第四回定時放送 ◆UcWYhusQhw
ここは何処かのブリッチそれともどこか広いオフィスともいえる場所。
部屋に設置されてるモニターから必死に抗おうとしている儚い人間達が所狭しに映っていった。
部屋に設置されてるモニターから必死に抗おうとしている儚い人間達が所狭しに映っていった。
ゲームはいよいよ半数をきり中盤になった。
鷹野の計画は順調に進んでいた。
鷹野の計画は順調に進んでいた。
中央に陣取っていた鷹野は目を閉じスピーカーから聞こえる絶望の声、怒りの声を聞き悦に浸っていた。
そんな鷹野の楽しみな時間をさえぎる声が一つ。
「鷹野様、放送の時間が近くなりましたが……」
鷹野は面倒くさそうに言うが報告したものには驚愕の一言を言った。
「ああ、今回、やらないわ」
「え……?どう云う事ですか!? やらないなんて!?」
「え……?どう云う事ですか!? やらないなんて!?」
驚くその兵士を見て鷹野は自分の言葉の間違いに気付き
「ああ、放送はやるわ。でも私はやらないわ」
「では誰が!?」
「もうすぐ来るわ。その人は私達とは別の世界の人間。そう、このゲームを楽しむただの観客よ」
「観客? 誰なのですか?」
「ああ、放送はやるわ。でも私はやらないわ」
「では誰が!?」
「もうすぐ来るわ。その人は私達とは別の世界の人間。そう、このゲームを楽しむただの観客よ」
「観客? 誰なのですか?」
その兵士の問いに答えるかのように部屋の入り口から人間が現れた。
そうその者こそ別の世界の人間。
ゲームを楽しむただの観客。
その名は――
ゲームを楽しむただの観客。
その名は――
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「参加者の皆さん、元気にしてたかい?
定時放送の時間が来たよ。
今回は鷹野ではなくこの僕、ハウエンクアが放送するよ。
僕?
僕はただの客だよ。
このとても面白いゲームをみる観客さ。
定時放送の時間が来たよ。
今回は鷹野ではなくこの僕、ハウエンクアが放送するよ。
僕?
僕はただの客だよ。
このとても面白いゲームをみる観客さ。
それにしても君達はなんて面白いんだ!
君達のその表情!
君達のその声!
絶望や怒りにみちた君達を見るだけでとても楽しいよ!
君達のその表情!
君達のその声!
絶望や怒りにみちた君達を見るだけでとても楽しいよ!
君達も楽しいんだろ?
だって人を殺そうとしている君達の声! その表情!
とても楽しそうだよ!
だって人を殺そうとしている君達の声! その表情!
とても楽しそうだよ!
別に決して悪い事じゃないんだよ。
人は元々そんな生き物さ。
だからもっともっと人を殺せばいいんだよ!
人は元々そんな生き物さ。
だからもっともっと人を殺せばいいんだよ!
そのほうが僕にとっても楽しいからさぁ!
ひゃーひゃーひゃーひゃひゃひゃひゃーーーー!!!
ひゃーひゃーひゃーひゃひゃひゃひゃーーーー!!!
おっと大事なものを忘れる所だったよ。
禁止エリアの発表から始めるよ。
まず2時からG-7、それから4時からG-2
もう一度言うよ2時からG-7、それから4時からG-2
禁止エリアの発表から始めるよ。
まず2時からG-7、それから4時からG-2
もう一度言うよ2時からG-7、それから4時からG-2
しっかり聞いてて欲しいな。
間違えて入って死んじゃうんなんて見ててつまんないからね。
間違えて入って死んじゃうんなんて見ててつまんないからね。
その次は死亡者の発表だよ。
死んだ人間に価値は何かないけどさ、一応聞いておきなよ。
まあ、人殺しにとっては誰でもいいかも知れないけどさ。
死んだ人間に価値は何かないけどさ、一応聞いておきなよ。
まあ、人殺しにとっては誰でもいいかも知れないけどさ。
――第二回放送から今までの六時間で死亡したものは
トウカ
国崎往人
伊吹風子
春原陽平
ネリネ
国崎往人
伊吹風子
春原陽平
ネリネ
以上五人だよ。
少しペースが落ちたかな?
