ハレグゥエロパロスレSS保管庫@ Wiki 070303

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ハレ×グゥ×マリィ

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チキン(一:>313-324)
<<1>>

「グゥ、出来たよー」
「ん……うん」
  オレの声に、グゥはゲームのコントローラーを置きダイニングに入って来る。
  テーブルの上には、ほかほかと美味しそうな湯気を立てるグラタンが二つ。
  今夜は、母さんは狩りで留守だ。どうせ狩りの後は酒盛りで、明日の昼ごろまで帰っては来るまい。
  いつもならオレが適当に何か作るのだが、どう言う風の吹き回しか、今日は母さんがグラタンを作って置いていてくれた。
夕飯はそれをレンジで温め直しただけ。作りたてと比べれば流石に落ちるが、母さんの作るグラタンはそれでも美味しい。

  グゥがテーブルに着くのを確認し、いただきますを言うとオレはグラタンをパクパクと口に放り込む。その味はいつもの
母さんの作るものと変わらない美味しさだったが、一ついつもと違う点に気付いた。中の具がエビではなく、鶏肉だったのだ。
昨日の夜も酒で飲み潰れ、起きたのは今日の昼過ぎだった。エビを下ごしらえする時間と気力が無かったのだろう。
まぁ、チキングラタンと言うのもたまには悪くない。これはこれで美味だ。
  しかし、チラリと視界に入ったグゥのスプーンはグラタンの前でピタリと止まり、微動だにしていなかった。
一口も手を付けていないようだ。
  そう言えば、グゥはもともと好き嫌いが激しい方だけど、鶏肉は特に嫌いだった。今まで、鶏肉の入っている料理に
マトモに手をつけている所は見た事がない。ただ、グゥ自身はそれを口に出した事は無いし、度を越した小食と言う事もあって
オレもそれに気付くまでに随分時間がかかった。ずっと前に行った海ピクの時も、母さんが作ってくれたお弁当の献立の中に
鶏のから揚げが入っていたらしい。結局酒の肴として母さんが作った傍から食べてしまったらしいのだが、アレもグゥの
策略ではと疑ったものだ。

  それでもその好き嫌いは直ったと思っていた。都会に居た時は、出された料理は全て綺麗に平らげてしまっていたからだ。
味わっているという様子は一切無く、皿ごと丸飲みにしていただけなのだが、それでも食べている事に変わりは無いだろう。
  あれは確か、ベルに「好き嫌いはいけません」と窘められてからだったか。結局、ジャングルに帰ってきてからはまた
好き嫌いが再発している所を見るとまるで直っていないって事なんだろうけど、家じゃあ何故か出された料理を丸飲みに
した事が無い。好き嫌いを咎める人間が居ないからだろうか。別にオレもそこまで気にした事は無いけど、せっかく作った
料理なのだ、食べられるのなら食べて貰った方がいい。それに好き嫌いが直ればオレも料理を考える手間が減るってもんだ。

「グゥ?ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ」
「なんだ、保護者気取りか?」
  オレの言葉にも全く怯む様子を見せず、グゥはフン、と鼻を鳴らすといつもの皮肉めいた声をぶつける。
まあ、この程度はジャブだ、ジャブ。こっちもそれくらいで怯んでたらコイツとは付き合えないってもんだ。
「知ってるか?好き嫌いが激しいと将来、太りやすくなったりキレっぽくなったりするらしいよ」
「今度は脅し……か。やれやれ、ハレも将来ろくな大人にならんな」
  グゥは思いっきりオレを見下しながら大きなため息をブハァと吐き出し、両手の掌を上に向け顔の高さに持ち上げ、
肩をすくめる。非常に癇に障る態度だが、この程度もいつもの事だ。いちいち怒っていてはきりが無い。
  平常心平常心……。オレは心を落ち着けるために目の前のグラタンをかき込む。うん、多少冷めてしまったが、
やっぱり母さんの作るグラタンは絶品だ。これを鶏肉が入ってるってだけで食べないなんて、実に勿体無い。

「なぁグゥ……」
「うるさい」
  最後まで言い終わらぬうちに、グゥはがたんと大きな音を立てて席を立った。
結局、グラタンにスプーンすら刺し入れぬまま、またテレビの前に戻って行く。
「おいグゥ!食べない気かよ!」
「ハレが食え」
「オレもそんなに食えないって。それにこれはグゥのために作ってくれたもんだろ?」
「………ッ」
  ようやくオレの説得が効いたのか、グゥはピクリと肩を揺らし、顔だけをこちらに向けた。
その手はまだコントローラーを握ったままだったが、聞く耳を持ってくれたようだ。

「…だったら、グゥがそれをどうしようとグゥの勝手だろう」
「ンな………ッ!!」
  ……聞く耳は持ったようだが、どうしても折れる気はないらしい。オレもここまで来たら引き返せないぞ。
何が何でも食わせてやる。

