【link】


「ダイヤモンド・オンライン」◆(2009/09/30)サブプライム・ローンの誕生と、拡大に向けて整った3つの条件
http://web.diamond.jp/rd/m448352

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2009/10/21)リーマン破綻で揺れた政府と市場の混乱 世界経済危機はこうして幕を開けた
http://web.diamond.jp/rd/m469081

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/05/10)ゴールドマン事件は何が問題なのか
http://web.diamond.jp/rd/m694278

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/06/18)なぜ米国住宅バブル崩壊は 瞬く間に世界へ広がったのか
http://web.diamond.jp/rd/m746564

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/07/02)8年前にはすでにふくらんでいた 米国住宅バブルの「火種」と 熱狂を放置したFRBの「罪」
http://web.diamond.jp/rd/m771436

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/09/03)バブル経済の崩壊は、世界をどう変えたのか ――社会主義・資本主義の並存からグローバルな資本主義へ
http://web.diamond.jp/rd/m899321

「町山智浩アメリカ日記」◆(2010-10-30)金融崩壊は「ウォール・ストリート」の「インサイド・ジョブ(内部の
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20101030

【質問】 現在の不景気になった、きっかけや流れを教えて下さい!!


 【回答】
 簡単に言うと、アメリカを中心に世界的に金融バブルがはじけたから。

 大きな流れとしては,銀行は信用度の低い融資先への債券をまとめて小口証券化して、投資家へ販売するようになった。
 しかも米国の格付け会社がこの証券に高い格付けを設定したものだから、世界中の金融機関がどんどん買い、さらに需要は膨れあがって、不動産市場に大量の資金が流れ込んで,これがサブプライムローンが蔓延。
 これは不動産価格が上昇することを前提として組まれたローンなので、不動産価格が少しでも下がると、債務不履行状態に陥り,アメリカの住宅バブルがはじけて証券化商品が紙くずに。
 しかも米国の場合、ノンリコースローンのために,さらに状況悪化.
 投資銀行は手持ちの株でも債権でも何でも売って,日本に金返さなきゃならないから,株も投資信託も住宅も資産価値が暴落。
 上がり続けると思ってた資産価値が崩壊して,消費も一気に冷え込んで不景気に。
 住宅ローン会社の破綻が相次ぐとともに、RMBSに投資していたヘッジファンドも、その資金を提供した金融機関も連鎖的に損失を被ることに.
 資金繰りが滞って破綻するところが出てくると,一気に金融恐慌状態に。
 借金してまでもガンガン消費しまくってたアメリカがこんな感じで崩れたから,そのアメリカにたくさんモノを売ってた日本も連動して不景気に。
 まあ,こんな感じかな。




【質問】 サブプライム・ローン破綻は収益力に血眼になりすぎて,危ない橋を渡ってしまった結果なのでしょうか?


http://www.bk1.jp/review/0000147002
によりますと,
米国の銀行が七転八倒の苦しみを経て自己革新を繰り広げ新
商品を続々生み出して収益力を高めていく中、
日本の金融機関は実質的に何もせず何も新しいものを生み出さなかった
とのことですが,そうしますとサブプライム・ローン破綻は収益力に血眼になりすぎて,危ない橋を渡ってしまった結果という理解でよろしいでしょうか?


 【回答】
 現在NHKスペシャルでやっているマネー資本主義の第一回で,ソロモンブラザース会長のグッドフレンド氏が述べていた言葉が印象的です。当時米国はレーガン政権下のボルカーFRB議長下での
 インフレ封じ込め高金利政策から自由化へと進み、債券の自由化がはじまりました。
 このとき、債券ビジネスで革命を起こし莫大な利益をあげたのが,ソロモンブラザースの債券部隊だったのですが、このソロモンの一部の若手トレーダーが全社の利益の過半を稼ぎ出していたにも拘らず、当時の給与体系は基本的に年功序列で、これに当時の若手が公然と不平をならしはじめ、これに目をつけたモルガン以下が高給で引き抜きにかかり、ソロモンのノウハウが他の投資銀行に流出する危機に直面します。
 そこで当時の会長だったグッドフレンドは、同じボードのメンバーだったヘンリーカウフマンの制止も聞かず,給与体系の成果主義に舵を切ります。
 これが不幸の始まりで、基本的に証券会社も銀行も退屈で儲からないビジネスなので、みんな高額のボーナスを目指して会社の資産を担保に大博打を打ち始めるようになります。
 博打の成果が千万、二千万なら問題ないのですが、百億円、二百億円となると話が変わります。
 成功報酬の魅力が強すぎるので「失敗したって辞めりゃいいんだろ」と、こうなってしまうのです。

