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世界で一番長く短い3分間 ◆UcWYhusQhw






―――三分間。
秒にして180秒。
カップラーメンが出来る時間と同じ。
これはその長いとも短い時間の中で、苦しみもがいて、それでも思いを貫いた少年と悲しみ絶望して、それでも勇気を持った少女の物語。







 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・







「参ったわね……」
「ああ……まさか使えなくなるとは」

潤達が純一達の元へいく為出発の準備をし、道具の確認をして時に気付いた事。
首輪探知レーダーが使えなくなったのだ。電池切れなのは確かなのだが、肝心の電池を2人とも持っていなかったのだ。
それは二人にとって大きな不安だった。
今までこのレーダーがあったお陰で、なんども危険からの予防や対処する事ができた。
それが無くなったのだ。即ちそれは自らで常に周りに警戒しなければならない事。
とはいえ潤達はレーダーに頼りすぎてしまっていた。
故に自分自身で出来るかが不安だった。

しかしそんな事ばかり考えてれられない。
「行こう。ぐずぐずしてなんかいられない。梨花ちゃん、地図お願いできるか?」
「ええ、わかったわ」
今は自分たちがすべきことしよう、そう考えて2人を行動を始めた。
とりあえず廃坑の別入り口が見つからなかったので病院に向かう事にした。
そのためにもう一度地図を確認して場所を確かめようとしてのだが

「あ、あれ? これは?」
「これ、風子がラクガキしたやつじゃないか」
梨花が取り出したのは風子が作った人生ゲームだった。
梨花が焦って間違えて取り出してしまったようだ。

「懐かしいな、これ」
「ええ、ほら見て潤。このマス、『貴方はヒトデに埋め尽くされました。幸せなので一回休み』ですって。風子らしいわね……」
潤と梨花は楽しそうにそれを見ていた。
思い浮かぶのはあの楽しい時。
まるで自分達が殺し合いの場所に居ないような錯覚がして。
そんな事を思い懐かしんでいた。


だが
「え……?」
突然梨花の顔が驚きに変わった。
信じられないという様な感じをしながらあるマスを示して。
そこは地図で言うとC-5。
書かれていたのは

『ここにはなんと廃坑の別入り口がありました。三マス進む』

廃坑の別入り口を示すものだった。
潤も気付き
「お、おいこれってどういうことだ? どうして風子が?」
「私だってわかんないわよ! 何故なの」
珍しく梨花が戸惑っていた。
それも当然だった。何故風子が解っているのだろうと。
混乱の極み達しようとしてた時梨花は、その裏になにやら文章が書かれたことにきづいた
「潤! これって!」
「風子が? どうして」
それは風子が書いた文章だった。
その中身は

『どうも風子です。北川さん、梨花ちゃん、元気ですか? これを見てるということは私はしんでいるのですね。残念です。
 これは第4回放送後に書いたものです。これは脱出をする為にはとても重要な事だと思います。本当は直接言いたかったのですが。地図のマスにも書いておきました。
 私が伝えれなければいけないのは廃坑の別入り口の事です。北口だけですがわかりました。これは死んでも伝えなければならないことです。
 心してきいてください。おそらくC-5、もしくは付近にあります。確証はありませんがおそらくそうだと思います。

 何故私がそう思ったかと言うとですね、私は思ったんです。何で最初に山頂に向かわなかったんだろう、と。
 これは伝えたくなんかありませんが私は前に似たようなものに参加せられたんです。この島とは別ですが、その時山頂へ皆向かったんです。そこでは惨劇が多く沢山の命がなくなりました
 なのに今回は向かおうとしなかった。私だけではありません。北川さんも、梨花ちゃんも、朝倉さん、小町さんまで。何故でしょう。全部を把握するには山頂向かったほうが早いのに。
 その時思ったんです。暗示とかで山頂に行かせない様にする事をして、何かを隠しておきたいのではないかと。即ち別入り口。

