ハレグゥエロパロスレSS保管庫@ Wiki 070309

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耳(一:>333-338)
  よし、部屋も片付いたし、ゲームでもやるか。

  掃除機のコンセント抜き、部屋の隅に立て掛けるとテレビ台のゲーム置き場から携帯ゲームを取り出す。
  母さんは今、アメを連れて街の病院に定期健診に出かけている。帰ってくるのは夕方頃だろうから、それまでは
この家はオレの天下。ゲームし放題の天国だ。
  ベッドの上にドスンと座り、携帯ゲームの電源を入れる。今ハマっているのは本格推理アドベンチャーの
「オイッスルーム」だ。いつでもセーブ出来るせいで、逆に止め所が解らずいつも母さんに怒られるまで
ずるずると続けてしまう。だけど今日はその母さんもいない。一気にストーリーを進めるチャンスだ。

  フと、自分の横で寝息を立てている少女が目に入る。こいつはこいつで昨日、夜中までゲームをやっていた。
こいつはオレと違い携帯ゲームには手を出さないが、TVゲームは最近はオレ以上と言って良いくらいやっている。
そんでもってこいつはオレと違い家の手伝いなんて一切やりもせずにこうしてのうのうとグッスリお休みなさっているってな
ワケだ。なんだか、そう考えると無性に腹が立ってきたぞ。

「おーい、グゥさーん」
  横を向き、いつものように半開きの目でむぅむぅと寝息を立てている少女の頬をタッチペンでつついてみる。
……目標、反応ありません。よし、次の作戦を実行に移そう。
  そのままタッチペンをぐりぐりと移動させ、へのへのもへじを描いてみる。白い頬にうっすらと赤い軌跡が浮いてきた。
ちょっと強すぎたかな。思わず指でその線を撫でる。よくつねったり引っ張ったりしているから知っているけど、グゥの頬は
つき立てのお餅のようにぷにぷにと柔らかい。すべすべの肌の上を、何のとっかかりもなく指がなめらかに滑って行く。
今も常夏のジャングルの日の光がさんさんと照り付けているってのに、何故かグゥの身体はひんやりと心地良い冷たさを保っていた。

「んん……」
  何度か頬の上をさすさすと擦っていると、グゥは体を丸め、指から逃げるように顔をベッドに押し付けた。
色素の薄い髪の毛が、サラサラと流れ頬を隠す。短い髪が薄く開いた目にかかり、なんだか見ているこっちが痛々しい。
何度払ってやっても、またすぐにその髪は丸っこい頬を伝い、目の辺りまで降りてくる。
  何かひっかける場所があれば良いのだろう。オレは今度こそ垂れて来ないように、髪を持ち上げ耳の後ろに回した。

  普段は髪に隠れ、滅多に見る事の無い耳がサラリと、外気に晒される。何故か、トクンと小さく鼓動が鳴った。
髪を掛ける時に触れた耳の淵は、日陰になっていたせいか頬にも増してヒヤリと冷たく、耳から離した今もまだその冷たさが
指に残っているようだった。
  もう一度、指をその耳に触れさせて見る。つぅ、と淵をなぞるとグゥは、ン、フ、とくすぐったそうに小さな声を上げた。
ううん、ちょっと楽しいかも。もうちょっとイジってみよう。
  耳の内側のくるまっている部分を小指でなぞってみる。耳たぶをぷるぷると指先で弾いたり、二本の指でくにくにと
軽くもんでみる。耳の中に軽く小指を入れ、爪の先で入り口の出っ張りを掻いてみる。オレがそうして耳の上で指を
動かす度に、グゥはピクピクと体を小さく震わせくぐもった声を上げていたが、頬を触っていた時のように逃げるような
仕草は見せず、オレの指に身を任せているようだった。
  それでも、耳の後ろを指でツツ、となぞった時は一際大きく体を震わせ、指が離れるように少しだけ顔を内側に傾けた。
もう一度同じ場所に指を這わせると、はぁぁ、と吐息のような淡い声を上げ、身体をもじりだす。逃げるグゥを追うように
指をピタリと付け、何度もそこを柔らかく摩擦するうちにその声はどんどんと熱を帯び、そのうち諦めたようにその動きにも
抵抗の色が薄れて来た。

  オレはその、普段は見せないグゥの新鮮な反応に夢中になってしまっていた。
  耳の裏に、指の腹では無く軽く爪を立て、カリカリと擦ると、ンッ、ンッ、と身体を強く震わせ鋭い声を上げる。
耳の根元に近いほど、その刺激が細く鋭いほど反応が強くなるようだ。とは言え、爪の先では根元をピンポイントでは
攻められない。かといって、つまようじ等を使うのは流石に気が引ける。フと、オレは自分の膝元に置かれた携帯ゲームに
目を向けた。そうだ、タッチペンなら丁度良いんじゃないだろうか。