 ソロモンの躍進についてはマイケル・ルイス「ライアーズポーカー」に詳しいです。
http://www.bk1.co.jp/product/00695068/p-jokai28866/

 でも,いくら金があったって、人間200歳まで生きれないし、70になればEDになるし,飯が6杯も10杯も食えるようになるわけでもなし(食えば糖尿病になるか肥満になって心臓病で死ぬ)、結局糟糠の妻を捨てて30歳も40歳も下の女と再婚し、娘や息子に見捨てられ、挙句の果ての若妻には浮気されと、まあ良いことはないのですが、アメリカのみならず英国、フランス、スイス、ドイツの名門銀行の頭取はみんなこの道を驀進し、最後は破滅したわけです。
 芥川龍之介の杜子春でも翻訳したら、売れるかもしれませんね。

塩津計 by mail, 2009.6.9

【質問】 金融危機以前は好景気だったの?


 【回答】
 好景気とまではいかないけどそれなりに。
 ただ,よく「実感なき景気回復」なんて言われるように,庶民レベルでは景気の回復は実感されてないことが多かったようだね。
 つまり一部大企業・銀行の収益が大幅に上がったものの、その富は庶民には還元されなかった。
 小泉竹中路線の新保守主義政策のために,法人税減税等によって企業には富が留まりやすく,派遣労働の緩和拡大によって労働者には富が届かない経済構造が
できつつあったからね。

 ただし,屋山太郎は週刊新潮誌上において,そもそも好景気ではなかった旨の記述をしている.



【質問】 「実感なき景気回復」があったなら、何故今期トヨタ等の大企業が減収減益になるの?


 【回答】
 トヨタ等の輸出主導型大企業が減収減益になるのは特に9月以降じゃないかな。
 その前はガソリン代が急騰したっていうのも,国内的には車の買い控えの原因になってるかも。

 急騰していたのはガソリンだけじゃない.
 金属なども同じだ.
 トヨタの場合,平成21年3月期連結決算にて,鉄鋼など原材料費高騰で3600億円の損益となっている.
 価格に反映させづらい状況があったからね.

 9月以降の原因のひとつは急激な円高だね。
 円が高くなると,それに比例して日本車の値段も高くなる。
 そうすると海外(アメリカや中国)の人たちは買いにくくなるからね。
 輸出主導型の企業はみんなこの円高で苦しんでる。
 1円円高になるだけで,何百億円って単位で減収になるところもあるらしいから。

 円高差損自体が損益になる企業もある.
 トヨタの場合,平成21年3月期連結決算にて,対ドル・対ユーロで6900億円の円高差損を蒙っている.

 もう一つは今回の金融バブルがはじけて、全世界的に不況になりつつある。
 だからどうしても物が売れなくなるよね。
 高くなった日本車なんか特に。

 トヨタに関して言えば,これまでの業績がむしろ好調過ぎたとも言える.
 その好調の裏には,涙を拭きながら取引継続に応じている下請け・孫請け企業があったからでもある.
 だから風向きが悪いほうへ傾くと,トヨタ自体のみならず,下請け・孫請けを巻き込んで急滑降しやすい体質なのかもしれない.
 「トヨタ方式」がもてはやされ,それを手本としていた企業も多かったようだから,そういうところは同じように急滑降するかもしれない.



