Destin(詳細・ネタバレ編)


  • エルヴァーン♂、独自フェイス、通常配置無し
  • 家族構成:妻(Leaute)死去、長男(Trion)、次男(Pieuje)、長女(Claidie) 
  • サンドリア王室ドラギーユ家の当主にして、サンドリア王国の26代国家元首。
  • フルネームはDestin R d'Oraguille。


名君・サンドリアの父王(サンドリアミッション)

  全ミッションを通して言えることではあるが、若く血気盛んな上、王位継承もある程度意識しているTrionが主軸に据えられているので、デスティン王は全体のまとめ・締め役的な印象が強い。また暴走しがちなTrionを諌めるのも父王である。

  実際にデスティン王がミッションに登場するのは冒険者がジュノへ旅立つ時である。

Destin : よく来た、<PC Name>よ。わしはサンドリア国王のデスティンだ。堅苦しく考えることはないぞ。お前のことは、クレーディから時々聞いておる。随分と頑張っているようだな。

  娘からの情報とはいえ、国王自ら労いの言葉を掛けてくれる。初対面から比較的気さくで、励ましながら見送ってくれる姿勢は、まさにRPGの初めてのお城で会う王様のようである。

  「闇の王」討伐が終了すると、ランク6以降は各国の内に眠る問題を解決していく展開になっていくが、もちろんサンドリアも例外ではない。「闇の王」を倒した後、再び王の謁見の間に招かれた冒険者にデスティン王はまずは労いの言葉からはじめる。

Destin : <PC Name>よ、お前のサンドリアへの貢献はよく耳にしている。わしらはそれに応えるだけのことをしているのだろうか。今度もまたお前の力を頼らねばならぬな。

  またも一冒険者には勿体無いと思われる言葉を掛けてくれる。この時冒険者に依頼したのは王妃Leauteの遺言にあった珍しい花の種を見つけてくる事である。一見非常に私事と思える依頼であるが、実はこの花は後々の物語に関わってくる大事なものだった。

  デスティンが最も深く関わるのは「龍王の秘法」と称される国宝の探索である。「闇の王」復活の恐怖が去った後、サンドリア王国の内情に目を向ける為に王が捜索を開始するのがきっかけで、その秘宝……後に「聖剣」はRanperre 王がサンドリアを平和に導いた伝説の剣として記されていた。混沌とした現在のサンドリアに再び安寧を齎すきっかけになればと思ったようだ。真のRanperre 王の墓地(現在エリアとして存在する「ランペールの墓」は盗賊避けの偽者であり、その下の洞窟の奥に本物の墓がある)が発見された時、デスティン王は自ら墓に赴いた。その際の先鋒を、数々の苦境を乗り越えた冒険者に託す。


危険なダンジョンの奥深くに眠る真のRanperre 王の墓に自ら出向いた。

  このときの出来事・発見を元に様々な思惑が(特に教皇Shamondeの)が「聖剣」を巡って渦巻く中、王女Claidieの成人の儀が執り行われた。


実は義理の兄弟。

この時Rochefogneの妨害があるが、息子達の早急な対処により大事にはならなかった(大勢の群集の前で起きた出来事という意味では大事だが)。
  そしてデスティン王にとって「聖剣」はもう一つ大きな役割を持つ事になると判った。真のRanperre 王の墓地の研究もすすみ、新たな情報が手に入ったのだ。

Destin :<PC Name> 、先にお前が発見した石版の解読がようやく終わったのだが……、そこには重大なことが書かれていた。ここが重要な一節だ。
Destin : ”ドラギーユの真の継承者をもって聖剣はその身を大気にさらさん。その時、この世に光、満ちあふれん。”
Trion : という事はつまり……?
Shamonde : 聖剣はドラギーユの真の継承者しかそのさやから抜くことはできない。そしてその継承者が剣を手にした時に初めて聖剣の真の力が発揮される。ということでしょう。
Destin :現在探索している聖剣をトリオン、ピエージュ、お前たち2人に手にしてもらう。そして、それをさやから抜くことができたものを、真のドラギーユの継承者と認め、次期サンドリア国王とする。
Pieuje :……!
Trion : 真の、継承者?
Destin : もちろん聖剣が見つかれば、の話だ。どちらが王につくにせよ、聖剣が認めた継承者が照らす光の下、我がサンドリアの未来も明るいだろう……。ラーアル、クリルラよ、騎士団の別なく全力を挙げて聖剣の探索を急いでくれ。

