ながされて藍蘭島エロパロSS

 

 

 

『寝取られて』第23話

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ポンポンと軽い音を立てながら底抜けに青い夏空に数発の花火が打ち上がり、ボクにとっては二度目となる海龍祭りの季節がやってきた。沈没したアイランド号から海へ投げ出された人々をこの島へ導き救ってくれた大ぬし様の御加護や暖かく受け入れてくれた先住の皆んなに感謝を捧げるのがこの祭りの主意という。だから村人達は開催間近を知らせる花火の音を聞くと普段の仕事の手を止め、ホストとして一週間の日にちをかけて様々な準備をし、島の方々からやって来る動物達を屋台や盆踊り、花火などで三日間もてなし、また御神体を神輿で担ぎ奉謝の練り歩きをするのだ。誰もが楽しみにしている年に一度の一大行事であった。

 去年初めて体験したボクは、想像以上の賑わいにびっくりしてしまったのをよく覚えている。この島にはこんなにも住民がいたのかと──まあ、村のボクら以外は全て動物だったけど……。祭りの間頻繁に出入りする彼らで広場や通りはごった返し、屋台の出し物も材料の補充が間に合わなくなりそうなほどで、喧騒は終わりの時間まで収まらなかった。今年も人口百人にも満たない村の祭事とは思えないぐらいの盛況が三日間続くことだろう。

 だが、ボクは前回ほど楽しい気持ちにはなれなかった。

 

 理由は簡単。

 ぱん太郎がいるから。

 

 嫌なことに、アイツの姿は祭りの本番前から見かけられた。自分はもう立派な村の一員でございとでも主張するかのように、準備段階から加わっていたのだ。

 その体格と馬鹿力を生かして大荷物を運んだり祭提灯など高い位置の飾り付けをするなど、いちおう仕事らしいことをしているようではあったが、頻繁にその手を止めて自分を取り囲む女の子たちと姦(かしま)しい笑い声を立てながらくっちゃべったり、ふざけたり、かと思えばいつの間にか一人あるいは何人かの女の子と共に行方を晦まし、一ニ時間ほど経った後でしれっと戻って来たり……そんな不真面目ぶりが目に余りすぎて評価することなど出来なかったが。

 すずが言うには、ぱん太郎は各家の作業などにも協力しているそうだ。例えばアイツがこしらえたという提灯も会場のどこかに吊るされているらしい。だから何だという話だが、どうりで祭り関連の頼み事がボクに回って来ないわけだとも合点がいった。去年は不足した材料を届けるなどそれなりに頼まれた覚えがある。ボクはからあげさんの代理でぬし相当の役割を果たしているということで、今回は本番中の警備に回されるらしく、そのため初日にオババから受けた差配ではそれ以外は特に何もしなくてもいいと言われていた。

 だが、それだとボクは祭りが始まるまで自前の出し物の用意ぐらいしかやる事がなく、それも見廻りの道すがら出遭う動物達にまたワタアメやってよと熱心にせがまれたため、2日目に洋館に出向いてぱな子さんからザラメを分けていただき、りんに芯棒の製作を頼み、屋外の物置に蔵(しま)ってあった去年の綿飴機を引っ張り出してちょっと手入れして。それだけで終わってしまった。

 手持ち無沙汰になったボクはすずを手伝おうとその夜に申し出たが、「大丈夫、こっちは一人でこなせる量だから♥ それより、人手が必要な所を手伝ってくれた方が嬉しいな」と言われたため、それもそうかと思い直して3日目からは会場の設営に飛び入り参加し、そこでアイツの姿を見かけてしまった次第であった。

 櫓や舞台、屋台に表門などなど……作らねばならない大物はいくらでもあったが、ぱん太郎との共同作業なんて御免蒙りたかったボクはなるべく離れた所の仕事を貰うようにして、会場の隅っこから屋台を組み立て始め、アイツと女子たちの騒がしい様子を遠くから横目で追うこととなった。あの近くにいたらとても作業に集中できないし、距離を置いて正解だったと思う。

 それにしても、皆んなも皆んなだ。これが眉目秀麗なアイドルでもあればああして群れなして追いかけ回す女性心理も理解できなくもないが、人間時のぱん太郎はお世辞にも二枚目とは言い難い──どころか、周りに威圧感を与えてもおかしくない巨漢である。丸みを帯びた体型や愛嬌のある顔つきをしてはいるが、どう甘く見積もっても女が好む色男ではない……と、思う。世の中様々な物の見方や価値観があるだろうけれど、ボク個人のアイツへの悪感情を抜きにしても、客観的な印象とボクのそれがさほどずれているとは思えなかった。

 ……であるのに、彼女たちのぱん太郎に対する態度はあたかもイケメンに接しているかのようなのだ。広場での仕事がない子たちまでやって来ては寄り集まる。まるで魅了の魔法にでもかかっているかのように……。

 ぱん太郎と言えば以前は東の森一の乱暴者として皆んなも多少は警戒心を持っていた筈なのに、それが今や誰しもが少しも怖れずアイツのすぐ傍で楽しげに語らい、好意を含んだ目つきで見上げ、彼女たちの方から嬉しそうに触れたり抱きつきさえするのだ。アイツを取り囲む輪の中にすずとあやねの姿だけが決してないことだけが救いだった。

 フレンドリーなこの島の人間らしいと言えばらしいかも知れないが、アイツは興が乗って来ると下卑た笑い声を立てながら彼女たちの胸やお尻などにも気兼ねなく触ったり、しゃがんで抱擁あるいは抱え上げたりして人前で堂々とキスするなど、ボクの目からすれば過剰なスキンシップが甚だしかった。肉体関係にまでなればあの程度何でもない、ということなのか……。

 でも、ボクが親しくしていた女子たちもそんなコトをされて喜んでいる姿を見るのは辛かった。あの中で広場での仕事があるのはりんぐらいなのに、まちやちかげさん、ゆきの、しのぶ、アイツとの子供を腕に抱いたみちるさんと梅梅……彼女たちまでもが時折やって来ては歓談の輪の中に加わっていたり、アイツに触られたり、キスしたりして……それでいてボクには遠くから手を振るぐらいで。とても見ていられなかった。

 それに──そんな騒ぎが収まってやっと作業が再開されたかと思ったら、気が付けば彼女らもぱん太郎と共に消えている時があった。アイツが女子と一緒に居なくなるなどその目的は考えずとも明白だ。この島は北の荒地や富士山の森林限界などを除けばほぼ樹林で埋め尽くされており、広場も厚い森で覆い囲まれている。一本一本濃い緑茂らせる木々の中へ踏み入るだけで人目を避けることは造作もないのだ。その証拠に森の中から出て来ることもあった。決まって皆んなの腰にぱん太郎の手が回っており、抱き寄せられるように寄り添うようにぴったりアイツとくっついていて。……おまけに彼女たちの顔には紅潮が残っていて、表情はどこか上の空、でもどこか満ち足りたような、恋するような潤んだ目でアイツを見上げてて……。そんな様子もまた、しばらくの間もとても見ていることは出来ず、ボクは暗澹とした気持ちで顔を背けてしまうのだった。

 皆んながアイツと姿を晦ましている間、知らぬ振りで作業をしていても、そう離れていないだろう場所で彼女たちがぱん太郎と野外姦している場面が──年頃の健康的で魅力的な肢体をアイツのいいように弄ばれては快感に喘ぎ、アイツの巨根で突かれまくっては更なる悦楽に悶えている姿が容易に脳裏に描かれてしまい、その憶測がおそらく外れていないだろうことに奥歯をギリギリ噛み締めずにはいられなかった。

 皆んなが──すずとあやね以外の全員がアイツと子作りセックスしている事実が切っ先鋭い剣となって喉元に突き付けられるような感覚。

 

 まちも、ちかげさんも、ゆきのも、しのぶも、みちるさんも、梅梅も、安定期に入ってアイツとの性行為を再開したらしいりんも……。

 ぱん太郎は彼女たちのおっぱいやおまんこも遠慮なく触りまくり、弄くりまくり、からだじゅうを我が物にして。あの巨根を彼女たちの膣の奥深くまで届かせ、子宮へ直に精子を放ち、彼女たちは一人残らずそれを許している──いや、むしろ望んで膣奥で、子宮で、ためらいもなくしっかりと受け止めているのだ……あんな奴と子供を作ろうとしているのだ…………。

 

 梅梅とみちるさんは既にアイツの第一子を産んで次の子を仕込まれ中、りんのお腹はすっかり膨らんで服の上からでも目立つようになり、まち、ちかげさん、ゆきのやしのぶもいずれ……。

 駄目なことだと解っていても、彼女たちの内の誰かがぱん太郎と共に見当たらなくなる度に、

(今……この森のどこかで…………いや、すぐその辺りで………………)

と、嫌な想像が頭をよぎらずにはいられなかった。

 ぱん太郎と肉体関係になった彼女たちだが、だからと言ってボクに対する態度が変わったわけではなく、今でも親しく接しているため、疎遠になったわけではないのだ。

 そんな皆んなが快楽と昂奮でからだを震わせながら、ヴァギナの奥の奥まで届くというアイツの巨(おお)きなペニスで子宮にドクドクドクドクと濃厚な子種を浴びせかけられて、途方もない気持ち好さに包まれて絶頂している──ぱん太郎とのセックスを心から楽しんでいる──七人とも積極的にアイツのチンポとザーメンを欲している──そう考えるとたまらなかった。心臓が冷え固まるような感覚に襲われ、しばしば作業の手も止まりがちになった。

 そんな時はすずとあやねを思い浮かべて気持ちの温かさを取り戻すしかなかった。

 もはやたった二人だけとなった、ぱん太郎の手が付いていないすずとあやねを……。

 どうしてこうなったんだろう……そう思わずにはいられない時がある。ボクが今のぱん太郎の位置に収まればよかったのか。いや、何を考えてるんだ、違うだろう、と、その度にボクは力なくも頭(かぶり)を振る。欲望の赴くままに、無差別に、無責任に、誰彼構わず手当たり次第に何人もの女性と関係を持つなど、道義にもとるにも程がある愚劣行為じゃないか。全員に対して責任が取れるのか? アイツは人として、男として最低最悪なんだ。それを模倣してどうする。この島の事情がどれだけ特殊であれ、ボクは何も間違っていない。ボクは正常だ。その筈だ……。

 その信念を抱き締めながら謹直に仕事を果たしていくしかなかった。

 

 

 仕事と言えば……ボクは見廻り、すずは今までどおり何でも屋と、今ではすっかり別々に仕事をするようになってしまったボク達は、朝、家を出るとしばらくも歩かないうちに分かれ道で「じゃ」「うん」と短い挨拶を交わしながら別れ、お互いの務めへと赴くのが習慣付いてしまっている。まるで共働きの夫婦みたいだな、と考ている自分に気付き、思わず苦笑いしてしまった事もある──悪くない気分ではあったが。すずとの本当の家族同然の生活が、それほど今のボクの当たり前になっているのだ。

 だからこそ、以前と違って日がな一日ずっと一緒にいることがめっきり少なくなったため、日中のすずの安否をほとんど確認できなくなったのが長らく悩みの種であるのだが……この頃では、その焦燥感も幾分か和らいできている。

 もしも──ボクが離れている隙にあの野郎がすずを狙って近づき、純朴無垢な彼女を騙すような何からの方法で性行為に持ち込むことに成功してしまったら。

 その後は、もう…………。

 村の少女たちはごく一部を除き、男に全裸を見られたり、からだに触れられたりしても抵抗感がない。生まれた時から島に人間の男性が居なかったため、異性に対する免疫がまるで無いのだ。すずなどはその筆頭に数えられるほどであった──それに反比例する美貌の持ち主なのに!

 今や性に関しては相当抜け目なくなったぱん太郎は、そこに付け込んで来る可能性が高いのだ。適当な理由を並べて……いや、あるいは説明しなくとも、「服を脱いでくれない?」などとド直球に軽く頼むだけで、すずは不思議がりながらも脱ぎ始め、「下もね♥」などという言葉にも何の拒否反応もなく、ぱん太郎の卑猥な視線から下腹部を守っていたパンティすら脱ぎ、乳房もアソコも丸出しのあの艶めいた肌の美しい肢体をアイツの眼前に惜しげもなく晒してしまうのではないだろか。

 そこまで来てしまえば、日が暮れるまでタップリと時間がある中、何も知らなさ過ぎるすずであっても造作もなく性的快楽の檻に捕えてしまうだろう、今のアイツなら……。すずは全裸になるだけでなく、そのからだをぱん太郎に触られても、弄られ出しても、拒絶することを知らないのだ。そうして、すずに拒絶させることなく、ケダモノの慾望の捌け口として────!

 そんな風に考えてしまうと気が気ではなくなり、見廻りの途中で村に戻ってすずの姿を探し求めた事も実はある。何のこともなく畠仕事している姿を遠くから発見して、ホッとすると共に、一体ボクは何をやっているんだ、本当に馬鹿だなあ……と、すずを信じきれていない自分が心底情けなくなり、みじめな気分になって、あちらから発見される前に隠れるようにしてトボトボ引き返したのを今でも覚えている。

 だが、仮に、万が一にも、現実にそうなってしまったとしたら。

 男の浅ましい慾望を──ぱん太郎の底抜けの性慾を知らないすずは戸惑っているうちに拒んだり逃げたりするタイミングを失い、あの綺麗な肢体のあちこちを触られ、弄られ、経験豊富なアイツの為すがままに段々とおかしな気持ちにさせられて……。

 男を知らない未成熟なからだも知り尽くしたぱん太郎はすずからでさえ性的快感を引き出し、ねちっこい愛撫ですずは甘く喘ぐようになり、股を閉じることも知らずにアソコを濡らしてしまって……。

 十分に準備が整ったと判断したら、アイツはボクに対する忖度もなく、嬉々としてすずの初めてを奪うだろう。

 

 ボクの家族同然の大切な人が、姦譎(かんきつ)極まりない猟色野郎に騙された挙げ句、処女を散らされるのだ…………!!

 すずが……あんな奴と一つになってしまうのだ……!!

 

 初めこそすずは痛みや苦しさに悲鳴を上げ、顔を歪ませるかもしれないが、ぱん太郎は無理に動かず、彼女を落ち着かせ、できるだけ苦痛を与えないよう時間をかけてあの肉厚長大なペニスの巨(おお)きさ、硬さに馴染ませてゆく。胎児の通り道である膣は想像以上に拡がるように出来ているらしい。やがて、アイツの巨根がゆっくりと動き始めた時には、最初の痛みや苦しみをそれほど感じなくなっているすず……。それどころか、いつしかおかしな気持ち好さが湧いて来て、気付かないうちに痛みを我慢することを忘れていて、すずは極太の肉棒から与えられる刺激に喘ぎ声を漏らすようにまでなる………。

 そうして時間をたっぷりとかけて馴染ませた結果……ぱん太郎の巨根が一定のリズムで膣内を往来するようになっても、「あ♥ あ♥ あ♥ あ♥」と、短い嬌声を上げ、心地好さを帯びてきた刺激を感じるばかりのすずの姿が生まれているのだ。

 それは、ぱん太郎とのセックスに慣れ切ってしまった段階には及ばなくとも、初めて男を迎えているとは思えないほど甘ったるい反応で……。恐れていた通り、すずもぱん太郎の性技の毒牙から逃れることなど出来ず、アイツの巨根に支配されつつあるヴァギナを奥までぬるぬるに濡れさせてしまうのだ。

 より滑らかに、より奥まった部分に、すずの膣内を出たり入ったりし始めるぱん太郎の極大ペニス。すずの快感はさらに増し、一段と高まる明らかに感じている声……。「気持ち好くなってきた? もう痛くない?」などとぱん太郎に訊かれたら、素直なすずは、「うん……♥」と、その時の気持ちを表して首肯してしまうだろう。ぱん太郎の卑猥な手つきで、あの大きな乳房を乳首も弄られながら餅のように伸ばされ揉まれたり、動きを止めてクリトリスを指先で軽くやわやわと刺激されたりすると、また違った声を上げて悶えるかもしれない。まだ中学生の年齢とは思えないほど美しく凹凸豊かな肉付きのプロポーションも相まって、男と繋がる気持ち好さを覚え出してしまったそのからだを震わせて喘ぐすずの姿は、セックスの心地好さを感じ始めて真っ赤になった顔をトロンとさせる様子は、いつもの清純さがどこかに追いやられて実に扇情的で、いやらしくて、淫靡さを感じるほどで……!

 

 そして……すずのオマンコの準備が整ったとぱん太郎が判断したら。とうとうあの濃厚なザーメンが。アイツの精子が詰まりに詰まっているだろう濃白のドロドロ精液が。

 すずの膣奥でも──躊躇いなくぶちまけられるのだ。

 

 すずに対してだって、アイツはひとからけの遠慮もない。容赦なく。徹底的に。すずの子宮の間近で、いや、必ず亀頭を直にくっつけながら種付け射精するだろう。それも溢れ返って真下に白濁の水溜りを作るほど大量に。最後の一噴きまで。すずにだってアイツはそうする。ボクという同居人がいることなどまるでお構いなしだ。ボクとすずの仲を引き裂くことになろうが気にすることなく。初めての種付け射精を受けてびっくりしたように戦慄くすずの美尻を掴んで離さず、すずの子宮を逃がすことなく。ぱん太郎はすずの卵子に自分の精子をぶっかけることだけを考えて、すずを孕ますことだけを考えて──!

 すずの奥壁は瞬時に濃厚な白に染まって子宮口も白濁に沈み、ぱん太郎の体液で占拠されるのに数秒もかからない。

 でも、すっかり快楽の淵に落とされたすずは、あの巨根を深いところまで突き入れられても、どれだけ膣内射精されても、頭が白くなるような快感を覚えこそすれ、もはや苦痛や嫌な気持ちなど一切感じずに……!

 他の女性たちを魅了しているように、からだの奥でドクドク、ドクドクと際限なくいつまでも射精脈動するアイツのペニスを感じ続けるすず……! 決して悪い気分ではなく、うっとりと目を細め、気持ち好さそうな声を漏らして、からだをビクビク奮わせて、アソコを締め付けさえして、まったく拒むことなく、ぱん太郎の精液を子宮に当てられるがままに…………!!

 普通の男では中出ししても女性側には出されている感触など分からないらしい。だが、ぱん太郎の射精はまるで違う。ひと噴きひと噴きがハッキリと内奥で感じ取れるほどの並外れた力強さだという。噴射された精液が脳髄まで届くような衝撃さえおぼえ、本能が掻き乱されてからだが火照り疼き、我慢できず身悶えて喘ぎ、心もからだも頭も甘く痺れてしまうそうだ──見回り中、偶然死角から耳にしてしまった道端で談笑している母親たちの会話の受け売りだが。女は前後不覚になるほどたまらない心地になり、ずっと続く多幸感に包まれ、何度でもぱん太郎の中出しを味わいたいと欲するようになってしまうそうだ。まるで麻薬みたいだ。確かに、ぱん太郎の凄まじい量と勢いの精液噴射はボクも目にしたことがあるし、アイツの膣内射精を平然と受け止めている女性は見たことがなかったが……。

 

 そんな膣内射精を、虜にならない女はいない濃厚すぎる中出し種付けを、すずも味わってしまうのだ。

 それも、嫌々ながらではなく、ハメられている時よりもさらに蕩けた表情で…………!

 初めての膣内射精される感覚に驚きながらも、明らかに中で出される快感を覚えている様子で…………!

 

 灼熱のマグマを噴火させる度にぱん太郎はググッと根本まで突き入れ、すずの子宮への精子注入を確かなものにするが、それでもすずは苦痛を感じず、逆にたまらない悦感を覚えてしまう始末なのだ。膣内射精される気持ち好さにアソコを締め付けさえしてしまうかもしれない──それが精子を外に逃さなくする行為だとも知らずに。もっとも、大量放出されるぱん太郎の精液はすずの膣内に収まる筈もなく、大部分が外に溢れ出してしまうのだが。

 お腹の奥底に強く感じる気持ち好い衝撃、それはつまり、すずがぱん太郎に孕まされているという紛れもない事実なのだが、無知なすずはそこまで思い至れるわけもなく、その気持ち好さをただただ受け入れてしまうのだ。ぱん太郎の種付けを受け入れてしまうのだ……!

 ぱん太郎の精子は彼女の膣内を満杯にするだけではなく、すずの子宮にも次々と侵入してゆく。子宮口に直接当あたる場所で射精するのだから、ただでさえ無尽蔵なほどの量のザーメンが吐き出されているのだから、常人では及びもつかないほどの数の精子がすずの子宮の中に送り込まれるのは決定的事実である。物の本によれば個人差はあるらしいが、一般的な成人男子の一回の射精では数億の精子が放たれ、そのうち99%が途中で力尽き、卵子が待つ場所まで辿り着けるのは数十から数百だという。でも、ぱん太郎は……百億? 千億? とにかくあの桁違いの精液量だ、一回の射精で兆単位の精子が野に放たれても何ら不思議はない。とすると、すずの卵子まで至れるぱん太郎の精子の数は……何万匹と考えて差し支えないだろう。それだけの数のアイツの子種がすずの卵子が生まれる受胎聖域に押し寄せるのだ。

 “種付けの時間”は既に始まっている。初めてでぱん太郎の大勃起を根本まで突き入れられているというのに、痛みを覚えなくなったどころか気持ち好さばかり感じるようになったすずのヴァギナの中で、しかもぱん太郎はすずの子宮にペニスの先端を直当てしながら何分間も射精し続けるのだ……!

