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彼女たちの流儀 ◆tu4bghlMI


「つ…………だる……」

急に、眼が覚めた。
ゴシゴシと眼を擦りながら、自問自答。


あたしは誰?――大空寺あゆ。
今どうしてこんな所にいる?――鷹野とか言う糞ボケに殺人ゲームに参加させられている。
当面の目的は?――佐藤良美と一ノ瀬ことみをブッ殺す。


……オーケイ、正常だ。すぐさま時間を確認。
丁度十一時になったぐらい、か。
床についたのが八時だから丁度三時間あまり眠っていた事になる。
うん、結構な休息を取る事が出来たのではないだろうか。

この状況下で三時間の睡眠。
十分過ぎる程のアドバンテージだ。もうすぐでゲームが始まってから一日が経過する。
さすがに二十四時間起きっ放しで身体に支障を来たさない人間は極少数のはず。
ゲームに乗った人間も乗っていない人間も含めて、だ。


壁に立て掛けてあったデイパックを背負い、立ち上がる。

……ああ、やっぱ無理か。痛みは完全に引いてはいなかった。
そう簡単にこの気だるさが無くなる訳がないのだ。
お馴染みの下腹部で鉛が暴れ回っている感覚。
"女"として生まれたからにはずっと付き合っていかなければいかないもの。
散々理解している事だから今更何を言う必要も無いのだが。

まぁソレでも眠る前とは雲泥の差だ。
これならば動くのが無理と断定する程の支障は無い、はず。
軍隊の女兵士が一般的ではない理由をこんな所で実感した。


あたしはその後、薬局と洋装店に寄り必要な道具を入手してから、住宅街を後にした。


 ■


何故あたしは数時間前に来た道をもう一度辿っているのだろうか。
そんな疑問が湧くが封殺。
こんな生きるか死ぬかの場面でも好奇心には勝てない場合もあるのだ。

目的はただ一つ。
『月宮あゆ』の死に様を拝む。コレだけだ。

彼女の名前は第三回放送では呼ばれなかった。
確かにあの時点ではあたしがアイツを放置してF-5を出てから、一時間も経っていなかった。
最後に見た時、生きてはいたのだから意外とアイツは体力が残っていたという事だろう。そうに決まっている。


だが今は状況が異なるのだ。
月宮あゆと別れてから約六時間が経過。
ここまで来れば"奴は100%死んでいる"と自信を持って言える。


万が一生きているとすれば、ソレは他者の介入があったと言う事。
どうしようも無いお人よしがアイツを介護し、命を永らえさせたという可能性だ。
が、もちろん現実的な考えではない。
と言うかあそこまで血を流してボロボロになった人間を延命させる事の出来る名医など存在するはずがない。
腕が一本もがれるくらいの傷なのだ。どう考えても出血多量で死んでいるはず。





……ほら見えて来た。例の血塗れのトロッコだ。血の臭いもプンプンする。
遠目からでも分かる。未だに箱の中には男の死体。そしてその影には月宮あゆの死体が……ッ!?

「馬鹿なッ!!!!」

瞬間、あたしは駆け出していた。
なぜならトロッコの側には"何も"無かったのだから。

数メートルの距離まで接近する。やはり月宮あゆの姿は無い。何処にも見受けられない。
彼女がまるで消えてしまったか、飛んでいってしまったみたいに。


「はぁ、はぁ、はぁ……」

糞が。何でこんなに息を切らしてんだい。
若干のイラつきを自分自身にぶつける。
この疲労の原因は全力疾走した事じゃない――在り得ない現実に対してだって分かっているのに。

トロッコの周りの状況は、あたしが最後に見た時とほとんど変わっていなかった。
いや、変わった場所を挙げた方が楽か。
つまり"月宮あゆの有無"。コレだけの違いなのだから。


