Kam'lanaut (詳細・ネタバレ編)


  • ジラート人♂、独自フェイス、ジュノ ル・ルデの庭大公の間
  • 家族構成:姉(Yve'noile)、兄(Eald'narche
  • ジュノ大公国を治める大公。
  • 数々の功績を残し、小さな港町だったジュノを現在の新興の都市国家にまで成長させる。
  • しかし数々の功績は、ある恐るべき計画の為の隠れ蓑であり準備に過ぎなかった。


特記事項
  • 歴史の表側ではジュノ大公国を治める大公であるが、その正体は過去一万年の時間を経て眠りから醒めたジラート人の末裔にして王族。
  • 表向きにはEald'narcheの兄と云う立場を演じていたが、実は彼の方が弟。
  • 自らクリスタルの意志の代行者を僭称する。
  • 永遠の楽園「真世界」のヴィジョンに取り憑かれ、クリスタルのエネルギーの収束点「デルクフの塔」の真上に、神の扉となる浮島トゥー・リアを築き「神の国」の招来を兄弟で目論むも謀反にあい計画は失敗。
  • その際に、ジラートの文明も国も滅び、ジラート王の兄弟も永きに渡る眠りを余儀なくされた。
  • 30年前、Raogrimmが北の地でクリスタルに触れたのを機に一万年もの眠りから覚醒。
  • 漁を生活の糧とする寒村に過ぎなかった頃のジュノに流れ着きMaatに保護される。
  • カリスマ性と政治的外交手腕を振るい人間側の勢力を勝利に導く事で歴史の表舞台にその人ありと称される大公の任に就く。


歴史の表舞台・ジュノ大公カムラナート

  漂着した小さな漁村・ジュノをカムラナートは奇跡に近い、数々の発明で一気に新興都市に築き上げた偉人として知られている。現代のヴァナ・ディールに大きな影響を与えたカムラナートの「表舞台」での活躍を、ここでまとめる。
  ジュノに流れ着いた際、彼は深山に住まう賢者の弟子として、弟Eald'narcheと共に古の学問を教わっていたが、師が亡くなったため下山。学問の都ウィンダスに行こうとして商船に乗せてもらったが、時化に遭い船が転覆してしまったのだと述べた。彼が住み始めた当時のジュノは、一攫千金のチャンスを夢見て流れてくる若者で溢れていたため、彼らもその奇妙な風体以上に耳目を集めることはなかったようだ。しかし、カムラナートが古の技であるというクリスタル合成を大通りで披露し始めると、すぐに彼はジュノで知らぬ者のない有名人となっていった。カムラナートは自らが稼ぐだけでなく、その合成法を弟子となった者に惜しげもなく伝授したため、瞬く間にジュノは彼のシンパで溢れかえっていった。
  クリスタル合成によってにわかに起こった産業革命とでも呼ぶべき現象は、すぐに巨万の富を呼び込んでジュノを潤わせたため、カムラナートは弟子だけでなく市民の尊崇をも一身に集めることとなった。そのため、翌年、財界の強力なバックアップの下、彼がジュノ代表に選出された時にも反対する者はほとんどいなかったという。そして彼の最初の発案は、このクリスタル合成の技術をサンドリア・バストゥーク・ウィンダスの三国へ伝授する事であった。これは当初、独占していたジュノの市民にとっては産業の流出に繋がる為、落胆するものも多かった。そして抗議の為に彼の住まうル・ルデの庭に押し寄せた市民に、彼は目も眩むような高層建造物「居住塔」の設計を宣言、世界中から著名な職人を終結させ完成させた。またこの時、三国への道を繋げるヘヴンズブリッジをジュノ近辺に構築させ(原型は元々あったとのこと)、事実上ジュノを四国の中心都市として発展させていった。
  859年、サンドリア国王、バストゥーク大統領、ウィンダス元老院代表は、歴史的な三国による会合を開催。カムラナートとEald'narcheに感謝の意を表して、三国の連名で彼らに大公の名誉を贈り、ジュノを大公領の中立国家として承認する決定を下した。もっとも、識者によれば当時すでにジュノの経済力は三国を凌駕しており、無視できない存在となっていたため、権威を与えつつ合同で牽制する道を選んだ、というのが真相であったようだ。


「アルタナの神兵」の時代にあたる。

  862年、「闇の王」が決起し、獣人軍が各地に侵攻し始めた時にも、カムラナートの行動は早かった。即座に股肱の臣Nag'moladaらを派遣して各国の代表を説得し、四国首脳によるル・ルデ会談を実現。各個に獣人軍と戦っていた各国軍の指揮系統を統合し、連合軍を編制する手筈を整えた。
さらに同年12月には、獣人軍主力をジュノ周辺に誘き寄せると、自らも陣頭に立って激しい防衛戦を展開。翌年1月、ついに獣人軍を撤退に追い込み、連合軍が反攻に出る転機を作り出したのだった。
  闇の王を倒した後も、四国協商の開始、四国通貨の統合、飛空艇の就航、コンクェスト政策の施行など、矢継ぎ早に計画を実現。戦後の復興、発展に寄与した彼の功績は計り知れない。そして現在、闇の王復活が囁かれている中、現代のヴァナ・ディールを担う冒険者達をジュノに集め、獣人たちの動向に関する情報を提供、その中枢にあると思われる魔晶石の調査を依頼するのだった。


