『狂っちゃって』  第2話

 

 

 

 結局、昨夜はすずの消耗が酷かったため、いいところでしぶしぶやめることとなった。ボクの性欲は中途半端に取り残され、悶々とした一夜を過ごす羽目になった。

 あれだけ出したのに、まだまだやり足りないらしい。まったくボクの性欲はどうなっちゃったんだか、とは脳裏にちらとかすめたが、それよりもこの狂いそうな収まりのつかない欲望をどうするかの方が当面の問題だった。

(すずはもう限界かも……)

 ボクはそう思った。考えてみれば、ここ近日に渡っていよいよ毎夜といっていいほどすずを求めている。また夜だけでなく、日中にもいたしてたりするのだから、よくよく振り返ってみれば随分とヤッているわけだ。それでも収まるどころかますます性欲も精力も増大していくのだから、すずの負担も相当なものだろう。すずはもっともっと抱きたいが、さりとて彼女を壊すわけにも……大変困った。

(やっぱりここは──“アレ”を──)

 ボクはこれだけは……と心の奥に押し込めていた“アレ”──恐るべき考えに、背徳と悪徳にまみれた気持ちで触れた。

 ボクがこの島に流れ着いた頃、オババが、「島の女全員に手を出しても構わない」と言ったことがある(よくよく考えてみればもの凄い発言だ……)。当時──まだほんの数ヶ月前のことだが──のボクにはそんな言葉に乗ってホイホイと女を選ぶ事自体が許されない行為だと思っていた……いや、今でも思っている。

 だけど……もう、他に抑えようがない。

(他の女性に手を出す──)

 そう考えただけで、

 ドクン──!

 と、心臓が歓喜に高鳴った。期待に熱くなり、血が煮えたぎってゆく感覚──高ぶった情欲がないまぜになった目眩するぐらいの激しい喜悦が全身を駆けめぐる。

 うら若き乙女の未知なる女体とその味を想像すると──興奮してますます寝付けなくなるのが普通なんだろうけど、ボクは何故だか逆に心が落ち着いていくのを感じた。

 ボクの体の中のナニかが脱出口を見つけ、パンパンに張っていた風船から抜けていくように……。

 とにかく、そうしてその夜はやっと夢の中に堕ちていくことができた。

 

 翌日、どろどろとしたものが澱むボクとは裏腹に青く澄み渡る空の下を歩き、ボクとすずは最寄りの山に入っていった。山菜採りである。

 二人で山中をうろつき、食料とするための山の幸を採り、背中の篭に入れていく。

 二人きりなのだが、すずの疲労が濃いようだったので、今回は襲うのを諦めた。ボクは体内を渦巻く欲情の炎を何とかなだめながら労働に没頭しようと努めていた。

 ふと顔を上げると、切り株に腰を下ろしているすずの姿が目に入った。全身から疲労のオーラが出ているようなぐったりとした感じだ。さすがに、そんな姿を見るとすまない気持ちになる。

「すず……」

「あ、ごめん!」

 ボクが目の前まで来たのに気づいたすずは慌てて顔を上げた。笑顔だったが、明らかに無理に作っている。

「ちょっと休んでただけ。まだまだ採らなきゃね!」

と、横の地面に置いていた篭をとろうとした。

「いいよ」

 ボクは彼女の肩にポンと手を置き、ばつが悪そうに微笑んだ。「疲れが取れなんだろう?」

「う、うん……」ためらいがちに言うすず。

「すずはもう家に帰って休んでて。あとは俺がするから」

「でも……」

「構わないさ。夕方ぐらいには戻るから、美味しいご飯作って待っててよ」

 ボクはそう言ってウィンクすると、さらに山の中へと入っていった。

 

 ボク達が入ったのは村のすぐそばにある山だった。道っぽい道や目印もあり、ちょっと地理を覚えれば方角もすぐに分かって迷う事も少ない。ボクは安心して仕事を続けた。一人ならば悶々とすることも減るだろう。

