ハレグゥエロパロスレSS保管庫@ Wiki 061231_5

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ハレ×グゥ第1話.5(一:>114-117)
<<1-10>>

「うわ、タバコくせ~~~っ」
梯子を降りて開口一番、我が家の惨状を悲痛に叫ぶハレ。
どうせ理由など1つしかないが、なぜか部屋はもくもくとタバコの煙で覆われ、
この臭いがなければ火事と見紛うほどの酷い有様だ。…この臭い、におい消しとかで取れるのか?
「ちょ、保険医なんだよこれ~!!家族全員ガンにでもするつもりかよ!」
「…………」
パッパと手で煙を払いながら、その煙の主を糾弾する。
煙の主…クライヴはベッドに座り思いっきり不味そうな顔でプカプカとタバコをくゆらせていた。
床には大量の吸殻が散らばり、灰が山と積もっている。
ハレの抗議もまるで耳に入っていないのか、幽鬼のようにフラフラと虚ろな視点を泳がせる。
その顔は昨日よりも少しやつれて見えた。
「…どーしたんだよ、保険医?」
「…すまん」
その余りの異様な姿にさすがに心配になり、静かに声を掛ける。
クライヴはようやくハレの姿を確認したかのように、ただ一言、消え入りそうな声でそう呟いた。

「な、なんだよ…いきなり。別に謝らなくていいからこの煙と吸殻と灰、どーにかしようぜ?」
「…ずっと、考えてたんだ。昨日のこと、さ」
ハレの姿は見えているようだが、その声はまだ耳に届いていないのか。
ハレの言葉を無視し、ただクライヴはぽつりぽつりと懺悔するように呟く。
「…すまなかったよ。謝るよ。冷静になって考えてみたら、だいぶ酷いことしたよな、僕…」
「保険医…」
(そっか、保険医もずっと昨日のこと悩んでたんだ)
そう言えば目の下がどんよりと黒い。もしかしたら、一睡もしていないのかもしれない。
クライヴはクライヴなりに昨日の出来事を重く受け止めていたのだろう。
ハレはクライヴの横に座り、その言葉に耳を傾ける。
「僕、何かが麻痺しちゃってんのかな。昨日ここで一人になるまであいつのことなんて、まるっきり考えてなかった。
 …はは、どう考えても僕が悪いよ。下手すりゃこの家追い出されてもおかしくないことしちゃったんだ」
「……」
「でも、これだけは言わせてくれ。僕は本当に寝ぼけてたんだ…誓って本意じゃなかった。
 信用してくれなんて言わないけどさ、僕はもうウェダちゃん一筋なんだよ…。アメのためにも、お前のためにもさ…」
「…んなこと、オレに言ってどーすんだよ…」
何だよ、急にそんな素直になられたらどんな態度とったらいいかわかんないじゃんか…。
でもこいつも真剣に考えてたんだ。母さんのこともオレたちのことも含めて…こいつなりにちゃんと自分を変えようとしてたんだな。
「わかってる。でもハレにも謝らなきゃいかんと思ったんだよ。グゥにもウェダちゃんにも、しっかり謝るよ」
「ふぅん…グゥが許すなら別にオレもいいけど…?」
その父の表情があまりにもいつもと違って。あまりにも悲しそうで、穏やかで。思わず少年は顔を背けてしまう。
そんな少年の頭にぽん、と大きな手が乗る。
「…話、聞いてくれてありがとな。ハレはオレに似なくてよかったよ」
「何言ってんだよ…保険医~…」
父の手はハレの頭を大きくゆっくりなでつける。
その動きはとてもぎこちなく乱雑で、頭をくしゃくしゃにするだけの、とても心地よいとはいえないもの。
でもそんな父さんの大きな手は、少しだけ温かかった。

