ながされて藍蘭島エロパロSS

 

『寝取られて』 第14話

 

 

 

 

 

 

 

  1

 

 

 あやねが食材集めのおつかいがてら村を散策していた時である。

 丘沿いの道を通りがかっていると、森の奥に続いている小径からすずがひょっこりと出てきた。上の空な感じで、歩き方もどことなくおかしく、相手に気付いたのもあやねが先だった。

「あら、すずじゃない、どうしたの」

 声をかけられた少女も頭を上げ、慌てたように髪や服を整え、「あ──あやね! な、なに?」と微笑みを作った。顔はわずかに上気し、目が潤んだように煌めいている。

 あやねは友人の様子を不思議そうに眺めた。この子が髪とか気にするなんてねえ。そういえば雰囲気もどこか変わったような気もするような、しないような。

 そうジロジロと観察され、

「な、なにかついてる?」

と、すずは頬を染めて視線を逸らし、もじもじと内股を擦った。それに合わせてひだが並んだ短い白スカートがひらひらと揺れ動く。

「どうしたのよ、なんかおかしくない?」

「え、私!? ううん」否定するように首を振るすず。長いポニーテールが右へ左へと揺れる。「み、道の悪い森の中を歩いてきたからちょっと疲れたのかも」

「ふうん……」

 あやねの双眸が鋭く細まり、さらにすずを睨(ね)め回す。

「アンタ……よくよく見れば……前と比べて変わったわよねえ」

「えっ!? あっ――」

 突如言葉が途切れてすずの唇が開き、腰がわずかに跳ねる。身震いをブルッと。頬の赤みがやや増した気がする。──少し空けて、再び動いた。「……ど……どこが?」

「……フン」
と、なぜかあやねはプイと明後日の方を向いてしまった。

 三つも年下の少女の美貌や肌の潤い具合が、明らかに自分よりも輝いている――などとは口が裂けても言えなかったからである。胸や腰の充実ぶりも以前とは違う感じがする。前々から非の打ち所のない体型をしていたとはいえ、注意深く見てみればさらに磨きを増した印象があった。

 あやねも自身の美貌には自負を抱いていたが、胸の大きさは気にしていたし、すずの完璧なスタイルに嫉妬がないと言えば嘘になった。だからこそ、恵まれすぎた自分に無頓着な眼前の少女に、わざわざ褒めそやすような言葉をかけるのも癪なのだった。恋敵ならば尚更だ。

(行人様が来てからもう一年以上ね……逆に、行人様が来る一年以上前は、この子の胸も私と大差なかったのに……成長ってホント恐ろしいわね……)

 その時、すずが突然またビクンとからだを強く震わせたかと思うと、「あ、あ」と奇妙な声を出し、力が抜けたようにその場にへたり込んでしまった。

「ちょっ!? さ、さっきからどうしたのよ」驚くあやね。「お腹でも痛いの?」

「う、ううん、だ、だいじょ――うにゃっ! うにゃぁぁん……!」

 下腹部を押さえながら躰を小刻みに震わせていたすずは、またブルブルとわななき、惚けたような表情をして、ついには寝転がってしまった。ビクン、ビクンと尻が小波を打つ。

「ちょ、ちょっとお!?」

 あやねは介抱しようとすずの上体を抱き上げたが、原因が体内では患部をさするぐらいしか思いつきようがなく、そこは既にすずが両手で覆っていた。

「腹痛を和らげるツボでも覚えとくんだったわ……ん……なに──?」

 微かに音がする。聞いたことのない音だった。ヴーッと低く唸っているような。だけど軽い。

(……羽虫?)

 どこから聴こえてくるのだろうと、あやねは首を伸ばしてキョロキョロと見回したが、草木が雑然と生える森の道はたまに風が吹き抜けるだけで、音を立てて飛び回っている虫など見当たらなかった。

「待ってなさい、その辺で腹痛に効く草を探してくるから」

 そう言って一旦離れようとしたあやねの腕をすずが掴んだ。

「だ、大丈夫……ホントに……大丈夫だから……」

「……すず……?」

 微笑みかけるその顔には汗が浮き、堪えるように細まった目には涙が溜まっていた。その様子は確かに、きつい痛みを耐えているというより、どこか弛緩しているような気もした。だが今は小康状態でまだ我慢できても、後々取り返しがつかなくなる恐れだってある。オババもなるべく早く連れて来た方がいいかもしれない。

 その場にいるよう言い置くと、本草の知識があるあやねは周辺を探し回り、薬効のある草と擂り潰すための石を取って掴んで戻って来た。

 だが、青リボンの少女の姿は消えていた。

「すずーっ!?」

 今度はすずを捜して周囲を歩いたが、もうこの場所からは離れてしまったようであった。

「まったくあの子ったら……どこにいったのよ……!?」

 それとも本人が言った通り、大したことはなかったのだろうか。だがそれにしたって黙って居なくなるのはどうかしていた。

 

 

 

 

  × × × × × × × × × × × × × × ×

 

 

 

 

 捜す声が届いている。

「呼んでるよ」

 身がみちっと詰まったとれたての桃のような艷めく尻を撫で回しながら、男はそう言った。偉丈夫である。もう片方の手には男性器を象ったけばけばしい色の淫具が握られており、それはねとついた透明な液にまみれていた。男の親指が動くたびにカチッと音がし、

 

 ヴィーン……

 

と、低く唸りながらよく注視しなければわからないほど微細な振動をし、また指が動いてカチッというと、それは鳴り止んで静かになった。

 樹幹に手を突いた少女は頭(かぶり)を振り、媚熱で蒸せた眼で男を見返った。生唾が湧く艶視であった。脚を拡げて自ら誘うように腰を突き出し、揺らめかせる。

 めいっぱい捲(まく)られた白いスカートと、足首まで脱げ落ちた紐で結ぶタイプのパンティー。

 桶をひっくり返したように放出される男の体液でぐしょぐしょに濡れるのを避けるべく、以前は衣服を全て脱いで遠ざけていたのだが、最近では気にしなくなっていた。

 両脚の付け根で縦に割れた女の窪み──そこから溢れ出る愛液がポタポタと零れ、少女の内股まで濡らしている。腰帯はそのままだったが、藍色の服の襟が大きくはだけられて乳首がツンと勃った円やかな双乳が剥き出しにされ、食べごろになった果実のように豊かに垂れ落ちていた。

 少女は淫靡な微笑みを浮かべながら股下から腕を通すと、ねだるように腰を小さく揺らして秘裂を指でぱっくりと拡げ、目を寄せれば奥まで覗けそうなほど開いた濡れ穴を男に見せつける。そこから放たれる甘ったるい芳香(におい)は男の鼻腔まで漂って来た。淫具に付いているのと同じ匂い。瑞々しい若さと熟しつつある淫蕩さが入り混じった爛れた匂い。この香気に誘われるままに、本能の赴くままに、これまで何度この穴を貪っただろうか──と、男はその“軌跡”を脳裏に描いて満悦げに笑んだ。それだけで色とりどりの場面が思い浮かび、股間の一物がバキバキに硬化して絶頂に至りそうだ。

「見つかるかもしれないよ」

 もう見つかってもいい、我慢できないの、と、少女は哀訴するように答えた。ぱん太郎様お願い、挿れて、私のおまんこにあなたの太いおちんぽを挿れて──と、言葉に熱い吐息を絡めながら懇願する少女。

 その姿は、別にもう一人いる男と暮らしているとは到底思えないものであった。

 そう──この青リボンの少女は、その男と寝起きを共にしていた。男と言ってもまだ少女と変わらぬ齢の少年である。ここにいる男では、当然、ない。男が来村する以前はその少年だけが島にたった一人しかいない人間の異性であり、そんな彼と終日(ひねもす)一緒にいる少女はその仲の良さを他の娘たちに妬かれたこともあった。当人たちにはまだ自覚がないようだったが、仄かに想い合っていた節もあった。

