いらっしゃいませ~。ようこそ、お越しくださいました。
さ、どうぞ奥のお座敷へ…
こちらでは、お客様に合わせたお菓子をお出しさせていただいております。
そのために、少々準備をさせていただきます。ご協力、お願いしますね?
まずは、深呼吸をしましょう。
私の合図で息をゆっくり吸って、ゆっくりと吐いていきましょう。
はい、息を吸ってー・・・   吐いてー・・・
吸ってー・・・     吐いてー・・・
息を吸うと、あまーい香りに包まれる・・・あまーい香りに、意識が沈んでいく・・・
吸ってー・・・     吐いてー・・・
息を吐くと、体から力が抜ける・・・柔らかくなる・・・
吸ってー・・・     吐いてー・・・
吸ってー・・・     吐いてー・・・
すっかり、力が抜けましたね。あまーい香りに、囚われてしまいましたね。
さぁ、リラックスした状態で、あまーいお菓子を食べましょう?
すごーく、すごーく美味しいですよ。
あまーいお菓子、あまーい香り、あまーい、あまーい世界…
なんだか、しあわせな気分になりますよね。
なんだか、気持ちいいですよね。
お菓子を食べるのは、しあわせ。
お菓子を食べるのは、気持ちいい。
しあわせは、気持ちいいと一緒。
しあわせだと、気持ちいい。
気持ちいいと、しあわせ。

ふふっ。
決―めた。今日は、わらび餅にしましょうね…
いま、あなたの目の前には、わらび餅があります。ぷるぷるして、とっても美味しそう…
でも、まだきな粉がかかっていません。
きな粉、好きですか?好きですよね?
今回は、特別なきな粉を用意してあるんです。
すごーく香ばしくて、とぉっても風味のいい、私の特製きな粉。
袋を開けて…ゆっくり傾けて…たっぷりのきな粉を、かける。
あまーい香りに、香ばしい香りが混ざる。
香りが混ざると、あなたの意識も、混ざる。
どんどん、混ざる。気持ちいい。
ぐるぐる、まわる。もっと気持ちいい。
もうあなたには、あまーい香りと、香ばしいきな粉の香り、それに、ふわふわになった意識しかありません。
さぁ、お菓子を食べて、気持ちよーく、なりましょう…?
しあわせに、なりましょう…?

ひと口、食べる。
口の中に、あまーい香りが、広がる。
あまーい香りで、しあわせ。
あまーい香りで、気持ちいい。
ふた口、食べる。
きな粉の香ばしい香りが、広がる。
香ばしさが、快感が、あなたを包む。
あなたに、染みこむ。気持ちいい。
あなたに、染みこむ。とっても、しあわせ。
み口、食べる。
とろとろ、ふわふわの食感が、あなたの舌を、脳を、とろけさせる。
心が、とろける。
全部、とろける…
よ口、食べる。
全てが、混ざる。気持ちいい。
まるで、自分がわらび餅になったよう。
いつ口、食べる。
もう、何も、考えられない…
ただただ、気持ちいい。
ただただ、しあわせ。
あまーい香りが、気持ちいい。
香ばしい香りが、気持ちいい。
とろとろ、ふわふわの食感に、とろける…
すごく、きもちいい…
すごーく、しあわせ…

どこまでが現実なのか?  わからない。
どこまでが自分の体なのか?  わからない。
ただただ、気持ちいい。
心が、体が、溶けていく。
別の何かに、作り変えられていく…
でも、それが気持ちいい。
とろけるのは、気持ちいい。
とろけるのは、しあわせ。
作り変えられるのは、気持ちいい。
作り変えられるのは、しあわせ。
気持ちいいから、何も問題はない。
しあわせだから、何も問題はない。
どんどん、とける。
どんどん、形が変っていく…
はい、完成。
今のあなたを構成するのは、あまーい香りと、ふわふわ、とろとろの食感。
それは、なんだか、見覚えのある形。
そう。あなたは、わらび餅になりました。

