主な病気について

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消化器 大腸がん 日本では、現在癌の中で、一番多いのは胃ガンですが、統計から予測すると、2015年には大腸癌がもっとも多くなると推測されています。 大腸癌は、原因は分かっていませんが、食生活と関係があり、食の西欧化により、大腸癌が増えてきていると考えられています。 赤身肉、アルコールが特に危険が高く、逆に食物繊維を摂ることが予防につながります。 早期は、症状はほとんど出ませんが、癌が進行するにつれて、便に血が混じったり、便秘や下痢、腹痛などの症状が起こります。 会社や、学校などの便検査で、潜血反応(目には見えないぐらいの出血)があれば、病院で、大腸内視鏡で検査します。検査したうちで、4%ぐらいに大腸癌が見つかります。 治療は、癌が、大腸粘膜下層以下に存在する、血管やリンパ管に浸潤しているかどうかで、大きく異なります。浸潤していなければ、粘膜層か、粘膜下層までの浸潤が1mm以下なら、内視鏡で切除しますが、それよりも深く浸潤していれば、血管やリンパ管から癌細胞が移動している(転移)可能性があるため、大腸切除を行います。 大腸メラノーマ メラノーマは、日本語で悪性黒色腫と言います。メラニン色素(皮膚を黒くする)を産生するメラノサイトという細胞が癌化したものをいい、大部分は皮膚に出来ます。大腸に起こるのは非常に稀で、日本では60例が報告されています(1980、片山らによる)。 60歳台以後に発生することが多く、肛門部で出来て、直腸の方に進展していきます。小さい内は症状がありませんが、大きくなると、下血(お尻から血が出る)が起こります。予後は非常に悪く、切除しても、肺や肝臓に転移し、短期間に死亡することが多いです。 小腸悪性リンパ腫 身体を外敵(細菌、ウイルス)から守るものの一つに、リンパ球があります。このリンパ球が、癌化したものを、悪性リンパ腫と言います。消化管の中では、胃のMALTリンパ腫がリンパ腫として独立したため、小腸は胃とならんで、一番悪性リンパ腫が起こりやすく(20~60%)、小腸は悪性リンパ腫の好発部位といえます。 小腸がこぶで塞がれれば、腸閉塞になります。その他に、出血や、腹痛などが起こります。 小腸は、口からも、肛門からも遠いので、内視鏡が入れにくく、診断が難しいので、早期に診断するのが難しい場所と言われてましたが、最近、カプセル内視鏡を始め、内視鏡で観察できるようになりました。診断されれば、化学療法(抗ガン剤など)、放射線療法、外科的切除などが行われます。 癌化とは 正常の細胞は、寿命も決まっていて、それぞれの臓器ごとの目的のために、秩序を保って、増殖しています。これが何らかの原因により、DNAが損傷して、無目的に、無秩序に、しばしば無制限に増殖するようになったものを腫瘍といいます。腫瘍には良性と悪性があり、悪性は良性に比べて、転移、再発がみられるなどの特徴があります。 胃がん 胃がんは悪性新生物による死亡原因のうち、日本では女性の死亡原因第一位、男性では死亡原因第二位です。(ちなみに男性の第一位は肺がん)そのため日本では世界でもっとも胃がんの診断と治療が発達しているといっても過言ではありません 近年では患者のほぼ半数は早期がんのうちに発見されます。胃がんは、死亡原因としては女性では第一位、男性では第二位でしたが、患者の総数ということでは、男性のほうが女性よりも倍以上の多さです。また、手術を受ける年齢も60歳前後ですが、男性のほうが女性と比べてやや高齢になる傾向があります。 早期がんのほとんどは無症状で定期健診などをきっかけに見つかることが多い。それに対して進行がんでは、心窩部(みぞおち)の痛みや、がんによって食物の通過が障害されることによる胃のもたれ、吐き気、胸焼け、食欲不振などが認められます。他にもがんからの出血のための貧血や、真黒な便(タール便)が認められます。また栄養状態の悪化による体重低下が認められます。