 C-5と思ったもう一つの理由は、少しずつですが、回りのエリアが禁止エリアになってるんです。最初は気にも留めませんでした。
 しかしここに別入り口があるとすると、話は別です。私が前に参加してる時同じような事がありました。脱出の糸口を掴んだのに周りが禁止エリアに囲まれいけなくったのです。そう自然に指定されて気付かなかったんです
 そう前と同じような事が起きてるんです。C-5も少しずつですが確実に囲まれて来てます。ここを禁止エリアにすれば早いんですが、ここを封じると移動に困るので多分しばらくはしないです。
 そして確信しました。ここにあるんじゃないかと。南口からの方向もあってますし。
 間違いかもしれません。でもここに確かに何かがあるんです。 
 お願いです。手遅れになる前に。調べてください。
 北川さんたちが無事に脱出してくれる事を祈ってます。
 風子より』

そう締めくくられ終わっていた。


「……風子、俺達なんかよりも調べていたんだな」
「ええ、まったくだわ」
風子はきっと誰よりも先に脱出の手がかりを探していたのだろう。手遅れになる前に。
そしてやっと見つけたのだ。いくつかのヒントで。
でもいつ自分が死ぬか分からない。
そう思いこれに残したのだろう。

そして風子が託した遺産は確かに潤達に伝わった。

「でもこれって純一達が言ったのと一緒じゃ……」
梨花が思ったのは純一が言った「塔」の事だった。
それは位置、状況、共に純一達が見つけた事と似ていた。

だが潤は
「違うさ。風子が頑張って見つけたんだ。きっとそこにある。たまたま一緒になっただけさ」
それを否定した。
潤には確信があった。
そこに別入り口があるということを。
風子がどうしてもこれを伝えたくて死ぬことを予期してまで書いた。
そんな風子の頑張りを否定したくなかった。
だから潤はここにあると半ば本能的に感じていた。
「……そうね、風子頑張ったわね。それを信じましょう」
梨花はそんな潤の気持ちを察しそう言った。

2人の間に笑顔が溢れた。
探していたものを見つけたのだ。
自然と笑顔になった。


だが、それで油断したのが悪かった。
もしくはレーダーが動いてたらこんな事にならなかったかもしれない。

そして突如潤たちの背後から爆音が聞こえてきた。

その音を出したのはこの島に存在する最悪の凶剣―ブラウニング M2 “キャリバー.50ー。

そう川澄舞の襲撃だった。




 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・







(……この剣、凄い……不思議な力)
つり橋を渡り病院目指していた舞はその道中のなか、自らが持つ剣に驚いていた。
この剣『存在』が見せた強力な力。
この剣がなければ自分はあの瓦礫を退ける事が出来ず大怪我を覆っていただろう。


だがこの剣を使った時に何かを失ったような喪失感。
沢山使えば自分も平気ではないだろう。
重要な場面で使おうと考えた時、舞はある発見した。
それは少しはなれた先に2人いたのだ。
見る限り少年と幼女。
二人は何か夢中で周囲の警戒を怠っていた。

舞が思い浮かぶのは唯一つ。
殺すという事。
やっと獲物を見つけたという事、ただそれだけだった。

(……どうしよう? 接近する? いや気付かれる……なら)
出来る限り2人まとめて殺したい。
そう考え舞はある武器を取り出した。

それは凶剣―ブラウニング M2 “キャリバー.50ー。
これならまとめて殺せるはず。
そう思い2人組みに狙いをつけ

(……さよなら……佐佑理の為に死んでっ!)

最悪の凶剣が咆哮した。






潤がそれに気付いたのは発射される寸前だった。
「梨花ちゃん! ごめん!」
「えっ!? きゃ!?」
潤は一旦梨花を突き飛ばし飛び退いた。
瞬間、潤たちがいた所に銃弾が走った。
間一髪だった。

だがこれで終わるわけが無い。
直ぐに第二射が始まった。
潤は直ぐに
「梨花ちゃん! 逃げるぞ!」
「ええ! って、潤何するの!?」
潤は梨花を抱きかかえ、梨花が銃弾にあたらない様にし、駆け出した。
梨花は守りたい、その一心だった。

