ながされて藍蘭島エロパロSS

 

『寝取られて』 第6話

 

 

 

 

 

 

 

 

  1

 

 

 その日、オババの姿は珍しく島に1つしかない洋館にあった。

「それにしても、オババ様も洋書を読むんですね」

 応接したしずかがおっとりと笑う。

「何を言うか。儂はこれでも西洋の医術を学びに大海を渡った身じゃぞ。若い頃は夜を徹して異国の医書を読みふけったものじゃわい」

「あ、そういえばそうでしたね」

 そこにぱな子さんが客間へ現れ、手に持ってきた本をオババに渡した。どっしりとした装丁と横文字のタイトルの古そうな本であった。

「ちかげさんに教えて貰いましたから、私でも探せました」

「おおすまんな。当のちかげはどうしたのじゃ?」

「それが、今、寝込んでまして……」

 なぜか顔を赤くしてもじもじするぱな子。

「ん、風邪か何かか? ワシが診てやろうか」

「ホホ、違いますのよ。お恥ずかしながら、昨日、東のぬし様が来たものですから……」

「ああ、そういうことか」

と、納得顔で頷くオババ。

「ちかげですらもそーゆーコトを憶えたか。こりゃますます産術に磨きをかけねばのう」

「またお産が近い子がいるんですか?」

「いやまだじゃが、もう何ヶ月かすれば一気に来る。じゃから、今のうちにもちっと外来の分娩術を学び直しておこうと思ってな」

と、オババは渡された本を持ち上げた。産科学に関する書物であった。

「まあ……そんなにおめでたさんがいるんですか?」

「おう、続々と出てきとるぞ。取り上げ婆としては嬉しい限りじゃよ。長年の悩みが解消されたわい。これであと10年は存命できるかの」

 オババは破顔しながらそう言った。

「……」

 その時、しずかが腹部にそっと手を触れたのを、オババは見逃さなかった。

「なんじゃ、お前もか?」

「あ、いえ――」

と、しずかは首を振ったが、決まり悪そうに身じろぎした。

「お恥ずかしいですわ……。実は……東のぬし様がここへ来るようになったのも、ちーちゃんがあの方の秘密を暴くとか何とか言って、うちに招待したからなんですよ。心配してたんですが、案の定、食べられちゃいまして。――で、ちょっと娘の初体験を陰ながら応援してたら、その……。あの方があんまりに凄いものですから、私も悪い心が生まれてしまって、つい、むらむらと……。
あの人に申し訳が立ちませんね…………」

「ほう……。だが気に病むことはないぞ。村の将来のために協力せよと言ったのは他ならぬ儂じゃからな。ぱん太郎殿の御種を授かる者が何人出ようが、むしろ大歓迎じゃわい。儂らが大事にせねばならぬのは、消息もわからぬ男達に対する貞操ではない。今ここにある村とおぬし達の幸福じゃ。それに、」

 フヒヒ、と笑うオババ。

「女盛りの母親(おまえ)たちの方がある意味辛抱たまらんじゃろう?」

「もう、オババ様ったら、そんな風に……。……でも……。そう言っていただけると救われる気がしますわ」

「特殊な事態じゃからな。母親の世代であろうと、まだまだ現役じゃ。遠慮することなくぱん太郎殿と懇(ねんご)ろになればよい。懐妊しても儂に任せよ」

 しずかの視線が落ち、頬が薄紅色に染まった。

「オババ様の前だから言えますが、あの方、評判通り凄いですね……♥ 皆が皆ハマってしまうのもよく理解できました。実は昨日も、私も混じって今朝方までちーちゃんと二人ともに狂いっぱなしで……♥」

 

 ぱん太郎がぶらっと現れたのは昨日の暮れ時で、ちかげは目を輝かせて家の中へ招き入れた。夕食を振る舞った後、しずかも誘われて三人で風呂に入り、そこから性の時間となった。

 この洋館の母娘はかなり似通っていた。顔のかたちや髪の揃え方が同じ上に眼鏡を掛けているところからしてそっくりで、そのからだつきも似ていた。少女と熟女という体型差こそあれ、並んで立つと血を分けた親子だということは瞭然であった。乳房のボリュームはさすがに母の方が勝っているが、どちらも同じ半球型。両者とも尻の肉付きは薄いがたるみはなく、男を誘うラインは十分に形作られていた。

 ちかげは、「これは本土にあるお仕事ですの」と言って、ぱん太郎を敷物に寝かせると、石鹸を塗りたくって泡まみれにした自分のからだを使い、彼の躰を洗い始めた。また妙な本を読んだのねと思いつつも、しずかもやらされ、母娘で左右に分かれてぱん太郎の躰を挟み込んだ。

 やってみると意外と面白かった。

 男の太股に陰部を擦りつけると、ぬるぬると滑るので気持ちが良い。

 二人一緒に石鹸をつけた手で男根と精嚢を嬲ると、ぱん太郎も気持ち良さそうにのんのん喘いだ。

「躰も洗えるし気持ちも良くなるし、一石二鳥ですわね。これを考えた人は天才ですの!」

 何を言い出すのやらと娘を心配そうな目で見るしずかであった。

 気分が高まってくると、ぱん太郎はちかげをまたがらせ、

「お返しにナカを洗ってあげるのん♥」

と、騎乗位で腰を落とさせた。

 石鹸で滑りやすくなった肉根がちかげの中にするすると埋没する。まだ経験回数の少ない少女にとってはそれでも十分すぎる淫激だったらしく、ちかげは媚声を上げて全身を震わせた。