がんが胃の壁をつらぬいて、もっとも外側の漿膜に達すると、がん細胞がおなかのなかに種をまいたようにこぼれだし腹膜播種という状態になって腹水が溜まることもあります。 食道癌 食道がんの原因についてはまだはっきりわからないこともありますが、アルコールやタバコを好む人に多いといわれています。また、熱いお茶や食事、辛い食べ物が好きな人もかかりやすいといわれています。ちなみに、毎日アルコールを飲み、しかもタバコをすうグループの人は、アルコールを飲まない、タバコをすわないグループの人の3~30倍の危険率があり、タバコをまったく吸わないと食道がんにかかる危険率は47~48%少なくなるともいわれています。好発年齢は、60歳前後で、胃がんに比べてやや高齢といえます。食道がんはほとんどが扁平上皮がんです。しかし、最近欧米では胃がんと同じような腺がんが増えてきています。これはなぜなのか?その答えは逆流性食道炎にあります。食道は逆流性食道炎が長く続くと、扁平上皮がバレット上皮と呼ばれる円柱上皮に変化します。このバレット上皮から腺がんが発生するのです。 大腸ポリポーシス 大腸にポリープと呼ばれるこぶが、100個以上発生する疾患です。家族性というのは、遺伝する病気という意味で、親がこの病気を持っている場合に、子供に遺伝する確立は50%です。日本では、生まれる子供の 約22000人に一人発生します。沢山のポリープが出来ることを、ポリポーシスといいます。APCという遺伝子の異常によって起こり、ポリープにより、血便、下痢、腹痛などの症状を起こします。また、大腸以外でも、骨や、胃など、さまざまな臓器で症状が起こります。ポリープは、年を取るにつれ(20歳で20%、60歳でほぼ100%)癌になります。そのため、治療としては、大腸を完全に切除します。 肝臓 肝臓は、腹部の右上に位置して、ほぼ肋骨の下に収まっており、頭側(上方)には横隔膜が存在する。ある種の動物では体内で最大の臓器である。非常に機能が多いことで知られ、代謝、排出、解毒、体液の恒常性の維持などにおいて重要な役割を担っています。特にアルコール分解能があることで一般には知られています。また、十二指腸に胆汁を分泌して消化にも一定の役割を持っています。肝臓の組織は肝小葉という構造単位が集まってできており、小葉の間(小葉間結合組織)を小葉間静脈(肝門脈の枝)、小葉間動脈、小葉間胆管が走っています。肝小葉は直径1~2mm,高さ1~2mmの六角柱ないしは多角形の形をしており、その中軸部は中心静脈という小静脈が貫いています。肝細胞は中心静脈の周囲に放射状に配列しており、ブロック塀の様に積み重なり、1層の板を形成しています。その間を管腔の広い特殊な毛細血管が走っており、これを洞様毛細血管といいます。この毛細血管は小葉間静脈と小葉間動脈の血液を受けて中心静脈に血液を送ります。 肝細胞性腺腫 肝臓の良性腫瘍です。主に妊娠分娩年齢の女性において起こります。経口避妊薬の広範な使用のために増加しており,それが腫瘍発生の成因に関係しています。ほとんどの腺腫は無症状である。まれに,腺腫は突然の破裂と腹腔内出血によって緊急手術となる場合もあります。腺腫は一般には前がん状態とは考えられていないが,悪性化した症例が報告されています。経口避妊薬に関係する腺腫は,薬物を中止することによりしばしば退縮します。無症状の小さい血管腫は成人の1~5%に発生するとみなされています。それは超音波検査,CTまたはMRIなどの診断画像で特徴的な所見を呈すが,治療の対象とはなりません。小児の巨大血管腫は時々,関連する消耗性凝固障害や血行動態の障害を起こすこともあります。胆管腺腫や様々なまれな間葉系腫瘍も起こることがあります。 転移性肝癌 他の臓器に発生したがんが肝臓に転移し、腫瘍を形成したものです。主に消化器がん(胃がん・大腸がん・膵がんなど)の転移が多い。これらの臓器を流れた血液は門脈を通じて肝臓に流れ込むため、血流に乗ってがん細胞が運ばれやすいと考えられます。特有の症状は存在しません。