 あまつさえ最初の一回だけでは済まず、その後もぱん太郎は立て続けに何度も膣内射精しまくって、早くもアイツの巨根のオナニーホール同然にしてしまって──でも、すずもすずで、処女を喪ったばかりだというのに気持ち好さそうに囀りまくって、ぱん太郎の色んな行為に拒みも見せず、自分を種付けるのが目的であるアイツの子作り射精を感じまくって、今まで味わったことのない快楽体験に酔い痴れてしまって。

 そうして、まるで合意の上のセックスの末のように、気持ち好くされて門戸を開いたすずの子宮にアイツの精子が堂々と入り込みまくって。

 排卵していたら確実にぱん太郎の精子で受精して────!

 

 繰り返される悪夢のせいで嫌でも脳裏に焼き付いてしまったいやらしくぱん太郎と交わるすずの生々しい嬌態が補ってしまい、少し前まではこんな身の毛のよだつ想像からどうしても逃れられず、なかなか心が休まらなかったものだ。すずを捜しに行きたくもなる。

 男をまったく知らないすずはレイプ同然の行為でもそれが異常な事とは判断できず、アイツを意識するようになって、行為自体の気持ち好さやアイツの巨根をハメられまくる濃密なセックス体験が忘れられなくなって……という可能性は高い、のではないか……と、思ってしまうのだ。あくまでぱん太郎の食指がすずにまで及んでしまったら、という架空の話だが。

 でも、もし……万が一にも架空ではなくなってしまっていて──ボクが見廻りをしている間にそういう“コト”が起きて、ボクが知らないうちにたびたび会うようになっていて──いや、もしかしたらもうとっくに、ボクの目の届かない所で……あの「屋敷」の中で……

 

 あの“愛の巣”で、誰にも邪魔されず、心ゆくまで。

 すずが、ぱん太郎と。

 本当に、現実に。

 

 セックスしまくっている──────

 

 

 アイツは当初見せていた紳士の仮面など投げ捨ててがっつくような勢いで彼女を好き放題に犯すだけでなく、課せられた義務だからなどと言って遠慮なく中出し種付けしまくるが、すずもすずで村のためならと同意して見境もなく感じまくり、直視できないほど悦びまくり、影響されてすずもセックス中に子作りを意識するようになり、ぱん太郎との子供が自分のお腹の中にデキるという考えが脳裏に浮かんでも、拒むことを知らないかのようにぱん太郎に中出し種付けされるがまま甘く身悶えながらアクメを繰り返し、それはもはや本当に合意しての和姦、いや、恋人同士のセックス、あるいは結婚した者同士のような子作り行為──そう、悪夢で見る二人のように──などという忌まわしい考えが脳裏を駆け巡って、嘔吐感が胸を突き上げるほど強い不安を抱く……

 

 ──というのも、今ではだいぶ少なくなっていた。

 何故ならば。

 

 いくら日が経ってもぱん太郎がすずに接触しているという気配や噂が立ったことは一度として無いし、実際に異常などまるで見受けられない彼女と今まで通りの朝夜を過ごしているからだ。前のように一日じゅう一緒にいることも当然あって、そんな時のすずも昔と何も変わらない明朗快活な自然体であった。

 ぱん太郎がこの村に居着き始めてから早や数ヶ月。すず──そしてあやね──だけは変わらずに、ぱん太郎と一緒にいる姿を見ることなく無事に今日まで至っているのだ。

 

 それどころか、すずは以前より明るく笑うことが多くなった。男子三日会わざれば刮目して見よ、という格言があるが、その女子版のようだと言えばいいだろうか。元より快活な性格であったが、この頃ではいつ視線を向けても機嫌良さそうにニコニコとしていて、軽やかな身のこなしで家事をテキパキとこなし、それでいて浮ついているという風でもなく、心身共に充実していて内面から自信が滲み出て来るような──そう、他の皆んなと似たような活き活きとした印象がすずからも感じられる気がするのだ。

 ただ、そう、それは──目に見えて笑顔が増えたのは、すずだけでなく村の女性たちすべてに当てはまるのだが。

 ぱん太郎を中心に回り始めた彼女たちの新生活ぶりは、ボクには熱病流行にも似た一種異様なものに映っていたが、百歩譲って、確かに以前より溌溂としていると表現してもいい。別にそれまでの彼女たちが暗かったわけではないが(とんでもない、それどころか彼女たちの藍蘭島気質な爛漫さと親身さにどれだけこちらが笑顔にして貰ったことか)。

 ……こう言ってはアイツに功績があると認めるようで甚だ不本意なのだが、皆んなのこの変化はぱん太郎が来てからなのである。

 女心に疎いボクでは彼女たちの中で実際どのような意識変革があったかなど皆目検討もつかない。けれども、アイツが関係しているだろうことは漠然と察しがついていた。男が出来れば女は変わる──昔どこかで見たか聞いたかしたことがあるフレーズ。アイツが皆んなに良い影響をもたらしているだなんて認めたくもないが、そんな個人的感情をひとまず脇に置いて推量すれば、小さな村の繋がり濃い住人達だ、より明るくなった彼女たちが醸し出す空気がすずにも伝染した──そういうことなのかも知れない。

 そうなるとボクだけ代わり映えもせず孤独に置いてけぼりにされているような距離感──疎外感? 寂寥感? 異性との対比だから持て余し気味になってしまう──を覚えてしまうが、こうして皆んなに良い作用が生まれるのは、少なくとも悪いことではない。だからと言ってアイツを肯定する気など更々ないが……。

 そんな彼女をボクが見つめているのに気付くと、「ん? なあに♥」と、決まってにこやかに笑い返して来てくれるすず。その笑顔がまたやけに眩しく、(やっぱり一段とキレイになってるよね……)などと考えながらボクは思わず目を逸らしてしまい、「い、いや……何でもないよ……」と、とぼけた返事をしてしまわずにはいられない。でも、同時に救われるような温かい心地を覚えずにもいられないのは確かだった。

 今や村で顔を合わせる女子という女子がぱん太郎と男女の仲になっている娘(こ)であるというたまらない状況の中、こうして変わることなくボクと一緒にいてくれているすず、そしてあやね。この二人だけがボクに残された掛け替えのない清涼剤なのだ。

 そんなすずやあやねまでもがぱん太郎とセックスする仲に──他の女の子たちと同じようにアイツに処女を捧げ、アイツにセックスの快感をいやというほど教え込まれ、そうしてアイツの愛人になってしまって、ボクの目を盗んでは他の子たちに負けないほど淫らな子作りセックスをしているだなんて。アイツの子を孕んでも構わないと、子宮口に直当てされながら送り込まれるアイツの精子を悦んで受け止めて、すずとあやねの子宮内もぱん太郎との生殖受精空間になっているだなんて。

 この二人すらあの巨根とあの種付け射精の虜に堕ちていて、アイツと一つに溶け合ってボクという存在など忘れてしまうほどの快感の生セックスを実体験していて、そして……すずも、あやねも、アソコの中、子宮の中は、ぱん太郎と愛し合った証拠で満たされまくっていて、アイツの子供を身籠る約束を喜んで交わしている、とか……。

 そんな悪夢の内容が現実に起こっているなどと、三文芝居でもお目にかかれないほど荒唐無稽な妄想で決まりということだ。

 結局のところ、どれほど衝撃的であろうとも、あの悪夢や野外で目撃したセックス現場の影響もあってボクの脳内で堂々巡りしている迷妄に過ぎず、ぱん太郎は充分な数の女性を手中に収めた今、残っているすずとあやねには目が行かなくなった──あるいは気にしたり手を回す暇もなかったりとか、さらには女子がどれだけいるのか把握しきっていないなどという説が案外正鵠を射ている可能性が高い。ぱん太郎の女狩りがピタリと熄(や)み、可愛さでは他の子たちに引けを取らないすずとあやねに見向きもしない理由が他にあるだろうか。母親層も含めればアイツと懇(ねんご)ろになったのは二十人以上を数え、誰しもが我も我もと連日のように自分からぱん太郎の下へ押しかけている程だ。ちかげさんが何やら順番を割り振って整理しているらしいが、それでも一人ひとり相手にするのはさぞや大変だろう。

 そう考えると、一種の心地良さすら帯びる弛緩めいた安堵感が胸に染み広がってゆくのだった。

 完全に安心は出来ないが、何とか辛うじて最低限ながらも、ボクのほんの小さな周囲は──すずとあやねだけは、ぱん太郎に侵犯されずに維持できている──と。

 日跨ぎの子守りや女子だけのお泊まり会や小旅行など、以前にはなかったすず一人だけでの外泊が多くなりもしたが、仕事ならば致し方ないし、後者にしても本来青春真っ盛りの年齢なのだから同性の友人同士の付き合いも当然かつ大切だろうと納得している。ボクだってすずやあやねを誘って月見亭に行ったりしているのだし。それに、女子だけの集まりなら他の子たちの目もあるため、さしものぱん太郎もその中にズカズカ入っていってすずやあやねを手籠めにするなど出来ないだろう。もし、する気もなくなったのならば尚更安泰できるのだが。

 

 

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 ──行人はすずの外泊についてそう考えていたが、実際のところ、子守りは勿論、お泊まり会や旅行などというのも娘たちが協力して口裏を合わせているに過ぎなかった。

 行人がすずとあやねを月見亭に誘った小旅行から二ヶ月ほどが経ち、その間にも青リボンの少女が外泊した回数は両手指では数えられないが、そのうち半分以上がぱん太郎の屋敷や月見亭、あるいは秘湯などでの“お泊り”だったのである。ぱん太郎の相手がすず一人だけの日も何度かあった。行人と暮らしているすずであっても充分な時間が取れるのは、連日何人でも相手にできて何十人もの女たち全てを満足させている大性豪のぱん太郎と、月ごとに綿密な予定を組んでくれるちかげのお陰でもある。

 今頃はすずも他の子たちと蒲団に入りながら楽しくおしゃべりでもしてるのかなあ──などと行人が真っ暗な天井に目をやりながら何となく思いを馳せている同時刻、当のすずは、“愛の巣”の天蓋に情慾に煙(けぶ)る目を泳がせながら、自分のことを思ってくれている行人のことなど毛ほども考えず、ぱん太郎との生ハメセックスに──自分を抱いている男に夢中になっているのだった。

 

 男と交わる快楽しか眼中にない表情で。

 ぱん太郎の極太肉棒とおかしな気持ちになる膣奥射精を感じまくる淫声しか生まない唇で。

 その心体は完全にぱん太郎だけのものになりながら──。

 

 二人だけの時間が永く永く続く中、愛慾の果てに少女の胎奥で何度もぶちまけられる、少年ではない別の男の熱い精液。奥底で何度もその獰猛な白濁噴射を放たれても、すずのからだは苦もなく受け止められるようにすっかり作り変わっており、どこまでも快楽しか生まなかった。すずも正体を喪うほど甘く痺れながらその濃濁体液を乞い求め、キスを求め、ぱん太郎と名前を呼び合い求め、夜のあいだじゅう体位を変えながら、場所を変えながら、両者ともケダモノのような声を上げて奔放な交尾と絶頂を繰り返す情熱的なセックス。

 少年が寝入った後も、すずとぱん太郎は朝の日差しを迎えるまで、いや、迎えてからも。何者にも邪魔されず、深く繋がりながら一つに溶け合うように気持ち好く、恋人のように甘い言葉を囁き合い、こころもからだも隅々まで満ち足りながら、ただただ本能のままに生殖の悦びに浸りきっていたのであった。すずはぱん太郎に促されなくとも行人をダシにしてぱん太郎を選ぶ言葉を、ぱん太郎の濃密な種付け射精を受け入れている最中に何度も発し、「行人ごめんなさぁい♥ ぱん太郎様の赤ちゃん♥ ぱん太郎様の赤ちゃん♥ 私も産んじゃうのぉ♥」と、ぱん太郎の精子をいくらでも子宮内に招き入れて。頭の中では自分の卵子とぱん太郎の精子が結合して子供が作られるイメージを何度も想像しながら、精子を受け取っている最中のオマンコを熱く蕩け疼かせ悶えさせた。

 行人の妄想は間違っていなかったのだ。彼の脳内に描かれた、ぱん太郎とのセックスの虜になって夢中で極太肉棒を求めるすずは。ぱん太郎に膣内射精されて悦び悶えるすずは──

 紛うことなき現実のものだったのである。

 実際にすずの女性器最奥では、卵管も黒煙で満たされているかのように無数のぱん太郎の精子がひしめき合っていて、すずの卵子が卵巣からちょっとでも頭を覗かせれば即座に襲いかかる準備が出来ていた。すずの生殖器は彼女の意思や頭の中を反映するように性器全体でぱん太郎の精子を熱烈歓迎して、ぱん太郎の精子が卵管の入り口から奥まで充溢するがままに許していた。子供が出来る前に、すずの膣は、子宮は、最早雄臭さ極まりない濃い匂いが取れない程に、粘膜を通じてぱん太郎の精子を吸収し、完全に自分のオスだと認めていたのだ。

 初体験の時から数えれば、すずの膣内でのぱん太郎の射精はもう何百回にもなる。その回数だけぱん太郎の精液はすずの体内に吸収されていた。外出しなどぶっかける時ぐらいでしかない。ぱん太郎の精子が触れていない粘膜部分はもはや存在しない。膣はぱん太郎の大男根を憶えて形を変え、文字通りぱん太郎のためのオマンコとなり、もうすずはこの先一生、絶対にぱん太郎を忘れられないぐらいに、絶対にぱん太郎とのセックスを忘れられないぐらいに、絶対にぱん太郎の肉棒と射精と精液を忘れられないぐらいに、生殖器をぱん太郎に支配されているのだ。

 すずがもうここまでぱん太郎に開発されているのを、彼女のオマンコがぱん太郎のためだけの存在になっているのを、後はすずの胎内にぱん太郎の子供が宿るのを待つだけのところまで至っているのを、行人は何も知らない。

 行人とすずが隣り合って微笑んで心を通わせる──その程度で終わっている関係に対し、ぱん太郎とすずは男女の肉体関係を完全に成立させ、子供を作る夫婦関係を半分以上成立させ、お互い一生離れられなくなるほどの絆の関係すらも成立させようとしていた。行人とすずが手と手が触れるか触れないかの距離感であるのに対し、ぱん太郎とすずは隙間がないほどに全身を密着し合っていた。

 行人は何も知らない。悪夢の中ですずとぱん太郎がそういう関係になっているのをまざまざと見せつけられても、今や気になって気になって仕方がない少女が、彼が憎みきっている男とまだ十代半ばとは思えないほどの淫らな汁と熱を発散させる濃厚な生殖セックスを繰り広げた末に、その男の子供を自分から進んで孕もうとしている姿など。もういつデキても構わない、一日でも早くぱん太郎の赤ちゃんを身籠りたいなどという心境になって、嬉悦の涙を流しながらぱん太郎の子種を何回でも何十回でも膣奥で受け止めて子宮に溜め込んでいる姿など。

 そんな悪夢を少年は必死に忘れようとしていた────────────

 

 

 

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  2

 

 

 ぱん太郎がやっているという材料配達などは、去年はボクがやっていた仕事であった。何となく自分の役目を取られた感があり、正直に言えば面白くない気持ちになったのは否めない。けれど、元々任命があっての歴としたボクの職務というわけでもない。前回やったからと言って──アイツが気に食わないからと言って──既得権益を振りかざすように抗議するのも格好悪いと思い、だから普段は豪邸に引っ込んで何もしていないアイツがここぞとばかりに姿を現してさも働いているかのように見せかけていても、唾棄したくなる不快さを飲み込んで、どうせ祭りが終わるまでさと黙視することに決めたのだ。

 すずだけでなくあやねも忙しくしているらしく──と言うか忙しくしていない子はいない、ボクだけが仕事らしい仕事もなくしかたなく分けて貰っているのだ──、広場の設営を手伝い始めた翌々日だったろうか、このところ顔を合わせていない彼女に何となく会いたくなり、作業を中断してこちらから訪ねに行ったことがあった。

 山頂まで続く長い階段を登り終えて鳥居を潜ると、周囲の木々に止まった蝉が五月蝿く鳴いているだけで、神社はやけにしんとしていた。

 夏の強さを帯び始めた日差しを頭上に感じながら境内を抜けて住居の軒先に回る。すると、あやねの部屋から微かに物音が聞こえたので、片廊下に近づきながら声をかけた。

「あやねー、いるー?」

「──い、行人様っ!?」

と、締め切られた障子の向こうから驚いたような声が返って来た。あやねだ。

「あ、いたんだね。いきなり来てごめん。何してるのかなーって思って……祭りの準備でもしてた?」

「えっ……え、ええ、そうなの……! じゅ、準備──そう、準備……してるの……おぉ♥!」

 急に語尾が上がったのでボクはびっくりしてしまい、

「ど、どうしたの? 大丈夫?」

「ごっ、ごめんなさい、い、今、取り込み中で──えぇ♥……!」

 あやねの声の調子におかしさを感じ、靴を脱いで廊下に上がろうとしたが、

「あっ! あ、開けないで……い、今……部屋……とっても臭いから…………♥」

と、制止された。室内で何か作業をしているらしく、ガサゴソと物音がする。

 多少の匂いぐらい構わなかったが、年頃の女子の私室であるし、あやねの言うことを無視するのもどうかと思い、ボクは仕方なく砂利の上に立ったまま片廊下越しに会話を続けた。

「臭いってどういうこと?」

「え、ええ……そ、そう、ちょ、提灯作ってるんだけど……糊の匂いが……きつくて…………♥」

「へえ、提灯かあ……あれ? 提灯ってもう飾ってなかったっけ?」

 ボクは広場の中空に何本も張っている縄に吊るされたたくさんの祭提灯を思い浮かべた。そうか、あやねのところであれを作ってるんだ。

「い、いえ、まだ全部、作り終わってなくて……ん……ん……♥」

「そうなんだ……もしかして、あやね一人で残りを? 大変そうだね」

「え? え、ええ……後は……私一人で……十分だから……んん……♥」

「良ければ手伝おうか?」

 沈黙が降り、再び彼女の声が届いたのはしばらくしてからだった。

「だ、大丈夫よ……♥ この後、お姉ぇ様やお母様も帰って来るの……♥ んん……♥ それに……時間を忘れるぐらい、だから、全然……大変じゃないし……♥ んっ……♥ あと……経験の無い行人様じゃ……ちょっと、難しい作業……かも…………♥」

「そっか……じゃあ、邪魔しちゃ……悪いかな」

「~~~~~ッッ♥♥!!!!」

「あやね……?」

 障子の向こうから悲鳴のような声が上がった気がして、ボクは廊下に手をつき白い障子に顔を寄せて室内の様子を探った。だが、日差し明るい外からでは暗いあやねの部屋の中を窺い知ることができそうな記は一つも透けては来ず、ただボクの黒い影が差すのみだった。

「……ご……ごめんなさいぃ…………♥ い、今…………話し、ながら……作業……して、たら…………♥ ……の、糊……そ、そう、糊を、こぼしちゃって……♥! い……いっぱい…………奥まで…………かかっちゃったぁぁ…………♥♥」

「ええっ、糊がかかっちゃたの? 大丈夫?」

 言い方からすると糊が入った容器ごと倒しでもしてしまったんだろうか。だとしたら大惨事になっていないだろうか。

「ええッ♥ おっ、おくにっ……濃い糊が、イッパイ……か、かかってぇ……♥! すっ、スゴイ……のぉ……♥!! ん……ん……♥! ──け、けどッ……ダイジョウブ──よッ……♥♥!!」

「服の奥に?」

 周囲からの蝉の鳴き声が喧しく、あやねの声がよく聞き取れなかったが、大変そうなのは伝わって来る切実さがあった。

「大丈夫ならいいんだけどさ……」

 やはり手助けしに部屋へ入ろうかとも思ったが、いつものパターンだと障子を開けると中ではあやねが諸肌を脱いで糊を拭っている最中で、彼女のセミヌードを見てしまったボクは鼻血を吹いてしまう──そんな展開の可能性が非常に高いと判断し、(おおっと、危ない危ない、ふぅ……)と、既(すんで)の所で思い留まった。ただでさえ最近はあやねも妙に色っぽく見えてしまう時があるし、出血多量で死んでしまう……。

「え、えぇ……♥! コレ……コレ……すごく……気が取られる、から…………♥! ご、ごめんなさい、行人様ぁ…………♥ 行人様の前で……私…………んん…………あぁ…………♥!」

「ううん、用もないのに大事な仕事中に来たボクが悪いよ」と、踵を返すボク。予想外のアクシデントが起こってあやねは慌てふためいているようだし、これ以上この場にいても邪魔なだけだろう。「手伝えなくてすまないけど……あやねもあんまり根詰めないようにね。またね」

「うんッ……♥! さよなら、行人様……♥! んっ……んっ……♥!」

「また……どこか遊びにでも行こうよ。じゃあね」

「……ええっ……さようならッ……♥」

 服の奥まで入り込んでしまったという糊に悪戦苦闘しているらしい声を漏らすあやねを放って立ち去るのは後ろ髪を引かれたが、それでもやはり年頃の女の子のからだを綺麗にする手伝いをしようというのは、男としてはちょっと──と自重し、ボクは離れていった。

 何ヶ月か前に行った月見亭の温泉で見てしまったあやねの全裸──その肌の輝きはすずと競わんばかりだったが、色白さとなめらかさはあやねに軍配が上がっていた気がする。いつも長袖長裾の巫女服を着ているため、素肌が保護されているのだろう。

 あんな綺麗な肌を間近で見てしまったら。しかも二人きりで──

(さすがに……冷静でいられる自信はないな……ハハハ)

 鳥居を潜って長い階段を今度は降りようとし始めた時、再び悲鳴のような声が後ろから──あやねの部屋の方から聞こえた気がしたが、振り返って耳を澄ましてもそれ以上は何も聞こえて来なかった。蝉の合唱の中に掻き消えてしまったのだろうか。それとも初めから空耳だったのか。

(まさか…………)

と、ふと不安になる。

 

 実は、障子の向こう側で、あやねは……提灯など作っておらず。

 ……ぱん太郎と一緒にいたり──とか。

 

 もし、あの時……部屋に入るのを躊躇わずに障子を開けていれば、そこには躰を重ねた二人の姿があって────

 

(………………!)