【質問】 「日本は貿易黒字を稼いでいい気になっていたが、それを運用していた米国債の価値がプラザ合意以降の超円高ドル安で半減し、日本は儲けを全て米国にはぎ取られた」というのは本当ですか?


 【回答】
http://www.bk1.jp/review/0000024387
によれば疑わしいという.
 第1に,当時の米国債は年利16%以上であり,満期まで持ってれば元利合計で結局儲かっているはず。
 第2に,円高になった結果,日本人全員が莫大な購買力を棚ぼたで手に入れた.
 損したのは米国債を購入して超円高時に慌てて売却した一部の銀行と生保のみ。
というのが,その論旨.

 詳しくは同ページを参照されたし.


【質問】 リーマン・ショックを予期して回避することはできなかったのか?


 【回答】
 後から冷静になって考えてみれば,
  • 2007年2月下旬の上海発世界同時株安
  • 同年8月のBNPパリバのファンド凍結にともなう世界各国の市場混乱
  • 同年秋以降の、米国や欧州の金融機関が次々に経営危機に直面し、株式式市場も乱高下しながら、下げ基調にはいった時期
のときに投資家は資金を引き上げておけば、痛手を食うことはなかったろうという.
 しかし,バブルという自覚はあるので、金融のプロはみないつでも逃げられる態勢でいたが,早めに資金を引き上げるようなマネジャーは運用成績が低くなり、ファンドを解約されてしまうリスクがあり,一方、粘りすぎても、逃げ遅れて損失を出すというリスクがある。
 結局は、どちらも変わりないリスクとしてあるので、ほかの投資家が投げ売りを始めないか様子をじっと見ながら、ギリギリまで粘ることになり,この間、バブルがどんどん過熱していくのだという。

 詳しくは
http://www.bk1.jp/webap/user/UpdReviewEvaluation.do
を参照されたし.

【質問】 「リーマン・ショック」以降,なぜ円だけが乱高下するのか?


 【回答】
「信用バブル崩壊で金融システムが負った傷の深さが,米欧よりも相対的に浅いから,『逃避通貨』として買われたのだ」という説明がしばしばなされてきたが,上野泰也(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト)によれば,そうではないという.
 円高が急激に進んだ本当の原因は、株価の急落を背景とする機関投資家の保有資産の含み損拡大とリスクテイク能力の低下、クレジットクランチ(信用収縮)によるヘッジファンドの資金繰り難などを背景に、過去数年に蓄積されていた円売りポジションの解消が一気に加速したことである,と彼は観る.
 すなわち,量的緩和政策や,35兆円を超える巨額の円売りドル買い介入の円売りポジションが,ずっと蓄積されてきたのだという.

 詳しくは,
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090721-00000003-voice-pol
を参照されたし.

 ただし同ページは,「日本は内需の基調が弱い」としている点で,疑問の余地はある.


【質問】 どうして円の価値が上がっているのに株価が下がるの?

 日本に期待してどんどん円を買うなら、企業の株もどんどん買われるのでは?

 【回答】
 今は円に期待して円高になってるんじゃなくて,円を借りていた外国人投資家・投資銀行が,いっせいに資産を現金化して円を返してる状態だから円高。
 だから日本の株も売られ現金化されてる。

 それと同時に日本の場合は超優良企業は輸出主導型企業だから,円高はマイナス要因になって株が売られる。



【質問】 日・米は世界でも飛びぬけてヤバイ経済状況と認識してよいのでしょうか?


