『エンロン崩壊の真実』
Peter C.Fusaro著
Ross M.Miller著
橋本 碩也訳
税込価格: ¥1,785 (本体 : ¥1,700)
出版 : 税務経理協会
サイズ : 19cm / 282p
ISBN : 4-419-04150-1
発行年月 : 2002.11
あの事件は一体誰が何をどのように仕組んだのかが,優しく平易な文章で綴られています。
デリバティブやヘッジ取引という高度な金融取引の本質は野球選手カード(日本で言えば遊戯王カード)のトレーディング(交換)と変わらないという指摘は、言われてみればその通りという,目から鱗の視点ではありました。
とのこと.
会社図鑑! 2003地の巻
業界別カイシャの正体
オバタ カズユキ著
石原 壮一郎著
税込価格: ¥1,785 (本体 : ¥1,700)
出版 : ダイヤモンド社
サイズ : 19cm / 333p
ISBN : 4-478-78294-6
発行年月 : 2001.11
おそるべし!その調査力
とのこと.
『木のいのち木のこころ』
西岡 常一著
法隆寺宮大工だった西岡常一氏と鵤工舎の代表である小川三夫氏のインタビューと鵤工舎のレポートで構成されている『木のいのち木のこころ<天・地・人>』.
人を育てると言う観点から,結構参考になる本でした.
冗談抜きで文部科学省なり教育委員会のお歴々に読ませたいような本です.
どうしたら人は伸びるか,どうしたら育てられるか,どの様に育てるべきなのか,これを2人の職人の言葉を通して書いています.
人間は,どんな人でも皆目何を遣っても駄目と言う事は無い.
機会を与えれば考える力を養えるし,時間を与えれば解決への道を導き出す事が出来る,それには先ず基礎をしっかり整える事であり,どんな人間でも時間さえ掛ければ自分の道を見つけ歩く事が出来る.
しかし,現代の社会に於ては,金を稼ぐ事の一点のみに集中していて,育成に掛ける時間は「無駄」として削る事が多い.
それで,人間が頭を使う事がどれくらい出来るのだろうか….
学者は,書物で読んだ,或いは頭の中で組立てた智恵を以て判断しようとするが,自然を相手にしている大工や農民,職人たちは,その原材料を良く知っており,そこで得られた知見や先祖から培われ,継承してきた経験を以て判断する.
従って,学者よりも実作業において大きな失敗をする事が少ない.
宮大工と言う仕事は,大きな自然木を相手にする事が殆どなので,若者は当初,その大きさ,掛けられた時の長さに圧倒されるそうな.
その「時」の圧力を如何に上手く制御するか,味方に付けるかが次の階梯に上る為の試練….
システムなんかだと,例えば開発期間に1年とか掛けても,使われるのは長くても精々10年程度です.
宮大工の建築物は,数年掛けて建築し,仮屋根が取り払われる時が勝負の終わりでなく,勝負の始まり.
部材の選定,建設方法などが適正かどうかは,200~300年後にその建物がどうなっているか,と言うものであり,常に時との勝負が続きます.
それがこの仕事に対する真の評価であり,決して生半可な気持ちでの作業は出来ません.
ですから,時間を掛ける部分はとことん納得がいくまで時間を掛ける….
時間に追われるサラリーマンとしては羨ましい話かもしれませんが,強い気持ちを持っていないとこうした仕事は続けられるものでは無いでしょうね.
西岡常一氏の本は講談社学術文庫にありますし,この本は新潮文庫から最近出ています.
小川三夫氏については,あと,『鵤工舎の仕事』と言う本もありますね.
西岡常一氏は昔,NHKの「ようこそ先輩」に出演されていました.
子供達と一緒に木組で塔を建てようとかなんとか言うテーマだった様な記憶があります.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2009/03/14 22:00
何よりも本書を迫力あるものにしているのは全編がほとんど実名で書かれていることである。
『波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』
ジョン・C.ボーグル著
山崎 恵理子訳
税込価格: ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
国内送料無料でお届けできます
出版 : ランダムハウス講談社
サイズ : 20cm / 222p
ISBN : 978-4-270-00515-6
発行年月 : 2009.7
某メルマガ推薦
【質問】 何も分からん人なんだけど,そんな奴でも近代経済学の各流派の基礎少しづつ分かるお勧めを,何冊か教えてくれないか?
湛山回想読んだときにJ・S・ミルは読んでみようと思ったことがあるが,あれは確か古典派だよね.
【回答】
新書から適当に選んで読むと良いかと.
個人的にはPHP新書の「ハイエク」あたりがおすすめ.
ハイエクはレーガン,サッチャー政権の経済政策の基盤で,新自由主義経済の源流のような経済学者だけど,大恐慌時代とロシア革命の最中に世に出た人だから,ケインズとの対立や統制経済やファシズム経済の誤謬について,わかりやすく解説されているし,政治がいかに経済思想を利用したかがわかる.
まったく経済に縁がないと,とっつきにくいかも知れないけど,20世紀の歴史書と思ってわからんところは飛ばしながらwikipediaを字引代わりに使えば,良いよ.
ポール・ケネディの『大国の興亡』なんかを,経済をすこし囓ってから読み直したら,読めてなかったところが見えてきて,けっこう新鮮だよ.
ケインズというか近代経済学の各流派の基礎は押さえておかないと,第二次大戦はわからんよね.
ソ連経済の隆盛と崩壊の理由もわかるし.今の日本の財政出動なんてのも,ケイジアンなわけだし,勉強しておいて損はない.
【反論】
あの本,著者が著者だけにケインズ主義に対する敵愾心がむき出しで俺はあんまりお勧めできる代物とは思えんぞ.
俺は
「入門経済思想史 世俗の思想家たち」
「クルーグマン教授の経済入門」
「ノーベル賞経済学者に学ぶ現代経済思想」
「ソウルフルな経済学」
の4冊を推薦する.
あとは竹森俊平氏の一連の著作を読んでみるとより知見が広がると思う.
ついでに軍事板的に必読の経済学的分析書籍として,
「戦争の経済学」
「テロの経済学」
もお勧めしておく.
【再反論】
そう?
ケインズについては中立で,単に何でも市場原理主義を叩く保守層を,無知だって非難しているように見えるけど.
まあ,新古典主義とケインズ主義の差異を押さえておけば,ネオコンがなんで新保守と呼ばれて,あんな政策を採って戦争をはじめたり,日本に同調的だったのかもわかるし.
最終更新:2013年04月11日 21:36