三つ、仮説を立てた。

一つ、予想通り亜沙ばりのお人よしが死ぬ寸前、もしくは死んだ月宮あゆを発見。何らかの手段を使ってどこかに連れ去った。
一つ、あたしの前に突然現れた時と同じようにどこかに飛ばされた。
一つ、月宮あゆはゾンビだった。あの後、普通に自分の足で立ち上がってどこかへ歩いて行った。


……駄目だ。どちらも無理やり紡ぎだした暴論に過ぎない。
特に三つめなんてB級シネマの世界に足を突っ込んでいる。

仮説を立証するための否定材料が多過ぎる。
まず、月宮あゆの状態。
アイツは確実に放っておけば出血多量で死ぬような傷を負っていた。
あたしは医者じゃないから正確な死亡予定時間を割り出す事は出来なかったが、少なくともアレは一、二時間持てば奇跡レベルの重症のはず。

あの後、他の人間と出会ってもアイツを介抱しようとする人間はおそらくほとんどいない。
なにしろ無理やり動かしたら、ソレだけでも死んでしまいそうなくらいの大怪我なのだ。
心根の優しい人間であれば安らかに死なせてやった方がマシ、という判断をおそらく下すはず。

どこかに飛ばされたという仮説も……というか既にコレは仮説とは呼べない。
SF小説では無いのだから、理知的な頭で考える場合こういう考えは取捨するべきである。
とはいえ……正直、コレが一番妥当な案なのが悔しい。
一応、ワープして来たのだからもう一度ワープされる可能性もあるにはあるのだ。


仕方ない、作戦変更だ。
ひとまず放送を待つ。月宮の死を確認する事が先決。
とりあえずはこの血生臭い場所を離れて――ッ!!

「……銃……声?」


聞こえた。確かに相当遠くだが北の方角から誰かが銃をぶっ放す音が。
独特の鼓膜に残響を刻み付ける火薬が爆発する音が響いた。

ゲームに乗った人間が誰かに攻撃したのだろうか。
さすがにこんな時間になってまで、出会った人間を誤射するような馬鹿が生き残っている可能性は低い。
つまりソレは明確な敵意を持って発射された、という事だ。

ふと腰に差したS&W M10が眼に入る。通称、ミリタリーポリス。
適当に和訳すれば軍人警察。
警察、市民を守り悪を退ける存在。

皮肉なものだ。
守るべき者の命をみすみす奪われ、修羅の道を歩む選択肢さえ脳内に浮かべている人間がコレを所持しているなんて。
すぐ側にはおそらくゲームに乗った人間がいるはず。
私はこの銃を何のために使う? 殺すため、守るため? どうすればいいのだろう。



「そうだ……じゃあ、こうしようか」


自嘲気味に呟く。独り言なんて柄でもない。
だけどこうやって声に出してしまった方が考えがまとまる気がした。
そして胸の奥に隠していた感情を吐露する。


「次の放送で月宮あゆの名前が呼ばれたら、あたしはゲームには金輪際乗らない。
 殺すのは佐藤良美と一ノ瀬ことみ――あと諸々の襲い掛かってくる人間だけ」

続ける。

「だけどもしも、もしもの話だけどさ。"月宮あゆの名前が呼ばれなかったら"――あたしはゲームに乗ろうと思う」


まるで隣にいる誰かに語りかけるように。
そうだ、月宮あゆが生きている可能性なんて百万分の一も無い。

ワープ、という非現時的な説を採用してあいつは何処かに飛ばされたとする。
だけどそれで終わりだ。
あれだけの傷がどうにかなる訳が無い。
どんなに腕利きの医者だろうが、たとえ亜沙が使ったような魔法があったとしても完治するはずがないのだ。

亜沙はあたしの傷を治すために命を消費した。
命を賭してもアレが限界。
月宮あゆの命を救うために、何人の命が必要かは勘定も出来ない。


つまりコレはある種、ゲームからの逃避だった。
すぐ側に人殺しがいる。だけどあたしの武器は拳銃一つ、体調も思わしくない。

身体が正常だったら確実にこんな馬鹿げた思考は浮かびすらしなかっただろう。
だけどこの生理特有の倦怠感、気だるさ、そして内臓から浮かび上がる苦痛。
そんな感覚があたしを弱くした。
知り合いの男が一人勝手にのたれ死んだ程度で、悲しくて泣き出しそうになってしまう女を作り出した。