  オレは早速、タッチペンを耳の裏の根元に付け、その筋に這うように滑らせた。するとグゥはこれまでに無いくらい身体を
ビクンと弾けさせ、ヒッ、と息を呑むような声が聞こえたかと思うとオレの手をバチンと叩いた。そのまま半回転し、
ベッドの上を仰向けにごろんと転がる。
  ここまでされてまだ寝てるってのも凄いが、ちょっとやりすぎたか。オレはズキズキと痛む手をさすり、
シーツの上に転がる携帯ゲームに目を向けた。……あれ?そーいや、手に持ってたタッチペンは……?
  叩かれた衝撃でどこかに飛んでいったのだろうか。シーツの上を探っても、床の上にもベッドの下にも落ちていない。
予備は無いってのにどうしたもんか。明らかに自業自得ってのはわかっているのだが、タッチペンを弾き飛ばした本人、
いまだぐっすりと寝こけている少女に目をやる。……と、少女の口元から何か黒く細いものが突き出ているのが見えた。
  まさか、と思いグゥの顔に寄ると、小さく開けた口からにょっきりとペンの尻が出ているではないか。オレの手から
飛んでいったペンは偶然にも、グゥの口の中にすっぽりと収まってしまっていたらしい。だけど、見つかって
よかったよかった、なんて安心もしていられない。喉にでも詰めたら大惨事だ。
  オレはすぐにペンの尻を掴もうと指を伸ばした。が、あとほんの数ミリ、という所でペンはグゥの口の中に、
吸い込まれるようにシュポッと滑り込んでいった。

「ちょ、グ、グゥ!グゥ!?」
  オレは慌ててグゥを揺するが、まるで起きる気配無い。と言うか、まるで平気そうだ。考えてみれば、グゥの体内は
オレたち一般人とは別モノだった。あんな細っこい小さな棒切れ一本でこの少女の喉が詰まるくらいなら、オレの平穏は
ここまでかき乱されたりはしないってもんだ。
  少し安心した反面、オレとしては非常に困った事になった。これじゃ、ゲームが出来ん。だから予備は一本も無いんだってば。
元々は俺の自業自得だし、ペン一本のためにグゥを起こすのも気が引ける。かといってつまようじやエンピツで集中して
ゲームを楽しめる気はしない。このゲームは諦めて、タッチペンを使わないゲームにするか。
  オレはがっくりと肩をうなだれ、携帯ゲームのカートリッジを抜いた。その瞬間、指に力が入っていなかったのだろう、
ピョンとカートリッジが本体から飛び出した。この携帯ゲームのスプリングはかなり強力だ。強く押してすぐに指を離すと、
カートリッジはロケットのようにかなりの勢いで遠くまで飛んでいく。
  まぁ別に、カートリッジがどこに飛ぼうが構いはしない。シーツの上だろうが床の上だろうが、グゥの口の中以外なら
どこに飛んでも良いさ。そう、グゥの口の中以外なら。……ああ、なんでこう不幸ってのは続くのだろうか。
  携帯ゲームから飛び出したカートリッジは、まるで吸い込まれるようにグゥの口の中にスッポリとホールイン・ワンを決めた。
誰かがビデオカメラを回していたとしたら、ちょっとした決定的瞬間系のテレビ番組に送れる程に完璧なナイス・イン。
全っ然嬉しかねーけれどもよ。

  あの口は危険だ。二度とも確かに見紛うことなく100%オレのせいだがもはや勘弁ならん。二度ある事は三度あるとも言う。
早急に対策を図らねば次はそのブラックホールに何が飲み込まれるか解ったもんじゃない。
  オレは適当に部屋を漁り、何か蓋になりそうな物を探す。

  ガムテープ?……いやいや、剥がすとき痛いだろう。
  なんか口の中に詰めとくか?……いやいや、詰め込んだ端から飲み込まれるに決まってる。
  猿ぐつわ?……いやいや……いや、案外良いかもしれん。誰かに見られた時の言い訳が大変そうだが、傷もつけず跡も残さず
安全にあの口を塞ぐことが出来る。事後処理も迅速に済ませられるだろう。うん、実に効率的な方法じゃないか。

