三人でいたい(Ⅲ)◆tu4bghlMIw
《LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」総合案内所周辺(第二区画)―― when they cry》
「ハハハッ……アハハハハハハハハハッ!!!! さてと、茶番劇はそろそろ終わりかな?」
「ハウエンクア……」
「ハウエンクア……」
沙羅の言葉が終わった直後、それまで口を閉ざしていたハウエンクアが大声で笑い出す。
配慮や空気を読むという意志が微塵も見えないその行動に誰もが眉を顰めた。
配慮や空気を読むという意志が微塵も見えないその行動に誰もが眉を顰めた。
「案外律儀なんだな、お前は」
「そりゃあね! こう見えてもボクは紳士なのさ。
さてと……感動的なシーンに水を差すようで悪いけどキミ達に贖罪の道なんて残っていないよ。
だって皆ここで死ぬ運命なんだからね!!」
「――ッ!!!」
「おっと、動くんじゃないよ! ボクが今"何"を掴んでいるか見えない訳じゃないよねぇ?」
「…………っ……アセリア」
「そりゃあね! こう見えてもボクは紳士なのさ。
さてと……感動的なシーンに水を差すようで悪いけどキミ達に贖罪の道なんて残っていないよ。
だって皆ここで死ぬ運命なんだからね!!」
「――ッ!!!」
「おっと、動くんじゃないよ! ボクが今"何"を掴んでいるか見えない訳じゃないよねぇ?」
「…………っ……アセリア」
一方で愉悦を噛み締めながらハウエンクアはアセリアに話し掛ける。
この瞬間も沙羅の身体は激しい激痛に襲われている筈だ。
アセリアの中には当然のように劫火のような激しい怒りが渦巻いていた。
この瞬間も沙羅の身体は激しい激痛に襲われている筈だ。
アセリアの中には当然のように劫火のような激しい怒りが渦巻いていた。
すぐにでも、ハウエンクアへの攻撃に移りたい。
しかも今の彼女は以前彼と戦った時と比べて、大分戦闘力が上がっている。
身体能力を制限していた桜が消滅し、加えて「求め」と正式に契約することで神剣魔法の精度も増した。
しかも彼が乗っている『アヴ・カムゥ』の弱点が"脇腹"であることも知っている。
しかも今の彼女は以前彼と戦った時と比べて、大分戦闘力が上がっている。
身体能力を制限していた桜が消滅し、加えて「求め」と正式に契約することで神剣魔法の精度も増した。
しかも彼が乗っている『アヴ・カムゥ』の弱点が"脇腹"であることも知っている。
慢心も油断もない。冷静さだって失ってはいない。
だが、沙羅を人質に取られては迂闊な行動を取る訳にはいかなかった。
だが、沙羅を人質に取られては迂闊な行動を取る訳にはいかなかった。
「動けないよねぇ、ハハハハハッ! さてと、キミには散々苦渋を舐めさせられたからねぇ。思う存分お返しをさせて貰うよ!」
「くっ……!」
「くっ……!」
どうするべきか、アセリアは考える。
サラの命を見捨てることなんて出来ない。
「求め」の最大出力を引き出せば、あの機械人形を破壊することは造作もない。
ただし、そんなことをしてしまえば確実にサラを殺してしまう。どうすればいい……?
サラの命を見捨てることなんて出来ない。
「求め」の最大出力を引き出せば、あの機械人形を破壊することは造作もない。
ただし、そんなことをしてしまえば確実にサラを殺してしまう。どうすればいい……?
「二人とも……私に遠慮する必要はないわ」
その一言はその場に居た人間全ての動きを停止させるには十分過ぎる台詞だった。
凛とした空気が重みを増す。
張り詰めていた緊張感はピークに達する。
だが発言者はそんな凍りついた空気を物ともせずに言葉を続ける。
凛とした空気が重みを増す。
張り詰めていた緊張感はピークに達する。
だが発言者はそんな凍りついた空気を物ともせずに言葉を続ける。
「何しているの、アセリア、舞。あなた達の力なら、こんな木偶人形瞬殺出来るでしょ?」
「サラ……」
「いいから、早く。こんな、場所で……グズグズしている、暇はない筈よ。永遠神剣の……力は、絶対に必要なんだから……ッ」
「サラ……」
「いいから、早く。こんな、場所で……グズグズしている、暇はない筈よ。永遠神剣の……力は、絶対に必要なんだから……ッ」
アヴ・カムゥの掌に身体を捕まえられながら、沙羅はさも当然のように言った。
彼女の両肩は無理やり折り畳まれたような不自然な形に変形していた。
その光景はギチギチ、と骨が軋み神経が断裂する音が本当に聞こえて来るかと錯覚する程痛々しかった。
彼女の両肩は無理やり折り畳まれたような不自然な形に変形していた。
その光景はギチギチ、と骨が軋み神経が断裂する音が本当に聞こえて来るかと錯覚する程痛々しかった。
あんなに苦しそうな表情をしているのに。
白の少女は一切弱音を吐こうとしない。
痛くない筈がない。辛くない訳がない。
それでも彼女は気丈だ。自分達の"躊躇"を打ち崩すために、悲鳴一つ上げるつもりはないのだ。
白の少女は一切弱音を吐こうとしない。
痛くない筈がない。辛くない訳がない。
それでも彼女は気丈だ。自分達の"躊躇"を打ち崩すために、悲鳴一つ上げるつもりはないのだ。
死ぬのが怖くないなんて嘘だ。
誰だって意識が掻き消えて、この世界から永遠の悪夢の中へと吸い込まれていくことを恐れない訳がないのだから。
彼女は笑った。
はにかむように、微笑みかけるように、眼前の二人の少女の背中を押すように。
誰だって意識が掻き消えて、この世界から永遠の悪夢の中へと吸い込まれていくことを恐れない訳がないのだから。
彼女は笑った。
はにかむように、微笑みかけるように、眼前の二人の少女の背中を押すように。
「黙れ黙れ黙れ黙れ! ボクを無視して勝手に話を進めたつもりになってるんじゃない!!」
「――――――――あぁっ、ぐ、がぁっっっ!!!」
「サラっ!」
「アハッ、ハハハッ、ハハハハハハハ!!」
「――――――――あぁっ、ぐ、がぁっっっ!!!」
「サラっ!」
「アハッ、ハハハッ、ハハハハハハハ!!」
笑顔は一瞬で更なる苦痛に押し潰された。
今までの責め苦においても一度たりとも泣き叫ぶことのなかった沙羅の口から、ついに言葉にならない喘ぎ声が漏れた。
既に限界寸前まで握り締められていた筈のアヴ・カムゥの手に力が込められる。
もはや機械人形の掌はその中に人が一人握られていることが疑わしくなるほど拳骨に近い形となっている。
ぽたぽたと沙羅の黒いブーツの先端を伝って赤い血が落ちる。
今までの責め苦においても一度たりとも泣き叫ぶことのなかった沙羅の口から、ついに言葉にならない喘ぎ声が漏れた。
既に限界寸前まで握り締められていた筈のアヴ・カムゥの手に力が込められる。
もはや機械人形の掌はその中に人が一人握られていることが疑わしくなるほど拳骨に近い形となっている。
ぽたぽたと沙羅の黒いブーツの先端を伝って赤い血が落ちる。
ハウエンクア、彼は人を甚振り、血を流し、命乞いをする姿に快楽を見出す殺人狂だ。
彼にはヒエンのようなプライドはないし、それと同時に一切の配慮や慈悲もない。
ただ自らの欲求のために殺し殺し殺し殺し殺す。それだけだった。
彼にはヒエンのようなプライドはないし、それと同時に一切の配慮や慈悲もない。
ただ自らの欲求のために殺し殺し殺し殺し殺す。それだけだった。
「ほら、ほら、ほら!? 死んじゃうよ、グチャグチャになって潰れるよ?