「おい、戻ってきて食えって」
「いいからハレが食え。勿体無いだろ」
「勿体無いって思ってんなら食べなよ!グゥもグラタン好きじゃんか」
「そのグラタンは嫌いだ」
「なんでそう好き嫌い多いんだよっ!都会ん時みたいに丸飲みすりゃ食えるんだろ?」
「丸飲みはしたくない」
「何でだよ!」
「ハレには関係ない」
  だんだんと、胸の奥に黒い炎が灯って行くのが解る。何故自分がこんなにムキになっているのかは解らない。
けど、グゥの表情がいつにも増して無感情で、その声がいつにも増して無愛想で、その態度からはこれまでに無い拒絶を感じ、
ここで自分が折れてしまったら、もう二度と取り戻せない何かを失ってしまう気がした。

「そんなに、嫌いなのかよ。母さんのグラタン!」
「……別に」
「別にって何だよ」
「嫌いじゃないと言ってる」
「好きでもないんだな」
「誰がそんな事を言った」
「別にって言ったじゃんか」
「そう言う意味じゃない」
「じゃあどう言う意味だよ!」
  言葉を交わす度に、グゥの声を聞く度に黒い炎がメラメラと燃え盛って行く。声のトーンが制御出来ない。
別に、こんなに強く言うつもりは無かったのに。これじゃあグゥを無意味に責めているだけじゃないか。
  でもオレの中の炎はその大きさを増すばかりで、それを目の前の少女に発散する事でしか鎮める術が見当たらなかった。

「……そのグラタンが食べられないだけだ」
「嘘付け。ホントは不味いって思ってても無理して食べてたんだ」
「違う、いつものグラタンは本当に美味し───」
「オレの料理だってホントは食べたく無かったんだろ!!」
「ハレ…?」
「いいよ、もう!もうグゥになんか何も作ってやんないからな!!」
「…………ッ」
  ダンッ、と、何か重い物が落ちたような音が聞こえた。同時に、左手が痺れるように痛む事に気付く。
どうやらオレが自分でテーブルを叩いた音のようだった。
  ……何やってんだ、オレ。こんな理不尽な畳み込みがあるか。オレが聞かされても納得の行く台詞じゃなかったぞ。
  急激に、頭に上った血がスゥ、と降りていった。代わりに恥ずかしさと情けなさで胸が一杯になり、身体中が火照る。
  いいや、もう別にそこまでして食べて貰わなくても。冷蔵庫に置いておけば母さんが帰ってきたら自分で勝手に
食べるだろうし、これまでだってそんなに気にした事なんて無いじゃないか。……グゥにもちゃんと、謝ろう。

「……わかった」
「え…?」
  だけどグゥは、ゲームの電源を切ると真っ直ぐにこちらに向かい、テーブルにドカンと座った。グゥの前にはもうすっかり
冷め切ってしまったチキングラタンがそのままになっている。
「食べる。食べればいいんだろう」
「い、いやもういいよ、別にさ」
「嫌だ。食べる、から……ッ」
  今度は、グゥの方がムキになってしまっている。
  グゥはスプーンを強く握りグラタンの中に差し込むと、一瞬躊躇を見せたがそのまま口の中にパクンと放り込んだ。
そのままその勢いを止めてなるかとばかりに、グラタン皿を持ち上げ一気に口内に流し込む。
「ちょ、そんなに急いで食べなくても……」
  オレの静止もまるで耳に入れず、グゥはその皿がカラッポになるまで、息をする暇も忘れ食べ尽くした。

  なんだ、ちゃんと食べられるんだ、と思ったのも束の間……。
「お、おいグゥ!?」
「た、食べたぞ……これで……良い……ッ」
  グゥの顔は、蒼白だった。元より色白のその肌からは更に血の気が引き、オレを見詰める瞳からも生気を感じない。
そのままグゥはゆらりと身体を揺らせたかと思うと、椅子ごとガタン、と床の上に倒れてしまった。
「グゥ!?どうしたんだよグゥ!!」
  今度は、オレの顔が青くなる。グゥはハァ、ハァと小さく短く息を吐き、まるで病人のようだった。慌てて抱き起こすが
その身体からは力を感じず、ぐったりと首を後ろに倒し腕もだらりと下げたままだった。
  オレはグゥを抱き上げ、ゆっくりと、出来るだけ揺らさぬようにベッドの上に運んだ。


<<2>>

「グゥ、ごめんな……」
「これで……ハレの…作ったもの、食べていいん、だ、な……」
  オレの言葉が聞こえているのか否か、グゥはいまだ整わぬ息と一緒に、うわ言のように呟く。オレがあんな事を
言ったせいで……。激しい後悔の念が胸を締め付ける。
「ホントに鶏肉、ダメだったんだな……それなのに、無理に食べさせちゃって……」
「……気付いて、いたのか」
  グゥはぐったりとベッドに横たわったまま、顔だけをこちらに向ける。どうやら自分の鶏嫌いを気付かれてはいないと
思っていたらしく、その表情は珍しく本当に驚いているようだった。
「そりゃ、気付くよ。これだけ一緒にいるんだしさ」
「……そうか」
  今度はぷい、とオレの目を避けるように反対側を向いた。気付かれた事が悔しかったのだろうか、青白い頬が少し
赤みがかって見える。こんな時に不謹慎だが、そんなグゥの姿がちょっと微笑ましく思えた。

