ながされて藍蘭島エロパロSS

 

『寝取られて』 第1話

 

 

 

 

 

 

  1

 

 

 もしも、ボク以外の男が藍蘭島に流れ着いたとしよう。

 たぶん最初は、いやでも目につくおかしな部分――昔話から抜け出してきたような生活ぶりとか、変な動植物とか、人間と動物が言葉を交わしながら一緒に暮らしているとか――に驚きを隠せないだろう。その次に、島の外へは決して出られないという話を疑い、確認し……愕然となり、悲しみ、一体どうしたらいいのかと途方に暮れると思う。

 だけど、一時的なショックが去って周りを見回し、そしてしばらく過ごしてみれば、彼の感想は見事に変わってくることだろう。

 ここでの生活も悪くないかもしれない……そう思うに違いない。

 電気水道ガス電話、便利なものなど何一つない。けれど、どんなに暮らしが楽になろうと、原則的に人も他の生き物となんら変わることはない。自分のことは自分で何とかするのだ。そのことに気付けば、労働は苦役ではない。というか、租税も搾取もないので、自分たちの食い扶持を作るだけで充分なのである。

 そして藍蘭島は豊かな島だった。

 辛いことなど何もなかった。

 たった一つ、決定的なもの――男がいないということを除いては。

 彼は考え至るだろう。

 

 

『ここはなんて最高の環境なんだ!』

 

 

 ――と。

 まあ、ボクも男だし、わからない話じゃない。

 異性に色めき立つ女の子たち。村の将来を案ずる人々は、次の若い世代が誕生することを切に期待している。

 そういった中で、藍蘭島という特殊な環境と照らし合わせて客観的に考えれば、女性と仲を深めないのは、むしろ悪い気すらしてくる。

 だけど、ボクは思うんだ。

 それじゃあんまりにもだらしなさすぎるだろうって。

 だってそうでしょ? こういうコトって、男と女が好き合って、初めて成立することじゃないか。順番が逆だと思うんだ。お互いの気持ちを無視して強引にくっつけようなんてすごく不自然なコトだし、なんかおかしいっていうか、大人汚いっていうか。

 人として、そして男として、なにか許せない部分がある。

 オババに何度も催促めいた言葉をかけられても、その気にもならなかったボクだけど、何も馬耳東風していたわけではなく、いちおうそこまではちゃんと考えていたのだ。

 それにボクは異邦人だ。藍蘭島がどんなに素晴らしいところでも、ボクには帰らなきゃならない場所がある。それは、決着をつけなければならない事があるってことで、色々考えたけど、やっぱり会わなくちゃならない、会って話をつけなければならない人間がいるってことだ。

 そして一度島の外に出ることに成功すれば、ボクは気付いてしまうだろう。

 藍蘭島に戻らなければいけない理由がない、ということに。

 藍蘭島には藍蘭島の暮らしがある。もし誰かと一線を越えてしまったら、ボクは何としても戻らなければならない。

 でも、戻れるだろうか。ボクは戻れるだろうか。

(……それに、こんな思案しても……)

 溜め息をつく。

 そもそもボクはまだ14だし、子供を作る年齢じゃあないんだよな。

 それに……だから。

 東のぬしであるぱん太郎が人間になって、村の女の子に次々とちょっかいを出して回るという思いも寄らなかった展開に、奴に対する嫌悪感は募るばかりだったけれど。

 だから、そのことに横槍を入れるつもりは毛頭なかった。

 

 

 それは水面下で進行していたらしい。発覚した頃には、すでに何人もの女の子が「彼」と関係を持っていたという。

 初めて知った時はあまりの青天の霹靂な出来事に呆気にとらわれて、にわかには信じられなかったほどだ。

 ある意味、この島にボクが現れたことよりも遥かに大きな事件だった。

 聞いた話によると、パンダであるはずのぱん太郎が人間の姿になったのは、ランプの精みたいな魔人に願いを叶えて貰ったかららしい。なんじゃそりゃ。

 村の最長老であるオババを始めとして主だった大人が集まり、この事に関して話し合いがもたれた。

 その結果、いくら姿が人間だからといってパンダの子が産まれてはかなわないと、ぱん太郎は西への出入り禁止になった。まあ当然か。

 ぱん太郎は(追い返されるときはパンダだった、ていうか自在らしい、理解の範疇を越えている)のーのー文句垂れながらも他のぬしにも睨まれて仕方なく東の森に去り、村にはまた平穏が戻った。

 ように見えた。

 この日を境に、「婿殿、婿殿」とオババの催促が妙に増え、それを適当にあしらい過ごしながらおよそ半年後のこと。

 ある報せが島中に駆け巡った。

 玉のような赤ちゃんが村に生まれたという。

 パンダのように愛嬌のある、丸々と肥えた可愛い子だった。

 産んだのは――誰であろう――梅梅だった。

 

 

 その後にも、ぱん太郎と関係した女の子たちが続々と臨月を迎えた。

 パンダとの合いの子かと危惧されたが、どこから見ても人間らしい、それどころか丈夫でよく泣く元気な赤ちゃんたちばかりだった。

 村はそりゃもう上を下への大騒ぎになった。

 とんでもない事態に落ち着きを失った女性たちを、オババは一同に集めた。ボクだけは呼ばれず、家にポツンとひとり留守番となった。これは村の、そして何より女性たちの問題だから、その辺を配慮したんだろう。

 会合は長引いたらしく、夜遅くに帰ってきたすずがまずはゆっくり風呂を済ませた後に聞いた話によれば、オババは皆に一喝したらしい。

「生まれてくる赤子が人であれば何ら問題はない。幸い、東のぬしも以前のことは水に流してくれるそうじゃ。ここはひとつ東のぬしに手をつき、貴重な御種をもっと蒔いてもらおうではないか」

 ボクはそんな馬鹿な、と愕然となった。人間ではない者に、いや人間の子が生まれたんだから人間なのか……? わからない。この藍蘭島には考えると頭がぐてんぐてんにこんがらがる事柄が数知れずあって、こういう時はその事に関する思考を止めるのが一番の解決方法だ。

 でもそんな馬鹿な話があるのか。そんな事がまかり通るのか。

 強制はせず各々の意志に任せるが、ぱん太郎が自分のところに現れても邪険にせず、村のためを考えてほしいと、オババはそう言ったそうだ。

 なんてことだ。

(すずは……それでいいのか……?)

 ボクはそう思って向かいに座ったすずの表情を窺(うかが)ったが、それを口に出して訊ねる勇気はなかった。

 すずはどことなくショックを受けているような感じで、虚ろにすら映る元気がない瞳でボクを見つめ返してきた。

 二人の間に、よくわからない空気が流れるのを感じた。

 ……子供を作ること。

 それは男で、しかもまだ自分自身が子供のボクには、あまり理解しきれない領分だった。女の子だって納得できるんだろうか。ボクはそう疑問に感じた。いくら藍蘭島の住人が昔の時代の人のように早熟早婚とはいえ、好きでもない、いや人間なのかどうかもわからない男と、その、あ……あ、赤ちゃんを作るなんて。

 ヘンずくめの藍蘭島であっても、こればっかりはあまりにも現実離れしている気がした。

 すずはどうなんだろうか。たとえ村長(むらおさ)の言いつけであってもそんなことを承伏できるんだろうか。

 ……でも、ボクには奇妙な確信があった。

 すずは大丈夫だろう。だってすずは以前、「結婚はお互いが好きだからするもの」って言ってたし。恋愛がまだよくわからないとも聞いた記憶がある。それに異性として意識してないから、男であるボクと一緒に暮していて平気なワケだし。

 そうだよね。まだそんな年じゃないんだ。

 ただ、ボクはその安心感をどう言葉にするべきかどうかわからず、すずの前でごまかすようにゆるむ頬を掻くばかりだったけれど。

 その夜、すずはまた長風呂をした後、さっさと蒲団を敷いて寝床に就いた。

 そりゃそうだろうなあ……と、暗闇の中に浮かぶ、こちらに背を向けて寝るすずのうなじの白さをちらと覗き見ながら思った。

 この件に関して、村の人間ではないボクがとやかく言う権利はない。それにいちおう女性側にも拒否する選択肢はあるんだ。

 だけど──なんだろう。

 この胸のざわつく感じは……。

 こんな形でこの村の未来を定めてしまっていいんだろうかと、納得できない気持ちがある。

 暗闇の中に梅梅の顔が浮かんできた。

 最初、殺るべしと息巻きながら疾駆する遠野サンに偶然出遭い、梅梅がぱん太郎に手籠めにされたと聞いた時は耳を疑い、次いで得体の知れない怒りに包まれた。気分の悪そうな梅梅をオババの所に診せに行くと、妊娠二ヶ月目であることが発覚したそうなのだ。

 つまり、だいぶ前から誰も知らないまま、梅梅はあの無節操パンダに……!

 あの時はボクも、あの梅梅が、どうして、誰と、なんで、どうやって――などと、怒りが湧く直前は意識がストーンと落ちるような気分になった。それまでも梅梅と会ってもおかしな様子は微塵も感じられなかったし、お腹も膨らんでるなんてわからなくて、言われて初めて少し張ってたかなと曖昧な記憶をたどるぐらいで――

 現実感がまるでなかった。

 怒髪天の勢いの遠野サンを、梅梅はずっと脚にしがみついて必死に止めようとしていた。そればかりでなく、泣いてぱん太郎をかばっていた。診察した時にオババが、「堕ろさんのか」と訊くと、

「産みマス……」

と申し訳なさそうに、だけどはっきりと言ったそうだ。

 ボクは怒りのやり場を失った。遠野サンもぱん太郎の所へ行くのを止めた。

 ──そして、梅梅はお母さんになった。

 会合には出席できなかったが産後の肥立ちは良好で、他にももう何人かいる出産し終えた子たちの中には、床から抜け出して動いている子もいるらしい。

 身篭もったことが皆に知れ渡ってから以後、梅梅は……変わった。会いに行くと、ずいぶん落ち着いた感じで、なんかこう……優しくなった。いや元から優しいんだけど、そういう風な優しさじゃなくて、もっと大人の母性的な、そうそれ母性的、お母さんになったみたいな優しさ……って、なに元に戻ること言ってるんだろうね。

 とにかくこれが藍蘭島の空気なのか、彼女たちの強さなのか、結婚の契りも交わさず、ていうかちゃんと正妻がいて、人間とすら言えないような男を共にいただいているというのに、まったく落ち込んだ様子もなく、少女たちは今までのようにしっかりと生きている。

 ――という現実が、ボクの目の前にはあった。

 ……はあ。

 理由もわからず、溜め息が出てしまう。

 釈然としなかったが、けど、本人たちが納得していることに、ボクみたいな部外者がどうこう言える問題でないのも確かだ。

(……島からの脱出方法、本格的に調べなきゃな…………)

 寝返りをうちながら頭の中のもやもやをさっさと払い、ボクも布団を被って眠りに就いた。

 

 

 明くる日から、我が物顔で村の中をぶらつく大男の姿があった。

 

 

 

 

 

  2

 

 

 それからは毎日、見かけるたびにぱん太郎は誰かしら女の子と喋っていた。

 女の子たちはおっかなびっくりといった感じだったが、中には臆すことなく朗らかに談笑している子もいた。本人は洒落ているつもりなのか、よく花をつまんで持っていて、それをプレゼントしている場面もあった。

 しかし奴がいくら調子に乗って次から次へと女の子たちに言い寄ろうとも、石を投げて追い払う男たちなどいない。

 正直なんであんな奴がモテるんだろうと、ボクは首を傾げざるを得なかった。

 どうして人間になれるかはとりあえず置いといて、ぱん太郎の人間の姿というのは、身の丈二メートルを超える巨漢――というか肥満漢であった。ただ、よく見ると奥行きはそれほどでもなく、むしろ横幅の方が凄いことになっていて、太ってることは太っているのだが、そう、力士のような躰つきである。足袋と雪駄に羽織と着物という組み合わせもまんま相撲取りの服装だ。その上に愛嬌のある丸顔が乗っかっているのがなんとも言えなかった。

