ながされて藍蘭島エロパロSS

 

『寝取られて』 第9話

 

 

 

 

 

 

 

  1

 

 

 南の縄張りにほど近い西の森の中に、ぽつねんと佇んだ板張りの廃屋があった。過去には誰かしら住み暮らしていたのだろう、杣小屋と呼ぶにはやや大きく造りもしっかりしている。だが今では至るところが傷んで変色し、周りには草花が雑然と伸び盛っていた。そうして緑に埋もれるままに、何ものにも囚われることなく、ひっそりと時に身を任せているようであった。

 しかし、ここに注意深い観察者がいれば、戸口の土が踏み固められていることや、壁際の除草、薪割り場に積み上げられた新しい薪の山などに気付き、もしかしたら中で誰か暮らしているのではないか――と、怪しむだろう。

 その考えは、半分当たっていた。

 玄関まで近づくと、中から人の声と、なぜか鈴の音が聞こえてくる。声の方は、今にも絶息しそうな女の断末魔――いや、似ているが違う。

 それは悲鳴ではなく、悦楽の潤いを帯びた媚声であった。

「あっ、ああっ、あん、あう、あうッ♥! あううんッ♥!」

 板戸の閉めきられた暗い屋内。その中で仄白い影が揺れている――よく目を凝らして見れば、それは蒲団に寝そべった大男――ぱん太郎と、その股間の上に背を向けてまたがった女の組み合わせであった。どちらも一糸も纏わぬ姿のため、暗闇に生肌が白く浮かび上がっているのだ。

 鈴の音の出元は女の首からであった。小気味好くリズムを刻むぱん太郎の腰の動きに合わせて女も夢中で下半身を揺らしていて、その二人の動きが彼女の喉下にある首輪に付いた大きな鈴をひっきりなしに鳴らしているのだ。

「――ふぁっ、あっ、あっ、ああッ♥!」

 女の紅潮した顔は深い恍惚に包まれ、視線がほとんど定まっていない。ぱん太郎の逞しい巨魁をみっちりとその膣内いっぱいに咥え込み、美事な半円を描く双乳を揺らしながら秘肉の奥深くまで受け入れている。

 村では見たことのない、肩にかかった白藤色の髪を右にサイドテールにした女であった。

 娘というほどの若さには見えないが、たるみのない艶肌や崩れた箇所など一つもないからだの輪郭は、熟れきった年齢にも見えない。

 いずれにせよなかなかの美人で、乳房も尻も申し分ない肉付きであり、それでいて腰の細さは身籠もった経験がないことを匂わせていた。

 その充分にくびれた優美な曲線の背中と臀が淫らにくねり踊るのを、ぱん太郎は闇に慣れた眼で愉しんでいた。

 しかし、それよりも目に付くものがあった。

 女の尾骨辺りから二股に分かれた尻尾が生えていたのだ。形状は猫のそれであろうか。髪の毛と同じ色で、その先端は藤色に染まっていた。

 それは胴体の動きとは別に、快楽の刺激に合わせてくねくねと揺らめき、飾り物でない立派な一器官であることを示していた。

 ぱん太郎はその尻尾の様子を眺めるのが一番楽しく、女をあちらに向かせているようなものであった。

 女の名はみゃーといった。今はこうして人間の姿をとっているが、本来はネコマタの妖怪である。

 時折、ぱん太郎が尻尾を掴んで撫で擦ると、みゃーは動きを止めてゾクゾクとからだを震わせ、背をしならせ、官能に満ちた淫声を喉から漏らした。

「あっ、あっ……ああ~~~……♥」

 子宮を押し上げるほど深く挿し込まれた淫棒があらゆる方位から蕩けるほど熱い柔肉で締め付けられ、ヌヂュヌヂュと嫐(なぶ)られる。

 それだけでも気を緩めればすぐ逝ってしまいそうなほどの快感が陰部に走ったが、ぱん太郎は悠然と耐え、お返しとばかりに、尻尾を撫で続けながらもう片方の手をみゃーの股間に潜らせ、入口が途方もなく広がっているために剥き出しになった陰核を弄りつつ、彼女の奥の部屋を軽くノックするように小突き上げた。

「あっ、あっあっ、あひ、あひぃィィ♥!!」

 さらに仰け反るみゃーのからだ。肉穴の内壁が先よりいっそう強く締まり、盛んにうねって淫棒を擦り上げる。

「ののん♥」

 尻尾にまで硬直と痙攣が伝わり、みゃーが逝っていることを報せていた。

 ぱん太郎はみゃーのからだを後ろに引き倒すと、自分の躰の上に重ねて抱き締めた。

「――ぁっ……ぁ……ぁはぁっ……♥」

 たっぷり数十秒以上は痙攣を繰り返していただろうか。そうしてからようやくみゃーのからだから強張りが徐々に解けていった。

 何分も経ってやっと息が落ち着いた頃に、ぱん太郎はその横顔に声をかけた。

「アイツとは最近やってるのん?」

「……え…………?」

と、みゃーは首をひねって横を向いた。とろんとした目つきで、口もとがだらしなくほころんでいる。絶頂の余韻に浸っていたようだが、ぱん太郎が発した言葉の意味を理解したようで、その笑みが消えた。

「……一回も…………」

 視線を落とし、どこか寂しげな顔でそう言うみゃー。

「えー。ボクとはこんなにイッパイしてるのに。夫婦ではゼンゼンだなんて、おかしい話のん」

「だ、だって……猫のオスのアレはトゲがあって痛いんだよ? それにこういうコト自体、発情期以外あんまりしないし……」

「人化してやればいいのん」

「い、今までそんなのしたコトないのに……やってくれないよ……疑われちゃう……」みゃーの目に翳(かげ)が差す。「あの人とは……いちゃいちゃしてるだけで、満足……かな…………」

「それはそれでいい関係かもしれないけど、アッチからキミを慰めてきてくれたりはしないの?」

「……くれない……かも…………」

 みゃーは暗く呟いた。

 でも、と、彼女は心の中で付け加える。

 そう思ってしまうのは、彼ではなく、私が変わったから……。

 彼女の夫はどちらかと言うと性欲のある方ではなく、夫婦の営みをあからさまに求めてきたことはなかった。仲良き事は美しき哉、陽気に遊び暮らすことが何より好きな性格なのだ。

 夫の名はしまとらといい、南の森のぬしであった。妖術から格闘術まで多芸な才能の持ち主で、本気になれば底知れぬ妖気を発する妖怪だが、普段はまったくそんな素振りも見せぬ森の人気者であった。

(そんな彼を好きになったのが私自身だし、彼と釣り合おうと努力して、やっと隣の座を得たのに……)

 夫といちゃいちゃするふたりっきりの時間は私だって好き――とみゃーは思う。しかし最近では、それだけでは物足りない気持ちが日増しに強くなっている。

 このからだを抱いて欲しい。してほしい。一緒に気持ち良くなりたい……。

 けど、いきなりそんな今までと違う自分を見せたら、彼は怪しむのではないか――と、言い出せないでいる。

 その結果、溜まる一方の欲求不満が、ついついぱん太郎の元へ足を運ばせてしまうのだ。

 みゃーは食べ歩きを趣味としているため、数日ぐらい妻の姿が見えなくともしまとらは疑いもしない。

 わかっている。裏切っていることを。

 でも、どうして――こんな風になってしまったんだろう――

 物思いに耽るみゃーの内ももを、ぱん太郎がピシャリと叩いた。

「にゃあっ!?」

「ボクのチンポを咥え込んだまま考え込めるなんて器用のん♪」

「あ……」

 お腹の奥まで打ち込まれた灼熱の塊を忘れたわけではなかった。こんなに熱く存在感を放つ気持ちいいモノを、忘れられるわけがない……。

 ダメなはずなのに。イケナイはずなのに……。

「さ、再開のん♥ ボクはまだちっともイッてないんだから」

 そう言うと、ぱん太郎はみゃーを上に乗せたままで両太ももを掌で押さえ、再び小突き上げ始めた。

 ぱん太郎のエラ張った雁首と巨根は、ひと突き目からアクメの余韻に疼く女肉をたっぷりと巻き込み、即座にみゃーの腰から力を奪う。

「うう、あァッ♥! い、今イッたばかりなのにぃっ……♥」

 たまらずにそう叫んだみゃーだったが、その声音は淫らな響きに満ち、からだは甘くわななくばかりであった。

 二人の腰の動きは、すぐに先ほどのようなリズミカルな軌道に乗る。

 深く、浅く、擦り回すようにと多彩な動きを見せる肉棒。みゃーの手首より太いのにも関わらず、それは驚くほどスムーズに出入りを繰り返していた。

「あっ♥ あっ♥ あっ♥ あっ♥」

 みゃーの顔が忘我の表情を取り戻すまで、そう時間はかからなかった。

「のふふ♥ またイキたかったら、後は自分で動くのん」

 ぱん太郎はみゃーと共に上体を起こすと自分の両脚を開き、その中に彼女の手足を収めさせるように四つん這いにさせた。

「ああぁ……♥」

 みゃーは被虐的な表情を浮かべ、ぱん太郎の脚の間にお座りの姿勢になると、腰を突き出して前後左右にくねらせ始めた。

 

 ぐちゅん、ぐちゅっ、ずちゅ、ずちゅ……

 

 風雨に鍛えられた岩山を削って作られたような雄々しい肉の尖塔が、ぐちゃぐちゃに柔らかくなった女の肉孔に突き立てられたまま、ぬらぬらとした淫液に濡れて出入りを繰り返す。みゃーがどれだけ腰を高く上げようが、まったく抜け出る様子がない。

「はう、うぅん、あはぁん♥」

 卑猥な水音と女の嬌声が、暗い室内に絶え間なく残響した。

 みゃーはメスのケダモノと化した自分を抑えきれなくなったように、堕落しきった甘い声で鳴き、尻尾をくねくねと回しながら、いやらしい腰振りでぱん太郎の肉棒を擦り上げ、締め付け、最奥まで迎え入れては全身をたまらない悦惑で震わす。

 太く、固く、長く反り返ったぱん太郎のオス肉は、膣内のどこまでも行き届き、ひと突きごとにみゃーの四肢を痺れさせるほどの快楽を与えるのだ。

「まるでメス犬、いやメス猫のん。って、そのままのん。ボクのチンポそんなにイイのん?」

 無我夢中で腰を振るみゃーに、ぱん太郎は嘲笑めいた笑みを顔に浮かべながらそう問いかけた。

「イイッ、イイのおっ♥! とってもイイのおっ♥!」腰を止めることなく叫ぶみゃー。涎がとぶ。「こ、こんなに気持ちイイおチンポ……♥! 他にゼッタイ無いよう……♥!」

 言っていることが嘘ではない証拠に、みゃーの内壁は濡れに濡れてうねりまくり、溶けるほどに熱く、抽送の度に愛液を激しくしぶかせながら、ぱん太郎の極太肉棒をこれでもかというぐらい搾り上げていた。

「そんなこと言って、キミは二人しか経験ないんじゃ? ボクと南のぬしの」

「そ、そうだけど……ゼッタイそう……ああ♥!」

 腰を落とし込んで肉棒を根元まで咥え込み、尻を円を描くようにぐりぐりと回すと、みゃーはさらに涎をまきちらしながら白い喉を晒し、ひときわ高い嬌声を上げた。

「のふふ、キミのマンコも、もうすっかりボクのチンポに馴染んじゃったね。もうアイツの粗チンじゃ満足できないんじゃないの? ああ、人間の姿じゃやらないんだったね」

「あっ、あっ……あ、アナタのおちんちんが……おかしいのよぉ……♥」

 みゃーはそう言いながら円運動を何度も繰り返し、下半身が溶けてしまいそうな甘い淫撃に二股の尻尾を妖しく踊らせる。

「だめぇ、止まらない……もう止まらないのぉ……♥」

 みゃーの嬌態に気をよくしたように鼻を鳴らしたぱん太郎は、二度、三度と膣奥を突き上げる。

「あ、あっ、あああっ♥」

「このエロマンコめ、そんなにボクのチンポが美味しいのん? しまとらじゃなくて、このぱん太郎様の赤ちゃんを孕ませてやろうか。南のぬしのオンナが、東のぬしであるボクの子を身籠もるなんてケッサクのん♪」

「ああん、だめぇ、だめぇ、孕ませないでぇ♥」みゃーはいやいやと首を振ったが、からだを離して肉棒を抜くことはなかった。

「そんなコト言っても、もう何遍この子宮にボクの精子を注ぎ込まれたっけ?」と、さらに奥を小突くぱん太郎。子宮もうねっている。「人間のままでいたら、今頃キミの子宮はボクの精液だらけで、とっくに授精しててもおかしくないのん♥」

「あなたの子を孕んじゃったら、だーりんにバレちゃうよお…………♥」

「アイツとの子供がまだなら、ボクとの赤ちゃんを作るのん♥」

「いやああ……♥」

「さっさと子供作らないと、ボクが代わりに種付けしちゃうよ♥」

「だめぇー♥」

 甘い媚声を放ちながらみゃーは首を振り、尻を揺らした。

 その態度が会話の内容ほど深刻そうでないのは、変身を解けば大丈夫だと分かっているからだ。人と交わった後も化けたままでいると、妖怪でも人の子を孕む。半人半妖はそのようにして生まれる。だが、行為の後で元の姿に戻りさえすれば身籠もることはなかった。何故と問われても、そうだから、としか答えられない。