まぁ、この餓鬼が死んじゃってもボクは別にどうでもいいんだけどね。
ソレまでに死ぬより苦しい目に合わせてやるだけの話さ! 一本一本腕や足を毟り取って眼球を潰して最後にミンチに――」
「…………はッ――やって、みなさいよ」
「な……!?」
まぁ、この餓鬼が死んじゃってもボクは別にどうでもいいんだけどね。
ソレまでに死ぬより苦しい目に合わせてやるだけの話さ! 一本一本腕や足を毟り取って眼球を潰して最後にミンチに――」
「…………はッ――やって、みなさいよ」
「な……!?」
ピタリ、と。
その場に居た人間の動きが止まった。
その場に居た人間の動きが止まった。
誰もが信じられなかった。
誰もが自分の耳を疑った。
誰もが自分の耳を疑った。
「った、く――こんな玩具の力を借り……ないと。……自分の力じゃ何も出来ない弱虫の……くせに」
沙羅の心は、未だ折れていなかった。
全身の骨を砕かれ、死に匹敵するほどの、気絶してしまってもおかしくない責苦を受けながらも少女は話し続ける。
呼吸の度に折れた肋骨が軋む筈だ。
舌は震え、意識は散漫とし、自分が今どこを見つめているのかさえ分からない。
全身の骨を砕かれ、死に匹敵するほどの、気絶してしまってもおかしくない責苦を受けながらも少女は話し続ける。
呼吸の度に折れた肋骨が軋む筈だ。
舌は震え、意識は散漫とし、自分が今どこを見つめているのかさえ分からない。
上機嫌に言葉を紡ぎ続けていたハウエンクアが思わず押し殺したような呻きを漏らした。
無粋、興醒め――力でその希望を刈り取った筈のゴミが尚も吼える。
それは《悦び》と《狂気》だけを戦いに見出す彼にとって、何よりも許し難い行為だった。
無粋、興醒め――力でその希望を刈り取った筈のゴミが尚も吼える。
それは《悦び》と《狂気》だけを戦いに見出す彼にとって、何よりも許し難い行為だった。
掌で無粋に捕まえていただけだった沙羅の顔を、覗き込む形でアヴ・カムゥのメインカメラに向ける。
「ミンチ? 肉ダルマ? 上等、じゃない。やれる……もんなら、やってみなさいよ」
顔を伏せたまま沙羅は吐き出すように言い捨てた。
柔らかなシルバーブロンドの髪がさらりと揺れる。
柔らかなシルバーブロンドの髪がさらりと揺れる。
「……キミさぁ、自分の状況が分かってないのかい? キミは無力なんだよ。所詮この二人を平伏させるための餌なのさ」
「分かってる……わよ、それくらい」
「そうだよねぇ、理解してない筈がないか。散々味わった訳だろ? 例えばさ……永遠神剣を持つ者と持たざる者の違い、とか」
「分かってる……わよ、それくらい」
「そうだよねぇ、理解してない筈がないか。散々味わった訳だろ? 例えばさ……永遠神剣を持つ者と持たざる者の違い、とか」
舞とアセリアはハウエンクアの言葉を聞き、思わず「存在」と「求め」を一瞥した。
永遠神剣の力は圧倒的だった。
この島で殺し合いに乗る乗らないに関わらず、この力を引き出すことが出来たものは限られている。
数多くの参加者を殺害した者の多くは永遠神剣の力を借りて戦場に赴き、その剣を振るった。
永遠神剣の力は圧倒的だった。
この島で殺し合いに乗る乗らないに関わらず、この力を引き出すことが出来たものは限られている。
数多くの参加者を殺害した者の多くは永遠神剣の力を借りて戦場に赴き、その剣を振るった。
武術の素人であっても卓越した技術を持つ戦士と同等の打ち合いを可能にしてしまう魔法の力だ。
銃の優秀な使い手である沙羅でさえ、距離や殺傷力の面で強力なアドバンテージのある剣に対して防戦一方の戦いを強いられた。
それも特別な策を練った場合だけであり、神剣使いとの初めての戦闘では成す術もなく殺されかかったのだ。
永遠神剣の適正、そして確保こそが島内での戦いの鍵となっていたことは明確な事実だった。
銃の優秀な使い手である沙羅でさえ、距離や殺傷力の面で強力なアドバンテージのある剣に対して防戦一方の戦いを強いられた。
それも特別な策を練った場合だけであり、神剣使いとの初めての戦闘では成す術もなく殺されかかったのだ。
永遠神剣の適正、そして確保こそが島内での戦いの鍵となっていたことは明確な事実だった。
「確かさ、キミにも一本支給されてたよね。でもマトモに扱えはしなかった……残念だよねぇ。
剣の力を引き出すことさえ出来れば、ここで無様な醜態を晒すこともなかっただろうに」
「だ……から、何?」
「分からないのかい? 神剣もマトモに使えない、特殊な力もない。
そんなキミにはそもそも生き残る土壌なんてなかったって言いたいのさ!」
剣の力を引き出すことさえ出来れば、ここで無様な醜態を晒すこともなかっただろうに」
「だ……から、何?」
「分からないのかい? 神剣もマトモに使えない、特殊な力もない。
そんなキミにはそもそも生き残る土壌なんてなかったって言いたいのさ!」
ハウエンクアは高々とそう言い放った。
舞達は死んでいったものを冒涜するようなその発言に強い憤怒の感情を込め、彼を睨み付ける。
アヴ・カムゥの装甲を超えて、中のハウエンクア本人を射殺さんばかりの怒りで。
舞達は死んでいったものを冒涜するようなその発言に強い憤怒の感情を込め、彼を睨み付ける。
アヴ・カムゥの装甲を超えて、中のハウエンクア本人を射殺さんばかりの怒りで。
憎悪、怨嗟、嗜虐。
夢の国をモチーフにして作られた一帯に強い負の感情が渦巻く。
一人――この血に濡れた世界で誰よりも白い少女を除いて。
夢の国をモチーフにして作られた一帯に強い負の感情が渦巻く。
一人――この血に濡れた世界で誰よりも白い少女を除いて。
「フフフ…………アハハハハハハッ! 何……言ってんのよアンタ……バカ、じゃない?」
「な……」
「な……」
突然、死に体の筈だった沙羅が大声で笑い出した。その口唇からは吐瀉物のように赤い血がこぼれる。
白い衣服が赤く染まる。白い髪が赤く染まる。
白い衣服が赤く染まる。白い髪が赤く染まる。
「生き残る土壌がない? 特殊な力の有無が生存の決め手? バカも……休み休み言いなさい。
圭一は神剣の力なんて使わないでも最後まで勇敢に戦ったわ。美凪だってそう。命が消え失せるその一瞬まで舞を赦そうとした。
瑛理子の作った爆弾がアンタ達を支配する塔をぶっ壊したの。
恋太郎も双樹も必死で生きた。この下らない殺し合いを終わらせるために……全力で頑張ったんだから!
皆を……馬鹿にすることは私が、私が絶対に許さない!!」
圭一は神剣の力なんて使わないでも最後まで勇敢に戦ったわ。美凪だってそう。命が消え失せるその一瞬まで舞を赦そうとした。
瑛理子の作った爆弾がアンタ達を支配する塔をぶっ壊したの。
恋太郎も双樹も必死で生きた。この下らない殺し合いを終わらせるために……全力で頑張ったんだから!
皆を……馬鹿にすることは私が、私が絶対に許さない!!」
沙羅の絶叫、ハウエンクアの嘲笑。
力関係は明らかで、傍目から見れば彼女が負け惜しみを言っているようにしか見えない。
だが、舞達には沙羅が決して心では負けていないことがハッキリと分かった。
力関係は明らかで、傍目から見れば彼女が負け惜しみを言っているようにしか見えない。
だが、舞達には沙羅が決して心では負けていないことがハッキリと分かった。
「はっ、ソレがどうしたのさ? キミが今名前を呼んだ人間は全員死んだ連中だろう?