 軽薄かつ誰彼構わず言い寄る放埒さ。自分勝手で無責任も甚だし過ぎる。中身も最悪。のんのんうるさいしノンタンかお前は。パンダはパンダに求愛するべきじゃないのか。

(こんな奴に……)

 ボクはやれやれと頭を振った。奴に手を付けられた女子たちは、これをどう思っているんだろうか。

 ぱん太郎が近づくと泣きそうな顔で駆け去っていく子もいて、むしろその方が正常に見えた。

 女の子に逃げられても、ぱん太郎はまったく意に介さなかった。つぶらな瞳をくりくりと回して、長い腕をるーんるーんと振りながら足取りも軽やかに何処かへと消え去ってしまう。また見かけることもあるが、例外なく別の女の子をつかまえて話していた。その中にはりんやあやねなども含まれていたし、なんとゆきのまでいた。それだけでなく大人にまで声をかけていたりして、何というか……ただただ呆れるばかりだった。

 何だかな……もっとカッコイイ男がナンパしてるなら様になってるんだけどさ。これじゃまるで異次元生物が徘徊しつつ獲物を捕食しようとしているみたいだ。

 すずも心配そうな目つきでその様子を眺めていた。

 その不安そうな横顔を盗み見ながら、ふと今更ながらなことに思い当たった。

 すずだけは、あいつに言い寄られてない。

「フフッ」

 思わず笑みが漏れてしまった。

 それに気付いたすずが振り向き、不思議そうな目でボクを見つめた。

「どうしたの?」

「ん? いや、何でもない」

「……?」

 肩をちょっと上げて後ろ手に組み、胸をそらすような姿勢で小首を傾げるすず。少し持ち上げられた白い太股を撫でるように、短いスカートがさらりと流れた。

 目が合う。

 ゆるやかに――微笑みが浮かんで――

「――ッ!」

 不覚にドキッとして、ボクはさっと顔を逸らしてしまった。

 な、なんだ。なんだろう今のは。

 この異様な胸の高鳴りは……。

 なんか、今、ものすごく……すずがとても可愛く見えた。

「ホントにどうしたの、行人?」

 わざわざ回り込んでひょいとボクの顔を覗くすずに、慌てて背をシャンと伸ばし、薪を背負い直した。頭の上のとんかつが落ちそうになって、「プー!?」と鳴く。

「だからなんでもないって、それよりも早く帰らなくちゃ!?」

「え~!?」なんだか納得いかなそうに頬を膨らませるすずだったが、すぐに可笑しそうに吹き出した。「変なの……ウン、じゃあ、帰り――」

 言いかけてすずは、「あっ」と何か思い出したように言葉を切った。今度はこちらが、「どうしたの?」と尋ねる番だった。

 すずの目が宙を泳いだ。「ゴ、ゴメン、行人」と、申し訳なさそうな顔でいきなり謝ってくるすず。「そういえば、これから用事が……梅梅の、そう、梅梅のところに行かなくちゃならない用事があったの」

「用事?」

「う、うん……。ホラ、梅梅もまだゆっくりしてなきゃいけない時期だから。皆で持ち回りで助けようって、今日の夕ご飯の当番、私なんだ」

「そうだったんだ。……でも水くさいな、言ってくれれば、薪拾いなんかボク一人でやったのに」

「ちょっと忘れちゃってて……ホントにごめんね……」

「ん? いいっていいって、そんな謝る必要なんかないよ。それよりも早く梅梅のところへ行ってあげなきゃ」

「うん……」

 すずはなぜか悄然とした顔になった。

 なんだろうと思っていると、すずはポツポツと小さな声で言った。

「行人も……一緒に来る?」

「……え…………」

 ボクは……ためらってしまった。

 別に、梅梅がボクに冷たくなった――などということは、決してない。むしろ彼女の態度は前よりもフレンドリーになったぐらいで、ボクが訪ねると心から喜んで迎えてくれる。だけどそんな梅梅と対照的に、ボクの方といえば、彼女の傍にいるとやたら落ち着かない気持ちになってしまうのだ。どうしてもぱん太郎が気になってしまうし、居ちゃいけない場所にいるような、そんな感覚に苛(さいな)まれるのだ。

 何故かは……わからない。

 梅梅は全然不幸せそうに見えず、それはとても良いことなのに。

 前とは違う雰囲気。前とは違う笑顔。前とは違う、その腕の中にアイツの赤ちゃんを抱いて――

「いや、ボクはいいよ。代わりに薪持ってってあげる」

 遠慮しようとするすずから多少強引に薪の束を受け取った。

「ついでに夕ご飯も作って食べちゃってるから、あっちでゆっくりしてきなよ」

「行人……」

 すずは寂しげだった。

 胸がズキッときたが、ボクは口を結んで視線を逸らし、それ以上すずの表情を見ないようにした。

 なんかおかしいな、ボク。……でも、すず、ごめん。あんな奴が大手を振って村をのし歩いているのを見ていると、気分がよくないんだ。

「ありがとう行人……じゃあ、行ってくるね。……なるべく、すぐ帰るから」

 そう言って去ってゆくすずの背中を、ボクはできるだけにこやかな笑顔で見送った。

『くれぐれもあいつには気を付けて』

 そう声をかけようとして――

 かけられなかった。

「なんで?」と……すずにそう聞き返されるのが怖かったからだ。

 ……大丈夫さ。

 ボクはそう自分自身に言い聞かせた。まがりなりにもぬしであるアイツの腕っぷしが強いことは確かだけど、すずはそれ以上に強いんだ。あのぱん太郎を簡単に投げ飛ばすほどだもの。……心配ないさ。

「行こう、とんかつ。今晩はお前の好きな冷や奴を作ってやるよ」

と、ぷーぷー喜ぶとんかつの頭を撫で、重くなった荷物を苦労して背負いながら家路を急いだ。

 

 

 薪を入り口脇にどっさと置くと、蹌踉と中に入り、「ひー!」と框に伸びた。この島に来てから随分と鍛えられたとはいえ、さすがに二人分はきつい。

 薄暗い吹き抜けの天井を見ながら休んでいると、もやもやと出てくるのはやはりぱん太郎のことだった。

 もう、新しく手を付けられた子もいるのかな……。

 それを考えると、もやもやは水気を得た雲のように膨らみ、重く濃く広がってゆく。

 ボクのよく知ってる子たちも………………梅梅のように………………

(……くそっ!)

 ボクはまだ疲れがとれない躰を無理に起こし、また外に出て薪を置き場に移し替える作業を始めた。

 それだけは絶対に考えないようにしようと決めた事だったからだ。だってボクには関係ないんだ。関係ないことなんだ。この島の重大事に、いつかは島の外に出ていくボクは関わっちゃいけないんだ。

 梅梅は……梅梅は……いいんだ。彼女はもう心を決めているのだから。

 こんな気持ちになるなんて、気分が悪い。

 薪を移し終えると、ボクはすぐさま木刀をひっ掴んで縁側に回った。

 そしてただひたすらに腕を振る。

 躰が悲鳴を上げるのも構わず、少しの休止も入れずに空気を切り裂き続けた。

(くそっ、くそっ、くそっ!)

 鬱屈した胸のむかつきを切り払うように、ボクは汗を飛び散らせながら素振りを勢いよく繰り返す。

 あんな奴が何だっていうんだ。村には村のしきたりがあるんだ。ボクはまだ責任能力のない未成年者で、あんな無責任極まりない奴なんかとは立場も考え方も違うんだ、オババの期待に応えられる年齢じゃないんだ、そういう環境に育ってないんであって、女性の考えることなんてわからないし、だからそういうのはまだこれからで、村の将来を見越してのやり方に異議を唱える権利はないし、立場の違うボクにはボクなりの主義主張というのがあって、やるべき事があって、あんな奴とは違うんだ!

 ――素振りの回数を数えるのも忘れ休みもつくらず振り続け、もう保たないというところまで追い詰めた意識と躰がついにオーバーヒートを宣言すると、木刀を落としてよろよろと縁側に突っ伏した。

 数分にも満たない運動だったけど、全身汗みどろになってぜーぜーと切れ切れの息を吐いた。頬をつけた部分があっという間に汗の水たまりになる。腕が鉛のように重くなり、無茶な過運動に抗議するように全身の筋肉から痛みが発せられた。

 だけど、胸のもやもやはだいぶスッキリした。

「…………ふぅ……………………」

 そう。考えても虚しいだけだ。

 藍蘭島には藍蘭島の風習があって。背に腹は代えられない切実な問題があって。それに馴染めなければ、ボクはもう。

「……美咲や父さんたち、どうしてるかな……」

 海から家の中に吹き込んでくる柔らかい潮風の気持ちよさに身を委ね、ボクは遠い故郷の家を思い出した。

 帰りたい――

 

 

 すず。

 

 

 ボクは大きく目を見開いた。

 

 

 そうだ。

 なに考えてるんだ、ボクは。

 躰を起こすと、縁側に腰をつけて青い海と空を遠望するように目を凝らす。ボクは自分で彼女に言ったじゃないか。ボクはすずの家族だって。

 あの寂しがり屋のすずを置いて、一人きりにするっていうのか。

 冗談じゃない。

 そうさ。すずにはもう数え切れないほどの恩があるのに、彼女を悲しませるなんてとんでもない。

「……ふうっ」

 また溜め息をついた。だけど、さっきよりもずっと軽かった。

 ボクにはまだ、ここでやるべきことが残っている。たとえゴクツブシの性悪スケベパンダが他の女性全てをかこったとしても、すずだけは必ず守る。

 家族になった人を独りでこの家に住まわせるわけにはいかないし、大勢の女をとっかえひっかえするような男にだけは、絶対やれないんだ。

 

 

 

 

 

 

  3

 

 

 狭い小屋の中での、二人だけの空間。山のような男が尻をつく寝床はまるで座布団のようであった。

 優しくせせらぐ川の音を聞くことなく、ヨダレを垂らしながら昂奮した荒い息をつき、男は短い足で組んだあぐらの上に少女を乗せ、その肌に指を這わせ回っていた。

 衣服をほとんど半裸に剥かれ、後ろから男の太い指でなすがままにされている少女。敏感なところばかりを執拗に刺激され、男と同じようにその愛らしい唇から熱い吐息を漏らしている。

 大男は昂奮でいきり立った熱い肉棒を背すじのくぼみに擦(こす)りつけながら、肉付きも豊かな乳房をいやらしく揉みしだく。恥ずかしそうに閉ざされた脚の隙間に差し込まれ、パンツの中に潜り込んだ中指が、その図体に似合わない細かな震えで動いており、かすかな水音が聞こえていた。

 少女の顔やからだには朱が差し、切なそうに胸を上下させ、肌にはしっとりとした汗が浮かんでいた。眉をひそめ、懸命に堪えている風情だったが、時折、

「あっ……」

「はっ……」

と、感に堪えない声が漏れるのを我慢できない。

 時折、甘く喉を震わす――男の指遣いを感じているのは明白であった。

 少女が夢見心地になりつつあるのを見て、男は壁際に置かれた花瓶の黄色い花を一差し抜き取り、少女の鼻の下まで持ってきた。少女はそれに気付き、いやいやと言う風に顔を背けたが、強引に花弁を鼻に押し当てられ、擦りつけられた。

 ほわっと花粉が舞った。それを吸い込むと、少女は、「はっ――」と息を呑み、さらにその瞳がぼうと霞んだ。「や…………やぁぁ…………」

 少女のからだに残されていた最後の力が抜け落ちたように緊張が解れてゆき、唇からより官能的な吐息がこぼれる……投げ捨てられた花は、引き臼のそばに落ちていたもう一本の上に交差した。

 男の愛撫責めが再開されると、少女のからだは敏感さを増したようにしなり、熱く湿った吐息をつきながら、次第により艶めいた反応を露わにしていった。

 その凹凸の豊かな肢体を弄ばれながら、徐々に服を脱がされ……下着も剥ぎ取られ……ついにはニーソックスだけの姿にされ、その脚もぐいと押し拡げられ、栗色の産毛が淡くうっすらと生える恥ずかしい秘所を丸見えにされてしまう。