「なるべく遠く、隠れられる場所に!」
そして目指したのは少し遠くにある樹が覆う繁み。
樹や草がもっと沢山有る所なら狙い撃ちはされないだろうと考えたからだ。
銃弾を迫り来る中、潤は必死に繁みに向かった。

「何であんなもん支給されてんだよ!」
潤はただ驚いていた。
まさかあんなものまで支給されているとは思わなかった。
しかもそれが殺し合いに乗った人間に渡っているとは最悪だった。
とはいえ潤もここでくたばるわけには行かなかった。
梨花を守る。
そのために必死に銃弾から逃げていた。


「……この! ちょこまかと!」
舞は少し焦っていた。
一発で終わると思っていたのに終わらなかった。
無駄に弾を使いたくなかったが逃がすわけにはいかなかった。
せめて1発でも当たればいい。
普通の銃と違いこの一発は致命的だ。

「そう、簡単に当たってたまるか!」
だが当たらない。
潤は細かく動き射程から外れていた。
繁みまで距離が無い。
潤が逃げられるのも目前だった。

(……逃すものか……佐佑理……お願い、力を貸して!)

舞を動かすのは佐佑理のため。
ただそれだけ。

「……絶対殺さなきゃ……佐佑理が……佐佑理が! 佐佑理が! 佐佑理が! 佐佑理がああああ!!」

その必死の願いは

「があぁぁ!!」
「潤!?」
「……大丈夫……掠っただけだ」

遂に届いた。


舞が放った弾は潤を掠ったらしい。
だがそれでいい。
掠っただけでも高威力なのはとっくに舞は知っていた。

それでも潤は足を引きずり繁みに辿り着きを身を隠した。
だが舞は焦らなかった。
後はあの男が流した血の跡をたどれば追いつけるはず。
そう思いキャリバーをバックに仕舞いニューナンブを取り出した。

そして辿ろうとした時繁みの中から
「佐佑理?……あんた、川澄舞か?」
「……そうだけど……それが?」
「いや……別に何でもない」

舞が疑問に思った瞬間、
「!?」
突然息が出来なくなるような感覚が体を襲い地に伏せた。




 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





繁みに隠れた潤はすぐさまパソコンを取り出し準備を始めた。
「微粒電磁波」を使う為に。
そして名前の目星はついていた。
彼女は着ていた制服は自分と同じ所のものだ。あんなに短くはなかったが。
そして叫んだ佐佑理と言う名前。

だが確認の為、潤は尋ねて見た。
「佐佑理?……あんた、川澄舞か?」
「……そうだけど……それが?」
「いや……別に何でもない」
そう舞が肯定した瞬間迷い無くボタンを押した。

そして聞こえる人が倒れるような音。

彼女はおそらく3分間は動けないだろう。
だが3分間したら動き出すだろう。
そう、3分間。


「さあ、逃げましょう。潤」
梨花はそう言い駆け出そうとした。
しかし潤は動かなかった。
いや動けなかったのだ。

舞が放った銃弾は掠ったのではなく潤の右足と脇腹を貫いていた。
足はもう走るのことはおろか歩く事すら困難なほどに。
ここまでたどり着いたのが奇跡とまで言えるほどだった。
脇腹も致命傷といっていいほどだった。
普通の銃だったらここまでにはならなかっただろう。


「……悪い、梨花ちゃん……俺は付いていけない……こんな怪我じゃ無理だ……梨花ちゃんだけでも逃げてくれ……俺はここまでみたいだ」
「そんな!? 掠っただけって言ったじゃない!? 嫌よ! 潤をおいていけない!」


――残り2分50秒。


潤は諦めた様に笑みを浮かべ
「いや駄目だ……梨花ちゃん……後3分間もある……十分だ……その間に伝える事、伝えるから」
「嫌よ!……たった3分しかないなんて……そんな……やっと手がかりを見つけたというのに……なんで」
3分間、それは潤にとって十分な時間で梨花には短すぎた。
梨花は怖かった。圭一を失ったばかりだというのに、潤まで失いたくなった。
生きる勇気がなくなりそうで。
それほどまで潤の存在は梨花の中で大きくなっていた。