 孕む不安がないみゃーは、口では嫌々言いながらもぱん太郎の射精を生で存分に子宮で受け止めていたのだ。一晩かけて膣内をたぷたぷにされたこともあった。ただ、妊娠しないからぱん太郎の中出しを気にしない、というわけではなかった。

 膣内射精されるのが──精液の噴射を膣奥に叩きつけられるのがどうやら癖になってしまったらしく、交合もクライマックスを迎えると、ぱん太郎の精液が中に欲しくてたまらなくなってしまうのだ。

 ぱん太郎もそれを知った上で遊んでいた。どんな女でもぱん太郎とのセックスを重ねるにつれ、彼の途方もない量と勢いの射精を胎奥に浴びてイクことを覚え、中出しをねだるようになっていく。

 島でも屈指の実力があるしまとらを怒らせると本気で殺されかねない。その女房を孕ませたと知れた日には、命がいくつあっても足りないだろう。そう思う分別はあった。

 しかし、頭ではそう分かってはいても――こうして実際に彼の妻を抱くことにまんまと成功し、そのメス穴に己が欲棒を存分に突き入れているのはまぎれもない事実なのである。最初はまったく使い込まれていない生娘のような初々しい肉壺であった。

(本当に孕ませてみたいもののん……♥)

 青リボンの少女、あるいはあの小僧に恋していた村娘全て。彼女たちのように、『孕ますこと前提で寝取る』という誘惑に耐えるのは、なかなか難しいものがある。

 ぱん太郎は昴奮を隠せない荒い鼻息を吹くと、「そろそろ出すのん♥」と、みゃーの腰を掴み引き倒して再び四つんばいにさせ、バックの体勢に移った。そして深く激しい抽送を始める。

 

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

 

「あッ、ああッ、あッ、ああッ♥♥!!」

 それがラストスパートとわかったみゃーも、半開きになった口から舌を覗かせながら全身を震わせ、甲高い喘ぎ声を振りまく。もういつでも準備が整っていた淫肉が悦びに沸き立ち、より昂ぶった剛茎に絡みついて締め付けた。膨らんだ膣奥が今か今かとオスの体液の到来を待ちかねている。

 だが。

 突然、ぱん太郎は動きを緩めたかと思うと、ぴたと止まってしまった。

「あうぅ……?」

 不思議そうにからだを曲げ、上を見る女。その視線には、早く動いて――という要求も含まれている。

「欲しいのん?」

「え……? ……え、ええ…………」

 意地悪い問いかけに、みゃーは赤くなって視線を逸らしたが、はっきりと頷いた。

「じゃあ言うのん。キミはもう完全にボクのチンポ奴隷だって。南のぬしの妻でありながら、東のぬしであるボクに種付けられて悦ぶイケナイ女だって」

「そんな……ああっ♥!」

 みゃーの非難めいた口調は、最後、淫声に変わった。ぱん太郎が抽送を再開したのだ。

 

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 

 みゃーの下半身は正直だった。突きこねられまくった媚肉はどろどろの底なし沼と化し、ぱん太郎の肉棒をどこまでも迎え、理性を崩し流す淫悦の大波を送ってくる。それに加えて、噎せかえるほどの男臭さ。獣のような体臭、肉棒の匂い、特濃の精液――ぱん太郎の匂いはどれも気がおかしくなりそうなほど鼻につくものだったが、それに慣れてくると、なぜかもっともっと嗅ぎたくなってくるのだ。匂いに呼び覚まされた女の本能が、この男に抱かれることを理屈ではない領域で正当化し、理性の判断力を狂わせてしまう。

「この時間だけのん。この時間だけキミはボクのオンナになるのん」

「こ、この時間だけぇ……♥?」

「そうのん、お遊びお遊び♪ さ、言うのん」

 ぱん太郎はまた腰を休ませた。

「は、はぁい……みゃ、みゃーは、あなたの……あ♥ ……ぱん太郎様の、ち、チンポの、奴隷です……♥」

 みゃーの言葉の途中から、ぱん太郎はゆっくりと動いてゆく。

「もっと言うのん」

「あ、あ……♥! だ、だーりんの妻なのに……ぱん太郎様の赤ちゃんの素を、今から……注がれますぅ……♥!」

 

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 

「ああッ、あああッ♥! みゃ、みゃーはヘンタイ女なのッ♥! だーりん以外の男のチンポで悦ぶいけない女なのッ♥!!」

「だーりんよりボクのチンポが欲しいんだよね? 間男のせーえきが欲しいんだよね?」

 

 パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! 

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

 

「あッ、あッ、あッ、あッ♥! う、うんッ♥! 欲しいのおッ♥! だーりんよりぶっといぱん太郎様のチンポ欲しいッ♥! ぱん太郎様のスゴイ射精、オマンコの中でして欲しいのッ♥! だーりんなんかとは比べものにならないのぉッ♥! もっと、もっとぱん太郎様のチンポちょうだあい♥♥!!!!」

 次第に速くなっていった律動は、もはやなりふり構わぬ激しい抽送になった。ぱん太郎の巨体に突き押され、みゃーのからだがずるずると前に進む。

「ああッ♥! ああッ♥! ああンッ♥! ああああンッッ♥!!」

「出すのん、せーし出すのん♥! 夫以外のチンポで悦ぶ人妻エロマンコに、ボクの精子どぷどぷ出して孕ますのんッ♥!」

 みゃーは本気で乱れていた。脚を大きく拡げ、泣き叫びながらぱん太郎の激しい突き入れをどこまでも悦んで受け止める。みゃーの表情は陶酔と肉淫にまみれ、寄り添う伴侶がいるとは思えないほどの痴態を晒していた。

「のの――ん――ッ!!」

 三度止まる。

 みゃーを押し潰すように下半身を密着させたまま、ぱん太郎の躰が膨らんだように見えた。

「あっ……♥! あああああっ……♥!! あ、あつういいいいぃぃ…………♥♥!!」

 

 ドクドクッドクッドクドクドクッ!

 ドビューーーッッ!! ドビューーーッッ!!

 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン!!

 

 みゃーの喉がひっきりなしに甘く震える。

 爪を立てた指が古びた木綿蒲団を引き裂きながら握りしめられる。

 夫以外の精液が、ものすごく濃い精子が、途方もない勢いで胎内に流し込まれてゆく感触……!

 鉄のように固い肉茎が弾む度に噴き出される精液が奥に当たり、膣内に広がっていくのがわかる。びゅくびゅくと生々しく聞き取れるほどの、度外れて力強い噴射。まるで煮立った熱々のでんぷん汁を流し込まれているかのような感覚。だがこれはそんな生やさしいものではない、新しい生命が生まれてしまうかもしれない性水なのだ。

 結合部からゴポゴポと粘性の高い白濁が溢れ、内股に伝うだけでなく、次から次へと塊状で真下に垂れ落ちてゆく。

 元の姿に戻れば害は無くなるとわかっていても、この瞬間だけは、言い得ぬ罪悪感に打ちのめされずにはいられなかった。

 夫婦の誓いを交わした男以外の精子を子宮に受け入れている。

 しかし、その罪悪感は暗澹と沈んだものではない。証拠は作られないという安心に緩んだ隙間から潜り込み、内部を浸食しつつある抗いきれない澱んだ快楽。その高揚とした悦感に彩られた淫靡な背徳の匂いであった。

(だーりいぃん……♥!)

 みゃーは今も昔と変わらぬ恋慕を持ち続けている運命の相手に心の中で謝りながらも、同時に、肉慾の高みに乱れ咲く自分を抑えきれなかった。喜悦の涙がとめどなくこぼれる。体内を暴れる淫気に熱されたように、からだとこころが勝手にどこまでも光の草原を翔ぶように疾駆してしまうのだ。

 ぱん太郎の野放図なほど滾(たぎ)りまくった肉塊の震え、射精は収まりを見せない。理性を喪ってしまうぐらい気持ち良く狂わされ、その長大な巨岩で膣内をみちみちと支配された上に、孕ませる意志に満ちた射精を子宮に密着されながら受けてしまっては、操の強気など保ち続けられようもなかった。すべてが、何もかもがガラガラと突き崩され、精神(こころ)まで侵された気分で、弱々しく白旗を揚げるしかない。ぱん太郎の肉棒と射精の心地よさにただただ屈服するだけであった。

 

 そして、それが、何もかもどうでもよくなってしまうほど気持ち良いのだ――

 

「あ…………あ…………ァ…………ッッ♥♥!!」

 焦点の合わない視線を中空に彷徨わせながら、陶然とした笑みをこぼすみゃー。

 ぱん太郎も、この瞬間だけは一切の我慢がなかった。とにかく目の前の女の子宮に己が精子を注入する。孕ませる。己が体液を、子種を、女のからだの奥に染み込ませる――。それしか考えられなかった。

 最後のひと噴きが終わっても、なお、ぱん太郎はみゃーの背中に覆い被さり、後ろからその乳房をこねくり回しながら、いまだ蠕動している媚肉の感触とともに、南のぬしの妻の子袋に己が精液が満たされてゆくのを、いつまでも愉しんでいた――。

 

 

 

 

 

 

 

  2

 

 

 時は遡り、新しい屋敷が建てられ始めるより一ヶ月ほど前のこと。

 みゃーには美食巡りの癖があって、よく島の各地に行ってはそこの食材を壊滅的に平らげているのだが、ある日、山芋のトロロ飯にスッポンダシの鍋、マムシ焼酎などたらふく舌鼓を打った結果、躰が火照り妙な気分になってしまった。

 人間体になるとそういう気分が季節問わず起こるので困惑するところでもあるが、猫のときより量が入るしボディラインも変わらないので、つい変化して大食してしまうのだ。

 しかし満腹のまま術を解くと腹が苦しくて動けない状態になってしまうので、食後はしばらく元の姿に戻れない。

 ならばそもそもそんな精の付く料理ばかりを食べ合わせるなという話だが、彼女の友人であるスッポンの高マルとマムシの三太夫の躰を張った歓待を、どうして断れようか。

 彼らは荒くれ者の集う北の森の住人の例に漏れず血気盛んで、多少は汗抜きでもした方が頭がスッキリしていいじゃねえかと、年に数回、みゃー発案の熱湯風呂や酒風呂を堪能する。みゃーは宴会の準備と称してすぐそばに鍋やら野菜やら調理器具やらを並べ、どこか野性的な眼差しでそれを見つめるのだ。一期一会のご馳走を袖にするなど、彼女には到底できない相談であった。

 でも、次は食べる量だけは控えよう、と思った。

 それにしても、と、みゃーは少し寂しい気持ちになる。北の地からは南の森は遠く、最愛のだーりんと慕う旦那とはすぐに会えない。こういう時はひとりフラフラと気ままに遠出をしてしまう自分を呪ってしまう。

 詮もなしにみゃーは人間の姿のまま帰路を急いだが、西に入ったところで本格的に発情にも似たモヤモヤ気分に胸が苦しくなり、薬かお茶でも貰ってひと休みしようと、進路を変えて最初に視界に入った人家に向かった。

 その中途の野原で、二つの人影が対峙しているのを見かけた。

 なんとなく習性でパッと草むらに身を伏せてしまう。

(あれは……)

 一人は恰幅のいい大男――人間の姿であったが、すぐにそれがぱん太郎だとみゃーはすぐに分かった。噂は充分耳にしていたからである。

 もう一人は、剣士然とした格好の年頃の娘であった。涼しげな顔立ちでシャンと背すじを伸ばし、木刀を構える姿が凛々しく目に映った。

「あっちは――」

 どこかで見た感じがすると思ったら、以前、亭主に勝負を挑んだ少女だと気付いた。

 少女は南のぬしであるしまとらにあっさり負けるとその強さに敬服し、修行をつけて欲しいと頭を下げてきたまではよかったが、その日から何日にも渡ってしつこく相手をさせられたものだから、さすがに疲れたしまとらは、行人のことをそれとなく切り出して凄腕の剣士と吹聴し興味を持たせ、やっとこさこの娘から解放されたのだ。

 名は――しのぶと言っただろうか。

「さあ、また勝負を所望するでござる!」

 しのぶが気合いを籠めた声でそう言うと、ぱん太郎はぽりぽりと頬を掻いた。

 こちらは至ってのほほんとした雰囲気である。

「ボク、今、そういう荒事はできるだけ控えてるのん」

「な、なんと。なにゆえでござるか、東のぬし殿」少し驚いた風に、しのぶは構えを解いた。「以前、貴殿に再び修行をつけてもらった時は、かなりしごかれた憶えがあるが……」