 腕も脚も力が入らない少女はそれを止めることができない。涙をこぼしながら、なされるがままであった。

 男は少女の大事な場所にまで遠慮なく手を伸ばし、その無骨な指によって、桃色に近い鮮やかな肉の園を開帳した。

 クチュ……と、水気のある音が立つ。

「うにゃあ……そ、そこ……そんなに拡げないでぇ…………」

 時間をかけて弄くられたソコは、充分に潤んで充血していた。小さな突起はピンと気持ちよさそうに膨らみ、綺麗な肉ビラはぬらりと濡れてヒクヒクと蠢く。

 自身の小指も入らなさそうな狭い窄まり――だがこの奥に、女性の証である小部屋が確かにあるのだ。

「あああ……♥」

 これまでとは比べものにならないほどの甘く痺れるような媚声を上げ、淫らにけぶる目の焦点を半ば失い、男の指は今動いていないというのに、少女はからだの奥底から源泉のように湧いてくる快感に身悶えた。

 ズクズクとアソコが熱く疼く。疼いて疼いて仕方がなかった。

 からだは素直に求めている。もっと――もっと触って欲しい――――と。

「いやあ……こんなの……いやだよぉ……!」

 何もせずとも屈服していく少女に男は邪な笑みを深くし、いよいよ中指を折り曲げ、濡れた秘洞に当てた。

 そこは――と言いかけた少女は、途端に言葉を失って喉の奥から喜悦を発してしまう。

 小屋の中にぬぷぬぷと淫猥な埋没音、そして少女の嬌声が絶え間なく響いた。

 少女の苦しそうな様子は、ほんの初めだけであった。いやらしく抜き差しされる中指がまたたくまに蜜液にまみれ、少女の顔には、先ほどまでよりもさらに深い悦楽の表情が宿り、瞳を霞ませ、からだを快美感にわななかせながら、気持ちよさそうな喘ぎ声を漏らすようになっていった。

 そしていつしか……恥ずかしがるどころか、果実のような乳房を盛大に揺らし、股を大開きにして腰を浮かせながら男の指を感じまくる少女がいた。

 間もなく、少女は快感に泣きはらした顔で切羽詰まったようにからだを悶えさせながら、

「あ、あ……! も、もう……だめぇ…………イッ、イクうぅぅ…………♥!」

と、その四肢を痙攣させた。ビクビクと腰が張りつめ、媚肉が男の指を強く締め付ける。

「――――――~~~~~ッッッ♥♥!!!!」

 少女の絶頂は長く続いた。

 

 

 やがて落ち着き――くったりとした少女の秘洞からようやく指が引き抜かれると、ねっちゃりと粘っこい上質な蜜が太い糸を引いた。花園は火照り染まりながらパクパクと蠢き、その周りはすっかりびしょ濡れ状態であった。

 男の広い腹部に埋もれながら、絶頂の余韻に上気した顔を惚けさせ、豊満な胸をゆるやかに波打たせる少女。

 男は少女の顎をつまみ上げると、背を丸めて顔を近付け、頬張るようにその可憐な唇を奪った。

 拒む余裕など、もはやなかった。口全体をむしゃぶるように吸われると唇をあっけなく割られ、舌を絡み取られながら、むわっとする口臭とヨダレを流し込まれる。その濃密な口づけに、少女の体内で昂奮がふたたび盛り上がり出し、瞼を閉じて喉を動しながら、男のヨダレを胃に落とし込んでいく。

 男は指先で乳首を弄くりながらやわやわと乳肉をもみ上げ、敏感になった肌を撫で回し、アクメに達した艶めかしいからだをなおも嬲り続けた。

 少女はその痺れるような気持ちよさをまったく拒めず、思考が蕩(とろ)けきったような表情で、いつしか男の愛撫を進んで享受してしまっていた。

 ぴちゃ、ぴちゃというキスの音とともに、何にも邪魔されることなく、二人の熱い吐息が交わってゆく。

「さあ……いよいよ……お楽しみの種付けたーいむ、なの……♪」

 男は舌なめずりしながらそう言った。美味しそうに茹で上がった少女のからだを寝床の上に四つんばいにさせると、踝まで届く長い栗色の髪を掻き分けて覆い被さってゆく。

 二人の体格差は、まるで小猫にのしかかる成獣であった。

 お尻にくっつく熱いモノを感じた少女は、正気を取り戻したようにハッとして、ぐっしょりと濡れた秘陰を手で隠し、哀願の涙を溜めて男を見上げた。

「あ……こ、これだけは……お願い……他のことだったらなんでもするから、……これだけは……もう…………!」

「ナニ言ってるのん、こんなにヌレヌレで、オマンコひくつかせてるのに。もう痛くなんてぜんぜんないのん。キモチイイうちに終わるのーん♪」

と、男は悠々と少女の手を外し、完全に皮が剥けたカリ太の大マラを慣れた腰つきで秘裂に押し当て、「ああ……だめ……だめぇ……!」と震えながら拒む少女などお構いもなく、一気に埋(うず)めていった。

 ヌプジュプと潤んだ肉と肉が擦れ合う淫湿な水音とともに、少女の口から、

「アア~~~~ッ♥♥!!」

と、哀切な嬌声がほとばしる。

 少女の願いなどまるで初めからなかったかのように、あっけないほど簡単に。

 二人は一つとなった。

 男の陰茎はその体躯に比べればエノキタケのようであったが、少女からすれば秘孔をぱっくりと拡げて奥まで挿し貫く、雄飛な剛直であった。

 男は太腿をピッタリくっつけ深々と根元まで挿し込んだ状態で、気持ちよさそうにぶるぶると胴を震わせた。

「のーーー……♥ いい肉具合なのん……感じまくって奥までヌレヌレ、メス肉がいやらしく吸い付いてくるのん……♥ こんなごくじょ~のオマンコもほったらかしにしてたなんて、あのオトコはホント信じられないのん……!」

 布団に上半身を突っ伏してふくよかな胸を潰しながら、「あ……いや……いやぁ……!」と、少女は枕を涙で濡らした。

「ニンゲンのメスマンコも悪くないのん、病みつきになるのん♥」

「お、お願い……もう……やめてぇ…………」

「の♥ の♥ ダイジョブダイジョブ、この調子ならキミもスグに他のコみたく病みつきになるから♪」

「いやあぁぁ……!」

 だが、男の言葉どおりであった。

 のしかかられ、からだを押さえ付けられながら、ケダモノのような動きで腰を打ち付けられ。固くも柔らかいオス肉が彼女の躰の中をくまなく広がるように、奥まで貪り尽くされるように掻き回されて。

 お腹の奥から響く、普段では味わうこともできない心地よい刺激に、少女の忍耐は、一突きごとにもろくも崩れていってしまった。

 そうして、体位を変えながら半時ばかりも肉壺を掻き回されていただろうか。

「あっ、うにゃっ、あっ、あっ、うにゃあああ~~ッッ♥」

 もう、少女の口から拒絶の言葉は出ていなかった。

 

 

 長い髪を振り乱して、身も心も快楽の虜になったようにあられもない嬌声を上げ、むせび泣きながら頬を緩める少女。

 なんでこんなに気持ちいいのか、少女自身にもわからなかった。痛かったのは初めての時ぐらいだった。彼女だけでなく、ほかの子もそうだという。こんな大きな肉の棒でお腹の奥までめちゃくちゃに突かれ、擦られ、掻き回され、膣(なか)の肉が引きずり出されそうになるぐらい抜き差しされているというのに、もう前後不覚になるほどに気持ちよくなってしまうのだ。

 気持ちよくて、気持よくて、気持ちよくて……!

 何もかも吹き飛んでおかしくなってしまいそうなぐらいだった。

 どうしようもなく欲しがってしまうのだ。どんなに口で拒んでも、からだが、お腹の奥が、熱く潤んできてしまう――少女はそれに気付きはじめていた。

 少女は少年の顔を思い浮かべながら、

(ごめんなさい……ごめんなさい…………にゃああ…………ッ!)

と、心の中で謝っていた。

 男はというと、無数の襞々が奥までびっしり生えた名器の味わいに深い感嘆の溜息を漏らし、本体に負けぬぐらい巨(おお)きさの精嚢を盛大に揺らしながら、まるでケダモノのように本能の衝動にあかせて律動をヒートアップしていくばかりであった。

「の~♥ の~ん♥!」太い腰を激しく打ち付けながら、性欲丸出しでヨダレを滴らせる男。「スゴイのん、スゴイのんッ、スゴイきもちいいのんッ♥!」

 反り返った肉棒はさらなる昂奮でますます膨らみ、少女の蜜壺を思う存分押し拡げてたっぷりと蹂躙しまくる。

 全身を薄桃色に染め上げて、そのたまらない快感に身悶える少女。

「こみ上げて来たの~んッ! もう出るのんっせーえきドプドプ出るの~~~ん♥!!」

「にゃああ……ッ!?」少女は顔を上げて悲痛に叫んだ。「な、ナカはダメェ……ナカにだけはあぁぁ……ッ♥!」

「のののの~~~~~んッッッ!!!!」

 男はまったく聞いていなかった。再び後背位になると、その巨体で布団とサンドイッチするほどに少女の臀部を押し潰し、ぐいぐいと子宮口に当たるまで深々と突き入れた。

 その淫撃にキュウキュウと収縮した肉壺の刺激が最後の一押しだった。

「のッ♥!!」

 やだ……出る……赤ちゃんの出来る白い汁…………!!

 

 

「ドプドプ~~~~~ッッ♥!!!!」

 

 

 ドビュルッドビュドビュドプドビュッッ!!!!

 ドビュドビュルルルルドププッッッ!!!!!!

 ドプドプドビュドプドププッッッ!!!!!!

 

 

 最奥まで届いた熱い塊。その全体が弾けるようにドクドクと力強く脈動するのがはっきりとわかった。夥しい量の精液が中いっぱいに撒き散らされていくのがわかった。

「ハ――ァァ……アアアァァアァ…………♥♥!!」

 お腹の奥でそれを感じ取った少女は、のしかかられて満足に動けないからだをガクガクと震わせながら、どうしようもなく二度目の大きなアクメに昇り詰めていってしまった。

(どうして……どうして…………ああ……ッ♥!?)

 望んでいないはずなのに。嫌なはずなのに。

 この上なく気持ちよい絶頂に駆け上がるのを抑え込むことができない。

 しっかりと種付けられている――そう考えてしまうと、

「――ハァァ……アアァアァァァ…………♥♥!!!!」

 少女は白い咽を晒しながら、ひと際高く潤んだ声で鳴いた。

 出てる……赤ちゃんのもと……お腹の一番奥で出されてる……!