潤は自分の荷物から二つの道具を取り出し、残りを梨花の前に突き出し
「これ……俺の荷物……銃もパソコンもある……本当は……梨花ちゃんに銃なんか……使わせたくなかったんけどな」
「嫌……潤……お願いだがら……一緒に来てよぉ……失いたくない……」
梨花は潤の言葉を聞かずただ震えていた。
ただ恐怖が心をしめた。


――残り2分20秒。


潤はそんな梨花の手を握り締め梨花の顔を見つめ
「梨花ちゃん……ごめん……でも俺は梨花ちゃんに生きて欲しい……どんな辛い事があったとしても……生き延びて欲しい」
「でも! 私は潤をおいて逃げられない!」
「梨花ちゃん! ここで留まったりしたら……風子の願いはどうなる……あいつ、最後まで生きてほしいといっていた……そんな俺と風子の思いを無駄にするのか」
潤は強くそう言った。
たとえそれが梨花を突き放す言葉と解っていても。意地悪の返答だとわかっていても。
ただ梨花を勇気付けたいと思って。独りで生きていける勇気を。


――残り2分。


梨花は震えるのをやめ潤の方を向いた。
梨花の顔には涙がいっぱいだった。
「潤の馬鹿……馬鹿……馬鹿ぁ! そんな事言われちゃ反論できないじゃない! ずるい、ずるい、ずるいわ!」
そう言い潤の体をぽかぽかと叩いた。
そして梨花は解ってしまった。
潤ともう一緒に行けないという事。
でも悔しくて、悔しくて仕方なかった。潤と一緒にいきたかったのに何も自分は潤にはできなくて
そんな梨花に潤は
「ごめん……ごめんな……本当にごめん」
そっと抱きしめた。
できる事ならずっとこうして居たかった。
でも時は流れていく。それは変わり様もなかった。


――残り1分30秒。


そして潤は改めて梨花の方を向き
「聞いて欲しいんだ、梨花ちゃん。風子の残した情報はきっと役に立つ。だから他の仲間に伝えて欲しい。朝倉達がいいけど無理なら、そうだな独りも殺してない奴がいい」
「一人も?」
「そうだ、もうこんな時間に経ってるのにまだ誰も殺してないってことは殺し合いに乗ってない可能性のほうが高いから」
「……解ったわ」
「なら……行って……梨花ちゃん……もう全部伝えたから……手遅れになる前に」
そういく様に諭した。

――残り1分。

だが梨花は留まっていて
「潤は怖くないの……もうすぐ死んじゃうのよ」
「怖いさ……怖い……」
「なら……なんでそう言えるのよ! 私は潤が死ぬが怖い! 潤をおいていく勇気なんか私は無い!」
梨花はそれでも怖かった。
どんなに潤が生きろといっても、潤が死ぬほうが怖かった。

――残り40秒。


そんな梨花に潤は笑顔を浮かべ
「しょうがないな……なら……勇気……あげるよ」
「え?」
潤は顔を真っ赤にしながら
「いいか俺は、ロリでも、ぺドでもないからな! 絶対に……たぶん……きっと……そうだと願いたい」
そういいきって梨花を潤の方によせ

「!?」

キスをした。
それはとてもしょっぱくて温かいものだった。


――残り30秒。


「勇気でただろ?」
梨花も顔を真っ赤にしこう言った
「……変態」
「あーそんな事言うなよ! やらなければよかった」
「嘘よ……ありがとう」
梨花は笑いながら言った。
潤のその行動が梨花に勇気を与えてくれたのは確かだった。
潤はそんな梨花に
「……俺も死ぬは怖い……でも梨花ちゃんを守れた……生きてくれる……そう思ったら勇気がでるんだ……だから……梨花ちゃん……生きろよ……俺と風子の分まで」
「ええ……ええ、解ったわ……解ったわ」
梨花は自分に言い聞かせるように言った。