 最初は主にちかげの思うように動かさせ、少女が当たると気持ちいい部分を見つけて腰回しに夢中になってくると、そこからはぱん太郎も参戦してちかげを悶えさせた。

 石鹸とは違う蜜のような汁が少女の中から溢れて二人の下腹部を濡らし、パチュパチュと粘性のある水音が立つ。

「んっ……んっ……あっ……♥」

 甘美な淫惑に喉を震わす少女。

 ぱん太郎の運動は緩やかだったが、しっかりとちかげの気持ち良い部分を捉え続けていた。

 途中、気分転換に体位を変えながら時には激しく責め、また騎乗位に戻り、さらに十数分も経つと、ぱん太郎の腰の振りはかなり大きくなっているのにも関わらず、ちかげは少し苦しそうながらも受け止められているようになっていた。

 その頃にはもう、ちかげは顔を真っ赤にさせて涙を溜め、喘ぎまくっていた。

「あっ、あっ、あっ……♥! わ、わたし、もう……だめですの……♥!」

 ちかげの膣運動の変化を察していたぱん太郎は、突き上げながら尋ねた。

「最後はどんな体位がいいのん?」

「あ、あ、……せ、正常位で……♥」

 少女の要望通り上下逆になると、その腰を掴み、一気にラストスパートに入った。

 ちかげは泣き悶えながら声を上げる。

「あっ! あっ! ああーっ♥!」

「のん!」

 ちかげが弓反りながら絶頂を迎えるのと同時にぱん太郎の肉棒が爆発し、濃厚な精液がちかげの膨らんだ膣奥にどくどくと溜まってゆく。

 終わらない射精の中、ぱん太郎は限界まで深々と挿し込み、ちかげの子宮にも己の遺伝子を思う存分に注ぎ込んでいくのであった。

 

 次は母の番であった。

 若い頃に忍びとして鍛錬したしずかのからだは、子を産み三十路を越した今でこそ年に応じた体型ながらも、しなやかな筋肉は健在で贅肉も少なかった。細く見えてもその実、肌に触ってみるとその下に隠された張りのある弾力に驚く。

 そんなしずかのからだを、ぱん太郎は心ゆくまで味わった。

 泡踊りと娘の性交観察で昂ぶっていたしずかのからだは、すぐに燃え上がり始めてしまった。

「ああっ! ああ~っ♥!」

 お腹の奧が熱く潤んでいる。抑えようにも、ぱん太郎の逞しい巨根と精悍な責めの前には脆くも崩れ去ってしまう。

 この男の性豪ぶりはもう既に体験済みであった。今日はどれだけ肉欲の海に沈められてしまうのだろうと思うと、からだの芯が溶けるように疼いて仕方なかった。

 最初は娘と同じく騎乗位から始まり、盛り上がってくると何回か体位を変えながら、ひたすら欲望の赴くままに絡み合った。

「のふふ、やっぱり子供と違って蜜液の湧く量も段違いのん。キミのオマンコ、もうスケベ汁でビショビショのん♥」

 腰を振りながらそう喋るぱん太郎。

「あ、あ、あ、あ……♥ そ、そんな風に言わないで……♥」

「恥ずかしがらなくていいのん。正直に欲しがればいいのん♪」

そう言うと、ぱん太郎はしずかの深いところまでさらに突き入れ、子宮を小突き上げた。

「ああ、ああっ、ああ~~♥!」

 ぱん太郎の上になり下になり、固く反り返った肉棒でさんざんに掻き回され、貪られ、その気持ちよさにすっかり女肉を発情させられた末に、最奥まで突き上げられてどくどくと子種を子宮に注がれた。

「あああっ――♥!」

 ぱん太郎の雄魁に膣いっぱい征服された上、はっきりと感じられる中出しの感触がたまらなく善く、肉棒が暴れる度に奧壁を叩く射精の力強さに、しずかはからだを震わせながら恍惚の表情で悶えた。

 夫ではない男に孕まされているとわかっていても、腰を離すことができなかった。

(ごめんなさい……ごめんなさい、あなたあ……♥)

 

 その後も風呂の中で親子並んで官能に喘ぎながら二度三度と注ぎ込まれた後、湯にのぼせたような状態で寝室に移り、さらに本番が始まった。

 本で得た知識だけは豊富な二人だったが、ぱん太郎を相手にするとそんなものは吹き飛んでしまい、ほとんど本能に従うままに享楽に耽るだけであった。

 ぱん太郎はダブルパイズリから親子丼まで、母娘揃った奉仕を色々と命じて楽しんだ。

 夜半過ぎ、三度目の大波を被ったちかげが気を失ってリタイヤすると、しずかは一人でぱん太郎の相手をすることになった。

ぱん太郎はこの家は幾つも部屋があって面白いと言い、しずかに館を案内させながら、その場ごとに彼女を抱いた。ダイニング、台所、客間、書斎、地下書庫、階段などなど、一度放ってから駅弁状態で次の場所へ移るのだ。

 二人が通った所には白く濁った跡が点々と続いた。

 ぱん太郎の無尽蔵な精力に驚きながらも、しずかは痴態を曝け出してしまうのを抑えられなかった。

 嬌声は途絶えることなく淫らに深まっていくばかりであった。

 夫の匂いがあちこちに残る書斎では、机に手を付いて立ちバックで犯されると、しずかは倒錯した感情で他の場所以上に乱れ喘いだ。

 硝子窓の外の闇に顔を向けながら、

(ごめんなさいあなた――! でも、これ、これ、すごくきもちよくて止められないのぉ……♥!)