今のあたしはこんなやり方しか出来ない。遠巻きな逃避。
世界中を斜めに見て蹴飛ばして突き進んでいったあたしは何処に行ってしまったんだろう。

空を見上げる。
ああ本当に、ムカつくくらいに今日は月が綺麗だ。




【F-5 平原・トロッコ付近(マップ左)/1日目 真夜中】

【大空寺あゆ@君が望む永遠】
【装備:S&W M10 (6/6) 防弾チョッキ 生理用品、洋服】
【所持品:予備弾丸11発・支給品一式 閃光弾セット(催涙弾x1)ホテル最上階の客室キー(全室分) ライター 懐中電灯】
【状態:生理(軽度)、肋骨左右各1本亀裂骨折、強い意志】
【思考・行動】
行動方針:殺し合いに乗るつもりは今のところ無い。しかし、亜沙を殺した一ノ瀬ことみと佐藤良美は絶対に殺す。
0:放送を待つ(月宮あゆの生死を確かめる)
1:あだ討ちに他の参加者を利用できないかと模索
2:二人を殺す為の作戦・手順を練る
3:ことみと良美を警戒
4:ハクオロとその仲間も警戒、信用するに値しない
5:殺し合いに乗った人間を殺す
6:脱出の手段が優勝しかないなら、優勝を目指す

【備考】
※ことみが人殺しと断定しました。良美も危険人物として警戒。二人が手を組んで人を殺して回っていると判断しています。
※ハクオロを危険人物と認識。ついでその仲間も危険と判断。
※魔法の存在を信じました。
※支給品一式はランタンが欠品 。
※生理はそれほど重くありません。ただ無理をすると体調が悪化します。例は発熱、腹痛、体のだるさなど。
※第四回定時放送で【月宮あゆ】の名前が呼ばれなかった場合、ゲームに乗るつもり(と作者は考えておりますが、詳しくは次の書き手さんにお任せします)





 ■


今、ボクは歩いていた。
どこに通じているかも分からない道を一人で。
まるで何かに脅えるように、肩を震わせながら。


傷が治ってから、目の前からディーさんが消えてから少しの間ボンヤリしていた。
でもどれくらい経ったのだろうか。

『行かなくちゃ』

突如、そんな危機感にも似た衝動に突き動かされボクは重い腰を上げた。



まっすぐ歩く。ただひたすら歩く。
いつの間にか草と大地に覆われた世界は幕を閉じ、家やビルがちらほらと視界に増えて来た。
そういえばボクは今、一体何処にいるのだろう。
海の家で男の人に追われながら、真っ暗な空間に飛ばされて……。

太陽の下に戻ってきた時、目の前に誰かが居たような気もするけどよく思い出せない。


「往人、本当に大丈夫ですか?」
「ああ、心配するな。それより――」
「え?」


カーブを曲がり、突然目の前に三つの人影が飛び込んで来た。

一人は女性。
夜の闇によく映える漆黒のロングヘアーを靡かせる理知的な眼をしたセーラー服を着た女の人。
一人は女性。
青いリボンと黒、と言うよりも若干灰色が掛かった特徴的な髪の毛。そして凄く背の高い、優しそうな女の人。美凪さんだ。

