19550629・ 22回参 - 内閣委員会(内田法務省入局管理局長答弁)

質問:木下源吾

答弁:(法務省入局管理局長)内田藤雄

○木下源吾君
 (前略)
 次に、これはあなたの方との関係かどうか知らぬが、実は台湾の戦犯ですね、南朝鮮、韓国ですね、ここの戦犯が切々としてわれわれのところに手紙をよこして訴えていることは、自分たちは日本の戦争に協力して戦ったのだ、ところが今日ここへきておると、まことにさびしいのだ、一日も早くわれわれもまあ対等な釈放の何があるならば、これも一緒にやってもらいたいという意味なのですな。こういうものに対しては、われわれはやはり同情を持ってやってあげなければならぬ、こう思っておるのです。そこで直接あなた方は収容所に行っておる監視人とは違うだろうが、やはりこれは、法務省は、絶えずそれぞれやはりどこかの相談を受ける機会が法務省は多いのじゃないか、こういうふうに考えます。こういう問題については何かいろいろ御相談なすったことがないかどうか、そういうことをお聞きしたいのです。

○政府委員(内田藤雄君)
 ただいまの問題は、法務省は確かに非常に関係しておることでございまして、矯正局と保護局におきまして主としてこの問題を研究しておられます。われわれの方の関係だけを申し上げますならば、戦犯として巣鴨から釈放せられました朝鮮人、台湾人につきましては、戦前から日本におります朝鮮人、台湾人の資格をあげまして、それと同一に取り扱うという方針をきめております。

○木下源吾君
 今のは、さらに私はお聞きしようと思っていたやつに御答弁になったので、出ている人はいい、出た人はこの間も新聞だかに見ましたが、出てもやはり自分たちは仕事もなく、行く所もないから、しばらくまだ置いてくれというような、そんなことがあった、だからそれはまた伺いますが、私はそうではなく、今の入っている人たち、これはあまり数がない、三十名ぐらいらしいですがね、その少い人がだな、今日では国籍が違うために不当な不利益な、あるいは精神的にも不利益をこうむっておるのではないか、こういう点で同情を私はしますから、もしもすみの方に押し込めておいているならば、それはかわいそうだ。ほかの方では、えらい人たちのものは、しかも日本人であるならば、アメリカとか、あるいはイギリスとか、オランダとか、そういうところと交渉して釈放のためにおやりになっておるという私は新聞などを見るのだが、このような非常に不遇であるような状態に置かれておる人たち、そういう人たちに一体何か早く帰してやる、あるいは出る期間が来ておる者に対しては適当な、国内において出てからの生計の保障がつくようなことをお考えになっておるかどうか。

○政府委員(内田藤雄君)
 ただいま申し上げましたように、その所管は矯正局及び保護局なのでございますが、私どもわきから聞いておりますところでは、初め巣鴨に入りました人たちは、朝鮮、台湾を合わせまして百五十一ありましたのですが、そのうち満期出所で、三十一が満期出所、それから六十二名が仮出所いたしまして、現在なお巣鴨におります人は五十八、そのうち朝鮮が二十、台湾が三十八、こういう数字を聞いております。で、私繰り返して申し上げますように、われわれの主管ではございませんが、われおれの聞いております限り、この方々たちが特に不当な差別待遇を受けておるというような事実はまずないと了解しております。

○木下源吾君
 政府もやはり日本人の戦犯と同じような取り扱いをやっておるのですかどうか。

○政府委員(内田藤雄君)
 仮出所等につきましては、全く日本人と同じようにやっておる、努力しておるものだと了解いたします。

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最終更新:2010年03月17日 03:56
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