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「R25」◆(2010/02/24)景気対策で借金が増える… 「財政投融資」って何のこと?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100224-00000004-rnijugo-pol

【質問】 財政投融資の特徴は何ですか?


【回答】
 「財政投融資リポート2009」の「I部 財政投融資の概要 3.財政投融資の特徴」(http://www.mof.go.jp/zaito/report2009-01-03.html)によれば
  • 租税負担の抑制
  • 事業の効率的な実施
  • 受益者負担の実現
だそうです。具体的には

  • 租税負担の抑制
財政融資は財投債の発行等によって国の信用に基づき低利で調達した資金を用いていますが、その償還・利払いは財政融資の貸付先からの償還・利払いによって賄われています。従って、財政融資は租税負担を伴わない政策手段であると言えます。また、財政融資を活用して政策金融機関や独立行政法人等が事業を実施する際には、同時に一般会計等から補助金・補給金等が支出されている場合があります。このような場合においても、補助金・補給金等のみによって事業を実施する場合と比べて、租税負担が抑制されることになります

  • 事業の効率的な実施
政府が特定の事業を政策的に支援する場合、補助金を渡すよりも融資を行う方が、貸付金の返済を通じてコスト意識を高め、事業の効率的な実施につながる場合があります。具体的には、中小企業対策、ODAなどにおいては、融資の形態による支援の方が適切となる場合があると考えられます。

  • 受益者負担の実現
政府が特定の事業を政策的に支援する場合、補助金を渡すよりも融資を行う方が、貸付金の返済を通じてコスト意識を高め、事業の効率的な実施につながる場合があります。具体的には、中小企業対策、ODAなどにおいては、融資の形態による支援の方が適切となる場合があると考えられます。

【質問】 日本と他国の財政政策における有償資金の活用(日本では、財政投融資に当たる)の状況はどうなんですか??


【回答】
 「財政投融資リポート2009」の「I部 財政投融資の概要 コラム 諸外国における有償資金の活用」(http://www.mof.go.jp/zaito/report2009-01-06.html)によれば
財政政策における有償資金の活用は、我が国に限らず欧米諸国でも広く用いられています。もっとも、その具体的な仕組みや対象事業は、それぞれの制度ができた歴史的経緯や金融市場の状況などが異なるため、国によって様々です。

例えば、 融資の財源については、我が国では主に国債の一種である財投債の発行を通じて調達しており、租税は用いない仕組みになっていますが、 アメリカやイギリスでは、租税と国債により調達した資金を組み合わせたものとなっています。

資金供給の具体的な手法について、日本では、事業を行う政府関係機関に対して政府から直接融資を行うという手法が多く用いられている一方、アメリカでは政府による債務保証という手法が多く用いられています。

また、対象分野については、国の融資額のうち地方公共団体に対する融資額の割合は、日本では3割程度ですが、イギリスでは約9割となっています。逆にアメリカでは、国の地方自治体に対する融資はほとんど行われていません。

このように、 我が国も欧米諸国も、具体的な仕組みや対象分野こそ異なっていますが、政府の財政政策の手段として、有償資金の活用が重要な役割を果たしていることに変わりはありません。

具体的には
   国名           米       EU     英         独         仏        日

政府による信用供与を 連邦信用計画    -     -         -         -     財政投融資計画
一元的にまとめたもの

  政府貸出残高    191兆円     -     21兆円      9兆円      3兆円      216兆円
(2008年会計年度末)

融資の主な対象部門   民間部門    民間部門   公的部門     公的部門     民間部門     公的部門

主な対象分野     住宅、中小企業、 社会資本  中小企業、貿易  住宅、中小企業 住宅、中小企業、 住宅、中小企業、 
             教育、地域開発、 中小企業  教育、海外援助  社会資本、農業  社会資本、貿易  社会資本、農業
             農業、貿易                                     海外援助


政府金融機関の貸出残高  707兆円    57兆円     -         41兆円        16兆円     122兆円 (2008会計年度末)

(参考)国内非金融部門
負債残高(2008会計年度末) 3,795兆円   -      1,421兆円     1,180兆円     1,400兆円   2,709兆円

【質問】 財政投融資の資金のリスク管理はどのようにやってますか?


【回答】
 「財政投融資リポート2009」の「II部 近年の財政投融資の動向 4.財政融資資金のリスク管理」(http://www.mof.go.jp/zaito/report2009-02-06.html)によれば資産負債管理(ALM)と金利変動準備金でリスクを管理している。
資産負債管理(ALM)とは「財政融資資金のALM(資産・負債管理)について」(http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/siryou/zaitoa141007b/11.pdf)より
ALM(Asset Liability Management:資産・負債管理)とは、金融業務を行うにあたって発生する各種のリスクを回避するため、資産(資金運用)と負債(資金調達)のバランスを総合的に管理することをいう。
ALMによって管理する金融リスクには、一般に、流動性リスク、金利リスク等がある。
また
財政投融資改革以前の資金運用部資金は、資金の運用(資産)は主に5年~30 年の貸付けである一方、資金の調達(負債)は郵貯・年金等の預託金で、期間は主として7年間であったため、運用と調達の間で大きな期間のミスマッチを抱えていました。このため年度ごとの貸付金等の回収額と預託金の払戻額の間に大きなギャップがあり、金利動向等によっては大きな損失が発生しうるという金利変動リスクが存在していました。