 そうして昼頃まで山菜採りをしていた。

 篭の中は色とりどりの山菜がだいぶたまってきていた。全てすず達に教えて貰った植物だが、中には見るからに怪しげな形状や極彩色の食べられるのか?といった不安を覚える色合いのモノもある。島に来てからアッチ関係が逞しくなってきたのだから、これらも原因じゃないのかと疑って然るべきだが……この山菜がまた美味しく、ついつい箸が動いてしまうのだ。

 ボクはすずの用意してくれたおにぎりで昼ご飯にするべく、山の中にある泉の方へと足を向けた。山奥から降りてくる小川の終着地(でもさらに地下水となって先に流れているらしい)で、小さいながら滝壺となっており、新鮮な清水が飲める場所だった。ついでに汗も流すかな──などと考えながら木々の間を抜けていく。

 水が流れ落ちる音が聞こえてきて、もうすぐで泉だ──というところで、その泉の方から、

「フンフンフーン♪」

と、落水の音と共に鼻歌のような声が聞こえてきた。

 村人は大抵この辺で山菜や薪をとるので、人と会うのは珍しくない。

(先客かな……)

と思いながら、泉そばの茂みをかきわけた。

 視界が広がり──そこでは──

 陽光の満ちあふれた、だけど清冽な水の冷たさが肌に感じられる世界──で、裸の女の子が水浴びをしていた。

 背中までのびた艶やかな黒髪に、やや幼さを感じさせるつるぺたな肢体──秘所の毛はまだうっすらとしか生えていない──

 それは見覚えのある少女のからだだった──

 あやねであった。

「あ」

「ぶっ!」

 ボクはいつもの習性で、思わず後ずさる。

 髪を下ろした素っ裸のあやねがいた。泉は彼女の太股ほどぐらいの深さしかなく、空の真ん中から降り注ぐ日の光に、胸からアソコまで全てが惜しみなく晒されていた。

「行人様じゃないー!」

 歓喜の声と水しぶきを上げながら、あやねは猛烈な勢いでこちらに突進してきた。

 全裸の少女が嬉しそうに自分に向かって駆け寄ってくる光景は、ボクをその場に縛り付けるのに充分すぎるものだった。

 ブハッ!──と、鼻血が花火のように中空に咲いた。

(あれだけすずとヤッてるのに、なんでこうボクは血の気が多いんだあー!?)

 体に何かがぶつかる衝撃が走り──言うまでもなくあやねなのだが──柔らかい少女のからだ、薄いとはいえ胸に当たる彼女の乳房の感触──ボクは一瞬惑乱して何がなんだかわからなくなった。情けない……

「行人様、あやねに会いに来てくれたのね!? あやね嬉しい!」

「い、いや──」

 偶然と言いかけて、ふと言いよどんだ。

 ぞっとした怖気が背筋を走ったからだ。

 ボクは気づいた。

 意識の中で──あの考えが鎌首をもたげ──ボクを見つめていることに──

 カッと熱くなる体。わずかだったが昂奮による震えが湧き出てきた。

「……?」反応の無くなったボクに、水を滴らせたあやねが不思議そうに首を傾げる。「どうしたの行人様?」

 あやねはボクの首を両腕で掻き抱き、顔を近づけてきた。澄んだ水で清められた身体からは瑞々しい芳香が漂ってくる。あやねと目を合わせる。あやねの瞳は悪戯っぽい好奇心にキラキラと輝き、ボクをまっすぐ見つめていた。