  「聖剣」の存在は、サンドリアを光で照らすだけではなく、昔から喧嘩が絶えなかった息子二人に、鞘から抜くことで正統後継者を選び、少なくとも王位継承の意味で喧嘩の要因を取り除こうとしたのではないだろうか。「二人で探す」という、国王としてではなく父親としての思惑が込められていたのかもしれない。そして、遙かウガレピまで及んだ「聖剣」探しから戻った冒険者を労うデスティン王の言葉は、熱いものだった。

Destin:長く険しい道であった……。お前たちの尽力により、ついに我が国に念願の聖剣が戻ったのだ。このデスティン、どれだけの言葉を並べても感謝の気持ちは伝えられん。<PC Name>、心から礼を言おう。お前はサンドリアになくてはならぬ存在だ。どうかわしが退いた後もこの国に力を貸してほしい……。

  剣の発見に安堵したのか、デスティン王この後しばらく休養の為部屋で安静にしていてミッションに登場してこない程である。


そして王不在をいい事に再び色々な駆け引きが複雑に絡み出す。

  「聖剣」を用いて息子達のどちらが正統後継者になるか決める「継承の儀」が、厳重な警備の中執り行われる事になった。しかし護衛の一人として忍び込んでいたRochefogne
Claidieを人質に取り、「聖剣」との交換を迫る。更にそこに現れたオークが「聖剣」を奪い去ってしまった。非常事態の混乱の最中、さまざまな緒も思惑が露見された。
  Rochefogneが語った、「聖剣」の真の力、魔性を帯びた危険な兵器である事。王妃Leauteの遺言の花には、その魔性を和らげる香りを帯びていた事。教皇Shamondeは、「聖剣」がアルタナ教に伝わる「楽園の扉」を開くための物であって王位継承等は関連性がなかった、ということ。そして何より、敵であるオークにその兵器になりうる恐ろしい「聖剣」を持ち去られた事。聖堂がパニックになる中、デスティン王の声が皆を静めた。

Destin : うろたえるな、トリオン!ここは一旦撤収じゃ。王立騎士団は先のオークを追跡!神殿騎士団は、市内に厳戒態勢を敷くのじゃ!我々は城に戻り今後の策を練るとする、よいな!教皇、あなたにもいろいろと聞きたいことがある。答えてくれますな?


流石に国王の威厳である。

  混乱の最中、Claidieを守って傷ついてしまったRochefogneの介護を王女に任せ、彼の意識が戻ってから「聖剣」の話を聞く事に落ち着いた。その間に全力をあげて「聖剣」をオークから取り戻さねば。その決戦として、オーク達が「聖剣」を持ち込んだク・ビアの闘技場に定まった。「継承の儀」で己を責め立て出陣を宣言するTrionをデスティン王は叱咤し、総指揮は王自ら握ると宣告する。


  そして、先陣をTrionと冒険者に委ね、その補佐にPieujeを据えた。サンドリアの未来を託して。

  全てが終わり、ドラギーユ城に戻った息子達、そして冒険者をデスティン王は手厚く出迎えた。そして、その場にいる全ての者に聞こえるように、語りだした。

Destin : 皆の者よ、先の遠征の事後処理などで多忙な中、よく集まってくれた。これから重大な発表をしたいと思う。
Destin : まだ、わしは退位せぬことにした。そして今後の王子たちの成長を見極める。しかし彼らが相応しくないと思えばわしは血統にこだわらずに王権を禅譲しようと思う。力で何かを得ようとしていたのは、我々エルヴァーンの驕慢だ。今後はエルヴァーンと言わず広く才能のある人々を登用し、それぞれの足りない部分を補って国を作っていくべきであろう。
Destin : 例えばこの度、冒険者でありながら、我がドラギーユ家、ならびにサンドリアに多大なる貢献をしてくれた人物がいる。彼(彼女)なども王にふさわしい資質を持っているといえよう。本当に苦労をかけた。窮地に陥ったことも何度もあったことだろう。しかしそなたの活躍があったからこそ、わが国は目を覚ますことができたのだ。
Destin : このように、冒険者でありながらここまでサンドリアに尽くしてくれる者がいるのだ。我々は自分の国を誇りに思っていいはずだろう。そして今以上に素晴らしい国になるため、各々尽力してほしい。


