錬金術ギルド

Alchemists' Guild


ギルド本部 バストゥーク鉱山区

特記事項
  国内で「鎖死病」という急性伝染病が大流行した際、治癒の為に世界中から錬金術師や薬師が呼び集められた。その時に集った専門家の一人が知識を共有し、協力して治療薬を開発しようと呼びかけ、錬金術ギルドが結成。結果、特効薬の開発に成功し、伝染病は沈静化。その後もギルドは存続し、現在に至る。以前はバストゥーク商業区にあったのが、事故を起こしてしまったために現在の場所に移転した。鉱山の発展によっては、錬金術ではなく鍛冶関係にその分の政府の援助が行く予定だった。
  アトルガン白門の錬金術ギルドとは別々の研究を重ね、「違う流派」と言える程対照的な関係にある。バストゥークは実験室のような設備で今も試行錯誤して開発を重ねているのに対し、アトルガンは量産・商品化等の、実用性を重視した研究を行っている模様。

ギルド詳細
所在エリア 経営店営業時間 休業日 合成サポート 他サービス・備考
バストゥーク鉱山区 08:00~23:00 光曜日 昇級認定試験・指定生産品
アトルガン白門 08:00~23:00 雷曜日 × アトルガンレシピ伝授

錬金術ギルド本部


ギルド内に店舗もある。

Sieglinde(サポート要員)

黒板に何か書き込んでいる。

時々手を止めて全体を眺める。

Titus(サポート要員)

試験管に何か薬を混ぜている。

時々目の前の装置に入れ、煙を出す。

Azima(サポート要員)

手で挽く石臼で何かを粉にしている。

時々舞い上がった粉でくしゃみをする。

Abd-al-Raziq(ギルド入門・昇級試験官)

Hemewmew(指定生産クエスト担当)

特記事項
  • 主な祭の時の花火などは錬金術ギルドが開発・提供している。
  • ギルド内で冒険者も作れるレシピの物の他に、化粧品等も発売している。
  • ギルドマスターAbd-al-Raziqは近東出身で、自分が持っている書物をギルドメンバーに提供している。主にAzimaが喜んで読んでいる。元々彼は錬金術を極める事で神々の問いに答える、という宗教的な理念で研究しているので、書物の提供等もその一環かもしれない。
  • 濃い人物が多い錬金術ギルド内で「比較的まとも」と思われがちのTitusも実は人工生命に興味を抱いており、今はモブリンの生体改造術をライバル視しているらしい。
  • Sieglindeはギルドきっての理論武装派であり、実験や経験に基いた調合を全否定し、正確なデータと机上の計算で99%の結果は予測できるという持論を持つ。


ギルド内整備・関連施設


各国から集めたと思われる膨大な書物。

謎めいた機材が乱雑においてある。

更に未分類らしき書物も隅に……。

アトルガン白門錬金術ギルド


  アトルガン白門の北西地区、競売の隣にある。アトルガンには独自の錬金術の技術と歴史があり、最近開港されたのを機にバストゥークにも情報が届くようになったが、それまでは違う発展を遂げてきた「別物」として扱われていた。クエスト等にも登場し、アトルガンの民の生活には密接した関係にあるようだ。主な生産品は香料・香水から相手の位置が分かるナビゲーター的な物まで様々。
  バストゥークの錬金術ギルドとは対照的に、野外の開放的な空間で作業が行われている。また、使っている機材等もバストゥークとは大きく異なり、作業台も多く置いてある為、所属職人は多いと思われる。


一番目を引く巨大な装置。

試験管等が綺麗に並べられているデスク。

更に作業台や、レシピ公開掲示板みたいなものも。

隠された暗黒面・イベントで見るアトルガン錬金術ギルド

  ヴァナ・ディール四国に比べて、生活に遥かに密接した関係を見せるアトルガンの錬金術ギルド。その技術は皇国から支援されており、多くのNPCも所属している、活気に溢れる場所でもある。しかし、これは表の顔であり、所属NPCの大半も知らないようであるが、一部クエストやアトルガンミッションでは錬金術ギルドとアトルガン皇国の切っても切り離せない縁が見えてくる。それは、常に戦が続いていたアトルガン皇国の暗黒の歴史、そして現在も続く恐るべき実態を明らかにしていく。