そして最後の一人は――

「往人……さん?」
「あゆ、か? どうしたんだ、お前その格好は……ッ!!」
「あ、あ、あ、」

銀色の髪。特徴的な真っ黒のインナー。
鋭い眼光。高い背。少し渋みの掛かったカッコいい声。
そして――

ボクがこの島で一番最初に出会った人殺し。

「やだぁぁああああああ!!! 殺される、助けてええええええ!!!!」
「おい、あゆ!! 待て!! 逃げるんじゃない!!」

往人さんの存在に気付いた途端、ボクは駆け出していた。
急激なターン。来た道を全速力で。


ずっと考えていた。
『往人さんを説得したい』と。
だけど本人を目の前にした時、そんな考えは陽炎のように頼りの無いものだったことに気付かされる。


怖い。
一度ボクにはっきりとした敵意を向け、命を奪おうとした彼が。


走り去るボクの背後から往人さんの叫び声が聞こえる。

「二人とも、先に港に行っていてくれ!! 俺もあゆを説得してすぐに向かう」
「往人さん、私達も行かなくてよろしいのですか?」
「ああ、大丈夫だ。こんな身体でも何とか追いつけるはずだ。逆に三人で固まって不用意な行動を取る方がマズイ」
「――ッ、分かったわ。しばらく港に留まるから出来るだけ早く帰ってくるように」
「……そう言ってくれると助かる」


そして誰かがコチラに向かって走ってくる足音。
ボクは死に物狂いになって逃げた。


 ■


「うぐぅぅぅぅ!!! やだぁ!! 助けてッ!!」
「あーもう、落ち着けって!! な、頼むよ」

両肩を掴まれてジタバタするボクと一生懸命ボクをなだめようとする往人さん。
静けさに満ちた住宅街でそれは中々不思議な光景だった。


結局、ボクは数分のうちに往人さんに捕まってしまったのだ。
何一つ身体的な問題は無いはずなのに、ボロボロの往人さんにも簡単に追いつかれるボク。
男と女の身体的な差はあるけれど、やっぱり少しだけやり切れない気持ちになった。

ボクが捕まったのが住宅街にポツンと出来た空き地。
『売り出し中』と書かれた看板といくつか積み重なった土管。
きっと子供達の遊び場になっていたのだろう不思議な空間。

「な、俺を信じてくれ、頼むから。俺はもうゲームには乗っていないんだ」
「で、でも往人さん。じゅ……」
「じゅ?」
「銃持ってるんだもん!! その……腰に……」

往人さんがしまった、という顔付きになる。
遅過ぎだよ、いくらなんでも。
そんなものを腰にぶら下げながら『信じてくれ』なんて台詞、あまりにも似合わない。

「こ、これは……そうだッ。じゃあ、お前が持ってろ。ほら、これで安全だ」
「え、ちょ、ボク!? わわわ……お、重いよ」


なんといきなり往人さんは腰のホルダーから拳銃を取り出すと、ボクに無理やりソレを手渡した。
初めて持つ銃の感触は奇妙だった。
とにかく重い。玩具の拳銃型ライターなんかとは比べ物にならない。

「あと……そうだ、コレもやる。どうだ甘いぞ、美味しいぞ?」
「え……そ、それは――ッ!!!」

往人さんの手に握られていたもの。それはボクの大好物。
ディーさんに会う前からずっとずっと焦がれていた――

「たい焼き!!」

ボクの心の中から往人さんを疑う心がすーっと消えていった。
……うん、食べ物に釣られるなんてどこの動物だよっ、って祐一くんに突っ込まれちゃいそうだ。
でも仕方ないもん。
たい焼き、ずっと食べたかったんだから。


 ■


その後、土管を背にして往人さんといっぱいお話した。
何故殺し合いに乗ろうとしたのか、何故止めたのか、今どんな人達と一緒にいるのか、色々と沢山。
聞いた感じだと前原さん達に会ってはいるものの、大石さん達について知っているかどうかは分からなかった。
意図的にその部分には触れないようにしているのだろうか、ソレは分からない。

中でも往人さんが殺した五人の女性の話は耳を塞いでしまいたくなった。
だけどしっかりと聞いた。
ボクも……同じ罪人だから。受け止めてあげられると思ったから。


大丈夫、往人さんなら信用出来る。ボクに対して親身になってくれる。
工場に行きたい、というボクの考えにもちゃんと耳を傾けてくれるはず。
そして……ボクが人殺しだって知っても責めたりしないはず。

「あのねっ、往人さん――」
「本当はな、俺は死んでしまいたかったんだ」

……え?