ソイツらは負け犬さ。御託ばかり並べて結局殺されたゴミ以下の存在なんだよ!!」
「なん……ですって……!!」
「言い足りないなら言ってやろうか? 例えばお前の探偵事務所の……恋太郎だったか。
アイツの最期は惨めなものだったよ!! 一緒にいた女達をマトモに守れずに、武器も持たずに一人きりになった所を殺された!
後から映像を見たボクも、最高に滑稽であっけない死に様に大笑いさ!!」
ソイツらは負け犬さ。御託ばかり並べて結局殺されたゴミ以下の存在なんだよ!!」
「なん……ですって……!!」
「言い足りないなら言ってやろうか? 例えばお前の探偵事務所の……恋太郎だったか。
アイツの最期は惨めなものだったよ!! 一緒にいた女達をマトモに守れずに、武器も持たずに一人きりになった所を殺された!
後から映像を見たボクも、最高に滑稽であっけない死に様に大笑いさ!!」
双葉恋太郎の最期。
それは狂気に満ちた妄執者・芙蓉楓による凶行だった。
だがハウエンクアの言葉は一部の断片に過ぎない。
事実、双葉恋太郎は命懸けでネリネの襲撃から一ノ瀬ことみや時雨亜沙を守っている。
一切眼が見えない、というハンデを物ともせずに。
それは狂気に満ちた妄執者・芙蓉楓による凶行だった。
だがハウエンクアの言葉は一部の断片に過ぎない。
事実、双葉恋太郎は命懸けでネリネの襲撃から一ノ瀬ことみや時雨亜沙を守っている。
一切眼が見えない、というハンデを物ともせずに。
「そんな戯言――誰が信じると思うの?」
「は? ボクはただ真実を……」
「確かにね。恋太郎はお人よしで、生活能力なくて、ヘビースモーカーで、大学中退で、へんな名前だし、貧乏でふらふらしてばかりいるわ」
「……十分なダメ人間じゃないか」
「でも――やるときはやる人なのっ! そんなことは誰よりも私が良く知っている!
誰かを救うために命を投げ出すことを躊躇ったりしない!! あんたみたいな臆病者が勝手なことを言わないでっ!」
「は? ボクはただ真実を……」
「確かにね。恋太郎はお人よしで、生活能力なくて、ヘビースモーカーで、大学中退で、へんな名前だし、貧乏でふらふらしてばかりいるわ」
「……十分なダメ人間じゃないか」
「でも――やるときはやる人なのっ! そんなことは誰よりも私が良く知っている!
誰かを救うために命を投げ出すことを躊躇ったりしない!! あんたみたいな臆病者が勝手なことを言わないでっ!」
舞は思った。
何故、彼女はあそこまで頑張ることが出来るのだろう、と。
彼女は何人も大切な人間を失って来た。そして自身の命の灯火も今まさに消えつつある。
それでも、白鐘沙羅の瞳は光に溢れている。
それでも、彼女は負けていない。
何故、彼女はあそこまで頑張ることが出来るのだろう、と。
彼女は何人も大切な人間を失って来た。そして自身の命の灯火も今まさに消えつつある。
それでも、白鐘沙羅の瞳は光に溢れている。
それでも、彼女は負けていない。
「――本当に……キミって馬鹿だよねぇ。ククク……気が変わったよ。キミの言う通りにしてあげよう」
「沙羅ッ!!!」
「――ざまぁ、ないわね」
「沙羅ッ!!!」
「――ざまぁ、ないわね」
ハウエンクアのその言葉はつまり、沙羅にとっての死刑宣告に近いものだった。
それなのに、沙羅は笑った。
真っ白い歯を剥き出しにしてニカッと。眩しいまでに。
ソレはこの島に来てから彼女が浮かべた最高の笑顔だった。
悲しみとも、後悔とも違う――悪戯っ子が自分の計画が見事に成功した時に見せるような改心の笑み。
真っ白い歯を剥き出しにしてニカッと。眩しいまでに。
ソレはこの島に来てから彼女が浮かべた最高の笑顔だった。
悲しみとも、後悔とも違う――悪戯っ子が自分の計画が見事に成功した時に見せるような改心の笑み。
「……は?」
「早くやりなさい。その代わり、私の仇はアセリアと舞が取ってくれる。アンタの負け…………よ」
「馬鹿なことをッ!! そんなに死にたいなら、思う存分――――死ねッッッッッ!!!!!」
「早くやりなさい。その代わり、私の仇はアセリアと舞が取ってくれる。アンタの負け…………よ」
「馬鹿なことをッ!! そんなに死にたいなら、思う存分――――死ねッッッッッ!!!!!」
グシャリ、
何か果物を握りつぶした時のような音が辺りに木霊した。
赤い紅いトマトが弾け飛ぶときのような。
ドロリとした粘着質の液体が朱の遊技場に追加される。溢れる、血液。
ドロリとした粘着質の液体が朱の遊技場に追加される。溢れる、血液。
「サラ!!!!」
そう、一分の見間違えも疑念も懐疑も存在しない。
どこまでも明確で明瞭で鮮明で確実に、
どこまでも明確で明瞭で鮮明で確実に、
少女――白鐘沙羅はこの瞬間、命を落とした。
最後の瞬間まで少女はずっと、笑っていた。
【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン 死亡】
□
《LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」総合案内所周辺(第二区画)――光あれ》
「アハハハッ、ボクに……ボクに逆らうから悪いんだ! アハハハハハハッ!!!」
「――見つけました」
「……へ」
「――見つけました」
「……へ」
そして――沙羅が絶命した瞬間とほぼ同時に、凄まじい爆音が上空から一帯に響き渡った。
舞が所持しているブローニングM2重機関銃の発射音など比べ物にならない。
アヴ・カムゥの右腕に装備されているM134ミニガンよりもおそらく上だろう。
舞が所持しているブローニングM2重機関銃の発射音など比べ物にならない。
アヴ・カムゥの右腕に装備されているM134ミニガンよりもおそらく上だろう。
有り得ない速度で空中から弾丸がばら撒かれる。
目標はハウエンクアが載るアヴ・カムゥ――の左肩だ。
丁度肩の間接部分だけを狙った大胆かつ圧倒的、そして正確無比な射撃。
僅か数秒間程度の発射時間でありながら、この時点で既に三桁の弾丸が撃ち込まれている計算になる。
目標はハウエンクアが載るアヴ・カムゥ――の左肩だ。
丁度肩の間接部分だけを狙った大胆かつ圧倒的、そして正確無比な射撃。
僅か数秒間程度の発射時間でありながら、この時点で既に三桁の弾丸が撃ち込まれている計算になる。
「ぐがあああああああああああああ!」
完全に虚を突いた不意打ちだった。
舞もアセリアも、そしてハウエンクアも誰一人として彼女の接近に気付かなかった。
舞もアセリアも、そしてハウエンクアも誰一人として彼女の接近に気付かなかった。
しかしソレも当然だ。
彼女の身体は限りなく人間に近い"機械"であり、魔力と類似するエネルギーは一切しようされていない。
誰もがその場にいる"人間"の動きに集中し、外部から誰かが乱入してくる可能性を考慮に入れていなかったのだ。
もちろん『ゲートを爆発的な加速で飛び越えて、空から突っ込んでくる原チャリ』など想像さえしないだろうが。
彼女の身体は限りなく人間に近い"機械"であり、魔力と類似するエネルギーは一切しようされていない。
誰もがその場にいる"人間"の動きに集中し、外部から誰かが乱入してくる可能性を考慮に入れていなかったのだ。
もちろん『ゲートを爆発的な加速で飛び越えて、空から突っ込んでくる原チャリ』など想像さえしないだろうが。
そして空中で射撃主は原チャリに搭載されているバーニアと自身の背中に装備されたバックパックに点火。
更なる推進力を生み出しながら一直線にアヴ・カムゥへと向かう。