「種付けられちゃう……種付けられちゃうよおぉぉ……♥!!」

 気がどうにかなってしまいそうなほどの淫悦に、少女は随喜の涙が溢れて止まらず、歯が噛み合わなかった。頭がほとんど真っ白になり、身も心も舞い上がっていくような絶対的な開放感。その感覚は抑えられず、しかも経験するごとに深く広くなっていくばかりだった。

 彼女の意志に反して熱く潤んだ肉襞は、みっちりと埋(うず)まった肉棒を奥へと招くように蠕動する。快楽に緩んだ入り口が、常人の何倍もの精子が詰まった濃濁な精液を誘い入れるようにヒクつき、次から次へと子宮内へ吸い込んでゆく。

 男の精子が少女の子宮に招き入れられるのはこれが初めてではなかった。

 そこにはすでに、かなりの先達が溜まっていたのである。数ばかりでなく生命力にも満ち満ちた兵隊たちは、生死を分けた戦場をまるで障害などない平野のように容易く走破してゆく。さらに溢れんばかりの加勢を得て欣喜雀躍し、目指すべきただ一点を求めて強力に侵攻するのだ。

 これほどの精液をこれほど大量に注がれてしまっては、新しい生命が創り出されないほうがおかしい話であった。

「のんのんの~ん♥ 出る、出る、どぷどぷ出るの~ん♥ せーえきいっぱい吸われてるの~ん♥ キモチイイのおぉ~ん……♥!!」

 男にも腰を引く気配など微塵も感じられなかった。

 あまりの射精量にみるみるうちに満杯になる少女の膣内で、それでも熱いミルクの放出は止まらず、結合した下部から、そして上部から白濁液がぶちゅぶちゅ、ねろねろと溢れ出してくる。

「アァアッ……アアアァアアァァ…………ッ♥♥!!」

 少女は征服されていた。まったく引き抜かれず、それどころか逆にみっちりと奥まで挿れられて、膣内(なか)でたっぷり射精されていた。からだ中が快感と絶頂に痺れて、のしかかる男をはねのけられない。男の体液は熱くてどろどろとしていて、お腹が重くなっていくばかりだった。奥にどんどん溜まっていくのが分かるような気がする。

「ニンゲンのオンナはみんな、ボクが孕ましてやるのーん♪ キミもボクの赤ちゃん孕むまで、たっぷり交尾しまくってあげるからね~♥」

「イ……イヤ……ァ……ア……アア……アアアアア…………♥!!」

 男がその気なのは初めの時から分かっていた。それでも、今こうして孕ませられている。村の決まりに、周りの流れに逆らえなかったからというのもある。

 だけど今は。

 本能の悦びを沸騰させるオスの肉と精でからだの奥まで征服された少女に、抗う術などわずかばかりも残されていなかった。

 

 

 ようやく少女の中で射精が収まると、男は胴震いをし、

「ののの~ん…………♥」

と満足そうに低く唸り、ゆっくりと腰を引いた。

 少女の生殖器官からゴポリ、ゴポリと大量の白濁液を溢れ返らせながら出てくる肉棒。引き抜く際にも襞々に引っかかり、「アッ……♥ アッ…………♥」と、少女のからだが小さく震え続ける。

「ふぅ~」顎を伝う汗を手の甲で拭いながら、「相変わらずいっぱい出るのん♥」

 そう言って、男は少女の股間を眺めた。

 全身を小刻みに痙攣させる少女の中から、抜いてまだ少しも経っていないというのに、まるで水桶を引っくり返したように後から後から放出された精液が流れ出し、三角地帯を白い池に化させている。もう穴が見えなくなり、秘裂も白濁で埋まってゆく。

「…………でも、まだまだこれからなの~ん♥」

 そう――淫辱はこれで終わりではなかった。

 男のイチモツは硬度も熱気もまったく衰えていなかった。射精直後だというのに元気が有り余る己が愚息をしごきながら、早くも次なる慾望に鼻息を荒くし、男は休む間もなく少女をひっくり返してまたのしかかっていった。

「ハァハァ……今度はニンゲンのすたいるでやるのーん♥」

 男は疲れというものを知らないように、飽きるまで何度でも少女のからだを責め嬲ってくるのだ。――そのほとんどを、膣内で果てるという結果で。

「ッ! …………ヤ……ァァ…………!」

 淫落に漂う少女は、涙を浮かべて緩慢に首を振る。

 これまでも全てそうだった。この快楽が、いやこれ以上の快楽が、意識が飛ぶぐらいまで続くのだ。身も心も溶けてしまうぐらいに――!

 その記憶が快美感とともに思い出され、「あっ……」と、まるで酩酊するようにぼうっとなってしまう。言葉とはうらはらにゴクリと喉を鳴らしてしまい、少女は蒸されたような目で白濁の汁にまみれた男の股間を見つめる。

 こんなの……こんなのって……!

 誰か……助けて…………!

 だが、少女のそんな想いは、口から発せられることはなかった。喋る前に、再び胎内に男が侵入してきたのだ。

「ア――ーッ……ッ♥!」

 そのめくるめく心地よさを少女は抵抗もできずに受け入れてしまい、どうしようもなく口を緩ませた。

(ご……ごめんなさい……私、もう…………)

 心の中でそう謝りながら、後はもう、快楽の海の底へ沈み込むばかりだった。

 貪り、悦び、鳴き、痺れ、男に好き放題に犯され、やがては自分の方から淫気に染まったからだを開き、求め、濃密な一時の中で胎奥に注がれる男の熱い精液を何度も感じながら、少女は絶頂の中に意識を溶けうしなっていった。

 

 

 

 

 

 

 あまり慣れたとはいえない電気もガスもない調理に手間取り、空気もけっこう静まってきた頃になって、ようやく食事は出来上がった。

 膳の上の粗末な有り様に苦笑しながらも、とんかつと向かい合っていただきますしたところへ、梅梅の家の行灯を借りたすずが帰ってきた。

 脇を通るとき、ボクの料理のニオイなんかより断然いい、湯上がりの残り香がふんわりと漂ってきた。お風呂も済ませてきたんだ。

 やはり梅梅のところで食べてきたらしく、ちょっと疲れちゃったから先に休ませてもらうねと、さっさと寝床を作って着替えを始めた。もちろん、ボクはそっぽを向いてたよ。

 すると、

「あ……」

と、何か気付いたような声がしたかと思うと、パタパタと板を踏み駆け、ガタガタと箪笥を開く物音。

 なんだろうと振り返ると、ガラッ、パタンと風呂場に続く戸が閉まったところだった。

 そして風呂場を使う音が聞こえてくる。

「あれ?……お風呂入ってきたんじゃないのかな?」

 味噌を入れすぎたカライみそ汁をすする。作る順番も間違えてて、もう湯冷めしていた。トホホ。

 

 しばらくして、ホカホカになったすずが出てきた。

「すず、梅梅とこのドラム缶風呂に入ってきたんじゃないの?」

と訊くと、なぜかエッとした顔になるすず。なんで?

「う、うん、でもまだ汚れてたとこがあったから入り直したの」

「そうなんだ」

 なるほどと思いながら、ボクは食べ終わった膳を台所に運んだ。なんかちょっと怪しかったけど、それ以上追及しなかったのは、湯上がりのすずがなんだかやけに色っぽくて、直視しつづけられなかったからだ。後ろからすずの声が聞こえた。

「おやすみなさい、行人」

「うん、おやすみ」

 振り返って、いつものように言葉を交わして。すずは布が擦れる音をさせて、布団に入るところだった。

 すずが寝づらくないよう灯りを小さなもの一つ残し、汗を落としにいく。戻ると、すずは寝息を立てていた。

 開け放しの縁側から夜空を見上げると、寝るにはまだちょっと早い月の位置だったが、ボクも今日はすずに合わせて早めに眠りを取ることにした。

 雨戸を閉めて自分の分を敷き、彼女の後ろ髪におやすみ、と心の中で言いながら行灯の火を消す。もぞもぞとフトンの中に潜り込み、夜の潮騒と虫の音を聞くともなしに聞きながら、ひさしぶりにすうっと眠りにおちていった。

 

 

 ボクはこんなにも女の子に囲まれた生活をしながら、ついぞ女の子の気持ちなどわからなかった――わかろうともしなかった。

 問題児な東のぬしの、同性として軽蔑すらおぼえる行動にばかり目がいき、もう一人の男として何らその理由に気付くことがなかったのだ。

 藍蘭島という社会。そこに住まう女の子たち。そして、男と女のかたち。この村の主役は誰になったのか。誰が主役にしたのか。

 それを厭というほど思い知らされたのは、翌日からのことであった。

 

 

 

 

 

 

 

  4

 

 

 夜が明けて、また今日も一日の生活が始まる。

 これまでと違うただ一つの(ボクにとって)煩わしい要素を除いて、藍蘭島の人々はいつもと変わらない日常を送っていた。

 快晴の青空の下、おハナさんの所でカボチャの収穫を手伝う。中にはいったい何百人分あるのか見当もつかないっていうか家にできるんじゃないかというほど巨大なモノがあり、これがヘルプの原因だった。

 三人がかりでウンウン唸りながら、「これがホントウのハウスカボチャか」「ガラスのカボチャを5個探さないと」「ここがあの女のハウスね」などと自分でもよくわからない事をぶつくさ言いながらなんとかテコで動かそうとしていると、畑の向こうにある道に複数の物影が動いているのに気づいた。

 見やると、くまくまに乗ったゆきのと他の動物たちが道を歩いていて……げ。

 ボクは眉をひそめた。一番後ろにぱん太郎がくっついていたからだ。ここに来る途中、別の女の子と話してたのに。

「あ、いくいくたちだー!」

 ゆきのはくまくまを立ち止まらせ、道の上から、「オーイ」と、満面の笑顔で手を振ってきた。

「あ、ぱん太郎さまでねか」

 おハナさんはテコ棒を放り出し、飛ぶように駆けていった。

 彼女が抜けては仕事にならない。仕方なくすずと一緒に後をついていった。

「やあ、ゆきの。これからおでかけ?」

「うん! ぱんぱんと一緒に森に木の実採りに行くんだー♪」

「へえ……」

 ぱんぱんって……。

 ちら、とぱん太郎を視界の隅に入れる。実に呑気そうな顔でおハナさんと話していた。

「ぱん太郎さま、どこいくんだべか」

「このコたちと木の実採りなのーん」

「ウチのカボチャいらねが。蒸かすと美味いだよ」

「食肉植物の方がいいのーん♪」

「よっしゃ、今度それの畑作るだ」

 おハナさんが秋波を送っていた。なんとなく、お似合いのカップルに……見えるわけないか。おハナさんに失礼だ。

 ボクはゆきのを手招きし、頭上から躰を傾けてきた彼女の耳に囁いた。

「いつのまに仲良くなったの?」

「え? ……もしかして、行人、妬いてるの?」

 ニヤニヤと笑うゆきの。

「ちがうよっ」なんでそうなるんだ、このおませさんは。「アイツが誰かと一緒に歩いてるのって初めて見るからさ」

「そうなの? けっこう他の子とも遊んでるよ。この前もりんのところの仕事手伝ってたし、しずしず達の山菜採りにも付き合ってたし。話してみればけっこう面白いヒトだよ」

「そうなんだ……」

 知らなかった。いつの間にそこまでとけこんでたんだろう。

 と、その時だった。

 おハナさんから離れたぱん太郎がこちらに来たかと思うと、何気ない動作ですずのスカートをぺろんとめくり、まじまじと中を覗き込んだのだ。

 

 

 一瞬、周囲の時が止まった。

 

 

 すずも固まってしまったが、数秒のタイムラグを置いて顔が瞬時に沸騰し、

「うにゃッッ!!??」

と叫び、スカートを押さえてうずくまった。

「この野郎!!」

 ボクはありったけの力でぱん太郎の腕を蹴り上げ、ついでに下がっていた顎にもアッパーカットをかました。ガキン、と歯がぶつかる痛そうな音がする。

「んごーッののー!?」

 もう一発いきたいところだったが、顎をおさえてぱん太郎は二三歩下がってしまった。「な、なにするのー!?」

「そりゃこっちのセリフだっ!!」

 すずとぱん太郎の間に割り込み、握り拳を顔の前に示して睨み上げる。コイツ、もう勘弁できない!