「でも……今は生きなきゃならない。アイツと約束したんだ。アイツの分も俺が生きるって。幸せになるって」

一瞬胸に宿った期待は脆くも崩れ去った。
往人さんのその一言によって。



"死んでしまいたかった"



十文字。たった十文字の言葉が深く、深くボクの心に突き刺さった。
ううん、言葉じゃない。
本当にボクをズタズタに引き裂いたのは往人さんの表情だった。
キラキラと輝く、太陽のような横顔。誇りに、優しさに、愛情に満ちたそのはにかんだ笑顔だった。

ああ、この人はボクと全然違う人間なんだな、って心の底から思った。


生きる理由を自分以外のものに見出す人殺しと自分以外の誰一人として頼れない人殺し。
生きる力を貰った男と生かされている女。


あなたに今、"生への執着"を与えているのは観鈴さんが残した意志。
その意志はやがて種となり、芽を育み、最終的には大樹となる。
そしてソレが往人さんの根幹を形作ることだろう。

だけどボクには何もない。
未来も残された想いも。
背中には翼なんて生えていない。圧し掛かるのは重く、辛い十字架。
二人の人間を殺した罪。そしてディーさんとの契約を遂行するという命題。
苦くて、何の希望もない絶望に満ち溢れた世界だけだ。

ボクは思ってしまった。
ソレはこのゲームに参加する前のボクからすると、絶対に考えられないような感情だった。
その想いは酷くどす黒くて、薄汚れていて――何よりも狂おしいほどの嫉妬に満ちていた。



 自分が生きていることの意味、大切さが分からないのなら、

 そんなに死にたかったのなら、

 その時いっそ死んでしまえば良かったのに。

 あの男の人みたいに喉を掻き毟って死んでしまえば良かったのに。

 あなたは恵まれているのに。今だって十分幸せなはずなのに。

 それじゃあボクいったいどうすればいいんだろう。



 ■


ボクの中に形容し難い不思議な感情が湧き出した。
それは怒り、言葉に出来ないくらいの強い憤怒。そして相手を妬ましく、羨ましく思う心。
捉えようの無い感情、抑えようの無いマグマのように沸き立つ感情。

何人もの人間の命を奪っておいて、怖い思いをさせておいて、ソレでもアナタは生きている。
その生は何人もの亡骸の上で成り立つ命。
ボク以上に重い罪を抱えて行かなければならないのだろう。
そして殺した人間の全てを背負い、それでもなお"生き続ける"アナタはきっと立派な人間なのかもしれない。
――でも。


ボクはちっとも納得出来ない。


殺した人間の分も自分が生きる? 
そんなの思い上がりだ。エゴだ。汚らしい生への執着だ。

まさか殺した相手が自分を赦してくれると本気で思っているのだろうか。
確かに、そんな人間だっているかもしれない。
笑って全ての罪を受け止めてくれる聖母のような人間と実際に出会っているから、こんなフザケタことを言っているのかもしれない。

だけど全員が全員、そんな人間な訳がない。
苦しんで死んだ。
泣きながら死んだ。
恨みながら、呪いながら、悔しさと自分の不甲斐なさに溺れながら死んで行った人間もいるはずなんだ。
死にたくない、もっと生きていたいって強く願いながら死んでいった人間もいるはずなんだ。
そう、さっきまでのボクみたいに。