いかにアヴ・カムゥが鉄壁の装甲を持つ機神兵とはいえ、機関砲―リヴォルヴァーカノン―には敵わない。
毎分1700発の圧倒的連射力を持つ全長二メートル以上を誇る砲身による完璧な射撃を食らって無事で居られるはずがないのだ。
更なる推進力を生み出しながら一直線にアヴ・カムゥへと向かう。
いかにアヴ・カムゥが鉄壁の装甲を持つ機神兵とはいえ、機関砲―リヴォルヴァーカノン―には敵わない。
毎分1700発の圧倒的連射力を持つ全長二メートル以上を誇る砲身による完璧な射撃を食らって無事で居られるはずがないのだ。
「き、貴様ぁぁああ!!!!」
当然のように――アヴ・カムゥの左肩の鎧は打ち砕かれる。
続いて鎧の剥がれた生身の部分に弾丸が直撃する。
血が溢れ出す。浮き出た血液を次の鉛弾が射抜き、神経を、機関を、生物のような肉を爆散させていく。
続いて鎧の剥がれた生身の部分に弾丸が直撃する。
血が溢れ出す。浮き出た血液を次の鉛弾が射抜き、神経を、機関を、生物のような肉を爆散させていく。
「殲滅対象――ハウエンクアを確認。引き続き保護対象――白鐘沙羅の救出活動を行います」
その言葉と共に原チャリが大地へと着陸する。
そのまま非常識な加速力を保ったまま、沙羅の身体を包んだまま落下するアヴ・カムゥの掌を抱き留める。
そのまま非常識な加速力を保ったまま、沙羅の身体を包んだまま落下するアヴ・カムゥの掌を抱き留める。
舞は思わず自分の目を疑った。
悲しみに、怒りに心を歪ませる余裕などなかった。
悲しみに、怒りに心を歪ませる余裕などなかった。
もはや人が行える動きの限界を超えていると確信出来る。
それに何だ、あの常識外れの武器は。
戦闘ヘリや航空戦闘機に装備されているような馬鹿デカイ機関銃。
あんなものをぶっ放しておきながら、何故《彼女》はあんなにも平然とした顔をしているのだろう。
それに何だ、あの常識外れの武器は。
戦闘ヘリや航空戦闘機に装備されているような馬鹿デカイ機関銃。
あんなものをぶっ放しておきながら、何故《彼女》はあんなにも平然とした顔をしているのだろう。
「お前は……リンリン?」
「いえ、それは私のマスターの名前です。アセリア・ブルースピリット」
「……マスター?」
「いえ、それは私のマスターの名前です。アセリア・ブルースピリット」
「……マスター?」
アセリアが不思議そうな顔で突然現れた少女の顔を眺める。
舞に関しては、もはや何が何だか分からない状況だ。
舞に関しては、もはや何が何だか分からない状況だ。
「お初にお目にかかります。私はメカ鈴凛です」
「めか鈴凛……? それは……双子のようなものなのか?」
「違います。私はマスターがアニキ様のために製作したアンドロイドです」
「……あ、あんどろいど」
「めか鈴凛……? それは……双子のようなものなのか?」
「違います。私はマスターがアニキ様のために製作したアンドロイドです」
「……あ、あんどろいど」
アセリアはメカ鈴凛の言葉を全く理解できずに目をパチクリとさせた。
まぁ、無理もないだろう、と舞は思う。
違う世界の人間であるアセリアにとって機械的なもの(メカやアンドロイドといった概念)は全く未知の存在である筈なのだから。
まぁ、無理もないだろう、と舞は思う。
違う世界の人間であるアセリアにとって機械的なもの(メカやアンドロイドといった概念)は全く未知の存在である筈なのだから。
「鈴凛の奴……こんな兵器を隠していたなんて……!!」
「ハウエンクア。あなたの狼藉もここまでです。
マスターから『ハウエンクアに容赦はいらない』と了解も得ています。準備は万全です」
「ハウエンクア。あなたの狼藉もここまでです。
マスターから『ハウエンクアに容赦はいらない』と了解も得ています。準備は万全です」
メカ鈴凛は右手に持ったバスターソードを左肩から先を失ったアヴ・カムゥに向ける。
「ふん! あんな奴が作ったポンコツ如きにボクが負けると思っているのかい?
もしそうだとしたらとんだお笑い種だよ!」
「……何か、勘違いをなさっているようですね」
「勘違い、だと?」
もしそうだとしたらとんだお笑い種だよ!」
「……何か、勘違いをなさっているようですね」
「勘違い、だと?」
なおも威勢良く吼えるハウエンクア。
左腕を吹き飛ばされたとはいえ、未だにその武器であるM134ミニガンは健在。
装甲の厚さなどを考えても十分に勝機はある、と考えているらしかった。
だがその認識は余りにも楽観的過ぎると言わざるを得ない。
左腕を吹き飛ばされたとはいえ、未だにその武器であるM134ミニガンは健在。
装甲の厚さなどを考えても十分に勝機はある、と考えているらしかった。
だがその認識は余りにも楽観的過ぎると言わざるを得ない。
舞は足元に落ちていた「存在」を再度、握り締めた。
アセリアは「求め」を一度軽く振り、そしてハウエンクアに向けてその切っ先を突き付けた。
アセリアは「求め」を一度軽く振り、そしてハウエンクアに向けてその切っ先を突き付けた。
「その疑問には……私が答える」
「川澄……舞?」
「まさか気付いていないとは思わないけど……。あなたは一人、そして……こっちは三人」
「あ――」
「ハウエンクア……覚悟は、いい?」
「川澄……舞?」
「まさか気付いていないとは思わないけど……。あなたは一人、そして……こっちは三人」
「あ――」
「ハウエンクア……覚悟は、いい?」
舞の心は怒りで燃え上がっていた。
隣にいるアセリアもきっと、同じ気持ちだ。
隣にいるアセリアもきっと、同じ気持ちだ。
何故、沙羅が死ななければならなかったのか。
誰よりも気丈で、絶望に堕ちかけた自分に救いの手を差し伸べてくれた彼女が。
誰よりも気丈で、絶望に堕ちかけた自分に救いの手を差し伸べてくれた彼女が。
舞は大きく息を吸い込んだ。
身体は軽い。血に濡れた腹部や汗ばんだ制服が気持ち悪いけど、調子自体は最高だ。
身体は軽い。血に濡れた腹部や汗ばんだ制服が気持ち悪いけど、調子自体は最高だ。
何人もの人間を殺して来た自分が、まさか他の参加者に対してこんな感情を持つとは思わなかった。
自分は、目の前の狂人を絶対に許すわけにはいかない。
自分は、目の前の狂人を絶対に許すわけにはいかない。
ハウエンクアを倒す――きっと、それが自分に出来る最後で唯一で最大の白鐘沙羅に対する恩返しだ。
「アセリア」
「ん、舞……分かってる」
「メカ鈴凛……奴にトドメを差すのを……私達に任せて……欲しい」
「構いません。ですが危険なようでしたらすぐさま援護に入らせて頂きますが、よろしいでしょうか?」
「問題ない。それに――」
「ん、舞……分かってる」
「メカ鈴凛……奴にトドメを差すのを……私達に任せて……欲しい」
「構いません。ですが危険なようでしたらすぐさま援護に入らせて頂きますが、よろしいでしょうか?」
「問題ない。それに――」
舞とアセリアはメカ鈴凛の腕の中で全身を真っ赤に染め、事切れている沙羅を見つめた。
それは非情に痛々しい光景だった。
ハウエンクアの攻撃を受けたのは身体の部分だけなので、顔には傷一つなく綺麗なままだ。
だが淡いクリーム色だった制服は余すところ無く紅に染まり、両手の骨は所々が有り得ない方向に捻じ曲がっている。
それは非情に痛々しい光景だった。
ハウエンクアの攻撃を受けたのは身体の部分だけなので、顔には傷一つなく綺麗なままだ。
だが淡いクリーム色だった制服は余すところ無く紅に染まり、両手の骨は所々が有り得ない方向に捻じ曲がっている。
「――無駄な手加減も遠慮もしない。一撃で仕留める」
