19820702・96回衆 - 外務委員会(櫻内外務大臣答弁)

質問:土井たか子

答弁:(外務大臣)櫻内義雄

○土井委員
 あと二点は、大事な問題なんですが、簡単に説明をして、そしてひとつ対処を要求したいと思うのです。
 まず最初には、第二次大戦中に日本軍に徴用されて、軍務中の責任を問われて戦後南方各地で戦争裁判を受けた朝鮮の方々がいます。二十三名が南方で刑死をして、生き残った方々が昭和二十六年の八月に巣鴨のプリズンに移監をされてこられたのです。戦犯になったこの方々は戦後日本が独立をした後も科刑のときが日本人だから刑の執行は差し支えないということで日本政府にずっと拘禁をされ続けたのです。ところが、処遇の面では、日本国籍を有していないという面ですべての援護対象から外されてまいりました。
 日韓条約が妥結をした後は日韓条約で一切は解決済みである、こういう姿勢でこの問題に対して取り扱いを進めてこられたようです。したがって、戦後三十六年が経過した今日においてもこの刑死された方々の遺骨も遺族のもとに送還されていないという状況でございまして、幾たびとなく遺骨送還に関する請願書が国会で受理され、そして採択されるということになってきたのでありますが、このことについて事態が全く今日に至るまで実は進展していないということを私は知らされたわけであります。五十四年には「韓国出身戦犯刑死者の遺骨送還に関する請願」というのが出されまして、社会労働委員会の方でこれが採択をされました。しかし、現在、東京の方にございます目黒の祐天寺にこの遺骨は安置されたままになっているようであります。その方々の遺族の方のお名前も、そしてその方々がいままでどういうふうな経過があったかということも、大体文書一切を私は用意をいたしておりますけれども、しかしそれについてるる細かく言う時間がないのは大変残念だと思います。
 外務大臣、この案件は非常に大事な問題だと私は思いますので、ひとつ礼を尽くして遺骨に対して遺族の方々のところにお届けする、日本側はその責任が当然のことながらまずABCの問題としてあるだろうと思いますが、韓国出身戦犯者同進会というのがございまして、会長の李さんがこのことに対して年来ずっと政府に対して国会に対して請願をし続けてこられたというお立場にございますので、外務大臣の方から一度その事情などもしっかりと理解をしていただくということを私自身求めたいと思います。そしてこれに対してしかるべき対処を外務大臣責任持っておとりいただくように私は申し上げたいと思うのですが、これが一件。よろしゅうございますね。
 (下略)

○櫻内国務大臣
 韓国出身戦犯者同進会の会長李大興さん、この方の昭和五十七年四月の請願書が手元にございます。また、ただいま詳しく経緯のお話がございましたので、この問題につきましては、私どもが御質問の御趣旨に沿ってどのように措置し得るものか、残念ながら私この件についてはただいま詳しく承ったわけでよく検討させていただきたい。

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最終更新:2010年03月17日 04:23
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