「あー……あの時はこっちに出入り禁止の最中でヨメの目も光ってたし……。やりたくても出来なかったから、半ば鬱憤晴らしに相手したのん……」

「?」

 剣士娘は言葉の意味が分からなかったらしく、首を傾げた。

「こっちの話のん。それより、修行と言うなら、アッチの稽古しないのん?」

「アッチ?」

 今度は反対側に首を傾げるしのぶ。

「そうの。見たところキミもお年頃。わからないのん?」

 ぬふふと笑うぱん太郎。

「いや、アッチと言われてもさっぱりだが……」

「そうなんだ」

 ぱん太郎はのしのしと少女に近付くと、その腰に腕を回して抱き寄せた。

「??」ますます怪訝そうに眉根を寄せるしのぶ。「な、なんでござるか?」

「のふふ」

 ぱん太郎は目を細めると、しのぶの胸に手を伸ばした。

「あっ……!?」

 厚い生地で作られた稽古着の上からでもしっかりとした触りごたえがある、豊かに突き出たしのぶの乳房であった。

 撫で回されるように触られると、「あっ」と、しのぶはまた声を出してしまった。

 窮屈という理由で晒しを巻いておらず、ぱん太郎の頭の高さからだと柔らかそうに膨らんだ双乳が乳首まで覗けた。

「ぬふふ、眼福のん♥」

「な、なにを……?」

「アッチのこと知らないクセに、やけに柔らかくて好い感度のん♪」

「そ、それは……自分でもよくわからんのだが、胸は弱いんでござるよ……。それで師匠にも負けてしまったでござる」

「なるほどのん。じゃあその弱点を克服するためにも、なおさら“アッチ”で胸を鍛えた方がいいのん」

「そんなことが可能でござるか?」

 しのぶは目を輝かせてぱん太郎を見上げた。

「モチロンのん。ただ、キミはその方面にだいぶ疎そうだから、その分、じっくりと時間をかける必要があるけどね…………♥」

「どのぐらいかかるものでござるか?」

 ぱん太郎は即答せず、少しの間黙ってしのぶを眺め回していたが、すぐにニンマリとした笑みを浮かべ直した。

「……一朝一夕にはできないのん。でも、どこか誰にも邪魔されない場所で何日か集中的に特訓すれば、多少は変われるかもしれないの。――いや、ボクが変えてあげるのん」

「むむ……そうすると……あ!」

 しのぶは思いついたようだった。

「うってつけの場所があるでござるよ」

「じゃあ、そこ行ってやるのん」

「では案内するでござる。さあこちらへ」

と、しのぶとぱん太郎は連れ添って歩き始めた。

 二人が歩き去って距離が空くと、みゃーは隠れていた草陰から立ち上がった。

「な、なんか妙な展開になったわね……。

 ……まさか東のぬし……あの娘を食べちゃうつもりじゃ……」

 ……言わずともそうだろう。

 どうしよう、とみゃーは迷った。

 南のぬしという立場である夫は、何か言いたそうだったが、この『西の一件』はあくまで人間の村の問題であると距離を置いていた。それがぬしの立場としての見解であるらしい。

 男性が長年不在で存亡の危機を抱えていた村では、今、ぱん太郎を中心に子作りに励んでいる……のだそうだ。

 だとしたら、それを妨害するかもしれない行為は、村にとって迷惑そのものである。二の足を踏む。

 ――だが、それだけが迷いの素ではなかった。

 ごくり、とみゃーの喉が鳴った。

 みゃーとしまとらは仲睦まじい夫婦であったが、しまとらが性格的に色恋より面白楽しく過ごすことを好む傾向があってか、夫婦の営みはそれほど盛んではなく、子宝にもまだ恵まれてはいなかった。

 惚れて一緒になった旦那だから、不満があるわけではない。結婚していてもまだ恋人気分でいられるのだから悪い気はしなかった。愛の結晶が欲しくないわけではないが、子供は天からの授かり物ともいうし、焦る気持ちはなかった。

 それとは関係なく、他人の性行為を覗き見できるかもしれないという機会に、ついイケナイ誘惑を抱いてしまったのだ。

 躰が熱いせいだろうか……。

 ぱん太郎の女無双ぶりは近頃あちこちで有名になっていた。次から次へと女を孕ませているだけでなく、アッチの評価も凄いらしい。幾人もの女を虜にしてハーレムを作っているなどと、まことしやかに囁かれているのだ。ぱん太郎に抱かれた女は、骨抜きになるほどの快楽に、もう離れられなくなってしまうとか……。

 そういう噂が本当かどうか確かめてみたい。

 そんな考えが頭をもたげていた。

 一度気にしてしまうと、その好奇心が堪え難くなるのはネコの性かもしれない。

(ちょっと覗くだけ――)

 そう思うと、心なしか躍動的な足取りで、みゃーは二人の後を追っていった。

 途中、

(……そういえば、だいぶだーりんとしてないな…………)

と、ふとそんなことを考えながら。

 

 

 

 しのぶは森に入り込み、何やらあちこちと複雑な道ならぬ道を取った。

 太陽が沈みかけた頃、近くに小川が流れる粗末な家屋にようやく辿り着いた。

 目的地を他人任せで所要時間もわからずに漫然と歩くと案外疲れるもので、ぱん太郎、それに二人の後ろをコッソリ尾けてきたみゃーも、やっと着いたかという顔で吐息をついたが、

「むう、ここはどこでござるか」

などと言ってしのぶが心当たりがないような目で家屋を一瞥し辺りを見回すものだから、ぱん太郎が盛大にずっこけた。みゃーも危うく音を立てるところだった。

「ココじゃないのん!?」

「浜小屋がある美しい入り江を目指していたのでござるが……はてさて、海でなく川に来てしまうとは面妖な。おかしな話でござる」

「いやいや。おかしいのはキミだから。てか迷ってたなら迷ったって言ってのん」

「仕方ないでござる、今日はもう陽が落ちるしここで宿を借りるでござる」

「ヒトの話を聞いてないのん……」

 ぱん太郎は呆れ顔で家屋を眺め渡した。

 よく見てみれば人が住んでいた形跡はあるが、かなり昔にうち捨てられたような廃屋であった。粗末に感じたわけが分かった。

 中は土間と居間に分かれ、囲炉裏のある板間の奧に寝所であろう畳敷きの空間と押入があった。畳は荒れ放題、ふすまも黄色く変色し、至るところに埃が積もっていた。どこもかしこもボロボロだった。

 それでも炊事場や囲炉裏は何とか使える状態で、押入の中には古びた寝具さえしまわれてあった。

「おそらく、十年以上前からの空き家でござるな……」

「わかるのん?」

「ん……その頃、一気に村の人口が減った事件があったでござるからな。実家に戻った者もあると聞く……」

 剣士娘の口はそれで閉じてしまった。

 ぽつねんと台所の隅に置かれてあった古桶で川から水を汲んでくると簡単に掃除をし、それからしのぶは薪集め、ぱん太郎が熊よろしく手業で川魚を獲ってきて、囲炉裏に火を熾しての夕食となった。

 みゃーは家が空いた隙を狙って中に忍び込み、吹き抜けの天井の梁に登って二人の様子を見下ろしていたが、昼間あれだけ食べたおかげでまだ腹は減ってないのにも関わらず、焼き魚の香ばしい匂いについ涎が湧いてしまった。

(うう、美味しそう……)

 食べ終わると、しのぶは無邪気な笑顔でぱん太郎に訊ねた。

「今日はもう暗くなってしまったし、修行は明日からでござるかな?」

 ぱん太郎は取り置いていた魚を手絞りで汁を採り、埃をかぶっていた置行灯の皿に油分を溜めていたが、

「いや、むしろ好都合のん。今からやるのん」

「えっ?」

 ぱん太郎は手拭いで手を拭くと腰を上げ、押入から蒲団をあるだけ出して埃をはたき、奥に敷き詰めた。行灯にも火を点して枕元に置くと、出来上がった褥の上でしのぶに手招きをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

  3

 

 

 不思議そうな顔でぱん太郎の前まで来て正座する剣士娘。

「フトンなど敷いて何をするでござるか……?」

「胸の修行をするんだから、胸を弄くるに決まってるの」

「なるほど……」

 そう言いながらもあまり飲み込めてない顔つきのしのぶだった。

「でもその前に、改めて尋ねるのん。この稽古は慣れるまでは痛みが伴うかもしれないし、もしかしたら失神しちゃうこともあるかもしれないの。それでもやる意志はあるのん?」

「し、失神……!? それほど過酷なのでござるか?」

「過酷じゃないけど、いや……ある意味過酷かな? でも、キミが想像するようなのとは違うのん。今まで知りもしなかった修行方法のん」

 しのぶは気圧されたようにごくりと唾を飲み込んだが、

「や、やるでござる!」

と、眦(まなじり)を決して答えた。

「わかったのん」

 ぱん太郎は口端を歪めると、しのぶに上半身裸になるよう指示した。

 剣士娘は素直に頷き、ためらわずにその場で諸肌脱ぎとなった。

 灯りに照らし出された少女の上体は、まずはその乳房に目がいってしまう。

 胴のまるまる半分を占有する美事な二つの釣り鐘。

 自らの重さをまるで気にすることなく上向きに突き出た円錐は、それでいて存在感を出し過ぎる巨(おお)きさということもなく、色つやも申し分ない。武芸を好むだけあって躰をよく動かしているのだろう。しなやかな体格や姿勢の良さとも相まって、一種の品を漂わせた気風すら感じられた。その主張し過ぎぬ主張ぶりは、ぱん太郎もしばらく言葉もなく見とれてしまうほかなかった。

「のの、たまらないオッパイのん♥」

 ぱん太郎の手が伸び、むにむにと片方を揉みしだく。弾力があって、なおかつ指が沈んでゆくほどの柔らかさ。いつまでも揉んでいたくなる魅惑の感触であった。

「んんっ……!」

 しのぶは思わずしかめ面になった。乳房はどうしても敏感に反応してしまう。力加減の違いだろうか。自分で触れても大して感じはしないのだが、他者に触られると何故か躰から力が抜けてしまうのだ。

 その堪え忍んでいる表情を眺めて、ぱん太郎は愉しそうに目を細めた。

 この娘のことはよく知らなかったが、つり目で勝ち気そうな目鼻立ちといい、女だてらに武器を振り回していることといい、性格もきついものかとぱん太郎は想像していた。

 だが実際に接してみると、その辺の村娘と変わらずあけすけで純粋、疑いを知らない様は脳天気すぎるほどではないか。

そして脱げと言われて躊躇することなく男の前で衣服を脱ぐ、性に関しての無知ぶり。

 ぱん太郎はすずを思い出した。性の疎さは同じぐらいであろうか。

 青リボンの少女――すずは何度となく抱いているうちに足の裏が弱いことを知った。昴奮状態で足の裏を撫でたり舐めたりしながら陰部を弄ると、喘ぎ声が一段と艶めかしくなり、アソコがすぐびしょびしょになって逝きやすくなるのだ。

 この娘の乳に対する反応は、あの少女の弱点を発見した時よりハッキリしていた。

(随分イイところに性感帯があるのん♥)

 そして――

「ちょっと訊くけど、『師匠』って、もしかしてあの男のこと?」

 ぱん太郎はしのぶの乳房をいやらしい指遣いで揉み続けながらそう質問した。

 ここに来るまでに何度も少女の口端に登った単語であった。

「えっと、確か、イクト? とかいう」

「んっ……そ、そうでござる……。東方院行人……我が剣の師と……あっ……定めたお方で……ござる……!」

「トーホーイン、イクト……」

 やはり、とぱん太郎は笑みを浮かべた。

 どちらも似たような棒を得物に使っているから、もしやとは思っていた。この娘は梅梅が描いた似顔絵の一人であるし、師弟の関係でもあるならあの小僧と親密な仲でないはずがない。

「キミの名前は何ていったっけ?」

「あ……し、しのぶでござる……んん……!」

「年は?」

「じゅ、十五……ん……!」

(後で梅梅ちゃんにこのコのことを詳しく聞いてみるのん)

 ぱん太郎は手を引っ込めた。

 やっと解放され、肩で息をつくしのぶ。頬が真っ赤に染まり、その豊かな胸が大きく上下する。

 まだ色気などない小娘とぱん太郎は思っていたが、悦が射し瞼伏せるその双眸は存外艶めかしかった。

「はぁ……はぁ……お、おかしいでござる……。今までにないほどの心地……。ぱん太郎殿の手はどうなってるでござるか……?」

 それには答えず、ぱん太郎はしのぶの腕を引いてそのからだを背中側から抱き取ると、今度は後ろから少女の乳房に手を回した。

「ああっ……!?」

 小さな悲鳴が上がったが、乳撫が再び始まるとそのからだは小刻みに震え、息が騰がり、へなへなとぱん太郎にもたれてゆく。

「あ……あ……ん、んん……♥ へ、変な感じでござる……ん……! いつもなら、くすぐったいだけなのに…………これは……あっ♥ こ……これが修行……?」

「そうなの。刺激に弱いんだったら、その刺激に慣れるのが一番のん」

「た、確かに……だが……んん……!」

 しのぶは背すじをわななかせた。

「こ、これは堪らないでござる……」

 少女のうなじから甘い体臭が立ち昇ってくる。そういえば、かなり歩いて汗もかいたが、躰を拭いてもいないのに気付いた。だが、若い娘と汗だくになりながら交わるのは、たまらなく昴奮するものである。

(ああ、いいニオイのん……♥)