あなたはわらび餅です。ふわふわと柔らかくて、とろーりあまーい、わらび餅です。
でも、まだきな粉がついていません。
きな粉がついていないと、美味しく食べてもらえませんね。
きな粉がないと、香ばしい香りが、あの包み込むような、染みこむような快感が得られませんね。
だから、あなたはきな粉が欲しい…
でも、自分では動けませんね。だって、わらび餅は自分で動いたりしませんから。
きな粉、欲しいですか?欲しいですよね。
いまから10数えたら、あなたにきな粉をかけてあげます。
きな粉がかかったら、あなたはイってしまうかもしれません…
だって、きな粉がかかるのは、とぉっても気持ちいですから…
ほら、行きますよ…?
10 9 8 袋が開く…
7 6 5 段々、近づいてくる…
4 3 もう、そこまで来ている…
2 袋が、傾く…
1 もう、袋から零れ落ちそう…
0
ふふっ、ぷるぷる震えてますよ…?
気持ち良かったんですか?
でも、まだまだきな粉がついていない部分がたくさんありますね?
いっぱい…まぶして欲しいですか?
欲しいですよね?
だって、きな粉をまぶされるのは、気持ちが良いから…
ふふっ、それじゃあ、たぁーっぷり、きな粉をまぶしてあげますね?
ころころ、ころころ…
体が、たっぷりのきな粉の中で転がされる…
くるくる、くるくる…
それが、気持ちいい。
ころころ、ころころ
気持ちよくて、たまらない…
くるくる、くるくる…
もっと、転がして欲しい。まぶして欲しい…
ころころ、ころころ…
気持ちいい。
くるくる、くるくる…
快感が、しみこむ…
香ばしい香りが、快感が、体を突き抜けていく…
10数えると、きな粉が全体にまぶさります。
10 9 8 香ばしい香りが、広がる…
7 6 5  快感が、強くなってくる…
4 3 快感が、全身からしみ込んでくる…
2 1 もう、我慢できない…
0
ふふっ…
ほぉら、きな粉が満遍なくまぶさりました。とっても、美味しそう…

でも、塊が大きすぎて、これでは食べることが出来ません。
折角美味しく出来上がったのに、食べてもらう事が出来ません。
食べられると、もっと、もっと気持ちが良いのに…
食べるのが気持ちいいのと同じで、食べられるのも、気持ちいい。
ううん、食べられるほうが、もっと気持ちいい。
だって、わらび餅は、あなたは、食べられるためにあるんだから…
あつーい唾液が、ぬるぬるの粘膜が、やわらかい舌が、硬い歯が、あなたを、味わってくれるから…
美味しい、って言ってもらうのが、何よりもしあわせなんだから…
美味しい、って言ってもらうのが、何よりも気持ちいいんだから…
でも、このままじゃ食べられないですよね。
食べて、もらえないですよね。
ふふっ…切ないですか?でも、大丈夫。
大きいなら、切り分ければいいんです。
切り分けられるのも、すごーく、すごく、気持ちが良いですよ…
さぁ、いきますよ…
あなたの体に、黒文字が刺さる…
でも、それが気持ちいい。
黒文字が、体を割いていく…
それが、たまらなく気持ちがいい。
割かれた所から、体が、熱くなる…
はい、あなたの体は二つに分かれました。
それじゃあ、また、きな粉…まぶさないといけませんよね?
断面にも、しっかりと…ね?
体が二つだから、快感も二倍。
ふふっ、待ちきれないですか?
ほら、いきますよ…
ころころ、ころころ…
すごーく、気持ちいい…
体に、快感の波が押し寄せてくる…
くるくる、くるくる…
ふかーく、快感に落ちていく…
体に、快感が、染み込んで行く。
ころころ、ころころ…
気持ちいい。
くるくる、くるくる…
ふかーく、落ちる。
はい、きな粉がしっかりまぶせました。

でも、まだ、ちょっと大きいですね。
大きければ、どうするんでしたっけ?
そう。切り分ければいいんです。
今度は、二つになった体を、それぞれ四等分しましょう。
さっきより、4倍、気持ちいいですよ…

ふふっ。

あなたの体に、黒文字が刺さる。
快感で、意識が飛んでしまいそう…
縦に、割かれる。
熱くなる。
横に、割かれる。
気持ちいい。
もう一つの体にも、黒文字が刺さる。
快感が、押し寄せる…
縦に、割かれる。
もっと、熱くなる。
横に、割かれる。
もっと気持ちいい。

