Liliroon (詳細・ネタバレ編)


  • キキルン♀、通常配置無し
  • アトルガンでは有名な香水ブランド「ブブーチェ」の社長兼トップ調香師。
  • 傭兵会社「サラヒム・センチネル」を「蛇の目探偵社」と勘違いして訪れる。



あるヒトをさがちているですの(クエスト「昇進試験~軍曹」)

  ある日、サラヒム・センチネル社にキキルンが訪れた。今まで見たキキルンよりもずっと豪華な身なりのそのキキルンは……


Liliroon : ここはたちかジャノメたんていちゃ、ですわのね?ここらもむかちと、すっかりかわったからわからなかったですの。

  どうやら、「蛇の目探偵社」という施設と勘違いして訪れたようである。


当然ご立腹のナジャ社長

Naja Salaheem : んんー?探偵社だって??な~に、ねぼけたこと言ってんのかネェ。 ここは「サラヒム・センチネル」だよっ!皇国の御用を承る畏くも貴い……。


  しかしリリルンと名乗るこのキキルンは、ナジャ社長の話も聞かず話を続ける。困りごとを引き受ける場所であると思い、彼女の依頼を聞いて欲しいとのこと。

Naja Salaheem : あのネェ……だからウチは……。
Liliroon : もちろん、シャレーはあとで、ヒツジクルマでどっさり、もってきますわのよ。
Naja Salaheem : !! 羊車でどっさり!?
Liliroon : ええ。
Naja Salaheem : お……


パァァァァ…

Naja Salaheem : お安い御用でございます。



  空気を読めなかったAbquhbahを(実力で)静止し、ナジャ社長は探偵社として、話を進める事にし、依頼の詳細を聞くことになった。更に調香師であると聞き、Abquhbahナジャ社長も愛用している香水ブランド「ブブーチェ」の社長兼トップ調香師がキキルンであるという噂を思い出した。そのキキルンこそ、このリリルン。いわゆるセレブさんだったのである。


その正体にナジャ社長もびっくり。

Naja Salaheem : ほんとかい!?
Liliroon :……?ほんとでちゅよ。
Naja Salaheem : あら、失礼。こちらの話ですのよ。ほほ。どうぞ、お続けになって。
Liliroon : それでですね かけだちのころに、おせわになったチョーコーのオチショーにごあいさつが、ちたいのですの。
Naja Salaheem : 落ち将?
Abquhbah : (……お師匠ですよ。)
Liliroon : おかげさまでキキルンだてらにいっぱしに、やっておるですのよ、って。 でも、ここらをはなれてもうナンネンもたってますのでしょう?オチショーも、トージのナカマも、イマはどこにいるやら、ですの……。

  つまるところ、リリルンは一人前(以上)になった今の自分を師匠と仲間たちに見せて錦を飾りたい。しかし連絡を何年もしていなかったので、今はどこにいるか分からない為、捜索の依頼をしに来たのである。セレブなお客様ということで張り切ったナジャ社長は、「ペーペーには任せられない仕事」と判断し、伍長である冒険者(プレイヤー)に白羽の矢をたてた。こうして「名探偵」と仕立て上げられた冒険者と、リリルンの「お師匠探し」が始まった。


  とりあえず情報も無しじゃ捜索は不可能。サラヒム・センチネル社を出た冒険者にリリルンは師匠について語りだした。師匠は、エルヴァーンの老人。かなり高齢だが、そう思わせないほど元気であり、リリルンは「伝説のお香の研究をしていた」と記憶している。師としては非常に厳しく、リリルンはよく怒られていたと語る。しかし身寄りのなかったリリルンを実の子供のように厳しくもやさしく、接してくれていたという。そして、いつも香りに携わっていた師匠は、瑞々しい花の香りを漂わせていたという。この香りを手がかりに、二人は師匠を探すことにし、人通りが多いバルラーン通りに出かけた。


  バルラーン通りを訪れたリリルンだが、人が多すぎて匂いが混ざってしまうと立ち尽くしていた。それを見かけたガルカの兵士が近づいてきた。


  この兵士Sazogから師匠を思わせる香りをリリルンは感じ取ったが、キョロキョロする様がSazogには迷子のように写ったようだ。


保護しようと追いかけるSazogだが、リリルンは思わず逃げ出してしまう。

Sazog : あ、こら! ちょっときみ、待ちなさい!
Liliroon : やですのーーー!!
Liliroon : タスケテですの!<PC Name>さーーーん!