 お椀を作って合わせると深底の甕のようになるぱん太郎の広い掌でも、肉がこぼれ落ちるしのぶの豊乳。ぱん太郎の手が包み込めない乳は、母親世代でもそうはいなかった。

 肌理の整った白い柔肉が太い指によって撫でられ、伸ばされ、こねられる。

 ぱん太郎の指の動きは、しのぶの反応を見て着実に彼女が感じる愛撫の仕方を憶えていく。

 そうして十分に乳肉を嬲ると、その指が初めて鐘の頂に触れた。

 親指と人差し指で挟みくにくにと弄られ、

「ああンッ!」

 しのぶは思わず仰け反って声を上げた。

「こ、これは……!」

「気持ちイイでしょ? このオッパイ弄りにただ堪えるだけ。こんな楽なシュギョーもないのん。それともイヤな気持ちのん?」

「そ、それは……」弛緩したように目を瞑るしのぶ。「……い、嫌ではござらんが…………」

「なら続けるのん♪ シュギョーはいつだってニンタイが必要のん♪」

 ぱん太郎は楽しげにそう言うと、しのぶの双乳を下から持ち上げてたぷたぷと揺らした。

「巨乳の上に美乳とは反則のん♪」

 村には男好きのする美人がどれだけいるのだろう。嬉しい事実だし、人間に化けて選美眼を持ち合わせるようになって良かったとぱん太郎はつくづく思う。

 この剣術少女ももう間もなく、自慢の肉根でズポズポされながら喘ぎ声を上げ、その膣奥にたっぷりと精液を注がれる感触を味わせてやれる。そう思うと、今から楽しみでならなかった。

 しのぶを褥に寝かせると、つきたてのもちのように柔らかく広がった乳房に舌を這わせ始めた。

「あっ……あっ……♥! そ、そこ……!」

 口か指が乳首に巡ってくる度に、しのぶはその刺激から逃れるようにからだを捻ったり仰け反ったりと悶えた態を見せる。

 なだらかな丘陵に浮き出た汗。ぱん太郎はその甘い露も舐め取ってゆき、馥郁(ふくいく)たる美少女の味に舌鼓を打つ。

「おかしくなっちゃいそう?」

 しのぶは目尻に雫を溜め、何度も首をたてに振った。

「ぱん太郎殿の指も舌も、ザラザラとしていて……! せ、背すじがゾワゾワしてしまうでござる……!」

「のふふ。痛かったら教えてね、加減するから」

 乳辱が重ねられてゆくにつれ、虚ろになってゆく瞳と真逆に、少女の声に含まれる悦感が次第に湿りを帯びていく。

 

 

 

 梁の柱の陰から見下ろしていたみゃーは、

(なるほどねえ……)

と、微かな吐息をつきながら心の中で呟いた。

 こんな男より遙かに見栄えの好い少年がいるというのに、女たちがぱん太郎に視線を注ぐというのは、うぶな娘らをこのようにして落としているからなのか。

(何も知らないのをいいことに、騙してるようなものじゃない)

 しかし――だからといって、今ここで介入したら、後でどんな面倒事になるか。

 当事者でもない自分が邪魔をするのはためらいがあった。

 この少女の貞操の危機なのは分かっている。けれども――

(だーりんが静観するって言ってるのを無視するわけにもいかないよね…………)

 それに……と、みゃーは自分の両肩を抱いた。

 昼のご馳走のせいだろう、体内の熱気がまだ収まっていなかった。

 ぱん太郎の指技口技はいかにも手慣れていていやらしく、ずっと見ていると、いつの間にか自分がまさぐられているかのように皮膚がざわつき、からだの奧が疼くのを感じてしまう。

 少なくとも、みゃーはあそこまで念入りかつ細やかに愛撫されたことはなかった。猫の交尾など短いものである。

(やっぱり違うものなのねえ……)

 他人の行為を覗くのはドキドキしてしまう──。

 

 

 

 いつしかしのぶはほころぶ花のように開いた唇から甘い吐息をつき、うっとりと目を瞑ってぱん太郎の乳撫を感じていた。

「あ……ん……んん! ……んん……♥」

 めくれ上がった裾から白い太ももがのぞくのも気付かず、そのなめらかな両脚は頻繁に動いてさらに袴を乱す。

「服が皺だらけになるのん」

 ぱん太郎はそう言ってしのぶの帯を解いてしまい、それによってはだけた稽古着も脱がしてしまった。

 下着一枚だけになったしのぶをじっくりと眺め下ろす。

(これは……ほんとエロいカラダのん……♥)

 ぱん太郎は心中で喝采した。

 十代中盤まで特有の瑞々しく張り詰めシミ一つない白い肌。うっすらとした汗が行灯の火に照り返され、起伏に富んだからだを艶めかしく浮かび上がらせていた。

 明らかに贅肉がない。腰も太ももも二の腕も、どこも引き締まってスラッと伸びている。

 それでいて膨らむべきところはしっかりと膨らんでいるのだ。

 子供を産める身体(しんたい)にはなっているとはいえ、稚(おさな)さが残るからだつきの村娘はまだ多かった。年齢的な問題だから将来は楽しみにしているし、そういった娘たちを今から責めまくって愛らしい顔とからだを淫慾の泥沼に沈めるのもひどく愉しいものだ。それに女というのは男と交わる悦びを本能から知ってしまうと、回数を重ねるうちに乳房や腰回りに肉が乗りはじめ、抱き心地が良くなっていく。抱く度にそれを直に確かめるのもおつなものだった。

 だが、肉がしっかりと乗った女を満足するまでいじめ抜きたいというのも正直な気持ちであった。

 その点に関しては、ぱん太郎にからだを許す母親世代が増えてきているし、若い娘たちの中にもナイスバディの持ち主が何人かいるから、欲求不満が嵩じるということはない。いつかは特徴で分け、例えば胸の豊かな女ばかりを集めて乳肉の宴などというのを催すのも悪くないだろう。

 そして、そこにまた一人、肉付きの良い娘が新たに加わるのに文句があろう筈もなかった。

「ああ……」

 切なげな声をこぼすしのぶ。

「どうしたのん?」

「さっきから胸だけでなく……股もムズムズしてて……おかしいでござる…………」

と、しのぶは内ももを摺り合わせた。下着の股布が変色しているのをぱん太郎は見逃さなかった。

「のふふ……じゃあソッチも弄ってあげるのん」

 ぱん太郎はしのぶのパンツの中へと手を潜らせて恥丘を滑り降り、陰毛の柔らかさを掌に感じながら秘部の陰裂を二本の指でなぞり始めた。

「うあぁっ♥!」

 嬉声を上げてからだを震わす剣士娘。歓迎するように股が開かれる。

 指をその裂け目に少し埋(うず)めてみると、厚い肉ビラの感触があった。わずかだがぬるりとしている。どうやらこの少女の躰は、ぱん太郎の想像よりずっと成熟しているらしい。

 ぱん太郎は乳を揉み、その頂にある突起を口に含んで転がし、少女の甘い汗の香りを楽しみながら、間違って深く入らないよう注意しつつしのぶの陰裂を何度も繰り返し擦り上げた。

「あ、うあ、あ、あぁ…………♥!」

 しのぶの胸が、腰が、ぴくぴくと引きつる。乳首が勃ち、肉の割れ目に熱が、さらには湿り気が籠もり始めてきた。

 淫を含んだ声音。体温が騰がり濃くなっていく香り。下がる一方の目尻。

(んふふ、ケンコーテキなニクタイの。とっても美味しいのん。むしろ積極的に女のヨロコビを教えてあげなくちゃいけないのん♥)

 それにしても、男不在で育ったとは言え、大抵の娘は裸になって事に及べば、何をされるのか本能で知っている素振りが出るものだ。個人差はあれ、多少は女の恥じらいを見せたりする。

 それが、まだ理性も飛んでないのにここまでからだを開いても恥じらいがない娘もかえって珍しかった。

 しかしそれならそれで、こちらも合わせて愉しむまで――と、ぱん太郎は密やかに含み笑った。あの青リボンの娘と同じだ。男を知ってから恥じらいを覚えていく様を見るのも面白い。

 ぱん太郎自身も全裸になると、しのぶに体重をかけないよう腰を浮かせてまたがり、持ち歩いていたローションを己が一物に垂らして少女の胸の谷間に入れた。

 しのぶの目が丸くなった。

「こ、これは……?」

「キミの持ってる棒みたいでしょ」

 それは彼女が握る木刀よりも太い上に、苦無より長さがありそうな肉の塊であった。真剣のように禍々しく反り返り、赤黒くゴツゴツとした剛棒の先には茸を彷彿とさせる傘の張った肉の鈴がついていた。赤黒い肉刀の先端は鮮やかなほど真っ赤に腫れ上がって、匂いも独特で、ぱん太郎の体臭よりさらにきつく、饐えたような鼻につく臭さであった。

 そんなものが顎先まで伸び迫って来たのだから、しのぶがまじまじと眺めてしまうのも無理はなかった。

「男の性器を見るのは初めての? チンポって言うのん」

「チンポ……? 男のセイキ……?」

「キミのココと同じのん」

と、ぱん太郎は後ろに手を伸ばし、振り向きもせずに手探りでしのぶの陰部を見つけると、くにくにと秘肉を弄んだ。まだ穴の中までは入れない。

「はぁんっ……♥! ……お、同じには見えないでござるが…………」

「のふふ、いずれわかるときが来るの。今はただ、胸を鍛えることに集中するのん」

 ぱん太郎はしのぶの乳房を左右から押さえ込むと、肉棒を挟むように盛り上げた。充分大きいしのぶの胸であったが、それでもぱん太郎の巨根は完全には包み込めず、亀頭を含めた四分の一ほどが飛び出していた。

「いい感触のん♥」

「あ、熱いでござるな……」

 ぱん太郎は喉を鳴らすと、乳同士をこね合わせながら腰を前後に動かし始めた。

 

 ヌッチュ、ヌッチュ、ヌッチュ……

 

 潤滑液にまみれた肉茎がねとついた音を立てながら、二枚の肉岩盤の合間を往復する。

「んっ……! んんんっ……♥!」

 しのぶは悦の籠もった声を漏らした。ぱん太郎はしのぶが感じるような触り方で乳房を弄る。それに加え、肉棒が擦る刺激も心地よかった。内側も弱いのかもしれない。

(と、言うか、いつのまにか胸全体が……あ…………♥!)

 ぱん太郎の動きが止まり、乳首を抓むようにこねられる。しのぶの息が騰がった。

 途切れることのない心地よいさざ波が全身に流れ、思わず震えが走ってしまう。

 眼前に届くような勢いで迫ったり引いたりする肉棒からも目が離せなかった。

 それに自身の乳房の変わりようもだ。こんなに柔らかいものだったのかと自分でも驚くほど、伸びたり潰れたり餅のように様々に変化する。

「ん……あ……あ……♥ ま、また……おかしくなるでござる……♥」

 そう言って内股を擦り合わせるしのぶ。淡い茂みに囲まれたその秘陰からは、本人の知らないうちに透明な雫がこぼれていた。

「我慢するのん。我慢できるようにならないと、いつまで経っても弱点を克服できないのん」

「でも、でも、ああ……♥!」

 ぱん太郎の指がまた乳首を擦り上げると、ぴくぴくと躰を震わしてわずかに腰を浮かせるしのぶ。

 うっとりとした表情になっていく少女の様子に愉悦を感じながら、ぱん太郎はさらに乳辱を続けた。

「あ、あ、あ……♥」

 なんだか躰が熱くなってくる。頭がボーッとして、股の間のむず痒さが増してくる。

(こ、こんな修行があるのでござるか…………)

 痛みが伴うと言ってたのに、さっきから感じるのは気持ちよさだけだった。それにこのチンポという肉の長太茸。その見たこともない形とケモノじみたきつい臭気……!

