守りたい。ただ貴方だけを。貴方が生き続ける未来を。守りたい。優しさに包まれた、貴方の気高い心を◆UcWYhusQhw




――崖っぷちに立たされた時
苦難が僕の腕をつかみ
自分自信の在りかがはじめて見えたんだ


「ヒエン……何がおきたってんだよ」
おぼろげな意識の中できぬ殿の声が聞こえる。
自分に何が起きたというのだ?
きぬ殿の手を取ろうとして、その後に変な音が聞こえて自分は地に伏せていた。

その疑問に答えるかのように男の声が聞こえてきた。
「やっぱり鷹野様の言った通りだ……この裏切り者め!」
「ああ……元々怪しいと思っていたが」
「なんだよー! お前ら!」
「俺達は山狗の雲雀部隊の者だ。その男、ヒエンが裏切らないか見張っていた」
「案の定裏切りおって……まあ始末はするから問題ない」

ああなるほど……鷹野殿の指図か。
やはり自分は裏切ると思われていたのか。
さっきの攻撃は彼らか。
多分銃という物で。
きづかなかったとは無念だ。

でも契約を破ったに等しいのだから死は免れなかったかもしれない。
忘れていたよ。

「さて……次はお前だ……女」
「っ!?」
男の声が聞こえる。
きぬ殿を狙っているのか?
そうか彼女も反逆者なのだから狙われるのは当たり前なのだ。

だとしたらまずい。
彼女は全力で私と戦った。
その代価として彼女の疲れは限界のはず。
それで特殊部隊2人相手にするのは無理だろう。

だとしたら自分がやるべきことはなんだ?
全力をとして自分を説得した彼女を守るべきだろう?
傷が痛む? そんなのは関係ない。
きぬ殿は言った。気持ちが大切だって。
なら簡単だ。

「自分はきぬ殿を守る……全力をかけて! 己が信念の元に!」
立ち上がった、守る為に。
そして男達を見据える。
敵は2人。銃を持っている。
自分は刀を取り出した。
生身での戦いはあまり経験がない。
だが負けるわけにはいかないのだ。

背負うものがある。今度ばかりは絶対に譲れないのだ。

「貴様! まだ生きていたか! 止めを刺してやる」
「……来い! 自分は引けんのだ! 守る!」
「ヒエン……無理をすんじゃねーよ」
きぬ殿が語りかける。
止めようとしなかった。
きぬ殿はわかってるのだろう、自分の思いを。
だから笑顔で
「ああ、待っていてくれ。必ず勝つ!」
そう言った。
きぬ殿は頷き少し下がったところ向かっていった。

さあ、ここから行かせない。
「貴様……勝てると思えるのか? こちらは銃を持っているのだぞ」
「それが……どうした? 私はそんなに屈指などしない」
「ふん……じゃあ死ね!」
一人の男が銃を発射する。

それは早い。
だが直線的だ。
軌道はさえ見切れば避けるのは苦ではない!
「はああああ!」
「馬鹿な! 避けただと!」
その銃弾をとっさに横によけた。

自分はずっと頑張ってきたのだ。祖父に追いつけるように。
その苦労に比べればこんなのもの。
守るべきものがいるんだ。
こんなものに屈指はしない!

「うおおおおおお!」
銃を発射した者に自分は向かう。
驚いてる今が好機。
「ひ、ひい!?」
その男は慌てて銃を向ける。
だが遅い!

「はあああああああああああ!!!」
「ひいぃあああああああ!!」

そのまま袈裟がけに切り伏せた。
その男は断末魔をあげ倒れた。
まさに一瞬の間だった。

「くっ糞!? 貴様ああああ!!」
驚いたもう一人の男がこちらに銃を向けた。
仲間を殺され怒りに身を震わせている。
そんな男に
「かかって来たらどうだ……『負け犬』」
「な!? ああああああああああああ!!!」
挑発をした。
案の上、向かってくる。
そして銃を乱射。
「ちっ……」
自分は上手くよける。
だがそれは先ほどと違い大量の銃弾。
自分はなんとかよけていた。

しかし
「いい加減しろお!」
「……ぐあああ!!」
一つの銃弾がまた腹を貫いた。
自分は地面に倒れる。
「ふはははは! やった何が負け犬だ!」
男の笑い声が響く。

糞……ここまでなのか。
意識が朦朧としてきた。
どうやら致命傷らしい。
立つのが難しいのだ。
また何も出来ないのか?
「はは……次はあの女だ」
男の声が聞こえる。

駄目だ……きぬ殿をやらせるわけには行かない。
彼女は生きなきゃいけない。
彼女の誓いを破らせれる訳には行かないのだ。

自分は何の為に強さ求めた?
祖父を超える為?