  聖剣に関しては、一族一同とRochefogneと共に先祖Ranperre 王に直接手渡し、封印することに成功する。伝説の真実を解明し、サンドリアを平和に導く、デスティン王の最初の念願は達成できたといえる。


エピローグでは王妃に全ての終末を報告するデスティン王と、共に祈りをささげに現れた息子達で締めくくられる。


断片的に語られるデスティン王の過去

血塗られた王族の道
  皇太子時代に一度、王位についてから一度、計二度暗殺されかかっている。皇太子時代の時(851年)には、父王が落命し、デスティン自身は負傷しつつも辛うじて難を逃れたため、その父王の不自然な死を慮って自ら「暫定王」と称していた。この嫌疑が晴れたのは、7年後の858年9月のことで、国王暗殺計画が露見したことにより、真相が解明されたからである。これにより、同年11月に盛大な戴冠式がサンドリア大聖堂で行われ、時の教皇より正式に鷲獅子(グリフィン)冠を授かる。正式な即位はこの時である。この事件から察するに、40年前に龍王Ranperre によって二王時代が終結されたとはいえ、まだ東王派の残党が暗躍していたのではないか、内乱の傷が癒えてないのではないか、と思わせる出来事である。

ローテ王妃との馴れ初め
  Leaute王妃は16歳の若さでデスティン王のもとに嫁いだとされている。30年前の出来事での回想シーンで、デスティン王は既に現在と同じグラフィックだったのを考慮すると(ゲームのデータとして新しいグラフィックを作り起こさなかった、とか言う話はさておき)かなりの年の差結婚と言える。サンドリア国内の王位継承問題なども安定してなかった時代であり、当時はタブナジア侯国の支持を得るための政略結婚といわれる事もあったという。しかし馴れ初めは狩りにでて怪我をしたデスティンを、彼女が応急手当した事が真実であり、その優しさに惹かれデスティン王から猛烈に求婚したようだ。そしてその後も王妃を娶っていない所を見ると、デスティン王の想いは今も変わらないと言える(実際クエスト「ドラギーユ城の休日」で今もなおのろける一面を垣間見れる)。

バリスタの登場で昔の血が騒ぐ
  バリスタライセンス取得の為に三国を巡り各国の最高権力者達と会うことになるが、プレイヤーがサンドリア所属の場合、デスティン王はこのように語っている。

Destin : それにしても、再びコンクリフトをこの目で見られる日が来ようとはな……。かつての身を焦がすような情熱が指先にまで蘇ってくるのを感じる。わしとて、若いころは毎日、朝に夕にと仲間と練習を積んでいたものよ。あの頃は、コンクリフトに勝つことばかり考えておった。互いに知略をつくし、力と技がぶつかりあう死闘……。肉体や精神は悲鳴を上げておるのに、全力を出し切ったあとの魂は不思議なすがすがしさで満たされる。そして、何も言わなくても双方には同じ思いが芽生えるのだ、固い握手とともにな。わしは喜んでお前のコンクリフトへの参加を承認しよう。さすがにこの歳での参加はかなわぬのが残念だが、お前にもあの時のわしと同じ気持ちを感じてほしい。


やはり似た者親子であった。

ハルヴァー宰相との関係(クエスト「ドラギーユ城の休日」)
  ミッションの間は基本的に国王であるデスティンの話をじっと聞き、影で胃を痛めるシーンが多いHalver。そんな二人の普段のやり取りをこのクエストで垣間見れる。