――残り十秒。

潤は梨花に
「行って! もう時間がない! 出来るだけ遠くに!」
そう言った。
別れの時は来た。
梨花は少し戸惑うもやがて

「潤! ボク、頑張るのですよー!」

そういい涙たっぷりの笑顔を向け駆け出した。

最後の最後で自分を偽った。
今に悲しみや絶望で溢れそうな心を抑える為に。
伝えたかった事が沢山有ったのに。
もう潤に会えないという悔しさ
でも潤のキスが勇気をくれた。
だからどんなに辛くても駆け出せた。
潤の思いを無駄にしない為に。

そして3分が過ぎた。いろいろなものを残して。


(梨花ちゃん……頑張れよ……応援してるからな)
潤はそう去っていった梨花を前に思った。
(俺も簡単にくたばる訳には行かない! せめて一泡吹かせてやる!)
潤もこのまま簡単に死ぬわけにはいかない。
せめて舞に一泡吹かせたかった。
そのために二つの道具を用意した。
でも少し不安になり
(俺に……出来るのか? こんな満身創痍で?)
そう思った瞬間
どこからか懐かしい声が聞こえた。

(諦めるのか! 北川? お前はそんな男だったのか! 違うだろ!)
(北川さん、頑張ってください。最後まで諦めないでいください!)

そうなき親友と風子の声が。
幻聴かもしれない。
でもそれは北川に勇気をくれた。

(そうだよな2人とも。頑張ってやるさ!)

そして足跡が聞こえてくる。
舞の足音だろう。
そして潤は準備を始めた。

文字通り最後の足掻きの為に。




 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・





(……何? あれ? 動けなくなった)
舞は3分経ってやっと動けるようになった。
未だに少し苦しい。
逃げられたかとも思ったが攻撃は当たったのだ。
取り敢えずは動けなくなっているだろう。
そう判断し男が流した血の跡を辿っていった。

そして辿りたついた先には
(もう……死んでる)
樹にもたれ全く動かなかった男がいた。
そこには血溜まりが出来ていた。

(女……何処行ったんだろう?)
そう思い一旦視線を逸らした。

だがそれがいけなかった。
「うおおおおおおお!!!」
そう死体がいきなり動き出し何かを投げた。
途端舞の視界を黒くてもじゃもじゃしたのが覆った。

そう潤は死んではなくフリをしただけ。
そして投げたのはあのチンゲラーメン。


「……うっとうしい!」
舞がすぐにチンゲを振り落とすと目の前には、かまを持って襲い掛かろうとする潤がいた。

潤の攻撃が首に当たる刹那
「……まだ……死ねない」
舞は手に持った銃を撃った。

「ぐっ!?」
弾は潤の右胸に当たり、潤はそのまま崩れ落ちそうになった。

(俺は何も出来ないも死ぬのか? 違うだろ!)

そして潤の頭に浮かぶのは

①ハンサムで幼女にモテモテなクールガイ、北川は諦めないで最後の一発を食らわす。
②仲間が助けに来てくれる
③殺される。現実は非情である

あの三択だった。

当然、潤の答えは

「①に決まってるだろうおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

決まっていた。
そして持ち直し

「食らえええええええええ!!」
鎌を舞の右目に突き刺した。


「……痛!」
舞に強烈な痛みが襲った。
右目が熱い。
だが目よりも先にやる事がった。
「……いい加減しんでっ!」
そう言い放って潤に向かってもう一度銃を撃った。

今度は左胸に当たり遂に

「り……か……ちゃ……ん。が……ん……ば…………れ」

潤は倒れ今度こそ二度と動かなくなった。







 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・









私はただ走っていた。ただ今は遠くに。
潤が私に思いを託したんだ。
ここでへこたれてたら潤の思いを無駄にする事になる。
だから一生懸命走っていた。

でもそんな私の耳に聞こえた二つの音。
それは銃声。
それを聞いた瞬間足に力が入らなくなってしまった。

「嘘……ああ……潤……潤!」
彼が持っていた銃は私に託された。
つまりあの銃声は私達を襲った人間――舞だったか――が出した音だろう。

そう潤は死んだのだ。

「あ、あああああああぁぁぁぁ!!!」

堪らなくなり涙が出てきた。
悔しかった。
やっと一緒に肩を並べて行けると思ったのに。
これからだったのに。

たった3分しかなかった。
まだ伝えたい事沢山有ったのに。
全然伝えられなかった。

挫けそうになる。
もうここで諦めようか?