 ボクはグラリとなった。

「あやね……」

 ボクの方からも彼女の肩に腕を回し、抱き合う形になる。

「行人……様……?」

 あやねは初めてまともに構ってもらえた歓びの表情を浮かべたが、いつものボクと違う態度に、一抹の不安も覚えたようだった。

 ボクはあやねの瞳から視線を逸らさず、

「あやね……ボクが……好きかい……?」

と尋ねた。

「え──ええ!?」

 あやねの顔がみるみるうちにカーッと赤くなっていく。「そ、そ、そそ、それは……!」

 突然の展開にあやねは思わず身を引こうとしたが、ボクはあやねのからだにしっかりと腕を回して逃がさないようにする。その間も視線を離さず、じっと彼女の瞳を見つめる。

「あ、あああ、あの……その……あ……あの……そ……そ、その……」

 あやねはしどろもどろになり、言葉を紡げない。

 ボクは近くの木の幹にあやねを誘導し、ボクと木の間にあやねを挟むようにして立った。

「知りたいんだ、あやねがボクのことを好きなのか」

「そ、そ、そそ、そりは……あの、え、ええと、ええと……もちろん……」

 さっきまで彼女の瞳の中に宿っていた悪戯な輝きはもうない。口が金魚のようにパクパクと閉じ開き、まるで水を求めて喘ぐ陸の魚といった感じであった。

「もちろん……どうなんだい……?」

 ボクはあやねの腹部を優しげな手つきでさわっとひと撫でした。

「ひゃっ!」あやねのからだがビクリと跳ねた。

「ボクは……あやねのこと好きだよ……」

「……!!」

 あやねの中で変化が生まれたようだった。その瞳に潤みが現れ、

「ホ、ホント……!?」と、いつもにはない真摯さを含んだ問いかけ。

「ああ、もちろんさ」

と、ボクはさらにあやねの脇の下から脇腹あたりにかけてそっと撫でた。

「ン……!」

 恥ずかしさからか、あやねのからだがほんのりと桃色に染まってきた。

「あ、あ、あの……その……本当に……本当に私のこと好き……?」

「うん……好きだ……」

「……す、す、すずは……すずは?」

「え?」

「すずのことはいいの?」

 その時ボクは、あやねも一人の女なんだな、と感じた。まだまだ子供っぽいとはいえ、一緒に暮らしている他の女性の存在が気になるのだ。

 ボクはあやねを安心させるように優しく微笑み、

「すずはいい子だし一緒に住まわしてもらってすごく感謝してる。好意は持ってるよ。だけど──」言いながら、段々とあやねに顔を寄せていく。「あやねの方がずっと好きだよ──」と、あやねの唇を奪った。

 嘘。欲望にまみれた汚い嘘。もうボクは──“アレ”が──ボクに悪魔の力を与えたんだ。

「……!」

 あやねは拒まず、目を閉じてボクを迎えた。

 柔らかく甘美な少女の味──舌を入れると、とまどったようにおずおずと向こうからも絡めてきた。おそらくファーストキスなのだろう──緊張しているのが手に取るように分かるぎこちなさ。いつものあやねと全く違ういじらいさに、ボクは愛おしさを感じた。

 しばしあやねとのキスを堪能すると、そっと唇を離した。

「──あ……」

 あやねは目を開け、うっとりと潤んだ表情でボクを見つめた。

「行人様ぁ……あっ……!?」

 小さな悲鳴。ボクの手があやねの胸に触れたのだ。

 今度こそ拒絶されるかな、と思った。だけどなし崩し的にやれば拒むタイミングも掴みにくいだろう。

「……」

 あやねは羞恥に真っ赤になり、からだが小刻みに震えたが、逃げ出すことはしなかった。ボクの手がこじんまりとした双丘を愛撫しても、眉間をキュッと閉じ、じっとこらえていた。そんなあやねの様子にボクの情欲は否が上にも増していった。