 しかもそれはどう見てもレイプではなく、あやねはアイツを受け入れている姿勢でいて──他の子たちと同じように、あの巨根を気持ち好さそうにアソコへ咥え込んでいて──ボクを見て驚く顔には隠しようのない快楽の色が浮かんでいて────

 あまつさえ、ボクが入って来たのも構わずアイツは行為を再開し、あやねはあの巨根の生み出す快感に逆らえずにぱん太郎との交尾を続けてしまい、ついには二人は下半身を密着させながら中出し絶頂まで至って──アクメを迎えたあやねはボクを意識する余裕もなくアイツの膣内射精を感じまくって──呆然とするボクの眼の前で、あやねは子宮にぱん太郎の精子を送り込まれ続ける────

 

(いやいやいやいや…………)自分の妄想の発展ぶりに呆れたように首を振る。(アイツは広場の手伝いしてる筈じゃないか……突然わざわざこんな所まで来るか?)

 最近はお馴染みにさえ感じてしまい始めている突拍子もない空想の発露。胸の片隅で常に燻っている不安は、こんな時にも最悪の可能性を引っ張り出さずにはいられないらしい。だから根拠が無いんだよ、すずと同じだ、あやねを信じてないのかバカバカバカ、と己を叱りつけながら、ボクは神社に背を向けて足早に階段を降りて行った。

 広場に戻ると屋台作りを再開したのだが、ぱん太郎がいないことに気付いたのはしばらくしてからだった。

「──へっ…………」

 一瞬で真顔になって手を止めたボクだったが、すぐに唇の片側を歪め、「まさかね」と、フッと笑った。自分を嘲るように。頬が引きつっているのを意識すまいと努めながら。

(アイツが姿を晦ますなんてしょっちゅうじゃないか。あやねと顔を合わせられなかったからって、たまたま重なっただけだろ。何だっていうんだ。すずだっていない。まさか全てを関連付けるつもりなのか、東方院行人?)

 すずを、そしてあやねを信じる方が大切だ、と自分を戒め、或いはアイツを視認せずにいられてむしろ清々するなどとプラスに考えながら、ボクは黙々と作業を進めた。祭りの本番はもうすぐそこなのだ。

 

 

 

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 が──。

 少年の妄想はまさしく的中していたのだった。

 

 あの時、まさに──あやねはぱん太郎と下半身を繋げ合っていたのである。

 

 まちとちづるが所用で出掛けた後、あやねは道場で追加の提灯製作をしていたのだが、そこへ突然、広場で作業をしている筈のぱん太郎がふらりと訪ねて来たのだ。言葉を交わすのもそこそこに大男は白リボンの少女を抱え上げて彼女の部屋へと移り、真ん中にどかりと座るとそのままあやねの唇を奪って行為を始めた。あやねはいきなり来るなんてと多少咎めたものの、拒むことなく──どころか、会いに来てくれたのを嬉しがるように自分からも唇を差し出して口づけを受け入れ、ねっとりとしたディープキスが長く続いた。途中からゆっくりとした手つきの愛撫が始まると、「あっ……♥」と気持ち好さそうにからだをピクピク震わせ、しばらくもせずにぱん太郎が袴を脱がして少女の股間に手を潜らせると、股布の下は既に内腿まで濡れていた。

 あやねがぱん太郎とセックスするようになって約三ヶ月。まだすずとぱん太郎の半分にも満たない日数であったが、手つかずで残っていた最後の一人であるこの白リボンの少女が堕ちきるのには十分すぎる時間であった。

 例によって行人はまるで気付かず、よって邪魔や妨害も一切なかったのだから。

 すず同様に行人にバレることなどなく──つまり、あやねもこの数ヶ月の間まったくもって円滑に、青リボンの少女に勝るとも劣らない頻度でぱん太郎に抱かれ続けたのであった。

 この大男に抱かれた回数をあやねはもういい加減数えなくなっていたが、既に膣内射精が百回以上になっていることは、自分の“カラダ”に訊ねればすぐに思い至ることができた。その全てが妊娠させる意思をはっきり籠められながら子宮めがけて注入された種付け射精であった。長くとも一週間と空いたことがないぱん太郎との交淫の積み重ねは、お腹の奥に甘い疼きがいつまでも残っているようになっていて、気を向けるとすぐにズクズクと強くなって下半身を中心にして四肢に行き渡り、ぱん太郎の肉棒が、そしてあの強烈な種付け中出しが……欲しくて堪らない気持ちになってしまうのだ。時には明らかに快感を覚える痺れがアソコを中心に全身に広がって、何もしていないのにその場にへたり込んで歩けなくなってしまうこともある。そうなるともう、行人の面影など簡単に心の隅に追いやられて霞みがかるように消え失せ、ぱん太郎とあの極太肉棒のこと、気持ちの好いセックス、そして何も考えられなくなるほどの膣内射精されるあの無上の快感で頭が一杯になり、ぱん太郎の元へ行きたくてたまらなくなってしまう──あやね自身それに抗えないことに気付いていないが。

 行人が部屋の外までやって来た時には衣服を周囲に脱ぎ散らかして全裸になっていた二人は、対面座位で抱き合い、もう結合しながら盛んにキスやペッティングをしていて、いよいよ繋がっている部分を本格的に動かし始めて燃え上がろうとする場面であった。障子一枚隔てた向こうに少年が到着した状況で既に、あやねはぱん太郎の孕まし肉棒を胎内に迎え入れて奥をぐりぐりされ気持ち好さそうな声を漏らしながら愛しそうに締め付けていたのである。中出しはまだであったが、行人の到着があと少し遅ければ、蝉の鳴き声にも負けない大きな嬌声が部屋から筒抜けになっていたかも知れない。

 たった一枚分の障子だけしか遮るものがない中、ぱん太郎と性器を繋ぎ合わせたまま背面座位になって、あやねは何とか平常を装って2、3メートルしか離れていない行人と会話した。行人とあやねが喋っている間にもぱん太郎は愛液と先走り汁でヌルヌルとなった膣に肉棒をゆっくりと出し入れしながら、ぷっくりと勃った乳首を弄ったり、耳たぶや首すじを舐めたり吸ったりと、あやねはその刺激がもう気持ち好くってたまらず、快感の喘ぎ声を抑えるのに必死であった。とっくにスイッチは入ってしまっていた。(だめ、もう、抜けない──♥)と、腰を引き上げて行為を中断する気も起こせなかった。今にも甘く崩れそうな声で行人との会話を続けながらも、ぱん太郎の逞しい剛根がもっと動くのを欲するように切なくうねり締め付けるあやねの媚肉。セックスの昂奮で充血しきった膣壁と子宮口。さらにぱん太郎は会話の最中にいきなり子宮を押し上げんばかりに深くまで突き刺しての膣奥射精を始めるものだから、思わず嬌声を張り上げそうになる口をあやねは両手で塞いで何とか抑えなければならなかった。咄嗟に糊をこぼしたことにしたが、心配してさらに近付いた行人の影が障子に映って間が1メートルを切っても、ぱん太郎の精液という濃厚この上ない糊はあやねの子宮に熱くかかり続け、あやねの子宮口はぱん太郎の精子を美味しそうにゴクゴク飲み込んでいったのだ。蝉が邪魔しなければ吐息すら聞こえるだろう至近距離のさなか、ぱん太郎の精子があやねの子宮にどんどん満ちていったのだ。

 これまでも行人のすぐ傍でぱん太郎と交わる経験はあったが、いずれも薬で眠らせたり、物陰で隠れたりした上であった。だが、今回は起きていて、しっかりとこちらに意識を向けている──! どうやら障子越しには部屋の中の様子を窺い知ることは出来ないようだったが、そんなの開かれてしまえばお終いだった。

 ──だというのに、あやねは胎奥に響くぱん太郎の射精の鼓動を感じ続けずにはいられなかった。ぱん太郎の巨根の途方も無い逞しさや脈動を感じ続けずにはいられなかった。オマンコが我慢できなかった。

 何とか抑え込めたのは嬌声だけで、甘美な生殖本能が頭とからだの奥底から湧き立ち、逆巻くのをとても我慢できなかった。全身が蕩けそうな快感で痺れ、根本まで差し込まれたぱん太郎の剛根を愛おしむように、滾々と注がれる大量の精液を全部飲み干したいかのように、蜜壺はキュウキュウと強く締め付けながらぱん太郎の生殖棒を深く咥え込むのを止められなかった。行人がすぐそこにいるのが分かっていても、あやねは己の胎内でぱん太郎の極太肉棒がビュグビュグビュグビュグと力勁(つよ)く子種を噴き出して自分の子宮に浴びせかけているのを強く意識せずにはいられず、我を忘れそうなほどの歓喜と幸福を覚えずにはいられず、

(あぁっ……♥! 私……私……起きてる行人様の前で……ぱん太郎様に種付けられちゃってるぅ……♥! 行人様が……すぐそこでぇ……こっちを気にしてるのにぃ……♥! こんな……ドキドキして……気持ち好いなんて……♥! ぱん太郎様の御種……こんなにも欲しくてたまらないぃ……♥♥!!)

と、あやねの頭の中では絶頂の小爆発が何回も弾け飛んだ。行人の言葉を聞きそびれて返事し忘れそうなぐらいの昂奮と快感で頭が真っ白になりそうであった。今すぐ受精しそうなほど濃密な膣奥射精。熱い熱い子種噴射。腰を上げて引き抜くなど思いも寄らないことだった。心中に若干のためらいが生じたぐらいで、選択肢に悩むことは──全くなかった。

 結果──様子のおかしい少女を心配する少年のすぐ前で。数ヶ月前まで恋煩っていた筈の少年のすぐ前で。膣の最奥まで肉棒を突き入れられての孕まそうという意思に漲りまくった種付けを、裏切りとなる他の男との生殖を、あやねは少しも腰を逃さず、まったく拒むことなく受け止め続けていた──子供が作られる場所にぱん太郎の精子が続々送り込まれているという意識が確かにあっても。行人がすぐそこにいる今この状況で、子宮の中でぱん太郎の精子と自分の卵子がくっつき合って1つの受精卵が誕(う)まれるかも知れないという現実が脳裏に過ぎっても、髪の毛からつま先まで幸せな気持ちで一杯になりながら、ぱん太郎に子宮直送り種付けされるがまま、アソコをギュウギュウ窄(すぼ)めてぱん太郎の精液を逃すまいとするあやねであった。

 ぱん太郎もぱん太郎で、これまでにない程あやねの膣肉が孕まし棒を強く締め付けて来て、彼の精液を切望するように奥へ奥へと盛んに蠢いているのに気付いていたため、孕めという念をいつも以上に籠めながらあやねの子宮口へ亀頭を押し付け、すぐ外にいる行人を大いに憐れみながら、同時にこの上なく昂奮しながら、あやねの子宮直当て種付けを中断することはなかった。行人がいるのにも関わらず、完全に受胎を意識した体勢、オマンコのうねり具合、逃げる気配など一切なくむしろ押し付けてくる密着した腰──言葉がなくとも、ぱん太郎の子種で妊娠したいというあやねの意思がはっきり伝わってくる。

 あやねの乳首は千切れそうなほどピンピンに尖り、行人への言葉を辛うじて紡ぐその表情は完全に生殖快楽に蕩けていた。行人の前であやねとぱん太郎の生殖器は一つに溶け合い、お互いの遺伝子を出し合って新しい命を創る相手と認め合い、この上ないほどの共同作業を果たしていたのだ。

 ぱん太郎は心の底から行人を滑稽に思わずにいられない。腕を伸ばして障子を少し開けさえすれば、まだ信じている白リボンの少女が何をしているかが判明するというのに。

(提灯作り? のんのん、作っているのは子供だよ、ボクとのね♥ 最後までキミに操を捧げていたあやねちゃんも、こうやってボクの赤ちゃんを仕込まれちゃうのさ、行人クン♪ それに、もう嫌がってもないどころか、ご覧の通り、あやねちゃん自身もボクの子供を孕みたがってるんだ♪)

 やがて少年が立ち去ると、ぱん太郎はあやねを前に倒し四つん這いにさせてその上を覆い、射精突き入れの腰遣いを始めて締めくくりにかかった。あやねと行人の会話が終わっても、ぱん太郎の射精はまだ終わっていなかったのだ。感極まったあやねが動きを合わせながらアァ、アァと雌の声で甘く鳴き出し、その高い声がまだ遠くまで離れていないだろう行人に届かないかとふと思ったぱん太郎だったが、バレても構いやしないかと、射精が終わるまであやねへの徹底的な種付けを止める事はなかった。

「行人クンがまたどこか行こうって言ってたね、別に行っても構わないからね♥」

「あぁん……♥ いいの……? でも、どうせまた……コッソリついてくるんでしょ……♥」と、愛しさを籠めた目つきでぱん太郎を見上げながら微笑むあやね。「どうせ……行人様とデート中に……行人様に隠れて……オマンコしちゃうんでしょ……♥?」

「のふふ、わかる?」

「わかるわよぉ……♥」と、あやねは肩越しに種付けされている最中の妖艶さに彩られた蕩け顔を見せた。生殖発情したメスそのもの、といったトロンとした表情。「いっつもデートの邪魔をしてぇ……♥ こうやって……行人様の近くでまた……私を孕ませようと、オマンコの奥で……ドクドクするんでしょぉ……♥」

「もうお見通しだね♥ でも、構わないよね?」

「仕方のないヒトねえ…………いいけどぉ……♥」と、また顔を畳に落とし、白いリボンで結わえたツインテールを揺らし、ぱん太郎に膣内射精される気持ち好さに身悶えながら頷くあやね。「行人様は……子作りに協力してくれそうにないしぃ……♥」

「そうそう、行人クンじゃ絶対無理。あやねちゃんをセックスで気持ち好くすることすら出来ないよ。でも、ボクはこれからもあやねちゃんをこうやって気持ち好くさせてあげるし、絶対に赤ちゃんも授けてあげるからね♥ あやねちゃんも子供を産めば立派な大人の女、もう他の子に引けは取らないよ♥」

と、一番奥まったところまで生殖棒を突き入れて精液噴射するぱん太郎に、それでまたイッたのだろう、「ああ~ッ♥! ああぁん……♥!」とガクガク身悶えるあやね。膣壁の激しいうねりは今のアクメが深かったことを示している。

「ボクは行人クンの前であやねちゃんに種を仕込むのが大好きなんだ♥」

「私も……だんだん……クセになってきちゃったぁ…………♥」

「ホント? じゃあ、これからも……行人クンの近くでのナイショのセックス……ナイショの子作り……いっぱい楽しもうね♥」

「えぇ……♥!」

「ナイショでボクの精子オマンコに溜めまくって……そんな状態で行人クンに会うんだよ♥」

「えぇ……♥♥!!」

 まちとちづるが帰って来て四人の狂宴が始まるまでに計五発。完全にあやねも乞い願って望んだ上での膣奥射精が繰り返された。ぱん太郎は糊をこぼしてあげると言いながら、あやねのからだじゅうに糊よりもネバついた濃厚な白濁液を塗りたくった。何発放っても新鮮さが衰えることのないものすごい匂いの乳白液でドロドロになり、言葉にならない歓喜を発するあやね。行人が戻って来ることはなく、あやねはぱん太郎と心ゆくまで生殖セックスしまくった。狭い室内は一時間も経つとムワッとした濃い性臭で充満するようになったが、その時点でもう二人にとってはいよいよ気分がおかしくなる甘美な芳香にしかなっていなかった。あやねもぱん太郎も生殖しているという意識を解放しながらケダモノのように交わり、様々に体位を変えながら盛んに腰を使い、ぱん太郎の子供を作るのが目的であるセックスを心の底から楽しんだ。数え切れないぐらいのアクメを楽しんだ。あやねはついさっき行人が訪ねて来たのも忘れたような嬉悦ぶりで喘ぎ悶え、ぱん太郎の巨根を根元まで抜き差しされて好き放題に突かれようが心底気持ち好さそうな嬌声しか生まれず、「さっきは行人クンが来てすごくコーフンしたね、行人クンと話してる時に出された精子でボクの赤ちゃん孕むんだよ♥」「中出ししない約束なんてもう無いし、ボクは絶対にあやねちゃんを孕ませるからね♥ 行人クンの子供なんか作らせないんだから、ホラ♥ ホラ♥ ホラ♥」などとはっきり言われながら子宮直当て射精されようが、忘我状態のアヘ顔を晒しながら彼の子作り種付けを強く締め付けたオマンコの奥底でしっかり受け止め続け、「アアァァッッ♥♥!!!! 孕ませてえぇぇぇッッッッ♥♥!!!! ぱん太郎様の赤ちゃんンン♥♥!!!! 行人様とは絶対に作らないからあぁぁ♥♥!!!!」と、絶叫するように媚び潤んだ答えを返し、連続アクメ快楽の海に溶け沈んだのであった──

 

 

 

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  3

 

 

 お世辞にもボクは器用な方ではなく、材料の用意から始めていたら屋台一つ完成させるのも怪しかっただろうが、幸いなことに屋台に関しては毎年使い回されている骨組みがあり、それを組み立てる程度ならさすがに失敗はなかった。腐食や老朽しているものが見つかっても、とげ太さんやいた一さんに報告すれば翌日までに新品を用意してくれた。

 そうしてボクがおおかた孤独に働いているうちにも、すずは相変わらず皆んなに頼りにされて村じゅうを飛び回っているようだった。時々広場にも姿を見せ、誰彼に渡し物や言伝をしているかと思えば、またどこかへ軽やかに立ち去ってしまう。そんな彼女を羨ましいと感じてしまいさえする。

 しかし、そのように何日か過ぎてゆく中で、はっと息を呑む出来事があった。一週間ある準備期間も6日目になって本番を明後日に控え、屋台も受け持ちの大半を完成させていたボクは、その日も何個目かもう調べなくなった屋台の組み立てにひたすら精を出していた時、骨組みを嵌め込み終わって顔を上げ額の汗を拭いながらひと息つくと、もうすっかり出来上がった中央櫓の向こう──広場の反対側に見覚えのある服装、すずの藍色服とあやねの青袴が目に飛び込んで来た。

(あれ、すず、と、あやね──?)

がなんでここにいるのという疑問が浮かんだ瞬間、ボクの脳味噌は白蝋と化した。

 

 二人に挟まれている黒い大羽織の巨漢。

 

(──────は………………!?)

 ボクは瞠目したまま石膏像のように固まってしまう。血がさあーっと落ちる音が聞こえた気がした。

 

 すずと、あやねと、ぱん太郎が。

 一緒に。いる。

 

 その場に横たえてある木材の上に腰掛けながら会話しているだけのようだ。

 何てことはない。ただ喋っているだけならボクもこんなに狼狽えたりしない。

 だけど、それだけではなかった。

 近すぎた。あまりにも3人の距離が近すぎたのだ。

 

 寄り添う以上に躰を触れ合わせている……!

 

 二人の胸や腰がまぎれもなくアイツに当たり、柔らかそうな太ももがどちらからもぴったりとくっついて──。ミニスカートのすずだけでなく、あやねの青袴もまるで川に素足を入れて涼を取る時のようにはしたないほど両脚の付け根近くまでめくれ、膝から上が剥き出しになっていて、焼けていない白い太もももぱん太郎に触れていたのだ。それだけでなくいつも胸元もしっかり隠されている純白小袖が肩からずり落ちそうなところまではだけ、普通に着ていればまず首以外は拝むことのない真っ白な肌が胸元まで露わになっていた。

 また、アイツの腕がすずとあやねの背後を通って反対側に回り、スカートと袴の余地の端に大きな手を乗せていた。まるで二人がぱん太郎の腕の中にくるまれているかのようだった。あれじゃあすずとあやねのお尻にすらアイツの腕が触れてないか……!?

