった彼女はジラートとクリューの平等性を訴えたが、弟王子のEald'narcheは聞き入れず、やがて謀反に発展し、メルトブローという災害をもたらしてしまった。王子達はそのまま1万年の眠りに着いてしまったが、彼らの残していった世界への傷痕の後始末、そして未来を守る為に彼女は一人残り、できる事を全うしてきた。
  そして死んで一万年経つ現在、その世界を見守りながらも、再び目覚め悪夢を再始動させようとする愛する弟達にその過ちを気付かせる為に静かにそのときを待ち続けていたのではないだろうか。

ミッションでのイブノイル

  現在肉体は上記の通り神都アル・タユに眠っているが、ジラート及びプロマシアミッションでも彼女は登場する。それは回想シーンだけではなく、彼女の残留思念がプレイヤー(冒険者)の前に現れ、さまざまな知識を伝授し、道を示してくれるのである。


両ミッションを通して最重要人物の一人である。

ジラートミッション
  初登場は「神の扉トゥ-・リア」。神々の間に到達した冒険者らを出迎えてくれる。Eald'narcheの計画やメルトブローについて語り、冒険者に未来を託す。冒険者と共にEald'narche阻止に訪れたLionが、その身を挺しクリスタルの暴走を食い止める。


クリスタルの中でLionの中から現れたのは……

Yve'noile : ダメよ、エルドナーシュ……いけない……
Eald'narche :……!?
Yve'noile : これ以上この世界を……、ヴァナ・ディールを傷めてはいけません。ヴァナ・ディールを傷つけることは、あなたの夢みる真世界をも害することになるのですよ。
Eald'narche : イブノイル……。
Yve'noile : あなたにならわかるでしょう、エルドナーシュ?なにものにも終わりはない……、ただ、カタチを変えるだけ。あなたにも、その時が来たのよ。さあ……。


その慈愛でEald'narcheを受け入れるように手を広げる。

  Lionとは、イブノイルが転生した姿だった。実際、ミッションに登場するイブノイルは残留思念であり「魂」ではない。そしてイブノイルはプロマシアミッションでも分かるように一度死んでいる。それが現世に新たな生命として生れ落ちたのがLionである。1万年の時を経て、ヴァナ・ディールをその身で救ったのである。


Lionとなっても、その慈愛はヴァナ・ディールを救い、クリスタルに流れる悪しき力を食い止め続けた。


番外編・クエスト「神威」
  このクエストはイブノイルの残留思念から受けれる珍しいクエストであり、楽園トゥー・リアの番人であるアーク・エンジェルの五体を復活させ、戦うというものである。その力に打ち勝った時、アーク・エンジェルの力を宿した「耳」を冒険者に託すことになる。


Yve'noile :……あなたの手からその力が零れ落ちないことを祈りましょう。さぁ、いいですか?かけらの持つ力を新たな器月光の鉱石に注ぎ、本来在るべき姿を、今一度具現化させてあなたに託しましょう……。
Yve'noile : 人には過ぎたる力。神の如き力を御したあなたでさえその身に持つことができるのは、1つのみ……。


プロマシアミッション
  こちらでは主に回想シーン(特にSelh'teusNag'moladaの過去を紐解くヒントとして)に登場する。それは生前の彼女の姿であり、彼女がジラートミッションで語られる部分(メルトブロー関係)以外の一面を見ることが出来る。
  その真相は上記のコラムでまとめた通りであり、現在は故人であり、その肉体は「虚ろなる器」の中に、当時と変わらない姿で納められていた。


最終更新:2008年09月25日 05:44