ボク達人殺しは生きているんじゃない、生かされているんだ。


その人達のことを本当に考えているのなら、
その口で正義を語るのなら、
本当に後悔したのなら、
改心したと同時に自らの命を絶ってしまえば良かったのだ。

でもアナタはそうしなかった。
生きて欲しい、神尾観鈴さんの意志を受け取り贖罪の生を全うすると決意した。


……正直に言うよ。
ボクはアナタが羨ましい。心の底から嫉妬していると言ってもいい。
生きる理由、周りの人間との関係、大好きな人との触れ合い。
ボクが手に入れることの出来ないものを全部持っている。
どうして、こんなに違うのだろう。同じ人殺しなのに。
自分の意志で罪の無い人間を殺して回っていたアナタの方が罰せられるべきなのに。
そして何よりも妬ましいのはその表情だ。
希望に、明日への生きる意志に満ち溢れた顔付き。
ソレがボクを不愉快にさせる。ボクが本当に惨めで、矮小な生き物だと言うことを意識させられる。

ボクも罪人だ。自分の意志じゃ無いとはいえ、確かに二人の人間を殺したのだから。
その事実を否定するつもりはこれっぽちも無い。
重さに耐えかねて死んでしまいたいと思ったこともある。だけどボクは臆病だった。
それに実際死の恐怖を味わってしまった以上、そんなことはもう絶対考えたりしない。そう決意した。

でもそんなちっぽけな決断はアナタの笑顔に掻き消された。
未来への息吹に満ちた瞳で"死んでしまいたかった"と呟くアナタはボクには眩し過ぎた。


そしてボクは――その瞬間、全てを否定された。



だからボクも――アナタの全てを否定したくなった。




「……一つ、お願いを……聞いてもらってもいいですか」
「お願い……? ああ、いいぞ。俺に出来る事ならなんだって言ってみろ」
「……ください」
「……スマン、よく聞き取れなかった。もう一度、言って貰えるか?」

聞こえなかった?
もう一度?

いいよ、何回でも言ってあげる。
この感情は消せない。何回ピリオドやコンマを打とうが途切れることは無い。

だからこの程度で気分を悪くしたりしない。ムカついたりもしない。
これくらいは問題のうちに入らないんだ。

ボクはスッと立ち上がり往人さんから数メートル距離を取った。
往人さんは不思議そうな顔をしながらボクを見ている。


「……んでください」
「え?」

息を、吸い込む。
強く。
大きく。
そして深く。



「死んでください、ユキトさん」





 ■


冷たい風がボク達の間を通り過ぎた。
頬を撫でる冷たい空気と草笛を鳴らしたみたいな音。
ビュウビュウ産声をあげながらこの地に生まれた突風。
パタパタと、血に塗れて変色したダッフルコートが不快なリズムを奏でる。

何を言われたのかまるで意味が分からない、そんな顔をしながら彼はボクをじっと見つめていた。
狐に摘まれた顔、コレって今のアナタみたいな顔を差すのかもしれない。

これって凄く対照的だな、そんなことを思った。
だってボクは今――本当に良い笑顔をしているはずだから。


沈黙はたっぷりと十二秒。
ボクにとってはいつも通りの十二秒。
だけど彼にとっては一分にも、十分にも、一時間にも感じたんじゃないかな。

彼は動かない。未だボクを見詰め続けている。
……違う、訂正。動かないんじゃない、"動けない"んだ。
うん、多分そう。
だってそういう顔をしているもの。


「な……にを、言って……いるんだ、あゆ」


やっぱり。凄く狼狽している。
ボクはそんな彼の反応をじっと観察しながら、ツカツカと距離を詰める。

彼が一瞬たじろいだ。
もしかして逃げちゃうのかな、そうしたらどうしよう。……うん、でも多分そんなことはしないはず。
何故かボクは冷静だった。物凄く怒っていたはずなのに。
本心を口に出してお願いをした途端、頭の中が急に冷却された感じ。
凄く、クールだ。

彼の瞳を覗き込む。

『嘘だと言ってくれ』

『冗談だと言ってくれ』

その眼はそんなことを訴え掛けているように見えた。


ううん……でもダメ。そんなお願いは聞いてあげられない。
分かるよ、アナタは逃げたいんだ。自分の常識や感覚と酷く乖離したこの"イマ"から。
そう、心の眼を逸らしちゃダメなんだ。
だってアナタはボクが本気だって十分に分かっているはずなんだもの。そして心の中でソレを痛いほど噛み締めている。
だからそんな顔でボクを見ているんでしょ? ね?