青魔道士の力と錬金術ギルドの関係
  青魔道士習得クエスト「渇望」では、青魔道士として目覚める事になる冒険者(プレイヤー)の恐るべき体験が展開され、それから青魔道士とはどのようなものなのか、という謎も一部明らかになっていく。これはアトルガン皇国の重要機関・不滅隊にも強く関係したイベントであり、不滅隊所属のNPCの秘密なども明かしていくものとなる。
  とある運命のめぐり合わせにより、冒険者はエジワ蘿洞にて不滅隊の一員と、力を渇望し青魔道士となる契約を結ぶことになる。その手を取った瞬間、冒険者の意識は朦朧とし、倒れてしまう。そして冒険者が運ばれた場所とは……なんとアトルガン皇宮の中だった。倒れている冒険者を見下ろしながら会話を進めるのは錬金術ギルドのエプロンを身にまとった男性達と、不滅隊隊長のRaubahn。会話から、冒険者に何かしらの手術が施された事が判明する。


Raubahnも……いや、青魔道士全てに、冒険者と同様に錬金術ギルドから「アーリマンの水晶体」の移植が施されている事がわかる。

  これは、いわゆる「人体実験」のようなものと言える。モンスターの肉体の一部を移植された者は、以降モンスターを「食らい」己の一部とすることでそのモンスターの生命力や力を手に入れることが可能になる。それがすなわち青魔道士の本質である。この手術により一命を取り留めた人物もいるが、実際はモンスターの力や生命力は人間の許容量を超えるものでもあり、本人にも大きな負担となる。許容量を超えたものは人間の姿や心を留める事が不可能となり、やがて自ら魔物になっていく運命である。青魔道士としての手術が施された冒険者も、おなじ危険と可能性を秘めた存在となってしまう事でもある。
  やがて意識を取り戻した冒険者の前にRaubahnは不滅隊隊長として登場し、青魔道士として覚醒したことを祝福する。手術による副作用を乗り越えて生き延びた冒険者は以後青魔道士として、そして必然的に(選択権なく)不滅隊の一員として生きていく事を意味する。


まだまだその可能性や詳細は研究中である「青魔道士」。Raubahnもその研究の対象であると同時に、青魔道士の本質のカギを握る重要人物でもある。

そしてこの恐ろしい一連を研究しているのが、アトルガン錬金術ギルド(の一部)だ。彼らにとっては冒険者も研究対象の素材の一人に過ぎない。

ミッションで語られる皇国とギルドの暗黒の歴史
  錬金術ギルドが秘密裏に行っている恐ろしい研究はなんと人体実験だけではないことが、アトルガンミッション中盤で判明する。突然行方不明となったAphmauの捜索にRazfahdがアラパゴ諸島に訪れた際に連れて来たのが、錬金術ギルドのエプロンに身を包んだ男性達である。そしてかれたと共にいたのは……「死者の軍団」を編成し、アトルガン皇国にとっても脅威とされているはずの獣人・ラミアだった。


何故か襲ってこないで佇むのみのラミア達。その様子を監視する錬金術ギルドの男達の手には笛が……。

Razfahdが見守る中、Whafaelはその笛を奏で始める……。

なんと、宿敵であるラミアがRazfahdに頭を垂れて敬う仕草をみせる。

  元来、ラミアの存在自体、謎に包まれた部分は多く、公式の説明文にも不穏な一文が記されている。「噂によると、ラミアは正確には獣人ではなく、かつて錬金術師によって複数の生物より合成された生体兵器(キメラ)の一種だと云うが……。」生体兵器の合成獣・キメラの存在は、実はミッションの(このシーンより前の)展開により登場している。モブリンの錬金術師たちが作ったとされるそのキメラは巨大な獣であり、ラミア達とは程遠い存在だった。そしてこのラミア達は、このシーンでの会話により、なんと元々はアトルガン皇国と錬金術ギルドが過去より研究を重ねて作り出した「キメラ」の一種である事が判明する。
  なお、この血塗られた過去については聖皇ナシュメラ=Aphmauは知らなかった。むしろRazfahdが彼女に隠していた皇室の「暗黒面」だったといえる。しかし成り行きとはいえ、この事実を彼女自身が目撃し、事実を知ることになる。


その光景を受け入れられずにいるAphmau。その隠された歴史は、実体験を交えてLuzafも話したが……。

  Luzafの話によると、200年前の、アトルガン皇国とイフラマド王国の戦争時代に、ラミアは存在していた。アトルガン皇国の冷酷な生体兵器として。コルセアの隠れ家を一掃しようと皇国軍がペリキアに送りこんだ兵器こそがラミアであり、それを操る為に当時の錬金術師たちも笛で操作をしていたと語る。その後、あまりに強力なラミア(や同等の存在であると思われるメロー)はこのままこの地に破棄・放置され、それが現在も存在し、アトルガン皇国の脅威となっているわけだ。ラミアのNMにあたる者達が「Lamia No.2」のように番号を冠しているのも、実験体だった名残りなのかもしれない。
  しかしその後もラミア達を制御する為の研究・改良が進められており、今回のAphmau失踪事件で手掛かりを掴めずあせったRazfahdは、諸将の反対を押し切り、Aphmau捜索にラミアを投入させたのだ。