「ぬぬぬーん……ぬしに手を出すとはいい度胸なの」

 もう回復してしまったパンダの顔が凶暴そうに歪み、ボクはちょっと怖じ気づいてしまったが、一歩も退かずに睨み返し続けた。怒りの煮えたぎる方が凄まじい。

 メンチのきり合いになり、膨れ上がった闘志がいよいよ一触即発状態になった時、横から飛び込んできたのはゆきのだった。

「ちょ、ちょっと二人ともやめようよ~!」

 わたわたと腕を振りながら間に入り、制止するように互いの方へぴょんぴょんと跳びはねた。

「ね、ね、仲良くしようよ! ぱんぱんもさあ!」

 う……闘争心が薄れる……。

「ボクは別にどっちでもいいのーん」

 ぱん太郎の躰から力が抜けた。フッと笑い、肩をすくめると、憐れむような眼差しをボクに送る。

 なんだ……こいつ。

 何故かは分からない。でもバカにされている。そんな目だ。それだけはハッキリと分かる。

 ボクの全身の血がカッと昇った。絶対に許せない。「このッ……!」

「仲良くしよーよ! ね! ね!」

 ゆきのが飛びついてきた。

「わかったのん、キミがそう言うならそうしてあげるのん」

「わー! やったー!」

 ゆきのは嬉しそうに今度はぱん太郎に飛びつき、その長い腕にコアラのようにぶら下がった。「ぱんぱん大好き!」

 怒りは収まらなかったが、ボクも身構えを解いた。

 だが、ひとつだけ絶対に譲れないことがある。

「おい、すずに謝れよ」

「のん?」

 つぶらな瞳でボクとすずを交互に見るぱん太郎。

「なんでー?」

「な……!」

 また肩を怒らせたボクの腕に、すずがしがみついてきた。

「行人! やめて!」

「すず……なんで……!?」

「いいの行人、私は気にしてないから」

「でも、コイツ……!」

「突然のことだったからつい大声出しちゃっただけ」そう言って、すずは取り繕うようにペロッと舌を出した。「あんなの全然ヘイキだから」

 ……。力なく拳を下ろす。

 本人がそう言うのであれば、これ以上ボクがやることはなかった。

 

 

 

 ゆきのがぱん太郎に、「スカートめくり禁止!」などと言いながら、彼らはすぐ北にある森へと向かっていく。

 なんともなしに道端に立ち、小さくなっていく後ろ姿を見送っていると、隣に立ったすずがこちらに振り返った。

「ありがとう、行人。助けてくれて。……嬉しかった」

「え? と、当然じゃないか」そんなコト言われると照れてしまう。「いきなりあんな事してくる方がどうかしてるし」

「……そうだよね。でも……」

 ためらうような笑みを作り、すずは視線を泳がせた。

「……あんまり東のぬし様を怒らせるようなことはしないで……」

 ボクは「え……?」と、すずを見やった。

 え?

「今、村が変わりつつあるのは、行人も知ってるでしょ?」

「……そ、そりゃまあ……」

「東のぬし様のおかげでみんなが将来の希望を持てるようになって……それを怒らせちゃって、もしこれ以上来てもらえなくなりでもしたら……みんな悲しむと思うの……」

 希望だって?

 あんな最低パンダ野郎が去ったら悲しむだって?

 そんなバカな。――と、言おうとして、ボクは寸手で言葉を呑み込んだ。唾棄したい気持ちに偽りはない。だけど、我ながらみんなを侮辱する酷い言葉だと思った。

 藍蘭島には藍蘭島の事情がある。社会の風習が違えば、理解の範疇を超えることだってきっとある。

 これがきっとそうなんだ。

 ――でも、ボクにはやっぱりわからなかった。

「そこまでして……そんなに欲しいのかな……好でもない人の、その……子供……とか…………」

「うん……」

 すずは曖昧に頷いた。

「……たぶん、みんな村のことを考えてるんだと思う。でも……」ボクを見つめる。「……やっぱり本心でも欲しいんじゃないかな。だって、みんなこの島が好きだもん。ここでいつまでも暮らせたらいいなって……。それが自分の代で終わっちゃったりしたら、それはとても寂しいことだと思うし…………。…………それに………………」

 言葉が途切れ、すずはもう姿の見えなくなった道の向こうを、目を細めて遠視した。

 ボクはそれを不思議そうに見た。

 なんだろう……なんでこんな目をするんだろうか。

「……それに……なに?」

「え? う、ううん、なんでもない! ……あ!」

 すずが慌てて指さす。おハナさんがハウスカボチャの前で不思議そうにじーっとこちらを見ていた。

「行人、おハナさんが待ってるよ。行こう?」

「う、うん」

 なんだか誤魔化された感じを受けたが、それも重労働をこなしているうちにどうでもよくなってしまっていた。

 

 

 昼前には何とかおハナさん家の庭先まで運ぶことができ、お礼に手頃サイズ(とはいっても幅がボクの首あたりまであるやつだったけど)の採れたてカボチャをいただき、その上に座りながら晴天の下、ゆっくり流れる雲を眺めてお昼のおにぎりを食べた。

 ボクはそろそろ次の本が読みたくなっていたので、軒先にカボチャを置くと、ちかげさんの館に出向こうと借りていた本をまとめた。すずもすずで所用があるらしく、別々に分かれて家を出た。

 西洋館に着くと面白そうな読み物はないかな~と物色するついでに、島から抜け出せる方法のきっかけでも掴めないものかとそれらしい本も探してみたが、そちらはあいにく見つからなかった。

 その後でぱな子さん特製の大粒ブルーベリーがのったガトーフレーズとシナモンミルクティーをご馳走になり、二人と歓談していると、ふとちかげさんが思い出したように、

「そういえば、行人さんはどこかでこの花をみかけたことはありませんか?」

と、一輪挿しの黄色い花を差し出した。

 ボクは手にとり、まじまじと観せてもらった。

 花の部分は丸く4センチほどはあるだろうか。放射状に伸びる花びらは半分あたりで内側にゆるやかなカーブを描き、それが何枚も重な合い、一見してキクらしい円になっている。これはしおれて鬱金色になっているけど、元はもっと鮮やかなんだろう。小菊かなとも思ったが、キクでこんなかたちをしているものがあるのか、そもそもキク科なのかどうかも、調べてみないことにはボクにはわからなかった。

 だけど思い当たることはあった。

「……これって確か……」

 あいつがよく持ってる花だ。

 そういえば、とボクは気付いた。あいつの花って、いつも黄色いよな。

「知ってますの?」

「あ、いえ」慌てて首を横に振る。「違うんです、見たことはあるんですが、どこに生えてるかとかまでは知らなくて……」

「そうですか、残念ですの……」

 フウと頬に手を当ててちかげさんはソファに戻った。

「すみません、お役に立てなくて……」

 何だか申し訳ない気持ちになる。

「あ、いえ、いいんですの。ちょっとその花が気になってて、探してるだけですの。でもやっぱりこの辺にはないみたいですね……まあ、それはいいとして」

 ちかげさんは眼鏡をスチャと掛け直してボクを見た。

「行人さんが来てから、この村もだいぶ変わりましたですの」

「え? そ、そうなんですか?」

 唐突に切り替わった話題に戸惑いながら応じるボク。

「ええ、変わりましたですの」ニコッと笑うちかげさん。「なんか色々と、止まっていた歯車が動き出したように」

「へえ……」

「待望の子供も産まれましたし……ちょっとビックリな展開ですが」

 ボクはしばらく置いてから、

「そうですね」

と答えた。それはボクではなく、アイツが来てから変わった事だろう……と、胸中によぎらせながら。

「ときに行人さんは、これからいかがなさるおつもりですか?」

「え? この後はもう家に帰ろうかなと……」

 ちかげさんの顔がヒクッとなった。

「そうではなくて――」目を瞑って頭を振る彼女。「……いえ、やっぱりいいです」

「は、はあ……?」

 それで会話は途切れ、ボクはそろそろおいとましようと腰を上げた。

 ちかげさんは玄関の外まで見送ってくれると、戻り際に、

「行人さん……」

と、変に改まったような感じでボクを見つめた。

「行人さんは……本がお好きですのね」

「へ? え、ええ……。ミステリー物は特に好きだから、どんなに細かい活字でびっしり埋まってても、頑張って読みたいですね」

「フフ……」

 ちかげさんは下唇に人差し指の横腹を当てておかしそうに微笑んだが、ふっとそれがやんだ。

 次の言葉を待っていたが、ちかげさんはただボクを見つめるばかりで、その訴えかけるような瞳にボクはなんだか落ち着かなくなってきた。後ろのぱな子さんも「?」な顔をしている。

「な、なに?」

「……いえ。なんでも」また微笑むちかげさん。「行人さんは、行人さんですものね。でも、私もミステリーは大好きですの。……色々なミステリーをね…………」

 謎な言葉を残して、扉は閉まった。

 ……なんなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

  5

 

 

 そろそろ日が沈みそうだった。

 次第に茜付いてくる斜光の風景の中、すずがひょっこり居たりしないかなあ……と、適当にぶらついて道を歩き、薄暗くなってきた雑木林の林道を通りがかった時に、ふと、木々の奥から人の声のようなものを耳にした気がした。

「……誰かいるのかな?」

 声のしたような方向に耳を澄ませてみる。

 

 

「…………ぁ……ぅ……」

 

 

 ……やっぱり何か聞こえる。

 ためらいつつも茂みをかきわけて行くと、それは段々と明瞭に聞こえるようになってきたが、同時におかしな様子も分かり始めた。

 

 

『……そこは……』『……あう……!』『……きゃうう……!』

 

 

 

 ギョッと躰が硬直し、足が止まる。

 

 

 なんだ……これ…………もしかして………………。

 

 

 つばを飲み、ちょっと逡巡した後。

 そこからはなるべく物音を立てないように、立ててもできるかぎり小さくなるよう気を付けて歩き始めた。

 後で振り返ってみれば、こんな行為は恥ずべき以外の何ものでもなかった。

 だけど、この時のボクは、雑木林の奥から聞こえるその声音を聞いた途端、強力無比な磁力で意識ごと方向を定められてしまったかのように、その声に吸い寄せられてしまった。

 いけない。心の隅で倫理がそう警鐘を鳴らしてた。よせって、やめろって。だがそんなボクの耳の中に、他の音をはね除けてその声は浸透してくるのだ。

 

 

『はうぅん……!』『……な、なんかおかしいよぉ……!』『あ……あ……あ……だ、だめぇ……』

 

 

(ま、まままさか――)

 心臓の鼓動が一気に高まる。心音が調子はずれたように、息が不規則になっていく。

 聞いたこともないような声音だった。それなのに、頭の奥がピリピリと痺れ、血がカッと昂ぶる。思わずよろめきそうになって、慌てて脇にあったブナの幹に手を当てて支えた。

 一歩一歩、声は着実に近づいて来た。

「あう、あうぅ……ぅうぅん…………!」

 背骨がゾクゾクしてくる、甘酸っぱいビブラート。

「こ、こんなの初めてだよお……あ、あ、そ、そこは……! そんな……あ、あ……! し、しないでぇ……っ!」

(まさか――――)

 昂ぶった血が冷えるような、でもまた騰がるような。醒めたワケじゃない。騰がってるのか下がってるのか、よくわからなくなってきた。胸が痛い。つばを何遍も飲み込む。目が乾く。ヤバイ、呼吸が苦しくなってきた。

 引き返そうとも思ったが、声はもうだいぶそこまで迫っていた。ここまで来てしまっては、背を向けて離れる方が怖かった。バレるかもしれない。バレたらどうしよう。こんなとこたまたま通りがからない。どう弁解しよう。どんな目で見られる。蔑まれる。憐れまれる。くそ、あの目で。ダメだ、やっぱり引き返さなきゃ、だからもうダメなんだって。ああああ。

 その間にも、脚はゆっくり、ゆっくりと……前に動いていた。

 ――立ち止まる。

 目の前にボク一人の躰ぐらい十分に隠せるブナの巨木があった。その向こう側から、熱い息遣いと喘ぎ声が聞こえてくる。このブナを回ってしまえば、その現場に鉢合わせするだろう。

ど……どうするんだよ……。見る……のか……。

 ボクはまるで念力発火でもするかのようにブナの白い木肌を凝視した。

 見つかったらどうするんだ。覗き魔って言われて、みんなに知られて。すずにも。

 しかも相手はアイツだ。100%間違いない。

 止めた方がいい。まだ引き返せる。今すぐ回れ右して戻ろう。知らぬ振りして帰ろう。

 こっち向いてたらどうすんだ。頭出してすぐ見つかったらどうすんだ。

 心臓がバクバク弾ける。

 ボクは目を伏せてブナのスベスベした幹に手をつき――――

 

 

 そっと。

 

 

 

 

 

 木陰から頭を覗かせ……目を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――見てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 ゆきの。

 平たいまんじゅうの端っこで拡げた脚を膝立ちに腰掛け、「あっ、ああっ♥」と、甘く上擦った声を漏らし、その未成熟な肢体をくねらせていた。

 

 

 