 しかも、3人っきりで。

 この時だけ何故か周囲にいる女子たちは不思議と寄り付くことなく仕事に精を出しており、すずとあやねとぱん太郎は誰にも邪魔されず、顔を差し向かい合わせながら語らっているのだ。

(あのッ……ヤロォッ……!!)

 ボクは身を焦がさんばかりの怒りにカアッと全身の血を沸き立たせた。

 アイツは好色そうな──としかボクには思えない──目つきをすずとあやねに向けていて、明らかにその視界は二人の胸や太ももなども捉えているのだ。

 狙っている。明らかにすずとあやねを狙っている……!

 怒りが煮え滾るあまり頭に血が上りすぎたのか、意識が白んで遠のきそうなほどだった。

 それに、すずの服の襟元もいつもよりはだけているような気がした。遠くにいるボクからでも胸の谷間が深いところまで確認できてしまうのは見間違いだろうか。あやねの袴ほどではないがすずのスカートもめくれていて、太ももの露出が多いような……パンティが見えてしまうぐらいまで!?

 あれでは──見下ろしているぱん太郎からでは、服の中が……すずとあやねの乳房が覗けてしまっているのではないか……!? もしかしたら乳首まで……!

 この島にはブラジャーなどという気の利いた下着はなく、ボクの知る限りではサラシを巻いている女性も極めて少ない。暑い日が多いのと十年以上も男の目が皆無だった事が影響してるのだろうか。出会った頃のすずはサラシを巻いていたような記憶があるが、それもいつからかノーブラになっていて、目のやり場に困る時が多々ある。

 すずとあやねは気付いていないのか、男がどんなコトを考えて女性のカラダを眺めるのか知らないのか、まったくの無警戒な表情で、アイツを疑いもしていない目で、ぱん太郎と視線と言葉を交わしているのだ。

 

 それどころか……楽しそうに笑い合っていた。

 

 すずとぱん太郎が、あやねとぱん太郎が、恋人のようにイチャイチャとまぐわう悪夢、子作りする夫婦のように下半身を密着させながら息を合わせて同時絶頂する悪夢──が、ボクの脳裏に瞬時に描き出されてしまい、慌ててその情景を脳内から掻き消して自分を奮い立たせる。

 こんなの、あの悪夢と比べれば何でもない──ただ話しているだけじゃないか──こんな人目の多い所で──すずは誰にでも親しく接する良い子だし、あやねだって誰にも臆面がないし──!

 ──その筈なのに、心臓を氷漬けの鉤爪でキュッと握り締められるような胸の痛みと呼吸が止まりそうな苦しさを感じずにはいられなかった。

 とにかく行こう、これ以上一秒でもアイツにすずとあやねを視姦されたくない! 触れられたくない! 楽しそうに会話されたくない!

 そう思って大股で踏み出したちょうどその瞬間、すずとあやねが腰を上げて材木からぴょんと地面へ降り立ち、ぱん太郎に手を振って別れながら、その笑顔のままこちらへとやって来た。

「えっ……」

 剣術で言えば打ち込もうと思った瞬間に相手が意外な動きをしたためタイミングを逸ししまったかのように、ボクは勢いを失って数歩も進まないうちに立ち止まってしまった。仕方なく、気持ち悪く粘り滴る糸で蜘蛛の巣が張られたような一抹の不安を覚えながら、でも同時に、胸中に雪解けるような安堵が広がるのを感じながら、すずとあやねが近付いて来るのを待った。

「行人、お疲れ様。今日も暑いね! 水持って来たよー」

と、すずは機嫌良さそうな様子で懐から竹筒を差し出し、あやねも、「ほんとうこう暑い日が続くと参るわよね。ま、夏祭りが近いって実感は出るけど。行人様、この熱射で体調崩さないようにね」と言った。

「あ、あぁ……ありがとう……」竹筒に目をやるついでにチラッと視線を動かすと、やはり広々とはだけている二人の胸の谷間に玉のような汗が幾つも浮き出ているところまで確認できてしまい、さっと顔を背ける──熱さを感じる顔面が真っ赤になってなければいいと願いながら。「……ね、ねえ、すず、あやね…………」

「ん? なあに?」

「どうしたの?」

 初夏の日差しに負けないほど眩しい笑顔を向けてくるすずとあやねに、そのはだけた胸に目が行かないように努めながら顔を背けたまま指で示し、

「ま、まずは二人とも服を直して!」

と、ボクは若干しどろもどろになりつつ指摘した。

「え? あ、うん……」

「わかったわ……」

と、どことなく寂しそうに襟元を直すすずとあやね。

 ホッとしたボクはやっと正面から彼女たちを見る。

「……ダメだよ二人とも。ぱん太郎の前でそんな格好しちゃ……! それに、アイツには近付かない方がいいって何度も言ってるじゃん。忘れちゃったの?」

「忘れてないわよ、ただ、まるで怖がってるみたいに逃げ出すのもなんかシャクでしょ? 私は自分の仕事は済んだからまだ終わってない此処を優越感……もとい、優雅に見物に来ただけだけど、そしたらあっちの方から話しかけてきたの。目の前まで来た以上、逃げ隠れしたくなかったから、堂々と対応しただけ。あと、暑いから少し涼しい格好になってたの♥」

「えぇ……」思わず呆れた声が漏れてしまうボク。あやねらしいと言えばそうかもしれないが……。

「わ、私は用事があったの」

「用事?」

と、ボクはすずに顔を向き直した。

「うん……。ぱん太郎様におシゴト手伝って欲しいって子がいてね、でも手が離せないから私が代わりに伝えに来たの」

「えっ……ぱん太郎……様…………?」

 あっ、といった表情になったすずは、すぐにすまなさそうな困った笑みを浮かべた。

「ご、ごめんなさい、行人……。皆んな様付けしてるから、つい伝染っちゃったみたい……」

「そういえば、確かに皆んな言ってるわね。そりゃ単純なアンタなら考えもせずに真似しちゃうのも、無理ないかもね。まったく、すずはダメねえ……」

と、茶化すように笑うあやねに、

「も、もう、あやねったら……」と、すずはふくれっ面になったが、あまり怒った様子ではなかった。

「あ、あぁ、そ、そっか……まあ、確かに……村じゅうでアイツのことをぱん太郎様ぱん太郎様って……言ってるもんなあ…………」

 村じゅうと言っても厳密には女性たちだけだが──動物のことをくまくま、はむはむなどと名付けているゆきのでさえも最近ではぱん太郎様と呼ぶようになっているらしく、そんな彼女たちと接していれば、伝染してしまっても成程おかしくないかもしれなかった。

 ただ、その事に関しては別の懸念の方が強い。そのうち彼女たちの間にアイツを支配者として見るような風潮が生まれやしないだろうか──という危惧だ。女性たちに持ち上げられたぱん太郎が調子に乗って、本当にこの村を自分の縄張りとして長の地位を要求し、名実共に我が物にしようとしてくるんじゃないかと。

 もしそうなったら、権力を笠に着て公然とすずとあやねにもからだを差し出すよう迫るようになるのではないか。

 そこまで増長したらさすがにからあげさんに相談しようと思っているが……。

「行人、ぱん……東のぬしのこと、嫌いだもんね…………」

「そりゃそうに決まってるよ」と、ボクは気色ばむのを抑えられなかった。「ここじゃ人間の男が珍種扱いだからチヤホヤされてるけど、外の世界ではロクな奴には見られないんだよ、あんなのは。次から次へ女に手を出して、仕事もしないで毎日遊んでばかり。今は手伝ってるかも知れないけどさ、ずいぶんとサボッてもいるし。

 ……本当最悪最低なロクデナシだよ。全員の責任取りきれるかっての。白い目で見られて当然なんだから……」

「でも……そんな風に考えてるのは行人ぐらいだよ」

 すずは戸惑ったような顔で言い返して来た。あやねも似たような表情をしていた。

「……」

 ボクはきまりの悪い気持ちになって、腕を組みながら泳がせるように二人から目を逸した。きっとボクの方も何とも言えない表情をしていたと思う。

 そう。理解できる、けど理解できない──間違っていると解らせてあげたい、でも解って貰えない──そんなもどかしい溝がここにはある。村の皆んなとボクの間に。この二人との間にすら。

 人間の女性たちは言わずもがなだが、動物の男衆ですらそうなのだ。彼らはボクのぱん太郎に対する評価に賛意を示してくれる。男でアイツを褒めている者などいない。男は皆、ずっと女を抱いてばかりのアイツを厚顔無恥、いけ好かない、呆れた奴……などなど、ボクと同じように考えてくれているのだ。当然の反応をちゃんと返してくれた。とげ太さんなどアイツのために住居や家具を設えなければいけなかった事に憤りさえ抱いており──それでも手を抜かず立派に果たしたのは職人の矜持だと思う──、随分とボクを慰めたり励ましたりもしてくれている。

 ──けれども、そこ止まりなのだった。

 男衆ですら誰もがアイツに対する悪口の次に、本心はどうあれ、「まあ、でも──」と、ため息まじりに必ず付ける言辞がある。

「約束通り、子供は作ってるしなあ……」

 いちおう評価のできる仕事はしている。そんな口ぶりで。

 そう言われるとボクは──反論したくとも出来なかった。

 子供を作るのがそんなに偉いのか、特別なのかなどという、それこそ子供じみている反駁は条件反射的に即座に思い浮かんでくる。だけど、今のこの村ではそれが絶対的に偉くなってしまうのだ。特別に一目置かれてしまうのだ。それぐらい判断できる分別はボクにもあった。

 こちらから頭を下げて子作りを目的として村に招いた以上、アイツがそれ以外の事をしなくとも、よほど逸脱した行為でもしない限り、非難する筋合いはない。だから、取り立てて支持もしないが、とやかくも言わない。

 村の男衆はそんな一歩引いた立場を取っているようであった。

 それに……

 ボクがしないことを、ぱん太郎がしている。

 そう言われている気もして、ボクは苦虫を噛み潰したような顔で下を向かざるを得ないのだ──

「東のぬしは村のために来てくれたんだよ。こっちから頼んだ事だし……。それに……話してみると意外と良いヒトだし……」

「そうね…………思ってたよりは……マトモな男だったかも…………」

「えっ──ええっ──!? だッ……だめだめだめだめ!!」

 すずとあやねの口から出た意外なまでのアイツへの評価に、ボクは焦ってブンブンと大仰に首を振った。「そ、それは危ない考えだよ、すず! あやね! あれがアイツのやり方なんだ。女の前じゃマトモそうに装って、油断させようとしてるんだ」

「えっ……」

「そ……そうなのかな」

と、二人はボクの勢いに圧されたように引き気味になって目をパチクリさせる。

「そうだよ! 何度も言うようだけど、そんな上っ面だけの男に近付いちゃ絶対ダメだ。アイツの姿を見かけたら一目散に逃げるぐらいでなくちゃ。そうしないと、アイツの目に止まったら、すずとあやねの──」

 『すずとあやねのカラダを目当てに子作りしようとして来る』と続けて言おうとして、本人たちを前にして実際に口に出すとなるとかなり過激で恥ずかしい発言だと気付き、慌ててその言葉を飲み込んだ。

「…………」

 ボクの長広舌が尻切れトンボになったのにも関わらず、二人が神妙な面持ちで耳を傾けていたので、(う……何だかボク、偉そうだな……)と、エヘンエヘンと誤魔化すように咳払いをし、声のトーンを落とした。

「え、えっと……ま、まあさ、仕事上しかたなく、だったらいいんだ……あやねはもうちょっと慎重さが必要だと思うけど……と、とにかく、注意と警戒を怠らないようにしてくれさえすれば……いいんだけどさ…………」

「うん……」

「ええ……」

(でも、あんなヤツと楽しそうに話さないで欲しい、それだけは──)

 そうも言おうとして、だけど、ボクは言えなかった。どうしてだろう。

 その時、

「どうじゃ、作業は捗っとるか。おう、行人だったか……すずとあやねもおるのか」

と、後ろから嗄(しわが)れているが張りの良い声が掛かってきた。オババだった。

 

 

 

 この後やることがあるという二人とは別れ、ボクはオババと一緒に浜へと出た。「行人よ、少し話をせんか」と、着いて来ることを暗に要求されたのだ。浜辺は海風と飛砂を防ぐための松林を隔てたすぐ向こうであった。

 大海原と直に繋がった海岸は基本的に波が強く、ザザザザザ……と、音の大きな潮騒が一日じゅう絶え間なく続いている。天候の良い日が多いこの島ではもっと浜に出て海水浴を楽しむ人があってもよさそうなものだが、そういった利用が少ないのはこの波の強さもあるのだろう。

 その波打ち際よりも防風林の方がだいぶ近い草がまばらに生える固い砂地を踏みしめながら、ボクはオババの斜め後ろをついて歩く。

 オババは水平線の方に目を向けた。

「アイランド号が沈んどるのはあの辺りだのう」

 そう言われてもどの辺りかボクには皆目見当もつかない。海中が澄んでいる日は素潜りできるところからでも朧気ながら船影が確認できるそうで、沈没してから百年以上経過しているというのに、不思議なことにまだマストも折れず木造の船体も元型を保っているらしい。鉄製の船でも数十年も経てばサビだらけでボロボロになるというのに、これも海龍様の御加護というやつなのだろうか。それよりも酸素濃度が低い特殊な環境下にあるなどという説の方が信憑性があるけれど。

「大嵐で船が難破した時は、まさか全員の命が助かるとは思わなんだ。正に海龍様の御加護があったのよ。祭りを催す由縁でもある」

「はあ……」

 気のない返事をしたボクだったが、ふと、せっかくの機会だと気付き、これまで聞きたかった疑問を訊ねることにした。

「あの……諦めずに何としても島から出ようとしなかったんですか?」

「うん? ああ、無論したわ。島のあちこちの岸辺に出向いて試し舟を出したりな」

「試し舟?」

「空舟を沖に向けて押し出し、渦の有無や通り抜けられそうな経路がないか調べたのじゃ」

 そう言えばボクの時も似たことがあったな──と思い出した。渦に阻まれて沖に出られず躍起になっていたところへ、わざわざ泳いで助けに来てくれたすずとシャチのさしみが実演を見せてくれたのだ。無人になった小舟をさしみが押してさんざんボクを弾き返してくれた渦群の間を通り抜けたまではいいが、その先で発生した戦慄するほどの規模の巨大渦に呑み込まれて無数の破片になるまで砕かれ引き千切られ、舟は海の藻屑と消えてしまった。手前の小渦で弾かれるだけなのはまだ優しかったのだ。この島に来て初日の懐かしい記憶……。

「しかし……無事に外洋まで行けたのは皆無じゃった。ことごとく大渦が発生し呑み込まれてしまっての。どこでやっても、いくらやっても、結果は同じ……我々は帰郷不可能という現実に打ちのめされ、欧州で見聞した知識や学術を日本へ持ち帰る事を諦め、この島で生きていく運命と向き合うようになったのじゃ」

と、水平線の彼方を見ているような見ていないような茫洋とした目つきで歩調を変えることなく言葉を紡ぐオババ。

「そうだったんですか……」

 ボクの目からすると村の人々は随分と島に根ざした生活を送っている。外界がある事は知っている、だが、この島が世界の全てだと言うように……。世代を経るにつれて逆に藍蘭島が故郷になってゆき、日本に戻る意欲が薄れていったのだろうけれど、不可能と断じて一切試みなくなったということは、やはり諦めるに十分な理由があったのだ。海からのアプローチはもう完全に切り捨ててもいいのかもしれない。

「空からは試さなかったんですか?」

「空から?」オババは尻目でチラリとボクを見た。「ははァ、外界では空を飛ぶ技術も発達しとるのか。飛行船の話は渡欧先で聞いたことがあるが、残念ながら儂らの時代には到底考え及ばない手段だったわ」

「じゃあ、空からならまだ可能性はあるわけだ……!」思わずグッと握り拳を作った。

「どうじゃろうな」と、オババは突き抜けるような快晴の青空を見上げた。「この島にはの、渡り鳥が来なくてな」

「え……?」

「儂も昔、龍神の巫女から話を聞いただけなのじゃが、渦とはまた別にこの島全体に蓋をするように護っている力があるらしい。まるで見えない結界のようにな。もしその話が本当ならば、果たして空も通り抜けられるかどうか……渡り鳥が来ない理由もそれなのかも知れん。文字通り鳥すら通わぬ絶海の孤島となれば、海と似た結果が待っていてもおかしくはないじゃろうて」

「はあ……!? そ、そんな…………」

 ボクは唖然とした。島の空全体に結界? 結界とは何だ。そんなオカルトめいたい超常的な現象……あらゆる脱出ルートを塞ぐ渦だけでも大概なのに、そんなさらなる不確定要素は脱出の計算には入れられない。理解が出来なくて頭が思考放棄してしまいそうだった。

 そんなボクを現実に引き戻す言葉をオババは口にした。

「それよりも、じゃ。すずとの暮らしはどうなんじゃ? 以前と変わりはないのか」

「えっ? あっ、はい……。特には……ないですが……」

「ふむ……そうか。変わりはない、と……」

「はい、すずにはとっても良くしてもらってて。問題なく生活できてます」

「問題なし、か…………」

「でも……今のところは──って感じで…………」

と、ボクは口調を沈ませる。先程の光景が鮮明に思い浮かんだからだ。まるで恋人のようにピッタリと身を寄せて実に親しげに談笑するすずとあやねとぱん太郎……。──そして、例の悪夢……。

 どす黒い炎が再び胸奥から吹き上がって来る。やはり安心できない。

「これからもすず……それにあやねの身の安全を考えると、その、どうしてもアイツの……ぱん太郎の存在が心配でなりません。アイツ、村のほとんどの女性に手を出してるじゃないですか。これじゃあまだ無事なすずとあやねだって、いつ被害に遭うか…………」

「…………」

 被害という言葉をボクは使ったが、すずとあやねもアイツとのセックスをひとたび味わってしまえば、他の女の子たちのように自分から求めるようになってしまうのではないか、という不安があった。中出しされても受け入れてしまうぐらいに、子供を作ると明言されても嫌がらないぐらいに──それは被害とは呼べない──だが、そんな腰の引けた考えは脳内でボコボコに殴り倒して頭の奥底に封印する。

「……やっぱり……誰とでも子作りしてもいい許可なんて、まともに考えれば無茶苦茶ですよ。女性側の権利は一体どうなるんですか?」

 そう訴えかけたが、オババの横顔はまるで馬耳東風のように変化がなかった。もしかして人権という概念が通じていないのかという疑問すら抱き、まだ江戸時代が抜け切らない明治の世を生きた人間だと有り得るかもしれないと嫌な予感がしたが、ボクはさらに言い募った。

「あくまで合意した上……なんですよね!?」

「そうじゃぞ」と、今度は返答してくれた。「婿殿がどの女に手を出そうと構わんという決定を下したのに二言はない。が、女たちに強制しとらんのも確かじゃ。嫌がったり拒んでいる娘を無理矢理、というのであれば、話は別になる。

 で──実際にそういった女はおるのか?」

「うっ……」

 ボクは記憶している限りの目撃現場を脳裏で素早く回想したが、皆、悦んでぱん太郎とセックスしている女性ばかりであった。ボクが親しくしている少女たちまでも……。

 その情景を吹き飛ばすように激しく首を振る。

「い、今のところ…………そういった話は…………」

 声が尻窄(すぼ)まりになってしまう。悔しさにも似た感情が胸底から湧き上がって奥歯を噛み締めずにはいられなかった。俯いて言葉が途切れそうになる自分を叱咤して毅然と顔を上げ、ことさら声を張り上げて話を続けた。これまでの鬱憤を一気に吐き出すように。

「だけど! この際ハッキリ言いますが、アイツの行動は目に余ります! 前にも同じような話をしたと思いますが、あの時はボクも遠慮してあまり強く意見しませんでしたが、今回は言わせて貰います。アイツの存在は村の風紀を大いに乱しています! 公序良俗の敵だアイツは!」

 ボクは敢然と言い放った。

「最近は新しく建てた家に引っ込んでいることが多いようですが、その中で何をしているかおおよその見当はつきます。毎日毎日、たくさんの女性が出入りしてるそうじゃないですか。たまに外でアイツの姿を見かけたと思っても、決まって女性と、その、あの──ボクはからあげさんの代理で村も見廻ってますから、それで見かけてしまう機会があるんですが、白昼堂々とイチャついてたり、いかがわしいコトばかり……してるんですよ、アイツは! それも見境なしに誰とでも……その……女の子だけじゃなく……お母さん達までも…………」

 やっと立ち止まったオババが振り向いてジッとボクに視線を注いだので、ここぞとばかりに語気を強めた。

「普通に考えれば、こんなの異常じゃないですか! もし、何も行動しなかったら、次世代のいない村はやがて衰退して滅んでしまう──という危機感は分かりますし、確かに切迫した問題かも知れない。でも、アイツは想像以上の性悪スケベで、まるで女を食い物にしてるみたいだ。いや、目に入るもの全てを手当たり次第に貪り食って、食べ散らかしてると言っていい。女の人たちは──受け入れているみたいですが……でも、アイツからは誠意や責任感なんてカケラも感じられない。結局のところ、己の慾望を満たすことだけしか考えてないんじゃないですか? アイツ自身の性慾を発散できればそれでいいって。そのために村の女性たちを利用してる。アイツは女性たちを都合の良い性慾処理の道具にしか見ていないんじゃないですか? まともな男じゃない。関係した女性たちや生まれた子供の面倒を最後まで見るとはとても思えない。村じゅうの女性や子供を一人だけで面倒見きれますか?