「それより、大丈夫?凄く苦しそうだったけど」
「ああ……横になっていれば、じき直る」
「俺に出来る事無いかな?何でも言ってよ」
  先ほどよりは幾分マシにはなったが、まだグゥの体には力が戻っている様子は無く、呼吸も肌の色も健康的なものでは
無かった。こんなグゥはこれまでに見た事が無く、グゥをそうしてしまった原因を考えると胸がチクチクと痛み出す。
「腹が、痛いんだ……」
「う、うん。トイレ行く?背中さすってあげるからさ」
  そうだ、吐き出してしまえば良いんじゃないか。グゥが変な物を飲み込んだ時も、腹の中から追い出したら
ケロリと良くなったじゃないか。
「嫌だ、吐き出したくない」
「じゃ、じゃあどうすれば……」
「…さすってくれ」
「……え?」
  一瞬、やっぱり吐くのか、と思った。ただ他の案を否定したかっただけなのだが、そう思いたかった。
お腹が痛くて、さするのは背中じゃなくて……となればもう、他にさする場所なんて一つしかないじゃないか。

「……頼む」
「う、うん」
  オレはおずおずと手を差し出し、グゥのお腹の上に静かに乗せる。そのままスリスリと服の上を上下に移動した。
「ん………そのまま…」
  グゥは、オレの手の動きに神経を集中するように目を瞑る。グゥの呼吸により、ゆっくりと起伏するお腹の様子が
手に伝わる。何故か妙に緊張してしまい、掌からじっとりと汗が滲み出て来る。
「もっと、腹の周りも」
「……うん」
  オレはお腹全体を円を描くように撫で着ける。服がずれないように下にきゅ、と引っ張っているせいか、
お腹の形がくっきりと解って尚更手の動きが硬くなり、体温までが上昇して行く。
  それでも、そうこうしているうちにグゥの呼吸も随分と整った。顔色も幾分か良くなって来ている。
少し、報われた気分になった。

「今度は、直にさすってくれ」
  ……のも束の間。グゥのその言葉にドクンと心臓が一つ高鳴り、収まりかけた身体の熱がまた急上昇してしまった。
「じっじっじかってど、どうやって……?」
  あまりにもあからさまに同様してしまっている自分がなんだか可笑しい。グゥもその姿が面白かったのだろう、
そんなオレを見てクスリと微笑うと、胸に巻いている黄色い布の下に手を差し入れ、くい、と少しだけ持ち上げた。
「このまま、下に引っ張って」
「ちょ、そ、え、な、えええっ!?」
  オレはいよいよ動揺し、もはや言語を発する事も不可能になっていた。軽くずらした黄色い布の先にはまだグゥの肌は
見えず、その全身を包んでいる筒状のワンピースの切れ目も見えなかった。どうやら、胸元までしっかりと伸びているようだ。

  コクン、と喉が鳴る。オレはグゥの足元に回り、ワンピースの両脇の裾を掴む。最初は自分でやれ、と言ったのだが、
力が入らなくて出来ない、と言われた。ついでに、何でも出来る事を言えと言ったのはハレだ、と付け加えられ、オレは
渋々ながらもグゥの言う事を聞かざるを得なくなってしまったのだ。
  ゆっくりと、ワンピースを引っ張る。最初は少し突っ張り、抵抗もあったが胸に巻いた布を抜けたら楽々と滑り降り、
そのあまりの落差に思わず最後までずらしてしまう所だった。危ない危ない、ずらすのは腰までだよな。

「それじゃ…撫、で……」
「ん……?どうした、ハレ」
「や、いやなんでもっ」
  一瞬、固まってしまった。グゥのお腹は、普段日に当たらぬせいだろう、顔や腕にも増して真っ白で、
まさに「透き通るような」といった表現がピッタリ来るような透明性を持っていた。
  小食のグゥにとってはグラタン一皿でも多かったのだろう、起伏の無いなだらかな肢体は少しだけぷくんと
膨れているのが解る。呼吸により上下するその動きも良く解り、何故か猛烈な恥ずかしさが身体を襲った。
「っと、そ、それじゃ……撫でるからね」
「うん……優しくな」
「ンなっ……わ、解ってるよ…っ」
  オレは服で手を拭き、その生身のお腹に手を触れる。
  自分の手が触れていいのか、思わず躊躇してしまうほどの肌理の細やかさ。すべすべと何の抵抗も無くオレの指が
グゥの上を滑る。ひんやりとした低い体温が火照った肌に心地良い。…って、オレが癒されてどうすんだよ、オレが。