三国共通ミッションにて、プレイヤーと初対面。


歴史の裏舞台・一万年の夢「古代人ジラート」

  カムラナートがその正体と、真の目的を垣間見るのは最初の拡張ディスク「ジラートの幻影」のミッションが始まる所である……否、厳密に言うと、冒険者(プレイヤー)が闇の王と対峙し、打ち勝った後の出来事であるが、これはプレイヤーはイベントでの出来事で記憶が曖昧になっている、という設定である。別視点でのこのイベントの解釈はこちらを参照していただきたい。

  事の始まりは、冒険者が闇の王を下した所から始まる。闇の王の正体は、30年前にザルカバードで姿を消したバストゥークのミスリル銃士、そしてガルカの語り部でもあるRaogrimmだった。20年前の戦いでその片鱗を無意識に感じ取っていたZeidはその事実に改めて驚愕するも、闇から開放された同胞・Raogrimmの元へ駆け寄った時だった。不意に、闇の王の間に声が響き渡った。

Kam'lanaut : なかなか面白いショーだったな。
Eald'narche : もうちょっと頑張ってくれれば、もっと楽しめたのに。


部屋の奥で傍観していたのか、拍手で沈黙を破るカムラナート。

Zeid : おまえたち!?ジュノの大公と……?どうして、ここに?
Kam'lanaut : まいた種を収穫にきたのだよ。おまえ達も、よく役目をはたしてくれた。無能なりに、な。まだザコどもの始末が残っているが、そちらはなんとでもなる。
Zeid : 何の話だ?おまえ達は、いったい何者なんだ?


Kam'lanaut : 聞け、現世種よ。いずれクリスタルラインのが復活すれば、神の扉が開く……。その時こそ、伝説の真世界はよみがえるのだ。Eald'narche : そう、神々のすまう真世界、永遠の楽園……。ジラートの、一万年の夢が、ついに現実になるんだよ。
Raogrimm : ジラートだと!?おまえ達、まさか……、失われた古代人だというのか?大昔に滅んだといわれる?


  かつてヴァナ・ディールに存在していたと云う古代人。ジラート人、ジラートの民とも呼ばれる彼らは非常に高度な知性と文明を持ち合わせていたようであり、現在各地に遺されている数々の遺跡は、この古代人が造り上げたと思われるが、忽然と歴史からその姿を消した民。二人は、その末裔だというのだ。


  本性をむき出しにした兄弟は、その口ぶりから人類、そして獣人までもを彼らの隠された野望の為に利用・操作していた事を匂わせ、更に現代の人々を「虫けら」等と呼び蔑んでいる事を伺わせた。魔晶石の存在も、闇の王の出現・復活さえも彼らの計画のうちだったのだ。


  そして闇の王の棺に集められた魔晶石から、彼らは眠りし「クリスタルの戦士」を目覚めさせた。現在のヴァナ・ディールに住まう5種族の特色を色濃く具現し、その負の部分を司る「アーク・ガーディアン」である。


  それらを目の当たりにし、人類への裏切り、侮辱し続ける兄弟に耐えかねたZeidは二人に襲い掛かった。しかし手をかざしたカムラナートからバリアのような衝撃波が現れ、それを軽々と受け止め、やがてZeidをはじき返してしまう。


Kam'lanaut : さらばだ、道化の猿どもよ。おまえ達の役目は終わった。世界の終わりがはじまるのだ。
Kam'lanaut : 始末しろ、クリスタルの戦士よ。

  そして二人はこの場を「アーク・ガーディアン」達に任せ、このまま「大いなる計画」を遂行する為にその場から、そしてジュノからも姿を消すことになる。(※このシーンの続きははこちらを参照していただきたい)

ジラートミッション・クリスタルの意志の代行者


  冒険者が再びカムラナートと対峙するのは、ジラートミッションの中盤である。この段階では、Raogrimmの意思を継ぎその野望を打ち砕くために動いているZeid、妹フィレーナを拉致されその行方を追うAldo、そして最初からカムラナートらの動向を探ってきていたLionと共同作戦として共にカムラナートらの下に向かっている形になっている。


デルクフの塔最上階・天輪の場にてカムラナートを包囲する三人。

  そこでカムラナートは三人に、「天輪の場」とはデルクフの制御システム、クリサリスと呼ばれる装置であり、起動させたら伝説の古代都市トゥー・リアが甦ると宣言した。架空の場所とすら言われたそのトゥー・リアはかつてジラートを襲った出来事以来、カムラナート達ジラートの生き残りと共に眠り続けているのだという。