と、突かれる度に全身を駆け巡る快美感に、もはやしずかの目の焦点は定まってない。

 そんなしずかの様子と締まりの良くなった蜜肉に気付いたぱん太郎が、さらに抽送を速め、これでもかというぐらい肉壺を掻き回していく。

「ああっ、ああっ、ああっ、ああぁっっ♥♥!!」

抑えきれない肉悦が溢れるままに、しずかは悶えまくる。

 どうしてこんなに気持ち良いのかわからない。

 わかろうとする思考が働かない。

 あるのは快感だけ……!

「イク、イクッ、イクゥッ♥!」

「のうんッ!」

 二人は同時に絶頂に達し、その瞬間、しずかの頭の中は完全に真っ白になった。

 これでもう十回目にはなるだろうぱん太郎の射精は、その勢いをまったく衰えさせることなく、しずかの胎内に濃い精子を撒き散らしてゆく。

 収まりきらず、ボトボトと床に垂れ落ちる白濁の塊。

「──ハァッ、ハァッ、ハァッ……♥」

 こんなに感じるなんて、生まれて初めて――

 絶頂が引いた後、机に突っ伏して喜悦の涙や涎を流しながら、しずかはそう思った。夢中になる女が絶たない理由がわかった気がした。ましてや、男を知らない娘たちだったら…………。

 夫はこの点に関しては淡泊だった。

 とはいえ不満があったわけではない。それとこれとは話が別だ。

 射精を終えたぱん太郎はずるりと男根を引き抜き、どけていた椅子を引き寄せて座った。

「もう一度やるのん♥」

と言い、しずかを膝上に乗るよう誘った。

 しずかは快楽にけぶる目で頷き、その唇が淫蕩に緩んだ。

 

 腰が抜けて歩けなくなってしまったしずかをおぶってぱん太郎が寝室に戻ると、その物音でちかげが目を覚ましたので、ぱん太郎は再び親子揃って組み敷き、喘ぎまくらせた。

 二人とももう、ぱん太郎に抱かれるままに、顔じゅうからだじゅうを汁まみれにしながら悦びの声を上げるだけであった。

 ぱん太郎はちかげを屈曲位にさせ自分の脚を押さえさせると、上を向いた肉穴に打ち下ろすように肉棒を出し入れながら言った。

「キミの穴もだいぶほぐれてきたのん♥」

 その言葉の通り、すっかり柔らかく開いたちかげの肉孔は、淫汁にまみれながらぱん太郎の剛棒をすんなり迎え入れ、中ではきゅうきゅうと締め上げていた。

「あ、あ、あ……♥! おく、奧まで当たってますの……♥! も……もっと……もっとせっくすの秘密を知りたいですの……♥ だから……もっと、もっと、いっぱい……ずぽずぽしてくださいですの……♥!」

 泣き腫らした顔であられもない言葉を口にするちかげ。

「のふふ、わかったのん。せっくすの気持ちよさ、オンナであることの悦び、キミのカラダにもたっぷりと教えてあげるのん……♥」

 ぱん太郎はさらに腰を激しく上下に動かし、ちかげの淫孔を責め立てた。

 ぱん太郎の長大な肉棒が長いストロークで出たり入ったりし、ちかげはひっきりなしにからだをわななかせ、悶え叫んだ。

「ああっ、ああんっ、あああぁんッ♥!!」

 そろそろ外は白みかけていた。

 ぱん太郎は思うがままにちかげを善がり狂わせ、少女に大きな波が来るのを見て取ると、覆い被さるようにほとんど根元まで挿し込んで、彼自身も最期の運動に入った。

「あー! あー! あーッ♥!」

「またどぷどぷ出してあげるのん! キミも孕ませてあげるのんっ♥!」

「あアーーーッッ♥♥!!」

「ののん!」

 ぱん太郎の律動が止まり、少女に密着した腰がビクビクと跳ねる。

「あ……あ……♥! また……いっぱい……種付け……されてますの……♥ せいえき……! 私の、ナカにぃ…………♥」

 ベッドの後ろに座ってそれを眺めていたしずかは、二人が繋がった部分から、夥しい白濁液が腹と背に分かれて流れ落ちていくのを見た。

 読書好きで好奇心旺盛な娘の中に、もう何度目かわからないオスの精子が注がれてゆく。

 絶頂に飛ばされながらそれを受け止める娘に、しずかはふと気付いた。

 ここにはもう、あさましく男を求める女が二人いるだけだと。

 

 

 

 

 

 

 

  2

 

 

「おーい」

「――あ」

 ハッと我に返るしずか。

「どうしたんじゃ、ぼーっとして」

「あ、な、なんでもありません。ホホ……」

「ふむ、お前は休まんでも大丈夫なのか?」

「ええ、そこは年の功で何とか。あの方も無理な一線はちゃんとわきまえてますが、ちーちゃんは私より体力ないし、まだ慣れてないから刺激が少しこたえるようですね」

「そうか。よく見ればおぬし、顔がつやつやしとるのう」

「フフ……」

 しずかは袖で口元を隠したが、確かにいつもよりどこか艶めいた雰囲気があった。

「あまりうるさくは言わんが、躰にたたるほどやるのも感心せんぞ。力仕事に携わる者にはとくに言い聞かせておくか……」

「ぱん太郎様って一度始めると、四回五回は当たり前ですし、私達が本当に満足するまで離してくれませんから……ついつい……♥」

「ほんにあやつの精力は底なしよのう」オババは感心したように鼻を鳴らした。「聞くところによると、連日連夜飽きもせずに幾人も抱いているらしいが。一体どうやったらそれだけの元気が続くのやら。分けて欲しいぐらいじゃ」