  オレは先ほどと同じように、グゥのお腹全体を徘徊するように指を這わせ、撫で回す。服を着ていた時にも増して
ゆっくりと、優しく。掌は乗せず、指の腹だけを使いなるべく力を抜いてさすり上げた。
  それでもグゥの柔らかい肌はくにくにと指にその感触を伝える。無意識にその手触りをもっと確かめようと、
指に力が篭りそうになる。
  お腹とわき腹の隙間の段差を通る感覚が新鮮だ。お腹の真ん中に走る筋に指を這わせ、おへそに突き当たる瞬間が楽しい。
「ハレ…?」
「は、えっ、な…何?」
  気付くと、グゥは緩んだ黄色い布を抱えるように両手を胸に置き、ジトッと訝しげな目でこちらを見詰めていた。
…しまった、オレの指はいつの間にか、わき腹やおへそのあたりばかりを往復するようになってしまっていたようだ。
「……なんでもない」
「そ、そう…」
  よかった、バレては無かったようだ。ちょっとヘンな顔でもしていたのだろうか。何となく自分でもニヤケていた気がするが、
ここは気のせいってことにしておこう。流石にそれは恥ずかしすぎる。
  気を取り直し、オレはまたグゥのお腹を撫でる。今度はそこばかりに集中しないように注意したが、
やはりわき腹やおへその感触は心地良い。つい、そこに指が向かう頻度が上がってしまう。
  フと、わき腹を撫でている時にグゥが何かを口から漏らしていることに気付いた。ふ、く、と小さく呻く様な、
何かを耐えているような声。その身体も、かすかに震えているように見えた。
  もしかして、こそばゆいのだろうか。オレはもう一度わき腹を、今度は少し強くさすって見る。
するとグゥはやはり、ンンッ、と小さくくぐもった声を上げ、先ほどよりも大きく身体が揺れた。
  ……ちょっぴり、ほんのちょっぴりだけ、オレの中にイタズラ心が芽生えた。

  オレは先ほどよりももっと強く、わき腹の骨の感触が指にコツコツと当たるくらいの力で脇を擦り上げた。
「っひゃ、ン、ひ、ちょ、ハ……レッ!?」
  途端にグゥは大きく体を跳ね上げ、身をよじり出す。突然の刺激に驚いたのか、悲鳴に近い叫声も上げた。
それでもオレはグゥを追いかけ、わき腹をこしょこしょとくすぐり続ける。
「ひっ、く、も、良い…も、い……や、めぇ…ッ」
  よっぽどそこが弱いのか、グゥはじたばたとベッドの上を転げる。オレはもうグゥのお腹の具合の事などすっかり失念し、
この少女の意外な弱点を発見した喜びに軽く我を忘れてしまっていた。

  そうして執拗に追い掛け回した末、グゥはオレの手首をがっしりと掴みその攻撃をようやく制止した。ハー、ハーと
大きく息を吐き、目には涙まで浮かべている。ゾクン、と背中に何か、生暖かい感触が走り抜ける。その程度でオレの動きを
封じたつもりか。手首を掴まれても、指はいくらでも動くんだぞ。
  オレはグゥに手首を押さえつけられたまま、指だけをうねらせカリカリと素早くわき腹に滑らせる。
「はヒャッ!?も、やぁ!……ん~~~!んぅ~~~っ!」
  グゥは一瞬、カクンと頭を後ろにもたげるとふるふると小さく震えながら、必死で耐えるように身体を強張らせる。
ベッドに片膝を付き、半身を少し起こした状態で身体を揺するグゥの胸元に垂れ下がった布は何にも支えられてはおらず、
その身体の振るえに合わせスルスルと脇の下を通り滑り落ちようとしていた。

  それに気付いたオレは小さく、わわっ、と声を上げその布が落ちるのを止めようとした。本当に反射的に、それだけを
しようと思ってグゥに向かって飛び出した。片方の手をグゥに押さえつけられていたのも忘れていた。
  飛び出した勢いのまま、オレはグゥに握られた手を支点にぐるんと半回転し、もう片方の、グゥの胸元をめがけて
突き出していた手はそのままに身体ごとグゥにぶつかって押し倒してしまった。
  胸の布は、間に合わなかった。今頃ベッドの下に横たわっている事だろう。何にも覆われていないそのグゥの素肌には今、
オレの手と顔が押し付けられているだけだ。

「うわぁっ!?ご、ごめん!!」
  オレは瞬時にグゥから離れ、謝罪する。グゥに背を向け両手を上に挙げ、まるで絵に描いたようなホールドアップ状態だ。
しかし、その自分の姿は情けないとも思うがそれよりもずっと褒めてやりたい気持ちの方が強かった。
  あの時、あと一瞬でも手を離すのが遅ければ、そんな事を思う心はあっさりとその感触に蹴散らされてしまっていただろう。
あまりにも柔らかく、手触りの良い白い肌。指も頬もピッタリと肌に吸い付き、その身体から離れた今でも正直、こんなに
簡単に離れてくれた事が信じられなかった。

「ホントに、ごめん……バカなこと、しちゃって……」
  先ほどの醜態に合わせようやく、オレはグゥの容態の事を思い出した。二重に後悔の念が降りかかり、押し潰されそうになる。
オレは両手を挙げたまま、グゥの反応を静かに待った。


<<3>>

  ……沈黙が耳に痛くなりかけた頃、シュル、とシーツを滑る音が耳に届いた。その音は、グゥが接近して来ている事を
ハッキリと教えてくれる。
  グゥは少しずつ、少しずつ近づく。その度に、オレの心臓の音も一つずつ高まって行った。
  ついにすぐ背後まで接近した、と思った瞬間、トン、と背中いっぱいに何かが密着した。次いで胸をきゅ、と締め付ける
軽い圧迫感が続く。…後ろを見ないでも、解った。グゥが、オレを背中から抱き締めているのだ。