他臓器のがんを検査する過程で発見されることが多い。進行して腫瘍が大きくなると腹部にしこりを認めたり、黄疸、浮腫、全身倦怠感などが出現することがある。転移性肝がんはがんの末期像であるため、転移性肝がんのみで予後は決まらず、原発のがんの種類や進行状況が予後を決めます。たとえば比較的化学療法が効きやすい乳がんでは長期生存も期待できるが、膵がんでは生存期間の中央値は6ヶ月程度に過ぎません 肺がん 肺の上皮細胞に由来する悪性腫瘍です。上皮細胞とは、外界に開かれた「管」の内面をおおう細胞です。つまり肺がんの場合は、90%以上が気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺の上皮細胞のがんです。肺がんによる死亡者数は全がん死のなかで最も多いものです(17%:WHO)。肺における気道の粘膜は、“たばこ”の成分などの、発がん性物質によって、すぐに小さいながらも変異を生じます。このような変異が長期間繰り返し起こると、積み重なって大きな傷害となり、遂にはそこの組織が“がん化”します。がん化した組織、つまり腫瘍(しゅよう)が気管支の空洞部分へと向かって成長すれば気道は当然狭くなり、閉じてしまい、場所と程度によっては呼吸困難を起こします。気道が完全に閉じれば、そこから先の部分の空気の出入りができなくなります。そうなると、細菌の排出もできなくなり、肺炎を生じやすくなります(閉塞性肺炎)。また、腫瘍にも血管がありますが、もろく出血しやすい傾向にあります。そのため、血痰が生じることがあります。肺がんの一般的な症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴(ぜんめい)、胸痛、体重減少、食欲不振、息切れなどですが、進行するまでは無症状であることが多いといえます。 中皮腫 中皮腫とは、中皮細胞に由来する腫瘍の総称です。中皮細胞とは、臓器を入れている空間、つまり腔所の内面をびっしりおおう細胞のことです。その腔所は、主に3つです。1.胸膜腔(肺を入れている腔所)、2.腹膜腔(胃・腸など腹部の臓器を入れている腔所)、3.心膜腔(心臓を入れている腔所)。よって、そこに生ずる腫瘍である中皮腫も、おもに胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫の3種類です。そのなかでも最も多いのは、胸膜中皮腫。これには石綿(アスベスト)との因果関係があります。石綿にさらされる期間と時間が長いほど危険度が増します。 泌尿器 腎癌 腎臓がんは10万人に3人弱の発生頻度で胃がんや大腸がんに比べればあまり多くありません。腎臓がんの発生する原因はあまりはっきりとはわかっていませんが発生率を男女比でみると、男性のほうが多く性ホルモンの関与が考えられたりしています。腎臓がんは特に血流に乗って肺や骨に転移しやすいがんであるということが知られています。腎臓がんの症状は、無症状であることが多いのですが、たまに不明熱、*赤沈亢進、血尿をみることがあります。しかしこの場合の血尿は一過性のことが多く見過ごされがちで、不明熱の検査中に発見されたり、骨に転移した後、骨折を起こして発見されたりします。また、握りこぶし大の腹部の腫瘤や鈍い痛みを感じることもあります。治療は他のがんと同じく早期発見が大切で、化学療法やインターフェロン療法も行われるが、可能ならば、第一に摘出を行うことになります。 前立腺 前立腺とはクルミ大の大きさの器官で精液に含まれる前立腺液をつくります。前立腺の中心を尿道が貫いており、この前立腺が肥大するもしくはがん化すると尿道が圧迫されて排尿障害(尿が出にくくなる)を起こします。この前立腺肥大は男性では誰でもみられることで50歳ぐらいから、年齢を重ねるごとに肥大していきます。このようなことから老化現象が肥大化する原因のひとつ、また性ホルモンも原因のひとつと考えられています。