「奇遇……だな、舞。丁度私も同じ気分だった」
「奇遇……だな、舞。丁度私も同じ気分だった」
「存在」と「求め」を構えた舞とアセリアが一歩、一歩とハウエンクアに近付いていく。
二人の美しい少女が剣を持ち、巨大なロボットに向けて歩いていく光景。
それは誰が見ても異様で奇妙な雰囲気に満ち溢れていた。
二人の美しい少女が剣を持ち、巨大なロボットに向けて歩いていく光景。
それは誰が見ても異様で奇妙な雰囲気に満ち溢れていた。
黒の少女――川澄舞。
蒼の少女――アセリア・ブルースピリット。
蒼の少女――アセリア・ブルースピリット。
ゆっくりと悠然と。
踊るように、二人は紅い大地を突き進む。
踊るように、二人は紅い大地を突き進む。
「く、くそおおおおおおおおおおお!! 来るな、こっちに来るんじゃないっ!!」
狂ったように叫び声を上げながら残った腕に装備したM134を乱射するハウエンクア。
だが、撃ち出された弾丸は二人の身体を一発も捉えることなく弾かれる。
アセリアが持つ「求め」の力は彼女に芽生えた激しい怒りの感情と反応し、この島でも最大の出力を放っていた。
そしてソレに呼応するように「存在」の魔力も高まる。
だが、撃ち出された弾丸は二人の身体を一発も捉えることなく弾かれる。
アセリアが持つ「求め」の力は彼女に芽生えた激しい怒りの感情と反応し、この島でも最大の出力を放っていた。
そしてソレに呼応するように「存在」の魔力も高まる。
不可視の絶壁――永遠神剣の放つオーラフォトン粒子が無機質な鉛の侵略を許さない。
「……そんな攻撃じゃ、私達の怒りは撃ち抜けない」
「ま、待て!! 話し合おう、話せば分かるだろ!? そうだ、それがいい!
お前達だって無駄な殺しはしたくない筈だ!」
「ま、待て!! 話し合おう、話せば分かるだろ!? そうだ、それがいい!
お前達だって無駄な殺しはしたくない筈だ!」
ハウエンクアはアヴ・カムゥの操縦者席の中で震えていた。
分からない、どうして自分がここまで追い詰められているのか――現実的な説明が出来ない。
白鐘沙羅を殺した時点では、戦意を喪失した二人の女を殺すことなど造作もないように思ったのだ。
だがメカ鈴凛が現れ、左腕を落とされた時にその目論見は脆くも崩れ去ってしまった。
分からない、どうして自分がここまで追い詰められているのか――現実的な説明が出来ない。
白鐘沙羅を殺した時点では、戦意を喪失した二人の女を殺すことなど造作もないように思ったのだ。
だがメカ鈴凛が現れ、左腕を落とされた時にその目論見は脆くも崩れ去ってしまった。
加えて舞とアセリアの放つ有り得ないまでの異様なオーラだ。
何度も見てきた純粋な『殺意』とは何かが違う。
悲しくて、儚げで……それでいて、何よりも強い。
ハウエンクアにとってそれは、全く意味の分からない戦慄のようなものに溢れている。
何度も見てきた純粋な『殺意』とは何かが違う。
悲しくて、儚げで……それでいて、何よりも強い。
ハウエンクアにとってそれは、全く意味の分からない戦慄のようなものに溢れている。
「……どう思う? アセリア」
「そう……だな、舞」
「そう……だな、舞」
アヴ・カムゥの数メートル前方にて二人が立ち止まり、互いの顔を見合わせた。
もはや、あと一歩踏み込んだだけで両者の剣が届く有効射程範囲だ。
ハウエンクアは二人が自分の言葉を聞き入れてくれた、そう思った。しかし、
もはや、あと一歩踏み込んだだけで両者の剣が届く有効射程範囲だ。
ハウエンクアは二人が自分の言葉を聞き入れてくれた、そう思った。しかし、
「……無理」
「無理だな」
「無理だな」
その小さな囁きは天使や妖精のソレでもあり――ハウエンクアにとっては悪魔の呟きでもあった。
瞬間、二人の姿が消えた。
瞬間、二人の姿が消えた。
「やめろぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
ハウエンクアの身震いするような絶叫。
「すべてを、終わらせる……っ!!」
舞の手に握られた「存在」が光を発する。
一気に全身へと魔力を巡らせ、大地を疾走する舞。
アヴ・カムゥの足元まで一瞬で到達し、踏み込む軸足。そして放たれる最大魔力による一撃。
一気に全身へと魔力を巡らせ、大地を疾走する舞。
アヴ・カムゥの足元まで一瞬で到達し、踏み込む軸足。そして放たれる最大魔力による一撃。
「その身に刻め……マナよ、オーラフォトンへと変われ! すべての力をぶつけるっ!」
一方でアセリアは両翼を大きく広げ天高く、数メートルの距離まで瞬きする間もなく飛翔。
そして雄叫びを上げるハウエンクアに向けて空から一直線に急降下する。
「求め」の粒子が形を成すように刀身へと集中する。
無骨で単純で、それでいて圧倒的な魔力を込めた――究極の剣技。
そして雄叫びを上げるハウエンクアに向けて空から一直線に急降下する。
「求め」の粒子が形を成すように刀身へと集中する。
無骨で単純で、それでいて圧倒的な魔力を込めた――究極の剣技。
「ああああああああああああっ!! 助けて……ママ、ママァァァアアアア!!!!」
「ヘブンズスウォードッッッ!!!!」
「オーラフォトンブレードッッッ!!!」
「ヘブンズスウォードッッッ!!!!」
「オーラフォトンブレードッッッ!!!」
天と地――上と下から放たれた異常なまでの魔力の煌きがアヴ・カムゥを包み込む。
敵を原初のマナにまで分解するヘブンズスォード。
膨大な魔力によって生み出された極光を剣に纏わせ、敵を消し飛ばすオーラフォトンブレード。
敵を原初のマナにまで分解するヘブンズスォード。
膨大な魔力によって生み出された極光を剣に纏わせ、敵を消し飛ばすオーラフォトンブレード。
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」
二つの永遠神剣が同じ相手を捉えた瞬間、光が満ちた。
聖書の中で神が「光あれ」と呟いたとき、暗黒に包まれていた世界に光が生まれたように。
永遠神剣の力が氾濫する嵐のように一瞬で、全てを――崩壊へと導いた。
聖書の中で神が「光あれ」と呟いたとき、暗黒に包まれていた世界に光が生まれたように。
永遠神剣の力が氾濫する嵐のように一瞬で、全てを――崩壊へと導いた。
【ハウエンクア@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄 死亡】
□
《LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」総合案内所周辺・崩壊跡(第二区画)――euphoric field》
瓦礫一つ残らなかった。
血の一滴まで含めてマナへと分解されたハウエンクアは完全に消滅した。
血の一滴まで含めてマナへと分解されたハウエンクアは完全に消滅した。
「……駄目です。心拍、鼓動どちらも停止。蘇生は不可能かと……」
「また、守れなかった。サラ……ゴメン……なんで、こんな……」
「また、守れなかった。サラ……ゴメン……なんで、こんな……」
アセリアが地面に寝かされた沙羅の死体のすぐ側で茫然自失になりながら涙を流していた。
彼女は死んでいるなんて、全く思えないぐらい安らかな顔をしている。
舞はぼんやりと、そんな光景を眺めながら沙羅の言葉を頭の中で反芻する。
彼女は死んでいるなんて、全く思えないぐらい安らかな顔をしている。
舞はぼんやりと、そんな光景を眺めながら沙羅の言葉を頭の中で反芻する。
『アンタが――そんな下らない理由で絶望していいと思ってるの!?