 それなのに、顔を背けたくなるような厭な気持ちにはならない。

 しのぶの心に湧いてくる感情は、興味と好奇心であった。

(クサイのに……何か嗅ぎたくなるニオイでござる…………)

 胸いっぱいに満たしたくなる、とまではいかないが、何か心惹かれるものがあった。

 乳肉をくっつけて出来た洞穴から現れたり引っ込んだりする赤黒い肉刀は、まるで呼吸しているかのように繰り返し張り詰め、先っぽの小さな穴がパクパクと開いていた。

「気持ちいいのん?」

と、ぱん太郎が訊くと、しのぶは肉棒から目を外さないまま頷きを返した。

「こ、これが修行なのでござるか……? 先ほどから気持ちよいばかりで、痛みなど感じないが……」

「そうのん。とにかく胸をいじくる。その気持ちよさに慣れる。それが重要のん。刺激に慣れれば、動揺して不覚を取ってしまうことも無くなるのん」

「そ、そうなので……ござるか……あ……あ……♥」

「気持ちイイからと言って楽とは限らないよ? 長く続ける必要があるしね」

「た、確かに……そうでござるな……し、しかし……これは……た、たまらないでござる……んん……♥!」

 しのぶは胸から来る悦感に堪えきれないようにからだをくねらせた。

「ぬるぬると……ぱん太郎殿の手が……滑って……あ……あ……♥!」

 肉茎にまみれていた潤滑液はぱん太郎の手で塗り広げられ、乳全体がぬらぬらと妖しい光沢を放ち、今まさにつかれている最中の餅のようであった。

「チンポに擦られるのも気持ちイイのん?」

 

 ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ

 

 ギュッと目を閉じるが、すぐに、「はぁっ……♥」と息が抜け、瞑った目の端に涙を溜めるしのぶ。からだに力が入らないので、息も溜められない。呼吸を乱しながら、コクコクと何度も頷く。

「あ、あ、あ……♥ そ、そんな胸ばっかり弄られたらぁ……しんぼでけへん……変になるぅ…………♥!」

「だめだめ。ひたすら我慢のん♪」

「あ、あっ、ああ、あああ…………♥!!」

 しのぶから徐々に余裕が失われ、武士言葉が消えて本気で切羽詰まった喘ぎ声を漏らすようになるのに、そう時間はかからなかった。

 

 

 

「あっ……あっ……あかん、あかんてぇ……あああっ……♥!」

 からだをくねらせ、ぱん太郎の乳撫を受けるしのぶ。

 乳撫を始めてからどれぐらい時間が経っただろうか。

 今はパイズリからまた乳マン同時責めに移っていた。しのぶの乳首はぱん太郎の唾液でまみれた尖塔となり、処女膜の手前まで指が入るようになった陰裂ではクチュクチュといやらしい音が立ち続けていた。

「あかん、あかん、なに、なんか、なんか来る来るぅ……♥!!」

 ぱん太郎はわざと陰核にはあまり触ってなかったが、乳と膣口付近を弄るだけでしのぶは初めての絶頂を覚えつつあるようだった。

「イッちゃえばいいのん♥」

 ぱん太郎はそう言ってしのぶの乳首を強く吸い舐め、指の動きを加速させる。

「ああああッッ♥♥!!!!」

 しのぶは両肘と頭で上体を持ち上げ胸を突っ張るように反らした。ぶるぶると震えるからだ。肉孔がキュッと指を締めつける。

「あ――――あ――――!」

 ――すぐにクタッと力が抜け、しのぶは蒲団に伸びた。

 はぁはぁと息を整えながら、

「――な…………なんや今の…………えらい……気持ちえかった………………♥」

 ぼんやりとそう呟く。

 イクことを初めて体験したばかりの少女の顔に漂う、仄かでいて正直な気持ちを映した淫翳。その無垢なる色っぽさは、ぱん太郎の目には格別淫らに見えた。

「今のが“イク”ってことのん。気持ちよさが頂点を迎えると感じるのん」

「そ、そうなんか…………」

「何度でも感じればいいの。とにかくまずは弱さに慣れることが大事なんだから。じゃあ続けるよ?」

「…………う、うん……………………」

 その時、しのぶの瞳がうるっと光ったのは、灯りのゆらめきが映っただけだろうか。

 ぱん太郎が見返してみても、すぐに伏せた睫毛に隠れてわからなくなってしまった。

 だが、その口元がほころんだのを彼は見逃さなかった。

 再びたわわな果実を口いっぱいに含み、柔らかな乳肉に涎をまぶし甘く歯を立てながら舌先で固くなった突起を転がす。濡れぼそった肉園の前庭をゆったりとした指遣いでなぶる。

 少女のからだがのけぞり、晒された白い喉からからまごうことなき嬌声が漏れた。

 

 閉めきられた屋内からでは分からないが、外はもうすっかり暗くなっていた。

 辺りは静けさに満ち、二人を照らすのは行灯の明かりのみ。その弱々しい光の向こうは何があるかも見えないほどの闇に沈み、天井に潜んでじっと見下ろしている細く煌めく双眸があることなど、行為に夢中になり始めた男と女は気付きもしない。

 夜の帳はようやく降りはじめたばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

  4

 

 

 森にうち棄てられた家の真上に開いた夜空から、白粉の微妙な綾も美しい光彩を放つ月が覗いた頃。

 しのぶの顔は淫悦でとろとろになっていた。腫れぼったく降りた瞼で翳った瞳は焦点が合っておらず、目から口まで体液が垂れ流れた痕がくっきりと残り、普段の颯爽とした表情は微塵もなかった。

 まるで仰向けにされた蛙のようにだらしなく開き、痙攣する手足。

 パンツも途中から脱がされ、ぱん太郎と同じく一糸纏わぬ姿となっていた。

「もうあかん……あかん…………♥」

 あれからぱん太郎はパイズリと乳マン同時責めを交互に繰り返し、こうなるまで続けたのだ。

 しのぶはもう、何度“イッた”かわからなくなっていた。

 真っ赤に腫れ上がった双球。尖塔と化した肉突起。叩いたりなどは一切していない。ただ揉み、ねぶり、こね、擦り、伸ばしただけである。

 腫れ上がっているのは、下も同じであった。まだ一度も男を迎えていない肉の門がすっかり充血して開き、淫水にまみれ、中の肉がパクパクと開閉しているのが見える。

 接吻もした。乳を弄られながら唇を重ね、舌を絡められると、頭の中が甘く痺れて蕩けそうになり、すぐに夢中になった。

「じゃあ、そろそろボクも気持ち良くしてもらうのん」

 そう言うと、ぱん太郎は再びしのぶの腹にまたがり乳房に肉棒を挟んだ。

「あぁ……も、もお…………♥」

「すぐ済むのん♥」

 ぱん太郎はそれまでと違い、己の欲望を解放するための動きを始めた。しのぶの乳を道具のように扱い、容赦ないリズムで擦り上げる。

 

 ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ、ズチュッ!

 

「あ、あ、ああ、ああ♥!」

「ののんっ、気持ちいいのん、ボクも我慢してたからすぐ出ちゃうのん♥!」

 からだに力が入らず、ただ喘ぎ声だけを上げる少女。

「ののッ♥!!」

 その瞬間、ぱん太郎は双つの鏡餅を強く肉棒に押し付け、ぐいんと思い切り腰を押し込む。

 しのぶの顔の前まで迫った燃え上がるほどに赤く染まった先端から、

 

 ビュクッ!! ビュグッッ!! ビュクン!! ビュクン!!

 ビュクビュクビュクビュクッッ!!!!

 ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ、ビュグッ!!

 

 しのぶの視界が白く染まった。

 膨れ上がった肉茎が乳房の間から飛び出さんばかりに何度も跳ね上がりながら、その度に物凄い勢いで真っ白な粘液を飛ばし始めたのである。

 目といわず鼻といわず、しのぶの顔のいたるところに白濁の飛沫が叩き付けられる。

「ののの……♥!!」

「んあああ!?」

 頬にも額にも髪の毛にも、もちろん口の中にも飛び込む。

 鼻がびっくりする生臭さだった。栗の花のような、でもそれよりずっと強い匂い。だが思わず顔を背けたくなるような腐敗臭ではなく、肉棒と同類の、異質だが癖になりそうな匂いであった。

「のの、避けずに全部受け止めるのん♥」

 そう言いながら、ぱん太郎は気持ちよさそうに何度も肉棒を乳の間から突き出し、しのぶの顔面を白濁一色に染め上げていく。

「あああっ……! なんや……これぇ…………!?」

 発射しつづける最中でぱん太郎は腰を引き、しのぶの乳間に突き立てるように、今度は乳の中でどくどくと放つ。乳の谷底に濁水が溢れ、波が立ち、渓谷から白濁の奔流が流れ落ちていく。

 

 ドクッ! ドクッ! ドクッ! ドクッ!

 

「あっ、あっ、あああっ……♥!?」

 乳の中で強く脈動している熱い肉棒の感触。目も開けられないほど顔じゅうに塗りたくられ、口中にもヌチャヌチャとまみれるとびきり臭い白濁粘液。

 脈動が緩やかになってくると、乳の間からも引き抜き、仕上げとばかりにしのぶの双乳に浴びせかけて全体を精液まみれにし、ぱん太郎の射精はようやく止まった。

「ふう……ぱいずり気持ちよかったの。あ、口に入ったのは飲んでみるといいのん。美容にいいのん♥」

 しのぶの口がもごもごと動く。しょっぱくて苦い。だが、舌で転がしてみると甘みも感じられた。砂糖や果物の甘さとはまた違った、一種独特な味。嗅いだことのないような臭さを発しているのに、どこかまろみがあるのはこのためだろうか。匂いを気にしなければ美味しいかもしれない。だが飲み込もうとするとネトネトと口内にねばつき、たっぷり唾を絡めてやっと飲み下すことができた。

「にがしょっぱ甘い……びっくりや…………これは…………?」

 顔にかかった白濁を指でこそぎ落とすしのぶ。口の中はねちゃねちゃと白くなっていた。

「せーえきっていうの。これも慣れれば美味しく飲めるのん」

「の、飲まないけへんの……?」

「のーん、無理はしない方がいいのん」

 ――ボクのチンポにハマれば、どうせそのうち自分から欲して飲むようになるから――と、ぱん太郎は心の中で愉快そうに付け加えた。

「一発ヌいたら、もう一回したくなったのん。今度はこっち使わせてもらうのん」

 ぱん太郎は後ずさってしのぶの脚の間に跪座した。乳の谷間に放った精液がヘソに流れて溜まり、そこから幾つもの支流が出来て、下腹部の両端を伝い脚の付け根を通って陰部までも届いていた。

 腹部に溜まった精液をまるでマッサージするように両手で塗り広げてゆき、その精液にまみれた手で内股も汚し、秘部にも遠慮無く触れた。陰部全体を掌で包むように覆って揉みしだき、指で秘貝も割って中の肉にもぬちゅぬちゅと塗りたくり、さらには二本指にたっぷりとつけてしのぶの中に出し入れする。

「ぬふふ♥」

「んん……んはぁ……♥!」

 しのぶは何をされているのかまったくわかっていない顔だった。

 脚を震わせながら、その感触にうっとりとする。胸も気持ちいいが、今いじられている箇所も同じぐらい気持ちよかった。按摩をされているような快美感に、さらに脚が開かれる。

 精液でぬめり光るようになったしのぶのからだを愉しげに眺めると、ぱん太郎は少女の腰を掴んで膝を下に滑り込ませ、ちょうど肉棒が秘裂の上を通るようにした。

「こ、今度はなにするん……?」

「さっきまでと同じようなもののん、今度はボクが主に気持ち良くさせてもらうけどね」

 そう言うと、しのぶの貝殻の間を肉棒でほじるように擦り上げ、ぱん太郎はゆっくりと腰を前後に動かし始めた。

 

 ぬっちゅ……ぬっちゅ……ぬっちゅ……ぬっちゅ……

 

「あ……あ……あ……あ……♥」

 しのぶの厚ぼったい肉唇の中を、ぱん太郎は調整をつけて器用に素股で通り過ぎる。それはときおり陰核にも当たり、そのたびに剣士娘は、「んあッ♥!」と、声を上げる。

 熱くなった花園の若い女肉はそれだけでも吸いつくように瑞々しく、プリプリとした感触がたまらなかった。入り口でこの弾力なのだから、中はどれだけ活きが良いのだろうか。

 ぱん太郎はしのぶの乳にまた手を伸ばし、腰を動かしながら桃色の双丘も揉み回し始めた。

 時折、顔を近づけて接吻も加える。自分が放った精子がつこうがお構いなしだ。

 ぱん太郎とキスを交わす度に、しのぶのからだが切なく震えた。

「あ……ああ……ああん……♥ や……ま、またへんになるぅ…………♥」

 行人ともしたことがあるが、あれはまさに“口と口をつけた”程度だった。

 目を細めてうっとりとする表情のしのぶを見て、ぱん太郎はその紅に燃えた唇を食(は)むように触れ舐め、わずかに開いた裂け目に舌を入れ、塞ぐ。少女の口腔にたっぷりと唾液をまぶした舌を伸ばし、しのぶの舌を捕らえると、秘裂責めと乳撫と連動させつつ、唾液を交じらせながら弄んでゆく。

 熱い息が絡み合い、胸が変則的な鼓動を打つようにざわめき、しのぶの頭はさらに甘美な痺れで弛緩していってしまう。

(し、師匠との接吻とは、ぜ、全然違うぅ…………♥)

 行人と二度目の口づけをした時に感じた淡い感触など、枯れ葉が秋風に吹き飛んでしまうようにしのぶの頭の中から虚しく消え去ってしまった。

「ほら、舌を出すのん……」

 お互いに魚くさい息を熱く吐きながら、舌と舌を踊らせる。たどたどしく差し出されたしのぶの舌に、ぱん太郎の長い舌がねっとりと絡みついてリードする。

 ぱん太郎は少女の顔についた白い粘液を舌で掬い取り、しのぶの舌と貝のように重なって腹を擦り合わせながら唾液で溶かし、少女の口へと含ませ、飲み込ませる。

「『師匠』とはいつもどんな風に修行してるのん?」

 ぱん太郎は鼻と鼻をくっつけ、腰を動かし続けながら、しのぶにそう問いかけた。

「え……? っあ……♥ え……と……素振りした……り……ぃ♥ き、基礎的なことを、おぉ……♥」

「いい師匠のん?」

「え、ええお人や……あぁ……♥ わ、技とか……んん♥……ち、ちっとも……教えてくれへんけど……はあぁ……♥」

「それは可哀想の」

 ぬちゃぬちゃと粘ついた音が二重に響いた。上と下。つまり、ぱん太郎の手としのぶの乳、そして秘裂と肉棒も、透明になりつつある精液にまみれ、白いあぶくだらけになっていた。ぱん太郎の精液はしのぶの蜜汁と混ざり合い、下向きに傾斜したまだ処女膜の破られてない秘洞の奥に流れ込んでゆく。

「技のひとつぐらい教えたっていいと思うの」

「そ、そうやろぉ……き、基礎練習ばっかりじゃ……つまらん……んんン……♥!」

 両乳首をクニクニとこね潰しながら、亀頭で陰核のある辺りを弄り回すと、しのぶのからだが仰け反ってビクビクと震える。

「ああっ、そこっ♥、そこあかん……あかぁんン……♥!」

 初めておぼえる快感に、悦びを隠そうともせずに浸る少女。まだ本当の快楽を知らない、青い性が昂ぶっているだけの情動。その恥じらいも躊躇いもないあけすけな痴態は、眺めているだけで新鮮な愉悦が走る。

 ほんの少し前まで淫交どころか性的な行為さえ知らなかったうぶな処女を、愛戯を駆使し淫らに悶えさせ、その火照るからだを直に肌で感じる。そんな目に遭わせる娘は、この少女で何人目であろうか。もう二十人にはなろうとは思うが、何人目であっても愉しいものだった。女にしてしまったらそのうち味わえなくなる、この瞬間だけの貴重なひと時であった。

 おまけに今、この腕の中で喘ぎ声を上げているのは、生唾ものの美少女だ。こんなに美味しそうなからだと美貌をもった娘に対して、ぬるま湯程度の欲望で済むはずがなかった。

 ぱん太郎はしのぶの双乳を乱暴に揉みしだきながら、こみ上げてきた射精感を押し止めることなく、

「可愛いのんっ、ボクもうイッちゃうのんっ♥!」

と、入り口に引っ掛かったら間違ってそのまま入ってしまいそうなほどに肉棒の往復速度を速めた。

 

 ヌ"チュヌ"チュヌ"チュヌ"チュヌ"チュ!