「グ、グゥ……?」
「…………なんでもするって、言ったよな」
  背中越しに聞こえる、グゥの声。それはここまで密着していないと聞こえないくらいの、小さな声だった。
「え、ど、どーゆー……」
「言ったよなっ」
「う、うんっ」
  オレはその言葉の真意が掴めず聞き直す。が、グゥは強い口調で同じ台詞を反復する。声の大きさは変わっていないのに
何故か先ほどよりもそれはずっと重く耳に届き、その迫力に負けあっさりとオレの方から折れてしまった。本当に、情けない。

「じゃあ、もっとさすってくれ」
「え……?」
「腹はもう治った。でも、今度は……胸が、くるしい」
  そう言うとグゥは、オレの返事も待たずに胸に巻いていた腕を緩め、即座にぐるんとオレの前に出ると
全身で飛び掛るように倒れこみ、オレを押し倒した。
  ベッドに背を着け横たわるオレに覆いかぶさるように、グゥは両手をオレの頭の両脇に置き、見せ付けるように
その小さな胸をオレの顔の前に差し出す。

「早く……」
  グゥの小さな声は、オレの脳の奥深くにまで入り込む。その声に逆らう力など、今のオレに残った全ての理性を
総動員させても到底足りるワケも無く。

  オレは目の前で震える小さな桃色の突起に人指し指をあてがい、くりゅんと指の腹で押し込むように撫でる。
「ッふ……」
  それだけでグゥは身体をピクンと跳ねさせ、かすかに声を上げた。
  そのまま指の根元まで乳首を擦りながら滑らせ、他の指と一緒に優しく全体を揉み込む。両手でくにゅくにゅと
柔らかい双丘に指を埋め込むように撫で付け、指の谷間で乳首を挟み、擦り上げる。
  下を向いているせいか、グゥの胸には普段は見られないほんのわずかな膨らみがあり、先端の突起に引かれるように
ツンと、その少女が立派な女の子である事を主張していた。
  下から上に、持ち上げるように撫でると小さな膨らみはぷるんと揺れる。指を閉じ、全体で押し潰すと余った肉が周囲に
広がる。そのまま押し込んだり、離したりを繰り返すと、胸の肉がぷにゅぷにゅと波うつ感触が指に伝わり実に心地良い。

  そのうちに、きゅ、と強く押し込んだ指の先がその胸の奥にあるしこりに触った瞬間、グゥはヒッ、とくぐもった
悲鳴を上げた。…痛かったのだろうか。それでなくとも、グゥの胸はふわふわと降り積もったばかりの雪のように柔らかく、
あまり力を込めてしまうと潰してしまいそうな不安感があった。

  オレはもっと、ずっと優しく撫で上げるよう注意を払った。触れるか触れないかの所で、指の先をするすると胸に這わせる。
「ふぁ……あ、はぁ……」
  そうしているとグゥの声も穏やかになり、オレにその動きをねだるように胸をク、と張り、その双丘を突き出して来る。
その先端の突起にも同じように、かすかに触るように指を滑らせる。何度かそうして指の腹で擦っているとそこはぷっくりと
膨らみ、指先でわずかに摘める程になっていた。
  突起の周囲の乳輪も少しだけ盛り上がっているようで、胸の腹を滑り降りる指には段差を感じる。
  オレは乳輪や乳首に指を集中させた。やはり触るか触らないかの所でその桃色の突起を撫で、時に少しだけ軽く摘むように
乳輪ごと揉みこね、先端を爪の先でカリカリと擦り上げる。
「ん、は…アッ……ひ、ぅぅン……ッ」
  グゥはその度に小さな声を上げ震えていたが、その声も、その震えも胸の先端部分を集中的に弄っているうちに
徐々に大きくなって行き、ついに腕に力が入らなくなったのか、かくんと肘が折れ、身体をオレに倒して来た。
先ほどまでグゥが手を着いていた場所には今は肘が着き、その胸とオレの顔の距離もぐんと縮まった。
いや、縮まったなんてもんじゃない。もしもグゥの胸が大人の女性くらいに膨らんでいたら、オレはその双房に思いきり顔を
挟まれ押し潰されていただろう。今のままの大きさでも、まさに目と鼻の先、舌を伸ばせば届くくらいの距離にそれはあった。
……舌を、伸ばせば………。

「ひぁンっ!?」
  頭に浮かんだ時には、既に実行していた。舌の先にプルプルと触れる、グミのような感触が心地良い。オレは少し首を起こし、
チュプ、とその突起に吸い付いた。
  瞬間、グゥはこれまでに無いくらい身体を跳ねさせ、ベッドに着いていた肘も倒しオレの顔にその胸を強く押し当てて来る。
頬に押し付けられるその柔らかい感触は心地いいが、このままでは何も出来ない。オレはグゥの腰に手を回し、そのまま
くるんと回転し今度はオレがグゥの上に覆いかぶさる。
  久しぶりに、グゥの顔を見た。その表情と、そして今のグゥの姿に気付き、オレの中の理性はいよいよ
欠片も残さず打ち砕かれた。
  グゥはその瞳に潤々と雫を湛え、顔全体を耳まで真っ赤に染め上げて小さく震えていた。ハァハァと小さく短く吐く息を
抑えるように両手は口元に添えられ、必死で何かに抵抗しているようだった。
  そしてグゥの身体は今、ほとんど何もその身に着けてはいなかった。腰から下を覆っていると思っていた布は既に無く、
真っ白な子供らしいパンツが一枚、グゥの一番大事な部分を隠しているのみだった。それもその布はしっとりと湿り気を帯び、
その奥に潜む幼い恥丘にピッタリと張り付きそのぷりぷりと柔らかそうな頬肉や、中心を縦に走るスリットまでもを
薄らと桃色に透かしていた