封鎖された呪われた地域・ハザルム試験場
  アトルガンミッションが更に進むと、LuzafAphmauはお互いの理解を深め、協力しあうようになる。そして共通の目的を見出し、その果てとなるイフラマドの古の神Odinが待つハザルム試験場へ向かうことになる。そしてその忌わしき土地の秘密について、Flitが語る。

Flit ;お詫びに、ハザルム試験場について教えてさしあげましょう。あそこで行われていた錬金術とやらの実験が、一線を越えてしまったんでしょうねえ。無礼にも、オーディンさまのおわすヴァルハラ、あなた方の言うところの冥界へと通じる穴を開けてしまったんですよ。まぁ、おかげでこちらの世界への近道としてぼくらは利用させてもらってますけどね。くすくすくすっ!

  この錬金術の実験、がアトルガン錬金実ギルドが合成獣等の研究をさしている(下記参照)。そして、その実験に携わったと思われるナシュモのNPCKilushaの口からも、その実験と、試験場でおきた出来事について僅かながら聞ける。

Kilusha:その昔、ある事故で「門」が開いてしまったことがあってね。いやなに、とるに足らぬ小さな事故だったのだ。それで、少々……そう、マウスが逃げ出してしまってね。ほんの『少々』だよ?それなのに……それなのに、無能な皇国の官僚どもめ!試験場ごと閉鎖してしまったのだよ。まるで、臭いものに蓋をするように……。 私はすでに命の設計図を読みとるところまで研究が及んでいたのにだ!あと一歩で、神の御技を越えんとしていたのにだ!試験場の閉鎖により、人類の幸福な未来は100年以上も後退してしまったのだよ。

  Kilusha自身が現在も錬金術ギルド所属の研究員かは定かではない。しかし、少なくとも当時はそうであったと思うのが自然である。そしてここで行われた、神の御技を越えんとしていた研究とは……。やはり、人体実験や人工生命といった類の物と思って間違いはないだろう(そのマッドサイエンティストっぷりな口調も含めて)。しかしそれは数多くのマンガや小説、歴史的文献にも登場するように「人間が踏み入れてはいけない」領域だったのか、冥界「ヴァルハラ」への扉を開くに及び、それによりOdinがこの世に姿を現すきっかけの一つとなった。
  なお、実際のハザルム試験場の歴史に関してはアトルガンミッション「宴遊の終幕」でモブリンの錬金術師兼通訳のMegomakFlitの会話で明らかになっている。この段階での冒険者の知識では、このイベントは理解が困難である為に、上記の情報を出した上で記すことにした。

Megomak :「ハザルム試験場(Hazhalm Testing Grounds)」ってアトルガンの秘密施設があってな。 そこでは禁断の錬金術によって日々異なる生物どうしが合成され、新たな生物が作り出されていた……。その人工生物が合成獣……つまりは、キメラなのだ。ラミア、プーク、メロー、ハイドラ、マンドラゴラ……そこで生命を得た生物は、枚挙にいとまがないだろな。あそこは、神の御技にも迫らんとする偉大なる知の殿堂だったんだ……。どうだ? この話。ロマンチックだろ?
Flit :ふたつの命をひとつにするなんて、それはすごいですね~!……でもモブリンさん。あなた、どうしてそんなに詳しいんです?
Megomak :実は、行ったことがあるのさ……胚を盗みにね。
Flit :なるほど。ですが、その胚とは……?
Megomak :まぁ、わかりやすくいえば生命の卵とでもいうべきものだな。
Flit :生命の、卵……。
Megomak :オレも錬金術師の端くれだからな。そいつで作ってみたくなったのさ。自分のキメラ……商売になる兵器をな。


各種イベントで見えてくるアトルガン錬金術ギルドの恐るべき闇の研究。それは、結局は血塗られた戦争の歴史から来る必然的な「力への渇望」の結果と言える。しかし、それは同時に自らを苦しめる結果になっているともいえる……。


所属NPC・関連事項



最終更新:2008年11月09日 19:24