Kam'lanaut : ずっと眠っていたのだ、目覚めの時を。トゥー・リアが眠りから覚めれば、永遠の楽園はすぐそこだ。
Lion : ずっと眠っていたと言うの、あなた達ジラートの生き残りも、このデルクフの塔で……!?
Kam'lanaut : ああ、そうだ30年前、ラオグリムが北の地でクリスタルと接触した時、その力の一部がここへ流れ込んできた。 おかげで、ようやく我らも目覚めることができたというわけだ。長い、長い眠りから、な。今一度、神の扉を開き、真世界をとりもどすために……!
Zeid : おまえ達の時代は、はるか昔に終焉を迎えたはずだ。いまさら、真世界などというものを求めてどうなる!?
Kam'lanaut : ふん、今も多くの人間が心のどこかで信じているのではないか?このヴァナ・ディールのどこかに神の扉がある、その扉の向こうに永遠の楽園がひろがっている、と。


Kam'lanaut : クリスタルの楽園と、神々。傷ひとつなき、完璧な純粋さ……、永遠のクリスタルの輝き……。そういうビジョンもあるのだよこの世界には。お前達は共有できぬような……。
Aldo : ふざけるな!!おまえはジュノのみんなを、オレ達みんなを、これまでずっとだまし続けて来たんだ!結局は、神の力で世界を支配したいだけなんじゃないのか!?違うか、カムラナート公!?
Kam'lanaut : ククク……!ハーッハッハッ! そう、その通りだ。私はクリスタルの意志なのだからな。


Kam'lanaut : 真のクリスタルの力で、この星を我がものとしてやろう!現れよ、クリスタルの五戦士!
Aldo : なんだてめぇらは?
Kam'lanaut : 貴様たちにはこいつらで十分だ。


そして「アーク・ガーディアン」を三人にけしかけ、カムラナート自らが冒険者と対峙することになった。

戦闘スペック


ついにその真の姿をみせるカムラナート。

ミッション実装当時、レベルキャップは65であり、カムラナートの強さもそれに比例して設定されている。その為Lv75キャップの現在では1PTでは物足りない感じが否めなくなってしまっている。
また、当時は敵味方の戦闘中のセリフは設定されていなかった。

光輪剣[遠隔単体/ダメージ有]
火神剣[エンファイア/火属性ダメージ吸収]
土神剣[エンストーン/土属性ダメージ吸収]
水神剣[エンウォータ/水属性ダメージ吸収]
風神剣[エンエアロ/風属性ダメージ吸収]
氷神剣[エンブリザド/氷属性ダメージ吸収]
雷神剣[エンサンダー/雷属性ダメージ吸収]
大風車[範囲/ダメージ有/ヘイトリセット/ヘヴィ/ノックバック]
サイレガ / スロウガ / ディスペガ

「世界に在りて君は何を想うのか?」

ジュノクエスト「世界に在りて君は何を想うのか?」にて、再びカムラナートは冒険者の前に敵として登場する。その際、上記の技・魔法の他に「バインガ」も追加され、全体的にパワーアップを果たしている。

ジラートミッション・「絶世の英傑」の末路


  冒険者はカムラナートを打ち破ったが、カムラナートはその事実を受け入れられずにいた。

Kam'lanaut : なぜだ?クリスタルの意思たるこの私が……。どうして、ただの人間などに!?


そして、高台にいる「アーク・ガーディアン」達に吼えた。

Kam'lanaut : お前たち、なぜ私が倒れるのを黙って見ている!?


しかしそこに立っていたのは……

Eald'narche : 残念でした。クリスタルはおまえなんか必要じゃないってさ、カムラナート。
Kam'lanaut : エルドナーシュ!?な、なぜだ……?どういうことだ………
Eald'narche : クリスタルに選ばれた者などと思い込んだのが、そもそもの思い上がりだったんだよ、カムラナート。
Kam'lanaut : クリスタルは、私を必要としていないだと……? まさか……、まさか、私を見捨てると言うのか!?


Kam'lanaut : しかし、私がいなければトゥー・リアは復活しない!
Eald'narche : ご心配なく。クリサリスの制御なら大丈夫さ。さぁ、舞台の準備だ。


  カムラナートを冷たく見下ろすEald'narche。彼は兄弟までもを利用していた、真の首謀者だったのだ。

Kam'lanaut : ま、まさか……、それでは……
Eald'narche : さよなら クリスタルのみもとへお帰り……、哀れな弟よ。
Kam'lanaut : く……!どうして……?兄さ……ん……





  そして30年以上もの間、近代のヴァナ・ディールに多大な影響を与え続けていたジュノ大公・カムラナートはその真相を表に知られることもなく……そしてその死を一般に知られる事もなく、舞台から姿を消した。


最終更新:2008年09月25日 04:53