  呼吸も、動悸も体温も、ぐんぐんと上がって行く。
  オレは再度、グゥの胸の上で震える小さな突起に吸い込まれるように唇を密着させる。
「ふ、あ……はっ、ン……ッ」
  唾を溜め、ちゅぐちゅぐと、わざと音を立てるように乳首に吸い付く。口内では舌をその突起に這わせ乳房ごと強く舐めあげ、
またかすかに触れるようにチロチロと先端を弄った。
  もう片方の胸にも指を這わせ、焦らすように乳輪の周りに指を滑らせ、固くしこった乳首の先をつんつんと突き、
指の腹で押し込むように胸の中に埋め、人差し指と薬指で乳輪を押し広げ、中指の先で掻くように擦り上げる。
そのまま胸をくすぐるように滑り降り、お腹を撫で着け、下半身へと真っ直ぐに伸ばす。指が下着のラインに到達すると、
しばらくそのラインに沿って指先を這わせ、じわじわと進入して行く。やがて指は直接、グゥの女の子の部分にくちゅりと密着した。
そこに触れた瞬間、グゥはビクッと強く身体を引きつらせた。その表情には戸惑いの色が灯っていたが、抵抗の意思は見られない。
  オレは胸にするよりも優しく、ゆっくりと指を動かす。スリットからトロトロと流れ出る粘液を潤滑液にし、ぷくんと
厚ぼったい柔肉を揉み上げるように挟み込み、その圧迫でより深くなった中心の縦筋に中指をあてがい、上下に擦り付ける。
「はぁッあ゛ッ……ひ、ク、ぅ゛ぅ゛……ッ」
  グゥの呼吸はさらに短く、早くなり、まるで子犬のようにハッハッと熱っぽい吐息を吐き出す。だらしなく開いた口の端からは
唾液がつぅ、と頬を通り、シーツとの間に糸を引いていた。

  オレは乳首に密着させていた唇を、最後に強く吸い付きチュポッと音を立てて離し、グゥの頬に付いた唾液を舐め取るように
舌を這わせた。そのまま頬を上り、唾液の出所の中に舌を差し入れる。
「ふっ、んム……ちゅ、フ、ン……」
  唇同士を密着させ、激しく口内で舌を絡ませ合う。唾液を掬い取り、それを塗り付けるように口内粘膜を舐め上げ、
ぐじゅぐじゅとかき混ぜる。
  そうしながらも、グゥの秘所に侵入させた指は休む事無くそこを弄り続ける。指二本でパックリと柔肉を押し広げ、
剥き身になった敏感な粘膜に中指を押し当て、間断無く溢れ出る愛液をすり込むようにゆっくりと撫で付ける。
  中心あたりに開いた小さな穴に指の腹をあてがうと、きゅうと窄まり指に吸い付いてくる。そのまま指を持ち上げ、
スリットの根元にある豆粒のような突起を擦り上げた瞬間、グゥはこれまでで一番大きくその身体を跳ね上げさせた。
「っぷぁ、は……そ、そこ、強いの…ダメ……」
  グゥはオレから唇を離し、今にも泣きそうな震える声でそう言った。
  今度は優しく、優しくその突起を指の腹でなぞる。グゥはそれでも、これまでに無いほど大きな反応を示し、ヒ、ク、と
そこを弄る指の動きに合わせて引きつった声を出す。
  それでも、固く強張らせ竦めていた肩も、ぎゅっと握り締めていた手もやんわりと解れ、オレの愛撫に身を任せるように
くったりとその身体を弛緩させて行く。
  とろんととろけた瞳がオレを吸い寄せる。オレはまた唇同士を密着させ、互いを貪り合った。

  オレも、限界だった。パンパンに張り詰めたオレの下半身は、張り裂けんばかりにズボンを持ち上げその解放を今か今かと
待ち望んでいた。ぐにゅ、と、股をグゥのふとももに挟み込む。グゥの柔らかくすべすべとした肌は、ズボンのやや厚い生地を
通しても十分に伝わってくる。オレは自分でも知らないうちに、腰を強く動かしていた。
「ふぁっ?…ン、…ファレ……?」
  グゥもオレが何をしているのか気付いたようだ。何事か言いたげだったが、もうオレには聞いている余裕も無かった。
そのまま本能のままに激しく腰を動かし続けていると、いつの間にかグゥの手がオレの頬にそっと触れていた。