  オレはバスルームから新しいタオルを持ち出し、ベッドに戻る。よし、縛るかとグゥの口元を見ると、端からツー、と
涎が垂れている事に気付いた。危ない危ない、もう少しでシーツが汚れるところだ。
  口を縛る前に、タオルで口元を拭いてやる。ううん、タオルって万能だな。なんて意味も無く考えていると、
シュポッという音と共に指の先に吸着感を覚えた。見ると、オレの指がタオルの先端と共にグゥの口の中に吸い込まれている。
ゾゾ、と背中を冷たいものが走った。このままじゃオレも飲み込まれる!?
  慌てて指を抜こうとしたが、指に感じる吸着力は何故かやけに弱く、急速にオレの中の危機感が薄れて行く。それどころか、
指の上を這い回る何か生暖かくぬめった感触に身体中の力が抜けて行き、指を抜く気力すら失せてしまいそうになる。
  なんとか気力を振り絞り、引き抜いた指の先にはツゥ、と一直線にグゥの口の中まで糸が伝っていた。先ほどとは違う意味で、
背筋にゾクゾクと何かが走る。指の先には、ベッタリとグゥの唾液が付着していた。トクトクと胸が高鳴る。指先から
目が離せない。そのまま誘われるようにオレは小さく口を開け、指を………って、いかんいかん、何を考えてるんだオレは。
  オレはすぐに台所に行き、念入りにごしごしと手を洗った。邪な気持ちと一緒に指先をスッキリさせると、台所に何かが
転がっているのが目に留まる。アメのおしゃぶりだ。洗っておいたのをそのまま乾かしていたのだろう。

  ……ん?

  瞬間、オレの頭に鮮烈にナイス・アイデアが浮かんだ。まさに、閃いた、と言った表現がピッタリ来るような、
頭にフラッシュを焚いたような輝かしい名案だ。オレの気の早い頭はもうそのアイデアを行動に起こした結果を
想像力豊かに展開し、身体までもがウズウズと疼いて来た。早速オレはそれを持ってベッドに戻り、グゥの傍ににじり寄った。
  相変わらずグゥは周囲……と言うか、オレの状況も知らずにのんきに寝息を立てている。ククク、目にモノ見せてくれる。
オレはグゥの口元に、ゆっくりとおしゃぶりを近づける。丸ごと全部飲み込まれないように、注意を払いながら指に力を込め、
ゆっくり、ゆっくりと静かにおしゃぶりの先を接近させる。
  やがて、その先端がグゥの口の中に全て収まったと思った瞬間、キュポッと強い吸着音を立て、ピッタリとグゥの口に収まった。

「─────プッ」
  その姿、まさにおっきな赤子。ちゅぱちゅぱとおしゃぶりに吸い付き、身体を丸めて寝転がる少女の姿はなんと言うか、
筆舌に尽くしがたい可愛らしさとアホらしさを兼ね備えているではないか。おお、後光すら差している気がするぞ。
オレは必死で笑いを堪え、ゆっくりとベッドを降りる。……よし、早急にカメラを持ってこよう。
  事あるごとにアメを撮影しているので、カメラの位置はしっかり把握している。オレは迷うことなく一つの棚の引き出しに
手を掛け、中から使い差しのインスタントカメラを取り出した。
  よっしゃ、待ってろグゥ!今お前をジャングルのアイドルにしてやるからな!!オレは意気揚々とベッドに向き直り……。

  ……そのまま一回転し、また棚の方に身体を向けた。鬼が居た。今、ベッドの上に確かに鬼が居た。
背中に物凄い殺気を感じる。その殺気が、徐々に、徐々に接近して来る。何というプレッシャーか。
あまりにも恐ろしい殺意を背中に受け、オレは再び振り返る事も、逃げる事すら出来なかった。
そうこうしているうちにもその殺る気満々の凶悪な気配はゆっくりと近づき、ついにピタリと、
オレの真後ろにまで到達した。
  首筋に物凄い視線を感じる。グゥは背後にピタリと張り付いたまま動かず、オレを焼き尽くさんばかりに熱視線を浴びせ
続けている。もし視線と言うものに物理的破壊力が存在したなら今頃オレはベルの反則級無限コンボを体力ゲージの5倍分ほど
食らい続けたどこぞの哀れな使用人の如き赤と白と薄茶色のコントラストが映える瑞々しい肉塊と化していたに違いない。

  しかしこのままグゥの殺気をオレに炸裂させてしまえば、やはりオレはモザイク必須の悲惨な有様になる事必至。
ここは先手必勝か。オレは数度深く深呼吸をし腹に力を込め、意を決して勢い良くぐるんとグゥの方に向き直った。