それじゃあ、きな粉をまぶしていきましょうね。
ころころ、ころころ…
体が、痺れる。
快感で、痺れる。
意識が、痺れる。
心が、溶ける。
くるくる、くるくる…
体が熱い…
芯から、とろけてしまいそう…
ころころ、ころころ…
くるくる、くるくる…

あと、10カウント。
9 8 7 6 ほら、もうすぐだよ…
5 4 3 2 1
0

もう、すっかりきな粉まみれ。
体中を、快感に覆われる。
体中に、快感が染みこむ。

とっても、美味しそう。

あなたは、とっても美味しそうなわらび餅になりました。
それじゃあ、次は…
ふふっ、もう、分かってますよね。
私が、あなたを、食べてあげる。
舌の上で転がして…
くちゅくちゅ、くちゅくちゅ咀嚼して…
最後に、こくん、って、飲み込んであげる。
ほら、想像してみて?
私の唇に、触れるところ。
私の唾液に、包まれるところ。
私の舌に、嘗められるところ。
私の歯に、噛み砕かれるところ。
私の喉の奥へ、飲み込まれるところ…
さっきまでは、ただの準備。私に食べてもらうための、準備。
準備だけであんなに気持ち良かったんだから、実際に食べられたら…

ふふっ。

それじゃあ、いただきまーす。
黒文字があなたに刺さる。
体が、熱い…
気持ちいい…
ゆっくり、口元に運ばれる。
胸が、どきどきする。
柔らかい唇に、触れる。
触れたところが、熱くなる。
口の中に入る。
ぬるりとした唾液が、あなたを包む。
溶ける。
快感に、溶けていく。
柔らかい舌が、あなたを嘗め回す。あなたの全身を蠢きまわる。
体中を、快感が駆け巡る。
舐められた所が熱い。
全部、熱い。
気持ちいい。
硬い歯が、あなたに刺さる…千切る…すりつぶす…
それが、たまらなく気持ちいい。
快感が、突き抜ける。
まるで、雷に打たれたよう。
喉の、奥へ。飲み込まれる。
体が、溶ける…
溶けていく。
意識も、溶ける…
ひとつになる。
わたしと、あなたが、ひとつになる。

あぁ、美味しかった。
もうひとかけ。
黒文字が、あなたに刺さる。
熱い…
気持ちいい…
ゆっくり、口元に運ばれる。
どきどきする。
唇に、触れる。
触れたところが、熱くなる。
口の中に入る。
唾液に、包まれる。
溶ける。
快感に、溶けていく。
柔らかい舌が、あなたを嘗め回す。あなたの全身を蠢きまわる。
体中を、快感が駆け巡る。
舐められた所が熱い。
全部、熱い。
気持ちいい。
硬い歯が、あなたに刺さる…千切る…すりつぶす…
それが、たまらなく気持ちいい。
快感が、突き抜ける。
まるで、雷に打たれたよう。
喉の、奥へ。飲み込まれる。
体が、溶ける…
溶けていく。
意識も、溶ける…
ひとつになる。
わたしと、あなたが、ひとつになる。


すごく、美味しいね。
だから、今度は二つ、まとめて食べちゃおうか。
快感も、二倍。
ふふっ。

黒文字が、あなたに刺さる。
体を二つ、串刺しにする。
すごーく、熱い…
熱くて、何も考えられない…
ゆっくり、口元に運ばれる。
胸が、期待ではりさけそう…。
柔らかい唇に、触れる。
触れたところが、火傷しそう。
口の中に入る。
ぬるりとした唾液が、あなたを包む。
快感に、包まれる。
快感に、溶けていく。
柔らかい舌が、あなたを嘗め回す。あなたの全身を蠢きまわる。
体中を、快感が駆け巡る。
舐められた所が、熱い。
全部、熱い。
すごーく、気持ちいい。
硬い歯が、あなたに刺さる…千切る…すりつぶす…
ひと噛みごとに、快感が駆け抜ける。
快感が、脳へ突き抜ける。
喉の、奥へ。飲み込まれる。
体が、溶ける…
溶けていく。
意識も、溶ける…
ひとつになる。
わたしと、あなたが、ひとつになる。