終いには追い詰められて、冒険者に助けを求めるリリルン。

  サラヒム社の社紋を見せて、リリルンと自分の身分を証明する冒険者。それで事情を理解したSazogは協力を承諾する。


Sazog :……なるほど、お師匠さまを探して……。
Liliroon : たちかに、たちかに、アナタからおなじカオリがするうるですの。
Sazog : ですが、あいにく私は無風流にて香水などつけたことも……。
Liliroon : でも、なにかおもいあたることは、ありませんですの?その、カオリについて……。
Sazog :……う~ん。なにも思い出せないですが……
Sazog : ここ最近かぁ……なにか匂いが移るようなこと、しただろうか……。
Liliroon :……ああぁぁぁんですの。タンテーさん、このヒトに、なにかジンモンちておもいださせてあげてほちいですの!

  冒険者の「尋問」により、Sazogは休暇を利用して今朝までナシュモに行っていた事を明かした。ここ最近アトルガンで増加している冒険者というものに憧れて、友達とナシュモに行き「プチ冒険気分」を体験したという。そしてナシュモのキキルンたちは、友達が最近アルザビに引っ越した事で寂しかったようで、Sazog達にわーっと群がったのだという。そこから香りが彼についたかもしれない。新たな情報を得て、リリルンと冒険者はナシュモに向かうことにした。


リリルンの反応から、キキルンと共に過ごした経験は少ないと推測される。

  ナシュモに到着したリリルンは、仲間(キキルン)の数に驚き、更にかすかにしか感じない師匠の香りに意気消沈してしまう。しかしそんな彼女を親身に励ましてくれる冒険者のお陰で立ち直り、更にナシュモのキキルン・Totoroonに好物を与える事により情報を得た冒険者に尊敬の眼差しを向ける。その情報とは、カダーバの浮沼の「ぷかぷかがたくさんあるところ」。カダーバの浮沼に出た二人を待っていたのは蓮が多く咲き茂る幻想的な光景だった。そして、そこは蓮の香りに包まれていた……。


Liliroon : あぁ……この、まったりとハナをくすぐる、ふくよかなロータスのカオリ……まちがいないですの。これは、これは……オチショーのニオイですのよ!

  師匠の香りを感じ、思わず走り出すリリルン。しかしそこは蓮が広がる沼地しかなく、人影は見当たらない。


Liliroon :……だれも、いないですの……?

Dashahan : あの……もしかして、リリルンかい?

Liliroon : ??
Dashahan : ああ、やっぱり!僕だよ。ほら、むかし工房でいっしょに働いてたダシャハンだよ。
Liliroon : まあ、ダシャハンりっぱになって……みちがえたですのよ!
Dashahan : リリルンこそ!活躍のウワサは聞いてるよ。今じゃ、皇宮御用達だそうじゃないか。
Liliroon : それもこれも、オチショーのおかげさまですの。



  状況をいまいち理解出来ないリリルンに、かつての修行仲間だったDashahanが語りだした。


Dashahan : ちょうど、2年前になるかな……突然、胸を押さえて倒れられて、そのまま……。ほら、あのときから心の臓はお悪そうだっただろ?
Liliroon :………。
Dashahan : そうか……リリルン、知らなかったんだ……。


Dashahan : 今は、ここ。お師匠が好きだったロータスの花の下で眠られてるんだよ……。
Liliroon :……そ、んな。
Dashahan : 最後の日まで、欠かさず調香をされてたよ。生涯に出会える匂いは限られておるのだ。時間はいくらあっても足りぬぞ」って。はは。お師匠らしいだろ?
Liliroon :………。

  Dashahanは笑いながら師匠について語った。もう、2年前の話である。悲しみを克服し、良い思い出として話すようになるには充分な時間である。しかしリリルンにとっては今現在知った事実。しかも、立派になった自分の姿を見せる事は叶わず、お別れも出来ずに月日が経ってしまっていたのだ。


Liliroon : なんだか、ヒョウチヌケですの。むかちみたいに……あったらまた どなられるとばかりおもってたですの……「なんだ、この、ねぼけたカオリは?おまえのハナはフシアナか」って……。
Dashahan : そ、そんなことないよ。お師匠ったら、リリルンの活躍を、自分のことみたいに喜んでたんだから……。
Liliroon :……ホントですの?
Dashahan : ああ、本当だとも。「あの大きな皇宮の中で、あの小さなリリルンが、たった1人でがんばっとるんだ。我々も負けてはおれんぞ」って、よく僕たち、発破をかけられてさ。


  それを聞き、師匠を思い出して落ち込むリリルンに、Dashahanは師匠から預かったといいながら、ひとつのお香を取り出した。それは、リリルンが最初話していた、伝説の「五福の薫香」だった。