 そんな時期にこの大男が現れ、少女を奪い取ったのである。

 たまたま少年が傍らにいない夜、二人は出遭ってしまった。

 女にまったく手を付けない少年に代わって村に種を撒くことが男に託された仕事であり、娘たちはなるべくそれを受け入れて子宝を授かるよう言い付けられた夜。

 男性というものをまったく知らずに育った世代である少女は、村のためと言いくるめられると戸惑いを覚えながらもその意味も分からぬままに拍子抜けするほど簡単に男に身を任せてしまった。

 少年との暮らしが何よりも楽しく、かけがえのないものに感じ始めていた少女は、自分の身に何が降り掛かったのか理解できなかった。理解できぬままにこの男に服を脱がされ、その美しいからだの隅々までこの男の指や舌を這わせられ、弄ばれ、薬を嗅がされて強制的に性的昂奮を喚起させられると、とうとう──この男の逞しい男根によってその処女を散らされたのだ。

 

 少年ではない別の男と裸になった躰を密着させ、性器を結合させ。

 奥深くまで繋がりながら、少年のものではない子種をその子宮に注がれたのだ。
とびきり熱くて濃い精液を。

 

 この男と寝ることは何も強制ではなく、するかしないか選ぶ余地はあった。だが、騙されたり、不思議な薬の効果があったりしたとはいえ、少女は途中から痛みを忘れて男の腕の中で喘ぎ出し、体奥で起こる力強い射精に心地好さを覚えてしまい、そのうち自分からも動き、数時間のうちに絶頂にまで達してしまったのであった。

 人生で初めての生殖に目覚めた子宮は、健康すぎるほどに育った故にその機能を十全に発揮し、ただでさえ溢れ返る男の精子を滾々と飲み込んでいった。二人は知る由もないが、その時、男の精子群は子宮の奥の奥まで到達し、少女の卵子に襲いかかっていた。少年を無関係なままおきざりにして、少女と男は卵子と精子の結合すら果たしていたのだ。着床さえしていればこの初性交で孕んでいただろう。

 これまで全くと言っていいほど接点がなかった二人。それが初めてまともに言葉を交わしてからたったの数時間で、比べられないほどの絆を育んできた少年など最初から居ないもののように、男女の関係が至るところまで至ってしまったのである。

 少年が家で帰りを待ちわびている夜更け──少女は肉慾に火をつけられたうら若いからだが命ずるままに男を迎え、理性の決壊から注入されるように子作りのための性交を教え込まれ、精子が詰まりに詰まった大量の白濁粘液を何度も何度も膣内に撒き散らされながら、一時的といえども少年のことを完全に忘れて頭は今まで感じたことのない未知の感覚でいっぱいになり、全身に響き渡る射精の脈動、そしてその溶けそうなほどの熱さに恍惚となり、その末に男と遺伝子まで融け合わせてしまっていた。

 慕わしい少年とではなく、突然降って湧いたように現れた男に征服された受精卵が誕(う)み出されていた。

 そんなものが創られるなどとは想像も及ばなかったとはいえ、少女は厭がりもせず、それどころか肉悦という淫らな喜びに満ちた表情をして大男の射精を受け止め続けた。

 もともと無いに等しかった警戒心は跡形もなくなり、何もかも人生で初めての体験に身も心も奪われて、男とのセックスについには頭の芯まで痺れきった少女は、性器同士を癒着したように繋げ合い、最高の状態で男の子種を受け取った。

 何度も、何度も。

 それは事実だった。

 爾来、少女は男に蚕食される日々が──濃密な種付けの日々が始まった。

 遭う度にとろとろになるまで秘肉をときほぐされ、その気持ち好さの中で最奥まで突き入れられた肉棒が限界を迎えて脈動する心地好さを少女は味わってしまった。男も男で阻むものもなく並々ならぬ名器具合にとことん酔い痴れながら、射精の脈動が終わるまで──いや、終わっても抜くことなく二度、三度、四度と…………。

 この少女が例の少年と生活していることも、相思の間柄に発展中だったことも彼は承知していた。だが構うことなく、いやむしろだからこそ、少女の魅力溢れる肢体を心ゆくまで堪能し、少年を憐れみ、勝ち誇りながら、オルガズムを覚え出した少女の膣にびゅるびゅる、びゅるびゅると、大量かつ濃厚な子種を注ぎ続けたのだ。

 それが認められている以上、躊躇いなどなかった。娘たちの中で最も少年に近しく且つ、からだの美味しさも一二を争うこの少女を自分のモノにして孕ませたいと、膣外に出す選択肢などなかった。

  少年だけが何も気付かないまま、男と少女の間で秘かに繰り返されてゆく──塗り重ねられていく──ねっとりとした中出し子作りセックス。

 性交を始める前は本当にこれでいいのだろかと顔を曇らせている少女も、刻が過ぎると気持好さに泣き腫らしながら奥までしっかりと男の肉棒を咥え込み、最後には決まって下半身が一つに溶け合うような子作りセックスになっていた。肉の交わりの気持ち好さを味わいながら男の種付け射精を受け止めていた。巨根をすんなり迎え入れさせるために男の前戯が念入りだったからという理由もあった。

 少女の膣は男の肉棒の鞘となり、子宮は男の分身の貯蔵庫となり、夥しい数の精子が卵管の終着点まで辿り着き、結ばれる相手を探さぬ日はなかった。少年と過ごしている時間も少女の膣内や子宮では男の精子が定住したように群れ泳ぎ、からだの芯には男との熱い交わりの余韻が残っていたのである。

 肌を重ねる度に、息を合わせながら一緒に逝く度に、二人の相性は擦り寄っていった。少女は対となる性の何たるかを肉体から覚え込まされていった。

 男は少女に肉慾の快楽という埋め合わせを与えることを忘れなかった。

 日を経るにつれて少女の憂い顔は徐々に消え、悦感に蕩ける時間が多くなっていった。

 

 

 ──数ヶ月が過ぎた頃。

 

 少女は……………………………………………………男の女となっていた。

 

 

 精力横溢な男が今までに少女の中で放った回数は、もはや百や二百を下らない。少女もまた、その回数だけ自分の胎奥で行われた子作り射精の心地を味わったことになる。常人とは比べ物にならない、一度味わえば二度と忘れられなくなる力強い射精。その決して衰えぬ豪放な射精が波状のように何度も繰り返される。からだが──特に腰から下が男と溶け合うような感覚。何もかも忘れて男と一つになっていたくなる情動。周りが次々と懐妊する中、実は少女も排卵するたびに生命力溢れる男の精子にすぐに卵子を捕えられて結合していたのだが、彼女にはまだ兆しが来ていなかった。まるで見えない力が最後の砦を死守しているかのようでもあった。だが、妊娠しなければしないで男は飽くことなく少女の美肉を求め続け、途切れることのない関係に、少女は経験尽きることなく淫らさを深めてゆくばかりであった。

 そうした中、少女は相も変わらずに少年と暮らしている。

 男はニンマリと笑うと手に持っていた物を懐にしまい、着物の裾をからげた。股間からビンッと、逞しくそそり立った黒光りの大豪刀が飛び出してくる。長さは淫具の倍ほど、太さとなるとふた回り以上はあろうかという荒々しいまでの雄塊。先走り汁が止めどなく溢れ、青筋立った血管が何本も脈打っている。作り物よりもぶ厚い肉の傘が張り、その裏には無数のイボイボが生えていた。この傘裏のイボイボも実に女泣かせであり、これで膣壁を擦られることによって少女もどれだけ理性を吹き飛ばしてきたであろうか。

