20100115韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の早期解決を求める要請書

韓国・朝鮮人元BC級戦犯者問題の早期解決を求める要請書

内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様

 私たち、「同進会」 は、戦後連合国による軍事裁判で「BC級戦犯」として有罪判決を受け、1951(昭和26)年8月までにシンガポールやジャワなどの現地刑務所から日本の巣鴨プリズンに移送され、1957(昭和32)年に釈放された韓国・朝鮮人とその遺族らで組織する会で、結成54年になります。
 私たちは、戦時中は日本軍に徴用され、戦後も「日本人」として裁かれ、祖国が独立した後もなお「日本人戦犯」として148名の朝鮮人青年が刑を受け、うち23名が日本の戦争犯罪のために死刑を強いられました。幸いにして生還したものは、巣鴨プリズンから釈放されると同時に「外国人」として放り出され、一切の補償・援護の対象外とされてきました。本人だけでなく、家族・親族も日韓両国で過酷な戦後を送り、前途を悲観し、自殺した者までいます。
 私たちは、日本政府に対して戦犯に問われた経緯・ポツダム宣言10項・サンフランシスコ平和条約11条などとの因果関係を説明し、謝罪と補償を求めて働きかけを続けてきました。裁判所にも訴え、8年間の歳月を経て、東京地裁・高裁・最高裁から立法を促す付言判示を得ております。
 判示を踏まえて、補償立法を求め、歴代内閣と各党国会議員の皆様に要請を重ねてきました。
 このたび新たに作成しました別紙の資料を添えて、改めてこの問題についてのご理解と早期解決を要請する次第です。
 2006年、韓国政府の真相究明委員会は、私たちのケースを精査し、「強制動員被害者」と認定し、名誉回復を実現してくれました。しかし、私たちの名誉を完全に回復し、強いられた不条理を是正するには、日本政府、国会の立法措置が不可欠です。2008年5月には別紙の「特定連合国裁判被拘禁者特別給付金支給法案」が衆議院に提出されました。(今年7月衆議院解散にともない審議未了で廃案になりました。)
 鳩山一郎内閣以来、歴代内閣に私たちは、半世紀以上も訴えを重ねてきましたが、当事者の平均年齢が85歳に達した現在もなお私たちがこうした要請を続けなければならない実情に、深い悲しみと憤りを禁じ得ません。
 上記事情をご賢察の上、速やかに立法措置を講じていただけますよう切に要請する次第です。

2010 (平成22)年1月15日

韓国・朝鮮人元BC級戦犯者・「同進会」 会長 李 鶴 来

最終更新:2010年05月11日 16:21
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