 あやねの胸はまったくボリュームがなかったが、それでもすず以外の女体を触るのはこれが初めてであり、妙に昂奮しながら愛撫を続けた。

「あ……あ……あぁ……はあ……!」

 小さな可愛い乳首を掴み、絞り上げる。「いたあっ」それから乳房のなだらかな丘陵を優しく撫でさすりながら口をつけ、舌でころころと転がすように乳首を舐め回す。

「あひ……!」

 あやねの肢体が伸び上がり、ブルブルと震えた。見ると、宙に視線を泳がせながら、恍惚とした表情を浮かべていた。

 そんな調子でたっぷりと胸を中心に嬲ってから、

「コッチはどうかな」

と、胸を責めから解放し、しゃがみ込んであやねの秘所を覗いた。

 まったく未開発の初々しい秘貝だった。割れ目はほとんど開いておらず、淡いサーモンピンクの媚肉がわずかに覗くだけのクレバス。陰毛は産毛のようで、大事なトコロを隠す役には立ってなかった。あやねは十六歳ということだが、ココもやはり未発育なのだろうか。

(まあ、ボクが発育させてあげるよ)

 上半身の責めで息を上気させていたあやねは、呼吸も整えられぬまま、

「そ、そこは……」

と、恥ずかしそうに股を閉じようとした。

「あ、閉じちゃだめ」

 ボクは素早くあやねの両太股を掴んだ。

「で、でも、だって……」あやねは羞恥に足をモジモジとさせた。「そこは……汚いし……恥ずかしい……」

「汚くなんてないさ」

 そう言うと、ボクはあやねの秘所に口を付け、クレバスの中に舌の肉が割り込むぐらいの圧力でひと舐めした。甘い──甘く淡泊な、調理前の生の素材のような処女の味──

「ふふ……あやねのココ、とっても美味しいよ……」

「あ……あぁ……」

 あやねは断続的な喘ぎ声をあげ、木の幹に背をもたれかけた。もうほとんど足に力が入らないようだった。

 そんな様子を楽しみ眺めつつ、ボクはあやねのアソコを舐めはじめた。たっぷりと唾液をまとわせた舌をクレバスに差し込み、陰核や肉襞をさんざんに舐め嬲り責める。そんなに深くまで入れられなかったが、愛液が膣(なか)を濡らしているのがわかった。それでもさらにほぐすようにアソコへの責めを続ける。

 

 ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ──

 

「ひあ──あっ──あっ──ああっ──あひ──! ん、んあ、んんう──!!」

 あやねは次第に嬌声を上げるようになった。不安と快楽と羞恥がないまぜになったその声は、すずの他に交わりを持つ背徳感をもってボクの耳に届く。足はますます踏ん張りがきかなくなっているようで、太股を掴んでいるボクが支えているようなものだった。

 

 ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ──

 

「ああ──なにこれ──あうぅん! 行人様あぁ……いや──んんっ!──んあぅ……ああ、ああぅ……だめ……だめぇ……気持ちいい──んふぅ……気持ちいいよぅ……」

 あやねのからだからは緊張の糸が段々とほぐれていき、ボクの舌技に身を委ねるようになっていく。その表情は陶酔にふけり、寄せては返しまた寄せる快感の波間に翻弄され、沈みゆく様子がよくわかった。

 

 ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ、ピチャッ──

 

「くう──うぅ──ああっ──やっ──やあ──な……なにか来るうぅッ──あひぃぃ──だ、だめ……あ──あぁ──んあぁっ──はああぁぁんッッッ!!!!」

 あやねのからだがピンと張りつめ、ガクガクと震えた。舌を入れていた肉腔がすぼまり、きつく締め付けてくる。

 イッた──

 絶頂が去ると、あやねのからだから力がクタッと抜けた。

「はぁ……はぁ……」

 あやねは視線を宙に彷徨わせ、エクスタシーの残留を味わっているようだった。

 ボクはそんなあやねを抱き支えながら、上気した彼女のからだに後戯の愛撫をしつつ、回復するのを待った。

「はぁ……はぁ……行人様……」

 あやねの瞳に自我が戻り、こちらを向いた。

 悦びと暖かい光が宿った眼差し──

 ボクはちょっと気後れしたが、何とか見つめ返した。

「気持ち良かった?」

「うん……はじめはこわかったけど……すごく……」

と、あやねは頬を赤く染めて言った。

 ボクは微笑みながら服を脱いだ。流れ着いた時の衣服はさすがにくたびれ出したので、最近ではもうすっかり村で作られた着物姿だった。男物の服は各家で使い道がなくて余っているぐらいだったので、着るもので困ることはない。