しかし、財政投融資改革において、国債の一種である財投債が財政融資資金の主たる調達手段となったことから、財投債の発行年限(現在は2年~30年)を国債発行計画全体の中で可能な限り調整することができるようになり、年度ごとの貸付金等の回収額と財投債等の償還額の間のギャップを縮小できるようになりました。財政投融資特別会計においては、 このように適切に資産負債管(ALM)を行うことで、金利変動リスクを極力抑制することとしています。

金利変動準備金は
財政投融資改革後のALMによって、財政融資資金の金利変動リスクは次第に減少してきました。しかし、財投債の発行年限は現在2年、5年、10年、20年、30年に限られていること、貸付けの大半が均等償還型のキャッシュフローであるのに対し、財投債が満期一括償還型のキャッシュフローであること、郵貯・年金以外の預託金が相当程度残っていることなどから、年度別の資産と負債の間のギャップを完全に解消することは困難であり、現在でも一定の金利変動リスクが存在します。

そこで、財政投融資特別会計が長期にわたり安定的な活動を行っていくことができるよう、利益が発生した場合にはこれを金利変動準備金として積み立て、将来生じうる損失の発生に備えることとしています。

また、「特別会計に関する法律」では、金利変動準備金が財務の健全性を確保するために必要となる水準(政令により定められている)を超える場合には、予算で定めるところにより、国債整理基金特別会計へ繰り入れることができることとされています。

平成19年度で郵貯・年金の預託金の払戻しが概ね終了し、財投債によって幅広い年限での調達を行うことにより、運用と調達の期間を合わせやすくなった結果、財政融資資金の金利変動リスクが減少してきたことを受けて、金利変動準備金の上限については、平成20年度において総資産の100/1000から50/1000に引き下げられました。


            財政投融資特別会計の賃借対照表
                  資産     負債
 運用利回り:2.18% ← 貸付金等 財投債・預託金等 ← 調達金利:1.31%
 (平成20年度実績)                     (平成20年度実績)
                   金利変動準備金
                 (総資産の50/1000以内)
           運用利回り>調達金利→積立
           運用利回り<調達金利→取り崩し
→近年の低金利により毎年度利益が発生するも、金利上昇に備え積立が必要

【質問】 郵貯・年金のお金ってまだ財政投融資に使われているの?


【回答】
 「財政投融資リポート2009」の「III部 Q&A Q 郵貯・年金のお金ってまだ財政投融資に使われているの?」(http://www.mof.go.jp/zaito/report2009-03-05.html)によれば
現在、郵便貯金と年金積立金は、市場において自主運用されており、財政投融資との制度的な関係はありません。

財政投融資改革以前は、郵便貯金と年金積立金は財政融資資金の前身である資金運用部資金への預託が義務づけられており、財政投融資の主要な資金供給源となっていました。しかし、財政投融資改革において、郵便貯金と年金積立金については市場において自主的に運用することとされ、財政融資資金への預託義務は廃止されました。現在、郵便貯金についてはゆうちょ銀行、 年金積立金については年金積立金管理運用独立行政法人により運用がなされています。また、財政投融資改革以前に預託された郵便貯金、年金積立金は約定により順次払い戻されており、年金分については平成20年度末、郵便貯金の通常分は平成19年度末までに払戻しを完了しています。(郵便貯金からの預託金のうち、自主運用分(旧金融自由化対策資金見合分)については平成21年度末で2兆円が残存する見込みですが、これについても平成22年度末までに全額払い戻される予定です。)

なお、両者がその資産の多くを国債で運用していることから、現在も実質的に国債(財投債)の購入を通じて、郵便貯金や年金積立金が財政投融資に使われていると言われることがあります。しかし、郵便貯金や年金積立金はそれぞれゆうちょ銀行、年金積立金管理運用独立行政法人が独自の目的、運用方針により市場で運用しており、郵便貯金や年金積立金が自動的に財政投融資に使われる制度になっているわけではありません。

【質問】 財政投融資対象事業の多くは不良債権化しているって本当ですか?


【回答】
 「財政投融資リポート2009」の「III部 Q 「財政投融資対象事業の多くは不良債権化している」って本当ですか?」(http://www.mof.go.jp/zaito/report2009-03-07.html)によると
財政融資資金は財政融資資金法により確実な運用を行うこととされ、その貸付けの対象は特別の法律により設立された法人や地方公共団体等に限定されています。また、これまで財政融資資金からの貸付けにおいて貸倒れが発生したことはなく、約定どおりに償還がなされています。つまり、財政投融資対象事業の財務の健全性は確保されていると言えます。

しかしながら、個々の財投機関が貸倒れ等の各種の事業リスクを抱えていることは事実です。この点については、 毎年度の財投編成の際に、財投機関において、信用リスク等を勘案した金利設定を行っているか、財政投融資対象事業の収益性がきちんと確保されているか等を精査し、政策コスト分析の手法も活用しながら、財投機関の償還確実性の精査に努めています。

特に、平成17年度財投計画編成の際には、財政制度等審議会財政投融資分科会において、全ての財投機関の財務の健全性について、民間準拠の財務諸表などを参考に総点検を行いました。この際、財政投融資残高で大きなウエートを占めていた旧住宅金融公庫、(独)都市再生機構については、事業の撤退を含めた抜本的な見直しを実施しており、財政投融資事業の健全性はそれ以前と比べて一層確かなものになりました。

なお、財政投融資対象事業に一般会計等から国費(補助金など)が支出されている場合もありますが、これは、一定の政策上の目的に基づいて投入されているものであり、 財投機関の債務返済を助けることが目的となっているものではありません