「いっそのことお二人で長寿健康の秘訣本でも書いたらどうですか? 代筆しますわよ」

「年寄り話など好んで読む奴がいるかね」

「ホホホ……。――ですが、オババ様の言う通り、もともとから体力自慢だったにしても、ちょっと桁外れすぎますよね、あの性豪っぷりは……。実際に味わっている身としては、あそこまで満足させてくれるのはとっても気分が晴れるんですけど……あれはまさにバケモノ、いえそれだけでは説明がつかないかと……」

「ふむ。だがまあ、男一人で大勢の女を相手にしてくれとるんじゃ。産まれた赤子は立派な人間だしのう。何であろうと、今の村にとってこんなに素晴らしいことはない。それほど問題視することでもあるまい?」

「それはまあ、そうですけど…………」

「まったく、ぱん太郎殿の積極さを少しでも分けられるなら、もう片方の男に煎じて飲ませたいぐらいじゃよ。責任感ある人格は良いことじゃが、それだけでは村は栄えんのじゃ……」

「あ……」

と、しずかは何か思い出したような顔をした。

「そうそう、それに関してですけれども。どうも……すずちゃんが……」

「ああ、あれか」

 オババは軽く溜め息をついた。

「儂もこないだ偶然に見かけたわ。驚いたが、まあ、あれだけの器量好しをほっとく方がどうかしてるからのう。あれもあれで、他の娘同様にまんざらではない様子じゃったし」

「そうですか……。…………彼が可哀想ですね…………」

「……自業自得じゃよ」

 そう言うオババの表情は、険しいが残念そうであった。

「ぱん太郎殿の御種蒔きが始まってから、儂はそれまでにも増してきゃつにはさんざん発破をかけたんじゃが、相変わらずというか、まともな反応ひとつ返ってこなんだわ。まったくもってまごうことなき玉なし野郎じゃわい。状況は変わったというのに、やれやれ…………」

 うつむき首を振るオババであったが、再び顔を上げた時には、決然とした目つきをしていた。

「これも定めじゃ。儂らは儂らを救うものを選び取らねばならん。またとない好機を振ってまで、きゃつのその気を延々待つわけにもいかんからな」

「……そうですね…………。ただ、彼は今の状況を把握してないみたいですから、真相を知った時、精神的にかなり参ってしまうのではないかと……」

「うむ……しかしまあ、二人は恋人同士なわけでも、夫婦になる約束を交わしたわけでもないからな……」

「まだそこまでは行ってないみたいですわね。でも、家族以上の気持ちを抱いているのも間違いなさそうですわ。言葉にしないだけで……」

「年頃の男女がひとつ屋根の下で長く暮せば自然とそうなるわな。しかし、今の段階で部外者がどうこうと口を差し挟むわけにもいくまい」

「それは少々意地が悪うございませんか、オババ様?」

「そうじゃな……。しかしまあ、何かあったら儂が出るわい」

と、オババは温くなった紅茶を啜った。

「では、このまま黙って見ていろと……?」

「男女の間柄など、うかつに他人がしゃしゃり出てもただ引っ掻き回すだけで、当人達にはいい迷惑ということが多い。それとも、おぬしには何とかする自信や策があるのか?」

「いえ……」しずかは視線を落とした。「不貞に堕ちた私が言う資格はないですね……」

「まあまあ、それはそれじゃ。行人に同情する気持ちは分かるが、今は見守るしかなかろう。これはきゃつの問題なのじゃからな。儂らはただ、何かあった時に支えてやることしかできん」

 

 

 

 

 

 

 

 3

 

 

 東の森にほど近い茅原の小高い丘の上に新しい屋敷が造られ出したのはつい一月ほど前からであったが、暇あらば女衆が押しかけて手を貸した上、腕の良い大工の仕事もあり、それは見る見るうちに完成に近づいていった。

 屋敷林のためにわざわざスギやマツが移植され、温泉が掘られ、特製の巨大ベッドまで運び込まれたというのだから、彼女たちの熱の入れ込みようも伺える。

 屋根に茅を葺(ふ)く作業中、とげ太がぽつりと、「村一番の豪邸にしちまったなあ……」と呟いた通り、これより大きな建物は洋館と学校のみというほどの立派な一軒家が出来上ったのであった。

 

 もう外観はすっかり完成したように見える新屋敷を、まちは道の遠くに佇みながら眺めていた。

 彼女とあやねだけは手伝いに参加したことが一度もなかったので中の様子までは判らなかったが、想像以上に広く豪勢な造りらしい。作業場からは毎日賑やかな喚声が絶えることがなかった。

「よくやるわねえ……」

 屋根葺き用に刈り取られて見通しが良くなった野原に、どこか虚ろな風が吹き抜けている。

「まちじゃないか」

 呼びかけられてハッとして振り返ると、木刀を肩に乗せた行人が集落のほうから歩いて来るところであった。

「行人様じゃない」嬉しそうな笑顔が広がるまち。「こんなところで何をしてるの?」

「村の見廻りだよ」

 そう言いながら行人は木刀を軽く持ち上げた。

「からあげさんが東へ出張中、主にボクが代わりにやってるんだ」

「あら……からあげ様の代理とは、かなりの大役を任されたわね」

「そうなんだよね。ちょっと大変だけど、個人的にはやり甲斐があって楽しいよ。ただ、一概には喜べないんだけど……」

「と言うと?」

「……いや、ね…………」

と、行人は言葉を濁し、曖昧な苦笑いを浮かべた。

 西のぬしであるからあげが東に出張っている理由。ぱん太郎が人里にいることが多くなったために東の森が留守がちになっているので、その代行が必要になったというわけだった。