  次の瞬間、コキン、と言う音がして視界が揺れた。どうやらグゥが強引にオレの顔を離したらしい。離すなら離すで、
捻りまで加える必要は無いだろう、と抗議したかったが、オレの口が開くよりも先にグゥの言葉が耳を貫いた。
「痛いだろ、馬鹿!」
「へ……?」
  見ると、グゥは眉と目を強く吊り上げ、自分のふとももをすりすりとさすっていた。そこは先ほどまでオレが股間を
押し付けていた場所だ。ズボンの生地で擦り上げたせいで、その白い肌は赤く染まってしまっていた。
「そんなとこに押し付けなくても、グゥはもう準備は出来ているぞ……」
  すぐに謝ろうと思った。しかし、その言葉もグゥにより閉ざされてしまった。
  その言葉の意味を理解するためには少し、今のオレの茹で上がった頭では回路が足りない。しかし本能の部分はしっかりと
その真意を受け取ったらしく、オレの手はすぐに自らの股間に伸びるとズボンをずり下げ、その痛いほどに隆起した膨らみを
外気に晒した。
  恥ずかしい、なんて気持ちももうどこかへ飛んでいってしまっていた。オレは自らの恥部を隠そうともせず
グゥににじり寄り、全身をすり合わせるように抱き締め、脚を絡ませる。

「ちょ、と待っ、アンッ……お、落ち着けっ」
  グゥは猛然と迫るオレを押し退け、ずざざっとベッドの端まで後ずさった。
それでも食い下がるオレを、真っ直ぐに伸ばした手で制止する。
「さっ最後まではダメだぞッ!?」
  グゥはオレを制する指越しにギロリと睨み付け、そう言い放った。
  やはり、今のオレの脳ではその言葉を理解する事はいささか難しかったが、本能はそれを察したか、
オレのテンションは急激に落ち込んで行った。
「……ゲンキンな奴だ」
  そんなオレの様子はグゥにもありありと伝わったようで、今のオレに一番キツイ言葉をグサリと突き刺して来る。
  グゥは大きくため息を一つ吐くと、でも、と呟きその身体を覆う最後の一枚をスルスルと降ろして行った。

「最後まではダメだが、途中までならいいぞ」
  立て膝を付き、腰をくい、と前に出した体勢で、グゥはその恥丘の肉を自ら押し開く。
さらに残った指でそのスリットの根元にある包皮をめくり上げ、プルンと豆粒大の小さな突起を剥き出しにした。
「ここはな、ハレのそれと同じようなモノなんだ」
  …グゥの声が、やけに遠くから聞こえる。自分の心臓の音で全ての音がかき消されてしまっているようだ。
その鼓動に合わせ、下半身にもさらに血が集まっていく感覚を覚える。グゥの言葉を最後まで聞いていられるかどうか、
正直自信が無かった。
「だから……ここだけで一緒に、気持ちよくな──────」
  そこまで聞いて、オレの頭は真っ白になった。
  オレはグゥに飛び掛り、強く抱き締め唇でその言葉を塞いだ。舌を絡め合い、吸い付き唾液を交換する。
グゥの股間に伸びた手は包皮のめくれ上がった突起に愛液を塗り込み、皮がもう被らないように指で挟み限界まで剥き降ろす。
そのまま、オレはグゥの唇を離し、グゥの下半身に目を向けた。もう片方の手で自分の分身を握り、グゥの剥き身の突起に
密着させる。

「いっ入れちゃダメだから……ひあンッ」
  オレはその固く膨らんだ分身で押し潰すように、ズリズリとグゥの突起を擦り上げた。十分に濡れた秘所はすぐに
オレの竿をもびしょびしょに濡らし、スムーズにグゥの上を滑って行く。
  オレはグゥの腰を持ち上げ脚を抱え、本能のままに腰を打ち付ける。グゥの小さな突起はオレの分身の裏筋を刺激し、
肉厚な恥丘は柔らかく根元を包んでくれる。オレはそのはじめての快感に酔いしれ、夢中で腰を振った。
「も、もう、イッ……ハ、ハレェ……ッ」
「ん……は、グゥ……グゥッ、お、オレも、出、る……」
  最後に、その先端同士を強く押し当て、グリ、と捻り一気に根元まで擦り着けた瞬間、オレは溜まっていた全ての精を
グゥのお腹の上に吐き出した。ビクビクと脈動するその動きに合わせ、ビュル、ビュルと何度も白い粘液が先端から噴き出す。
お腹を越え、胸元にまで勢い良く飛んだそれがもう出なくなった後も、オレの分身はまだヒクヒクと小さく跳ねていた。
  グゥはそうして汚れてしまった身体も気にせず、くったりとベッドの上に横たわりヒクヒクと身体を震わせている。
肺の奥まで息を吸い込み、吐き出すような長く、深い呼吸を繰り返す。その表情はだらしなく弛緩し、恍惚の余韻に
浸っているように見えた。

  グゥの横にバタンと倒れこみ、その手を握る。弱々しくも、グゥの方からもきゅ、と小さく握り返してくるのを確認し、
オレはもう一度、いまだ呼吸の乱れたその小さな唇に自らの唇を優しく触れ合わせた。


<<4>>

「ふぅ……」
  シャワーから上がり、バスタオルで頭をがしがしと拭く。
  身体も頭もリフレッシュし、ようやく冷静な思考が出来るようになってきた。

  一握りの後悔の念と、大きな感情の高ぶりの波が交互に押し寄せてくる。…はじめてがグゥで本当に良かったのだろうか。
それもあんな若気の至りまっしぐらな激情のままに……。いや、はじめてと呼べるようなやり方では無いのかもしれないが、
それはそれで、昨日までそんな風に意識をしていなかった女の子とはじめてのベッドの上で、あんなマニアックな事を
してしまって良かったのかどうか。……マニアックだよな、アレって。普通はあんなこと、しないよね。多分、きっと。
「……何をボーっとしている?」
「ひゃわっ!?」
  一人うんうんと考え事をしていると、後ろからピタリとグゥが張り付いてきた。まだちゃんと水を切っていない肌に
背中を濡らされ、ヒヤリとしたかと思うと同時に柔らかい感触と、ぷちっと膨らんだ小さな二つの突起の感触が直に
伝わり、またオレの下半身がすぐさま臨戦態勢を取ってしまう。……さっきもお風呂の中でもう一回やってしまったって
言うのに、その元気の良さが逞しいやら、情けないやら。