 

「あうっ、ああっ、ああっ、ああっ♥!」淫感に染まった顔で喜声を上げるしのぶ。「うっうちもまたっ、イクッ! イクゥッ♥!!」

「ほら口開けるのん、また飲ませてあげるのん♥!」

両脚でギュッと男の胴を蟹挟み、言うとおりに少女が唇を広げて舌を覗かせたのと、ぱん太郎の腰が止まって痙攣するのはほぼ同時だった。

「のうッ♥!!」

 

 ドビュッ!! ドビュビュッッ!!

 ビュルッビュルッビュルルルッッ!!

 ビュルン、ビュルン、ビュルルン!!

 

 剣士娘の厚く柔らかい淫貝。その濡れた肉粘膜のむっちりとした感触に挟まれ、しのぶの恍惚とした逝き顔を眺めながら、ぱん太郎は腰を上げて角度を変え、乗り出した身を両腕で支え、再びしのぶの乳や顔に浴びせかかるようにした。

 本当はしのぶの窪みに先端を当てて注ぎ込みたかったが、生の処女肉壺を堪能する前に中を精液まみれにさせるのは勿体ないと思ったのだ。

「あッ! あッ! あ~ッ♥!」

 しのぶは声を乱して張り上げた。瞼の裏で白い火花が爆ぜる中、あの熱く臭い粘液がまた飛んできて、顔といわず胸といわず夥しく打ち注いでくるのがわかったのだ。先ほどよりだいぶ間が離れているとは思えないほどの勢いで、叩き付ける速度が少し弱まっただけだった。

 

 ビュルルッ! ビュルルッ! ビュグンビュルンッ!

 

 みるみるうちにしのぶの腰から上が大量の白濁に塗り直されてゆく。

 口中にも何度となく打ち込まれていく。

 瞬く間に満ちる、噎せ返るほどの精臭。

 先ほどは飲みたくないと思ったはずなのに、しのぶは口を閉じることができなかった。

 エクスタシーが降りを迎えても、乳房が、股が、それしか感じないぐらいにズクズクと強く疼き、心身が広がっていくような心地よい感覚の中、たまらなく臭い匂い、張り詰めた剛塊から止め処なく続く放水に、陶酔感は醒めずたゆたうように残る。

 今まで経験したこともない世界。

 わけのわからない昴奮で胸がいっぱいになり、しのぶは、

「あァ……! あぁ……あァッ! ああァ~~~ッッ♥♥!!」

 裏返ってしまうのではないかと思うほどの高い嬌声を、その喉奥から漏れ響かせた。

 この場面だけ見れば、しのぶが処女であるどころかこんな行為は初めてだとは、とても信じられない光景であった。

 

 

 

 ビュク! ビュク! ビュク! ビュク――!

 

 しのぶの秘裂に押し付けながらぱん太郎の肉棒はそれからも盛んに白濁汁を打ち放っていたが、しばらくしてようやく鎮まり始め、ビクビクと数度、空打ちした後、やっと熄(や)んだ。

「ふう……」

 これはこれで充分気持ちの良い射精だったが、やはり膣内でメス肉に搾り取られるように射(だ)すよりはだいぶ量が少ない。

(そろそろこの子のナカで出したくなってきたのん♥)

 ぱん太郎はしのぶの様子を窺った。

 顔中から前以上の白濁の粘液を垂らしまくった剣士娘。弛緩したからだを震わせ大きく胸を上下させており、くちゃくちゃと粘ついた音を出しながら、惚け緩んだ表情でぱん太郎の精液を嚥下していた。

 素面の時の面影はもはやどこにもない。

 いい頃合いのん、と、ぱん太郎は心の中でほくそ笑んだ。

「どう、キミさえよければ、子作りの方法も教えてあげるのん」

「……えっ……?」

 甘美の熱で蒸された眼を上げ、しのぶはぱん太郎を見つめた。

「ボクはキミたちに子供を授けるよう頼まれてるの。どういう風に子作りするかも教えてあげられるのん」

 ぱん太郎の口調はまるでついでに持ちかけているようであった。

「こづくり…………」

 しのぶの脳裏に、先日の出来事が思い起こされた。妹のみことが妊娠したと知らせて来たのである。

 これで母親から実家の後を継げと強いられることはなくなったとホッとした一方、どこかそれを惜しむ気持ちがあった。

 みことだけでなく、今や村全体に妊娠出産が流行していた。娘たちが集ってする話といえばぱん太郎と子作りに関することで、好奇心から何度かその輪に加わって聞き役に回っていたしのぶも、

(ほう、ぱん太郎殿が我々に子供を授けて回っているのか……)

と、友人たちの態度を眺めながら感心した覚えがある。

 さらに別の記憶が蘇る。以前、母親の誕生日に後継ぎを贈ろうと行人に迫ったこと。隣で寝ていたすずに邪魔された上、なぜか行人も協力してくれなかったが……。どうやったら後継ぎ――いや子供が作れるのか、という興味もあったので、あの機を逃してついには知ることが出来なかったのは、残念な気がしていた。

 みことのおめでたを祝って家族が顔を揃えた日も、『どうせなら全員の孫の顔が見たいなあ。あんたらもきばりや。不毛な幸せばかり追いかけてたらいかんで』と、母親であるこころは残りの二人、特に長女のくないをジト目で睨みつけたものだ。

「こ、子供ができるなら、おかんが喜ぶわぁ……」

「なら話は成立のん♪」

「でも、どうやって作るん……?」

「それはボクに任せるのん」

 ぱん太郎はしのぶの乳の谷間を浸す白濁に指を付けて塗りたくると、それを潤滑液代わりにして少女の秘孔に挿れた。

 精液にまみれた指がいやらしく粘った音を立てながら、あまり抵抗なく、しのぶの陰裂に出入りする。

「あっ、あっ、ああっ……♥!」

 陶然と頬を染め、甘い喘ぎ声を上げるしのぶ。

「そう、力を抜いて……脚を開いて……カラダを開いて……ただこの気持ちよさだけを感じるの……」

 まるで呪文を唱えているかのように低い声で囁き、ぱん太郎は指を動かし続ける。

 ぬちゅぬちゅと音を立てていた肉園は、しのぶの奥から溢れてきた蜜で次第にちゅくちゅくと水っぽく変わり、ぱん太郎の指からも精液が溶け落ちて蜜にまみれ、滑(すべ)らかな動きになる。

 しのぶは甘く蕩けた淫声を張り上げ、ぱん太郎の言うままに脚を拡げ、胸を突き出し、四肢を震わせながらも脱力する。

 ぱん太郎はしのぶの股間に顔を埋め、今度は舌を使い始めた。

「あっ……はっ……んん♥! ああっ……んんぅん…………♥!」びくびくと悦びを走らせるしのぶ。「ざっ、ざらざらしてて気持ちええ……♥! もっと……もっとぉ……♥!」

 しのぶはぱん太郎の後頭部を押さえ、嬌態を振りまくようにして悶えた。

 ぱん太郎はその要求どおり、顔を擦りつけながら、長い舌を窄めてひたすらに淫口の内や外を掻き回し、あるいは舐めなぞり上げる。時にはわざと陰核を舌先でつんつんして、すっかり顔を覗かせた赤い木の芽に舌の腹を押しつける。

「ひ……っいぃ……あぁ~……ッ♥!」

 ぱん太郎の頭を抑える腕に何度も力が籠もり、からだをビクビクと弾ませながら、嬌声を上げるしのぶ。

 また、胸まで顔をもって来ると、下ではぬぽぬぽと指を出し入れしながら、固くなった丘の頂を唇に挟んで軽く持ち上げ、乳肉を波揺らして精液を飛び散らせつつ舌先でちろちろと戯れ、頭を横に振って唇の中で何度も擦り上げる。

「ああ、ああ、ああ~~ッ♥!」

 しのぶの腰が浮き、気持ちよさそうに遊泳する。脚はもうほとんど水平に開いていた。アソコはすっかり洪水状態で、表情は先ほどの乳辱の時と同じようになりつつあった。

 乳とアソコの二点を愛撫しながら、ついばみから貪るようなものに変わった接吻を交わすと、この辺かなと、ぱん太郎はしのぶの脚の間に戻った。

 隆々と勃ちっ放しの肉棒の先端を、少女のぐずぐずに濡れた秘陰に立て掛ける。

「じゃあいよいよのん。ボクのコレをキミのこの穴に出し入れするの。それが子作りの方法のん」

と、ぱん太郎はしのぶの肉穴に二本指を入れて動かしながら、もう片方の手で剛棒の根元をしごいた。

「あっ、あっ……♥! で、でも、そないおっきーの入らへんよお……!」

「ところがどっこい、これが入るんだな。確かに最初は大きすぎて痛いかも知れないけど、慣れてくると逆に気持ち良くなってくるぐらいのん♥」

「あ、あ、あ……♥ ほ、ホンマに……? ああっ♥!」

 陰部に刺激を与えられ続けているせいで頬は緩んでいたが、しのぶは不安そうな眼差しでぱん太郎を見た。

「本当のん。もう何人もの女の子が子作りしてるのはキミだって知ってるでしょ?」

「あ…………」

 そういえば――と、気付くしのぶ。梅梅を始め、何人もが赤ん坊を産んでいるし、他にも多くの娘が妊娠中だという。みことだってそのうちの一人だ。

「皆んな初めては痛がったけど、今じゃもう全然平気の。キミも大丈夫のん。皆んなを無事に孕ませてるボクが保証するのん♪」

 ぱん太郎は竹水筒を取って手際よく己が一物に潤滑液を塗ると、しのぶの脚を拡げて膝を進め、濡れそぼった陰門にぬちゅりと先端を当てた。厚い肉唇が美味しそうに先っぽを咥え込む。

「あ、あ……!」

「キミのココはもう準備おーけーのん。さ、やるのん♥」

と言って、あっさり一気に貫いた。

 

「――――――――~~~~ッッッッ!!!!」

 

 しのぶのからだが、秘奥の一太刀を喰らったように仰け反った。

 声にならない声。

 

「ののん……!」

 陰洞が肉茎を潰し裂かんばかりの圧力でぎちぎちと絞め寄せて来る。

 根元までずっぽりと埋まっていた。

「のの、初めてでこんなに入るなんて、よく育ったいいマンコのん♥」

 しのぶは返答するどころではなかった。あまりの痛みに全身を強張らせながら伸び上がったかと思うと、すぐに縮こまる。

「――くっ……うう……あッ……ああああ…………!!」

 何が起こったか分からないまま、しのぶは苦悶に呻いた。

 アソコが灼けるように痛い。鋭い痛みと重い疼痛がない交ぜになった、まるで火箸を無理矢理ねじ入れられているような感覚。

 みっちり拡がった結合部からつぷつぷと赤い雫が浮き出した。筋肉の痙攣で赤い玉は潰され、肉茎が破瓜の証で染まってゆく。

「股から力を抜くの。力が入ってると、余計に痛くなるのん」

 ぱん太郎はじっと動かずにしのぶの様子を見下ろしていたが、少女の表情がなかなか和らがないのを察すると、近くに放ってあった羽織の袖から潤滑液のものとは別の竹筒を抜き取り、ぽんと乾いた音を立てて蓋を外した。