 以前、オババはアイツを認めているような発言をしていましたが、ボクからすれば、あんな箍(たが)の外れた猟色家と関わってしまった彼女たちが大変心配です。仕事が手につかなかったり、生活が乱れたり、人が変わってしまったり、とか……。祭りの準備も、アイツはサボってばかりだ」と、防風林から天辺を覗かせている祭櫓を振り仰ぐ。「女子たちもよく手を止めてアイツと馬鹿みたいに騒いでるんですよ。仕事に悪影響が出ていると言えませんか? 村の生活を支えている彼女たちがああやって男にかまけて仕事を疎かにするようになったら、これは深刻な問題じゃないですか。それに、もし旦那さん達が帰って来たらどうするんですか。村が滅茶苦茶になるぐらいの騒ぎが起こりますよ。その可能性はゼロじゃないでしょう。

 あと他にも、こんな心配もしています。女性たちに支持されてるからって、アイツはそのうち支配者宣言するかもしれない──って。ぬしをやっているぐらいですから、調子に乗ったらこの村自体を自分の物にしようと考えるかもしれない。長老として、これ以上黙って釘を刺さないでいるのはマズイと思うんですが……!」

「フーム、なるほどな。おぬしの言いたい事はようわかった」

「はい、何事にも限度ってものがあると思います。アイツは明らかに度が過ぎていると思います」

「そうよのう。一つ妙案があるぞ」

「えっ?」

 思わず顔をパッと輝かせて一歩踏み出してしまうボク。

「おぬしがの、すずと夫婦になれば良いのじゃ」

「…………はあ?」

 なにをいっているんだこのばあさんは。

「近頃はあやねともよく接しておるらしいではないか。二人まとめてでも一向に構わんぞ」

「ちょ、ちょっと待ってください! 話が全然違いますよ、ボクはぱん太郎について──」

「何を言う、詰まるところおぬしは二人の身が心配という事であろうが。しかし、おぬしが何もしなければいずれ婿殿に取られるのは自明の理。であれば、これ以上一刻の猶予もなく契りを結ぶしかないじゃろう」

「だからそれとこれとは──」

「同じじゃろうが」オババは低く叱りつけるようにピシャリと言った。「言いたい点は一体どこなのじゃ。すずとあやねの事なのか、村の事なのか、婿殿の事なのか。全部根は繋がっておろう。じゃが……」

 軽い溜め息をつくオババ。

「乗っ取りか……それについてはそこそこの洞察じゃな。まァ、村長の座なんぞ譲り渡しても別に構わんのだが、確かに、調子に乗って阿呆な命令をされたら困るのは儂らじゃ。しかし、そんな心配の対処は起こってからすればよい。何の手遅れがある。少なくとも今すべきことではないな。波にさらわれて未だ帰らぬ男たちをこれ以上待って、さらに時を虚しくしてどうする。

 今、婿殿には我々から頼み込んだ大変な役儀がある。それを約束通り果たしてくれておる。ならば、多少は大目に見るべきではないか──というのは、以前おぬしにも聞かせたはずじゃな? 言うとくが、おぬしと同じく婿殿も自発的な手伝いじゃぞ」

「は?」

「広場だけでなく、他の作業にも色々と挑戦しているそうじゃ。殊勝じゃのう。おぬしが考える以上に、婿殿は村のために十分に尽力してくれているのではないか? あの数の女たちを一手に引き受けるだけでも並大抵の男に出来ることではない」

「そ──」

「儂もあやつらの動向は見ておる。確かに婿殿には調子に乗りすぎる一面もあろう。じゃが、今のところそれが良い方へと転がっている。女たちが次から次へと懐妊出産し、待望の赤子が何人も誕生し……村は活気づいておるよ。儂が生きてきた中でも見たことがないほどにな。止まっていた時がようやく動き出したみたいじゃ」と、オババの相好がゆるんで皺くちゃになり、すぐに抑揚のない元の顔つきに戻った。「表面だけでとやかく言わず、大局的に見極めるのが肝要なのじゃ。行き過ぎるようであれば、儂からもしっかりと注意を与えるつもりだわい。すずとあやねが心配? ならば堂々と自分のものにせい。それからする話ではないか」

「ッ……」

 二人の自由意志は──人権の尊重は──女性を産む機械にするな──そんな反論が頭に思い浮かんだ。が、さらにその反論も同時に出て来てしまう。

 自由意志なら、権利的立場なら、ボクの立場もまた無いじゃないか。選ぶかどうかは彼女たち自身なのだから。産む機械? じゃあ、すずとあやねが自由意志で、自らの権利の上で、ぱん太郎と子作りすることに合意したら? 悪夢でのあの二人のように、自ら妊娠出産を望んだら? ボクの出る幕は?

 出る幕? オババの言う通りだ。彼女たちと結婚していないとその資格はないだろう。せめて恋人関係にならなければ…………。

 オババからこんな答えが返って来ることは薄々予想していた。だから、ぱん太郎の悪行の線から訴えかけたんだけれど──オババにそんな小手先は通用しないようだった。

 つまりはアイツのエスカレートする素行不良を認めていても考えは変わらないということだ。オババは完全にぱん太郎側である──次代を切望していた第一の人間だったのだから、その救世主に肩入れするのは不思議でも何でもないかもしれない。と言うか当たり前だろう。その正反対にボクはオババの期待を裏切り続けて来たのだ。

 ボクこそ何を期待していたんだろう……。ぬしの仕事という大役の一部なりとも任されることで、自分が認められ、ボク自身やその主張が重んじられるという気にでもなっていたのだろうか。

 いや、そうかもしれない。でも、そうじゃない。

 ボクは……もしかしたら、現実から顔を背けたがっているのではないか。その結果、誤ったことをしてしまった──明らかに向こうの肩を持つであろうオババに、馬鹿正直にこんな相談をしてしまった。この件に関しては前に話した時に、彼女の旗幟は確認できていた筈なのに。

 いや……駄目で元々の提案だった。わずかな可能性に縋(すが)ったのだ。ボクの意見は至極真っ当であって決して間違っていないと信じている。その証拠にオババも認めた部分はある。小さな針の穴に糸を通そうとしたのだ。

 けれども、ボクの正しさは、一般論とも信じている正しさは、結局、この村の現状の正しさとは擦り合ずにいる。

 主導権は相変わらずアイツにある。切り込む隙が窺えない達人剣士のようなイメージすら抱いてしまいそうだ。

 ……とにかく、村で最大の決定権を持っているオババまでもがこれでは、自治体としてアイツを何とかするのは望み薄だ…………。

 すず……あやね……。

「おぬしもそろそろ真面目に向き合う時期が来とるのではないか? うん?」

 決して浅くない失意に襲われて気分が落ち込み、これ以上オババと話す意欲もなくなったボクは、(真面目? ボクはちゃんと真面目にやってるよ……)という反駁が半ばぼんやりと思い浮かんだが、その問いかけには答えず、

「そろそろ……仕事に戻らないと…………」

とだけ言って俯き、踵を返した。そう言えば結局、オババは何を話したかったんだろうとふと頭の片隅をよぎった。すずとの生活ぶりを聞きたかっただけなんだろうか。だが、それを確かめるのも億劫になってしまう。オババもボクを止めはしなかった。

 何も言われないのを幸いとばかりに、ボクは黙りこくったまま足早に広場へと戻っていった。とにかく、ボクがいたずらに焦慮しているだけで、実際にはすずとあやねは無事であるという幸運な状況に縋(すが)るしかない。あの二人はぱん太郎と関係してないんだ、まだ大丈夫、まだ何とかなる。沈んだ気持ちはそうして支えるしかなかった。

 

 

 

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 とぼとぼとした足取りで組み立て途中の屋台に戻った行人だったが、広場にぱん太郎がいないことに気付いたのは、作業を再開してからしばらくしてからだった。

(またかよ…………)

と、苦虫を噛み潰したような顔になって、もう明後日が本番なのにまたぞろその辺でヤッてるのか……と、呆れた溜め息をついた。

 すずとあやねも姿を消していたが、二人は元々ここに留まる用事があるわけではない、別の場所に行っただけだろう。

 これ以上煩わしい存在に拘(かかずら)うのが厭になった少年は、やれやれと首を振り、あんな奴の姿を見ないで済むのは良いことだと気にすることを止め、努めて無心に手を動かした。

 

 

 ──行人の考え通り、確かにぱん太郎は「その辺」でヤッていた。

 陽射しが差し込まないため日中でも薄暗い森の中。その木々の間から行人の姿が垣間見えるほど近くの「その辺」で。

 広場の様子を一望できるが、行人からは木々や茂みが邪魔となって見通し難くなっている高台に、ぱん太郎は腰を下ろしていた。少年に見つからずに見物できる穴場として彼のお気に入りで、準備期間中、他の娘たちも大抵はここに誘って行人の様子を眺めながら乳繰り合っていたのだ。

 今、ぱん太郎の両側で片腕ずつに抱かれるようにして寄り添った二人の美しい娘。

 ──すずとあやね。

 先ほどと同じ配置であった。二人ともまた半脱ぎの格好になっていたが、行人が目にした時と違い、完全に乳房を曝け出し、スカートと袴は大きく拡げた股の中が覗けるほどめくり上がり、下には何も履いておらず陰部のワレメが確認できるほどだった。パンティは二人の横に投げ出されていた。

 乳やアソコにぱん太郎の手が伸びて弄くり回されながら、青リボンと白リボンの少女はそのゆったりとした愛撫に気持ち好さそうに頬を染めて鼻を鳴らしていたが、彼女たちもまた、ぱん太郎の股間から堂々と露出した真上を向く剛毅な巨大肉根を擦り、あるいは陰嚢や真っ赤な亀頭を撫で回し、男と少女たちは互いに局部を弄り合って楽しんでいたのだ。

 そうしながら三人で行人の様子を観察していたのだ。

「とうとう行人様に見られちゃったわね、私たちまでぱん太郎様と一緒のところ♥」

「うん……ぱん太郎様との関係、バレないかって……ちょっとドキドキしちゃった♥」

 三人でいるところを行人に見せたのは、ぱん太郎の企画であった。すずとあやねが行人に述べた広場に来た理由もそれに合わせた作り話だったのだ。

「でも、あの程度で良かったの? ぱん太郎様のことだから、いきなりオマンコしてる現場を見せつけるぐらいするかと思ってたわ……♥」

「そうだよ、今までだって、行人の前でさんざん子作りしてきたのに……♥」

「いいのいいの、あれぐらいで♥」と、ぱん太郎は二人に鷹揚に頷いてみせた。「現実じゃやきもきさせるぐらいでちょうどいいんだよ♥ それに、キミたちとオマンコしてる場面は、まちちゃんに頼んで夢で見せてるから♥ まちちゃんの見せる夢は、現実顔負けの生々しさだよ……そりゃもうグチョグチョのエロエロ♥ すずちゃんとあやねちゃんが、『ぱん太郎様の赤ちゃん孕ませて♥』って言いながら嬉しそうにボクに種付けされてるところまでバッチリ♥」

「お姉ぇ様ったら、そんなことしてたのね……行人様が可哀想だわ……♥」

「でも、行人ったら、夢は夢だって思ってて、信じてないみたいだよ……。だから、私にも何も言ってこないの♥」

「そうなの……フフ……正夢なのにね……♥」と、どこか嬉しそうに妖しく微笑みながら目を細めて遠くの行人を見やるあやね。「そう……行人様……私がぱん太郎様とオマンコしてるトコロ……見ちゃってるのね……♥ ぱん太郎様にいっぱい愛されて……しっかり種付けられちゃってるところまで…………私からもぱん太郎様の子種を求めてる姿まで…………♥」

「私のも……いっぱい見られてるんだよね? 行人に……♥」すずもあやねと同じような艶笑を浮かべて行人の姿に目をやった。「ぱん太郎様に何度も何度もオマンコされて悦んでるトコロとか……子宮までぱん太郎様の赤ちゃんの種で満杯になりそうなほど中出しされてイキまくっちゃってるトコロとか……♥」

「うん、行人クンはバッチリ見てると思う、すずちゃんとあやねちゃんのエロエロオマンコ姿♥ ボクの精液肉便所になってて、すっごく気持ち好さそうにしてて、一回一回確実に妊娠しちゃいそうなほど種付けされちゃってる姿とか♥」愉快そうに答えるぱん太郎。「カレはただの悪夢だと思ってるみたいだけど、現実のコトなんだよね、ボクたちの子作りセックス♥」

「なんだか……昂奮しちゃうわ……♥」

「うん……♥ アソコが疼いちゃう……♥」

 すずとあやねは目くばせすると、手で弄っていたぱん太郎の肉棒間近まで顔を下げ、唾液をたっぷりとまぶした舌で二人同時のフェラチオを始めた。

「の♥ の♥ の♥ たまらない♥」

と、気持ち好さそうな声を上げるぱん太郎。

「二人とも、口でするのもこんなに上手くなっちゃって♥」

「ウフフ……ぱん太郎様が教えてくれたからよ♥」

「それに、ぱん太郎様のおちんちんなら、いくらでも舐められるよ……♥」

「ぱん太郎様のおちんちんがどれだけ立派で逞しいか……今だとわかるわ……♥」

「うん、私も……♥!」

 そう言って美少女二人は微笑み合い、淫熱燻る4つの瞳に称賛と崇敬の光を帯びさせながら、青いリボンと白いリボンをゆらゆらと揺らし、毬のように大きな陰嚢の裏から広く傘張った亀頭の先まで、「この傘の裏にある、無数のツブツブ……これがオマンコの中で擦れるのがまたたまらないのよね……♥」「ぱん太郎様のおちんちん……太くて長いから……ナカでいっぱい擦れて気持ち好いよね……♥」などと誉め称えながら、ぱん太郎の極太肉棒を丹念かつ積極的に口唇奉仕した。青筋が幾つも走る獰猛な大勃起はむせ返りそうなほどの強烈な雄臭を放っていたが、すずやあやねにとってそれはかえって嬉悦を深める甘やかな香気であった。昂奮と愛しさで胸がいっぱいになって、行人のことなどすぐ頭から消え去り、夢中で舐めしゃぶってしまう。その少年は、頭を上げればすぐ目に入ってくるというのに……。

「夢オチで誤魔化して黙ってるけど、内心かなり衝撃受けてるだろうねえ、行人クン。すずちゃんとあやねちゃんが気になって仕方なくなってるみたいだもん。でも、現実ではないからと頑なに自分に言い聞かせてる。まさか本当に二人ともこんな風になってるだなんて、それこそ夢にも思わないんだろうね♥」

「あん……♥ ホント、ぱん太郎様って趣味が悪いわ……♥」

「そうだよ……♥」

と言うすずとあやねだったが、媚笑しながら好意を含んだ目でぱん太郎を見上げる両者は、まったくもって非難する表情ではなかった。好きな男の行為を許してしまう女の目つきそのものであった。

「それにしても、すずったら嘘つくのが下手すぎなのよ……『ぱん太郎様』だなんて、行人様の前でうっかり口滑らせちゃって……。助け舟するのが大変だったわよ……?」

と、奉仕する合間に相方を詰(なじ)るあやね。

「うー……あやねが嘘並べるの上手すぎるんだよお……」

「ダイジョブダイジョブ、あれぐらいで行人クンが勘付くハズないよ。実際気付かなかったし♪」

「そうだけどね……♥」

「うん……♥」

「行人様、私たちのこと前よりは気にしてくれてるみたいだけど、まだあんなこと言ってるし……もし……私とすずまでぱん太郎様とこんな関係になってるって知っちゃったら……どれだけ驚くのかしら…………♥」

「うん……♥ もう私たちも、ぱん太郎様といっぱいオマンコしてて……ぱん太郎様にいっぱい種付けされちゃってて……ぱん太郎様の赤ちゃん産むって……決めてるもんね……♥」と、媚びた微笑で大男を見上げる青リボンの少女。「行人が……こんなコト知っちゃったら……絶対ビックリしちゃうよ……♥」

「私たちもとっくにぱん太郎様のモノになってて……ぱん太郎様の赤ちゃん作る約束までしちゃってるなんて……知ったらね♥」

「でも、行人クンのニブさは筋金入りだからねえ。ボクのデカチンを気持ち好く呑み込めるまでオマンコ開発されても、いくらボクの子種をおナカいっぱい溜め込んでも、キミたちがこれだけボクと仲良くなってても、まったく気付きやしない。だからこうやってカレを肴にまだまだキミたちと楽しめるんだけど♥」

 喋りながらフェラチオを続けていた二人に、ぱん太郎はもう十分だよ、と立ち上がらせ、近くの樹木に誘(いざな)って幹に手をつかせた。すずとあやねは何も言われないうちからスカート及び袴をめくり上げてずり落ちて来ないよう帯の内に端を入れ込み、自分から股を開き腰を突き出す姿勢を取り、

「「ぱん太郎様ぁ……♥」」

と、アソコ丸出しの尻を振り振り、ねだるような目つきの惚けた顔で背後の大男を見やった。この数ヶ月の間、ぱん太郎の大剛棒をさんざん出し入れされてきた淫裂は赤い身が覗けるほどパックリと割れ、先ほどまでの愛撫と昂奮でぬめって充血していた。その肉が透明な雫を垂らしながらいやらしく物欲しそうにヒクヒクと蠢く様は、表情以上にぱん太郎の肉棒を求めていることがありありと分かった。

 少年は相変わらず遠く広場で作業をしている。こちらに気付く様子もない。彼が潔白だと信じている少女二人は──すずとあやねは、憎らしい男と仲睦まじくお喋りしただけではない。こんな有り様で濡れたオマンコを──発情して種付けを欲するオマンコを、その男に向けて晒しているというのに。顔を上げこちらに向き目を凝らせば、憎らしい男の孕まし棒を欲しくてたまらない様子にまで堕ちている姿がその眼(まなこ)に映るというのに。

 美少女たちのヨダレにまみれた極太棍棒を擦りながら、ぱん太郎はあやねの尻を撫で回した。

「じゃあ、最初はあやねちゃんからね。すずちゃんは指でしてあげる♥」

「あぁあんッ♥! 来たわぁ~ッ♥!! これ~ッ♥!!」

「うにゃっ♥! うにゃぁッ♥!! 指もザラザラしてて気持ち好いのッ♥!」

 ぱん太郎という巨(おお)きな存在が下腹部の内側に侵入してきた感触に、ビクビクとからだを奮わせて甘い悲鳴を上げる二人の美少女。何往復もしないうちにトロトロの白濁粘液が膣内から掻き出されてきた。胎内にぱん太郎の精液が溜まっていたのだ。祭りの準備期間中、ぱん太郎はこの二人と顔を合わせる機会も十分にあるため、ここぞとばかりに抱いており、連日のようにすずとあやねの膣奥で種付け射精しまくっているのである。

 二人の敏感な部分を知り尽くしているぱん太郎は、そこに当てたり擦ったりして少女たちを喜ばせながらも、喋れる程度のゆっくりとした腰遣い、指遣いに留める。それでもすずとあやねの蜜壺は熱く火照りキュウキュウと切なく窄(すぼ)まって肉棒と指を締め付け、絶えず嬌声を漏らし、彼女たちが心地好い悦感にまみれているのを報せるのだった。

「すずちゃんとあやねちゃんの可愛さは絶品だからさ、キミたちがまだ行人クンと仲良しで、カレに好きだと想われてて……でも本当はこうやってボクのオチンポ奴隷になってるだなんて、子宮に子作り射精されて嬉しがるようになってるだなんて、最高のしちゅえーしょんだよ♥」

「あぁ……あぁ……♥! えぇ……そうよ……♥! 行人様に隠れて……ぱん太郎様に種付けされちゃうの……♥! いつでも……ナカで出して……いいから……♥! 行人様、ごめんなさい……私……ぱん太郎様の赤ちゃん……孕むから……♥!」

と、行人の姿を遠く眺めながら淫蕩な顔つきで言うあやね。盛んに奥を小突かれ、奥の奥までぱん太郎を招き入れ、今にも下半身から力が抜けてくずおれそうな気持ち好さに包まれていた。

 そんなあやねからぱん太郎はヌッポリと肉棒を引き抜くと、

「交代ね♥」

と、横にずれ、今度はすずの淫裂に挿入した。既に指が愛液と精液の混じった淫汁まみれになって根本まで出入りしていたすずのオマンコは、グチュリと淫猥な音を立てながらすんなりとぱん太郎の巨根を奥まで迎え入れ、「にゃあぁアァッッ♥♥!!」と、それだけですずは仰け反って逝ってしまった。

「ああ、ほんとう最高の気分だよ♥ すずちゃんも、あやねちゃんも、孕ましたくてたまらない。ボクの子を孕ませたくてたまらないよ♥」

「孕ませて♥ 孕ませてぇ♥」と、奥まで侵入する律動を受けながら間髪入れず叫ぶすず。

「私も、私もぉ♥」

 あやねもぱん太郎の指を咥え込んでいる尻を揺らめかせながら訴える。

 性愛の悦びを知り、またそれを受け入れた十代の少女たちの瑞々しく引き締まった肢体は、まさにはちきれんばかりの生命力に満ち、男の慾望を底なしに吸い取らんばかりに誘っていた。若さ溢れる腰の充実ぶりは、生殖に目覚めた雌──男を求める性慾を憶えた雌の慾望を発散していた。それでいて成熟した妖艶さはまだまだこれからという健やかなエロスを多分に感じるのだ。まさしく孕み頃、と言う他ない状態。

 その上でどちらも文句の付けようがない美少女であり──ぱん太郎は心の底からたまらないと狂喜せずにはいられない。顔もからだもこんなに美しい娘たちをセックス好きに堕とし、思うがままに犯せるのだ。子作り前提の中出しを何の遠慮もなく膣奥で放てるのだ……!

