Maju-Naju(詳細・ネタバレ編)


  • タルタル♂、6b(ブルーグレー)、通常配置無し
  • 鼻の院で働く研究員。専門は薬作り。
  • 20年以上、とある病気を治す為に研究を続けている。


彼の20年越しの願いは届くのか?

時を越えた研究(クエスト「枯れずの太陽」)

  冒険者が過去の世界で訪れたウィンダス・鼻の院。入るなり苦悩の叫びが耳を貫いた。

??? : あぁぁぁーー!もぅ、ダメだ、ダメだ……。僕はなんて無能なんだ!!

彼の名前はマジュ・ナジュ。最近研究がうまく言っていないらしい。そして彼の研究とは、とある薬を作ることのようだ。

Maju-Naju : 今日ほど自分の無能を痛感したことはない……。完全に行きづまってしまったよ……。
Dantie-Corantie : まあ、学問に王道はないというじゃない。気長に頑張ろうよ。
Maju-Naju : うん、でも圧倒的に資料が足りないんだ……。このままじゃあ、何十年つづけても完成する気がしないよ……。
Dantie-Corantie :……たしかに、今は戦時下で資料も、実験の材料も手に入りにくいからね。こんな時代じゃなければなぁ……。


ガックリとうなだれるマジュ・ナジュ。確かに戦争当時なら資料や材料の入手は困難な物である。……では現代の鼻の院はどうだろうか…?


Maju-Naju : だあぁぁぁーー!!もうー、ダメだダメだダメだ!!今さら、こんなことがわかったって遅いんだ……!

現代でも研究を続けていたらしいマジュ・ナジュはまたも苦悩していた。話からすると、欲しかった資料は手元にあるようだが、何かが「遅かった」らしい。


Maju-Naju : たしかにすばらしい本だ。薬の製造方法が克明に書いてある。これによると夜長病には、「火輪草」のエキスが絶大な効果を示すらしいんだ。でも……。「火輪草」は大戦終了後に、絶滅が確認されているんだよ……。
Selenana :……!
Maju-Naju : 鼻の院の山のような資料をあさったり、魔法図書館にいりびたったり、気の遠くなるような月日を費やして……やっと、東方に伝わる文献までたどりついて薬の作り方がわかったのに……!

冒険者が知っているだけでも20年である。それが全て、無駄だったと分かってしまったのだ。資料の本を、立ち尽くしていた冒険者に渡し、マジュ・ナジュは力なくその場を去っていった。唖然としている冒険者に気付き、励ましていた女性研究員のSelenanaが状況を説明してくれた。


ヴァナ・ディールには 「夜長病」という病があり、掛かった者は日に日に寝る時間が延び、ついには目が覚めずに眠り続ける状態になってしまう。死ぬ事は無いが、二度と起きる事はないという。そしてマジュ・ナジュはこれを20年、研究し続けていた。彼の幼馴染であるShahr Yagenmhiが「夜長病」に掛かっており、20年もの間、眠してしまっているからだ。そして、彼女を救う道は閉ざされたのだ。

対戦終了後に絶滅を確認された「火輪草」。しかし20年前にマジュ・ナジュに初めてあったあの時はどうだろうか?現在のマジュ・ナジュには必要が無くなってしまった東方の医療本「東方本草学の系譜、巻之伍」を手に冒険者は再び過去に飛んだ。



Dantie-Corantie : ああ、きみ。え、マジュナジュに用がある?
Maju-Naju : ん? どうしたんだい?え、僕にこの本を……?……ん?……んんん?こ、これは……!!おお、そうか……!これがそれで……なるほど!すべて解決するじゃないか……!!
Dantie-Corantie :……?
Maju-Naju : すごいよ! これは東方の書物なの?夜長病の治療薬についてものすごく詳細に書かれている。すばらしい!……そうか、火輪草だったのか……!たしかにあの花のエキスならうん、そうだな……まちがいない。
Dantie-Corantie :……? 火輪草?グロウベルグにたくさん咲いているじゃないか。
Maju-Naju : そうなんだよ!ああ、なんてすばらしいんだ!さっそく行ってくるよ!!