 ボクの瞳孔は今きっと、驚きのあまり絞りきられてるに違いない。

 からだをわなわなと震わし、何かを堪えるように目を閉じ真っ赤になった顔を俯かせながら、半開きの口からは濡れた舌が覗いていて。

「あ……あ……あぁう……♥!」

 悲鳴のようにも聞こえる声。でも苦しんでるわけじゃない。

 なんて顔してるんだ……。

 スカートは片方の足首に引っかかり、白無地のお子様パンツで座っている。

 帯を解いているため、ゆきののからだが揺れるたびになだらかな膨らみと小さな乳首がちらちらと見えた。彼女のふとももには手が乗っかり巻き取るように押さえつけられていたが、ゆきの自身のものではなかった。それが伸びているのは彼女が座っている、下の物体からであった。

 無論、それは本物のまんじゅうなどではなく。

「あうゥッ! うぅぅんッ♥!」

 今度はピンと背をしならせ、中空を仰ぎながらガクガクと震えるゆきの。頬が朱に染まって緩んでいる。

 腰がわずかに浮き上がり、パンツの股の部分が露わになった。そこはお漏らしをしたかのようにぐっちょりと濡れ、粘性の透明な汁がたらーりたらーりと垂れ落ちた。

 平まんじゅうから赤くうねうねしたモノが伸び、汁を垂らしている股部に埋(うず)まるようにねっとり舐め回すと、

「ふうゥんッ♥!」

 ゆきのの腰が逃げそうになるのを、平まんじゅうはふとももをしっかと押さえつけ、また元に戻す。

「ふぁっ……あ、ああ……ああぁ……♥!」

 グンと上体がしなって今度は前に来て、背中を丸める格好になった。股を締め、上着の裾と一緒に下の物体を掴む。服がシワになるぐらい強く握りしめ、わなわなと開け、締めたふとももをぶるぶると震わせ――ボクがこれまで見たこともない、性的快感に惚けた浅ましい表情だった……。

「いっ……いいっ、いいよぅ……♥」

「もっとやって欲しいのーん?」

 まんじゅう――ぱん太郎が口を離して下から尋ねてくると、ゆきのはうるうるとした目で、

「やって、やって……!」

と、しきりに頷いた。

「ぬふふ、じゃあもっとキモチよくしてあげるから、今度はこの布も脱いで逆にまたぐのん♥」

 ゆきののふとももから手が離されると、片手に挟んでいた黄色い花が地面に落ちた。

「はぁ……はぁ……♥」

 ゆきのはぱん太郎の胸に手をつきながら片脚ずつ持ち上げ、んしょんしょとパンツを脱ぎ始めた。パンツとあそこの間にもぬっちゃりと何本もの糸が伸び、プップッと切れる。びちゃびちゃに濡れたパンツを赤い顔で見つめると、ゆきのはスカートと一緒に近くに放った。

 覆うものが何もなくなった股間が拡げられ、ゆきのの大事なところが丸見えになった。

 ぷっくりと膨らんだひとすじの可愛い割れ目。産毛がほんのわずか生えたばかりの幼いスジは、しかし、ネトネトとした汁にまみれ、後ろの穴までいやらしく濡れぼそっていた。

「さ、腰を落とすのん♪」

「う、うん……」

 いくぶん恥ずかしそうに、ゆきのはぱん太郎の顔に腰を落としてゆく。膝が曲がりきり、ゆきのの大事なトコロが……ぱん太郎の舌が直接アソコに、触れて……

「あ、あ……♥」

と、ゆきのは鼻にかかった声を上げ、くたくたとぱん太郎の胸に頬をつけた。

 ぱん太郎の顔が、ゆきののアソコにくっつき、少女が感じる部分を思う存分舐めまくる――

 ゆきのはさっきよりも一声一声がハッキリした甘い嬌声を上げた。くゆらすようにお尻をうねうねとする。それは……12歳にはとても思えない、淫靡なダンスだった。

 ぱん太郎が逃げる腰に業を煮やしてふとももを掴み、しっかり引き寄せると、

「ふぅ……うぅん……♥!」と、からだをプルプル震わせ、指を甘噛み、動物のように発情して潤む目から涙をこぼしながら、ゆきのは股間から襲いくる感覚に必死に堪えているようだった。

 

 

 ――なんて……光景なんだ……。

 

 

 ボクはクラクラと意識が遠くなりそうになった。

 ゆきのまで、こいつは――!

 

 

『ゆきのはまだ子供なんだ。こんなコトしていいはずないじゃないか』

 

 

 そう思う。思わなければいけない。

 思うハズなのに。

 そう思うなら、動くべきなのに。

 まだ早すぎるって、止めに行くべきなのに。

 

 

 足が、動けなかった。

 

 

 いつしか、木々の間から垣間見える空は真っ赤に燃え上がっていた。

 そして、枝葉が光を遮る薄暗い林の奥で――ゆきのはもう、すっかり耽溺していた。

「ひぃっ……いぃぃ……い、いぃよぅ……♥!」

 ぱん太郎の胸によだれを垂らしながら、股間からのいやらしい刺激にもがくようにからだを泳がしている。しかしふとももを固く押さえ付けられているために腰だけはどうしても動かせず、快感は後から後から際限なく生まれてきてしまうらしかった。

 いつの間にかゆきのの上着も脱がしてしまっていたぱん太郎は、長い腕を活かしてお尻から手を回し、ゆきのの割れ目をパックリ左右に開き、桃色の肉を覗かせて直にソコを舐(ねぶ)っていた。ゆきのの大事なトコロは、男のソレと同じく、敏感なトコロだった。

 ぱん太郎の唾液――だけなのだろうか――でぬらぬらと濡れる女性器。それは12歳の熟していない肉体であるはずなのに、ボクにとって、とてつもなく淫靡なものだった。

 ゆきののお尻は、あんなにふっくらとしていただろうか。腰から胸に至る曲線は、あんなに女らしいカーブを描いていただろうか。わからない。今となっては記憶に自信がなかった。

 甘い嬌声を震わせ続けていたゆきのに変化が現われた。そのからだが次第にビクリ、ビクリと弾み始め、細かく痙攣しはじめたのだ。

「あ……あ……だめ……なんか……なんか来るよう……♥!!」

と、追い詰められたような声で叫び、真っ赤な顔からポロポロと涙をこぼして口をわななかせ、背中を反らしながら腕をピンと伸ばして爪を立てる。

「ああっ……ああああ……ッ……はあッ……あぁ……ッ……!」

 しっかり押さえられた腰が前後にフルフルと震え、今度は俯き何かに堪えるように目を瞑り、その喘ぎ声の間隔がせっぱ詰まったように早くなっていった。

「あッ……あッ……あ、あ……ああ、あ、ああ……はあぁ……あ……ああ! ああッ――――あ~♥ あ~♥! イッ――イクゥゥ~~~ッッ♥♥!!」

 しまいには、しゃがんだ犬が遠吠えるような姿勢で、あられもなく喉を震わせて鳴きまくるゆきの。傍目にも、彼女の腿がギュウギュウとぱん太郎の顔を強く挟み込んでるのがわかった。

 ゆきのの震えが止まった。

 つま先が引きつるんじゃないかと思うぐらい伸ばされた姿勢で固まったように、声を裏返して鳴き続け、ただわずかにからだを痙攣させていた。

 それは十秒……ぐらいだっただろうか。正確な時間、いや時計があっても、今のボクには永劫にも思える長さだった。

「――――あァーーー……………………♥♥」

 からだが徐々に弛緩してゆき、か細くなるまでゆきのの声は続いた。

 緊張が抜けたゆきのは、ぱん太郎の胸にくずおれるように伸びた。

 ときおり、ヒクンヒクンとそのからだが揺れた。

 どうしたんだろう……ゆきの……もしかして……女の子にも男みたいに「イク」っていう感覚があるのかな…………

 

 

 ぱん太郎は元気のなくなったゆきのの背中などを撫でていたが、少女がだいぶ落ち着いてくると、その躰を掴んで近くにあるブナまで持ってゆき、そこで膝立たせた。

 内股までぐっしょりと濡れたゆきのの全裸姿に、ボクは目が吸い込まれてしまった。ゆきのはまだ成長途上のハズだ。でもなぜだか、少女のからだから淫靡さを感じずにはいられなかった。

 イケナイ感覚だと理性が忠告していた。小学生にドキドキするなんて、まるで変態じゃないか。

 だけど――そう頭で考えつつも、ボクはゆきのから視線を剥がすことができなかった。

「こ……今度はなにするの……?」

 惚けたような目で訊ねるゆきのに、ぱん太郎は行動で示した。

 ゆきのの目の高さになったズボンがずり下ろされ、中からビインッとバネ仕掛けのように、長大なエモノが飛び出した。

 デカイ。ボクは息を呑んだ。

 気にくわない奴という色眼鏡を差し引いても、それは間違いなくでかかった。

 亀頭の付け根までしっかり皮が剥け、浅黒く反り返った太い肉茎。鮮やかに育った毒キノコのように傘張るカリ首。大きさも、形も、悔しいけど今のボクではとても敵わない大人のペニスだった。玉袋も、まるで化け狸のそれだ。

 でも、ボク以上に驚いたのはゆきのだろう。

 玉袋まで含めれば自分の顔よりも広い醜悪な肉塊が目の前にそびえ立ったのだ。精臭がここまで漂ってきそうなほどのおぞましい男性器を鼻先にまろび出されて、ゆきのがどれほど怖がるだろうか。

 だが――

 ゆきのはうっとりとした表情で、臆しもせずにソレに指を這わせた。

「あは、いつ見てもすごぉい……♪」

 

 

 え………………え?

 

 

 ………………

 

 

 ――ええええええ………………!!??

 

 

「口に入りきらないよお……」

 甘えたような声でそう言うと、ゆきのは両手で厚太の肉茎を掴んで曲げ、先端を自分の口元に引き寄せた。「あ~む♪」と、まるで食事を始めるかのように大きく開けられるゆきのの口。いっぱいに開けてもなお亀頭の方が大きかったが、お構いなしにパクッと先っぽだけを口に含む。

 そして、親指で裏筋を揉みながら、シュッシュッと手慣れた手つきで両手でしごき始めたのである。

 真っ白になるボク。

(ゆ、ゆきのが……!? そっ……そんな…………!?)

 信じられない光景。

 でも、そんなボクを可笑しがるように、ゆきのは積極的な奉仕をしていった。

「ん……ん……んむ…………」

 ゆきのの頭が前後左右に小幅に揺れる。どうやら口の中で鈴口を刺激してるらしかった。ときおり唇が離れ、より大きく前後に揺らしながら、突き出した

 舌の先でリズミカルに鈴口の中をほじくるのが見えた。

 また、手と役割を交代して、ハーモニカを吹くように口をつけて肉茎をしゃぶりながら、中指の腹で鈴口をコネコネとする。

 ときおり犬歯でカプッと敏感な先端に立て、ピクピクとペニスが反応し、ぱん太郎が「ウッ」と軽く顔を歪ませて切なそうにするのを、上目遣いに可笑しがっていた。

(うわ……うわ……うわあぁ…………)

 ボクは思わず股間を押さえてしまっていた。あ、あんな風におしっこが出る場所を弄くられたら、どんなになっちゃうんだろう……!

「ののの~♥」ぱん太郎も気持ちよさそうな吐息を何度もついた。「キミもだいぶ上手くなってきたの~ん♥……」

「えへへー♥ 上手になったでしょ? お母さん直伝なんだから♥」

 僕はゆきのの言葉の意味が最初わからず、変に頭に引っかかったが、ちょっと考えてすぐに、寄せる細波のように驚きを広がらせた。

 そんな……かがみさん……まで…………!?