 行人に最も親しい位置にいるこの二人の少女は、ぱん太郎のそんな行為を完全に許し、生殖本能に目覚めた女性器でぱん太郎の射精を貪欲に呑み込んでいるのだ……!

「行人クンはキミたちの服を脱がして裸にすることも出来ない臆病者♥」

「残念だわ……でも、私たちを裸にする役目は、ぱん太郎様に任せるわ♥」

「行人にはもう何も期待してないよぉ♥」

「ウンウン。そして、こうやって……」

と、ぱん太郎はわざと腰と腕のピストン運動を早める。

「アァーッ♥♥!!!!」

「ウニャァアァッ♥♥!!!!」

 二人の歓喜の叫びが辺りに響く。しかし、たとえさらに大きな声を張り上げても、空を覆い隠すほど枝葉を広げ密集した樹木群に吸い込まれ、行人のところまではとても届かないだろう。

「キミたちにオマンコの気持ち好さを与えるのもボクの役目♥ 行人クンじゃ絶対不可能だからね」

「えぇ、絶対不可能よお♥ 行人様じゃ絶対こんなコト出来なぁい♥!」

「絶対に無理だよぉ♥!」

「ぱん太郎様ほどの経験もないし、こんなに逞しいオチンポも持ってないしぃ♥ あっ、あっ、あっ♥!」

「こんな気持ち好いコト、行人がしてくれるとは思えないよぉ♥ うにゃっ、うにゃっ、うにゃあっ♥!」

 心地好い律動と刺激を受けながら涎を垂らし、嬉悦の涙を目端に浮かべるすずとあやね。

「そうそう、どう考えても期待できないよ♥ でも、普段は今まで通り、行人クンとは仲良くね♥」

「えぇっ、えぇっ♥ ぱん太郎様の言い付け通り……仲良くするわ♥ あっ、ああっ、ああっ♥!」

「うにゃっ、うにゃんっ、うにゃんっ♥! 私もっ、ぱん太郎様がそう言うなら……まだ行人と暮らすよぉ♥」

「ウンウン、ボクの言うことをちゃんと聞いてくれれば、これからもずっとオマンコしてあげるからね♥ すずちゃんとあやねちゃんにも、ずっとボクとの中出しせっくすを味あわせてあげる♥」

「「ほんとう♥!?」」

と、嬉しそうに同時に叫ぶ二人。

「本当だよ♥ でも逆に聞くけどさ」と、動きを緩めるぱん太郎。「ボクとオマンコするために行人クンと付き合う……それでいいの、二人とも?」

「ぱん太郎様とオマンコできなくなるほうが我慢できないわ……♥」

「うん……ぱん太郎様とオマンコできなくなったら……たぶん、おかしくなっちゃう……♥」

「ノフフフフ…………」

 この上ない回答であった。すずも、あやねも、ぱん太郎に媚びた笑みを浮かべながら些(いささ)かの躊躇もなく言い放ったのだ。行人に対する罪悪感など最早毛ほども感じていないようだった。この二人も、ぱん太郎と、ぱん太郎の与える快楽に、心底染まってしまったのだ。

「じゃあ、あそこにいる行人クンに向かって、いつもどおりに……言ってみようか♪」

「ええ♥」

「うん♥」

 

「行人様、ごめんなさい……私、ぱん太郎様とオマンコするために……貴方と仲良くします……♥ これからも、ぱん太郎様の子種をおナカに溜めたまま……デートしたりするだろうけど……許してちょうだい♥ もう、このオチンポなしじゃ……生きていけないから……♥ 行人様がしてくれない分、ぱん太郎様と子作りセックスするの……♥!」

 

「行人、これからも私、行人と一緒に暮らすけど、私の全部、ぱん太郎様のモノになっちゃったからあ……♥ 行人と暮らしながら、ぱん太郎様と赤ちゃん作るの……♥ 行人の知らないところで、ぱん太郎様の子供を仕込まれるの……♥ 私、もう、行人といるより、ぱん太郎様とオマンコしてた方が楽しくなっちゃったから……♥ でも、行人も悪いんだよ、こんなに気持ち好いコト、行人は全然してくれないから……♥ 許してね……行人といる時も、私のアソコも、心も、ぱん太郎様でイッパイだけど……許してね♥」

 

 やはり口に出して言わせるのはひと味違う、と、ぱん太郎は愉悦が多分に入り混じった感慨をおぼえつつ、またあやねに戻って射精に向けて腰振りを一気に加速させる。パン、パン、パン、パン! と、白リボンの少女とぱん太郎の腰がぶつかる高い音が立ち、あやねはひときわ高い嬌声を上げて善がり狂うが、広場にいる行人まで届く筈もなく、そんな少年の姿を眺めながら二人は同時絶頂に達した。

 気を失いそうなほどの快感でガクガクと全身を痙攣させるあやねに、その腰をしっかりと支え、最奥でとびきり濃厚な孕まし汁を無尽蔵に放つぱん太郎。

「アァ♥ アアァ♥ ぱん太郎様♥ ぱん太郎様ぁ♥」

「あやねちゃん♥ あやねちゃん♥」

 結合部から決壊するようにブワッと精液が溢れ出てきてゴポゴポと瀑布と化して滴り落ち、足元に白濁溜まりを作るというお決まりの事が起きるが、当然のように誰も気にしなかった。

 ──数分間、最後のひと噴きまであやねの子宮口に直当てしながらの生殖射精。あやねは何度もアクメに達し、その度にビクビクとからだを奮わせ、焦点を喪った目で幸せそうに喘ぎ悶えていた。

 それが済むと、すずも同様に立ちバックでぱん太郎の極太肉棒にさんざんに責められた。あまりの快感の残響に立っていられず温かい白濁の海に溺れるように突っ伏したあやねの横で、今度は青リボンの少女が快楽に鳴き叫ぶ番であった。だが、すずもオマンコから愛液のヨダレを垂らしながら待ち望んでいたのだ。

 豊満な乳房をぶるぶると揺らし、行人の姿が視界に入っていても、まるで何も見えてないとばかりに、すずはぱん太郎から与えられる快感に理性溶けた惚け顔でただただ浸り尽くし、間もなく来るだろう“射精の時間”に対する期待で、絶頂と種付けの快感に対する期待で満ち溢れた態度であった。

「んじゃ、すずちゃんイクよ!」

「うにゃぁん♥!! 来て来てェ♥!! 行人ごめんね~~~ッッ♥♥!!!!」

 そう叫びながらググッと奥まで押し込まれたぱん太郎の巨根による膣奥射精で同時にアクメを迎えるすず。オマンコの奥に感じる孕まし種付けの重い衝撃が繰り返し繰り返し全身に行き渡り、それが心地好くってたまらず、顔を真っ赤にしてあやねに負けないほどからだを生殖快楽に震わせ、すずは幸せの歓喜に包まれる。絶え間ない嬉悦の涙と叫び声。両脚をガクガクさせながらも、受精を意識してぱん太郎の膣内射精をしっかり受け止める体勢を取り続けるすずの下半身。

 絶対に孕ませるという意志が籠められた射精を、青リボンの少女は霞がかる目で遥か向こうに少年の姿を見ながら、蕩け切ったメスの顔でいつまでもからだの奥深くに迎え入れていた────

 

 

 

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  4

 

 

 

 ──時は少し遡る。

 行人はすずが一人で動き回っているとばかり思っていたが、準備初日、今年もオババの使いで花火小屋へ赴いた青リボンの少女の隣には、途中から大きな影が連れ添っていた。昨年は行人がいた位置であった。

 その巨漢──ぱん太郎がすずの肩に腕を回して脇に抱き寄せると、青リボンの少女は逆らうことなく自分からもしなだれかかった。そうやってぴったりくっついて歩く様は、偶然通りがかる他者がいれば間違いなく昵懇(じっこん)な恋人同士だと映っただろう──男女の道に敏ければ、肉体関係も相当進んでいるという確信も。初夏の暑さが届かぬ森の涼しい小径を歩きながら二人はおしゃべりに興じて笑い合い、実に楽しげであった。

 しばらくしてぱん太郎が不意に立ち止まり、すぐ近くの木陰を横柄に顎で指し示す。その樹の横には腰掛けるのにちょうどいい苔むした倒木もあり、休憩するにはうってつけの場所であった。

「……うん♥」と頬を染めて頷くすずはどこか嬉しげで、その瞳は期待に満ち溢れキラキラしていた。

 倒木に座ったぱん太郎の膝の上に微笑みを浮かべたすずが純白のパンティが露わになるのも気にせず股を拡げて跨がると、彼女の方から顔を近づけ、二人は唇を重ねる。当たり前のような自然さであった。それはすぐにピチャピチャと音が立つほど情熱の籠もった口づけとなり、互いの躰をまさぐり合うペッティングが加わり、すずは気持ち好さそうに官能的な吐息をつきながらぱん太郎の愛撫とキスを感じるばかりの表情に煙(けぶ)る。帯を解かれてはだけた胸を無遠慮に揉みしだかれ、スカートの中に手を入れられて尻から太ももにかけていやらしく撫で回され──子作りするまでになっているのだからこの程度もはや何でもない範疇かもしれないが、行人はすずのからだをこのように触ったことすらないのだと、ぱん太郎は脳裏で改めて追認し、その満悦感で上機嫌にならずにはいられない。

 行人は──女たちの中でもとびきり美しく、同時にいやらしいカラダをしているこの少女と何百日と一緒に暮らしながら──男の本能を奮わせて止まないこのからだを弄ったこともないのだ。

 無論、このさらに先……すずと性器を繋げ合い、熱く潤んだ牝肉を掻き分けてチンポの良さを味あわせ、彼女の子宮へ子種を届けることも。想いを伝えた上でのキスすらまだなのだから言わずもがなの当然すぎる事実ではあるが、他の男と住んでいるこれほど美しい娘をここまで自由に独占し、メスの悦びに逝き狂わせ、子作り前提の中出しを受け入れさせていると考えると、ぱん太郎の愉悦は歯止めが難しいほどに昂じる。行人が到達することなど夢のまた夢の行為を、自分はこの少女に好き放題することが出来るのだ。この青リボンの少女は、もう何でも許してしまうのだ。どこでも、いくらでも、子宮口にチンポの先っぽを直当てして、この少女の子宮の中へ己が子種を注ぎ込むことが出来る──そう考えると堪らなく昂奮するのだ。

 セックスの最中にわざと少年を意識させるような言葉を使っても、すずは行人にダメ出しをしてオマンコの奥の奥までぱん太郎が侵入することを許し、また子作りのためとはっきり明言している膣内射精を悦んでその奥まった場所で受け止めながら逝きまくるまでになっている。行人が至れそうにない秘奥。他人の胸の内を覗くことなど出来ないが、すずの心を行人から引き剥がした証拠がこれ以上にあるだろうか。

 やはりこの少女を行人とそのまま生活させているのは大正解だった、とぱん太郎はつくづく思う。バレたらひと騒ぎ起こる危険があるものの、行人の気持ちが──すずに対する慕情が変わらずにいるのが重要なのだ。一つ部屋で寝食を共にしているほどの仲だ、一緒にいればいるほど情は深まるばかりであろう。実際、最近の行人はすず、それにあやねが気になって仕方がない様子が周囲で観察している他の娘たちから伝えられ、この二人に対する行人の情は、もはや気持ちを伝えていない段階に入っているのは傍から見ていても分かる。娘たちをもって超絶と言わしめる鈍感さがその一線を超えるのを遅らせに遅らせている部分も少なくはないのだ。

 だが、まだ自覚が無いだけで、そうして行人にとってすずが大切な存在になればなるほどに、ぱん太郎がすずを抱く楽しさもより深まるという仕組みであった。たとえ張り合いのない敵手であっても、同棲している男がいる少女の子宮にとびきり濃厚な子種を何度でもいつまでも注ぎたくて仕方なくなるし、孕ましたくて仕方なくなる──実際その通りにしているわけだが。また、その昏く粘っこい熱情はすずをさらなる肉悦の深みへと引きずり込み、彼女の心を行人から一層乖離させることにもなっている。

 もし、すずまでもがぱん太郎に夢中になっていて存分に種付けられることに悦びを憶えている事実をひとたび知ってしまえば、行人はいたたまれないあまりにすぐにでも家を飛び出してしまうのではないか。そして、そのまま二人は別離するに違いない。

 そうなったらもう、行人と同棲までしている最も距離の近い少女すら寝取っているという極上無二の香辛料は金輪際得られなくなる。ここまで来れば行ける所まで行きたかった。もう既にすずは他の娘と同じくぱん太郎の言うことは何でも聞くようになり、どこで誘おうがこうして喜んで股を開き、場所を気にせず生殖性交を自ら望むまでになっている。ぱん太郎に種付けされることをすずは乞い願うようになっている。残すところは尻穴性交と妊娠出産、そして結婚ぐらいなものか。最終的にはそれらも果たし、完膚なきまでに行人からこの少女を奪い取りたかった。

「ぱん太郎様ぁ……♥」

と、大男の耳元でゾクゾクするような甘ったるい猫撫で声を出すすず。

「ぱん太郎様のおチンチン……舐めたいな…………♥」

「ホント? 嬉しいね」

 すずの積極的な申し出にぱん太郎はニンマリと笑って頷き返した。

 青リボンの少女は嬉しそうな様子を隠しもせず男の膝から降り、割り拡げられた股の中に収まる。ぱん太郎は着物の裾をからげると、堂々と屹立する天狗の鼻のように長く太い剛魔羅を少女の眼前に突き出した。

「にゃあぁぁ……♥」表情を綻(ほころ)ばせて感嘆の声をあげるすず。「おっきくて、固くて、熱くて、立派で…………♥ それに、このニオイ、この味……♥ このニオイ嗅いでると、頭がクラクラしてたまらないの……♥」

 ドクンドクンと力勁く脈打つ赤黒い肉茎を愛しげに何度もさすり、舐め上げ、熱い息を吐きかけながらすずは陶然と賛美の言葉を紡いだ。片方の手はスカートの中に潜り、下着越しに秘裂を弄る。既にパンティは夥しい愛液でぐっしょりと濡れており、少女の指はまるで泥の溜りを踏むようにクチュクチュと濁った水音を鳴らし、内股までぬめっているほどであった。

「んっ……んにゃんっ……♥」

 亀頭を撫でさすり、剛柱に頬ずりしながら青リボンの少女は唾液をタップリとまぶした舌を這わせる。

「すずちゃんを幸せにするモノだから、大事にしないとね♥」

「うん……♥」

 あーんと口を大きく開けたすずは、茸のように傘を張る真っ赤な亀頭を躊躇いもなく呑み込んだ。

「んっ……うむぅっ……♥」うっとりと目を閉じ、そのまま肉茎の半ばまで一気に咥える。ぱん太郎の男根は長すぎて食道まで届いてしまうため、頑張っても根元まで頬張れる女はいない。さすがのすずでも無理だった。だが、下の口では十分に開発してほぐせばこの年若さでも痛がらず呑み込んでしまうのだから、それどころか感じまくるのだから、女体というのは不思議と言うしかない。

「のっ……おお……♥」

と、ぱん太郎はたまらずに声を上げた。

 すずの口の中がキュッと窄(すぼ)まり、青リボンを揺らしながら頭が前後にゆっくり動くと、肉棒の底に敷かれた舌の蠢きも加わって堪らない刺激がぱん太郎の全身を駆け巡る。

 

 ムチュッ ムチュッ グチュッ ムチュッ

 

 口腔全体の肉を使った吸い付き具合は陰茎ごと吸い取られそうなほどで、オマンコに勝るとも劣らない極楽のような心地好さだ。

 それに──

「んふ……♥」

と、青リボンの少女が極太肉棒を咥えながら頬笑み、ぱん太郎を見上げる瞳に籠められた親愛や淫蕩の具合と来たら!

(ホント、たまらないね♥)

 美しい少女のこのような媚びた表情を眺める度にそう思わずにはいられない。人間の女の美醜が解ってくると、すずが梅梅に劣らないぐらいの美少女だということも判ってきた。それに、この男好きのする生唾もののからだ! つくづく仕込んだ甲斐があったというものだ。すずはどんな仕事でも覚えが早く頼りになるらしいが、その話が十分納得できるほど性技の上達も著しかった。異性に対する特別な意識すら持っていなかった頃の純真無垢な状態が信じられないほどだ。初めは弄ってもくすぐったがっていたからだは、愛撫されるとゾクゾクと性の悦びに戦慄くようになり、何ものにも穢されていなかった清らかな秘洞は男をすぐ果てさせんばかりに淫肉蠢く極上の蜜壷に変わったのは、たったの半年の間に、だ──そして、今やすずの子宮はぱん太郎の精子を溜め込んでいない日がない程までになったのだ。

 最初こそ緩やかにフェラチオしていたすずだったが、昂奮してくると段々とリボンの揺れ動きが激しくなり、鼻息もフウフウと荒くなってきて、ジュッポ、ジュッポと卑猥な音が大きく立ち、唇の隙間から涎が溢れ落ちるのもお構いなしに実に美味しそうにぱん太郎の極太長棹をしゃぶり続けた。口を目一杯拡げてやっと咥え込めるほど太い巨根の先端が喉の奥にしばしば当たってもえずきもせず、ぱん太郎を気持ち好くさせたいという一心がはっきり伝わって来るほどの積極的な奉仕であった。

「すずちゃんのおっきなオッパイでパイズリしてよ♥」

と、ぱん太郎はこの頃覚えた単語を使って注文した。すずも知っていたようで、「うん♥」と口を離して元気よく返事をし、藍色の上着を脱ぎ去って上半身裸になる。大きさも形も張り艶も理想的なほどの美しい均整さを保つ乳房が双つともすべて露わになる。その頂上を美事に飾る薄桃色の乳首。腰から上の裸体だけでも目を吸い寄せられずにいられないほどの美少女ぶりであった。それでいてすず本人は己の容姿にまったくの無頓着で、少しも自惚れたところがなく、どこまでも素直で純朴な性格なのである。

 セックスなど知らなかった時期と比べて最も変わったのは、女の色気を帯びてきた点だろうか。ぱん太郎にどれだけ揉まれたかわからないこの乳房を眺めているだけでも生唾が口の中に溜まって来る。女のフェロモンが嗅ぎ取れそうだ。また、この頃ではすずにも羞恥の意識が若干ではあるが芽生えてきたようで、ぱん太郎にそうして見つめられていると、

「あんまり……じっと見られると……なんだか恥ずかしいよ……♥」

「すずちゃんが可愛いからだよ♥」

「もお……でも、嬉しい……♥」

と、その少しはにかんだ後、胸部を押し付けるように乳房の谷間に唾液まみれになった肉棒を挟み込んだ。最近大きくなっていくばかりというすずの乳肉だが、両の脇から手で寄せ上げてもぱん太郎の長大な男根全体を包む隠すことは不可能だった。だが、当然ながら長いほうが挟み易いのである。

「んっ、んっ、んっ……♥」

 ひたむきに乳肉で肉胴を擦り上げながら亀頭に舌を這わせるすず。

「ぱん太郎様のオチンポ……とっても美味しい……♥」

「いくらでも味わっていいんだよ♥」

「うん……♥」

「行人クンのあのオソマツなチンコじゃ、こうやって舐めるのは無理だね♥」

「……そうだね…………」と、すずも思い出したような目つきで微笑した。「行人のは、胸の中に隠れて見えなくなりそう……♥」

「すずちゃんのおっぱいおっきいもんね♥ 綺麗で、形もいいし、ボク大好きだよ♥ パイズリもすごく上手になったし……のの、すっごく気持ち好い……♥ すずちゃんのおっぱいは最高だよ♥」

