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****小ネタ(一:>157-159) まずはillusion:72.5 『if』を読んで下さい。話はそれからです。 朝起きたらそこは異世界だった…… なんて展開は、オレ的にはもうツッコむ気も起きないほどに慣れきっていた。 まあ宝塚さながらのキラキラゴテゴテした雰囲気を醸し出すベルと母さんや、 オレに父親同様の異様なまでの長さの睫毛を期待するアシオと母さんや、 我が子に銃器の扱いを伝授しようとするロバートと母さんには参ったが、 その他は概ね不満はない。 きっかけがグゥがオレのモノローグを勝手に読んだこととは言え、あいつなりの 気遣いなのだと思うことにして、オレはこの世界を暫くの間楽しむことにしていた。 次にオレの父親になるのが誰なのか見てみたい、という好奇心もあったし。 レジィが父親だった世界では、オレとマリィは兄妹同然に育てられたって設定だった。 ウイグルが父親だった世界では、まあ、説明しなくても大体想像つくと思う。 トムさん(銀行強盗)が父親だった世界は、ゲームの話も合って結構居心地良かった。 長老やダマが父親だった世界では……冗談抜きに発狂するかと思った。 色々あったけど、それぞれそれなりに楽しい生活を送れた。 ただ一点を除いては。 「なあ、グゥ」 (ん?) 「どうしてグゥは、どの世界にも存在してないんだ?」 虚空に投げかけた問いに、グゥは答えない。 オレはグゥの姿を、この世界に来てから一度も見た事がなかった。 それどころか、グゥの所在を誰かに尋ねても、「グゥ? 誰それ?」という感じの 反応しか返ってこない。この世界ではグゥは、存在すらしていなかったようなのだ。 そりゃあ、始めのうちは喜んださ。グゥがいないというだけで、オレの日常は かつてないほど平穏無事だったし。 でも、グゥがひょっこり現れてくれるのを待ってるような自分に気づくのは、すぐだった。 いつも隣にいたグゥが、いつまで経っても現れない。 それは、外で何かやらかしてないかと不安でもあって、何故出てきてくれないのかと いう寂しさでもあったんだ。 「何か……お前がいないと調子狂うっていうか、何て言うか……」 (ほほう……? 折角空気を読んで出て行かないでいてやってるというのに) 「それはお前が口にすべきでない言葉ベスト10に入るぞ」 (この世界は全て『ハレが望んだ世界』なのだよ……この世界の下地を作ったのは  グゥだから、無論干渉も出来るが、ここはハレの意志を尊重してやってるのだよ) グゥがオレの事を考えて行動するなんて有り得ない事だから、この言葉は意外だった。 グゥが、あのグゥがオレの意志を尊重した事が一度たりとてあっただろうか? ……いや、やっぱりグゥはオレの事なんかこれっぽっちも考えちゃいない。 「……オレは、グゥに出てきて欲しい」 (普段グゥを厄介者扱いする割には、調子のいいことですな?) 「うっ……」 (グゥがいなくて寂しいというわけか?) 「……ああそうだよ、何か悪いかよ!」 オレは、グゥに傍にいて欲しい。 そりゃあ確かにあいつは普段からメチャクチャで、時々どころか常時イラッとさせられる。 でも、オレとあいつは大切な友達で……何より、家族なんだ。 この世界の母さんがグゥの事を知らなかったのに気づいた時に感じた、胸にポッカリと 穴が開いたみたいな喪失感を、オレは多分一生忘れない。 グゥのいない家は、オレの帰るべき家じゃない。 グゥのいない世界は、オレの世界じゃないんだ。 「グゥがどう思ってるか知らないけど、オレは……!」 (ふ……みなまで言うな。わかっておる) 「グゥ……?」 (ではハレ、目を閉じて念じるがよい。このグゥのいる世界を……) オレはすぐさまグゥの言う通りにした。 今までのパターンから行けば、目を開ければそこはまた別の世界の朝のはずだった。 眩しい朝日と、肌に慣れた暑さと湿度の高さ。 見慣れたベッドに横たわるオレは、すぐさまそこがジャングルなのだと理解した。 (ここって……元の世界に戻ってきたのか?) そういえば、元の世界も朝になるはずだ。 オレはベッドの上で眠る人間を確認する。 果たしてオレの両隣には、母さんと、他の誰でもない、グゥがいた。 「いてくれたか……」 この上ない安心感があった。グゥがいるというだけでこんなに『良かった』と思えたのは、 ハレグゥ連載史上かつてない事に違いない。 ともあれ、オレはグゥのいる世界に戻ってきたんだ。 「むぅ……」 「あ、グゥ! おはよう!」 「ふあ~あ、よく寝た……☆」 半身を起こして欠伸をするグゥに、オレは思わず抱きついた。 我ながらどうにかしてると思ったけど、その時は、どうにかしてるならそれでもいいと思えた。 「やっぱりお前がいないとなっ!」 「はっはっは、朝から元気だな……息子よ」 「グゥは相変わらずいいお目覚めで……………………は?」 息子? 「なぁに、うるさいわね~……」 「あ、母さん!」 「あ、朝から父さんに抱きついちゃって。ホント甘えん坊ね~」 父さん? 「……まさかと思うが、グゥ、お前……」 「まあ、こんなオチもたまにはアリだろう……My son」 「お前が父親の世界かよ! つーか何で英語で言い直すんだよ!?」 「番外編やしね~」 「納得いかねぇ――――――――!!!」 ちゃんちゃん♪

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