 雄壮な肉棒を見て頬を緩め染める少女に、男が背を曲げて耳打ちする。

「今の台詞、イクト君に聞かせたいのん」

「あぁ……いじわるしないでぇ…………」

「のふふ、でもちょっとおねだりが足りなかったよ。後は何を言えばいいかな?」
 

「は、はい……♥」と、今度は少女の下唇が男の耳朶をくすぐる。「ぱん太郎様……私に……すずにどうか種付けてください……♥ すずのオマンコをぱん太郎様のおチンポで満たして……すずの子宮をぱん太郎様の精液で満たしてください……♥ もう、行人のことなんてどうでもいいの……すずはもうぱん太郎様のモノです……行人の粗チンなんかじゃイヤ……すずはぱん太郎様のチンポをハメハメされて、ぱん太郎様の赤ちゃんを孕む存在なの…………♥」
 

 佳麗に鳴る鈴のような甘ったるい艶声。並の男ならこれだけで昴奮の極地に達してしまいそうなほど淫華な調べであった。

 少女のその言葉が終わるとともに、男の腰がずいっと進んで密着した。あれだけの巨塊があっけなく、少女の細い腰の中に収まっていってしまう。

 最奥まで満たされ熱く充実した歓喜が周辺に響いた。

 

 

 

 

  × × × × × × × × × × × × × × × × ×  

 

 

 

 

「あら?」

 あやねは耳を澄ませた。今、すずの声らしきものが森の奥からしてきたような気がしたからだ。だがよく聞き取れなかった。葉擦れや鳥の鳴き声が邪魔をする。

 もしかして森に入ったのかしら、と、あやねは薬草を持ったまま小径を辿っていた。便意を催した可能性もある。薄暗い木々の下を、すず、すずーっと声を出しながら進んだが、反応は梨のつぶてだった。

 一時間ほども森の中をうろうろしていただろうか。

 樹木の密集した地帯を抜けると何度か上を渡った沢に出た。少し助走をつけて跳べば容易に越えられるほどの幅である。小さなせせらぎで清冽な流水をすくって喉を潤すと、そろそろ見切りをつけるべきね、と独りごちた。ここまで姿がないということは、見当違いをしてしまったことになるだろう。森を出て元の道に戻った方がいい。

 日の位置を確かめようと空を見上げた時、

「あ……」

と、あやねは気付いた。

 沢の向こうに並ぶ樹林の隙間からさらに遠くの景色が覗いていたが、そこは高地になっていて、まだ真新しい巨大な茅葺き屋根が松林に囲まれていた。見たことのない広壮とした構え。いや、一度だけ遠目に眺めたことがある。

 もしかして、と、自分の元いた場所や歩いた方向、距離などを考える。間違いない。

 ここはぱん太郎の屋敷の背後に広がる森であった。

 

 

 

 

 

 

 

  2

 

 小径はまっすぐ屋敷の裏手に通じていた。丈の低い垣根に囲まれた庭園が造られていて、欄干が備わった橋が掛かる池まであり、その水面の下に何匹もの錦鯉が泳いでいるのが見えた。裏でこれなら表はどれだけなのだろうか。庭の横には母屋と渡り廊下で繋がった離れがあり、離れのさらに向こうにはこれまた広い浴場が垣間見えた。月見亭にも劣らない規模の露天風呂からは絶えず湯煙が立ち昇っている。そういえば温水が出たという話を聞いたことがあった。

 この景観を見渡したあやねは呆れたようなため息をついた。

「豪勢ねえ……あんな奴のためにここまでするなんて…………」

 これならわざわざ神社まで来る必要はないでしょうに、と思ってしまう。

 池の向こうに広い縁側が見えた。襖は閉め切られ、庭と繋がった廊下に人気はない。母屋の端の方は炊事場のようで、それらしい庇(ひさし)のついた格子窓や薪置き場があった。勝手口らしき板戸がぽっかりと穴が空いたように開け放たれていた。

 一瞬、すずもここに? と思い浮かび、それはないと一旦は否定したが、いや、あの子のことだから何も考えずに訪ねて来たかもしれない、と考え直す。

(もしそうだとしたら、すずの身が危ないわね)

 入りたくはなかったが、いるかいないかぐらいは確めたほうがいいだろう。

 ぱん太郎がいるなら他にも誰かいるはず。その人に話しかければいいわ、と、あやねは覚悟を決めて裏木戸を開いた。

 母屋の戸口の陰からそっと中を窺うと、案の定そこは台所だった。煤一つ付いていない輝きを放つ飯釜が三つも並んでおり、壁際に置かれた幾つもの籠には沢山の野菜や果物が入っていた。特大の氷冷庫もあって、開いてみると魚がうなるほど仕舞われてあった。パンダの時のぱん太郎は食肉植物が大好物とのことだったが、人間になっている今は皆と変わらない食事をしていて、実に健啖で作り甲斐があるという。

 入った時から気付いていたが、しんとした屋敷の奥から物音が聞こていた。勝手に上がり込んで先ほど見えていた片廊下をそろそろと渡ると、音がする場所と正体が段々と近づいてきた。一番奥にあるらしい部屋。

「あ……ん……あ……あ……♥」

 聞いたことのあるような甘い喘ぎ声。突き当りまで行くと廊下自体は右に曲がって離れへの通路へ続いており、声はそれよりも手前左手の襖からであった。かなりの広間なのだろう、襖は六つがかりで仕切られていた。

 中央の二枚の間が少し空いていたのでそこから覗くと──なんと、中は西洋の装いで調えられた寝室となっており、大入道でも寝かせるのかというほど広い天蓋ベッドが鎮座し、全身が沈み込むばかりに柔らかな洋布団の中には、きっと屋敷内ではこんなコトが行われているのだろうとあやねが予想した通り、裸のぱん太郎と――

(に、忍者一家じゃない──)

 そこには、くノ一装束に身を包んだ三人の黒髪美女たちがいた。

 

 

 長女のくないと母親のこころが頭を並べて仰向けになり、自分で膝を持って股を広げていた。二人とも下着だけ付けておらず、代わりに淫具らしき物を女陰に嵌め込まれていた。その淫具を微笑しながら抜き差ししているのが次女のしのぶとぱん太郎であった。しのぶはくないに、ぱん太郎はこころに、反応が良い場所に押し当てながら緩やかに動かしていた。全員揃えば忍者一家は四人のはずだが、一番下のみことだけ姿がなかった。

 くノ一の衣装は男を惑わす効果も狙って露出が多く、暗色に染められていることもあり白い肌が浮き立つように目立っていた。腹から上は乳房を少々隠す布が掛かってる程度で、それも乳の谷間や脇が存分にはみ出ており、他は細く縒(よ)られた糸が肌の上に直接網の目を作っているだけだ。

 そんな扇情的な服を着て股間を露わにしながら、剥き出しになった秘裂に性具を挿れられてくないとこころが悶えている光景は、その陶然とした表情もあって、淫靡な空気を天蓋ベッドの中に充満させていた。

「こ、これ……たまらへん……♥」と、白い喉を晒しながら喘ぐくない。「あ、あぁ……ああ……な、なんやのぉ、これぇ……あっ……ああっ……えらいわ……♥」
「ちかげちゃんがみっけてきた外界のえっちなオモチャのん。デンチとかいうので動くとか何とか? とにかく、すっごく細かく振動して女のコをイイキモチにさせるんだって。さっきも別の子で試したけど、おまんこトロトロにして悦んでたのん♥」

「あぁ……ぱん太郎はんのぺにすとは……また違って……ああ……♥!」

 学問好きということから学校では教師を任されている忍者一家の長女。

 三女のみこともそうだが、中身はどうあれ、くないは母親に似て垂れ目気味のおっとりとした顔つきをしている。娘世代ではまちと同齢で、もうすぐ二十歳を迎える最年長の一人だった。流れるような垂髪が美しく、顔もからだも大人びた輪郭を帯び、その妙齢の肉付きをしたからだが艶めかしい仕草をする時、年に相応しい匂い立つような色香があった。普段は色気のかけらもない隠居然とした男物の着物を纏っているだけに、今の姿はハッとするほど女らしく映った。