 【回答】
 そこらへんはびみょー。
 元々デフレだった日本と、震源地のアメリカがかなりツライのは確かだろうけど,他の国は大丈夫というより、単に当局の対応が遅れてるだけって可能性も捨てきれないし,そうでなくてやっぱり大丈夫なのかもしれない。

 日米以外で難しいのはまさにインフレの問題で,英国とか欧州とか今インフレ率それなり高かったりするんだよね。
 金融緩和は景気刺激、そして代償はインフレ。
 これは無限に景気を刺激し続けれるわけじゃないって話でもある。
 あんまりにもインフレ率高くなっても困るから。
 だからこれ以上思い切った緩和に踏み切れない、という状況。

 で、さらにややこしいのは,インフレと景気と失業と金融政策のそれぞれのタイムラグの問題。
 金融政策が効き出すのは半年から一年かかるって言われてる。
 もしこれから欧州や英国でも景気悪化がより深刻になるなら,今のうちにもっと金融緩和しとかないと酷い目にあうわけだ。
 けど、ゼロ金利や量的緩和がどうこう以前に、金利下げという形での金融緩和は既に各国やってるわけで、それで実は十分なのかもしれない。
 その場合は各国民は不必要な高インフレを被るわけ。
 暗闇の中手探りで進む状況だから、もう結果を見るしかないんだね.

 【出典】
経済板,2008/12/23(火)
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/eco/1221984536/330-331

【質問】 2009年3月期の連結決算において,国内の大手自動車メーカー3社のなかでホンダだけが,1400億円の黒字が見込まれることになった,その要因は?


 【回答】
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090413-01-1401.html
によれば,2007年夏に米国でサブプライムローン問題が顕在化したとき,本社にタスクフォースをつくって市場の動向を詳しく調べさせ,その結果、自動車市場にも影響が及ぶかもしれないとにらみ、2008年の初めごろから在庫を絞りはじめたという.
 一方,他社は、ヤードに在庫の山ができていたことに経営が気づかなかったことが,対応の遅れにつながったといわれている.
 ホンダ社長,福井威夫は,次のように述べている.

 福井 空気の変化にいちばん敏感なのは現場です。
 現場の人間が何を感じているかを、つねに知っておくことが重要なんですね。
 現場が正しい情報を上げてくる。
 経営は素直に耳を傾ける。
 そのコミュニケーションがうまくいっていたということではないでしょうか。

 むろん、上から号令をかけてイケイケドンドンで行く時期もありますし、2年、3年前ならばそのほうがむしろよかったのかもしれません。
 しかし、ある時期を境にして、現場は「こんなに売れるのはおかしい」と感じていました。
 その情報をきちんとキャッチできるか否かなんですね。

 通常のオペレーションで上がってくる生産販売情報は平均値ですから、パッと見ただけでは実態がつかみにくい。
 ですから、タスクフォースをつくって実態を調べ、現場の感じている空気をつかみました。
 販売台数や利益よりも、とにかく在庫を減らせといったのは正解だったと思います。

 詳しくは上記ページを参照されたし.

 ただしこの社長,F1撤退の効能についても述べているが,モーター・ファンの間では
「だったら,そもそも参加すんな!」
など,大変な不評を招いており,イメージ・ダウンとなっている部分もあることを付記しておく.

 物事には常にプラスとマイナスとがあるのだ.
 マイナスのないプラスなどありえない.


【質問】 GM破綻はフォードに飛び火する?


 【回答】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090612-00000001-diamond-bus_all
によれば,その可能性もあるという.

それは、政府管理企業となったGMが価格競争を仕掛けることで、自力再建の可能性が残る唯一の存在であるフォード・モーターまでをも破綻へと追い込んでしまうのではないかというシナリオだ。
 市場から退散すべき企業がチャプターイレブンで生き残り、ゾンビ企業となって価格競争を仕掛け、業界の泥仕合が深刻化する――これは実際に米航空業界で起きていることだ。

 しかもフォードも経営再建半ばであり,シェアはGMやクライスラーの顧客が流れてきて微増傾向にあるものの,販売台数の減少は続いているという.

 詳しくは同ページを参照されたし.
 まあ,オバマがこれも意地でも支えると思われ.

【質問】 定額給付金は経済対策としてはどう評価できるか?


 【回答】
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090524AT3S2401624052009.html
によれば,2008年にノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン・米プリンストン大教授は,「定額給付金はゼロ点だ」と述べたという.
「定額給付金は米国などではほとんど貯金に回り、失敗した。
 なぜ日本が実施するのか理解できない」などと厳しい評価を下したという.