美凪を殺したアンタにはそんな権利なんてないのよっ!!』
美凪を殺したアンタにはそんな権利なんてないのよっ!!』
『償いなさい。アンタにはソレをする義務がある。殻に篭って逃げ回るだけなんて、絶対に許さない』
『美凪も言ってたじゃない。言葉なんていらないわ。アンタが無くしたものを取り戻すだけだもの。
だから、ちょっとだけでもさ――笑えばいいの』
だから、ちょっとだけでもさ――笑えばいいの』
アセリアの仲間に強力な回復魔法の使い手がいるらしい。
彼女と接触できれば舞の傷もたちどころに治る、とアセリアは言っていた。
加えて死人さえ生き返らせる魔法(リヴァイヴと言うらしい)もあるが、おそらく其方は無理だと思う。
彼女と接触できれば舞の傷もたちどころに治る、とアセリアは言っていた。
加えて死人さえ生き返らせる魔法(リヴァイヴと言うらしい)もあるが、おそらく其方は無理だと思う。
一度消えてしまった命を完全に復活させるのはある種、禁忌とも言える行為だ。
故に制限も多く、リヴァイヴならばマナとして霧散してしまう命を繋ぎ止め再構成する力しかないらしい。
つまり、身体がマナで出来ている訳ではない沙羅には意味がないのだ。
故に制限も多く、リヴァイヴならばマナとして霧散してしまう命を繋ぎ止め再構成する力しかないらしい。
つまり、身体がマナで出来ている訳ではない沙羅には意味がないのだ。
その時、舞の身体に強烈な激痛が走った。
どうやら薬で無理やり働かせていた身体の限界が近いらしい。
加えて魔力の消耗も激しい。度重なる身体能力の強化、山狗やハウエンクアとの連戦。
そして最後に使ったヘブンズスォード……。もう出来ることもほとんどないだろう。
どうやら薬で無理やり働かせていた身体の限界が近いらしい。
加えて魔力の消耗も激しい。度重なる身体能力の強化、山狗やハウエンクアとの連戦。
そして最後に使ったヘブンズスォード……。もう出来ることもほとんどないだろう。
ああ――でも、
本当に、そうなのだろうか。
だって、
死者の魂を呼び止める――そんな不思議な力を持った人間が、ここにもう一人いるのに。
「アセリア……メカ鈴凛」
「……舞?」
「……舞?」
舞が沙羅の頭の隣に肩膝を付く。そして右手をそっと彼女の心臓にかざす。
アセリア達は不思議そうな顔で舞の動向を見守っている。
アセリア達は不思議そうな顔で舞の動向を見守っている。
舞は心を研ぎ澄まし――禁じられたその力を行使する。
力を解き放ち、最初に気付いたことは自分の身体が相当に危ない段階に来ている、ということだった。
このまま普通に行動する分にはおそらく問題はないだろう。
生命活動を維持するだけの力は十分すぎるほど残っている。
だが、沙羅の《蘇生》を行えばほぼ確実に――自分自身の命を危険に晒すことになる。
このまま普通に行動する分にはおそらく問題はないだろう。
生命活動を維持するだけの力は十分すぎるほど残っている。
だが、沙羅の《蘇生》を行えばほぼ確実に――自分自身の命を危険に晒すことになる。
つまりどちらにしろ助けることの出来る命は一つだけ、ということだ。
それでも、舞に迷いはなかった。
元から既に死んでいるような命だ。
そんなもので他の人間を死の淵から救い出すことが出来るのならば、好きなだけくれてやる。
元から既に死んでいるような命だ。
そんなもので他の人間を死の淵から救い出すことが出来るのならば、好きなだけくれてやる。
これで贖罪になるなんて思わない。
自分が殺してしまった人間の知り合いへ謝罪することも満足に出来なかった。
それに、コレは白鐘沙羅が言っていた"逃げること"に該当してしまうかもしれない。
自分が殺してしまった人間の知り合いへ謝罪することも満足に出来なかった。
それに、コレは白鐘沙羅が言っていた"逃げること"に該当してしまうかもしれない。
きっと生き返った後で彼女は自分に文句を言うんだろうな、そんなことを思った。
「……アセリア」
「どうした、舞」
「あなたのこと……嫌いじゃなかった」
「それは、どういう――」
「そのままの……意味」
「どうした、舞」
「あなたのこと……嫌いじゃなかった」
「それは、どういう――」
「そのままの……意味」
舞の手がぼうっと淡い光に包まれた。
霧散していた大気中のマナをかき集めるかのように、色取り取りの粒子がそよ風のように舞う。
思えば、色々なことがあった。
霧散していた大気中のマナをかき集めるかのように、色取り取りの粒子がそよ風のように舞う。
思えば、色々なことがあった。
ほとんどが灰色と血の色に染まった悲しい出来事ばかりだ。
ことりや千影、そして美凪。もしも別の機会に会うことが出来たら、きっといい友達になれたと思うのに。
沙羅もアセリアも……皆良い人ばかりだった。
ことりや千影、そして美凪。もしも別の機会に会うことが出来たら、きっといい友達になれたと思うのに。
沙羅もアセリアも……皆良い人ばかりだった。
それでも最後の最後まで心残りなのは――やっぱり、佐祐理と……そして、祐一。
二人の元気な姿を見ることは結局一度も出来なかった。
二人の元気な姿を見ることは結局一度も出来なかった。
《力》が踊る。
あと一歩で、沙羅は生き返る。
そしてこの一歩が私が死ぬか生きるかの最終分岐点。
あと一歩で、沙羅は生き返る。
そしてこの一歩が私が死ぬか生きるかの最終分岐点。
心の中の弱い自分がこう囁く――あなたは十分に頑張った。別に命を捨てることはない。
舞はそんな戯言を一蹴する。
もう、自分は決めたんだ。
誰からも恐れられるこの禁じられた力を、最後に自分を救い出してくれた人に使いたい、と。
もう、自分は決めたんだ。
誰からも恐れられるこの禁じられた力を、最後に自分を救い出してくれた人に使いたい、と。
だから、自分で自分の背中を――押した。
まばゆい閃光が舞の身体から放たれる。
まばゆい閃光が舞の身体から放たれる。
「…………あ、れ……」
「……ッ!! サラ!!」
「……あ、ちょ、アセリア痛いって! え……てか、なんで、私……生きてる……の」
「……ッ!! サラ!!」
「……あ、ちょ、アセリア痛いって! え……てか、なんで、私……生きてる……の」
眼を閉じていた沙羅がむくりと起き上がった。
状況が分かっていないのか、挙動不審気味に辺りを見回す。
感激のあまり抱き付いて来たアセリアの泣き顔を見てオロオロしている。
状況が分かっていないのか、挙動不審気味に辺りを見回す。
感激のあまり抱き付いて来たアセリアの泣き顔を見てオロオロしている。
――良かった。
「……アセリア、沙羅。コレ……貰って欲しい」
「これって美凪の……ハンカチ?」
「な……『存在』だと。マイ、私には『求め』があるからこっちはお前が……」
「もう――私には不要な、ものだから……」
「舞?」
「これって美凪の……ハンカチ?」
「な……『存在』だと。マイ、私には『求め』があるからこっちはお前が……」
「もう――私には不要な、ものだから……」
「舞?」
最後に一言だけ、挨拶をすることが出来たのは神様が少しだけ命をオマケしてくれたからかもしれない。
舞は理由もなく、そんなことを思った。
舞は理由もなく、そんなことを思った。
ぐらりと身体が揺れる。
血の海になっている地面へと身体が吸い込まれて行く。
《終わり》は案外あっけないものだった。
身体が、意識が、海へと還って行く。
血の海になっている地面へと身体が吸い込まれて行く。
《終わり》は案外あっけないものだった。
身体が、意識が、海へと還って行く。
視界はあやふやで、聴覚もまともに働かない。
ありとあらゆる感覚が死んでいく。
神経が全てプツン、プツンと音を立てて断裂していく。
ありとあらゆる感覚が死んでいく。
神経が全てプツン、プツンと音を立てて断裂していく。
だけど不思議なことに。
今、私は一人じゃない。寂しくなんて、ない。
――ソレだけで、凄く幸せだった。