「ん……ぁん……ぁはぁ……♥」

 娘よりも恥ずかしそうに身悶えているのはこころであった。ふくよかに張った尻や胸に三人も子を産み育てた母親の貫禄が表れているが、そのからだはどこも型崩れを起こしておらず、三人の子持ちにはとても見えないほど実に細く引き締まっていた。忍一族の当主の責務として今も自己鍛錬を欠かしていないのだという。ちかげの母しずかとは双子の姉妹であり、忍びの遺伝子なのだろうか、双子ともども産を経た三十路女にも関わらず贅肉の付きが極めて少なく、艶麗を感じさせる曲線美を失っていなかった。下手をすれば出産経験のない女より美しい体型で、二十代と言っても信じてしまう者がいるかもしれない。

「女は三十過ぎてからって聞いたけど、ホントみたいね。キミの感じ方や濡れ具合の方が娘さんよりスゴイのん♥」

 ぱん太郎がそう言いながら抓んでいた淫具を前後に動かすと、愛液で濡れぼそった淫裂の深いところ浅いところとぬるぬる出入りする。それでいて三人も産んだ穴とは思えないほどの窄まりようであった。

 彼が使っている淫具は隣のとは若干形が異なり、根元から枝分かれしたブツブツした突起があって、そこを陰核に当てたり、中と同時に刺激したりすると、

「あっ、あっ、ああっ……♥!」

と、こころは軽く仰け反りながら声高に囀るのだった。

「──は──恥ずかしい……言わんといてぇ……♥」

 責めが緩やかになって落ち着くと、羞じらった顔を背けるこころ。

 だが、流し目でちらりと熱く視線を送ってくるのをぱん太郎は見逃していなかった。それがまた男の昂奮を誘うのだ。

「じゃ、そろそろコッチの出番かな♥」

 ぱん太郎はそう言って中腰になり、いきり立ちっ放しで血管が浮き立っている己が剛刀を擦り上げた。

 くないとしのぶが一時的に動きを止めて羨ましそうに見つめる中、玩具とは比べ物にならないほどの偉容を誇る肉塊が交代してこころの中にぐちゅ、ぶちゅ、と埋没してゆく。

「はあっ、はっ、あッ、ああーッ♥!!」

 胴を震わせながらそれを迎えたこころは、それだけでイッてしまったのか、大きな嬌声を出しながら弓なりにしなった。巨躯のぱん太郎がそのまま覆い被さるとその重量で二人ごとずぶっとベッドに沈み込んだが、正上位でも下の女性が潰されないよう羊毛がたっぷりと詰め込まれているため、ぱん太郎にのしかかられたこころは重みを気にすることなく、ひっしとぱん太郎の首根を掻き抱いた。

「のの、スゴイのん……三人も産んどいてこの締まりは反則の……♥」と嬉しそうに呻くぱん太郎。出産で襞が伸びても、日々の鍛錬によって膣自体は殆ど緩んでおらず、むしろヒダが折り重なって無数の波が出来上がっていた。さすがに十代の熱気と弾力には敵わないが、どこまでも抵抗を生みながら男根全体を包み込む柔らかい波濤は若い娘では味わえない快感だった。また、それはこころ自身にも尋常でない肉悦を与えることとなり、彼女の乱れようはそのせいでもあった。

 衣服を付けたままやるのも犯しているという気分が強くなるのにぱん太郎は最近気付き、着衣性交も悪くないなと思い始めていた。

 こころがぱん太郎とこんな事になったのは、三女のみことが妊娠してからしばらくして次女のしのぶも関係したと知り、これは一度会っておかなければとぱん太郎を家に招いた時のことだった。話を交わしながら御馳走を振舞ったその夜、泊まることになったぱん太郎が夜這って来たのだ。後々考えてみればしのぶかみことの手引きではないかと思い、問い詰めてみるとやはり両者の企みだった。忍者屋敷は罠だらけで、初めて訪れた者が何事もなく歩き回ることは至難なのだ。

 ──とにかく、この年で夜這いを受けたこころが驚き惑っているうちに、あれよあれよという間に脱がされ抱かれ、そのままなし崩しに朝方まで。途中からは声を抑えきれず、数えきれないほど逝ってしまった。津波で夫を失ってからは三人もの小さな子供の子育てに懸命で房事など忘れていたのだが、自身が驚くほどの秘陰の潤いであった。夫以外は初めてであり、行方不明とはいえ契りを結んだ亭主がいる身でありながらと自責の念も湧いたが、強く拒めなかったのは心のどこかに諦念があったからかもしれない。

 ぱん太郎はあきまへん、あきまへんと涙を流しながら何度も首を振るこころを抱きしめて離さず、自慢の巨根で思慮を失わせるぐらい彼女の秘肉を掻き回し、何度も熱い子種を注いだ。

 こころはすっかり女を取り戻してしまい、この日からそう経たたずに双子の妹のしずかと一緒に抱かれながら再度の子作りを誓うなど、ぱん太郎とのセックスが常態化した。こうなってくると一番年長のくないだけが取り残されるのも哀れと思い、今度は次女三女と謀って長女を罠に嵌め、説得しいしいぱん太郎にくないを抱かせたのは先月のことである。ぱん太郎は三人にたっぷりと味あわせたように、とげ太という想い人がいると言い開くくないに、「あれペンギンのん」と、彼女の初めてを奪い快楽を教え込んだ。一昼夜、二人はくないの私室から出て来なかった。その数日後、ぱん太郎がまた忍者屋敷に訪れるとくないはそわそわとし、ぱん太郎が挨拶しても真っ赤になってプンと怒ったように部屋に篭ってしまったのだが、その後を追ってぱん太郎が入っていくと、また翌朝までどちらも出て来ず、くないの悶えた淫声が夜通し絶えず漏れ聞こえてきた。さらに数日後訪れたぱん太郎を見ると前より顔を赤くして部屋に戻り、ぱん太郎がそれを追いかけ、また巣篭もりしたように一夜が明かされた。

 こころは全て天井裏から盗み見ていた。三度目にはくないがすっかり肉欲に浸かってぱん太郎の性奴隷のようになり、溶け合いながら幾度も絶頂に逝き幾度も種付けされ、「とげ太はんはもうええ、諦めます、ぱん太郎はん、ぱん太郎はんの赤ちゃん産みますぅ♥!」などと臆面なく叫ぶ姿を確認し、おおかた他の二人も、いや全ての女がこのように粘り強く抱かれて堕とされたのだろうと──自分も含めて──納得した。

 くないを淫慾の海に沈み終えると、ぱん太郎は必ずこころの元へもやって来て、同じ目に遭わせたのだ。

 以来回数を経て、くないもこころも完全にぱん太郎に気を許すまでになっている。

「のの……ののぉ……もう出しちゃってもいいかな?」

 分身の術を用いているかのように波状にうねる膣壁に嘆息が止まらないぱん太郎はそう尋ねたが、

「あかん……あかんわぁ…………」と、こころは目を瞑りながらイヤイヤと首を振った。

「動いて欲しい?」

 ウブな娘のようにどこか羞じらいを含みながらコクコクと頷き返すこころに、ぱん太郎は波のうねりが鎮まるのをしばらく待ち、それからゆっくりと腰を動かし始めた。

 

 ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ 

 

「あっ……はっ……あっ……あぁっ……♥」夢に漂っているような表情で抽送を受け止めるこころ。「ええ……ええよお……ぱん太郎はん……そこ……そこええの……♥」

 ぱん太郎は上体を起こし、装束越しにこころの両乳房に触れた。サラシなど巻いていない。箸を入れれば溶けるように切れてしまいそうなほど柔らかい乳肉。

 ぐにぐにと胸を好きなように揉みしだかれると、こころは、「はぁんっ……♥」と、しなを作り媚声を漏らした。

 掌にぬるとした感触をおぼえたぱん太郎が一旦離してみると、盛り上がっている乳首の部分が変色していた。襟を掴んで開こうとしたが網糸と繋がっている。だがぱん太郎がほんの少し力を籠めただけで簡単に胸元から左右にブチブチと引き裂かれ、こころの豊かな乳房が転(まろび)び出てきた。「ああっ堪忍……!」と、こころが軽い悲鳴を上げたが、服を破かれたことより胸を露わにされた方が気になるようであった。