 つい、母娘二人がぱん太郎とコンナコトをしている光景を想像してしまい、危うく前後不覚によろめくところだった。

 ペニスを愛おしそうにしゃぶるゆきのの幼い顔は火照ったように上気し、上目遣いにぱん太郎を見る目がとっても潤んでいた。すごくいやらしい顔で、いつものゆきのと同一人物なのか信じられなかった。

「ん……んむぅ……んんむぅ……♥」

 ゆきのの口戯は段々とノッてきたように熱が籠もってきて、ほとんどむしゃぶりつくようにぱん太郎のペニスを味わっていた。彼にそうされたように、ゆきのもまた、舌から垂れ落ちるほどのつばをのせて満遍なく塗りたくり、それを指で広げ、ペニスがぬらぬらと妖しい光沢を放つまで舐めるのだ。

「のの~ののの~♥ も、もう出るのーん……♥」

 ぱん太郎は上擦った声を出し、腰をカクカクと動かし始めていた。

「ののの~今日はまずどこに出してほしいの~♥?」

「えっ……えと、ク、クチ以外なら……あっ」

 ゆきのはパッと閃いたような表情になると、ぱん太郎のペニスを握ったままやおら立ち上がり、背を向けて後ろのブナに手をついた。そして、

「ここに……おねがぁい……♥」

と、脚を大きく拡げて腰をつきだし、秘裂の前までぱん太郎のペニスを誘導した。

「ナカがダメなら、せめて入り口でドピュドピュ出して……♥」

「い、いいの~ん?」

 ぱん太郎はそう言いながらも、誘われるままに一歩前に出て先端を割れ目にくっつけた。愉悦げに笑みながら、昂奮を抑えられないようにハァハァと荒い息を吐いた。

「うん、お母さんにはナイショ……♥ ぱんぱんの熱いせーえき、ゆきののマンコにもいっぱいかけて♥」

「ぬふふ~ん、そこまで言うならわかったのん。ナカに入っちゃうぐらい、ドプドプ浴びせてあげるのん♥」

 少し腰を突き出して、ぱん太郎はゆきののまだ閉じた割れ目に、丸くなるぐらいパンパンになった亀頭の先を――ぬちりと埋(うず)めた。

「んんっ♥」

と、ゆきのは気持ちよさそうな声を漏らして、甘く腰を揺らす。

「ああんっ……♥ お、おちんちん入れちゃうのはダメだよぉ……ナカまで入れるのはダメェ……♥」

「のんのんのん、ここまでなら大丈夫なのん♥」

 ぱん太郎はそう言い、自分の手で肉茎をしごき始めた。

「ぬふん、ぬふん、割れ目の中の肉がヌルヌルでキモチいいの~、の~♥!……ぬのーん、ぬのーん……♥」

 ぱん太郎の腰がカクカクと動き、今にもゆきののアソコに入り込みそうだった。

「ハァハァ……イクのーん、イクのーん……ッ♥!!」

 もうしごかなくてもほとばしる直前を予感したぱん太郎は、肉茎から手を離してゆきのの秘裂を左右にぐいっとさらに拡げ、真っ赤に膨らんだ亀頭のカリがゆきのの内に隠れるほど押し込んだ。

「あああっ♥!?」

 ゆきのがその感触に官能的な嬌声を上げた瞬間。

 

 

 雷に打たれたように、ぱん太郎がビクンと跳ねた。

 

 

 ブピュッブピュッブピュッブピュッッ!!!!

 ブピュピュピュッッブピュピュルルッッ!!!!!!

 ブピュブュビュブュブュブュッッッ!!!!!!

 

 

「のののののーん…………♥」

 肉茎が膨らみビクビクと脈動し、亀頭が埋(うず)まった周囲から、ビュッビュッとまるで噴水のように白濁液が噴き出してくる。ゆきのの秘裂が、お尻が、内股が、みるみるうちに白く染まっていく。

 その鉄砲水のような放出に唖然として、ボクは開いた口が塞がらなかった。

 なんていう射精なんだ……!

 しかも量だけでなく、その濃さも凄いものだった。ゆきのの肌についた白濁液は、まるでゼリーのようにドロドロと垂れ落ちていく。どれだけ溜めればあんなに粘っこくなるんだ……。

「ああっ♥! あああっ♥!? こっ、これナカで出しちゃってるのおぉ♥!?」

 ボクもそれがナカで出されていないとは思えなかった。確かに入っているのは亀頭の部分だけ……みたいだ。けど、こんな勢いで出されてしまっては、中に流れ込まない方がおかしかった。

「奥じゃないの~ん、ほんの入り口で出してるの~……でも、これはこれで……キモチい~の~ん……♥」

「ああ、だめぇ、お母さんが、お母さんがナカはダメってぇ……♥ あ、ああ、でもっ、でもすごい、すごい熱いのがいっぱい出てるよお……ゆきののマンコにいっぱい、いっぱいせーえきいっぱいかかってるよぉ……♥ せ、せーえき、せーえきすごぉぃいぃ……っ♥!」

 あられもない嬌態を振りまくゆきの。

 出来る限りペニスが当たるようにつま先立ち、快感に酔いしれながら、パンダ人間の射精を女性の大切な部分に浴び続ける姿は、もはやボクの知っているゆきのではなかった。年齢や胸の無さなんてどこかに吹き飛んでしまう……まぎれもない“女”、だった――

 

 

 放水にも似た射精がようやく収まり、ぱん太郎の躰から力が抜けると、ゆきのの股間は一面、白で覆い尽くされていた。

 ぱん太郎は残尿処理のように腰をくにくにと動かしながら、

「もしかしたら、少しは入っちゃったかもなのん。ぬふふん。そしたらごめんなのん♪」

と言った。余韻に浸りまくったその顔は、まったく謝ってる風に見えなかった。

 ゆきのといえば――恍惚状態だった。

「ナカで出しちゃダメ」と彼女自身が言った精液でアソコをまみれさせながら、手足をぶるぶるとさせ、涙に濡れた頬を快感に緩ませて。あと少し進まれてしまえば容赦なく処女膜が破られてしまうというのに、本物の先っぽを咥え込んで、気持ちよさそうに腰を前後に揺らしている……

「あ……あ…………赤ちゃん……赤ちゃぁん…………♥」

 ゆきのは喜悦の涙いっぱいの瞳で腰を動かし続けながら、直上にあるぱん太郎の顔を見上げ、信じられない言葉を口にした。

「あぅぅん……やっぱり……ゆきのも赤ちゃん欲しいよお……♥」

 

 

 ゆ……ゆきの…………!?

 

 

「ぬっふふ~……♥」ぱん太郎は極上の笑みを浮かべた。「ちっちゃいのにスケベなムスメなのん。マンコがキュウキュウって締め付けてきて可愛いのん♥ …… ぬふふん、どうしても欲しいっていうんなら、ボクのせーえき、キミの中でドプドプ出してあげてもいいのん♥」

「ホ、ホント……? ゆきのでも赤ちゃん出来るの?」

「もちろんなのん、出来るまでやってあげるのん。ボクのせーえきマンコになるんだったら、いくらでも孕ましてあげるのん♥」

 ゆきのは淫蕩にけぶった目をきらきら輝かせた。

「ゆ、ゆきのも赤ちゃんつくりたい……!」

「ぬふっ、ぬふ、ぬふ~……♥ いいのん? ボクのせーえきマンコになるのーん? 種付けしまくってもいいのーん?」

「なるっ、なります、『せーえきマンコ』になるからぁ……」ゆきのはそう言いながらお尻を振った。先端が嵌(はま)っている肉棒もそれに合わせて揺れ動く。「ゆきのにも……種付けしまくってぇ……♥」

 

 

 ボクは頭に思い浮かべる言葉すらなく、ただ呆然と突っ立つしかなかった。

 こんな……ゆきのがこんな女の子だったなんて……!?

 

 

 ぱん太郎の奴に騙されてるんじゃないのかと思った。ただ、思っただけで、どう騙されてるとか、だからどうしようというとか、思考の続きはなかった。ゆきのの悦んでる姿にうろたえた。自分の知らないコトをやっているぱん太郎の存在感に気後れしてしまっていた。

 初めて見る本物のセックス――いや、ニセモノも見たことないけど――に完全に呑まれてしまっていた。

 なんで飛び出して阻止しなかったんだろう――などという悔やみは後の祭りだった。

「種付けされて、ボクの赤ちゃん孕むのん?」

「うん、ぱんぱんの赤ちゃん孕む、種付けされてゆきの孕むからぁ……ぱんぱんの赤ちゃん孕ませてぇ~♥」

「ぬふ、ふ、ふふ、ふふ♥」

 ぱん太郎は腹のぜい肉を揺らして笑った。心底愉快そうな笑いだった。

「ぬふふ、それじゃあキミの小さなしょじょマンコもボクが開発してあげるのん。他の子に負けないぐらい立派な、ボクのせーえきマンコにしてあげるのん。ボクのせーえきドプドプドプドプ入れて、キミの子宮の隅まで染み渡らせてあげるのん。それで、5ニンでも10ニンでもボクの赤ちゃん孕ませてやるの~ん……♥」

 そう言うとぱん太郎は昂奮極まった息を吐き、ゆきのの腰を掴むと、ガチガチに勃ったペニスを真っ白に塗りたくられた秘裂の中へ、ケダモノの欲望のままに腰を進めていった。

「キミのばーじんも、いただきなの~……♥」

 あんな量を射ち切ってもまったく固さを失ってないパンパンに張ったペニスが、ゆきのの中に押し入っていく……!

「あ……! あっ、あうっ、あぅぅ……! うううぅ~~~ッッ!!!!」

 今度は本物の苦悶の声だった。激しい痛みに襲われるように、ゆきのの全身が苦しげに強張った。

「い、痛い……裂けるよおお……ッッ!!!!」

 やっぱりあんな大きなモノ、ゆきののからだじゃまだ耐えられないんだ……!

 

 

 

 

 ぬ"る"んっ

 

 

 

 

「ん"ああッッ!!??」

 

 

 ――ボクの憶測を裏切るように、それは途中で加速し、想像よりも呆気なくゆきのの中へ収まった。

 根元部分を少し残して挿入に成功したペニスに、「のの~……♥」と、満足の溜め息を吐くぱん太郎。

 

 

「……クッ…………」

 ブナの表面が剥がれて手のひらに刺さり、思わず声を漏らしそうになった。いつの間にか、爪が痛くなるほど指を強く木肌にくいこませていた。

 ゆきのの処女は、ボクの視界の中でパンダ男に蹂躙されてしまった。

 ……ボクが何かを奪われたわけじゃない。

 ゆきのはボクのものじゃないんだ。

 それはわかっている。

 ……なのに。

 胸をライフルで射ち抜かれたように、心の中にぽっかりと穴が空くような感覚に襲われた。

 痛かった。

 シャツの胸元をシワになるぐらい強く掴んで、ハッと気付いた。目でわかるほど手が震えていた。躰が揺れ、頭がクラクラした。

(くそ…………!)

 しっかりしろよ、東方院行人……!

 

 

 それはおよそ、人と人とがする光景とは思えないものだった。こう言ってはおぞましすぎるが、まるで年端もいかない子供に無理矢理のしかかる変質者を見ているようだった。

 そういうのは止めなくちゃいけない。そんな気持ちはあった。だけど、あまりの光景に麻痺してしまったかのように、依然ボクの脚は動かなかった。

 現実感が希薄だった。

「あ……! ッあ……く…………! ぅ……、あ、ぁぁ…………!」

 激痛に襲われているのだろう、ゆきのの背中がプルプルと震えて仰け反り、つま先立ちになっていた。項垂(うなだ)れた顔は両目がギュッと瞑られ、辛そうな息が何度も吐かれる。

 それとは正反対に、

「のののの……♥!」

 男の方と言えば、のど仏をさらしながら快感の声を雄叫びのように上げる。

「今までで一番のキツキツヌルヌルなのん……♥! ののののの~♪ 最高なの~~♥!」

「はぁ……はぁ……そ、そう……なんだ…………う、嬉しいかも……♥」

「大丈夫~?」

「だ、だいじょうぶ……!」言葉とは裏腹に、ゆきのは苦しげに喘ぎっぱなしだった。

「裂けるかと思ったけど……今はもう……あんまり痛くない……よ……!」

「ぬふふ、これまでのエッチが効いたのかもー」

 そう言うと、ぱん太郎はゆっくり、ゆっくりと動き始めた。

 

 

 ぬちゅ……ぬちゅ……ぬ"ちゅ……ぬ"ちゅ……

 

 

 キツいと言うわりには、ゆきのの手首ほどもありそうな肉棹は、スムーズとも思える滑らかさで何度も何度もゆきのの胎内に挿入された。

 その赤黒い皮膚が、男自身が吐き出したもの以外の透明の体液で濡れているのが分かった。そして、そこには赤いものも混じっていた。

「んあ……んああ…………!」

 出し入れされる度にゆきのの顔が苦痛に歪む。

 処女だった赤い証が白濁汁と混じり、ねとついた糸を引きながら、腐葉土の上に垂れ落ちていった。

 しばらくは、ぱん太郎の腰の動きに合わせて、ゆきのの苦悶の呻きが続いた。

「う、うぅん……んあ、あ……うう……!あ、ああ……ああぅ……!」

 それはまるで、拷問にかけられているかのような光景であった。初めての女の子は、あんなに辛いものなんだろうか……?