 詳しくは同記事を参照されたし.


【質問】 リーマン・ショック以降の中国における景気刺激策の問題点は?


 【回答】
 三橋貴明(経済評論家・作家)によれば,中国政府は国債で資金調達をしたうえで、公共投資などを拡大しているが、そうした政府支出拡大と同時に、銀行融資拡大で民間に金を流し込むことで、景気を強引に活性化させようとしているという.
 しかし民間に資金需要がないのに銀行融資を強引に拡大しても,需要が拡大する見込みがないので,資金は設備投資には向かわない.
 また中国に限らず,一般に景気低迷下では銀行は融資の不良債権化を恐れ,中小企業に対しては「貸し渋り」「貸し剥がし」を行う傾向にある.
 その結果、融資増加分は多くが株式・不動産に回ってしまうので,株式・不動産バブルが再燃し、挙句の果てに、肝心の国債にマネーが回ってこなくなってしまっているという.

 こうしたことになったのも現実の中国共産党は、本来の目的である失業統計については、無意味な数値ばかりを公表し、雇用安定の「傍証」に過ぎない成長率8%ばかりを必死に追い求めているからだという。
中国は統計数字を「最悪の輸出品」として輸出するのみならず、自らの基盤すらも「液状化」させているわけである。
と三橋は述べている.

 詳しくは,
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090810-02-1401.html
を参照されたし.

【質問】 オバマ政権の経済対策は,どのように評価できますか?


 【回答】
 三橋貴明によれば,財政破綻を招きかねない危険を伴っており,ドルの基軸通貨制度が崩壊する恐れもあるという.
 「転送歓迎」というメール・マガジンより,以下に紹介する.

■4.米国の経済対策に潜むドル崩壊のリスク■

 米国の経済対策の「財政負担は極めて重い」という中身を
   三橋貴明氏の近著[1]に従って、数字で見てみると、これは
   「負担のつけ回し」どころか、財政破綻を招きかねない危険を
   伴っていることが分かる。

  09年度の米国財政赤字予想額は、オバマ政権の財政支出を
   含まない場合でも、対GDP(国内総生産)比8.3パーセン
   トに相当し、前年の3.2パーセントから大幅に増大する。ち
   なみに日本の09年度の財政赤字は、景気対策の財政支出拡大分
   を含めてもGDP比2%程度である。[1,p148]

 この財政赤字を補うために、09年に米国は最低でも2兆ド
   ルの米国債を販売する必要に迫られているという。どこの国が
   これだけの米国債を買えるのか。

 08年11月に米国財務省が発表した国際資本統計によると、
   9月末時点で米国債保有国のトップは中国で5850億ドル、2位
   の日本が5732億ドルである。両国が現在保有している米国債を、
   一挙に2倍に買い増ししても、必要な2兆ドルの半分強にしか
   ならない。

 中国の米国債保有高は増加し続けているのである程度買い増
   す可能性はあろうが、日本の保有高はここ4年ほどで、約18
   パーセントも減少しており、日本が買い増す可能性は少ない。

 日本は過去、米国債を必死で買い支えるために、国内で異常
   な低金利政策をとり、それがためにバブルが発生して、痛い目
   を見た[a]。米国債の保有額を漸減させているのは、その反省
   が効いているのであろう。ゆっくりとした目立たない削減ペー
   スは、一気に米国債を売ってしまえば暴落して損をするので、
   賢明な策と言える。かつて日本は「飼い犬のように米国債を買
   い続ける国」などと揶揄されたが、中国にそういう嘲笑を投げ
   つけるマスコミはないようだ。

 外国が米国債を買ってくれないのなら米政府はどうするのか。
   最終手段は、中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、
   ドルを必要なだけ刷って米国債を買い取る、という手であり、
   現にFRBは「その用意がある」と公表している。

 ドルの大量発行は、必然的にドル安を招き、それを警戒する
   国々がドル資産を他の通貨に替えようとすれば、ますますドル
   安が進む。これでドルの基軸通貨制度が崩壊する恐れがある。
   オバマ政権の大規模な経済対策は、こういう綱渡りの上に進め
   られているのであり、「財政負担は極めて重い」で済まされる
   程度ではない。