「みるくが出てるのん♥」

 黒ずんだ頂きが白く濡れていた。ぱん太郎がさらに揉み込むと、その度にじんわりと滲み出てきて乳房の斜面を伝い落ちてゆく。

「こないな……なんでや……?」

「キミもすごくコーフンしてるってコトだね♥」と、ぱん太郎はこころの乳首を口に含んでしゃぶり、その甘い液体の味を楽しんだ。

「あっ……はあぁっ……♥」

 普段より膨れ上がり敏感になっている突起をザラついた舌で丹念に舐められ、ジュルジュルと音を立てて吸われると、こころは痺れたような吐息を漏らした。

「これが赤ちゃんのごはんでござるか……?」

 脇から興味津々といった顔でしのぶが覗き込んだかと思うと、なんとその空いている方に吸い付いた。

「はぁんっ♥!」両方を一度に吸われたこころは大きな嬌声を上げてからだをくねらせる。「な、なにするんやぁ……あっ……しのぶ……んあぁ……♥!」

「ほんのり甘くて美味……これが拙者も赤児の時に飲んでいたものでござるか……」

「そうのん」とぱん太郎は頷くと、しのぶの肩を抱き寄せて母乳が少し零れている唇を奪い、舌を絡め合わせた。ペチャペチャと卑猥な水音が立ち、「ん……ん……♥」と、しのぶの表情がうっとりとしてゆく。姉や母同様下着を付けていない秘陰にぱん太郎が後ろから手を忍ばせると、ソコはまだ弄ってもいないのに二人に劣らないほど濡れ、熱く火照っていた。その間にピストンも再開され、こころも母乳と唾液で濡れた乳房を揺らしながら喘ぐ。

「そのうちキミたちのお乳からも出て、ボクの子供に飲ませるようになるのん」

 そう言ってぱん太郎がしのぶの乳を軽く揉み上げると、

「ああ……待ち遠しいでござる…………」と、糸を引きながら口を離したしのぶは頬を染め、甘く訴える目つきになった。「うちらにも……はやく、子供を授けてや……♥」

「モチロンのん。お母さんみたいに二人でも三人でも産ませてあげるのん。のふふ、時間は沢山あるの、焦らずに楽しも。まずはこころちゃんに種付けするから♥」と、ぱん太郎はこころを抱くことに集中し始めた。

 

 ずちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ、ずちゅっ、

 

「あっ、はあっ、はあっ、はあぁっ♥!」

 抽送が本格化すると、こころも一層声を張り上げて乱れてゆく。

 奥から入口まで愛液が溢れ返る淫洞と化した女の秘所は、長大な剛槍を根元まで突き入れても満遍なく全体を包み込んで受け止める。歓喜が深まる年齢に差し掛かった肉体の反応は正直で、夫以外の男を認めてしまった以上は十数年来の寂しさを埋め合わせようという貪欲さすら、中の肉の動きから感じられた。

 繋がり合っているうちに二人の顔からはさらに理性が剥がれ落ちて、肉欲にまみれた男と女の顔一色になってゆく。

「こころちゃん、これからはダンナさんじゃなくて、ボクの子供を産んで貰うからねっ」

 深いところを突きながらぱん太郎がそう言うと、

「はぁっ、ああっ、ああっ……♥ か、かんにん、このトシじゃ、もう産めまへん……!」と、こころはやっとそれだけ言えた。そのくせ彼女の膣粘膜はぱん太郎のオス肉に絡み付き、離すまいとばかりに搾り上げてくる。

「そんなこと絶対ないのん、まだまだこんなに美味しいカラダしてるのに。三人も産んだんだから、その倍、倍々、十人以上だって産めるのん♥」

「そないな……はあぁ……♥!」

 ゾクゾクと震えるこころ。さらに吸いつくように締まる媚肉の奥にぱん太郎は邁進した。

 

 ずちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅっ、ずちゅっ!

 

 正上位で挿入しながら口づけも交わす。今までは体格の差で座位にでもならなければ不可能だったのだが、このベッドでならある程度の身長があれば出来るようになった。

 次女と長女はその様を眺めながら何度も羨慕のため息をつき、手ずから淫具を己が秘裂に挿れ、ぱん太郎の律動と合わせながら、淫らな表情を隠しもせず木製ずいきでは味わえない振動の心地好さに浸る。

「ののっ、ののっ、今度こそイクからね、こころちゃんの中にタップリと出すのん♥!」

 ぱん太郎が腰が密着して速くなった。こころは、「あっ、そこ、そこあかん、あっ、はあっ、はああっ♥!」と乱れ喘ぎながら太い胴にしっかりと脚を絡める。

 白い乳房がゆさゆさと激しく揺れながら母乳の雫を飛び散らせる。

「──のうッ!!」

 ぱん太郎の躰が強張った。

「はあっ……あんっ……ぁんんン……♥♥!!!!」

 グッ、グッと押し込むような動きに変わると、その度にこころも四肢をビクビクと痙攣させ、喜悦の涙を零しながら甘美感を極めた声を漏らし始めた。

「んあぁ……えらい……来てはるぅ…………♥♥!!」

 ただでさえ三児が通過して拡がった子宮口は、昂奮で膨らんでぱん太郎の肉棒の先っぽが幾らか入ってしまうほどの大きさになっており、精液を撒き散らしている肉棒が何度目か突き入れられた時に角度が合い、ぬぷっと嵌ってしまった。

「のうう……!」

 気付いたぱん太郎は抜けないようそれ以上腰を引かず、くいっくいっと押しながら精液を放ち続ける。子宮口に口づけされる感触は最高で、文字通り直接、こころの子宮の中へ濃厚な精液を注ぎ込んでゆくのもたまらない心地であった。

「ああ、ああ、あつい、あついわ……♥」

と夢心地で胸を張りながら身悶えるこころ。絶頂の小爆発が何回も起こり、頭が白く霞む。中逝きと子作りの気持好さは知り尽くしていた。だからこそぱん太郎に抱かれてしまったというのもある。からだの奥でぱん太郎が勁(つよ)く脈動しながら熱い子種を出しているのがはっきりと分かると、この時ばかりは牝の本能に揺さぶられるままに何もかも受け止めずにはいられなかった。相手が夫でなくとも、ここまでトロトロに掻き回された末に孕ませることを躊躇わずに種付けされては、子作りの快感を覚えたからだが拒みようがなかった。

 しかもぱん太郎はすぐには終わらない。射精は延々と続くのだ。回数も相手が一人の時なら数回連続は当たり前、十回以上だって平気でする。いや、複数の女を相手にしても、数えてみれば一人当たりの回数が両手指で足らない時すらある。しかし精根はまったく衰えず、必ず女のほうが先に参る。だからと言って自儘に振舞うわけではなく、むしろ女に気を使って何度もイカせた結果なのだ。まさに淫交の怪物であった。

「こころちゃんも、ボクの女のん、前のダンナ以上に、孕まして、あげるのん……♥!」

「はあ、はあぁ、ああぁぁ、あぁああ…………♥♥!!」

 ドクドクと強靭な放出が続く中、本能にまみれた喘ぎ声を重ねるこころとぱん太郎。途中濃密なキスを交わしたり、上下逆になったりしたが、結合部の隙間からとめどなく白濁液が溢れ出しても抜き取られる気配は少しもなく、三児を儲けてもなお美しい女を必ず孕ませんと、村じゅうの女を虜にする象徴はうねり締まる膣内で勢いよく弾み続け、精嚢の収縮も止まることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