 東の住人ではないからあげに本来そんな事をする義理など全く無いのだが、オババまでが頭を下げて頼み込んで来たために断るに断れなかったそうだ。ぱん太郎とも直接話をつけたらしく、行人に後を任せて烈火の白刃は東の森へと出向くこととなった次第であった。

「なんでからあげさんがあんな奴の尻ぬぐいをしないといけないんですか? ボクにはさっぱりわかりませんよ」

と、出立の時に行人が半ば呆れ気味にそう怒ると、からあげは首を振り振りこう答えた。

「村のため、さ。……それより、すずをよろしく頼んだよ」

 ――そういう経緯があってから、もう何日ぐらい経つだろうか。

 これはとばっちりだと口端に登らせかけたのだが、行人は思いとどまった。

 目の前の巫女少女にこんな不満をぶちまけても埒があくわけではない。それに、からあげ自身が決めた事になおも言い募るのは、あまり格好の良いものではなかった。

 話題を変えることにした。

「そういうまちこそどうしたの? こんなところで。なんだかボーッとしてたみたいだけど」

「ええ、まあ……。あれを眺めてたのよ」

と、まちは丘の屋敷に向き直った。

「あー、あれかあ」

 行人は口を曲げ、木刀の背で肩をトントンと叩いた。

「確か東のぬしが入るんだっけ。こっちの住人でもないのに、随分とでっかい家を作るよね」

 そう言った後に、「まさか永住する気じゃあるまいな……」と小さく付け加えられた。

「張り切ってるしね――女たちが」

「だよね。よくやるよ……」

「あら? そういえば、行人様は今日はおひとり?」

 まちはすずの姿が見当たらないことに今さら気付いた。いつもなら当たり前な自然さで一緒にいる二人だったので、つい見落としてしまっていたのだ。

「あ、うん。すずは仕事の手伝いを頼まれらしくて別のところに行ってるよ。まちが言った通り、女の人たちがあれだからね」

と、行人は木刀の柄でトンテンカンテンと槌の音がする屋敷の方を指し示した。

「近頃そういう仕事が多いみたい。ま、屋敷が出来上がるまでだとは思うけど」

「なるほどね……」

「そういやボクも見廻りするようになったし、最近は別々に行動するのが増えてきたかなあ」

「へえ~。じゃあ、行人様は今、ふりー状態が多くなったってワケね。……ねえ、行人様♥」

 つつつ、と滑るようにまちは行人に寄っていった。

「え?」

 後ろ手で少年を仰ぎ見るようなしなを作ったまちは精一杯可愛い顔をした。

「な、なにかな……?」

 まちの顔が近付いて来る分だけ上体を反らす行人。

 背の低いまちが前屈するものだから、巫女装束の下にある白い胸が垣間見えてしまいそうで、慌てて視線も逸らす。

 その童顔低身からは想像もつかない、だが年相応のむっちりとした裸体をまちが持っていることを、何度か見たことがある行人は知ってしまっている。

 以前に本物のセックスを盗み見てからというもの、妙に女体に気がいってしまうことが多くなり、そんな過剰な意識を振り払うのに苦労もしていた。

(そんなんだから最近ヘンにすずも色っぽく見えちゃうんだよ)

と、自戒もしている。もっと心も鍛えなければ、と行人は思っている。

 そんな少年の考えを知ってか知らずか、まちは胸元に空いた広い隙間から双つの膨らみがまろび出そうなど上半身を傾けながら、

「よかったら、これから私とでえとしない?」

と、猫撫で声を出した。

「ええっ、デート!? ――で、でも、ボクはまだ見回りが残ってるし……」

「そんなの後でもいいじゃない。ね、どっか遊び行きましょうよ♥」

 まちは行人の服の袖を掴んでねだるように言ったが、急にしゅんとして、

「……それとも――私とじゃ……イヤ?」

と、子猫のように潤んだ瞳で少年を見上げた。

「えっ!? いや、あっ、そっ、そんなことないけど」

 キョドキョドと周りに視線を向ける行人だったが、だだっ広い野原に救いの手があるわけでもなく。

「じゃあ行きましょうよ♥」

 あっという間に態度を変えてぐいぐいと少年の袖を引っ張り始めるまち。

 行人はどうしようかと内心戸惑っていた。デートと言われるとちょっと抵抗があるが、まちの頼みを無碍に断るのも心苦しい。

 しかし、それらより何より、任された役目を途中でほっぽり出してしまうのは、からあげに対して顔向けができなかった。男子の名折れである。

「ご、ごめん!」

 行人は焦ったようにまちの手を振り解いた。

 困り笑いを浮かべながら後ずさり、

「ほら、あそこに大勢いるからその様子を見とかないといけないし! 仕事の途中だから今日のところは、ね!? ごめん、さよなら!」

と謝りながら、行人はあたふたと屋敷へと走って行ってしまった。

「あ…………」

 取り残され、また一人ぽつんと佇むまち。

 がっくりと肩を落とし、溜め息をついた。

「乙女の切な願いをむげに断るなんて、ひどいわ、行人様……」

 恨めしげな視線を駆け去る背中に送ったが、それはすぐ心細そうなものに変わった。

「……やっぱり……今のままじゃダメなのかしら……。今のままじゃ…………!」

 不安な表情はそのままだったが、まちは意を決したように眦を上げた。

 これ以上くよくよと迷っているのは性に合わない。

 丘に背を向けるとごっちらのを召喚し、その背に乗って村の方へと飛んでいった。

 