「…保険医、か。そうだよな…僕に父さんなんて呼ばれる資格も…この家にいる資格も…僕には…」
しまった、失言だった…。後悔してももう遅い。また保険医の周囲には黒い瘴気が漂いはじめる。
「こんなんが、二児の父だなんてな…。情けない…」
「ちょ、いや、あのさ保険…じゃなくて父さ………」
そうこうしているうちにますますどん底に落ちていきそうな父を慰める言葉を捜すハレだったが、しかし…
(…ここで父さんと呼んであげるのは簡単だよな……でも、それじゃ駄目なんだ。
 そうだよ、保険医も、グゥと同じで一歩一歩、距離を縮めていけばいいんだ。いや、そうするしか無いんだ)
この不自然な親子関係を改善する方法は、結局は当人たちの手に委ねられているのだ。
互いが互いを認め、許しあわなきゃ本当の家族になんてなれるわけが無い。まずは一歩、踏み込む。それしか、ない。

「この───馬鹿保険医!!」
「────ッッ!!」
キィン、とクライヴの耳をつんざく鋭い咆哮。
突然脳内を揺さぶられ困惑しているクライヴを尻目に、ハレはハッハと笑い言葉を続ける。
「はーいはいはいわかったから掃除手伝わねーんだったらお前外出ろよ!邪・魔・な・ん・だ・よ!!」
「あのなあ、人が真剣に悩んでるってのに…」
「ほー!?シンケンナナヤミですかー?ろくでなしのあんたにそんな人間的な感情があったとは驚きだねー」
「てっめえ、僕だって今は本当に心から反省……」
「ハンセイ~?んなもん今更してもなーちょーっと遅すぎなんじゃあないのぉ?」
「っんガキャ~…あー、そーだよな!!こんなガキ2人も面倒見るハメになっちまったのが最大のハンセーテンだ!!」
「はぁ~!?ガキ2人ってオレとアメのことっすかぁ~?お前オレたちの何?何か関係あったっけ~?」
「オ・ヤ・ジ・だ!!お前らの正真正銘の父親だろが!」

「───そうだよ。」

「……ッ?」
「あんたは、オレとアメの本当の父さんだろ。なんだよ、わかってんじゃんかよ…!」
ぎゅ、とこぶしを握り、真っ直ぐに父を見つめる少年。胸の奥から重く、ゆっくりとその想いを吐き出す。
「でも今は父さんなんて呼んでやらねーぞ。お前がいつまでもそんなウジウジしてんだったら、お前はずっと保険医だ!」
「………」
「お前がそんな調子だったらいつまで経ってもお前のこと、父さんなんて呼べるわけ無いだろ!!
 いつも言ってんだろ、父さんなら父さんらしくしろって!ほら、もっと堂々としろよ!」
「ハレ……ッ」
自分の声が、遠くから聞こえた。自分がどれほどの声で叫んでいるのか、解らなかった。
ただ胸が痛くて、身体が熱くて、頬に当たる雫が冷たくて…なぜか、父の姿がぼやけて、はっきりとその顔が見えなかった。
「母さんだってグゥだって許してくれるさ。だって、家族なんだぜ?一緒に暮らしてりゃ、あんなこともあるって。
 ちゃんと謝れば、すぐ元通りだよ!」
「…お前………く……」
「ほらほら、そんな陰気な顔で肩身狭そーな顔されちゃ、こっちが迷惑なんだって。
 …ここは保険医の家なんだから…さぁ。
 もっとさ、いつもみたいに…我が物顔で当たり前の顔してさ、ふんぞり返りなよ。
 保険医がここにいるのは、当たり前のことなんだからさ!」
「……ふ………うく……ハレ、お前が僕の息子だなんて、出来すぎだよ……」
ぽろぽろと、2人の頬を熱い何かが伝う。それは胸にも零れ、心の中にまで染み込んだ気がした。
一歩。一歩ずつでいい。ちゃんと歩み寄れば、その距離は絶対に、縮まるんだ。
「そんなこと、無いよ。オレだっていつも馬鹿ばっかりやって、みんなに迷惑かけてんだ。でもそれを許しあえるのが家族だろ?」
「………う゛……ぐ……」
ちょっと変な始まり方しちゃったオレたちだけど、こうやってちょっとずつその距離が縮んでいけば、
そのうちちゃんと家族ってやつになってくんだろう。
このロクデナシを、いつか父さんって呼べる日が来たとしても、来なかったとしても、もう、別にいいのかもしれない。
その距離さえ縮まれば…ううん、なかなか縮まらなくってもさ。家族は家族。父さんは父さんなんだから。
そうだ。今はもう、父さんの顔がハッキリと見える。情けない父さんの、情けない顔。
それでも、昨日よりも、これまでよりもずっと頼りがいのある顔に見えた。