ダメだなあ、もっと頑張って殺さなきゃ。
いつまで経っても終わらないよ。
まあ長い方が僕が見てる分には楽しいけどさ。
ダメだなあ、もっと頑張って殺さなきゃ。
いつまで経っても終わらないよ。
まあ長い方が僕が見てる分には楽しいけどさ。
これで放送終わりだけど君達はこの殺し合い楽しんでくれよ。
僕も参加したいけどそれはできないからさ僕の分まで殺してくれよ。
人殺しなんて普段出来ないから思う存分やっちゃってよ。
僕も参加したいけどそれはできないからさ僕の分まで殺してくれよ。
人殺しなんて普段出来ないから思う存分やっちゃってよ。
じゃあまた6時間後、会えることを楽しみにしてるよ
ひゃーひゃーひゃーひゃひゃひゃひゃーーーー!!!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「よく分かんなかったけどこれでいいのかい? 鷹野?」
「ええ、上出来よ。ハウエンクア」
「ええ、上出来よ。ハウエンクア」
放送を終えたハウエンクアに鷹野がねぎらった。
そう客とはハウエンクア。
「しかしこんな楽しい事が起きてるのにどうして参加させてくれないんだい? むしろこれから参加していいかい?」
「駄目よ。どんな事があってもね」
「へえ、こんなに頼んでもかい!?」
「ええ、私の計画を狂わせたら……解ってるわよね?」
「駄目よ。どんな事があってもね」
「へえ、こんなに頼んでもかい!?」
「ええ、私の計画を狂わせたら……解ってるわよね?」
互いに睨み合う。
ハウエンクアは元々好戦的な人間だ。
彼が見物客でずっと居たがる訳がなかった。
一触即発の空気が流れた所、それを止める者が現れた。
ハウエンクアは元々好戦的な人間だ。
彼が見物客でずっと居たがる訳がなかった。
一触即発の空気が流れた所、それを止める者が現れた。
そうその者も別の世界の人間だった。
ハウエンクアと面識がある者。
それは――
ハウエンクアと面識がある者。
それは――
「そこまでだ。ハウエンクア。自分達は鷹野殿達を守るのが役目。それを放棄するなど許される事ではない」
ヒエンだった。
ハウエンクアが舌打ちをし苛立って
「ちっ、ヒエンか。よくも邪魔をしてくれたねぇ……まあ、いいや。興味がなくなちゃった。何かあったら呼んでね」
踵を返し部屋からでていった。
「ちっ、ヒエンか。よくも邪魔をしてくれたねぇ……まあ、いいや。興味がなくなちゃった。何かあったら呼んでね」
踵を返し部屋からでていった。
そんなハウエンクアを見送ってから
「大丈夫でしたか、鷹野殿」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう、ヒエン」
「いえ、大した事ではありません。ですが、鷹野殿。聞きたいことがあるのですが」
「大丈夫でしたか、鷹野殿」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう、ヒエン」
「いえ、大した事ではありません。ですが、鷹野殿。聞きたいことがあるのですが」
そこでヒエンはずっと疑問に思っていた事を疑問に思った事をいった。
「この殺し合い、本当に意味があるのですか? これは戦とは違う、ただの醜い人殺しです。自分はこれに賛同する事はできません」
ヒエンはハウエンクアとは違い、祖父ゲンジマルから受け継いだ義の心を持っている。
そんなヒエンからするとこのゲームを賛成する事などとてもできない事であった。
そんなヒエンからするとこのゲームを賛成する事などとてもできない事であった。
「そうねぇ……ヒエン、あなたからすると納得できないわねぇ。でも教えることはできないわ」
「なぜですか!? 自分はこんな殺し合いなど……」
「黙りなさいヒエン。貴方も契約者なのでしょう? 黙って指示されたどおり私達を守っていればいいの」
そういいきった鷹野には何も寄せ付けない雰囲気があった。
それはまるで悪魔の様に。
「なぜですか!? 自分はこんな殺し合いなど……」
「黙りなさいヒエン。貴方も契約者なのでしょう? 黙って指示されたどおり私達を守っていればいいの」
そういいきった鷹野には何も寄せ付けない雰囲気があった。
それはまるで悪魔の様に。
そんな鷹野に押されヒエンは
「……わかりました。自分は自室に戻ります。何かあったら呼んでください」
そういい彼も部屋を出て行った。
「……わかりました。自分は自室に戻ります。何かあったら呼んでください」
そういい彼も部屋を出て行った。
そんな一連の出来事を鷹野の部下たちが呆けて見ていたが、いち早く回復した一人の部下が
「鷹野様、何故あのような者達を連れてきたのですか!?」
誰もが疑問に思っていた事をいった。
自分達を守るといっても自分たちとて特殊部隊「山狗」なのだ。
そんなほかの世界から連れてきた人間に守られるほど弱くない。