 まちはあの大男の行方を捜して、出遭った者に片っ端から尋ねて回った。村の中を歩き回っているぱん太郎の足取りを掴むことはそう難しくはなく、すぐに大体どちらの方角へ行ったかも判明した。

 だが、それと共に気になる別の情報も得た。

 ある娘と一緒だったという。

「こっちの方向に、あの娘と……?」

 その道の先にあるのは、その娘の住居を含めた二、三軒しかない。

(…………まさか…………)

 思いも寄らなかった展開に、まちはおかしな胸騒ぎが湧いてくるのを抑えられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

  4

 

 

 その頃、男の姿は建築現場ではなく、別の場所にあった。

 

「ぅにゃああんッ♥!!」

 青いリボンのポニーテール少女はひときわ高い嬌声を上げ、男の最後の一突きを受け止める。

 ねろねろに蕩(とろ)けた膣内を最奥まで侵す熱い肉の塊。そこからさらに熱い液体が溶岩のように激しく噴き出し、奧壁に叩き付けられるのを感じると、少女のからだは淫悦に震え、その喉からより甲高い媚声が立ちのぼった。

 海が見える岬に建った彼女の家の濡れ縁。

 そこで少女は男と裸同士になり、真昼間の情事に耽っていた。

 縁側に腰を下ろす男の太腿に彼女が尻をつけるような背面座位の姿勢で、両膝裏を掴まれ拡げられた格好。

 小高い淫丘の裂け目を野太い肉棒が貫き根元まで埋(うず)まり、少女の握り拳ぐらいはある二つの精嚢から、夥しい子種が飽くことなく供給される。

(ああぁ……子宮(おく)に──精液がくるのぉ……♥♥!!)

 男の濃く熱く元気すぎる子種は、まだ孕み産んだ経験のない少女の子宮でも中に入ってくる温かさがありありとわかる。

 いや……入ってくるというより、追加されるというべきか。

 一度したおまんこの余韻は、数日は下半身に残る。そしてここ一ヶ月以上、一日たりとてその余韻が消えたことはなかった。

 昼の穏やかな海原を眺めながらの、今日最初の中出しの感触に、少女は背を反らせて悩ましげな声を上げる。

 瑞々しい媚肉がキュウキュウと窄まりながら蠕動する。それがさらに気持ち良い摩擦を生むのだ。

 仰け反って上を向いた紅い唇を、すぐに男が奪いにやってくる。

 少女の瞼が夢心地にうっとりと降りた。唾液にまみれて絡み合う舌。

 少女の股の間から溢れ出た白濁汁が縁側の板を汚し、ぼとりぼとりと地面に落ちていく。

 射精が終わると小休止を挟む間も置かず、まだ体液で汚れてない隣に少女を四つん這いにさせ、男自身は縁側から降り地面に膝を突いての後背位に移った。

「にゃああッ♥! あああんッッ♥♥!!」

 立て続けに再開された激しい抽送に、少女の胸と尻、二箇所の白い双丘が波打つ。

 少女は唾を垂らしながら喘ぎ悶え、子宮を小突かれる度に光る高みへと誘われてゆき、絶頂に飛ぶとともに2度目の種付けを味わった。

「あっ……♥ あっ……♥ ああっ……♥!!」

 男は射(だ)し終わるまで絶対に抜かない。膨らんだ子宮口に接吻するように先端をくっつけ、最後の一滴まで子宮に浴びせかける。少女のからだの奥の奥まで己の存在を染み込ませようとするかのように。

 胎奧で射精される感触を味わう度に、子供を作っているという、まだよくわからない感情に襲われる。

 しかし、その感情は肉棒と精液、両方の熱さと鼓動に招かれる絶頂によって充足感に包まれ、白い世界の中で気持ち良く溶け散っていってしまうのだ。今ではその感覚に浸らずにはいられなくなっていた。

 2回目が終わって抜いても、今度は少女を仰向けにして脚を拡げさせ、男はまたもやハメようとする。

「ホラ、脚開くのん」

 命じられた通りにすぐ股を広げ、白濁の沃野と化した秘陰をさらけ出しながらも、

「ああ、もう……帰ってきちゃうよお……♥」

と、少女は涙目で──悲しんでいるとは思えない緩んだ頬で──声を震わした。

 男と偶然出遭ったのは、頼まれた畠仕事を終えた後、予想以上に土で汚れた服を替えようと一旦家に戻る途中であった。

 少女は言われるがままに彼を家まで連れ帰ってきたのだ。

 家には他に誰もおらず、彼女の口から同居人が出掛けていることを告げられると、男は抑えきれない昂奮に少女を玄関の壁に押し付け、立ちバックでハメてきた。少女は吐息を熱くして男を受け入れながらも、せめて中で服を脱いでからと懇願した。玄関から部屋の中に二人の衣類と滴った体液で道が出来ているのは、そのためだった。ハメたまま脱ぎながらじりじりとここまで来たのだ──。