ふふ…今度は、みっついっぺんに食べちゃおうかな。
今度は、三倍。
耐えられるかな…?
ふふっ。
黒文字が、あなたに刺さる。
体をみっつ、串刺しにする。
全身から、火が出るよう…
体が、跳ねる。
快感に、跳ねる。
ゆっくり、口元に運ばれる。
胸が熱い。
心臓が熱い。
あと少し…もどかしさで、切ない。
柔らかい唇に、触れる。
触れたところが、体が、跳ねる。
口の中に入る。
唾液に、溶ける…
体が、もう、とろとろになってしまう…
快感に、溶けていく。
柔らかい舌が、あなたを嘗め回す。あなたの全身を蠢きまわる。
体中を、快感が駆け巡る。
外側も、内側も、全部。全部が、気持ちいい。
全部が、熱い。
心も、体も、全部、全部気持ちいい。
硬い歯が、あなたに刺さる…千切る…すりつぶす…
歯があたるたび、食い込むたび、体が跳ねる。
快感が、電流が、突き抜ける。
脳が、痺れる。
心が、痺れる。
体が、痺れる。
全部、全部痺れる。
喉の、奥へ。飲み込まれる。
体が、溶ける…
溶けていく。
意識も、溶ける…
溶けていく。
ぜーんぶ、溶ける…
ひとつになる。
わたしと、あなたが、ひとつになる。


もうあなたは、たったひとかけらしかなくなった。
これを食べたら、あなたはもう、無くなってしまう。
どうする?食べられないでおく?
無くなっちゃったら、もう、気持ちよくなれないもんね。
でも、食べられたいよね?食べられたいんでしょ?
もう…後戻り、できないんでしょ?
体のことなら大丈夫。
無くなったら、また作ればいいの。
私は、あなたの事はぜーんぶ知ってる。
味も、匂いも、いい想い出も、悪い想い出も、形も、色も、家族も、あなたを構成するものは、ぜーんぶ知ってる。
ちゃんと、作り直してあげる。
だから、大丈夫。
安心して、いいんだよ。
安心して、食べられていいんだよ。
無くなったら作って、また、食べてあげる。
食べて、作って、食べて、作って、食べて、作って。
何度でも、何度でも。
さぁ、気持ちよく…なろ?
ひとつに…なろう?
最後のひとかけは、どんなに美味しいんだろうね。
どんなに…気持ちいいんだろうね?
10、数えるよ…
10 黒文字が、あなたに刺さる。
9  口元に、運ばれる。
8  唇に、触れる…
7  口の中に、入る。
6  唾液に、まみれる。
5  舌が、踊る。嘗め回される。
4  くちゅくちゅ、咀嚼される。
3  くちゅくちゅ、くちゅくちゅ…
2  舌が、蠢く
1  喉の、奥へ…
0

あなたは私に食べられた。
ひとかけ残らず、私と一緒になった。
でも、大丈夫。
これから、あなたをもう一度作ります。
10まで数えたら、もう元通り。
1 体が、出来てくる
2 体の感覚が戻ってくる
3 腕に感覚が戻る
4 グッと、右手に力を入れる
5 左手に、力を入れる
6 意識が、段々はっきりしてくる
7 もう一度、両手に力を入れる
8 もう、目は開いている
9 もう、ほとんど目はさめている
10

おはようございます。
よく、お休みでしたね。
夢の中でも、美味しいわらび餅を、食べていらっしゃったんですか?
すごーく、幸せそうな寝顔でしたよ。
ちょっと、きゅんっ、って来ちゃいました。
なんて、ね。
ふふっ。
当店は、いつでもあなたのご来店をお待ちしております。
また、あまーいお菓子が食べたくなったら、お越しください。
今度もまた、精一杯、おもてなしさせていただきます。
本日は、ご来店ありがとうございました。

(間、3秒程度)

ごちそうさまです。(ささやくように)

カウントはそれぞれ3秒程度の感覚。
呼吸は9秒間隔。

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最終更新:2010年04月05日 05:01