 ゆきのは滑りやすいブナに手をつく余裕がなくなったようで、だらりと前屈した。ぱん太郎は立ちハメしたままゆきのの上体を起こし、木との間に挟み込むように彼女を立たせると、突き上げるような抽送を再開した。

「ひう……ひううっ……ひゃううんッ!」

 ゆっくりと腰を使って突き入れられるたびに、背中を張りつめて悲鳴を上げ、さらに脚をガクガクと震わせる。

 そんなゆきのに、

「頑張るの~……ゆっくりやってあげてるから、なるべく力を抜いて、でもマンコはよく意識するのん」

と、ぱん太郎は上から声をかけた。どこまでも呑気な声であった。

 ゆきのは痛みに涙をポロポロこぼしていたが、健気に頷いた。

「が……頑張る…………!」

 

 

 ズチュ……ズチュ……ズチュ……ズチュ……

 

 

 ――ほどなくして。

 わずかずつだが、ゆきのの反応が変わってきた。

 

 

「……あ……あ……あぁ…………。な……なんか…………お、お腹の中が……痛くない……ジンジン…………痺れてきた……」

「ぬふふ、どうやら感じてきたみたいなのねん、じゃあ、もっと速く動くのねん♥」

 徐々に腰の動きを速めていくぱん太郎。

 

 

 ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ

 

 

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あッ!」ゆきのの顔に快楽の兆しが戻ってきた。

「な、なに……奥に届いてる……あ、ああっ、あうぅっ……お、奥に、奥にぱんぱんのおちんちんが当たってるよぉ…………!」

「ぬふ、ぬふ♥ お望みどおり、キミのお腹の奥にある子供部屋に、い~っぱいボクの子種注いであげるからね~♥」

 そう言って、ぱん太郎は腰の動きをさらに深く、強く、加速し始めた。

 

 

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 

 

「あううっ、あうっ、あうっ、あううっ♥!」

 ゆきののからだの揺れようはまるで、幼児が振り回す人形であった。

 だけどそれでも、一度感じ始めた快感は無くならないようで、苦悶とも陶然ともつかない表情で、ゆきのはうわごとのような喘ぎ声を上げ続けた。

 信じられなかった。あんな乱暴に扱われて……あんなに大きいモノで蹂躙されて……ゆきのはまだ小学生の年齢なのに……

 二人の結合部から漏れ聞こえる粘質な音が、どんどんと大きく、高くなってゆく。精液にまみれた入り口に、あの巨(おお)きいペニスがゆきののアソコにほとんど根元まで出入りする様は、淫猥以外の何ものでもなかった。

「のの~♥ 狭すぎなの、ぬるぬるだけどぎゅーぎゅーなのー♥ キモチイイよすぎるののの~~~♥♥!!」

 

 

 グチュッ、グチュッ、グチュッ、グチュッ!

 

 

「あ、あ、あは、あ、あ、あはあぁッ♥!」

 ゆきのは前後に揺さぶられながら眉根をキュッとさせ、

「奥に、奥に感じるようっ、届いてるようっ!ぱんぱんのおっきいのが奥まで……来てるうぅ……♥!」

と、嬉しさを含んだ声で叫んだ。

「のお~~~♥ のお~~~ん♥!」ぱん太郎が吠えた。「締まる、締まるの~~♥ もうボク限界なのん、もうドプドプ出ちゃうの~ん♥!」

 ゆきのの大事なトコロの中で、ついにラストスパートが始まった。

 ぱん太郎はゆきのの腰をがちっと掴み、深いところをえぐるように、激しく腰を打ち付け出した。

「んああっ、んああっ、んあああっ!!」

 これには、慣れてきたゆきのも苦悶の悲鳴を上げた。

「痛いっ、お腹痛いようっ、激しすぎるようぅ……っ! お、お腹がぁ……苦しっ、……んいいぃぃ……!!」

 ゆきのの上半身がずるずると地面に落ちる。腰だけが持ち上げられた状態になって、ゆきのがいくら苦しそうな声を上げても、ぱん太郎の貪るような律動はとまることが――

「のの~~~~~……ッッ♥♥!!!!」

 

 

 

 

 ――とまった。

 

 

 

 

 めいっぱいまで深々と挿し込んで。一瞬、ぱん太郎の躰が膨らんだようにも見えた。

 獣の咆哮とともにここまで放出音が聞こえてくるのではないかと思うほどの、何らためらいのない明快な絶頂射精。

 臀部の筋肉が搾られるように断続的に締まり、緩み、また締まりを繰り返すのが、いやがうえにも、ゆきのの中で射精が行われていることを強調していた。

 ゆきののまだ発育途中のからだの中に、これまでにも何人もの女の子を孕ませた濃い精子が、溢れるほどにどくどくと流し込まれているのだ。

「あっ……♥! あっ……♥! あっ……♥!」

 ゆきのはからだをビクビクと弾ませ、うっとりと目を閉じながら、ぱん太郎の精子が自分の胎内に注ぎ込まれるのを――ぱん太郎が言う、子供部屋に注ぎ込まれているのを――深く感じ取っているみたいだった。

 ピーンと伸びて震えつま先立ちした脚の内側に、ネトついた白濁が伝い流れてゆく。それだけではなく、もう一本の脚が生まれたように、太い白布となってゆきののアソコらドロドロと落ちていった。

 ゆきのの幼い生殖器官は、中も外も余すところなく、ぱん太郎のおびただしい精子でまみれ、埋め尽くされていっているのだ。

「はあぁぁ……♥ んっ、んん、んんんんん………………♥♥!! すごい……すごぉぉい…………♥ すごいよぉ…………♥!」

 うわごとのように呟くゆきの。「ぱんぱんの熱いせーえきが……どくどく……入ってきてるよおぉ……♥!」

「の~~~……♥」

 尻をすぼめながら、ぱん太郎も心底気持ちよさそうな吐息をつく。

「種付けられてるのわかるの~♥? キミのちっちゃな赤ちゃん部屋に、ボクの特濃せーえきがいっぱい入ってってるの~ん♥」

「わかる、わかるうぅぅ……♥!」熱に浮かされたように叫ぶゆきの。

「お腹の奥に入ってくるぅ、あったかくてキモチイイのがいっぱい入ってくるようぅ……♥!」

「ぬふふふふふ、これでキミも立派なボクのせーえきマンコになったのん。ボクの子供孕んで、痛い思いしてボクの赤ちゃん産むのん」

「え……い、いやあ……痛いのはいやぁ……」

「でも子供産んだら、またこうして子作りできるのん。産んで、孕んで、産んで、孕んで、産んで、孕んで……一生忘れられないほどキモチよくしてあげるのん。ボクが飽きるまで、キミもボク専用のせーえきマンコなのん♥」

「ア……ァ…………アァ~~~――――…………♥」

 ゆきの声はもう言葉にならず、全身を震わしながら、堪(こら)えられない甲高い嗚咽を漏らした。

 

 

 

 

 

 

 あんな量の射精を二回も立て続けたというのに、ぱん太郎はすぐにケロリとして、

「一発だけじゃ満足できないのん、もっとやらせてもらうのん。せーえきマンコにきょひけんはないの~ん♥」

 そう言ってゆきののからだを今度は地面に仰向けにして転がし、彼女の下半身を持ち上げて脚を拡げた。ゆきのの頭の方に尻を向け、腿の裏に乗っかるようなかたちでその上をまたぐと、斜め下に打ち下ろすようにペニスを秘裂に埋(うず)め、そのままガシガシとまた腰を振り始めた。

 

 

 グチョン! グチョン! グチョン!

 

 

「ふあぁぁあぁああぁぁぁああ…………♥♥!!」

 ゆきのは細長い悲鳴を上げた。痛がっているのか、感じているのか、わからなかったが、どちらかというと感じているようだった。

 こんな姿勢でもセックスができるのかと、ボクは頭を殴られたようなショックを受けながら、その想像を超えた行為を見続けた。ボクだったら抜けてしまうだろう高さまで腰が上がっても、ぱん太郎のペニスは先端を覗かせることもなく、繋がった部分をまざまざとボクに見せ付けた。

 いやらしい液でぬたぬたに濡れた肉の楔が、ぬ"ろぬ"ろと出たり入ったり。

 ぱん太郎が突くたびに前に注ぎ込んだ白濁液がビュプビュプッと吹き出し、引いてもゴポゴポと溢れ出てくる。ボクの倍もある大きなモノが、ゆきのの小さなアソコにもう、実にスムーズに出入りしていた。

「あっ……あっ……い、いぃ……いいよぅ……♥ キモチイイ……キモチイイよう…………♥!」

 ゆきのは悲鳴にも似た嬌声を上げ続け、最後はぐったりとしてブナの落ち葉に上体を横たえ、だけど気持ちよさそうな笑みが消えることはなかった。

 ゆきののからだを折り潰さん勢いで腰を打ち付けていたぱん太郎が、

「ドプドプ~~~~ッッッ♥♥!!!!」

と叫ぶと、ゆきのの背の付け根あたりを押しながら、密着した状態でピストン運動が止まった。また、だらしない尻肉がビクンビクンと痙攣した。

 その瞬間、「あああああッッ♥♥!!!!!!」と、ゆきのは子供とは思えないケモノのような叫び声を上げ、三度目の射精がほとばしるのを迎えた。

 またもや半端じゃない量のようで、濃厚な白濁液がビュッビュッと噴き出して辺りに飛び散り、ゆきのの幼い肢体にも真っ白になるほど浴びせかけられた。

 顔も胸もお腹も白濁に染めながら、ビクビクと全身を快感で痙攣させ、背中を反らせて脚をいっぱいに拡げ、惚けたような表情で射精を胎内に受け止め続けるゆきの。

「んあぁ……んああぁぁ……♥ おなか、おなかが熱いよぅ……赤ちゃんが、いっぱいできちゃうよおぉぉ……♥ タプタプしてるぅ…………♥」

「のの~……♥ ボクの濃~いせーえきをいっぱい味わうの~……♥」

 ゆきのは理性を失った顔でコクコクと何度も頷き、「赤ちゃあん……♥」と、夢見るように呟いた。

「これからはキミも、いつでもどこでもボクのせーえきマンコになるのん。ボクが命じたらどこででも股を広げて、ボクのチンポを迎えるのん。ボクのせーえきマンコにきょひけんはないのん♥ 孕むまで何度でもマンコにたーっぷり注いであげるのん。わかったのーん?」

「は……はあぁい……♥」

 本当の理解しているのかどうか怪しい表情で嬉しそうにお腹をさすると、水たまりになっていた精液がヌルヌルと糊のように広がった。

 

 

 この後も、ゆきのはぱん太郎の言う“精液マンコ”になってしまったようにスケベパンダの好き放題に犯された。時間が経つにつれてゆきのは息も絶え絶えになり、疲れをにじませていった。そしてついには失神してしまったが、そうして気を失うまで、計五回も彼女の体奥で“種付け”が行われた。

 だけど、彼女の小さな躰も、アソコの中も――おそらく子宮も――特濃の白濁液で満たされて、ゆきのは自分を失うほどの快楽に包まれてながら、気絶してもなお、幸せそうな笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

第2話に続く)

 

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最終更新:2022年01月02日 04:20