 男は片手で白濁の中に先端を潜らせ、もう片手で呼吸によって上下に揺れる少女の乳房を揉みながら、

「もし帰ってきても、その時はその時のん。ボクとキミのらぶらぶ子作りせっくすを見せつければいいのん♥」

 そう言って、男は少女の蜜孔に精気漲る鉄棒を押し込み、立て続けに二度も放った大量のオス汁を掻き分けてピストンを始めた。

「にゃあっ♥ ああ、ああっ、ああん~っ♥!」

 既に絶頂を迎えた淫洞だったが、満足して収まるどころか、男と同じくまだ肉淫を欲して昂奮が続いていた。

 再び始まった気持ち良い刺激に、少女は喉を晒して嬌声を張り上げずにはいられなかった。

 男がその巨体を折って被さってくると、少女は両手両足でしがみつくように掻き抱き、男を深く迎え入れてしまう。

「にゃあっ、にゃあんっ♥!」

 どうにかなってしまいそうだった。アソコが溶けて男と融合しそうなほどにとろとろと熱かった。

 男の逞しい肉棒の感触が一々心地良く、一突きごとに頭の芯まで甘く痺れ、喜悦の涙が止まらない。

 さんざん腰を振って少女を善がらせた後、

「のおっ……イクのんッ!!」

と、男は深々と挿し込んだまま尻を震わせ、少女の胎内に三度目の熱い精を放った。

「――ッ♥♥!! ――~~~ッッ♥♥!!!!」

 少女は腰を浮かし、からだを強張らせ、首を掻き抱いた腕に力が籠もり、その爪が男の首裏に食い込む。

 声にならない声が漏れる。

 長い長い射精の間、組み敷いた女へ種付け作業中であることを本能的に示すように、男は二度、三度と圧し込む動作をする。

 甘く爛れたからだと心を掻き乱されるに任せ、少女の頭からはもう、同居人が帰ってくる心配など吹き飛んでいた。

 男の全てを受け入れたように、ただただ熱い肉悦と被征服感に溺れ、心臓の鼓動よりはっきりと感じる射精の感触を心ゆくまで味わっていた。

 

 その後、まるで口がおまんこになったかのような積極的な口唇奉仕を一度挟み、合わせて6回も二人の行為は続いた。

 尺八中、少女の肉壷からごぽり、ごぽりと溢れ出る白濁汁は尽きることがなく、まるで滾々と水湧く源泉のようであった。

 少女はもう、男と一つになるように交わり、彼の肉棒を求めることしか頭にない。

 

 それを、近くの物陰から驚愕の目つきで見守っている人物がいた。 

 

 

 

 

 

 

  5

 

 

 まちの驚きは、母親のそれを見た時とは比べものにならなかった。

 開いた口が塞がらなかった。

 今、ほんの数歩離れたところで繰り広げられているコトは、つい半時前まで全く思いも寄らないものであった。

 

 その少女は、いつも少年とともにいた。一緒に暮らし、一緒に仕事して、一緒に遊んで──。

 まちが心密かに羨ましいと思ったことは一度や二度ではない。他の娘だってそうだろう。

 それでもその少女が両親(りょうおや)とも居なくなってから一人で生活していたこと、少年と暮らし始めてからは寂しそうな顔をしなくなったこともあって、不平を言う者は一人もなかった。

 

 その少女が、ぱん太郎と真っ裸で絡み合っている。

 ぱん太郎の行為を何もかも許容し、気持ち良さそうに善がりまくっている。陶酔した表情で悶えている。

 厭がるどころか聞いてる方の背すじがゾクゾクするような艶声を上げ、悦び震える少女。その子宮に少年のものではない子種が何度も何度も注ぎ込まれてゆく。

 少年など介在する余地もなく、少女はぱん太郎を求め、ぱん太郎は少女を貪り、二人は一つとなる。

 まちの目から見れば、まぎれもなくその少女はぱん太郎との子作りに没頭していた。

 

 何もかもが信じられなかった。

(ま、ま、ま……まさか…………。あの娘までだったなんて…………)
 彼女がここに着いたのは、最初の射精の直前であった。

 恋する感情すらまだ知りもしないウブ以前のお子様だとばかり思っていた少女が、気持ちよさそうな喘ぎ声を漏らしながらぱん太郎の巨根を苦もなく迎え、顔が近づけば唇を差し出し、言われれば体位を変え股を開く。そういった要求にすぐ応じられるほどやり慣れてる様子であった。

 あの大木のような肉塊を根元まで突き入れられて掻き回されても、痛がる素振りなど微塵もない。

 その肉穴はぱん太郎の大きさに合わせて問題なく拡がっており、激しく腰をぶつけられても苦悶の表情ひとつしないどころか、少女はただ、蕩けそうな声を出して悶えるだけだった。

 時には激しく、時には緩やかな抽送。

 幾つもの卑猥な体位になりながら、脚を大きく拡げられ、ぱん太郎の巨根を出し入れされる。

 絶え間なく続く粘質的な水音と少女の淫声。たっぷりと突かれ擦られ、そうした末に、ぱん太郎の射精を膣奥に何度も何度も浴びたのである。

 だが、その度に少女の口から漏れ出てくるのは、底なしに気持ち良さそうな嬌声と涎のみであった。

 まちは穴が開くほどに二人の行為を見つめた。

 舌で夫婦踊りをするような濃密な接吻を交わすどころか、やっとからだが離れたかと思えばぱん太郎の股に顔を埋(うず)め、しのぶやゆきのぐらい積極的な口淫をする。

 苦しがりながらも、我慢できるところまで口内射精を受け止めていた。

 そうしていやらしい行為に夢中になっている少女は、意識して出しているわけではないだろうが、同性のまちですらドキッとしてしまうほど色っぽい雰囲気を醸し出していた。

 覗き見されているのも気付かず、6度目を放った後、行為に埋没していた二人はやっと脱力したような雰囲気になり、ぱん太郎は満足げな息をついて躰を離した。

 男と女の性器の間に盛大な粘液の吊り橋がかかる。

 ぱん太郎は汗を拭って縁側に腰を下ろした。

 少女はがに股で白濁が海嘯のように溢れ返るまま、しばらく恍惚状態でぐったりしていたが、やがてのろのろと身を起こした。

 ぱん太郎は少女を優しく抱き寄せると、そのからだを軽く撫で回しながら、愛しむような接吻を繰り返した。

(まるで恋人同士みたいな雰囲気じゃない――)