そのため治療には、ホルモン療法(男性ホルモン、アンドロゲンが関与していると考えられているため、抗アンドロゲン剤の投与での治療)や外科的に前立腺を切除する方法が挙げられます。前立腺がんの治療は他のがんと同様、早期発見が重要で前立腺を切除するか、放射線治療、ホルモン治療が行われます。 脳 脳梗塞による融解壊死 脳梗塞とは脳の血管に血栓や栓塞がつまったことにより、脳に血液が行き渡らず虚血状態の脳組織が壊死に陥るというものです。(脳は多くの脂質成分より構成されているため、とけて、融解壊死が起こります。)脳はその部位ごとに異なった機能を司っているため、梗塞が起こる部分によって症状も違ってきます。しかし一般的代表的な脳梗塞の症状としては、手足の麻痺による運動障害、舌のもつれ、言葉が出てこない、話の内容がわからないといった言語障害、意識不明、朦朧とした状態である意識障害が挙げられます。脳梗塞の原因である血栓ができるのは高血圧、食生活の欧米化による心臓病、糖尿病、動脈硬化、精神的ストレスなどが考えられます。なお、脳梗塞は体の水分が奪われやすい夏に多い傾向があります。これは、発汗などで水分が失われて血液が濃縮され粘性が高くなってつまりやすくなるためです。 脳出血 脳出血とは脳内の比較的細い血管の壁が壊れて出血し、それが脳の中で血腫というかたまりになって脳組織を圧迫するものです。発生する場所としては脳の深い部分(被殻、視床)脳の橋、小脳に多いということがわかっています。脳出血の症状は日中、活動時、突然に起こり頭痛に始まります。そして次第に意識が朦朧とし、口が利けなくなる、はっきり発音できなくなる言語障害や言葉が通じない失語症などが現われます。特に小脳で起こる場合は頭痛、めまい、嘔吐が激しくなります。脳出血の原因は長期に渡る高血圧であることが最も多く、この高血圧が長期に渡って継続したことで、脳内の小さな動脈血管が硬化し血管壁の一部が脆くなったところに一時的にかかった高い血圧が加わったはずみで出血にいたます。脳出血の原因は他に血液の病気(出血傾向)薬の作用(抗凝固薬)によって起こることもあります。
主な病気について (実際には、写真や標本なども展示します) 消化器 大腸がん 日本では、現在癌の中で、一番多いのは胃ガンですが、統計から予測すると、2015年には大腸癌がもっとも多くなると推測されています。 大腸癌は、原因は分かっていませんが、食生活と関係があり、食の西欧化により、大腸癌が増えてきていると考えられています。 赤身肉、アルコールが特に危険が高く、逆に食物繊維を摂ることが予防につながります。 早期は、症状はほとんど出ませんが、癌が進行するにつれて、便に血が混じったり、便秘や下痢、腹痛などの症状が起こります。 会社や、学校などの便検査で、潜血反応(目には見えないぐらいの出血)があれば、病院で、大腸内視鏡で検査します。検査したうちで、4%ぐらいに大腸癌が見つかります。 治療は、癌が、大腸粘膜下層以下に存在する、血管やリンパ管に浸潤しているかどうかで、大きく異なります。浸潤していなければ、粘膜層か、粘膜下層までの浸潤が1mm以下なら、内視鏡で切除しますが、それよりも深く浸潤していれば、血管やリンパ管から癌細胞が移動している(転移)可能性があるため、大腸切除を行います。 大腸メラノーマ メラノーマは、日本語で悪性黒色腫と言います。メラニン色素(皮膚を黒くする)を産生するメラノサイトという細胞が癌化したものをいい、大部分は皮膚に出来ます。大腸に起こるのは非常に稀で、日本では60例が報告されています(1980、片山らによる)。 60歳台以後に発生することが多く、肛門部で出来て、直腸の方に進展していきます。小さい内は症状がありませんが、大きくなると、下血(お尻から血が出る)が起こります。予後は非常に悪く、切除しても、肺や肝臓に転移し、短期間に死亡することが多いです。 小腸悪性リンパ腫 身体を外敵(細菌、ウイルス)から守るものの一つに、リンパ球があります。このリンパ球が、癌化したものを、悪性リンパ腫と言います。