 日本の財政赤字も大きな問題だが、国債の95パーセントは
   国内で買い取られる。いわば、夫(政府)の使い込みを妻(国
   民)の資産で補填しているようなもので、一家が外部に借金を
   しているわけではない。米国は夫婦ともどもサラ金に手を出し
   ているよう状況で、そのリスクとは比較にならない。

Japan On the Globe(597)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■
■転送歓迎■ H21.05.10


【質問】 麻生がIMFに10兆円拠出するって言ってますけど、そのお金はどっからもってくるのでしょうか?  それは誰がどうやって決めたのでしょうか?


 【回答】
 日本が保有する100兆近い外貨準備の中から拠出します。
 拠出といっても,新しい割り当てが決まるまでの暫定的な貸し出しなので,必ず戻ってくるお金です。
 寝かせておくよりは利子つきで戻ってくる上,国際貢献にもなり,日本にとってはマイナス面がほとんどありません。
 ちなみによく,「こんな金があれば国内に使え」という声が聞かれますが,全くの間違いです。

 外貨準備のほとんどは証券の形で保有していますが,具体的には米国債が主でそれプラスその他米国公債という形でしょう。
 なので,国際政治的に簡単に使えるものではないし、仮に国内で使うためにはドル売り円買いをしなければならず、大きな円高圧力になってしまいます。

 「保有」と言っても債券ですから利息がついてきますので,実際は「運用」なのですが、長期的なドル安円高基調もあって,ただ保有するだけでは価値が目減りしてしまう、ということです。
 それならばIMFを通じて新興国の経済再建に寄与し日本の国際貢献度を高めたほうが有利である、ということですね。

 この決定は麻生・中川及び財務省事務方が決定したものです。


【質問】 リーマンショック恐慌には,どのように対処すべきなのか?


 【回答】
 リチャード・クーによれば,先の日本のバブル崩壊も,このリーマンショックも,彼命名するところの「バランスシート不況」であり,このようなタイプの不況には金融政策は全く利かず,財政出動のみが有効であると主張している.
 その財政出動は最低でも5年間は続ける必要があり,財政赤字が大きいからといって途中で手を抜くと,かえって国家歳入が減って財政出動以上に財政赤字が増えるという.
 そして,にもかかわらず日米の経済学界には金融政策万能論者がはびこっていているのが問題だとしている.

 詳しくは『オバマで変わるアメリカ』(アスペクト,2009.3.13)
http://www.bk1.co.jp/product/03088391/p-jokai28866/
p.120-129,133-144を参照されたし.

 無論,異論もあるだろうから,それらも発見次第,収集予定.

【質問】 金融危機の再発を防止するには,どのようにすればいいのか?


 【回答】
『市場対国家』下巻
http://www.bk1.jp/product/01594291/p-jokai28866/
では,金融システムの再生と改革のため,
  • 金融状態の透明性と開示を適切なものにすべく、監視体制を改善し、規則を明確化しなければならない。
  • 短期資金の流れと長期資金の流れとで、影響とリスクがどのように違うのかをもっと明確に理解しなければならない。
  • 各国政府は金融、債務、貿易収支、徴税の管理を向上させなければならない.
  • 恣意的な介入や操作にかえて、適切な規制を行わなければならない。
といった提言が出されている.
 しかし同書評
http://www.bk1.jp/review/0000475243
にもあるように,抽象論としては言えても、実際にはその基準設定は極めて難しく,そもそも,この問題はあまりにも複雑で大きなものであるから,簡明な演繹的結論を出すことには無理があると考えられる.

 詳しくは同書評を参照されたし。

【質問】 日本の債務残高が2008年度末で846兆4970億円と、前年度末に比べて2兆7426億円と約0.3%減少し,戦後に国債発行を開始した1965年以来初めて,日本政府の借金が減ったのは何故?