  3

 

 一部始終を見ていたあやねは、やっとぱん太郎が身を起こして場所を変えて座り、射精の間逝きすぎて動けなくなったこころに代わって、しのぶとくないが頭を下げて侍(はべ)るように、淫具を嵌めて蜜汁でしとどに濡れた尻をふりふり、両側から舌と唇で肉棒の清掃を始めたのを続けて覗き込んだ。

 姉たちの饗宴もそうだが、向こう側は全き異空間、桃色の別世界のようであった。しっかり者だというこころ、とげ太好きだったはずのくない、そして、行人を慕っていたしのぶ──姿のないみことも一足早く妊娠しており、忍者一家は全員がぱん太郎のものとなっていた。

「何やってるんや?」

 ポンと肩を叩かれ、ヒッ、と、思わず声が出かかり、何とか喉元で押さえ込んだ。

 振り返る。

 そのみことであった。

「お……脅かさないでよ……あんたいたの……!?」

「熱心にナニを見とるんや?」

 みことはにやつきながら顔を寄せ、あやねに合わせてボソボソと微かに喋った。

「え……あ……そ、その……これは……」言い逃れできないと判断すると、あやねは頬を赤らめながらもツンと澄ます。「……け、見学よ、見学。しょ、将来、行人様と円満な夫婦仲を築くための調査よ」

「ほぉ~勉強熱心やなあ。……ま、キモチはわからんでもないでぇ。うちもりん姉ぇ様を覗くのは大好物やからなー♥」

「あんた確かお腹に子供がいるんじゃなかったっけ。まだそんなことしてんの?」と、あやねはみことの下腹に目をやった。いつもの袖を肩までまくった膝きり(膝までの着物)という動き易そうな格好をしていて、帯を緩めに結んでいるが、よく注意して確かめなければ膨らんでいるとは分からなかった。

「三ヶ月目や。まだほんのちょっとしか膨らんでへん」と、みことは腹をさすった。「最近ようやくつわりも収まってきてな。でもその代わりえらい食欲が湧いてきて困るわ」

 しげしげとみことの顔を眺めるあやね。どこがと具体的に指摘することはできないが、なんとなく優しげな表情が出てきた気がする。母親のこころに似てきた感じだった。

「そういえばまだりんトコにいるの?」

「そや。いちおー出産は実家でとは思うとるけど、大工の仕事はこれからも続けるつもりやで。一家揃って孕めば、なにもうちやうちの子が忍者継がなくともええしな」

 みことは隙間を覗き込み、「おお、やっとるやっとる。ホンマお盛んやな~」と、感心するように言った。

「へえ……貴方も変わった……わねえ?」

 あやねはあやねでみことに対して感心したように呟いた。

「なんで疑問形なんや……」

「そりゃあ以前のあんたを知ってればね。あんだけりんを追っかけ回してたのが、よくまああんなヤツと子供をこさえる気になったわねって、ずっと不思議だったのよ」

「せやな……。りん姉ぇ様と一緒の蒲団に入ってたのを見た時は本気で殺そうとしたんやけどな」

「しないでよ」

「腐ってもぬしやろ? 返り討ちに遭ってもうてな。で、前に気に入られたこともあってか、そのままうちも抱かれてもて……」思い出したのか、瞳が潤んで伏せられ、頬が染まった。

 その表情が存外に可愛く、あんなオヤジ臭かった娘がまるで別人のよう──と、あやねは驚いてしまった。

「……まあ、色々あって……気変わりしたんや。りん姉ぇ様と一緒に身篭れたし、仲良う子育てするのも悪かないなあって」

「なるほどねえ……」

「それよりも見てみいな」

 場所を譲られたので再び覗いてみると、胡座を掻いたぱん太郎の上に膝立ちしたくないが乗っかるようにして彼を迎え入れ、腰をなめらかに動かしながら切なく吐息をついているところであった。母同様に胸元を裂かれ、美しい釣鐘型の乳房が剥き出しになっていた。

 しのぶはまたお預けをくらい、ぱん太郎とくないが繋がり合っているのを羨ましそう見つめながら、脚を拡げて振動淫具で慰めている。

「あのデカチンがオマンコの奥の奥まで届くんや。それに先っぽに傘みたいに張った部分があってな、ソコで擦られるのがまたえろうたまらなくてなあ……何も考えられんようになって、お股が熱くなって、ヌレヌレのヌルヌルになるんや。あの大きさやから慣れないと苦しいけど、ぱん太郎はんもなるべく痛ないようしてくれるし、慣れてまうと……もうな…………♥」

 あやねの後ろから湿った声でみことがそう解説する。

「あんあん喘いで、おかしな気分になってるうちに、自分が女になっとるって気付くんや。女にされとるって。元から女やのに妙な話やけどな、でもそう感じるんや。そんでぱん太郎はんも男に感じるし、男と女がすることってこない気持ちええコトなんかって、なんかそれが嬉しくなるんよ。んで、あの種付けやろ? うちでも辛抱かなわんわ」

「それで皆んなアイツに転んでるの……?」

「似たもんやと思うけどな。どちらにしろ男は二人しかおらへんし、一方は全然手ぇ出さへんし。どっちにするかてゆうたら、女として扱ってくれる方を選ぶのは自然やないか?」

 女として扱ってくれる──そんな考え方もあるのかとあやねは思った。そして、行人様は私を女として扱ってくれるかしら、と、ふとそんなことを考えてしまった。

「ぱん太郎はんは、あれはあれでえらい優しいんやで。つーか、村じゅうの女を一人で相手にしててあの余裕っぷりやからな。普通に考えたらありえへんわ」

 そうよね、と、その点はあやねも驚いていた。彼女の家でも夜通し騒いだ後、まち達が足腰立たなくなり失神して眠りに落ちた中、ケロッとした様子で帰って行くのである。そしておそらく、そんなことを毎日続けている。尋常な体力ではない。男の方は疲れないのだろうかとあやねは思ってしまう。

 くないがぱん太郎の両肩に手を置き、腰の動きが忙しなくなってきた。肉太の堅杭が激しく出入りしているというのに、くないの顔には淫感しか浮かんでおらず、長い垂髪と張り詰めた乳房が何度も空中で揺れる。左右バラバラに揺れる乳の先端は山の頂のように尖っていた。

「あっ、あっ、ああっ、あっ、ああっ♥!」

「うちのくい姉もスゴイやろ? とげ太の兄貴が好きやったはずなのに、今やあの有り様やで。育った乳がぷるんぷるん揺れるのはたまらんなあ♥」

「……やっぱアンタ変わってないわね……」

 と、その時突然、みことが背中に密着してきたかと思うと、巫女衣装越しにあやねの胸を弄繰り回してきた。

「ちょ、ちょっと、何すんのよ」

「んー……」

 いくらもしないうちにその手は力をなくし、ハァ……と残念そうな溜息が聞こえる。

「掴む肉がないっちゅうのは……わびしいのう…………」

「張っ倒すわよ」

「こっちはどうや?」

「あっ……!?」

 声を上げそうになるあやね。胸を諦めたみことが今度は股間に手を伸ばしてきたのである。これまでであれば誰に躰のどこを弄られようが大して気にもならなかったのだが、今は何だか変な意識が湧いてきてしまう。男女が触れ合う行為がどんなものなのかじっくりと観察してしまったからかもしれない。

「ヘ、ヘンなトコロ触らないでったら……!」

「そないなコト言って……こないなの眺めててカラダが疼かへんのかぁ?」

 股部に手を差し込まれて袴越しに秘所をさすられると、

「さ、触り方が──!」あやねはカッと頬を染めた。

「おーお、ういのうういのう♥ ぱん太郎はん直伝やからキモチエエやろ? ほら──」と、みことは室内に指を差した。

 ベッドの上ではまた動きが緩やかになっていた。ぱん太郎の両手がくないの乳房を揉みしだき、尖塔の突端をくりくりと抓む。忍者家の長女は先ほどよりも潤んだ声を漏らしながら半月形にしなり、その腰はいよいよ肉杭を深く咥え、より淫らさを帯びてきていた。射精はまだなのに、くないの秘裂やぱん太郎の肉茎、陰嚢など、夥しい体液でぬらぬらと光っていた。