<<1-ep>>

「みっともないとこ、見せちまったな…
 …親父としてかっこわりいとこばっか息子に見せちまってるな、僕」
「だからそーゆーのやめようぜ~。「雨降って地固まる」ってゆーしさ、
 今回のこと、オレは良かったと思ってるよ。オレにとって、保険医にとってもさ」
「わかってる。これからはもっとお前らに立派な姿見せてやるよ。僕もやるときゃやるからね」
「……保け………ふん、その気合がいつまでもつか、ちょーっと不安だけどね。
 ま、がんばってみなよ……父さん」

「……おいハレ?」
「なーに保険医?」

「……なあ、もっぺん言ってみてくれよ」
「さっきのはサービス!あとは保険医が父親らしくなってからだね」

「けちくせーなー!減るもんじゃねーだろ」
「父親らしー態度だって減るもんじゃないだろっ」
「…素直さとか子供らしさとかも減るもんじゃねーだろ」
「誠実さとか優しさってのもね!」
「ったくてめーはなんでそー可愛げがねーんだ!」
「ったく保険医はなんでそー大人げがないんだよ!」

「…………──────ぷっ」

「ったく、ホンッとそーゆーとこは僕似だよねえ、お前。
 ところで、さ。しばらく寝るときはこのままの形でいかないか?
 ウェダちゃんの機嫌治らないと僕も安心して都会に戻れないんだよね…」
「ん~、オレはいいけどさ、でもアルヴァが帰って来たら2人っきりじゃなくなるよ?」
「あー、見たことねーけどほんとにいるのかそいつ?
 それにお前と同い年だろ、どーとでもなるんじゃないの?」

「あ、噂をすれば…」
「……?」
「…お前がアルヴァ?」
「ああ…」
「…マジに13歳?」
「それがどうした?」
「…僕、急用思い出したわ。そうそう、学会とか研究会とかそーゆーやつ。
 んじゃハレ、ウェダちゃん帰って来たら僕がモーレツに反省してたってちゃんと伝えとけよ?
 それとグゥにもな!よろしく!」

「…なんだあのおっさん」
「いや、ホントなんなんだろねえ…」

「…あら、アルヴァおかえり~。今回は新記録、なんと4日も遭難してたのね!よく生きて帰ってこれたわね~」
「…ずーっと遭難してたわけじゃないって」
「まーまー。無事でよかったよかった。ところで先生は?」
「あー、もう都会に帰っちゃったよ。なんかごめんって謝っといてだって」
「ふーん。で、ハレはどう思う?」
「何が?」
「先生のこと。許してあげる?」
「んー、オレは別にいいけどさ、グゥしだいかな」
「へぇ。んじゃ私はハレしだいっ」
「なんだよそれー、おざなりだなー」
「いーじゃんいーじゃん、家族なんだし。ね、グゥちゃん?」
「…うむ」
「おわっ、いつのまに!?」
「さっきからいたわよ?で、どうよグゥちゃん、先生のこと?」
「ふむ、今回の件であやつもそれなりに使える存在であることがわかったしな。苦しゅうない」
「天晴れ天晴れ!よかったわねーセンセ」
「ちょっと待って…今のグゥの発言の趣旨や意図がオレにゃーまーったく解んなかったんだけど?」
「んー、それは…」
「ねーっ」
「仲良くハモんなあああ!何、なんかオレだまされてる!?そーいや母さんそのおでこのシップなに!?」
「あー、これはねー………」
「ウェダはレベッカの家でベッドから転げ落ちて額を強く売ってしまいコブが出来たのだ」
「そ、そーそー、さっすがグゥちゃん物知り~」
「ももももももものしりとかそーゆー問題じゃねーだろ!!!」
「朝っぱらからやかましいやつだ……」
「朝っぱらから声張り上げさせんといて…
 なぁ、グゥ?オレたちのことも、その、嘘とか騙してた、とか、そんなんじゃないよな?」
「…………ま、雨降って地固まるってコトで」
「…オレの心は土砂降りじゃーーーーーーーーーーーーーー!!!」

End

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