【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン 生存確認】
□
《LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」総合案内所周辺・崩壊跡(第二区画)――アリス・イン・ワンダーランド》
「私はこのままマスターを探しに行きます。」
「うん、分かった。それにしても……ソレどこで見つけたの?」
「この乗り物ですか? この階のエレベーターの近くに放置されていたデイパックに入っていました」
「うん、分かった。それにしても……ソレどこで見つけたの?」
「この乗り物ですか? この階のエレベーターの近くに放置されていたデイパックに入っていました」
沙羅は目の前でノーヘルで原チャリに跨っているアンドロイドを複雑な気持ちで見つめる。
彼女が乗っている原チャリは何を隠そう彼女の私物である。
特殊な改造を施してあるため、スイッチを押すとブースターが点火し、飛行しているのと同等の爆速移動が可能になる逸品だ。
しかし、ロボットが機械に乗っている光景というのは中々にシュールだ。
彼女が乗っている原チャリは何を隠そう彼女の私物である。
特殊な改造を施してあるため、スイッチを押すとブースターが点火し、飛行しているのと同等の爆速移動が可能になる逸品だ。
しかし、ロボットが機械に乗っている光景というのは中々にシュールだ。
「あーそう……なんだ。ん、じゃそっちも気をつけて」
「はい。アセリア・ブルースピリット、白鐘沙羅、どちらもご武運を」
「はい。アセリア・ブルースピリット、白鐘沙羅、どちらもご武運を」
ソレだけを言い残すと、メカ鈴凛は機関砲とバスターソードを身に着けたまま原チャリを発進させる。
エネルギーを温存するためなのだろうか……。
自分の愛機があんな風に利用して貰っていると何気に嬉しいものだ。
エネルギーを温存するためなのだろうか……。
自分の愛機があんな風に利用して貰っていると何気に嬉しいものだ。
「さてと、アセリア。私達も行きましょう」
「ん、分かった。だが……」
「ん、分かった。だが……」
ちらり、とアセリアはゲートの近くの無事だった芝生の上に寝かされている舞の死体を一瞥した。
沙羅はそんな彼女の心境が痛いほど分かった。
なにしろ舞は沙羅を生き返らせるために、自らの命を文字通り《犠牲》にしたのだから。
沙羅はそんな彼女の心境が痛いほど分かった。
なにしろ舞は沙羅を生き返らせるために、自らの命を文字通り《犠牲》にしたのだから。
出会ってから大して時間の経っていない自分のためにこんなことをするなんて……本当に馬鹿だ。
「いーのっ! あんな馬鹿は放っておけばいいのよ! なによ……カッコつけちゃって……」
「サラ……涙が」
「え?」
「サラ……涙が」
「え?」
気付いたら、沙羅の瞳からポタポタと涙が流れていた。
うわぁ、恥ずかしい、そんな風に思って必死で真っ赤に変色した制服の袖で瞼を擦るけど、まるで意味がない。
滝のようにこぼれ続けるその液体は、自らの存在をうざったいほどに主張し続ける。
うわぁ、恥ずかしい、そんな風に思って必死で真っ赤に変色した制服の袖で瞼を擦るけど、まるで意味がない。
滝のようにこぼれ続けるその液体は、自らの存在をうざったいほどに主張し続ける。
何だ、コレ。
意味わかんないって、マジで。
意味わかんないって、マジで。
「あ、あ、あ……」
「サラ……ミズホが私を慰めてくれた時に言っていた言葉を……そのまま使わせて貰う」
「え?」
「『こんな時は――泣いたって、良いのよ』だ」
「サラ……ミズホが私を慰めてくれた時に言っていた言葉を……そのまま使わせて貰う」
「え?」
「『こんな時は――泣いたって、良いのよ』だ」
アセリアが大きく両手を広げた。小さく笑う。
それってつまり、飛び込んで来い――そういうサインだ。
それってつまり、飛び込んで来い――そういうサインだ。
「っ…………ああ……うわぁぁぁああああああああああああああ!!!」
アセリアの全てを包み込むような笑顔を見た瞬間、沙羅の涙腺が決壊した。
もう、耐えられなかった。
軋んで歩くだけで痛い身体をアセリアの小さな身体に飛び込ませる。
もう、耐えられなかった。
軋んで歩くだけで痛い身体をアセリアの小さな身体に飛び込ませる。
そして、沙羅は泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて、涙が枯れるまで泣いた。
アセリアの身体は暖かくて柔らかくて、そして――幸せな想いに満ちていた。
アセリアの身体は暖かくて柔らかくて、そして――幸せな想いに満ちていた。
【LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」総合案内所周辺・崩壊跡/3日目 黎明】
【アセリア@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【装備:永遠神剣第四位「求め」@永遠のアセリア -この大地の果てで-、永遠神剣第七位"存在"@永遠のアセリア-この大地の果てで-】
【所持品:支給品一式、カルラの剣@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、投げナイフ5本、鉄串(短)x1、鉄パイプ、フック付きワイヤーロープ(5メートル型)
高嶺悠人の首輪、、クマのぬいぐるみ@CLANNAD、フカヒレのコンドーム(12/12)@つよきす-Mighty Heart-、情報を纏めた紙×2、装備品を記したメモ】
【状態:疲労小、残り魔力70%、左肩と右わき腹の鎧の該当部位損失、右耳損失(止血済み、回復魔法により痛みなし)、首輪解除済み、「求め」と契約】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない、仲間を守る
1:主催者を倒す
2:ミズホとリカとサラを守る
3:無闇に人を殺さない(殺し合いに乗った襲撃者は殺す)
4:鈴凛を助けたい
5:あゆに対する複雑な思いと信頼
6:瑞穂に対する罪悪感
【装備:永遠神剣第四位「求め」@永遠のアセリア -この大地の果てで-、永遠神剣第七位"存在"@永遠のアセリア-この大地の果てで-】
【所持品:支給品一式、カルラの剣@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、投げナイフ5本、鉄串(短)x1、鉄パイプ、フック付きワイヤーロープ(5メートル型)
高嶺悠人の首輪、、クマのぬいぐるみ@CLANNAD、フカヒレのコンドーム(12/12)@つよきす-Mighty Heart-、情報を纏めた紙×2、装備品を記したメモ】
【状態:疲労小、残り魔力70%、左肩と右わき腹の鎧の該当部位損失、右耳損失(止血済み、回復魔法により痛みなし)、首輪解除済み、「求め」と契約】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない、仲間を守る
1:主催者を倒す
2:ミズホとリカとサラを守る
3:無闇に人を殺さない(殺し合いに乗った襲撃者は殺す)
4:鈴凛を助けたい
5:あゆに対する複雑な思いと信頼
6:瑞穂に対する罪悪感
【備考】
※永遠神剣第七位"存在"
アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。
魔力を持つ者は水の力を行使できる。舞は神剣の力を使用可能。
アイスバニッシャー…氷の牢獄を展開させ、相手を数秒間閉じ込める。人が対象ならさらに短くなる。
ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。
フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。