そう思った矢先
こんな声が聞こえてきた。


――梨花ちゃん! 頑張れよ! 応援してるからな!――


ただの思い違いかもしれない。
潤の声がきこえるなんて。

でも元気が出た。
彼の声はいつでも私を元気付ける。

だから

「行きましょう。まだはしれるわ。潤から勇気も元気ももらった。まだ辛いけど大丈夫。うん、大丈夫」

私はまた走り出した。
今度は止まらない。

絶対、風子が残し潤が託したこの希望を届ける、諦めない。

潤ありがとう。
貴方からキスしてもらった勇気、絶対なくさない。


孤独と絶望に胸を締め付けられ心が壊れそうになるけれど
思い出に残るあなたの笑顔が私を励ましてくれる。

だから私は生きていきます。
ね? 潤。




【C-6 マップ左下/2日目 午前】


【古手梨花@ひぐらしのなく頃に祭】
【装備:催涙スプレー@ひぐらしのなく頃に 祭  暗号文が書いてあるメモの写し
     ヒムカミの指輪(残り1回)@うたわれるもの 散りゆく者への子守唄 】
【所持品:風子の支給品一式(大きいヒトデの人形 猫耳&シッポ@ひぐらしのなく頃に祭、風子特製人生ゲーム(元北川の地図) 百貨店で見つけたもの)】
【所持品2:支給品一式×2(地図は風子のバックの中)、チンゲラーメン(約3日分)、ゲルルンジュース(スチール缶入り750ml×3本)
     ノートパソコン、 ハリセン、バッテリー×8、電動式チェーンソー×7、出刃包丁、
     食料品、ドライバーやペンチなどの工具、他百貨店で見つけたもの 、コルトパイソン(.357マグナム弾2/6)、首輪探知レーダー(現在使用不能)、車の鍵
【状態:頭にこぶ二つ 軽い疲労、精神的疲労大 深い悲しみ】
【思考・行動】
基本:潤と風子の願いを継ぐ。
1:別入り口の場所を伝える
2:他の参加者から首輪を手に入れる
3:とりあえず朝倉純一の元へ行く
4:仲間を集めたい
5:死にたくない(優勝以外の生き残る方法を探す)


【備考】
※皆殺し編終了直後の転生。鷹野に殺されたという記憶はありません。(詳細はギャルゲ・ロワイアル感想雑談スレ2>>609参照)
※純一、きぬをかなり信用しています。土永さんに関しては信用と言うより純一と一緒ならほっといても大丈夫だろうという感情のほうが大きいです
※梨花の服は風子の血で染まっています
※チェーンソのバッテリーは、エンジンをかけっ放しで2時間は持ちます。
※電線が張られていない事に気付きました。
※『廃坑』の別入り口はc-5にあると認識してます。
※禁止エリアは、何かをカモフラージュする為と考えています。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての知識を得ました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※塔の存在を知りました
※月宮あゆ、佐藤良美をマーダーと断定、警戒
※高嶺悠人、千影、倉成武をマーダーとして警戒(断定はしていない)
※当面は病院を目的地にしていますが変えてもいいです。
 レーダーが使えなくなったので現在地検索機能を使って探す方法も考えています
 電池が何本必要かなどは後続の書き手に任せます

【補足】
※北川たちの通ったルートでは通行が困難だったため、車はB-5の真ん中のあたりに放置しています。
 戦闘で車の助手席側窓ガラスは割れ、右側面及び天井が酷く傷ついており、
 さらに林間の無茶な運転で一見動くようには見えませんが、走行には影響ありません。
 ガソリンは残り半分ほどで、車の鍵は梨花が持ってます。









