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暖かい。フワフワしてる。気持ちがいぃ。まるで雲の上にでもいるみたい...
ねぇ?、私の声聞こえる?
あなたは今眠りの中、ポーっとして気持ちのいい深い深い夢の中にいます。
そしてあなたはこの夢の中の時間をとてもとても長く感じます。
10秒が1分に、1分が10分にも感じられ、とても密の濃い時間を過ごすことができます。
さぁ、もっと気持ちよくなるために、もっともっと深いところに下りていきますよ。
こっち...、付いてきて私の後ろ...
ほら、私はここよ?、私の声を追いかけてきて...


見えますか?、あなたの前方薄くぼやけた霧の向こうに、なにやらぼんやりと光る一本の細く赤い道のようなもの。あれは何でしょう?
辺りは薄暗いけど....、ほら、もっと目を凝らしてみて。あなたの正面よ...
さぁ、ゆっくり近づいて見ましょう。
1歩、2歩、3歩、4歩...、その道はどうやら下に向かって伸びているみたい...
5歩、6歩、7歩、8歩...、それはすべり台。暗闇の中に真っ直ぐ何の迷いもなく下へと向かう一本の滑り台...
9歩、10歩...、はい、あなたは滑り台の前に到着しました。
あなたは滑り台の端に立ち、真っ直ぐ下へ向かうその滑り台の先の先にある闇を見つめます。
細く長くどこまでもどこまでも下へと向かう滑らかで割と急な滑り台。
それはまるでプールにあるウォータースライダーのよう。
だけどその先はすごく遠い...、すごく深い...、終わりが見えない...


滑り台の先の闇を見つめていると、なぜだかとても楽しい世界があるような気がしてだんだん心がワクワクしてきます。
ワクワク、ワクワク。徐々に徐々にどうしようもないくらい心がワクワクしてきます。
何故?、楽しい世界があるような、「気がする」...から?
うふっ、んーん(←否定の時の表現)、「気がする」んじゃなくてね、あるの、楽しい世界が。
あるのよ?、とても気持ちのいい世界が。

ねぇ?....、行って..みたい?(←可愛い小悪魔wっぽく)

あなたはその闇の中へ行ってみたい衝動に駆られます。
ドキドキしますよね?、ワクワクしますよね?、行ってみたいですよね?、気持ちのいい世界へ...
うん、じゃぁ行きましょう?、私と一緒に...ね?
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ここは滑り台の端。てっぺん。薄暗くとても殺風景。
だけど不思議と寒さは感じない。何故だろう?、それはね、私の意識があなたを温かく包んでいるから。
騒がしい雑音も聞こえない。何故だろう?、それはね、私の意識があなたをやさしく覆っているから。
気持ちいいでしょう?、これからもっともっと気持ちよくなりますよ。さぁ、滑り台の端に座って...
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あなたはすべり台の端に腰を下ろし...、そして仰向けに寝転び手摺から、ゆっっくり..、手を離す。
体がすぅーっと下に向かって滑り出す。はじめはゆっくりゆっくり...
徐々に徐々にその落下は加速を増していく。
大丈夫よ、安心して。私があなたを包んでいるから...
さらに早くなる。落ちる。
大丈夫よ、安心して。私があなたを覆っているから...
だから大丈夫よ....、私にすべてを委ねて...、大丈夫だから...
そう、私に全てを委ねると安心...、だから落ちていく感覚が気持ちよく感じる。
すーーっと、ずぅーーんと落ちる、どんどん落ちる、止まらない、止められない。
景色が消える。頬を額を頭を、そして意識を風が切る。
気持ちいい、下りていくのが気持ちいい、落ちていくのが気持ちいい、気持ちいい。
ただ落ちていくという感覚だけ。それが気持ちいい。
ずぅーーんと、ずぅーーーーんと落ちる、ずぅーーーーん.......、
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(10秒空白)


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止まる....。やわらかくふわりと止まる。ここは最深部、一番深いところ...
真っ暗、ただ真っ暗。静か....

よく聞いてね...、あなたの実体はね、もうここにない。
ほら、意識してみて?、あなたの身体はもうここにないの。...ね?無いでしょ?
意識だけここにすべり落ちてきたの。肉体は置いてきてしまったの。
今ここに在るのは意識だけ。
この暗闇の中にあるのはあなたと私の意識だけ。
手や足という概念もない。丸でも四角でも、大きくも小さくもない。ただの意識。
空気のような、もやのような、幽体のような、そんな...意識だけ。

だからね...、だからあなたを包んでいた私の意識と簡単に混ざり合うことが出来るの。
だから...、あなたを覆っていた私の意識と簡単に混ざり合うことが出来るの...、ほら...
私はあなたと混ざり合えることがすごく嬉しい。混ざり合うことがすごく気持ちいい。
あなたは私と混ざり合えることがすごく嬉しい。混ざり合うことがすごく幸せ。
私とあなた、あなたと私、混ざり合い一つになれることがとても嬉しくて、とても楽しくて...
とても気持ち良くって、とっても幸せ....

今のあなたはふわふわ。私の意識と混ざり合ってふわふわ.....
実体などどこにもない。私の意識とあなたの意識が絡み合う。
まるでコーヒーにミルクを落としたように...、スプーンでくるくるかき混ぜる...。
くるくる、くるくる...、くるくる、くるくる...、暖かい...、心地いい...、いい香り...
だから何も考えられない。考えたくない。
気持ち良いから考えられない...、考えられないから気持ちいい...
だから、だからこの声だけが頭の中に染み渡る...、この声だけが意識に染み渡る。
コーヒーとミルクみたいに...、くるくる、くるくる...、くるくる、くるくる...、
この声が気持ちいい...、この声と混ざり合うのが気持ちいい...、コーヒーとミルクみたいに混ざり合うのが気持ちいい...
あなたと私...、意識...、混ざり合う...、一つになる....、一つになる....

...はい、「一つになった...」

ほら、意識してみて...。一つになってる。
嬉しい、すごく嬉しい。幸せ...
この声は真実。この声が真実。
この声は自分自身。そうこの声は私....、この声は私の声....

このまま闇の中にすぅーっと溶けていく...、消えていく.... 、眠りに就く...

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0....
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最終更新:2011年01月12日 11:07