「……!」

 全て脱ぎ終えたボクの裸を見たあやねが恥ずかしそうに目を逸らした。

「あれ、どうしたの? ボクの体なにかヘンかな?」

「あ、その……違うの……裸で向き合ってるから……なんか恥ずかしくて……」

「ふふ、おかしなあやねだなあ。いつもよくボクがお風呂に入ってるところに来るくせに……」

「な、なんか……お風呂の時みたいな感じじゃ……」

「違うかい?……例えば」

 ボクは自分の下半身を指さした。「これとか?」

 あやねは驚きに息をつめてボクのモノを見た。肉棹と化したペニスは、隆々と天を衝くばかりにそびえ立っていた。

「なんか、前に見た時より大きく……なってる……すごい……」

「これをあやねの中に入れるんだ」

「ええっ!? そ、そんなの入らないよ。どこに入れるの?」

「もちろん、ココさ」

 ボクはあやねの秘唇に指を触れた。クチュッと湿った音がする。

「あんっ──え……? こ、ここに……?」

「そうさ。ココを弄くると気持ちいいだろう? ボクのコレを入れればもっと気持ち良くなるのさ」

 ボクは、「さあ……」とあやねのからだを回し、木の幹を抱かせて後背位の姿勢を取らせた。

「もっとお尻を高く突き出すんだ……そう……」

「こ、こわいよ……行人様ぁ……」

 肩越しに振り返ったあやねは不安そうな涙目であった。「そんなおっきいの、入らないよう……」性に未成熟な少女は、恐怖が先に立つようだった。

「あやね……」

 ボクはためらい、どうしようか考えた。ここで無理矢理やってもあやねは受け入れる気がする。無意識にボクは、奥底に眠る“アレ”にうかがいを立てていた──ボクの性欲は満足気味だった。あやねの新鮮な反応を満喫したのだろう。この分ならば今無理にあやねの花を散らさなくても、後で続きがたっぷりとできるじゃないか──

「じゃあさ、こっち来て」

と、ボクはあやねの手を引っ張り、泉へと招いた。水に足を入れると鳥肌がたつほど冷たかったが、気にせずに縁へ上着を敷いて、足を水に浸けたまま座る。そしてあやねを股の間に立たせると、

「コレをしゃぶってよ」

と、肉棹を示した。

「え……」息をのむあやね。

「コレをしゃぶって貰うと、ボクはとっても気持ちいいんだ。今度はボクを気持ちよくさせてよ」

「行人様……」

 あやねはコクンと頷くと、こわごわと冷たい水の中にしゃがみ、ボクのモノを目と鼻の先にした。

 ゴクッと喉を鳴らし、

「私……行人様を気持ちよくしてあげる……」

と、視界を邪魔する黒髪をかきわけながら顔を降ろしてゆき、上から覆い被さるように(勃起力が凄まじくて直立なのだ)して、

「んむっ……」亀頭を口の中に含んでいった。

 柔らかい粘膜と舌触りが肉棹の先端を支配した。

「おおぅ……あやねの口の中、小さくて暖かくて凄く気持ちいいよ……そう……そのまま飴のように舐めて……」

「ひょっとにひゃい……」

「ふふ……飴みたいに甘くはないね……でも、すぐに好きな味になるよ……」

 あやねの舌が亀頭の皮やえらを舐めるたびに、快感の刺激が全身に行き渡り、たまらない悦楽を生む。

「唾を塗りたくるように舐めて──もっと下の方も──そう……おお──」

 ボクが快感に吐息を漏らすと、あやねが上目遣いにボクの顔を見、嬉しそうに笑った。

「あやね、凄く上手だよ。もっと気持ちよくして……」

と頼むと、あやねはコックリと頷き、より熱心に肉棹を舐めはじめた。

 