Halver:陛下、お呼びでしょうか?
Destin:ハルヴァーよ、大儀である。実はお前に相談したいことがあるのだ。いや、頼み事といってもいいかもしれぬ。
Halver:とおっしゃいますと?
Destin:うむ。それがその、な。……お前も覚えておるだろう、ローテがこの城に来た日のことを。
Halver:もちろんです。可憐な姫様がタブナジアから嫁がれる、と城下はその噂で持ちきりでしたな。当時、私は一書生でしたが、一目ご尊顔を拝しようと、講義を抜けだ……、いえ自主休講にしてパレードを見に行ったものです。人混みの中から垣間見えたローテ様の横顔のうるわしさ。恐れながら、今でも目に焼き付いております。その後、自分がローテ様のお近くで働くことになるとは、その時は夢にも思いませんでした。ローテ様はいつも私の顔を見ると声をかけ、にっこり微笑んでくださったものです……。
Destin:ハルヴァー、お前の思い出話など聞いておらん。
Halver:これは失礼を。して、奥方様に関しまして何か?
Destin:いや、ローテのことではない。后のことだ。
Halver:!!このハルヴァー、陛下のご心中も察せず、失礼いたしました。
Destin:ウム、そろそろいいのではないかと思ってな。
Halver:クウッ……、左様でございますな、陛下がお独りになられてから、ずいぶん経ちました。きっと、奥方様もお分かりくださいましょう。
Destin:確かにローテも草葉の陰で心配しておるだろう。……してハルヴァー、お前にその未来の后となるかもしれぬ女性を探してほしいのだ。
Halver:……私に、でございますか?それは、その……なんと申しますか、複雑な気分でございます。が、陛下のご命令とあらば、このハルヴァー、全力を尽くす所存でございます。で、陛下、どのような方御方を望まれるのでしょうか?
Destin:む、そうだな。もちろん、ローテのように臣民すべてを思いやれる大きな優しさをもっておらんとな。
Halver:陛下、やはり今でも奥方様を……。それを思うと、胸が痛みまする。……して、陛下、申し上げにくいのですが、容姿の方は?やはり奥方様の面影のあるお方が?
Destin:どうだろうな、男はいつまでも母親の影を求めるというが……。こればかりは本人に聞いてみんとな。それも含めてお前に頼みたいのだ。
Halver:ふむ、まずは本人に聞いてみる、と……。……本人? 母親?陛下いったい何の話でございますか?
Destin:お前こそ何の話をしておるのだ、トリオンの花嫁候補の話だぞ?無論、トリオンを世継ぎとするかどうかはまだ決めかねておる。だが、その可能性はある。ピエージェにも必要だが、まずはトリオンから王子妃にふさわしい者を探そうと思ってな。
Halver:ト、トリオン様……。そういう事でありましたか。私も何か話がおかしいと……。
Destin:おかしいのはお前の方だ。それはともかく、何とかトリオンにふさわしい者を見出して、まずはあれに引き合わせてみてはくれぬか。なに、そう難しく考えることはない。トリオンも自分がそういう年齢であることを自覚してくれればそれでいいのだ。
Halver:はぁ……。しかし、それは難題でございますな。なにせ、トリオン様がどのような女性がお好みかなど、聞いたこともございませぬ。……ハッ、そうでございます!差し出がましいのですが、私の妹なぞどうでしょう?我が妹なら器量よし、気だてよし!何処へ嫁へ出そうかと迷っているうちに、いささか年を取ってしまったのが難点といえば難点……。
Destin:ハッハッハ、お前も面白い冗談を言うようになったな、ハルヴァー?
Halver:じ、冗談……!?私は冗談など……!
Destin:お前にもそういうエスプりがあったとはな。また酒宴の席ででも聞かせてくれ。……それにしても、トリオンの好みか、確かに難しい。
Halver:……。

  まずは長いログを貼り付けて申し訳ない。しかしこの掛け合いは秀逸な上にデスティンとHalverの性格を知るうえで必要と思い、全てを載せたものであり、実に色々な情報が恐縮されている。まずはデスティン王がのろけすぎて、Halverでなくても誰の嫁探しか一瞬判り辛いところ。過去の話になると少々暴走気味に語りだすHalver(これはクエスト「稀なる客人」でも片鱗が見れる)。更に状況を理解し、「いささか年を取ってしまった」と断言した上で、Trion王子に薦めようとするHalver。それを思い切りスルーするデスティン王。
  それにしてもHalverの「エスプリ」もさる事ながらデスティン王のツッコミも、さすが「眠れる獅子」の国王の威厳を感じてしまう。


まさかミッションであんな威風堂堂だった方々がこんなにコミカルだったとは……。


最終更新:2008年04月26日 23:33