 まちはますます目の前の光景が現実のものという気がしなくなる。

 ピロートークをひとしきり楽しむと、少女は立ち上がって後片付けをはじめた。

 まずは自分の股を手拭いで綺麗にし、垂れ落ちるのがなくなってから縁側を掃除を始め、最期に散らばった衣服を回収する。

 そこへぱん太郎がやって来て、ふざけたように少女の尻をぴしゃりと叩いてびっくりさせた。

 「もうっ」と拗ねたように頬を膨らませる少女にヘラヘラ笑ってごまかすと、

「先に入るのん」

と、彼は風呂場へと消えた。

 少女も掃除を済ませると、リボンを解きながら遅れて風呂場へ入っていった。

(まさか……まさか、あの子まで…………一体いつから……!? 行人様はこのことを知ってるの…………!?)

 様々な疑問がまちの頭の中を駆け巡るが、何一つとして答えを出せないまま、彼女は家の裏手に回って風呂場の突き上げ窓を覗いた。

 温泉風呂の中でまた二人はサカっていた。

 框に座ったぱん太郎に少女がまたがり、今度は対面座位で腰を打ち付け合っていたのだ。

 最初はゆっくりと、だがすぐに貪欲な激しさになってゆく。

 やがて少女の声がひときわ高くなり、さらに二人の動きが忙しくなった。

 ぱん太郎の両膝に手をついて少女は反り返り、最期の律動を迎える。

 少女の腰をしっかりと掴むと、ぱん太郎は深いところで小刻みに膣奥を叩く。

 豊かな乳房がぶるんぶるんとあらゆる方向に揺れる。

「だめ、だめぇ♥!」
と、少女の乱れ具合がいよいよ切羽詰まってきた時、

「のぅんッ!」

 男の動きが止まった。

「に"ゃっ――――ああぁ~~~ッッッ♥♥!!!!」

 少女は男の肩から両手を離して、湯面すれすれまで仰け反った。

 その栗色の長い髪の大半が温泉の中に浸ってしまう。

 また出されてる――まちがそう思うと同時に、二人の結合部から白濁が溢れ出てきた。

 6回目の種付け。何回種付ければ気が済むのだろうか。

 少女の脚がぱん太郎の腰を蟹挟む。

「あ……♥! あ……♥!」

 長い長い、本当に長い射精タイムが始まった。

 框を伝って湯の中に流れ落ちる白濁液が温水と混じってゆく。

 桶をひっくり返したような大量の精液をこんなに注がれて、少女の膣内や子宮は一体どれだけのオス汁に満たされているのだろうか……。

 途中、ぱん太郎が少女を起こすと、今度は逆にくたっと男に密着した。

 少女の頭はぱん太郎の肩に置かれ、顔がまちの方に向いた。

 顔面のあらゆる穴から汁を流し、疲れてはいるが、満足しきった女の惚け顔であった。

(あの子がこんな顔するなんて…………)

 まちは呆然とその表情を見続けた。

 少女の耳元で、ぱん太郎が囁いた。

「あとちょっとでボク達の愛の巣が完成するのん。ここより大きなお風呂があるし、ボクに合わせて作った特注の寝床もあるんだ。すっごくでっかくて、ふかふかのん。そしたらもう、ボクがいちいちキミを捜しに歩き回らずとも済むようになるの。キミもそこでたっぷりと可愛がってあげるのん……♪」

「……♥」

 少女は期待に燻った瞳で、コクンと頷いた。

と、その直後、目の焦点が窓の外の影に合った。

「――ッ!」

 とっさに頭を下げるまち。

「……誰……?」

と、余韻が抜けてない気怠げな声が中から聞こえる。

「誰かいたのん?」

「う、うん……そこの窓の外に……誰かいたような……」

 気付かれた。

 焦りまくったまちはずっと彼女を乗せていたごっちらけに遁走の指示をしようとし、――すんでの所で止めた。

(逃げてどうするの、私はアイツが目的でここに来たんでしょ。か、覚悟を決めるのよ。行人様を振り向かせるため――!)

 深呼吸を繰り返すと、逆にごっちらけを元の世界に還した。

 袴越しに下腹部の辺りをさする。

(あの“力”――働いてるわよね――ひいお祖母様、信じていますから――)

 念じると、お腹の奧にじんわりと温かみのある霊気が感じられる。

 微弱だがしっかりと。

 それだけを頼りに、少女は歩み出した。

 

「だ、誰かいるの……?」

 少女は不安げな声で誰何したが、返事はなかった。

 もし、“彼”だったらどうしよう……。

 男を見ると、その視線に気付き、綽々とした笑みが返ってきた。

 少しホッとする。

 男の肉棒は、依然として少女の胎内で熱く滾っていた。

と、その時、

「外にいたのは私よ」

 その言葉とともに戸が開いた。

 

 

 

第7話に続く)

 

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最終更新:2018年09月30日 17:23