Dashahan : これは、焚いた者に幸福をもたらすという、幻のお香なんです。もちろん、ただの喩えで、それほど素晴らしい香りだ、という意味なのですが……。

  リリルンと同行していた冒険者にそう説明し、Dashahanはリリルンに、ここで焚いてみたらどうかと提案した。

Dashahan : きっと、お師匠が、この香りをいちばん伝えたかったのは愛弟子のおまえだろうから……。
Liliroon : う、うん……。


師匠の眠る蓮の畑で、その生涯の研究の象徴「五福の薫香」を焚くリリルン。

Liliroon : オチショー あたくち、ちゃんとリッパに、おチゴトちてますのよ。 オチショーみたいなチョーコーシになりたくて……
Liliroon : だから、あたくち……。

  こうして、リリルンは冒険者の助けを借りながら、本来の意味合いとはまったく別の方法ではあるが、師匠に今の自分の思いを伝える事が出来た。


サラヒム・センチネル社に戻り、一連の報告と感謝を述べるリリルン。社員の活躍に大満足のナジャ社長

Naja Salaheem : お褒めいただき光栄に存じます。我が探偵社は、常にお客様第一でございますから。……で、そのう、早速ですが、羊車……じゃなくて、謝礼のほうを……。
Liliroon : あ、ごチンパイなく。それならまもなく、ウチのセンムのヒトが……。


しかし恐ろしい剣幕で専務のWiyaomが駆け込んできた。

Wiyaom : リリルン社長! どういうことです?サラヒム・センチネルに出入りしてるなんて!
Liliroon : センチネル……?
Naja Salaheem : !!
Wiyaom : ご命令どおり金はもって来ましたが……ここは札付の傭兵会社じゃないですか!


Liliroon :……ちょっと、こちらのタンテーチャにヒトさがちをイライちただけですの……
Wiyaom : まったく……。あんた、ここの社長だな?いったい、どういう了見なんだ?

Wiyaom : 傭兵派遣会社のくせに探偵社を騙るだなんて……。詐欺行為以外のなにものでもないじゃないか?
Naja Salaheem : 詐欺ィ?……ほう、もういっぺん言ってごらん?
Wiyaom : 何度でも言うとも。これは詐欺だよ。業務詐称だよ。
Naja Salaheem :……なぁあんだって!?ウチはネェ、皇宮御用達。聖皇さまの御墨付をいただいてる会社だよっ!
Wiyaom : ほう、その皇宮御用達の会社が業務詐称をしていたと知れたら、いったい、その特権はどうなるのかな?
Naja Salaheem :……ヘェエ。言うにことかいて……ったく!あんた、ちょいとオモテに出なっ!


Wiyaom : 断わる!表には出ないが、出る所には出てやるぞ。なんなら、この足で裁判所に訴えでようか?

Naja Salaheem : おやおやおや……あたいは構わないけど? 天下のサラヒム・センチネルを敵にまわしてこの街で生きてけると思ってんのかい?

  一触即発の緊迫した空気が流れる中、二人を制止したのはリリルンだった。実は、途中から冒険者は「探偵」ではない事も、ここが「探偵所」じゃないということも気づいていたという。
  この旅で再び師匠の教えを思い出したと語るリリルン。調香は、その香りを楽しむ人の幸せを願い、笑顔を思い浮かべながら作り出すものである、と。それは仕事柄関係なく、どんな仕事の人にも通じる信念であると彼女は語る。そして、「探偵」じゃないにも関わらず親身に、一生懸命リリルンの為に尽くしてくれた冒険者の姿勢が、それを思い出させてくれたと。



Liliroon : あたくち、おもうに……それもこれもこちらのチャチョーさんのチャインキョーイクのたまものですのね。
Naja Salaheem : え?ええ……まぁ……。
Liliroon : あたくちたちもみならいまちょ。ねぇ、センム?
Wiyaom :……は、はあ。

  リリルンは冒険者に惚れこみ、ベタ褒め状態で、それに釣られてナジャ社長もその場のノリで思わず冒険者を昇格させてしまう。

Liliroon : もちろん、シャレーは、おヤクソクどーり、はらいますわ。いーですわね、センム?
Wiyaom :……は、はい。社長がそうおっしゃるなら……。
Naja Salaheem : ありがとうございます♪


  その場を収め、言葉を失ったWiyaomを引き連れて帰ろうとするリリルン。だが、帰り際に冒険者にこっそり手招きした。

Liliroon : (……<PC Name>さん、<PC Name>さん。……あの、おーきなコエではいえませんのですが……)
Liliroon : (まんがいち、こちらのカイチャをクビになるようなことが、ありまちたら……あたくちのトコへ、いらちてくださいね。イマの3バイのおキューリョーでやといいれますですのよ……。)
Liliroon : では ごきげんようですの……。


もじもじしながらさり気なくヘッドハンティング。




最終更新:2008年07月31日 12:37