「ごめんなさい!!」
  オレの体は自分でも驚く程の見事な軌跡を描き、グゥの足元に額を擦り付け平伏した。その完璧なフォームから繰り出された
これ以上無い程の低姿勢はまさに敗北のベスト・オブ・ベスト。一世一代の土下座と言えよう。
  ふふふ、流石のグゥも先にここまで下手に出られては手の出しようもあるまいて。

「ハレ……」
  グゥはオレの前にしゃがみ、そ、と頭の上に手を乗せた。そうだ、グゥはいつも酷い事ばかり企んでそれ以上の事を実行に
移して口から出るは嫌味ばかりその顔は皮肉げに歪み常にオレをどう痛めつけるかしか考えていないような人間だけど
明らかに弱者と解る相手に対しては優しいいいいだだだだだだだだ!!!頭が痛い!物凄く痛いよ助けて母さん!!!

  どうやらオレは、グゥに髪の毛を思い切り掴まれそのまま身体ごと宙に浮いているらしい。頭皮の辺りがミチミチ言ってる
気がするが、そんな事も頭の痛みも今は気にならない。グゥの目を間近に見てしまった今、そんな事にかまけている余裕は
オレには無い。
「グ、グゥ?ゴメバッ」
  右頬に何か、鋭い衝撃が走った気がする。ゴハッ!あれ、次は左頬だ。ゲフッ!今度は昼飯を戻しそうなほどボディが
苦しい気がするぞ?あはは、ゲゴッ何だコレ。ブヘッ夢か、夢なのガフンッ誰か夢ってオゴッ言ってオゴゴゴゴゴッ!
  ごごごご近所の皆さーん、DVですよー。今ここで一人のいたいけな少年がサンドバックにされてますよー。

  その後何をどうされたのか、理解したくない程の猛攻をその身に受けオレはようやく解放された。最後に口に何かを
突っ込まれた気がするが、今は己の生命がまだ健在である事を心から神に感謝したい。
  何か、カシャカシャと無機質な機械音と共に眩しい光がキラキラと何度も照り付けて来るが、やはりそれも些事だろうさ。
「ふむ、良い画が撮れた。早速現像して村中に配布するとしよう」
  ……母さん、オレ、ジャングルのアイドルになるかもしんないけど、見捨てないでね。
って、流石にそれはらめえええええええええええええええ!!!!!!!

  オレは身体の痛みも忘れ、瞬時に飛び上がった。グゥはそれを予測していたらしく、すぐさまオレから距離を置くと
カメラを背中に隠す。うう、何としてでもあのカメラを破壊せねば。アメの写真ともろともになってしまうがしょうがない。
馬鹿なお兄ちゃんを許してくれ。
  一歩ずつ、ゆっくりとグゥに近づく。グゥはオレと一定の距離を保ちながら後ずさり、背中を向けたままベッドに飛び乗る。
オレもそれに続きベッドに登り、円を描くように間合いを詰めていく。ベッドの上は今や小さな戦場と化した。

「………ところで、おしゃぶりは咥えたままでいいのか?」
「えっ……?」
  やはり、口に咥えさせられていたのはアメのおしゃぶりだったらしい。すっかり忘れていたが、咥えたままだったのか、オレ。
……って、今オレ「えっ……?」って言ったよな。舌を動かしても、そこに何の感触も無い。チラリとオレが先ほどまで
倒れていた場所を見ると、そこにちょこんとおしゃぶりは転がっていた。なんだよグゥ、騙しやがって……なんて、
グゥを目の前に自分でもあきれ返るほどの隙をたっぷりと見せてしまっていたオレはその事に気付いた時にはもう遅い。
いつの間にか急接近していたグゥの手が、オレの顔面に一直線に迫ってきていた。
  受ける暇も避ける暇も無い。オレの脳は即座に覚悟を決め、その一撃に耐えようと身体を硬直させ……。

  ──次の瞬間、ドスン、と言う音と共に身体が揺れた。何が起こったのか、グゥの拳はオレには届かず、代わりに目の前に
グゥが背中を向けて横たわっていた。良く見ると、ベッドのシーツがグゥの足元に寄せ集まり、たわんでいるのが解る。
  どうやら、グゥがあまりに素早く動いたせいでシーツがずれ、その勢いのまますっ転んでしまったようだ。
  ……チャンス!起き上がる暇など与える必要なし。オレは即座にグゥの背中に圧し掛かり、腕を押さえ付けた。
「いやー、犯されるー」
  そんな抑揚の無い無感情ボイスを上げた所で誰が助けに来るか。オレはグゥに全体重を掛け動きを封じる。
だがグゥも全力で身をよじり頑なに抵抗を続ける。いかん、このままでは長期戦だ。マジで誰かにこの状況を見られたら
明日には村中に噂が広まる。せっかくの千載一遇のチャンスだってのに……どうにかして短期決戦に持ち込めないものか。
せめてグゥに何か弱点でもあれば……。