 【回答】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090618-00000001-rnijugo-pol
によれば,小泉政権下で進められた「特殊法人改革」のためだという.
 これにより,国は特殊法人が必要とする資金を彼らに代わって調達する(=財政投融資)必要が減り、そのためにかかっていたコストも大幅に減ったという.
 その全体の総額はピーク時の約3分の1、約14兆円にまで圧縮された,と同記事は述べている.

 詳しくは同記事を参照されたし.
 それにしても,こういう話は全く報じられないですね.

【質問】 改正産業活力再生特別措置法(改正産活法)って何?

 【回答】
 自己資本が毀損し、通常の銀行融資が受けられない一般企業に対し,政投銀による出資スキームを通じて公的資金注入の道を開いた法改正で,政投銀、商工中金による低利融資、コマーシャルペーパーの買い取りの他、「出資」にまで踏み込んでいる.
 2009年4月成立・施行.

 経産省は改正産活法による出資を、「金融危機に伴う一時的な要因で在庫などが積み上がった“倒産する必要のない企業”が、銀行からの融資が受けられなくなり、資金繰りに窮した場合の緊急措置」と位置づけている。

 改正産活法による出資を受けるには、四つの要件を満たさなくてはならない。
(1)売上高が四半期で前年同期比2割以上減など急減している、
(2)財務制限条項に抵触するなどで出資が必要、
(3)連結従業員が5000人以上など国民経済への影響が大きい、
(4)民間金融機関の支援がある、
 具体的には、経産省(製造業、流通・小売業等)、金融庁(金融機関等)、国土交通省(建設業、運輸業等)など事業所管省庁が産活法適用を承認した上で、政投銀が出資の可否を決定。
 将来、損失が発生した際にはその一部を日本政策金融公庫が財投資金から補填する、という枠組み。

 しかし,出資先企業の再生可能性を吟味する仕組みが整備されないままの,お手盛り的な出資は,企業経営者の深刻なモラルハザードにつながるのではないか?,という懸念の声もある.
 大企業を税金で救済するのであれば.経営陣の総入れ替えをする位,経営責任を明確にしないと、企業を助けるのだか経営陣を助けるのが目的なのだか,はっきりしない事になってしまうという.

 また,大企業の経営破綻により,多くの人が職を失って社会不安が起きるということであれば,先に非正規労働者の失業に対するセーフティネットに手を付けるべきであり,本末転倒という声もある.

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090616-00000002-toyo-bus_all
には,辛らつな言葉も見られる.
 以下引用.

NECにエレ株の買い取りと抜本的な事業テコ入れを提言し、拒否され続けてきた米投資ファンドの関係者は冷笑して言う。
「外資のカネは受け入れず、国のカネなら欲しいと言う。
 日本は本当に変わった国ですね。
 あなたたち日本の納税者はそれで満足なのですか」。


元経産省官僚で米投資ファンド・シルバーレイクのシニアアドバイザーを務める福田秀敬氏は、かつてルネサスや富士通を巻き込んだ半導体共同工場計画にかかわった経験からこう語る。
「(略) 民間が出資に見合うと判断しない企業やプランは、そもそも経済合理性がない」。

 どれも頷ける言葉ばかりである.


【質問】 国際金融恐慌は,日本のロボット産業にどんな影響を与えているのか?


 【回答】
 2009年7月16日付けスイス紙「ターゲス・アンツァイガー・オンライン」
「Krise zeigt Auswirkung auf Roboter in Japan (Crisis showed consequences on robots in Japan)
によれば,工場では工業用のロボットのスイッチが切られ,工業ロボットの最大製造業者である「安川電気」も苦しい状況にあるという.
 また,今の経済危機下としては高価すぎるため,いわゆる家事・おもちゃロボットがその影響を受けているという.
 ロボット開発は省力化のほうに向かいつつある模様で,たとえば富士重工が制作した清掃ロボットは文句を言うこともなく昼夜を問わず働き,高層ビルもたった一人で清掃するものだという.

 詳しくは同紙を参照されたし.