 そちらへあやねの気が向いている隙に、みことの手が巫女装束の下を素早く潜り、あっという間に下着まで到達する。

「ちょっ……あっ……!?」

 今度は薄布一枚隔てただけで陰裂を擦られ、思わずあやねのからだがビクッと跳ねてしまった。みことの指の感触を異常なほど感じてしまったのだ。

「おや、妙に蒸し熱いなあ」ニタッと笑うみこと。「それに今、ええ反応やったな♥」

「や、やめなさいって…………!」

 だがみことは耳を貸さず、下着越しにあやねの秘裂を中指でゆっくりとなぞり上げる。

「んっ……あ……や…………!」

「大きな音立てたら気づかれるで~。部屋ん中連れ込まれて、ぱん太郎はんに手篭めにされちゃってもええんかいな?」

 振り解こうともがく耳元でそう囁かれ、身をこわばらせるあやねに、

「うちはその方があやねはんにとってエエコトやと思うけどな、ウヘヘ」

と、みことは大事な部分のなぞり上げを再開した。まだ陰核のところまでは行かず、その直前で折り返してしまう。それでも陰核に刺激が伝わるのは同性のみことは十分承知していた。

「ん……ひ……卑怯、じゃない……ん……」

「ええやんこのぐらい」と、空いている方で胸弄りも再開する。あやねの乳首やその周りをくにくにと弄くる。

「自分で弄ったことはないんか?」

「な……ないわよ……んっ……!」

「あちゃ~、あかんでぇ年頃の娘が。ちゃんと男を迎える準備しとかなアカンちゃう? ただでさえ超奥手な行人を狙ってんやったら、あやねはんの方からりーどする勢いで行かな、何にも進展せえへんと思うで。アイツ年増好きって話やないか」

「と……年増好きって……!? んっ……!」

 指を動かし続けながらはみことは喋り続けた。

「行人はお姉さんきゃらに弱いらしいで。てえことは、経験ある女になってこっちから優しく手ほどきすれば、案外簡単に落ちるんちゃう? でもあやねはん、おなにーもしたことない女じゃ、そりゃ無理な相談やわ」

「そ……そんな…………あっ……!」

「ほれ、ほれ♥」

 みことは指を動かしながらあやねの耳たぶにふっと息を吹きかけると、「ハヒッ」と、あやねのからだがゾクッと震える。そうしながら秘部や乳首のてっぺんを弄り続ける。

 どちらもあくまでも指ひとつだけで、たまにくにくにと回したり、軽く押したりと、だがそれだけでもあやねの態度は徐々に変わっていった。からだから緊張は抜けなかったが、明らかに指の動きを感じている反応で、アソコの温度はムワと騰がり、指先にはわずかな湿り気を感じ始める。今や首筋まで真っ赤であった。洋室の中を見つめながら手の甲で口を覆っているのは、声が漏れるのが厭なのだろう。その瞳がキラキラとしはじめていた。

 あやねが見つめる先では、ぱん太郎とくないが激しく腰を動かしながら最後の燃え上がりに突入していた。対面座位のままぱん太郎の首を掻き抱くくない、脚もがっしりと胴を挟み込んでおり、二人とも大きな喘ぎ声を抑えようともせず、「イクぅ、イクぅぅッッ♥♥!!」と、くないが連呼していた。

「くい姉ぇも普段はほやっとしとるけど、床の中じゃ意外と肉食系や♥ ま、ぱん太郎はんにかかれば女は皆んなあんな感じになるけどな♥」

 大人しくなったのはさっきの言葉が効いたからだろうか。と、みことは後ろからあやねの横顔を眺めがら、

(黙ってればえらい美人やのにあ……)

 つくづくとそう思った。

 顔以外にも、髪や肌のなめらかさも頬ずりしたくなるほどだ。これで性格も良くて包容力があれば行人もとっくになびいていたかもしれない。

(せやけど、もう皆んなが皆んな、ぱん太郎はんとの子作りに夢中やからなあ。あやねはんだけ仲間外れっちゅうのも可哀想やし。その点で言えば全員ぱん太郎はんに取られる行人も可哀想やけど、アイツの場合はその気を起こさへんのが悪いしなあ)

 みことはあやねの割れ目の先端部分を指の腹で軽く押しまさぐり始めた。

「ひんっ……♥!」

 ビクッと今までより強い反応を返すあやね。背中に密着しているみことにもそのからだの震えがはっきりと伝わってくる。胸の奥の鼓動も。

「あー二人ともイクなあ、もうイクでぇ……ぱん太郎はんにあんじょう気持ちようされまくって、これまた気持ちええほど男の精を注がれまくられるんや……♥」

 そう耳元で囁きながら陰核のある辺りを重点的に弄くる。

「ココ、気持ちええやろ? 女のカラダで一番弱いトコロやで。二人の気持ち好さが一番分かるトコロやでえ」

「やッ……あッ……だめ……♥!」

とあやねが身悶えるのと、

 

「のぉう♥♥!!!!」

「────ッッ♥♥!!!!」

 

と、ぱん太郎とくないが躰を強ばらせながら動かなくなったのは同時だった。

 両方の時間が止まる。

 ぱん太郎とくないが繋がった下半身だけが別の生き物のようにビクン、ビクン、と弾んでいた。隠れている結合部の様子は視認できなかったが、溢れ返るほどの子種を吐き出されているだろうことは明白だった。

「あー……うちまで気分がおかしゅうなってくるわあ……♥」焦れったそうに腰をくねらせるみこと。「孕んでさえなければ加わっとるのになあ……♥」

 そう言いながら懐から何かを取り出し、巫女少女の目の前にぶらさげた。

「……な……なに、これ……?」

 あやねの知らない奇妙な物体であった。撫子色をしており、島では見たこともないつるつるとした材質で、手の中に収まる板状の棒と痩せた細い卵のようなものが紐で繋がっていた。

「ろーたーって言うんやて。こおゆうのが大量に入った箱が波際に打ち上げられてんのをちかげはんが見つけたらしくてな、うちらの間で流行中なんや。何をするもんかっちゅうと……まあ見ててや♥」

 みことが束ねられていた紐をほどくと楕円体は臍のあたりまでぶら下がり、それを抓んだ手が再び袴の中に潜り込んだ。

「……?」

 何となく不安がよぎるあやねの陰部に指とは違うものが当てられる感触。え、さっきの? なに──と訝しむ気持ちが湧く間もなく、ヴーン……という音とともに、微細な振動が股間から生まれ始めた。

「ひぅっ……!?」

 先程までとはまったく違う、今まで感じたことのない感触。

「な、なに……これぇ…………!?」

 初めはくすぐったく、耐えられる程度だったが、押し当てられ続けるうちにその振動が股間全体に染み渡っていくような感覚が湧き始め、段々と下半身が落ち着かなくなってゆき、たまらずに腰を引こうとしたのだが、みことはそうはさせじと後ろから躰を密着させて続行した。

「あ……あ……あひ……!?」

 くすぐったさを通り過ぎて妙な気分に襲われ出す。感じたこともないような言い知れない感覚。強いて言えばくすぐり攻撃を長くやられた先にあるような──悪い気分ではなかったが、続けられたら怖いという気持ちも大きかった。