それにハウエンクアはどこか精神がおかしい所があるし、ヒエンにいたってはゲームを頭から否定している。
故に何故連れてきたか鷹野に疑問を抱くのは当然だった。
「鷹野様、何故あのような者達を連れてきたのですか!?」
誰もが疑問に思っていた事をいった。
自分達を守るといっても自分たちとて特殊部隊「山狗」なのだ。
そんなほかの世界から連れてきた人間に守られるほど弱くない。
それにハウエンクアはどこか精神がおかしい所があるし、ヒエンにいたってはゲームを頭から否定している。
故に何故連れてきたか鷹野に疑問を抱くのは当然だった。
そんな部下の疑問に面倒くさく
「私だってよく分からないわ。私達を守る為に連れてきたといったけど大半が「戯れ」だそうよ」
「戯れ? 鷹野様に指示するものがいるのですか? それに契約者とは?」
高野は口が滑ったと思い、部下を睨み
「それは貴方が知ることではないわ」
「私だってよく分からないわ。私達を守る為に連れてきたといったけど大半が「戯れ」だそうよ」
「戯れ? 鷹野様に指示するものがいるのですか? それに契約者とは?」
高野は口が滑ったと思い、部下を睨み
「それは貴方が知ることではないわ」
部下はそんな鷹野の態度にしり込みし
「……解りました」
「ならいいのよ。それよりあの後の月宮あゆは」
「……解りました」
「ならいいのよ。それよりあの後の月宮あゆは」
鷹野はそこで話を止め今までずっと調べていた事に話題をずらした。
それはあゆの事だった。
それはあゆの事だった。
突然の事だった。
もう瀕死状態だったあゆいきなり回復したのだ。
しかもあゆの盗聴機能が壊れていたので何故回復したのかは不明。
ついには1番の殺害数を誇る国崎往人を殺害したのだ。
もう瀕死状態だったあゆいきなり回復したのだ。
しかもあゆの盗聴機能が壊れていたので何故回復したのかは不明。
ついには1番の殺害数を誇る国崎往人を殺害したのだ。
それでさっきまで司令部は軽いパニックになっていた。
「いえ、まだ原因はわかっていません」
「本当におかしいわ。あの後月宮あゆが遭遇したのは大空寺あゆだけ、なのにいつ誰がどんな方法で治療したというの? 解せないわね」
「本当におかしいわ。あの後月宮あゆが遭遇したのは大空寺あゆだけ、なのにいつ誰がどんな方法で治療したというの? 解せないわね」
他に予定外が一つ。
「まさか朝倉純一達がもう一度固まるとはね。分解すると思ったのに。あの甲殻類、余計な事を。それに朝倉純一はまだ理想掲げているのね」
「まさか朝倉純一達がもう一度固まるとはね。分解すると思ったのに。あの甲殻類、余計な事を。それに朝倉純一はまだ理想掲げているのね」
朝倉純一たちがもう一度固まった事だ。
自分が介入した事でばらばらになると思っていたのだがきぬのお陰で固まってしまった。
きぬに何もしなかった自分のミスでもあるのだが。
そして純一の綺麗すぎる信念にも寒気がしてきた。
どうやら鷹野は純一に生理的嫌悪感を抱いてるようだ。
自分が介入した事でばらばらになると思っていたのだがきぬのお陰で固まってしまった。
きぬに何もしなかった自分のミスでもあるのだが。
そして純一の綺麗すぎる信念にも寒気がしてきた。
どうやら鷹野は純一に生理的嫌悪感を抱いてるようだ。
だが計画通りに動いてるのもあった。
「伊吹風子が死んだわね。よくやってくれたわ。私の言葉を信じて殺してくれるなんて! これで厄介な人間外一人減ったわ」
「伊吹風子が死んだわね。よくやってくれたわ。私の言葉を信じて殺してくれるなんて! これで厄介な人間外一人減ったわ」
そう風子が死んでくれた事だ。
彼女はリピーターであり今後脱出に関わる事で役に立つと思い、邪魔するために潤に仕掛けたのだが
ここまで綺麗にはまってくれるとは思わなかった。
これで鷹野にとって邪魔な人間が減った。
彼女はリピーターであり今後脱出に関わる事で役に立つと思い、邪魔するために潤に仕掛けたのだが
ここまで綺麗にはまってくれるとは思わなかった。
これで鷹野にとって邪魔な人間が減った。
「ふふ……何も心配する事なんかないわ、計画通り、計画通りよ」
鷹野の計画は若干の狂いはある物の、確実に進んでいた。
【残り25人】
168:悪意の夢は終わって始まる(後編) | 投下順に読む | 170:決着は、初めて出会った場所で――(前編) |
168:悪意の夢は終わって始まる(後編) | 時系列順に読む | 170:決着は、初めて出会った場所で――(前編) |
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(後編) | 鷹野三四 | 182:第五回定時放送 |
ハウエンクア | 182:第五回定時放送 | |
ヒエン | 182:第五回定時放送 |