幸いなことに、この時代にはまだ「火輪草」がまだ存在するらしい。意気揚揚と採取に向かう準備を始めようとするマジュ・ナジュ。しかし、そこには基本かつ根本的な罠があった。


Dantie-Corantie : ちょ、ちょっと待ちなよ!僕らみたいなひ弱なインドア派が飛びだしたって、グロウベルグまでたどり着けずにヤグードの餌になっちゃうよ。
Maju-Naju :……う、ぐぬぅぅぅ……でも……。うぅぅーーん……。

考えてみたら現代の鼻の院でも、時々冒険者に素材の摂取を頼むクエストが発生する訳で、常に研究と向き合ってる彼らは冒険者たちのようにヴァナ・ディールを縦横無尽に走り回れる為の強さは無かった。しかも現代のように飛空艇やチョコボレンタルシステムが無い過去の大戦時代である。とても薬師一人が巡れる道のりではない。今度は、知識はと材料(の情報)があるのに素材を取りにいけない。やるせなさでがっかりするマジュ・ナジュ。


冒険者が戻ってきたときも、まだ火輪花は手に入ってないとしょんぼりしていた彼。しかし今度冒険者の手にはグロウベルグから採って来た火輪花があった。

Maju-Naju :……わぁぁ、ありがとうございます!これで……ついに……!

20年の時を経て、全ての条件がようやっと揃ったのだ。マジュ・ナジュは慌てて花を手に研究に入った。いつも彼の研究をそばで見ていたDantie-Corantieも安堵した様子で冒険者にお礼を述べ、また様子を見に来て欲しいと言った。

そして、翌日。

Maju-Naju : ふふふ……
Maju-Naju : ふふふふふふ……
Maju-Naju : ふはははははは!!やったぞ……ついに、ついに……!!
Dantie-Corantie :……あ、マジュナジュ そ、その高笑いはひょっとして……!
Maju-Naju :……見てくれよ!薬が……完成したよ!
Dantie-Corantie : わあぁ!おめでとう!マジュナジュ!


初めての本来の明るいマジュ・ナジュ。冒険者に気付き、この後駆け寄ってくる。

Maju-Naju : あ、見てください!あなたが持ってきてくれた本と火輪草のおかげでついに薬が完成しました!本当に……ありがとうございます。……これで、彼女が……。

その恩人である冒険者の立会いの下、早速薬を試すことになった。


Shahr Yagenmhi :……う……ん。

Shahr Yagenmhi :……マジュ、ナジュ……?   Maju-Naju : シャル……!!

全ては実り、眠り続けていたShahr Yagenmhiは目を覚ました。まだ夢か現実なのか理解しきれずキョトンとする彼女と、感極まって言葉をまくし立てるマジュ・ナジュ。その様子を眺めながらDantie-Corantieはそっと冒険者に耳打ちをした。

Dantie-Corantie : (……ねえねえ、きみきみ!)
Dantie-Corantie : (せっかくお姫さまの目がさめたんだよ?邪魔モノが居のこるのは無粋ってもんさ。さあ、退散退散!)
Dantie-Corantie : マジュナジュ、僕たち、じゃあこのへんで!
Maju-Naju : えっ……!?
Dantie-Corantie : あとでまた来るよ。じゃあねー!

足早に去っていくDantie-Corantieと、彼に引っ張られていく冒険者。彼女が眠っていた分、幼馴染の二人には埋める時間があるのだから。


そして後日、再び鼻の院を訪れると三人が出迎えてくれた。

お礼にと彼が作った未知の薬・ミクスチュアを冒険者に渡すマジュ・ナジュ。今回の一連でShahr Yagenmhiは無事に目覚めて病気も治ったけれど、同じように苦しんでいる人は他にもいる。その為にもっと研究を重ねて色々な薬を提供していきたいと語った。そしてShahr Yagenmhiも冒険者に彼女の今の心境を語った。


Shahr Yagenmhi : 私、今とっても幸せです。もちろん身体が治ったのもそうなんですけど……でも、もっと嬉しいのは彼が心から笑顔を見せてくれるようになったことなんです……。病気だったときは、心配ばかりかけてしまって、不安を隠したような笑顔しか見せてくれなかったのですけど……。
Shahr Yagenmhi : 今ではとてもあたたかな、そう、まるで太陽みたいな笑顔を見せてくれるんですよ。

マジュ・ナジュを太陽とたとえた彼女だが、その笑顔を見せたのはShahr Yagenmhiが傍に、元気でいるから。幸せそうな二人を残して冒険者は鼻の院を後にした。


これで事実上、冒険者の介入により、本来なら現代も眠り続けているShahr Yagenmhiが治り、歴史は変わってしまった。クエストの冒頭で借りた本を返そうと、冒険者は現代の鼻の院に訪れると、そこにはSelenanaではなく、別の女性研究員が出迎えてくれる事になる。そして……。





かくして本来なら20年後も研究を続け、また眠り続けていたはずの幼馴染の二人は、その20年の間に愛情を育み、時と種族を超えた結婚を果たしていたのだった。

最終更新:2007年12月19日 12:41