他のスキルの運用については不明。
※アセリアがオーラフォトンを操れたのは、「求め」の力によるものです
※制限の低下によって、「求め」と契約しました。 これにより全体的に能力が上昇しています。
※神剣との同調率は多少回復しましたが、マナが無い所為でスキルは使えませんし、身体能力も強化不可能です
※オーラフォトンブレイクについて
「世界」のサポートスキル、広範囲に破壊を巻き起こし、相手の行動を封じる力を持つ。
※永遠神剣第二位「世界」について
「求め」が、「誓い」のマナを吸収したことによって、本来の「世界」へと変化しました。
しかし、覚醒直後に大量のマナを消費した事と、僅かに残っていた制限が加わって、現在は「求め」の姿に戻っています。
それに伴い、「世界」の一部である青い刃が六本、アヴ・カムゥの残骸の傍に刺さっています。
再び接触した際に変化が起こるかは不明です。
※制限がなくなったことで魔力が制限前より早い速度で回復しつつあります
※ことみを埋葬したことであゆや沙羅のことは信頼しつつあります
※永遠神剣第七位"存在"
アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。
魔力を持つ者は水の力を行使できる。舞は神剣の力を使用可能。
アイスバニッシャー…氷の牢獄を展開させ、相手を数秒間閉じ込める。人が対象ならさらに短くなる。
ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。
フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。
他のスキルの運用については不明。
※アセリアがオーラフォトンを操れたのは、「求め」の力によるものです
※制限の低下によって、「求め」と契約しました。 これにより全体的に能力が上昇しています。
※神剣との同調率は多少回復しましたが、マナが無い所為でスキルは使えませんし、身体能力も強化不可能です
※オーラフォトンブレイクについて
「世界」のサポートスキル、広範囲に破壊を巻き起こし、相手の行動を封じる力を持つ。
※永遠神剣第二位「世界」について
「求め」が、「誓い」のマナを吸収したことによって、本来の「世界」へと変化しました。
しかし、覚醒直後に大量のマナを消費した事と、僅かに残っていた制限が加わって、現在は「求め」の姿に戻っています。
それに伴い、「世界」の一部である青い刃が六本、アヴ・カムゥの残骸の傍に刺さっています。
再び接触した際に変化が起こるかは不明です。
※制限がなくなったことで魔力が制限前より早い速度で回復しつつあります
※ことみを埋葬したことであゆや沙羅のことは信頼しつつあります
【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】
【装備:ワルサー P99 (16/16)、H&K MP5(30/30)】
【所持品1:ワルサーP99の予備マガジン(9ミリパラベラム弾16発入り)x1 、ワルサーP99&ミニウージーの予備弾(9ミリパラベラム弾)70発、サバイバルナイフx2、
カンパン30個入り(10/10) 500mlペットボトル4本、双眼鏡、医薬品、装備品を記したメモ】
【所持品2:支給品一式×2、ブロッコリー&カリフラワー@ひぐらしのなく頃に祭、空鍋@SHUFFLE! ON THE STAGE、往人の人形】
【所持品3:『バトル・ロワイアル』という題名の本、、映画館にあったメモ、家庭用工具セット、情報を纏めた紙×12、ロープ、美凪のハンカチ】
【所持品4:ブラウニング M2 “キャリバー.50”(ベルト給弾式、残弾0)、ニューナンブM60(.38スペシャル弾0/5)、幹部用特殊PDA、LeMU内部地図、博物館の展示品だった各種薬物】
【状態:深い罪悪感、強い決意、血塗れ、首輪解除済み、疲労極大、戦闘不能、肋骨骨折(3本)、左腕骨折、歩行不能】
【思考・行動】
基本行動方針:一人でも多くの人間が助かるように行動する
0:本拠地へ突入し、主催者を倒す
1:仲間を守る
2:可能なら主催者側の武器庫、弾薬庫をおさえたい
3:最終的にはタカノを倒し、殺し合いを止める。 タカノ、というかこのFDを作った奴は絶対に泣かす
4:武の過去の出来事に少しだけ興味
【備考】
※きぬを完全に信頼。
※あゆを完全に信頼。
※武の復活を確認。
※フロッピーディスク二枚は破壊。地獄蝶々@つよきすは刀の部分だけ谷底の川に流されました。
エスペリアの首輪、地獄蝶々の鞘はC-6に放置。
※ミニウージーは破壊。
※おたまは裏路地に放置。
【装備:ワルサー P99 (16/16)、H&K MP5(30/30)】
【所持品1:ワルサーP99の予備マガジン(9ミリパラベラム弾16発入り)x1 、ワルサーP99&ミニウージーの予備弾(9ミリパラベラム弾)70発、サバイバルナイフx2、
カンパン30個入り(10/10) 500mlペットボトル4本、双眼鏡、医薬品、装備品を記したメモ】
【所持品2:支給品一式×2、ブロッコリー&カリフラワー@ひぐらしのなく頃に祭、空鍋@SHUFFLE! ON THE STAGE、往人の人形】
【所持品3:『バトル・ロワイアル』という題名の本、、映画館にあったメモ、家庭用工具セット、情報を纏めた紙×12、ロープ、美凪のハンカチ】
【所持品4:ブラウニング M2 “キャリバー.50”(ベルト給弾式、残弾0)、ニューナンブM60(.38スペシャル弾0/5)、幹部用特殊PDA、LeMU内部地図、博物館の展示品だった各種薬物】
【状態:深い罪悪感、強い決意、血塗れ、首輪解除済み、疲労極大、戦闘不能、肋骨骨折(3本)、左腕骨折、歩行不能】
【思考・行動】
基本行動方針:一人でも多くの人間が助かるように行動する
0:本拠地へ突入し、主催者を倒す
1:仲間を守る
2:可能なら主催者側の武器庫、弾薬庫をおさえたい
3:最終的にはタカノを倒し、殺し合いを止める。 タカノ、というかこのFDを作った奴は絶対に泣かす
4:武の過去の出来事に少しだけ興味
【備考】
※きぬを完全に信頼。
※あゆを完全に信頼。
※武の復活を確認。
※フロッピーディスク二枚は破壊。地獄蝶々@つよきすは刀の部分だけ谷底の川に流されました。
エスペリアの首輪、地獄蝶々の鞘はC-6に放置。
※ミニウージーは破壊。
※おたまは裏路地に放置。
【LeMU第二層「ツヴァイト・シュトック」/3日目 黎明】
【メカ鈴凛@Sister Princess】
【装備:バスタードソード、マウザーBK-27 カスタム(1500/2000)、対衝撃チャイナドレス、沙羅の改造スクーター@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】
【所持品:なし】
【状態:動作正常、エネルギー100%】
【思考・行動】
基本行動方針:生存者と協力しつつ、下記の目標を達成する。
1:鈴凛、富竹ジロウの救出。
2:生存者の保護
3:敵戦力の除去。
4:鷹野三四の確保。
【装備:バスタードソード、マウザーBK-27 カスタム(1500/2000)、対衝撃チャイナドレス、沙羅の改造スクーター@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】
【所持品:なし】
【状態:動作正常、エネルギー100%】
【思考・行動】
基本行動方針:生存者と協力しつつ、下記の目標を達成する。
1:鈴凛、富竹ジロウの救出。
2:生存者の保護
3:敵戦力の除去。
4:鷹野三四の確保。
※ハッキングによりLeMU内各シャッターや警報装置の機能が麻痺しています。
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