(……くっ……右目が無くなった)
潤を殺し終わった後舞は直ぐに鎌を引き抜いた。
だが鎌には右目が突き刺さっておりそして舞は右の方がよく見えなかった。
当然だ。右目がなくなったのだから。

(……関係無い。私は佐佑理が無事ならそれでいい)
だが舞はそれすらも関係なかった。
全ては佐佑理の為。
当然来る右目を失った痛みをすら無視して。

舞は殺した男を見た。
どこかで見たことあると思った人間だと思った。祐一の友達だったか。

でもそんなの舞には関係なく
(……行こう)
そこから立ち去ろうとした。

だが

「……っ!?」
何も無い所でこけてしまった。
どうやら右目を失った事で距離感覚や平衡感覚がおかしくなってしまったらしい。

(……治療した方がいいか……病院に行こう)
そう舞は思い今度足元を気をつけて改めて出発した。

(……佐佑理……待ってて)

全ては佐佑理の為。
だがその佐佑理はいないことに未だに気付いてはいない悲しき隻眼の剣士の行く末はどうなるのだろう?




【C-6 左下/二日目 午前】






【川澄舞@Kanon】
【装備:草刈り鎌、学校指定制服(かなり短くなっています) ニューナンブM60(.38スペシャル弾3/5)】
【所持品:支給品一式 永遠神剣第七位"存在"@永遠のアセリア-この大地の果てで-、ニューナンブM60の予備弾15、ブラウニング M2 “キャリバー.50”(ベルト給弾式、残弾50)、ハンドアックス(長さは40cmほど) 】
【状態:右目喪失、肋骨にひび、腹部に痣、肩に刺し傷(止血済。痛いが普通に動かせる)、太腿に切り傷(止血済。痛いが普通に動かせる)、魔力残量70%、深い喪失感】
【思考・行動】
基本方針:佐祐理のためにゲームに乗る
0:病院を目指し治療。
1:優勝を目指すため、積極的に参加者を襲う。
2:佐祐理を救う。
3:全ての参加者を殺す。千影であろうと誰であろうと関係ない。
4:多人数も相手にしても勝ち残れる、という自信。





【備考】
※永遠神剣第七位"存在"
 アセリア・ブルースピリットが元の持ち主。両刃の大剣。
 魔力を持つ者は水の力を行使できる。舞は神剣の力を使用可能。
 アイスバニッシャー…氷の牢獄を展開させ、相手を数秒間閉じ込める。人が対象ならさらに短くなる。
 ウォーターシールド…水の壁を作り出し、敵の攻撃を受け止める。
 フローズンアーマー…周囲の温度を急激に低下させ、水分を凍結させ鎧とする。
 他のスキルの運用については不明。
※永遠神剣の反応を探る範囲はネリネより大分狭いです。同じエリアにいればもしかしたら、程度。







 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・






結局童貞のまましんじまったよ……俺。
俺は風子を殺した罪を償えたのかな?

そんな俺の耳に懐かしい声が聞こえた。
「まったく、北川さんを向かいにいく役目なんてぷち最悪です」
「風子!」

風子の声だった。
俺は風子に気になったことを聞いた。
「俺は罪を償えたのかな? 風子?」
「解りません。でも北川さんは頑張りました、十分に。それでいいんじゃないですか?」
風子は笑顔でいった。

「そうか、ならいいや、うん、いいんだ」
「なら行きましょう。相沢さんって人も待ってますよ」

最後に俺は振り返り生きてる梨花ちゃんにエールを送った。
伝わるといいけど。

「梨花ちゃん! 頑張れよ! 応援してるからな!」



【北川潤@Kanon 死亡】



190:CARNIVAL 投下順に読む 192:終着点~侵されざるもの~
190:CARNIVAL 時系列順に読む 193:贖罪/罪人たちと絶対の意志(前編)
186:牢獄の剣士 川澄舞 195:覚醒、決意、そして……アサクラジュンイチ(前編)
188:三つの不幸、一つの見落とし 北川潤
188:三つの不幸、一つの見落とし 古手梨花 197:Miyanokoujimizuho's Mistery Reportage






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