消化管の中では、胃のMALTリンパ腫がリンパ腫として独立したため、小腸は胃とならんで、一番悪性リンパ腫が起こりやすく(20~60%)、小腸は悪性リンパ腫の好発部位といえます。 小腸がこぶで塞がれれば、腸閉塞になります。その他に、出血や、腹痛などが起こります。 小腸は、口からも、肛門からも遠いので、内視鏡が入れにくく、診断が難しいので、早期に診断するのが難しい場所と言われてましたが、最近、カプセル内視鏡を始め、内視鏡で観察できるようになりました。診断されれば、化学療法(抗ガン剤など)、放射線療法、外科的切除などが行われます。 癌化とは 正常の細胞は、寿命も決まっていて、それぞれの臓器ごとの目的のために、秩序を保って、増殖しています。これが何らかの原因により、DNAが損傷して、無目的に、無秩序に、しばしば無制限に増殖するようになったものを腫瘍といいます。腫瘍には良性と悪性があり、悪性は良性に比べて、転移、再発がみられるなどの特徴があります。 胃がん 胃がんは悪性新生物による死亡原因のうち、日本では女性の死亡原因第一位、男性では死亡原因第二位です。(ちなみに男性の第一位は肺がん)そのため日本では世界でもっとも胃がんの診断と治療が発達しているといっても過言ではありません 近年では患者のほぼ半数は早期がんのうちに発見されます。胃がんは、死亡原因としては女性では第一位、男性では第二位でしたが、患者の総数ということでは、男性のほうが女性よりも倍以上の多さです。また、手術を受ける年齢も60歳前後ですが、男性のほうが女性と比べてやや高齢になる傾向があります。 早期がんのほとんどは無症状で定期健診などをきっかけに見つかることが多い。それに対して進行がんでは、心窩部(みぞおち)の痛みや、がんによって食物の通過が障害されることによる胃のもたれ、吐き気、胸焼け、食欲不振などが認められます。他にもがんからの出血のための貧血や、真黒な便(タール便)が認められます。また栄養状態の悪化による体重低下が認められます。がんが胃の壁をつらぬいて、もっとも外側の漿膜に達すると、がん細胞がおなかのなかに種をまいたようにこぼれだし腹膜播種という状態になって腹水が溜まることもあります。 食道癌 食道がんの原因についてはまだはっきりわからないこともありますが、アルコールやタバコを好む人に多いといわれています。また、熱いお茶や食事、辛い食べ物が好きな人もかかりやすいといわれています。ちなみに、毎日アルコールを飲み、しかもタバコをすうグループの人は、アルコールを飲まない、タバコをすわないグループの人の3~30倍の危険率があり、タバコをまったく吸わないと食道がんにかかる危険率は47~48%少なくなるともいわれています。好発年齢は、60歳前後で、胃がんに比べてやや高齢といえます。食道がんはほとんどが扁平上皮がんです。しかし、最近欧米では胃がんと同じような腺がんが増えてきています。これはなぜなのか?その答えは逆流性食道炎にあります。食道は逆流性食道炎が長く続くと、扁平上皮がバレット上皮と呼ばれる円柱上皮に変化します。このバレット上皮から腺がんが発生するのです。 大腸ポリポーシス 大腸にポリープと呼ばれるこぶが、100個以上発生する疾患です。家族性というのは、遺伝する病気という意味で、親がこの病気を持っている場合に、子供に遺伝する確立は50%です。日本では、生まれる子供の 約22000人に一人発生します。沢山のポリープが出来ることを、ポリポーシスといいます。APCという遺伝子の異常によって起こり、ポリープにより、血便、下痢、腹痛などの症状を起こします。また、大腸以外でも、骨や、胃など、さまざまな臓器で症状が起こります。ポリープは、年を取るにつれ(20歳で20%、60歳でほぼ100%)癌になります。そのため、治療としては、大腸を完全に切除します。 肝臓 肝臓は、腹部の右上に位置して、ほぼ肋骨の下に収まっており、頭側(上方)には横隔膜が存在する。ある種の動物では体内で最大の臓器である。