  ……弱点……。

  オレはグゥの両手を押さえ付けたまま、顔をグゥの肩に回し、耳の裏に息を吹きかけた。
「ふぁっ?」
  それだけで、グゥは敏感に反応を示した。うむ、やはりここが弱点のようだ。悪いが存分に攻めさせてもらおう。
まだグゥの耳には髪の毛がパラパラと掛かっている。オレは何度か息を吹きかけ耳全体を露にする。
さて、オレは今、両手が塞がっているのだが……他に身近に刺激を与えられる物と言えばもう、一つしかないだろう。
悪く思うなグゥ、恨むならこの状況を恨め。オレはおもむろに耳の淵に舌を這わせ、そのまま軽く、かぷりと歯を立てた
「ひッッ」
  瞬間、グゥはビクンと体を引きつらせ、喉の奥から鋭い声を上げる。しかしまだ抵抗する力は緩まない。オレは更に激しく
舌を動かし、耳たぶを唇で挟み吸い立てる。そのまま耳の裏を舐め上げ何度も強くキスを重ね、その耳の一番弱い部分であろう
根元の部分を甘く噛み、そのままその筋をなぞった。

「いやぁあンッ!」

  ………は?

  誰かの、やけに甘い声がオレの耳に届いた瞬間グゥはこれ以上無いくらいにその身を弾けさせ、
オレの身体をベッドの外まで跳ね飛ばした。
「ゲフッ」
  オレはそのまま床に落ち、強かに背中を強打し一瞬、呼吸が止まる。床を転がり、悶えながらもオレの頭の中には
先ほどの声が何度もリフレインし、離れてくれなかった。
  もしかして、今の声はグゥなのか。確かに他に考えられないがしかし、そんなあああああだだだだだだだ!!!!!!
痛い痛い!!テンプルが痛い!!刺さってる刺さってる!血、血ー出てるよ多分!!!!

  どうやらオレは、グゥにアイアンクローをされたまま身体ごと宙に浮いているらしい。頭蓋骨がピキピキ言ってる
気がするが、そんな事も頭の痛みも今は気にならない。グゥのその声を間近に聞いてしまった今、そんな事にかまけている余裕は
オレには無い。

「ぐすっ……なに考えてるんだ、お前は……っ」
  グゥの手に阻まれ、前は見えなかったがその声には確かに嗚咽が入り混じっていた。

「グ、グゥ?ゴメバッ」
  腹部に何か、鋭い衝撃が走った気がする。ゴハッ!あれ、次も腹部だ。ゲフッ!今度もやっぱり胃が飛び出しそうなほど
ボディが苦しい気がするぞ?あはは、ゲゴッ何だコレ。ブヘッ夢か、夢なのガフンッ誰か夢ってオゴッ言ってオゴゴゴゴゴッ!
  ストマックばっかはやめて!!せめて上下に撃ち分けて!!らめえ、そんなにされたら大なる便が赤く染まっちゃううう!!

「なんで、あんなことしたんだって聞いてるっ!」
「オゴフッ………いやその……グゥの動きを止めようかと……」
「あんなので止まるか、馬鹿!」
「ゲブフッ………いやその……グゥが寝てる時は、なんかはんなりしてたんで……」

「…………寝てる時?」
「…………はい……」
「…………触ったのか?」
「…………はい……」
「…………耳を?…」
「…………は───」

  ………
  ……
  …
  ───オレが覚えているのは、そこまでだ。
  意識が途絶える寸前、何か頭蓋骨の奥の方で破滅的な音が響き渡った気がした。が、良く覚えていないし
思い出したくも無いので気にしない事にする。

  目が覚めた時、家には誰も居なかった。どれだけ眠っていたのか、外を見るとすっかり夜も更けていた。
  そしていつの間に着替えさせられたのか、オレは何故か半裸にオムツとよだれかけを装備しおしゃぶりを
咥えた状態でベッドの上に横たわっていたらしい。オレは即座に着替え母さんとグゥの帰りを待ったが、
結局その日は家に帰って来る事は無く、オレは一人、震える夜を過ごした。

  次の日、ジャングルのアイドルとして華々しいデビューを果たすとも知らずに。

END