20080623追悼の辞(日帝強占下強制動員被害真相究明委員会委員長・全基浩)

(2008年6月23日、韓国・天安市にある国立墓地「望郷の丘」の式典会場で韓国元BC級戦犯者遺族会と同進会が合同で行った初の慰霊祭にて)

追 悼 の 辞

 連合国戦犯裁判の被害者、そして遺族の皆様。
 私たちは今日、60余年前に日帝の強制動員がもたらした不幸な歴史の中で、無実の罪で犠牲になった方々の魂を慰労するために、この場所に集まりました。
 まず深い哀悼の心で怨みの諸霊を追慕し、謹んで冥福を祈ります。また強制動員の被害者であられながらも、日帝の協力者という一部の疑惑に凝り固まった視線の中で、長い歳月、無念さを静めながら苦痛に耐えてこられた遺族の皆様に、心より慰労の言葉を申し上げます。
 この席が用意されるまでに、解放されてからでも60年を超える時間がかかりました。148人の韓国(朝鮮)の連合国戦犯裁判の被害者たちは、2次大戦を起こした国家の国民でありませんでした。植民地の民として、日本が遂行した戦争に強制動員されたにもかかわらず、その方々にとって解放は、故郷への帰郷でない、収監につながりました。日本の戦争責任を転嫁されたまま、BC級戦犯として処罰された方々は、初めから、戦犯というよりはむしろ被害者でした。
 私ども日帝強占下強制動員被害真相究明委員会では、2o06年5月26日の第20次委員会で、韓国(朝鮮)人BC級戦犯を、日帝による強制動員の被害者と決定したのであります。その時に皆様が送ってくださった声援と真心に満ちた感激の表現を、生き生きと記憶しております。そしてそれが何を意味するのかを、いつも胸に刻んでおります。私どもはその間、被害者の方々の名誉回復と、その方々の無念さを証明してさし上げる調査活動に、多くの努力を傾けてまいりました。先月もお一方を犠牲者として追加で認めました。
 まだ心残りな部分が少なくありませんが、無念にも犠牲となった韓国(朝鮮)人BC級戦犯被害者の名誉回復、追慕事業などは、今や少しずつ進展しております。最近日本の国会でも、肯定的な動きが現れていることは励みになることに違いありません。私たちは日本政府が、彼らが不当に処遇した韓国(朝鮮)人BC級戦犯被害者の問題に、
積極的な関心を持つことを期待します。許しと和解を言うためには、まず無念にも苦痛を受けた方々の傷が癒やされ、名誉回復がなされなければなりません。それが良識ある国家がしなければならない、最小限の道理です。これを通じてのみ、韓日両国は相互間で信頼を回復し、共生の歴史を開いていくことができるでしょう。
 戦後60年がはるか前に過ぎましたが、韓国(朝鮮)人犠牲者たちについての遺体の実態調査や遺骨の収拾・奉還などは、期待に沿えておりません。日本政府が加害者としての責任を感じ、人道的な次元で韓国(朝鮮)人犠牲者の問題により多くの関心を持ち、問題解決に乗り出すべきです。
 日本政府が事実関係をはっきりと発表し、無念な被害者たちの冤罪をはがし、その恨を解いた後でこそ、韓日両国が過去を抱え、真心からの許しと和解の道に出ていくことができます。過ぐる日の歴史に一つ一つ結末をつけていくとき、韓日関係と東北アジアの平和、さらには世界の平和を成し遂げるのに、両国民が寄与することができるよ
うになるでしょう。
 もう一度、怨みの諸霊を追慕し、永遠の安息を祈ります。ありがとうございます。

2008年6月23日
日帝強占下強制動員被害真相究明委員会委員長
全基浩

最終更新:2010年03月15日 02:03
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