でも今はそんなことは関係ない。
今時分を支えるのはただ一心の思い。

守りたい、あの少女を。

そのための力を!
ここでくたばる訳にはいかない。

立てよ、自分。
ここで立たなきゃ後悔する、死んでからも。
死ぬのなら最後は思い貫きたいんだ!

だから!

「自分はあああああああああああ! もう迷うわけにはいかないんだああああああああああああ!!!!!」

力をこめて立つ。
全ては守る為。

「な、なに!?」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

疾駆。
ただがむしゃらに向かう。
そして辿り着く。

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「ひいい!」

そのまま刀を薙いだ。
そしてコト、と首が落ちる音がした。
そう自分の勝利。




やった……勝った。
やった……守れた。


「ヒエン! おいどうして無茶するんだよ……嫌だ折角一緒に行けるとおもったのに、そんな」
きぬ殿が近づく、目に涙を溜めて。
そう誰が見ても助かるわけがない傷なのだ。
「そうだ……魔法で……ハーベスト!……ハーベスト! はー……べすと……お願いだからさ……もう一度だけ頼むよぉ……ねえもう一回でいいんだ」
きぬ殿どんなに言ってもそれは起きない。
仕方がない、もう自分と戦う時で全力でやったのだ。
もう残ってるわけがない。
きぬ殿は溜まらず
「うあ……そんな……嫌だ……なんでだよお……なんでだよお……うああああああ!!!」
泣き出した。
自分を助けれない為に。
そしていづれ来る別れに。

ああ泣かないで欲しい。
別れは悲しいけど、きぬ殿とあえてよかった。
自分は残り少ない力を篭めて話しかける。
「きぬ殿……泣くな……自分は満足だよ。こうして守れた。自分の信念をかけて……悔いはないさ」
「そんな事ない……生きて罪を償うっていったじゃんか……なのに」

そうだな……できれば生きてそうしたかった。
でももうそれも出来そうもない。
なら自分が願える事。
きぬ殿に託す物がある。
自分は手元にある刀を渡す。
「きぬ殿……ここの最下層を目指せ……そこが終わりの場所だ……それとこれを……」
「刀?」
「ああ……受け取って欲しい……自分のいた証を……自分が見せた信念を」

きぬ殿に握らす。
きぬ殿は泣きながらそれを強く握った。

そしてきぬ殿に伝える。
これが最後の願い。

「きぬ殿……生きてくれ……きぬ殿は言った……みんなの思いを継いで生きるって誓った」
「ああ……そうだよ」
「なら……その誓いを最後まで……貫いて欲しい……約束できるか?」
きぬ殿は泣きながらされど強く頷き
「約束する……絶対に破ったりはしない!」

そう誓ってくれた。

なら……もういい。
だって
「なら……もう……大丈夫……自分の思いは……信念は……きぬ殿が継いでくれる……死んでも……自分の思いは叶えられる……罪は償える」

そうなのだから。
きぬ殿が諦めず生き続ければ自分は思いを遂げることができる。罪を償える事ができる。
きぬ殿に私は思いを託す事ができたんだ。
自分はきぬ殿の手を握り

「自分の思いは全て……ここに生き続ける……どんな時でも……それは……もっとも幸せな……事……」

きぬ殿の目を見る。
もうよく体が動かない。
終わりなんだと思う。

最後にこの言葉だけ伝えたい。


「きぬ……どの……救ってくれてありがとう……自分は……おかげ……こんなにも温かい物……を手に入れた……温かい……これが……人の思い……」


人の思いの強さを教えてくれてありがとう。



目を閉じる。全ての思いを乗せて。
もうあけることはないだろう。

「ヒエン……ヒエン? そんな……うあ……うああああああああああああああ!!!!」

気のどの叫びが聞こえる。
慰める事ができないは悲しい。
でもきっときぬ殿は乗り越えられる事ができる。
そう思うと安心できた。



祖父よ……自分は強く生きれましたか?