非常に機能が多いことで知られ、代謝、排出、解毒、体液の恒常性の維持などにおいて重要な役割を担っています。特にアルコール分解能があることで一般には知られています。また、十二指腸に胆汁を分泌して消化にも一定の役割を持っています。肝臓の組織は肝小葉という構造単位が集まってできており、小葉の間(小葉間結合組織)を小葉間静脈(肝門脈の枝)、小葉間動脈、小葉間胆管が走っています。肝小葉は直径1~2mm,高さ1~2mmの六角柱ないしは多角形の形をしており、その中軸部は中心静脈という小静脈が貫いています。肝細胞は中心静脈の周囲に放射状に配列しており、ブロック塀の様に積み重なり、1層の板を形成しています。その間を管腔の広い特殊な毛細血管が走っており、これを洞様毛細血管といいます。この毛細血管は小葉間静脈と小葉間動脈の血液を受けて中心静脈に血液を送ります。 肝細胞性腺腫 肝臓の良性腫瘍です。主に妊娠分娩年齢の女性において起こります。経口避妊薬の広範な使用のために増加しており,それが腫瘍発生の成因に関係しています。ほとんどの腺腫は無症状である。まれに,腺腫は突然の破裂と腹腔内出血によって緊急手術となる場合もあります。腺腫は一般には前がん状態とは考えられていないが,悪性化した症例が報告されています。経口避妊薬に関係する腺腫は,薬物を中止することによりしばしば退縮します。無症状の小さい血管腫は成人の1~5%に発生するとみなされています。それは超音波検査,CTまたはMRIなどの診断画像で特徴的な所見を呈すが,治療の対象とはなりません。小児の巨大血管腫は時々,関連する消耗性凝固障害や血行動態の障害を起こすこともあります。胆管腺腫や様々なまれな間葉系腫瘍も起こることがあります。 転移性肝癌 他の臓器に発生したがんが肝臓に転移し、腫瘍を形成したものです。主に消化器がん(胃がん・大腸がん・膵がんなど)の転移が多い。これらの臓器を流れた血液は門脈を通じて肝臓に流れ込むため、血流に乗ってがん細胞が運ばれやすいと考えられます。特有の症状は存在しません。他臓器のがんを検査する過程で発見されることが多い。進行して腫瘍が大きくなると腹部にしこりを認めたり、黄疸、浮腫、全身倦怠感などが出現することがある。転移性肝がんはがんの末期像であるため、転移性肝がんのみで予後は決まらず、原発のがんの種類や進行状況が予後を決めます。たとえば比較的化学療法が効きやすい乳がんでは長期生存も期待できるが、膵がんでは生存期間の中央値は6ヶ月程度に過ぎません 肺がん 肺の上皮細胞に由来する悪性腫瘍です。上皮細胞とは、外界に開かれた「管」の内面をおおう細胞です。つまり肺がんの場合は、90%以上が気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺の上皮細胞のがんです。肺がんによる死亡者数は全がん死のなかで最も多いものです(17%:WHO)。肺における気道の粘膜は、“たばこ”の成分などの、発がん性物質によって、すぐに小さいながらも変異を生じます。このような変異が長期間繰り返し起こると、積み重なって大きな傷害となり、遂にはそこの組織が“がん化”します。がん化した組織、つまり腫瘍(しゅよう)が気管支の空洞部分へと向かって成長すれば気道は当然狭くなり、閉じてしまい、場所と程度によっては呼吸困難を起こします。気道が完全に閉じれば、そこから先の部分の空気の出入りができなくなります。そうなると、細菌の排出もできなくなり、肺炎を生じやすくなります(閉塞性肺炎)。また、腫瘍にも血管がありますが、もろく出血しやすい傾向にあります。そのため、血痰が生じることがあります。肺がんの一般的な症状は、血痰、慢性的な激しい咳、喘鳴(ぜんめい)、胸痛、体重減少、食欲不振、息切れなどですが、進行するまでは無症状であることが多いといえます。 中皮腫 中皮腫とは、中皮細胞に由来する腫瘍の総称です。中皮細胞とは、臓器を入れている空間、つまり腔所の内面をびっしりおおう細胞のことです。その腔所は、主に3つです。1.胸膜腔(肺を入れている腔所)、2.