 中には数輪の黄色い花が入っていた。

 一本摘み出すと、

「これを嗅ぐのん」

と、ぱん太郎はしのぶの鼻の下に近づけ、雄しべを軽く指で叩いた。

「……?」

 ほわっと舞った花粉を不思議そうな顔をしながらも吸うしのぶ。

 そうしてまたしばらくぱん太郎は動かずに何かを待っていたが、

「……あれ?」

と、首を傾げた。

 いつもならそろそろ効果が目に見えて現れてもおかしくないのに、膣内の温かさは一向に騰がらず緊張も少しも緩む気配がなく、しのぶの様子にも変化は起こらない。

「ど、どうしたん……?」

 しのぶが苦しそうなまま尋ねた。

「のの、じゃあもうひとつ」

 ぱん太郎はさらに一本取り出し、また嗅がせた。

「苦しさを和らげてくれる花なんだけど……躰が熱くなってこないのん?」

「と、特に……うう…………!」

「ありゃ……前にもいたの、まったく効かない子が。姉妹か何かのん?」

「だ、誰やそれ……う、うんン…………!」

「名前は覚えてないけど、おかんに毒をどーのこーのと」

「あ……ああ……それ……うちの妹や…………」

 末っ子のみことが妊娠したという報せを聞いた時は、さすがのしのぶもびっくりしたものだ。母は驚いた後、大いに喜んだそうだが。

 男はあまり好いていなかったのではないか、と後で本人に聴くと、「本当は殺す気でいたんやけど、成り行きでこーなってしもうたんや。しょうがないやん。ま、されてみると、自分も女だったっちゅーか、男もあんがいエエもんだったしな……。それに、りん姉ぇ様と一緒に子育てできるのはそう悪くないわ♥」と、意外と前向きな姿勢だった覚えがある。

「なるほどのん」ぱん太郎は納得したように頷いた。「それじゃあ仕方ないのん、普通にやるのん。ダイジョブダイジョブ、少し時間かかるだけだから。むしろ痛みは女になった記念のん♪」

 そう言うと、ぱん太郎はゆっくりと動き始めた。

「うああ……! うう……ううう…………!」

 少し往復しただけですぐに止めると、そのままで乳房に手を伸ばし、掌で双つ同時にこね回す。

「はあ……はあ……ああぁ……!」

 しのぶの表情がわずかに緩んだ。

「痛くても、なるべくカラダには力を入れない方がいいの。ゆっくりやるから、修行と思って堪えるのん」

 そう言って、ぱん太郎はしのぶの様子を見つつ、止まっては動き、少し動いてはまた止まってしのぶを労る、というのを続けていった。止まっている間は言葉をかけたり、精液の残滓を拭ったり汗で顔面についた髪の毛を取ってやったり、上半身をまさぐったり、陰茎や乳首を軽く刺激したり、髪をなでたりと、腰を動かしていない時の方が忙しなかった。

 女を虜にする自慢の剛物も、経産婦ですら充分に濡らしてから入れないと痛みを与えるだけなのが難点であった。未通女(おぼこ)の娘には辛すぎるものがある。面倒とも思える時間であるが、ここでただ抜くためだけに一方的に動いて射精しても、みすみす名花を毟(むし)り手折るようなものだ。女としてふくよかに開花させた先に、男も本物の淫欲を得られる。

(急がば回れのん……♥)

 そう思いながら、ぱん太郎は焦らずにじっくりとしのぶの緊張をほぐしていった。

 その甲斐あってか、ゆるやかにであったが、しのぶの苦痛の表情は徐々に和らいでゆき、ぱん太郎がピストンできる時間がわずかずつ増えていった。

 ヒダがけっこう深く、引き抜く時に快感を抑えるのがひと苦労であった。

 すずを思い出す。あの少女の膣はどこまでもヒダヒダが続いている上、あらゆる方向から吸い付いてくるような信じられないほどの心地であった。あそこまでとはいかないが、申し分ない上々の性器だ。

 ぱん太郎は頭を振って青リボンの少女の姿を払った。

(のの、今はこの子を抱いてるのん)

と、しのぶとの交合に神経を集中させた。

 こうして静かに性交していると、寝具の中に熱が籠もってくる。躰を洗っていないと尚更で、大して動いてなくとも汗だくになる。だが、鼻腔まで立ち昇ってくる、男女の体温で混ざり合った淫臭は、この上ない香気であった。昴奮を掻き立てられずにはいられない。腰の動きを急加速して今すぐ女の中で放ちたいという甘美な欲望が何度も鎌首をもたげ、急き立てるように囁くのだ。

 しかし、ぱん太郎はそれを押し止め、下に組み敷く娘の表情を見る。

 淫臭に当てられているのはしのぶも同じであった。苦痛の歪みや呻きはどんどんと鈍くなってゆき、頬は薔薇色に染まり、潤んだ瞳が艶めかしく映って、何とも言えない顔になってきている。

 半刻も過ぎると、肉棒の出し入れもだいぶスムーズになってきた。

 側位で少女の片脚を肩に掛けながら緩やかに腰を動かしていると、ピクリと反応した箇所を見逃さず、その辺りを重点的に突いていく。

 途端にしのぶの喉から悩ましい喘ぎが漏れる。

「ここイイのん?」

 そう訊かれると、しのぶは目を瞑ったまま、コクコクと頷いた。

 その後も続けてそこを中心に責めてゆくと、明らかにしのぶの反応が変わってきた。

「あっ……あぅ……あっ……あっ……♥」

 苦痛とは違うからだの強張り。鈴を鳴らすような高い声。目尻が緩み、光の粒が漏れる。

 肉棒の抽送がさらに滑りよくなった。秘洞に滲み出る愛液が増したのだ。

「速くしても平気そう?」

「え、ええよ……」

「じゃあいくのん」

 ぱん太郎はしのぶの肉孔の奥まで淫棒を突き埋め、小刻みに忙しなく動き始めた。

 腰と腰がぶつかり合い、パンパンと乾いた音がひっきりなしに立つ。

「ああ、ああ、ああ、あああぁッ♥!!」

 しのぶの喉から漏れた声は、紛れもなく潤みを含んでいた。

 

 みゃーは相変わらず、同じ場所でじっとしながら二人が絡み合う光景を見下ろしていた。

(うわあ…………)

 開いた口が塞がらず、ひとときも目を離せない。

 ぱん太郎がいよいよ本格的なピストン運動を始め、横を向いたしのぶの上体が、乳房が、忙しなく揺れ、武術を嗜む娘とは思えないほどのだらしない声を張り上げる。

 緩急やひねりをつけながら、側位か正常位でひたすらに突きまくるぱん太郎。たまにぱったりと止まる時があるかと思えば、しのぶの背に回って添い寝しながら胸を撫で揉み、キスを交わした。ぱん太郎と何遍も接吻し、そのたびにうっとりと惚けるしのぶ。そしてぱん太郎が元の位置に戻って再び抽送を開始すると、より淫らな声を上げるのだ。

(それにしても、意外ね……)

 だまくらかしてコトに及んでいるくせに、ぱん太郎がこれほどしのぶを気遣うのはみゃーの想像になかった。

 東のぬしという印象からして、甘言を弄してひとたび床に入ったら正体を現し、もっと強引に手籠めにするものかと思っていた。それでも男に免疫のない娘たちはコロッと参ってしまっているのでは、と。

 だが存外、いや……かなり優しくしているようにしか目に映らない。

 娘が苦痛や悲しみで泣き出してしまうようなことでもあれば、術をかけて懲らしめようと思っていただけに、肩透かしを喰らったような気分だった。

 みゃーも初めての時は痛くて大変だったが、しまとらは優しくやってくれて、一つになれた嬉しさでいっぱいだった。ただ、今思い返してみれば、しまとらは気を遣ったというより淡泊だっただけのような気もする。行為自体は三十分ぐらいで終わった。猫の交尾などそんなに長い時間はしないし、最後はいつも痛いのだが……。

 それ以降、片手で数えられるほどしかしていない。

 なんとなく……下にいる少女が羨ましく思えてきた。

 蒲団の中では、二人の性交が以前続いている。

 しのぶは段々と様子を落ち着かせてきていて、苦痛とは言えない反応が占めるようになってきていた。

(あんな馬鹿みたいに大きい陰茎を突っ込まれてるのに……)

 ぱん太郎の赤黒い長太竿が転(まろ)び出たとき、それに射精のときも、そのあまりの野放図さにみゃーも声を上げそうになった。

(まあ、ずいぶん時間をかけてアソコをほぐしてたみたいだけど……)

 尻を浮かせてのうさぎ座りをしていたみゃーは、股布部分にそっと指を触れた。

 ――少し湿っていた。

 ピクリ、と動じるみゃーのからだ。

 微かにズクッと疼いたのだ。

(ん…………)

 頬が熱くなる。まだ滋養料理の効き目が衰えていないようだった。

 ああっ、と、下から艶めかしい淫声が聞こえた。いちだんと感じ始めた声の響き。

 ぱん太郎が覆い被さるように重なり、その躰にしのぶの手脚が絡みついていた。

「あ、あ、あ、あ、あ、あッ♥!」

 羞恥を帯びた半眼でそれを見つめながら、みゃーは先ほどと同じ部分を布の上からまさぐり出した。

 

 ぱん太郎は徐々に最後に向けての動きに移っていた。

 今までにないほどのストロークで肉壁を擦られ、深いところを小突かれる少女。極太の鉄塊に掻き回されているような痛み、そして腹底に当たって内臓を押し上げられるような感触に、しのぶは息苦しい辛さを感じたが、我慢できないほどではなかった。むしろ、ナカを、オクを、もっと擦ってほしいという切なさが湧き出てくるのだ。

 胸や秘裂を弄られる甘い蜜のような悦感とは違う。苦しいのに、この刺激を躰の奥底が求めているような感覚。

 しのぶの顔つきに苦痛よりも陶酔感が色濃く出始めたのを見て、ぱん太郎は舌なめずりした。

 この娘の心にあるあの男の大きさは、どれぐらいであろうか。

(これからは、ボクが代わりに占めることになるのん♥)

 心も、そして躰も。肉欲の海にいやというほど沈めて快楽の虜にし、膣内で射精を受けなければ満ち足りないからだにしてやる。この肉棒と精液だけが頭を占め、いくら妊娠しようが欲しくてたまらなくなり、気付いた頃には淡い恋心など何処にいったのかわからなくしてやる。

 ぱん太郎の体内に愉悦が満ち、昂ぶる淫気に逸物がさらに肉幅を広げた。

 しのぶのからだが強張り、膣がキュウッと締まる。それは意識した締まり方ではなく、動きの変化に対する肉体的な反応に過ぎなかったが、処女穴の固い隘路はぱん太郎にたまらない気持ちよさを与えるばかりであった。

 少女の膣の変化を感じ、ぱん太郎は止まらずに突き進んだ。

 正常位に体勢を固定すると、しのぶのからだに密着するように重なり、さらに激しい抽送を続ける。

 

 グチュッ! グチュッ! グチュッ! グチュッ!

 

「あっ、あっ、あっ、あっ♥!」

 ぱん太郎の躰にひっしとしがみつくしのぶ。

「ののん、ののんッ♥! しのぶちゃんに赤ちゃんあげるのんッ♥!」

「あ、あ、あッ♥! あ、赤ちゃんちょうだいッ♥!」

「そうのんっボクの子種しっかり受け取って赤ちゃん産むのんッ♥!!」

 ぱん太郎はしのぶが痛みを覚えない限界までぐっと押し込むと、そこで絶頂を迎えた。

 

 ビュグッッ!! ビュグッ!! ビュグッ!!

 ビュグビュグビュグッッ!!

 ビュグビュグビュグンッビュグンッビュグンッ!!

 

 

「あはあああアアッッ♥♥!!!!」

 しのぶはぱん太郎の背に爪を立て、伸び上がった両脚を痙攣させながら、大きな叫び声を上げた。

 奥の壁に当てられた先端から、本体に負けないほど熱い何かが迸る感触がありありと分かったのだ。

 その熱さはすぐに膣全体に広がり、その直後、ぱん太郎と繋がった部分からゴポゴポと白く濁った汁が溢れ出てきた。先ほどしのぶの顔と胸にいやというほど浴びせかけられたあの粘液だった。

 灼熱の塊がかなり奥まで入ってきたかと思うと、さらに膨れあがり、まるで破裂し始めたかのような強い脈動。

 あの白濁液が自分の胎内の最も奥まった場所で噴き出し、お腹の底に叩き付けられているのがいやというほど感じられた。

(ああああ……♥! ふっ、噴火してるみたい……♥!!)

 止まっていれば奥に当たっていてもさほど苦しくない。固い肉茎が弾けるように暴れ、熱い体液が膣の底に叩き付けられる感触が心地よかった。

 なぜだかわからないが、今まで以上におかしな気分になる。一種の満足感のような、幸福感のような、ふわふわした――

 でも、そんなことどうでも良かった。

 お腹の奥の熱い脈動を感じていたい――!

 それが、今のしのぶの正直な心であった。

 

 ビュクン、ビュクン、ビュクン……!