 ムチュッ、ムチュッ、ペチャ、ムチュッ、ムチュッ、ペチャ、ムチュッ──

 

 決して巧い動きではなかったが、すずよりも積極的なフェラチオだった。すぐに吸ったりしゃぶったりする一連の動作を覚え、ボクのモノにたまらない刺激を与えるようになった。ボクはいつしか腰を浮かせ、軽くピストン運動をして自らあやねの口腔を深くまで犯していた。

 あやねは目をキュッと瞑ってボクの仕打ちに耐えながら、それでも健気に肉棹をしゃぶり返してくる。

「んむ……んちゅ……んん……んむ……」

「おおっ……!」

 

 ムチュッ、ペチャ、ペチャ、ペチャ、ムチュッ、ムチュッ、ムチュッ──

 

 今日はまだ一度もザーメンを吐き出していないペニスは、あやねの拙いフェラでも早々に射精感を高まらせていった。

「うう……もう……だめだ……!」

「?」

「あやね……口から出して……!」

「え?」

 あやねが口から肉棹を離した。ボクは片方の手であやねの頭を掴み、もう片手で棹を激しくしごきながら、

「口は開けといて──出るっ!!」

と、あやねの顔めがけて爆発させた。

 

 ビュルルッビュルルルッビュルルルッッッビュルビュビュルゥッッッ──!!!!!!

 

 もの凄い量のザーメンがシャワーのように飛び出す。

「!?!?!?」

 吃驚したあやねの口の中、頬、額、鼻、前髪……顔のありとあらゆるところに白いパックが塗りたくられた。少女は目に入らないよう目蓋を閉じるのが精一杯だった。

「あ……あ……」

 ボクは気を失いそうな射精感にうっとりとし、しばし放心した。

「うぅえぇ~……なにこれぇ、苦いよぅ……それにくさい……」

 段々と意識がはっきりし、あやねを見やると、少女はザーメンの味と匂いに顔を歪ませていた。

「ああ……それは精液さ」

「セイエキ?」

 あやねは不思議そうにボクを見上げた。

「精液は子供の種だよ。これが女の人のココに」と、あやねのアソコに触れる。

「入ると、女の人に子供が宿るんだ」

「え……? これが子供になるの? え……!? 私少し飲んじゃったけど、子供が出来るの?」

「いや、飲んでも妊娠はしないよ」

 あやねは顔から垂れ落ちるザーメンを両手でお椀を作って受け、まじまじと見つめた。

「ニンシン!?!?」

「ハハ……今はよくわからなくても、いつかわかるようになるよ。まあ、子供はまだ作りたくないけどね……またゆっくりと教えてあげるから……」

「うん……あ」生返事をした後で言葉の意味を理解したらしく、あやねは少し顔を赤らめて頷いた。

「……う、うん……お願い……待ってるから……」

 それからボクはあやねとお昼のおにぎりを半分こにして食べ、別れた。名残惜しそうに帰っていくあやねの表情からは、今まで感じたことのなかった女の艶が浮かんでいたような気がした。

 近いうちにあやねの処女をいただこう。ムード作ってあげないといけないかな。あのぺたんこな肢体も、すずと同じようにいずれボクのモノを求めるいやらしいからだにしてあげよう……。

 山を下りるボクの心は充足感で一杯だった。あやねもボクの肉奴隷とする……すずとあやね。すずが疲れればあやねを抱き、あやねがへたれたらすずを抱けば、欲求不満も覚えなくなるだろう。いずれ二人一緒に犯すのも面白い。

 藍蘭島はボクにとってのパラダイスになりつつあった。

 

(終)

 
最終更新:2020年02月23日 17:29