腹膜腔(胃・腸など腹部の臓器を入れている腔所)、3.心膜腔(心臓を入れている腔所)。よって、そこに生ずる腫瘍である中皮腫も、おもに胸膜中皮腫、腹膜中皮腫、心膜中皮腫の3種類です。そのなかでも最も多いのは、胸膜中皮腫。これには石綿(アスベスト)との因果関係があります。石綿にさらされる期間と時間が長いほど危険度が増します。 泌尿器 腎癌 腎臓がんは10万人に3人弱の発生頻度で胃がんや大腸がんに比べればあまり多くありません。腎臓がんの発生する原因はあまりはっきりとはわかっていませんが発生率を男女比でみると、男性のほうが多く性ホルモンの関与が考えられたりしています。腎臓がんは特に血流に乗って肺や骨に転移しやすいがんであるということが知られています。腎臓がんの症状は、無症状であることが多いのですが、たまに不明熱、*赤沈亢進、血尿をみることがあります。しかしこの場合の血尿は一過性のことが多く見過ごされがちで、不明熱の検査中に発見されたり、骨に転移した後、骨折を起こして発見されたりします。また、握りこぶし大の腹部の腫瘤や鈍い痛みを感じることもあります。治療は他のがんと同じく早期発見が大切で、化学療法やインターフェロン療法も行われるが、可能ならば、第一に摘出を行うことになります。 前立腺 前立腺とはクルミ大の大きさの器官で精液に含まれる前立腺液をつくります。前立腺の中心を尿道が貫いており、この前立腺が肥大するもしくはがん化すると尿道が圧迫されて排尿障害(尿が出にくくなる)を起こします。この前立腺肥大は男性では誰でもみられることで50歳ぐらいから、年齢を重ねるごとに肥大していきます。このようなことから老化現象が肥大化する原因のひとつ、また性ホルモンも原因のひとつと考えられています。そのため治療には、ホルモン療法(男性ホルモン、アンドロゲンが関与していると考えられているため、抗アンドロゲン剤の投与での治療)や外科的に前立腺を切除する方法が挙げられます。前立腺がんの治療は他のがんと同様、早期発見が重要で前立腺を切除するか、放射線治療、ホルモン治療が行われます。 脳 脳梗塞による融解壊死 脳梗塞とは脳の血管に血栓や栓塞がつまったことにより、脳に血液が行き渡らず虚血状態の脳組織が壊死に陥るというものです。(脳は多くの脂質成分より構成されているため、とけて、融解壊死が起こります。)脳はその部位ごとに異なった機能を司っているため、梗塞が起こる部分によって症状も違ってきます。しかし一般的代表的な脳梗塞の症状としては、手足の麻痺による運動障害、舌のもつれ、言葉が出てこない、話の内容がわからないといった言語障害、意識不明、朦朧とした状態である意識障害が挙げられます。脳梗塞の原因である血栓ができるのは高血圧、食生活の欧米化による心臓病、糖尿病、動脈硬化、精神的ストレスなどが考えられます。なお、脳梗塞は体の水分が奪われやすい夏に多い傾向があります。これは、発汗などで水分が失われて血液が濃縮され粘性が高くなってつまりやすくなるためです。 脳出血 脳出血とは脳内の比較的細い血管の壁が壊れて出血し、それが脳の中で血腫というかたまりになって脳組織を圧迫するものです。発生する場所としては脳の深い部分(被殻、視床)脳の橋、小脳に多いということがわかっています。脳出血の症状は日中、活動時、突然に起こり頭痛に始まります。そして次第に意識が朦朧とし、口が利けなくなる、はっきり発音できなくなる言語障害や言葉が通じない失語症などが現われます。特に小脳で起こる場合は頭痛、めまい、嘔吐が激しくなります。脳出血の原因は長期に渡る高血圧であることが最も多く、この高血圧が長期に渡って継続したことで、脳内の小さな動脈血管が硬化し血管壁の一部が脆くなったところに一時的にかかった高い血圧が加わったはずみで出血にいたます。脳出血の原因は他に血液の病気(出血傾向)薬の作用(抗凝固薬)によって起こることもあります。

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