貴方の強さは最後まで理解できなか……


いや……

ちがう……わかった。

自分ははそれを知った。

それは今あるもの。

人の思い。

誰かを守りたいという気持ち。
誰かを信じたいという気持ち。

そう人の心だった。

ああこれが強さか。

ああ自分は本当に幸せだ。


自分は……

自分は……やっと……やっと




……力を手に入れることができた。







【ヒエン@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄 死亡】








「泣いて……ない……泣いてないもんね」
きぬはそう呟く。
きぬはヒエンの刀を持って立ち上がる。
悲しみは癒える訳がない。

でもここで泣いていたってしょうがないのだ。

「行こう……! 生きるんだ……ヒエンの為にも」
そうヒエンのために生きなければならない。

そう誓ったから
きぬは止まれないのだ。

きぬは荷物をまとめ、そして山狗が使っていたトンプソンM1923をもって走り出した。

きぬは最後にヒエンのほうを向き

「ありがと……ヒエン……ボク……生きるから……どんな時でも諦めたりしない……だからゆっくりと眠っていろよ」

そうお礼を言った。
そして走り去った。




ほんの僅かな時の邂逅。
そのなかで2人が手に入れたもの。

ちっぽっけかもしれないけどそれ2人とって大切なもの。

人の思い。

そんな沢山な人の思いをのせてきぬは走る。

悲しみの輪廻を終わらせる為に。






――サバンナのガゼルが土煙を上げる
風んなか あいつらは死ぬまで立ち続けなければいけないのさ


ヒトは歩き続けて行く
ただいきていくために

【エルストボーデン/三日目、黎明】

【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:純一の第2ボタン、永遠神剣第七位"献身" S&W M37エアーウェイト弾数5/5、トンプソンM1923、ヒエンの刀】
【所持品1:S&W M37エアーウェイトの予備弾(.38スペシャル)84発、ベネリM3(7/7)、12ゲージショットシェル38発、
      トカレフTT33弾数8/8+1、トカレフTT33の予備マガジン(.30トカレフ8発)10本、トカレフTT33の予備弾(.30トカレフ)92発、
      コンバットナイフ、首輪から取り出した爆薬、タロットカード@Sister Princess、出刃包丁@ひぐらしのなく頃に 祭、装備品を記したメモ】
【所持品2:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス 釘撃ち機(10/20)、トランシーバー】
【所持品3:食料品沢山(刺激物多し)懐中電灯、単二乾電池(×4本)、ジッポライター、富竹のカメラ&フィルム4本@ひぐらしのなく頃に】
【所持品4:可憐のロケット@Sister Princess、 朝倉音夢の制服、桜の花びら、コントロール室の鍵 ホテル内の見取り図ファイル】
【所持品5:ライター】
【状態:健康、多少の打撲、重度の疲労、悲しみ、強い決意、首輪解除済み】
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出 、ただし乗っている相手はぶっ潰す。
1:最下層に向かい全てを終わらせる。
2:戦う決意。
3:純一の遺志を継ぐ
4:ゲームをぶっ潰す。
5:殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出


【備考】
※純一の死を乗り越えました。
※純一の第2ボタンは桃色の光を放っており多少の魔力があるようです。
※武器の配分をしました。
※沙羅から銃器の使い方について教わりました
※所持品のトランシーバーは武のトランシーバーとセットです



211:哀しいと云えず云わず強がる理由を教えて/生き続ける事にきっと意味があるから。諦めないで、生きることを 投下順に読む 211:三人でいたい(Ⅰ)
211:哀しいと云えず云わず強がる理由を教えて/生き続ける事にきっと意味があるから。諦めないで、生きることを 時系列順に読む 211:三人でいたい(Ⅰ)
211:哀しいと云えず云わず強がる理由を教えて/生き続ける事にきっと意味があるから。諦めないで、生きることを 蟹沢きぬ 211:解放者――ウィツァルネミテア――(前編)
211:哀しいと云えず云わず強がる理由を教えて/生き続ける事にきっと意味があるから。諦めないで、生きることを ヒエン





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