「……簡単、ほらコレがあるから」
「な……ッ!?」

銃、正式な名前も分からない黒光りする鉄の塊。
無用心にもボクに直接手渡されたその凶器。
ボクはそして自分でも不思議なくらい淀みの無い動作で銃を彼に向けた。


「観鈴さんを殺した銃でしょ、コレって。
 佐祐理さんを殺したのもコレ……なのかな?
 ……ああ、ボクを殺そうとした時に持ってたのも、この銃だと思うんだけど……あってる? ユキトさん」

この島に来てから初めてだった。
守られる側、奪われる側、傷付けられる側……そのドレとも違う。
『攻める側』に回ったのは。

「返、せッ……あゆ!! ソレは……ソレは、お前が持っていてもいいものじゃない!!」

不思議なことを言う人だと思った。
だから言い返してやった。

「…………? だってこれは『人間を殺すための道具』でしょう? アナタだって持っている必要は無いんじゃないかな?」
「ッ!?」

彼は自分の中の禁忌、そしてジレンマに触れられたのか、何も言えなかった。
悔しそうに唇を噛み、下を向くだけ。
彼はさっき、ボクに確かに言ったのだ。
もう誰も殺したりはしないって。

でもおかしいよね。
銃は誰かを守るための道具なんかじゃない。
『殺すため』の道具なんだ。
詭弁で覆い隠しでも無駄。
そしてボクの目の前に居る彼は、そのことを嫌と言うほど理解しているはず。


「……ねぇ、ユキトさん覚えてる? 初めてボクと会った時のこと……」
「……ああ」
「人形劇、すっごく面白かったなぁ。バカみたいに取り乱していたボクも大分あれで落ち着けたもん」
「ああ……そう、だったな」


銃を向けたまま語りかける。
少し前の出来事。ほんの数十時間前、まだボクが元気だった頃の話。
彼は曖昧に頷いた。
視線は銃口をじっと眺めたまま、動かさず、ぼんやりと。

「でも、そこからは……あまり、思い出したくないかも。人形劇の代金はボクの命で払って貰う、とか。
 ユキトさん。ボクあの時、凄く悲しかった。胸が張り裂けそうだった」
「すま……ないッ!!」

悩んでいるのだろうか。彼はまた頭を下げた。
自責の念に押し潰されそうなのかもしれない。酷い顔をしている。
でも、どちらでもいい。もうボクには関係の無いことだ。


「――お礼、まだしてなかったよね」
「お……れい?」
「たい焼き、ありがとう。本当に、本当に美味しかったよ」

これは嘘偽りのない本心。
ほとんど毎日のように食べていたはずなのに、さっき食べたのが今までで一番美味しく感じた。
一人で三つとも全部、ペロリと平らげてしまったくらいだ。

「ユキトさん言ったよね、『俺は死んでしまいたかった』って」

引き金に力を込める。

「だからボクが叶えてあげる、ユキトさんの願いを。死にたいって願いを」
「――ッ!!!!」


彼は今、何を考えているんだろう。
ここから逃げる算段? 仲間を呼ぶ方法?
それとも大人しくボクに殺されても構わない、と覚悟を決めたのだろうか。


「ねぇ、ユキトさん。どうするつもり? ここから、逃げ出してしまいたい?
 でも逃がさないよ。ボクはグズでドジだけど、一度決めたことを簡単に捻じ曲げたりはしない。――ユキトさんとは違う。
 それとも……ボクから銃を奪って、ボクを……"今度こそ"殺す?」
「それだけは……絶対に、無い」


彼はもう一度ボクの眼を見た。
悲しげな瞳、澄み切った空のような視線とそれに掛かる一丈の雲。
濁り。絶体絶命の危機に瀕しても彼の芯に変わりは無かった。
思わずボクは早口になる。彼はあまり喋らなかった。彼は寡黙だ。
沈黙を埋めるのは自らの声だけ、語調が荒くなる。