「もう、怒ってない?」
「え……?」
  グゥはオレを背中から強く抱き締め、ぽつりと呟いた。
怒るも何も、むしろ怒られるべきなのはオレの方では、と思ったが、グゥのその声はあまりに弱々しく、
何かに怯えているような色を含み、何と声をかければいいのかしばし考えあぐねてしまう。
「ハレが怒るのは、嫌だ」
  オレが必死で頭を回転させている間も、グゥはぽつり、ぽつりと言葉を重ねる。
何の事か、話はまだ見えなかったが、オレは思考を止めその声に耳を傾ける事にした。
「鶏でも何でも食べる。だからもう、あんな風に怒鳴らないで……」
  ……ようやく、何の話をしているのか、解ってきた。
オレがつい、頭に血を上らせてグゥを責めてしまった夕食の事か。

「あれは、オレの方が悪かったんだよ。グゥがあんなになるなんて知ってたら、怒ったりなんかしなかったよ」
  そうだ。グゥは全然悪くなんてない。いつもなら軽く流してた事に、わけもわからず執着してしまったオレが悪いんだ。
でも……。
「でもさ、そんなに苦手なら、言ってくれたら良かったのに」
  そう、でも、なんでグゥは頑なにその事を教えてくれようとしなかったのだろうか。
  自己弁護では無いが、知っていたらオレだって無理に食べさせようとはしなかったし、母さんだってチキングラタンなんて
作ろうともしなかったはずだ。
「……………」
  だけどグゥは、オレを強く抱き締める腕にぎゅ、と力を込め、何も語ろうとはしなかった。
何か特別な理由でもあるのだろうか……、等と考えていると、ぼそ、と背中からか細い、消え入るような声が聞こえた。
「……ハレは、鶏肉が食べられるから…」
「……え?」
  思わず、聞き返してしまった。その言葉の真意が読めなかったからなのだが、グゥは自分の声が小さい事を
自覚していたらしく、背中でスゥ、と息を吸い込む音が聞こえたかと思うと……。
「ハレの好きなものが、グゥが嫌いと思われるがイヤなんだっ!」
  …ハッキリと、耳の奥深くまで強烈に叩き込まれた。
  くわんくわんと、その言葉が頭の中に反響する。しかしその言葉はどれだけ頭で反芻しても、正しい意味は読み取れなかった。
いや、言葉のまんまのシンプルな意味なのだろうが、それがこの捻くれた少女の口から発せられたものとは到底思えなかった。

「で、でもだったら……丸飲みすりゃよかったんじゃ……」
  そうだ、都会じゃ鶏肉を使った料理だって何度も出た。それをグゥはいつも丸飲みして、全然平気だったじゃないか。
「あれは、別腹だ。グゥが消化するんじゃない」
  腹の中の空間に落ちるってことか?あの三人が食べるんだろうか?
  ……いやでも、それでも都会じゃそうしてたんだし、家の料理を丸飲みしない理由には……。
「ハレやウェダの料理は、温かいんだ。一緒に、ちゃんと味わいたい」
  ……本当に、オレの背中に張り付いている少女はオレの知っているあの仏頂面の小生意気な女の子本人なのだろうか。
「当たり前だ、馬鹿。グゥだってこんなこと、本当は言いたく無いんだ」
  ああ、そう言えばさっきからモノローグに返事を返しているな、この少女は。やはりグゥ、と言うことで良いらしい。
……そうか。グゥのあの時の、いつにも増して無愛想な態度は、グゥ自身も自分が鶏肉を食べられない事に憤りを感じて
いたからなのかもしれない。
  でも、やっぱりそれなら……。
「それなら、ちゃんと言ってよ。オレも、グゥと一緒に美味しいって思える方がいい」
「………うん…」
  そう言うと、グゥはオレを抱き締めていた腕を離し、代わりに手をきゅ、と小さく握ってきた。

  オレはすぐにでも振り向いてグゥを抱き締めてたかったが、ある部分が大変な事になっているのでそれも適わない。
あんなにピッタリと密着されて、あんなに素直な気持ちをその口から伝えられて、オレの身体はキュンキュンと高鳴る胸と
呼応するように、下の方もギンギンに勢い良く盛り上がってしまっていた。
「……ハレの体も、素直な気持ちを伝えてくれているな」
「え……おわっ、グ、グゥ!?」
  グゥはいつの間にかまたピタリと密着し、今度はその腕を腰に回し、しっかりとオレの分身を握り締めて来る。
急所を抑えられ、心までもわし掴みにされ、何も抵抗の出来ないままオレはズルズルとまたバスルームに引きずられて
行くのだった。

END