「嬉しい……♥」

 すずは褒められて嬉しそうな笑顔を浮かべると、より情熱を籠めてパイズリする。

 お世辞ではなくすずの乳房奉仕は肉棒が益々固くいきり立って仕方ないほど気持ちが好く、我慢したくなくなるほどの射精感がこみ上げてきたぱん太郎は、このまま挟射して彼女の顔に思う存分ぶっかけてパイズリを終えたいところではあったが、此処まで来た目的がまだ済んでいないという冷静な思考は働いた。すずは拒まないだろうが、不用意に外で出すと中出しより後始末が面倒になるのは皮肉な話である。元気漲りすぎていて天を衝かんばかりに少しもおじぎをしない極太肉棒はどうしても下に向けられないため、地面に向けて放つことができない。それに、長い射精をただずっと空打ちしている時間は実に虚しさを覚えるものである。その判断の下ですずの胎内に放ってきた回数は数え切れない。彼の屋敷であれば雑用係である召番が後片付けをするため問題ないが、此処では飛び散った精液で汚れた衣服を洗うために水場を探す羽目になるだろうし、そうなれば余計な時間を食ってしまう。それに、ぱん太郎の長射精をたった一人で顔面に受け止め続けるのはなかなか大変だ。全裸になってからだじゅうにぶっかけるのであればまだ何とかなるが、今はまだそんな悠長な事をしている場合ではない。顔射は何人も並べて分散できるような時にすることが多かった。

 ──となれば手段は一つである。

 

 今日もまた、この少女の胎(なか)で──すずのオマンコの中で受け止めさせれば良いだけだ。

 行人などお構いなく中出しするのだ。

 すずの膣内を、子宮を、このぱん太郎様の子種で満たしに満たしてやるのだ。

 このすずという少女を東方院行人、あの男以外の種で絶対に孕ませるのだ────

 

「気持ち好すぎて……すずちゃんの顔にぶっかけたいところだけど、まだ用事を済ませてないし……オマンコのナカで出させてね♥」

「うん……♥!」

 頬を赤く染めながら躊躇いもせず嬉しそうに頷いたすずは、再びぱん太郎の膝上に乗った。スカートを捲り上げながら突き出た大勃起が純白のパンティの上からすずの秘陰をなぞるように往来し出すと、「にゃっ♥ あっ♥ あっ♥!」と、青リボンの少女は心地好さげな媚声を漏らし、ぱん太郎と熱く見つめ合いながら舌を絡め、半ば無意識に浮いた腰を肉棒の動きに合わせるように揺らす。すずの純白パンティは彼女自身の愛蜜とぱん太郎の先走り汁ですぐにグチョグチョとなった。

「にゃあん……我慢できない……♥ もう、早く……早くぅ……♥ ぱん太郎様のデッカイおちんちん……ココに……私のオマンコに挿れてぇ…………♥」

と、トロンとした目つきで妖しく腰を揺らめかせながら肉棒に布越しに秘裂を擦り付け、先に誘ったのはすずであった。「じゃあ、自分で挿れてごらん」と言われると、すずはハァハァと淫らに乱れた息をつきながらパンティの股部をずらし、慣れた動きでぐっしょりと濡れたアソコの入り口にいきり立った極太肉棒の先端をあてがい、「にゃうんんンッッ♥♥!!!!」と甘い悲鳴を上げながら腰を落としていった。すずのオマンコの中は夥しい愛液でヌルヌルで、ぱん太郎が常に携帯している潤滑水など使わずとも苦もなく極太大魔羅を迎え入れたのだった。

「うにゃああぁぁぁ…………♥♥!! ぱん太郎様と……一つになれたぁ…………♥」

 そこからのすずの嬌態は、もし行人が此処にいたならとても見ていられないものであったろう。性悦で真っ赤になった顔を惚けさせながら、からだを激しく震わせながら、ぱん太郎がじっとしていても自分から積極的に腰を動かして逞しい巨根がグチョグチョとオマンコの肉壁を擦る快感に酔い痴れる青リボンの少女。エラ張ったカリの裏がイボイボしている亀頭によって媚肉が巻き込れる刺激に何度も軽くイキまくり、豊かな乳房をぱん太郎の顔に押し付け、その固く勃った乳首を膨らんだ乳輪ごとムチュムチュ吸われると全身で歓喜を表し、我を忘れたように何度も大きな声を張り上げて快感にからだを痙攣させた。

「うにゃあ♥ ぱん太郎様、素敵、素敵ぃ♥ おかしくなっちゃうのお♥」

 調子に乗ったぱん太郎が短い間隔で連続中出ししても、その紅唇からは嬉悦にまみれた淫声しか生まれて来なかった。すずはぱん太郎の精子を己の子宮に貯め込む役割を存分に果たしながら、気持ち好さのあまり焦点を失った目で蕩けきった甘い声をひっきりなしに漏らし、「また、行人にナイショで……♥ ぱん太郎様に種付けられちゃってるぅ……♥!」「でも……すずちゃんも望んでるんだよね?」「うん、そうだよ……♥ 行人が知らないところで……ぱん太郎様との赤ちゃん、作っちゃうの……♥ うにゃあぁぁぁ……♥!」などと会話して、立て続けに膣奥で爆ぜる孕まし射精を最後のひと噴きまで感じていたのである。

 ──繋がったまま絶頂の余韻を楽しみ、昂奮が引くまで行為後の満ち足りたキスを交わし、やがて名残惜しそうに離れて淫液まみれになった下半身の後始末をする。ぱん太郎の野放図で途方もない勢いと量の射精は全てすずの肉壷の中で受け止められ、結合部の真下に大きな白濁溜まりと幾筋もの川を作っただけに留まった。まさに「精液便所」という呼び方に相応しいオマンコの使い方をすずはされたのだ。ぱん太郎の精液処理の道具と化していた。しかし、孕むに十分過ぎるほどの子種が──途方もない量のぱん太郎の精子が何日かぶりに新たに追加されて、すずは大いに満足したらしい。例えこの後すぐまた求めたとしても、すずは微笑みながら股を開いて注がれたばかりの白濁を垂らしている淫穴を惜しげもなくぱん太郎の眼前に晒すに違いない。

 そして──家に帰り行人と対面する頃には、ぱん太郎の精子とすずの卵子が結ばれて愛の証を形作り始めていても決しておかしい話ではない。今や毎日のようにその可能性が存在するのである。

 服を直して再び木漏れ日の径を歩き出した二人は、どちらも何も言わずにまた想い合う恋人のように寄り添うのだった。

 

 

 花火小屋に到着すると、りんの叔母で花火職人のりりに昨年同様にオババからの手紙を渡したのだが、その用事もそこそこに彼女を外に誘い出して森の散策と洒落込んだぱん太郎は、すずの協力もあって手慣れた段取りで言葉巧みにセックスへと持ち込んだ。ぱん太郎は女の弱い所を知った口づけや愛撫でりりの性的昂奮を引き出し、濡れた股を開かせてその処女をいただいたのであった。りりが息絶え絶えになるまでに三発、男を迎え入れたばかりの膣内に濃厚な白濁を撒き散らした。その射精中、「ああっ……すごいっ……すごいっ……お腹の奥で……花火が爆発してるみたいだっ……♥」と、りりは感じまくりながら表現したものだ。

 一年じゅう花火作りに没頭していて村にも滅多に姿を見せない彼女だったが、集会参加者の一人としてぱん太郎のことは知っており、りんの妊娠やりさとも子作りしていること、今のぱん太郎の評判など色々と耳に仕入れていたようで、ある程度の意識や覚悟はあったらしい。ぱん太郎はぱん太郎で、三十近いと聞いていた女がりんとさほど離れていない姉のような若々しい容姿と立ち振舞いであったために内心歓喜小躍りし、また初対面時の驚いたようなりりの顔つきの中に好奇や興味といった感情があるのを目聡く見抜き、(これはすぐヤレるかも♥)と直感していた。

 未通女のまま三十路を迎えようとしている焦りもあったのかも知れない。りりにはどこか誘いを待っている節があったし、行為に入っても彼女のからだが強張っていたのは最初のうちで、ぱん太郎が優しい愛撫をゆっくり続けるうちに緊張もみるみる解け、彼の指や口技を感じて声を漏らすのも早かった。初めは戸惑いも多分に含んだたどたどしい喘ぎ方だったが、数十分もしないうちに陰核をやわやわ刺激されると共にぱん太郎の太くザラザラした指をズポズポと抜き差しされて全身を痺れさせ、愛液を溢れさせながら本気で喘ぐりりの姿があったのだ。

 やはり、という確信がぱん太郎にはあった。大ぬしの加護篤いためだろう、この島の住民達はほとんど病気もせず食べる物に困ることも滅多にないため、皆元気が有り余っている。ぱん太郎も少し前まではどつき合い三昧でその元気を発散していたぐらいだ、連れ合いを一人残らず喪って十数年も経つ人間の女たちは、年頃になった娘たちは、健康美溢れるカラダをどれだけ持て余していただろうか。上辺は何事もないように振る舞っていても、“ソレ”を満たしてくれる男が現れたという噂を聞き、実際に目の前にした時──彼女たちのぱん太郎に対する反応が答えを告げていた。

 まぐわい終わって股間を白濁に染め上げたりりが満足したようにぐったりと横たわると、手伝ったご褒美と称してまたすずが抱かれる番となった。まずは体液で穢れた肉棒を傅(かしず)かせるようにフェラチオでキレイにさせると、抱きかかえ上げて官能的な吐息を絡め合うキスから始めた。

「私も、最初から……ぱん太郎様を信じればよかった……♥」

と、口づけの合間にすずはうっとりとぱん太郎を見つめながら呟いた。

「最初から? もしかしてボクとすずちゃんの最初の夜のこと?」

 村への出入り解禁前夜に二人は鉢合わせし、出掛けていた少女の帰りを待っている少年のいる家からさほど離れていない草むらで行為に及んだのだ。ぱん太郎がすずを女にし、二人が男女の関係になった瞬間であった。行人から寝取った愉悦感や美少女であるすずの男好きするからだや類まれな名器具合、彼自身その時ご無沙汰だったこともあり、異様なほど昂奮する中で生涯で最も出だだろうと思うほど凄まじい量と長さの射精を彼女の中で放ち続けたのを、ぱん太郎は未だ鮮烈に覚えている。射精前から優に一回分以上漏れ出ていた先走り汁ですずの膣内は既にグチョグチョになっていたところへ、先走り汁に含まれていた精子が先陣切ってすずの子宮内へ入り込んでいるだろうところへ、さらに途方もない量の子種汁を注ぎ込んだのだ。その頃既に行人とすずの間柄は知っていたぱん太郎だったが、少年に対する遠慮など一切無く、すずの子宮に肉棒の先端を押し当てて、孕ませる気満々で濃厚この上ない白濁液を放ちまくったものだ。

 久方ぶりの生マンコで我慢が効かない面もあったため、ぱん太郎は“花”を多用しての愛撫ですずに性的快感を覚えさせるだけでなく、痛がらせないよう注意を払いながらも自慢の巨根をたっぷり味あわせた上で、抜き差ししても平気になったと見るや一度だけでなく執拗なほど中出しを繰り返した。不安のあまり行人の頭に何度も過ぎったことがある、すずとぱん太郎の最初の性交イメージとほとんど離れていなかった。行人がまったく想像できなかったのは“花”だけであった。

 初めてのセックスの時点で、行人を迎え入れた事もない清らかな空間が一気に隅々まで濁り澱むほどに凶器のような極太肉棒を突きまくって、行人のものではない精液をこれでもかと言うぐらいすずの中に注ぎまくったのだ。

 そうして膣内射精される心地を青リボンの少女の心身にしっかりと刻み付けた。男をまったく知らない状態での初体験だったにも関わらず、“花”の効果で発情したすずの膣内は処女だった固さを残しながらも奥まで柔らかくほぐれ、最初の戸惑いはどこへやら、それまで感じたこともない生まれて初めての感覚に少女はいつしか溺れていた。二発め、三発めと膣内射精される毎に中出し突き入れをしっかり受け止める姿勢を無意識に取ってゆき、終わり頃では完全に恍惚状態で股を開ききって本気で喘いでおり、初めてのアクメはぱん太郎との同時絶頂であった。すずも、「あの満天の星空の夜のコト……一生忘れられないよ♥」と語ったことがある。

 あの時に孕まなかったのが不思議なぐらい、すずとぱん太郎は一度目から濃密過ぎるほどに交わっていたのである。

「うん……♥ あの頃は何も知らなかったから……今のりりさんみたいに、ためらいがあったの……♥」

 確かに判断も出来ないままぱん太郎に言いくるめられ、流されての初体験のようだったし、肉体関係を結んだばかりの時期、すずは明らかに乗り気ではなかった。だが、子作りは村のためという名目を最大限に利用したぱん太郎が何度も強引に迫って繰り返し躰を重ねていくうちに──彼女の心身にセックスの気持ち好さが深く刻まみ込まれていったようで、そのうち“花”を使わずともアソコは濡れまくって快感に悶えるようになり、明らかに膣内射精を感じている様子を見せるようになり、次第にぱん太郎を受け入れるようになったのだ。従順になってゆく一方のすずに、ぱん太郎は孕ませるという意思を籠めた種汁をその胎内でとことん放ち続けた。

 あの初めての夜からもう半年近く経っただろうか。すずがぱん太郎に籠絡され順調に侵食されていったこの間じゅう──行人はわずかすらも気付くことがなかった。

 多い時は月の半分近くもその日に中出しされまくったぱん太郎の精液をオマンコいっぱいに満たしたすずと同じ室内で過ごしてきたのにもかかわらず、女の機微を嗅ぎ分ける経験を養ったこともない初心(うぶ)な少年は、持ち前の鈍感さもあって何ら疑わないのだ。今では憎むべき男の子種の重みや熱さを胎内に感じ取る喜びを覚えている少女と暮らすことがすっかり当たり前になっているというのに。彼の目の前ですずとぱん太郎の受精が起こっても不思議ではないというのに……。

 その他にも、すずがぱん太郎と恋人のように甘く絡み合いながら何の抵抗もなく中出しセックスする正夢を、まちに命じて定期的に睡眠中の行人に見させるようになっているのだが、そんな“悪夢”に苛まれながらも、まだ健気にすずを信じ続けているようだった。まさか真の出来事とは思いも寄らないのだろう。

 ぱん太郎もその夢を一度体験してみたいとまちに術をかけて貰ったことがある。“愛の巣”ですずと自分が夢中になって一心不乱にセックスしている場面であった。前日に同じものを行人にも見せたとまちは言っていた。自分自身の姿を眺めるというのが実に奇妙な感じであったが、普通の夢とは違い、術者が眼(まなこ)に焼き付けたありのままが投影されているという情景にはやけに生々しい肉感があった。まるですぐ傍から行為を見物しているような臨場感が希薄ながらも嗅ぎ取れるのだ。それでいて眠っているからか意識があるのかないのかといった感じにぼんやりとしていてどこか他人事のように客観視している面も濃く、頭のどこかでこれは夢だと識閾下の理解も在るようで、本来であれば昂奮して止まない情景がある意味淡々と流れていった。

 何度も逝きながらひたすら悦び喘ぎ悶えるすず。しかしこれほど詳細で鮮明、臨場感もある夢は、ちかげが持っている不思議な板切れによる動く画の記録よりある意味真に迫っている気がした。実体験めいているというか……なるほど、行人もこんな真に迫ったものを見ているとすれば、例え夢を見ている最中は大丈夫だったとしても、きっと起きてからたまらない気持ちになるに決まっている──と、目が覚めてからぱん太郎は胸奥から溢れるようにこみ上げて来る喜悦にニンマリと笑んだものだ。

 一緒に暮らしていて家族以上の想いを抱いている美しい少女が、自分の大嫌いな男と愛し合うように熱烈セックスして逝きまくり、恋人のようなキスを交わし、蕩かされてぱん太郎様好き好きと何度も繰り返し、歓喜の極地から発するような嬉悦にまみれながら、深く繋がりながら、膣内射精を受けている。普通の夢とは比べ物にならないほどの現実感でそれを見せつけられるのだ。下手をしたら一生記憶に残るのではないだろうか。

(やっぱり夢というのが最高の。例えばあの板切れでこんなのを見せたら、もうゴマカシは効かないだろうけど……夢ならどれだけ生々しくったって、結局は夢で済ませられるし♥)

と、ぱん太郎は嬉しくなった。顔が分かってしまうフェラチオや普段着のセックスなどでも、夢であれば存分に見せつけることが出来る。行人が正夢を信じるような性格であればまた違ったのだろうが、どうやらその辺も四角ばった堅物のようで、夢と現実はちゃんと区分けしているらしい。すずの話では、目の前に幽霊がいても信じないと言う。だからこそ夢を根拠にしてすずを問い質したりカマをかけたりすることもなく、己の胸中に蔵(しま)っているのだろう。

 ただ、さすがに不吉さは感じているようで、日中見廻りをしている最中、明らかに元気がなくどことなく気疲れしている様子でぼんやりと歩いていた──と、行人を目撃した女からの証言をぱん太郎は幾度か耳にしたことがある。他人の前では痩せ我慢しているようだ。

 村の者たちは夢のことなど知らないが、すずまでもがぱん太郎と子作りに勤しんでいるのを知らない行人を憐れに思うのか、或いはぱん太郎を受け入れるという決定に楯突く気はないのか、すず──最近ではあやねも加わった──とぱん太郎の関係については口をつぐみ、男たちでも行人の耳に届かないよう村ぐるみで配慮しているらしい。そのお陰でぱん太郎は面倒な悶着を起こすことなく行人がまだ信じている二人を寝取っている感覚を持ち続けながら楽しんでいられる上に、その二人ももう嫌がりもせず行人に対する後ろめたさもほとんど消えて生殖快楽に堕ち、ぱん太郎との子作りセックスという極上の娯楽を心の底から望んでいるという有り様。それを全く与(あずか)り知らない行人も、ある意味これ以上の苦悩を抱えることなく平穏に過ごせている──とも言える。

 親しくしていた“九人の美少女”のうち七人までもがぱん太郎の虜になってしまったことは行人も浅からぬ衝撃を受けているようで、残ったすずとあやねが彼の心の防波堤となり、表面上は波乱一つなく何気ない日常を送っているのだ。

 

 ──だが、そうして少年の僅かな希望となって純潔を信じられている二人の少女の片方は、ぱん太郎が村に舞い戻ったその夜から既に、少年が憎悪する男の精をタップリ注がれるカラダになっていたという事実。

 

 その無垢な少女は、少年が知らない所で男を覚え、性に目覚め、大人の仲間入りを果たし、それだけではなく──極太チンポをハメられる気持ち好さ、大量中出しされる気持ち好さにその男への悪感情などいつしか忘れ去り──。

 少女は半年もの時間をかけてその男との子作りセックスにすっかりのめり込んでしまい、膣奥まで到達するその男のチンポを愛しく感じるようになり、子供がデキても構わないという気持ちで切なく締め付けるようになり、子宮に浴びせられるその男の子種を嬉々として受け止めているという事実──

 

 すずとぱん太郎の密会がひと月に両手指の数を下回ったときはない。青リボンの少女が快楽の桃源郷に身も心も蕩かす心地でぱん太郎と甘くも濃厚な肉慾の時間を過ごした回数は、もはや両手両足の指を使っても足りない。中出し種付けされた回数など、十人分用意しても…………。

 行人にとっては残酷極まりない話だが、すずのからだは、オマンコは、子宮は──たった半年の間に、女を虜にして止まないぱん太郎の精力的なセックス、逞しい巨根、強暴な膣内射精を十二分に味わうようになってしまっているのだ。

 彼女だけに限った話ではないが、すずはごく普通の男とごく普通のセックスを数年、いや十年以上続けても到れないぐらいの悦楽の深さを実体験しているのは間違いなかった。これで変わらないという方がおかしいだろう。

「でもすずちゃんは偉いよ、結局は村のことを考えたんだから」

「うん、今では良かったって……思ってるよ。村のためだし、それに、ぱん太郎様との子作りって……こんなに気持ち好いんだもん♥」

「でしょ~? いつも言ってるけど、キミを幸せにできるのはボクだけだって。まだまだコドモの行人クンじゃここまで気持ち好くしてくれないのは絶対。ケーケンも無ければチンコも大したことないんだから」

「うん、もう行人なんて知らない……♥ だから、ぱん太郎様……もっと、もっと、私のオマンコの奥でドピュドピュしていいから…………♥ 行人なんて関係なくなっちゃうぐらい、ドピュドピュしていいから…………♥ だから、お願い……私も、ぱん太郎様の赤ちゃん……絶対に孕ませて…………♥」