「あ……あ……や……やだ……これ……! あ……み……みこと、やめて……あ……っ!」

「まあまあ、これでも一番弱うしとるんやで。気を楽ぅにして、ほれ、今度はしの姉ぇがやられてるで」

 くないから休みなくしのぶに移ったぱん太郎が少女を四つん這いにして、打ち下ろすように激しく腰を振っていた。大股開きになったしのぶの秘裂に巨魁が往復している様が、ぱん太郎が腰を引く度にありありと窺えた。まるで無理矢理犯されているようにも見え、あやねからすれば壊れてしまうとハラハラする勢いでも、しのぶにとってはたまらない淫撃となっているらしく、

「ああッああッんああッ♥!! ぱん太郎はん、ぱん太郎はぁん♥!!」

と、方向音痴の少女は喜悦に満ちた表情で受け止めていた。

 ぱん太郎が腰を打ち付けるたびに、パン、パン、パン! と、肉がぶつかる音が高らかに響き、あやね達がいる所からでも目に映るほどの量の汁がしぶく。

「しの姉ぇもあんだけ激しく突かれてんのに、むっちゃ気持ち好さそうやな~。初めてでいきなり一週間近くもやりまくったってゆうとったで。一日に二度も三度も失神するほどハメまくったって。おかげでしの姉ぇもぱん太郎はんにゾッコンや♥ 最近はここで寝泊りするのも多いらしいし、すっかりぱん太郎はんの精液袋になっとる♥」

 ぱん太郎の手がしのぶの胸の谷間の網糸を掴んだかと思うと、ビリビリと左右に破った。母や姉に負けない量感を誇る双乳がぶるんと勢いよく現れたかと思うと乱暴に揉みしだかれまくる。

「ああ、ああ、ああッ♥!」

 目茶苦茶にされているしのぶは、だが、無性に嬉しそうな表情であった。

 あやねの秘裂に押し当てられたローターも先ほどから妖しく動き回り、何度も陰核のある辺りまで登ってきていた。

「ん……んん……♥!」

 みことのもう片方の手が胸だけでなく躰じゅうの肌を撫で回り、首すじに舌が這う。

「んあ……や……んぁ……♥!」

 足腰が震えて仕方なかったが、あやねにはそれを抑える術がなかった。胸の高鳴りが、しのぶの淫らな表情が、ぱん太郎と一体になっている部分が──怖いという気持ちよりも、この感覚をもっと味わいたい、という欲求をじわじわとあやねの心の奥底に広がらせてゆく。

 躰の奥底から何かを感じる。

 しのぶは長い時間秘所を淫具で弄っていたためにすっかり出来上がっていたらしく、真っ赤に泣き腫らした顔をクッションに埋(うず)め、涎が垂れるのも構わず悶えまくる。

「のの、しのぶちゃんのマンコ、もうボクの精子欲しがってるのん♥」

 ぱん太郎の動きが変わり、しのぶの腰を掴んだまま覆い隠すように前に倒れ込むと、隣のクッションに頭を突っ込んだ。そしてカクカクと速くなる抽送。しのぶの声も一層高まる。

「アァッ、アァッ、アァッ、アァッ♥!」

「イクのん、イクのん♥」

「来てぇ、来てぇなぁッ♥!」

 どうやら最期を迎えるらしく、二人の動きが一段と忙しなくなった。

「しの姉ぇも行人よりぱん太郎はんを選んだんや。お子様で何もしてくれない行人よりも、こうやって女の悦びをゾンブンに与えてくれるぱん太郎はんをな……」

 あやねの耳たぶを甘噛みしながらみことがそう囁くと、カチッと音がして、もう一段階動きが強くなったローターが秘裂の溝を這い登ってゆき、布越しにだが陰核がある部分に直接当てられた。

「んいっ♥! んっ、んんッ♥!」

 あやねの引け腰がビクリと跳ね、内股になった両脚が何度もつま先立ちになる。逃げようとしてもみことが躰を上手く絡みつかせて離さない。無理に暴れてぱん太郎に気付かれるのも怖く、結局あやねはされるがままになるしかなかった。

「ぱん太郎はんは、ああやって誰でも容赦なく中出しするんやで。あのデカチンポがカラダの中でドクドク脈打ってなあ……♥ ながいながい時間、熱うて濃い子種を、これでもかってぐらい子宮に浴びせかけられるんや……♥」

 ぱん太郎の腰振る速度に合わせるようにクックックッとテンポを刻んでローターが押し当てられる。

「……ッ♥! ……ッ♥!!」

「ごっつい種付けやで……腰から全身から力が抜けてってな……時間を忘れるほどエエ心地なんや…………♥」

 室内の二人も限界寸前で、

 

「「「────ッッ♥♥!!!!」」」

 

 ──声にならない声が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

  4

 

  その後も十分に楽しんだ後、くノ一たちは揃って湯に浸かりに行った。ぱん太郎だけが全裸のままベッドの上に寝そべって煙管をくゆらしていると、

「“最後の一人”が来とったで~」と、みことが部屋に入ってきた。

「のの、何で言ってくれなかったのん?」

「お楽しみ中やったからな」と、ベッドに上がって隣までにじり寄って来たみことはぱん太郎の股間を覗く。そこで赤黒く光るモノは、忍者修行で鍛えた女三人の足腰をフラフラにするまで追い込んでようやく満足を覚えたかのように少し柔らかくなっていた。

「狭い村やし、神社にいることは分かってるんやし、その気になればいつでもコマしに行けるんちゃうん?」

 太々しい肉柱を握りながらみことは言った。一擦りもしないうちにムクムクと大きくなる巨塊に、淫を帯びた微笑が浮かぶ。「あんだけヤッてまだこんなに元気なんか……」

「あやねちゃんは最後のコのん。キミみたいに強引にやろうとは思ってないのん」

「さよか──」

 みことは肉棒を擦り続けながら頭を降ろし、赤銅色の肉茎に舌を這わせ始めた。

「ん……ん……」頬に朱が差し、母親に似た垂れ目がちな双眸が緩んでいく。「エエ匂いや……♥」

 あれだけ精を放出してもまったく萎んでいない陰嚢を揉みながら、カリの裏などにこびり付いていた淫液の残滓を丁寧に舐め取ってゆく。

「妊娠中じゃないのん?」

「これぐらいええやん……辛抱たまらんわ……」

 充血して膨らんだ亀頭を、あーんと大きく開けて口に含むみこと。そしてジュポジュポと音を立てながら頭を上下させる。三分の一ほどで喉につっかえてえずきを覚えるが、もう慣れっこで構わずにしゃぶり続ける。

「あやねちゃんは何してたの?」

 口を離したみことは、

「覗いとったで、熱心にな♥ お土産にアレのちっちゃいヤツ持たせといた」

「アレ?」

 少女がベッドのあちらこちらに放られている淫具──バイブやローターを適当に指差し、ああ、とぱん太郎も頷いた。

「あやねちゃんも興味が勝り始めてるようで何よりのん」

「あの様子なら、少し強引に押せばあっさり転ぶと思うけどなあ」

「その自信はあるけど、最後のコをそんな簡単に落としても面白くないのん……のの♥」

 声と共に腰を震わせるぱん太郎。

「ふぇら、上手くなったね♥」と少女の頭を撫でると、「いひひ」と、みことは顔を上げてまだ稚(おさな)さが残る悪戯っぽい得意げな笑みを浮かべた。

「安定期に入ったら、りんちゃんと三人で、激しくしない程度にやるのん♥」

「それええな……ええわ……楽しみにしとるで…………♥」

 その笑みが淫靡なものへと変わり、みことは再び口唇奉仕に戻った。年に似合わぬ積極的な吸い付きにぱん太郎は何度も心地好さそうに呻き、最後はみことを押し倒して服を剥き、ドクドク脈打つ砲撃を少女のやや膨らんでいる下腹部を始めからだじゅうに浴びせ掛けた。自分の匂いを付けて私物化しているかのようであり、やられるみことも満更ではない様子で嬌声を漏らし続けていた。

 

 

 

第15話に続く)

 

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最終更新:2022年07月26日 11:07