 ゴププ、ゴプゴプゴプ……

 

「あ、あ、あ…………♥!」

 挿れはじめの頃の痛みに満ちた表情はどこへやら、まだ完全には苦しそうな気配は去ってなかったが、しのぶは目の下に快美感を走らせながら瞼を閉じ、四肢に力を籠め、じっとそれを受け止めていた。

 

 ぱん太郎はぱん太郎で、幸福の絶頂に包まれながらしのぶの中に精子を放出していた。

 他の男を意識していた生娘の初めてをいただき、その胎内に初めての子種を与える快感は、何度経験しても飽きることはない。寝取って女にした娘を、さらには孕ませんとする重層行為。目が眩むほどに昴奮した射精は、その濃度も量も飛び抜けて多くなり、いつまでも際限なくびゅるびゅると処女“であった”胎内に注ぎ込まれてゆく。

 腰が抜けるほどの心地よい射精感。女を孕ませたくてたまらないという意志と欲望。それに従ってもう実際に何人も孕ませているというのに、今だその情動は昇華されるどころか、むしろ益々磨かれて強くなっていく気がする。

 ぱん太郎はしのぶの子宮口の感触に気付くと、しのぶの腰の高さと挿入を調整して当たる場所を変え、そのコリコリした部分に引っ掛かるように押し当てた。

 

 ビュグッ! ビュグッ! ビュグッ!

 

 しのぶの子宮口に直接ぱん太郎の精子が吹きかかる。

「ん、ん、んんン…………♥!! あ、熱いのが……きてるぅ…………♥!」

 ピクピクとからだを震わせながら、唇から熱い息をこぼすしのぶ。

 西への出入りが解禁したばかりの頃のぱん太郎は、全ての女を自分のモノにしてしまおうなどという画(え)は思い描いていなかった。少なくとも本気では。それよりも、どんな女でも引っかけていいという夢のような話に舞い上がって、考えるより先に手当たり次第に声をかけまくっていた。そうして一人、また一人と手を付けてゆき、その数が把握しきれないほどになった時、もしかしたら――と、頭の隅によぎるようになったのだ。

 その時点で既にもう十人以上を虜にしていたのは確かだった。村の女すべて、と言っても、老女を除けば娘と母親が半々ずつほど、せいぜい四十人程度である。一日に何人相手にしようが満足させる自信は充分にある。時間に限りがあるわけではない、持ち回りの当番制にでもして無理をしなければ充分手が届く数だ。

 むしろ、孕める女はすべて孕ましたい、とさえ思うようになった。娘だろうが母親だろうが関係なく、女たちはすべてがぱん太郎の血で繋がった兄弟を孕み、産む。すべての女の秋波が向けられる男は己のみという環境を完成させた時、どれほどの愉悦が味わえるだろうか。

 ぱん太郎は果てしない気持ちよさを覚えながら、しのぶの胎内にどくどくと濃厚な精子を注ぎ続けていた。

 ひとつの光すらない真っ暗闇の中、触感に全神経が集まる。年若い娘の抱きごこちは最高、いや、母親世代の成熟した肉体も一度抱き始めたら離しがたいものがあった。

 あの小僧にくれてやる女など一人もない。

 行灯の灯火は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  5

 

 

 その後、後戯を挟んでぱん太郎はしのぶを四つんばいにさせ、今度はバッグから突き入れた。

 しのぶももはや当初の目的など忘れ、今の行為にのめり込んでいる。ぱん太郎の命令に従い、手足をついて尻を上げるのに何の躊躇いもなかった。

 

 ズチュ……ヌチュ……ズチュ……ズチュ……

 

「あっ、あっ、あっ、あっ……♥」

 最初はゆっくりと出し入れする。始めの数回で精嚢の底部までネトネトになるほどの精液が掻き出されてきた。

 もともと出血量も少なかったようで、処女だった赤い痕跡はもうどこにもない。

(花が効かなかったにしてはイイ出来具合のん……♥)

 膣内はまだ固さが残っていて、突く角度や経路が悪いと痛がったりする。だが、後は経験を積んで慣れていけばいいだけであった。まだ二回目の挿入でこの受け入れよう、悦びようである。この娘は特にのめり込んでいくような気がした。

 乳撫も交えながら、しのぶのからだをじっくりと責めてゆく。

 

 ズチュ、ズチュ、ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ……

 

 白い影しか映らない闇。だが視覚が無い分、繋がっている部分と相手の存在感が増し、かえって淫らな集中力が高まった。

 それに、ぼんやりとしか見えない女体のくねりも、この上なく艶めかしく映る。

「ん……あ……あ……あぁ……♥!」

 しのぶの淫声も彼女の愛液同様、粘りついたものを帯びているようであった。

 平素はあんな涼やかな眼をした素朴な少女が、今や淫感に支配され、蕩けた顔で突かれるがままに媚声を漏らす。ぱん太郎は愉悦が止まらなかった。

 言葉もなく躰を重ねる二人。

 濃密な時間が、いや時さえも濃密な闇に溶け、感覚だけが、淫らな快楽だけしか感じられなくなる。

 深い肉襞がカリ首に絡みつくように巻き込むたびに、ぱん太郎は心地よい呻きを上げた。

 しのぶのアソコはいよいよ熱く昂ぶり、秘肉が踊りを覚え始めていた。肉棒が引き抜かれるたびに蜜汁がこぼれ、双眸からも雫が溢れる。

(すごい、すごぉい……♥!!)

 しのぶは夢中であった。

 今まで感じたこともなかった気持ちよさ。

 からだが欲していた。さっきまで引き裂かれそうなほど痛かったはずの異物挿入を、疼きまくるアソコが求めていた。痛みの向こう側に広がる快感。しのぶは何の疑いもなく、何も考えず、ただそれに従うだけであった。

 生殖快楽の本能に目覚めた少女のからだ。その美味を、ぱん太郎は何ものにも邪魔されることなく心ゆくまで食していく。

 闇の底で、一つの無垢な肉体が、まるで別もののように作り替えられてゆく瞬間だった。

 

 さらに四半刻も過ぎた頃になると、少女の秘孔はもうすっかり熱くほぐれ、ぱん太郎の肉棒をねとついた媚肉で迎えていた。

 しのぶは腕に力が入らず、枕を掻き抱いてすすり泣くようにぱん太郎の抽送を感じていた。

 その腕を後ろに取ると、ぱん太郎はしのぶの上体を吊し上げ、密着するまで押し入れて肉壺を掻き回し始めた。

 

 ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ! ズチュッ!

 

 生意気なほどに上を向いた丸々とした乳房が激しく揺れる。腕で支えられない分、脚に力が入り、アソコが締まって感度が増したような気になる。

「あッ♥! あッ♥! あッ♥! あッ♥!」

 蕩けた表情。泣き腫れた目を瞑りながら、しのぶは口をだらしなく開き、パンパンと乾いた音を立てて腰を打ち付けられる度に鼻にかかる甘い嬌声を上げ、男の怒張を膣いっぱいに受け止めた。肉棒は少女の蜜液で濡れぼそり、その肉身を現すたびにいやらしいてかりを見せ、再び淫猥な音を立ててしのぶの中に入ってゆくのだ。

「んああ……♥! あかん……あかん……また……なにかくるう…………♥!」

 まだぎこちないが、しのぶの膣内(なか)がうねり出しているのが分かった。

 中逝きの気配を感じ、ぱん太郎はしのぶの腕を取った姿勢のまま、腰の動きを速めていった。

「じゃあボクもイクのん、しのぶちゃんのナカでまた種付け射精するのん♥」

 

 ズチュ、ズチュ、ズチュ、ヌチュ、ズチュ、ズチュ!

 

「お、お、お、おおぉッ♥!」

 しのぶの乳揺れも速度を増す。キュウキュウと締まりながらうねる膣。

「あかんっ、もっ、もおイクッ、イクッ♥! イクゥーーーッ♥♥!!」

「のうん!!」

 その瞬間、二人のからだが張り詰めて動かなくなり、ビクビクと強く震えた。

 

 ビュルルルーーーッ! ビュクッ! ビュクッ!

 ビュググンッ! ビュグン! ビュグン!

 ビュクッビュグッビュグッビュクッビュグッ!

 ビュルンッ! ビュルルッ! ビュルルルッ!

 

「ァ――――ァ――――♥!!」

 一度目より勢いも濃度も増した膣内発射であった。確実に孕みそうなほどの、いや、こんな射精をされたら孕む以外にないほどの精液がしのぶの胎内に満ち満ちてゆく。

 風船のように膨らんだ膣底が濃厚な白濁でみるみる増水し、それでもなお、しのぶの奥壁に、子宮口に、息を呑むほどの勢いで精子が叩き付けられる。

「んんん……おおお……♥♥!!」

 折れんばかりに背中を弓反らせて震えるしのぶ。四肢を痙攣させながら、遠い目つきでぱん太郎の射精を感じ続けていた。肉孔を埋(うず)める漲りまくった剛棒が必殺の奥義を放つように、休む間もなく次々と熱い子種を打ち出してゆく。

(――気持ちエエ―──―♥!)

 極太肉棒の大波のような力強い脈動、びゅるびゅると胎奥に打ちかかる精液の感触が最高だった。

 精液を少しでも逃さんと締まる膣の底で満杯になったオス汁が、最初の時よりも昴奮で拡がった子宮口を通り、さらに大量にしのぶの子宮へと流れ込んでゆく。男の体液を迎える用意が調(ととの)った子部屋は、新たに入ってきた精液に、まるで歓んでいるかのように蠢き、その動きでまたさらに精液が増加され、先に入ってきていた精子も奥へと運ばれる。

 ぱん太郎ももぎ取られそうなほど強い締まりに包まれ、搾るような蠕動を始めたしのぶの肉粘膜の感触に、熱く溶けてしまいそうな心地で精を放っていた。

(これこれ、これのん♥! 男の精を貪り取ろうとするいやらしいメス肉の動きのん♥)

 だが生憎、彼の肉棒は搾っても搾っても搾り尽くせないほどの精力が漲る根源だ。

 手の置き場をしのぶの両乳に移し、いやらしくまさぐりながら、絶頂からやや気を取り戻したしのぶと、肩越しに唇を重ね、舌をねぶり合う。まだ、孕まし汁は放ち続けられていた。

「元気なボクの赤ちゃん孕むといいのん♥」

「ン、ン……♥」

 ぱん太郎が射精のタイミングに合わせて奥を小突くと、しのぶもそれに合わせて腰をくねらせる。本人が意識しないうちに、そのからだは官能的な仕草を覚えていく。

 しのぶは快楽にけぶった目で頷くと、またぱん太郎の唇を求めて吸った。

 時の流れを失った漆黒の中、永遠とも思える時間。

 二人はずっと繋がっていた――。

 

 まだやる? と訊かれてそれにも頷き返したしのぶを、ぱん太郎は対面座位で三度抱き、また喘がせ始めた。

 トントンと軽く浮かせる程度のテンポでも、しのぶは、すごい、気持ちええ、と何度も連呼して手脚をひしと絡みつかせ、乳房を男の胸板に擦りつけながら喘ぎ、ぱん太郎の首や肩に幾つものキスマークをつけ、蜜の溢れる発情した雌肉で肉棒を巻き付くように搾り包んだ。

「とっても気持ちよさそうのん♥」

「ああ、ああ、ああ♥ こ、こないなの初めてや……♥ こづくりがこない気持ちええことやったなんて……ああ、ああ、あぁン……♥!」

「ぬふふ、これからもたっぷりしてあげるのん」

「ほんま……? う、嬉しい……♥」

「その代わり、キミもちゃあんとボクの子供を産んで村に貢献するのん。これはキミとボクの仕事なんだからね。これからもいっぱいボクの精子をしのぶちゃんの子宮にびゅるびゅる注いであげるから、ナカでしっかり受け止めるんだよ♥」

「うん、受け止めるぅ、いくらでも受け止めるぅ♥」

 ほとんどの時間、言葉を忘れたように呻き声を上げながら交わっていたが、ぱん太郎としのぶはこのような会話もしていた。

 最後はぱん太郎に強く抱きつき、押さえ込まれた腰をビクビクさせながらしのぶは三回目の膣内射精を受け止めた。膨張した子宮口に亀頭を押し付けられてびゅうびゅうと子宮に精子を注ぎ込まれながら、悶えきったか細い悲鳴を上げていた。

 さすがに体力に限界が来ていたようで、その後は横になったかと思うと、すぐに寝息が聞こえてきた。

 ぱん太郎もしのぶの頭の下に腕枕を通しながら、「おやすみのん♪」と、掛け布団をかぶった。

 

 二人が寝静まると、みゃーはそっと天井から降り、音も立てずに戸を開けて屋外に抜け出た。

 辺りは一面真っ暗で、空を仰いでも夜明けまでの時間もわからなかった。

 ゆるゆると長い息をつき、立ち去ろうと一歩踏み出したみゃーは、

(そういえば……)

と、廃屋を振り返った。

 ここに来る前のぱん太郎の言葉が蘇る。

 

『――何日か集中的に修行すれば、多少は変われるかもしれないの――』

 

 ごくり、と唾を飲む。

 もしかして……起きたら……また……?

 閨事など何も知らなかった娘が、一夜にしてあそこまで変貌させられたのである。

 あんなコトを何日もされ続けたら、いったいどうなってしまうのか――

 みゃーは太ももをもじもじとさせた。長時間弄っていたせいで陰部はトロトロになり、水分を吸った布がふやけて冷たくなっていた。

(だ、だめよ……これ以上見てたら、本当に私までおかしくなっちゃう…………)

 そう首を振ると、踵を返して森を後にした。

 

 

 

第10話に続く)

 

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最終更新:2018年09月30日 19:58