「モチロンだよ。すずちゃんが孕むまで、いや、孕んで産んだ後も……ボクはやめないからね♥ でも、行人クンを寂しがらせるのは悪いから、ギリギリまで黙ってようね……バレたら仕方ないけど♥ まあ、ボクとしては、行人クンが知らない所でこうしてすずちゃんとオマンコするのが気持ち好いから黙ってるってのもあるんだけど♥」

「もう……♥ でも、嬉しい……♥ いいよ、これからも……行人にはナイショで……ぱん太郎様とオマンコする♥ 行人にはナイショで、ぱん太郎様にいーっぱい気持ち好くして貰ってぇ……♥ 行人にはナイショで、ぱん太郎様にいーっぱいナカで出しして貰ってぇ…………♥」

 この時のすずの蕩けた笑顔と媚びに満ちた甘い声音には、行人に対する後ろめたさなど微塵も感じられなかった。一つに溶け合うほどの快感をもう数え切れないほど分かち合い、カラダ奥深く繋がった眼の前の男に従属しきった態度──とでも言えばいいのだろうか。

「──これからもぉ……行人といる時は……ぱん太郎様の赤ちゃんの種でおまんこイッパイのままで……いるよ…………♥!」

「すずちゃん……♥!」

「ぱん太郎様…………♥!」

 しばらくもせずにりりが上体を起こしてその様子を眺め始めたほど、互いの名を呼び合い情熱をぶつけ合うような激しい性交が繰り広げられた。りりは思わずごくりと唾を飲み込んで、同棲している少年がいる少女が別の男と肉慾と情慾にまみれきったセックスをしている場面を見続け──その末に同時絶頂しながら少年のではない子種を延々と注入されて嬉悦に悦び弾ける姿を目の当たりにしたのだった。

 その後は二人まとめてぱん太郎に愛され、すずもりりももはや言葉にならない声を上げながら性豪魔の好き放題にされ、彼女たちからも積極的に求め──三人とも理性を喪って性慾一色に染まり、枝葉の間から覗いていた青空が黄色く染まるまでセックスの歓喜に包まれていた。すずもりりも途中から衣服を全て退避させてぶっかけられ、からだじゅう白濁まみれになって昂奮して喘ぎ、オマンコの入り口から子宮の中まで注ぎたてのぱん太郎の精子が充満し大量に泳ぎ回る状態となり、そうしてやっと濃密な性行為の時間は終わったのだった。

 からだを拭いて服を着直している間、ぱん太郎はりりには特に何も言わなかったが、「じゃ、オマンコはなるべくそのまま……ね♥」と、すずの耳元で囁くと、青リボンの少女は交淫の潤みがまだ引かない顔に艶やかな微笑みを浮かべて眼を細め、コクンと頷き返し、羨望の眼差しを送るりりの前でぱん太郎の頬にキスをして囁き返した。

「今夜も……行人といたって……オマンコに残ったぱん太郎様の感触ばっかり……感じちゃうよ…………♥」

「ボクの精子で受精することも考えるんだよ♥」

「うん…………♥!」

「行人クンの前で……ね♥ ボクとのセックスを思い出して、ボクの注いだ赤ちゃんの素を感じて、行人クンと同じ部屋にいながら、行人クンのすぐ隣にいながら、すずちゃんのお腹の中にボクとの赤ちゃんがデキちゃう想像をするんだ♥」

「もう……♥」

 ──以降、りりも足繁くぱん太郎の屋敷を訪れるようになり、他の女同様に瞬く間に愛慾の深みへ嵌っていってぱん太郎の大魔羅と中出し種付けの虜となり、膣奥で放たれる子種を大事に抱えるようになり、りさ・りり・りんと大工一族の女で括られてまとめて抱かれるのも何度も経験し、股を拡げて彼の子宮直付け射精を嬉々として欲する女の一人となったのはまた別の話。

 

 

 祭り衣装の決定にもぱん太郎は関わっていた。りりを籠絡した初日から一夜明けての準備2日目に、衣装の責任者であるちかげが彼を洋館に招いて幾つか用意した浴衣や法被を見せたところ(※原作第20巻参照)、前回は行人の猛抗議で引っ込められた際どいものが即採用されたという事があった。そこには去年と同じくモデルとしてすずも手伝いに来ており、二人の美少女はサラシ無しの褌法被と下着無しのミニ丈浴衣の姿をぱん太郎の前で存分に披露したのだ。そのお披露目はすぐに淫猥なポーズの連続となってぱん太郎の目を喜ばせ、しばらくもしないうちに三人は祭り気分をひと足早く取り入れた着衣セックスに移ったのだ。すずは前日の花火小屋訪問に引き続いてであり、膣内には十分にぱん太郎の精液が残っていて、ぱん太郎に言われた通りに昨夜は行人と話しながら、実のところ膣内のぱん太郎の子種の重みや温かさを感じており、頭の中ではぱん太郎の子種で受精することを思い描いて、お腹の奥が何度も熱く疼いて本当にぱん太郎の子供がデキたような錯覚をして幸せな気分になった、などと報告しながら、抱き寄せられた時点で既にすずの息は昂奮で弾み、しっとりとした汗を肌に浮かばせていた。

 ちかげの部屋で三人が性慾全開で交わっていて、丁度ベッド上で後背位フィニッシュの同時オルガズムですずの膣奥まで突き入れての子宮口直付け射精で生殖幸福の絶頂をすずとぱん太郎双方とも気持ち好く味わっている最中、なんと階下から行人の声が聞こえてきた。祭りの出し物で必要な材料を貰いに来たようだったが、その時にはすずもちかげも祭り衣装を着たまま三発も四発もぱん太郎に種付け射精された状態であり、すずは行人の声が耳に入っている筈だというのに、現在進行系で子宮に浴びせかけられているぱん太郎の精子で受精しようという蕩けた顔つき腰つきのままという始末であった。ぱん太郎に種付けられながら生殖絶頂する気持ち好さに没入して戻りたくないという風情であった。もし行人に気付かれたらなどという怯えた様子は一切なく、ぱん太郎に屈服した姿勢で抜いてなどという考えも頭にないようで、ぱん太郎に膣内射精されている真っ最中である悦びにただただ蕩けていたのだ。

 ぱん太郎はその射精が終わるとすぐに立ち上がり、ミニ丈浴衣のすずと繋がったまま結合部からボトボトと溢れ落ちる白濁の道を作りながら駅弁姿勢で移動して階段に座り込んだ。すぐ下でぱな子と話している行人の声を聞きつつ、さらにすずを責め立てた。青リボンの少女は声を漏らさないよう口に手を当てながら耳まで真っ赤にして悶えていたが、やがてぱん太郎がラストスパートで激しく動き膣奥射精を始めると、とうとう、「んにゃあぁッッ♥♥!!!!」と甘やかに叫んでしまい、幸せそうな絶頂に達しビクビクとからだを痙攣させた。ただその時、行人はとっくに地階に降りていて、物置部屋でザラメが入った大袋を開きザラザラと音を立てて掬っては手から流し落とすのを繰り返していたため、(ん……なんだ……? 空耳かな……?)と、よく聞き取れず、あまり注意を向けることはなかったが。

 やがてザラメを一袋抱えて地上に戻って来た行人はそこで立ち止まり、さらに上へ続く階段の先に視線を送った。

(ちかげさんは……祭り衣装の担当だっけ? 今、二階にいるのかな……そういえば、去年はすずもいたっけ…………)

と、一年前の出来事を頭に過(よ)ぎらせた少年は、その時に見たすずのミニ丈浴衣姿を思い出した。

 確かに可愛かったが……あの時、ちかげが横から浴衣の短い裾をぺらりとめくると、行人の眼前にすずのアソコが丸見えになるというハプニングがあり、思わず大量の鼻血が噴き出てしまったものだ。線が出るのを嫌って下着を外していたらしいが、ちかげさんもとんだ悪ふざけをするものだ──そう回顧して微苦笑する行人。

 

 だが、まさか──まさにその可愛い格好をしたすずが手すりで遮られた視線の向こう側にいて、半脱ぎの乳も尻も丸出し状態でぱん太郎と繋がり合っているとは、いや、繋がっているだけでなく、ぱん太郎が浴衣のすずの膣内で射精していて、ぱん太郎の精子がすずの胎奥に──すずの子宮に滾々と送り込まれている真っ最中だとは────

 すぐ上でそんな有り様になっているなどと、さすがに少年は思いもしなかったのだ。

 

 彼が目にしてしまったすずの秘裂には、今、ぱん太郎の肉厚男根が深々と突き刺さっていて、はち切れそうなほど割り広がっていたのだ。行人の記憶にある裂け目を通って少女の媚肉に締め付けられながら奥まで届いた他の男の肉棒は、ドクドクドクドクと烈しく脈打って濃厚すぎる白濁液をこれでもかというほど吐き出し、少女の子宮の中に途方もない数の精子を送り込んでいた。すずはすずで生殖本能に瞳を潤ませながら腹部自体が勁(つよ)く鼓動しているようなその衝撃を全身で味わい、何センチも離れていないほどの近さで見つめ合っている男の子供を孕まされるという意識が性的快感と直結し、甘美な悦楽で頭がおかしくなりそうになっているまっ最中だったのだ。

 我慢しきれないアクメの連続に意識が真っ白になって声を上げそうになるのをすずは何とか堪えていた。行人の気配を微かに感じながらも、子宮に直当てされ続ける獰猛なほどの膣内射精の衝撃に、力が入らない両脚で必死にぱん太郎の胴体を挟み込み、半ば無意識に奥に浴びせられる子種を逃すまいとしていた。

 気を変えた行人がちかげに会おうとでもして数メートル上の踊り場まで登りさえすれば、脳裏に思い描いたままの姿のすずが……階段に腰を下ろしたぱん太郎と繋がっていて、情熱的に密着し合っている二人の下半身から大量の白濁が溢れ出て階段を流れ落ちているのが少年の目に飛び込んで来たのだ。

 

 まぎれもなく子作りに励んでいる以外の何ものでもない体勢で、嫌がっている素振りなどどこにもなく、ぱん太郎の子を孕みたいという女の本能にまみれた表情をしているすずが──。

 

 ──だが、行人は軽い吐息をついてザラメの袋を抱え直し、洋館を出て行ったのであった。

 また気付かれなかったねと三人は笑い合いながら部屋に戻り、すずとちかげがベッドに上がって四つん這いになって窓から顔を覗かせると、去ってゆく少年はまだすぐそこであった。ちかげの私室は玄関の真上だったのだ。

 後ろから交互にぱん太郎に突かれて喘ぎ声を出しながら、二人の少女はまったく振り返らない行人の背中を生温かい眼差しで見送り、その姿が道の向こうにまだ見えているうちに、すずもちかげもアクメを迎えながらぱん太郎の膣内射精を半分こし合ったのだった。

 今度はちかげがミニ丈浴衣に、すずが褌法被となって3Pセックスを再開し、二人の少女はあっという間に行人のことなど忘れたかのように再びぱん太郎の巨根をねだりまくり、子種注入をせがみまくり、受精願望の姿勢を取りまくり、悦びに満ちた淫声を張り上げて盛りまくった。

 行人が去った後も何発も中出しされて白濁まみれになった股をそれぞれぱん太郎の膝に乗せ舌をつき出して三つどもえのキスをしながら、行為後の気怠くも満り足りたペッティングとピロートーク中に、

「祭りでもこの格好で楽しもーよ♥」

と、ぱん太郎が上機嫌で切り出した。

「いいですの、祭りでしか使わないせっかくの衣装ですし……♥ でも、お祭り本番はたくさんの目が集まりますし、隠れて楽しむのはなかなか大変ですの……♥」

「行人もいるよぉ……♥」

「祭りは夜にやるし、周りは森だし、ダイジョーブでしょ♥」

「なるほど……そうですの…………」言われてみればといった風に広がったちかげの眼は、すぐに何か企んでいるように細められた。「会場外の森の中にでも……目立たないところに、当番用の休憩室という名目で小屋を作って……ぱん太郎様が気兼ねなく私たちを抱けるような内装を設えて……行人さんには内緒にするか、女性専用とでも言っといて……交代で行くようにすれば…………♥」

「うんうん、そうしよそうしよ♥ すずちゃんはさ、行人クンと店やるの?」

「そうだよ……。でも、行人はからあげの代理としてお祭りの見廻りもするみたい。店へは時々しか顔を出せないかもって。りんちゃんがまた応援に来てくれるんだ」

「あー、会場の見廻りね」と、ぱん太郎はすぐに理解したように頷いた。去年までは彼の仕事であった。今年は女たちと祭りの夜のセックスを存分に楽しみたいと思っていたので、肩代わりしてくれるなら好都合以外の何ものでもなかった。「なら、抜け出すのも簡単だね。ちかげちゃんの案を使えば、行人クンが店にいる時だって、休憩を理由にすれば堂々とボクのところに来れるし♥ せっかくのお祭りなんだから、行人クンを待たせた状態でボクとらぶらぶ子作りせっくすしよ♥」

「にゃぁ……そんなの……だめだよぉ…………♥」

 法被の中に手を突っ込まれて最近張り艶が増すばかりの豊かな美乳をやわやわ揉まれながらそう言うすずだったが、言葉とは裏腹に鼻と鼻が擦れる近さでぱん太郎と見つめ合う瞳はぬかるんだ情慾で潤み、その視線が剥がれることはなかった。

「フフ……そんでいつもみたいに、今みたいに……でも、特別な日に……注ぎたてのボクの子種でオマンコいっぱいにしてさ……まだキミのことを信じてる行人クンの傍に戻ってよ♥ 年に一度の記念の祭りの夜にさ、行人クンと一緒にいる時に受精しちゃったりしたら……たまらないよね♥」

「もう……ぱん太郎様ったら…………ホント悪趣味だよお……♥」

「ウフフ……♥ すずちゃんに限らず……あやねさんも……私を含めもうぱん太郎様と付き合ってるのが割れてる面々も……全員がそうなったら面白いですの……♥」ちかげも淫液でぬめる下腹部をさすりながら眼鏡の奥にある瞳を妖しく潤ませる。「妊娠中のりんちゃんもいますが、私を含め他はまだですし……昔はとっても仲が良かったおなじみの面々が……ぱん太郎様にタップリ種付けされた後で……去年のように行人さんとお祭りデートするのも、楽しいかも知れませんの♥ 去年みたく行人様を私たち十人近くで囲んで♥」

「だけど、私とあやね以外は……行人も知ってるんだよね? 一緒にお祭りデートしてくれるかな?」

「行人様は優しいですから、きっと断りはしませんの。すずちゃんとあやねさんを両隣に置けば、行人様も良い気分になってくれるでしょうし。でも……♥」と、また瞳を昏く光らせるちかげ。「本当は、その両隣のすずちゃんとあやねさんですら、ぱん太郎様と子作りしてきた直後で……♥ 十人近くいる私たち全員、一人残らず、ぱん太郎様の子供を孕んで産むことを決めてる女になってて……♥ 準備期間中に注がれた分も含めれば、排卵即妊娠決定みたいな状態で♥ そんな風にぱん太郎様のモノになってる私たちに取り囲まれる行人様……♥ 可哀相ですけど、想像しただけでドキドキしちゃいますの♥」

「ちかげちゃん、わかってるう♥」

と、嬉しそうな声を上げるぱん太郎であった。

 この後、すずは元の服装に戻っての帰り際にも、お別れの挨拶として普段着のままドクドクと子宮に注がれ、二日立て続けに愛されて甘い余韻が残りまくる下半身の心地に、帰宅したくなくなるほどの満足と充実感に包まれた様子であった。ぱん太郎と別れるのを名残惜しんでいたが、この日も妊娠確実と思う他ないほどの量のぱん太郎の精液を膣と子宮に貯め込んだのを良しとし、行人が待っているだろう家へ幸せそうな足取りで帰っていったのだ。

 そうして今夜も少年と寝食を共にしても、すずは行人のことなどもうほとんど考えず、代わりにぱん太郎とのセックスの思い返しと、ぱん太郎の精子で身籠る想像ばかりするだろうことは、容易に想像できた──。

 

 

 

 このような調子で──

 設営作業が行われている広場から行人があまり移動しないのを好都合とばかりに、準備期間中のすず、そしてあやねの二人は、ほぼ毎日のようにぱん太郎に抱かれる機会が生まれ、すずも、あやねも、一度も厭うことなくぱん太郎の言うがままに股を開き、祭りの準備だけでなくぱん太郎のとの甘い情交もたっぷりと楽しんだ。日を置かずぱん太郎に最奥種付けされ、絶頂と共に子作りを意識させられて腰から下は痺れ蕩け、すずとあやねはからだの奥底まで女の悦びに満ち満ちた。あやねは最初こそ一言二言愚痴にもならない文句を言ったりするのだが、それはもはや半ば無意識の癖のようなもので、何日目かのセックス中にぱん太郎にそのことを訊ねられると、

「えっ……ううん……嫌がってるわけじゃないから……♥ ぱん太郎様の好きなだけ……私のオマンコ使って……いいのよ♥ 私のオマンコの一番奥で……好きなだけ……ぱん太郎様の赤ちゃんの素を注いで……構わないわ…………♥」

「行人クンの前でも?」

「えっ……ええ……♥ さすがにまだ……直には見られたくはないけど……今までみたいに……気付かれないようになら…………ぱん太郎様の好きにして……いいわ……♥」

「それなら、行人クンの前でもボクと子作りしちゃう? あやねちゃんも、すぐそこにいる行人クンを眺めがらボクに種付けされちゃってもいーい?」

「ええ……♥ 行人様の前で……ぱん太郎様のこの逞しいオチンポを……子宮に直当てされながら……ぱん太郎様のとっても濃い精子の種付け射精……ドクドク注がれちゃって……♥ 行人様の前で……ぱん太郎様と私の赤ちゃん……デキちゃっても……いいわ……♥」

「行人クンの目の前で、行人クンの子供じゃなくて、ボクの子供を孕むかい?」

「ええ……♥ もう、今すぐでもいいから……ぱん太郎様の赤ちゃん孕むわ……今すぐ孕ませてぇ♥」

「のの、りょーかい♥」

「ああぁッ♥♥!! 素敵ッ♥♥! 最高よッ♥♥! もう行人様なんてどうでもいいのッ♥♥!! ぱん太郎様の赤ちゃんを孕ませて、孕ませてェッ♥♥!! オチンポいっぱい、いっぱいズポズポして、ぱん太郎様の子種をたっぷり膣内(なか)に出してェ♥♥!!!!」

「あやねちゃんももうボクの女だからね♥ ボクの赤ちゃん産む女♥」

「ええ♥ ええ♥ 私はもうぱん太郎様のモノ──ぱん太郎様の子供を産む女よお♥!」

 ──などというやり取りがあったものだ。初めての時から行人の前で中出しまで至るセックスを幾度もしてきたのだから今更な会話だったが、こうしてあやね自身に言葉を紡がせ、実際にはっきり訊くことに格別な愉悦を感じるぱん太郎であった。

 準備を進めつつ祭事本番を待ち望む心弾む気分と綯い交ぜ(ないまぜ)になった昂揚感さえ覚えながら、すずとあやねはぱん太郎と望み合った子作りセックスを繰り返して、行人のことなど気にする様子もなくぱん太郎の子種が膣と子宮に溜まり続ける一方なのを大いに楽しく悦び興じたのであった。

 そうして一週間のあいだに、娘たちも母親たちも全員が忙しく動き回っている中、その合間合間を縫うようにして、祭り会場の周囲や村のどこかしらで彼女たちはぱん太郎と愛し合った。年に一度の大きな祭りに向けて高まる気分が逢瀬を盛り上げるこの上ない味付けとなって、誰も彼もがいつもより昂ぶって喘ぎ悶えた。全員がぱん太郎とのセックスに深い充実感を憶えながら、大男の新鮮な子種で胎内を満杯にした状態で作業をしていたのだ。

 少年が最後の心の拠り所とする二人の少女の──すずとあやねですらそんな状態になって。

 ぱん太郎と祭りとセックス。

 他の女たちと同じように、すずとあやねの頭の中もこの3つだけで満杯になってしまい、明日もぱん太郎様と子作りセックスできるのかな、あの逞しいオチンポをハメて貰えるのかしら、デキちゃって構わないから何度でもあの種付け射精を味わいたい──などと想い、実際その通りになって、行人と一緒にいる時もその存在など隅の隅で今にも消え去りそうな視認難しい薄毛程度に小さくなって、ただただぱん太郎との愛慾と生殖に塗(まみ)れた本番までの七日間を過ごしたのだ────。

 村の女たちは一人残らず──すずとあやねでさえ、祭りの準備に忙しい中でも行人ではなくぱん太郎を恋い慕いながら常にオマンコを疼かせて、当の大男と逢えばその発情したメス壺を──奥の奥まで濃白の精液で塗り込められたぱん太郎専用のオマンコを捧げて、すずも、あやねも、少年ではなくぱん太郎の精子をその子宮に注がれて。

 村全体が盛り上がっていく中、女たちの気分も最高潮を迎えつつ、いよいよ海龍祭当日がやってきたのだ。

 

 

第24話に続く)

 

 

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最終更新:2023年08月14日 16:23