「……ううん、やろうと思えば出来るはずだよ。というかソレが推奨かな。
 傷付けたくないとか、武器だけ奪って拘束する……そんな温い心じゃさすがのボクだってユキトさんを殺せる。
 でも殺すつもりでやる、って言うなら話は別なんじゃないかな。
 いくら酷い怪我をしているからって相手は所詮ボクだもん。簡単だよ、それに……乙女さんはもういないんだから」


ボクが発する言葉、一つ一つが彼の心臓を抉っていく感触。
だけど別に身体が高ぶって来るとか、そんな感じはしない。
彼の痛みが伝わって来る。そして同じくらいボクだって痛い。

分かってる。彼は立派な人間だ。立派過ぎる人間だ。
逃げることも、傷付けることも、殺すことも、銃を奪うことも、命乞いをすることもどれ一つとしてやる訳がない。
破れた血だらけの服。半分折れたカチューシャ。涙目の女。
分かってる。こんなシチュエーションを前にして、彼が取れる行動が一つしかないことも十分過ぎるくらい。
心の中は分からなくても、もっと分かる事がある。


ああ――ボクは卑怯だ。



「……ねぇ、ユキトさん」

「あ……ゆ……?」

「――たい焼きの代金って、ユキトさんの願いを叶えれば足りるかなぁ」


ボクはその瞬間、彼の瞳に絶望の螺旋を垣間見た。
螺旋。
抜け出すことの出来ない連鎖の世界を。


初めて撃った銃。鉛玉はまっすぐと彼の眉間を射抜いた。
彼は、抵抗しなかった。
何も。何一つ。一切。これっぽちも。



 ■


鼓膜にこびりついた銃声。
ツンと匂う硝煙のキツイ匂い。
そして何より、今もガクガクと震えの止まらない両手。
死んだ人が痙攣して固まってしまうみたいに、ボクの手は銃のトリガーに固定されてしまった。

怖い。

歯がカチカチと馬鹿なカスタネットのように鳴動する。
ああ、ボクはイマ、自分の意志で他の人間の命を刈り取ったんだ。
そう思うともう溢れ出る感情を制御出来なかった。
涙。
少し生暖かい液体が両目から止め処なく零れ落ちる。
だから泣いた。
声を押し殺して、必死に泣いた。







少しして、ようやくある程度の落ち着きを取り戻す。
それでも恐怖感が完全に拭えたわけじゃない。
まだお腹の中に空洞が出来たみたいな浮遊感は消えないし、心臓も早鐘を打っている。

ふと時計に目を落とす。
……あれ、時計が、ない。どうしたんだろう。何処かで落としたのかな。
仕方ないから彼の左腕にくっついていたソレを拝借。うん、壊れてはいないようだ。


丁度文字盤は短針と長針が「12」の所で重なりそうな時間。

一日。

この一日の中で色々なことがあった。
色々な人と出会って、そして――人を殺してしまった。

確かにアレは事故だった。今更言い訳をするつもりも無いけど、ボクに二人を殺す意志は無かった。
そしてボクは確かに一度死にかけた。
腕がもがれて、骨が剥き出しになって、血だらけになって――

うん。今までの『月宮あゆ』はもう、あの時死んでしまったのかもしれない。


涙でふやけてしまったような頬。
グシャグシャに乱れた髪。
ボロボロの服の間から吹き込んでくる風が少し冷たかった。
気付けば夜も深く暗くなって来た。
何となく、足元に寝転ぶ"彼"だったものに眼が行く。

どうしてあなたはこんなことを自分から率先して行うことが出来たのだろう。
湧き上がって来たのは純粋な疑問。そして、更なる怒りだった。

もう一発、銃弾をお見舞いしてやろうかと彼の死体に向けて拳銃を構える。
でも、ボクには出来なかった。
だってボクの目的は『誰彼構わず殺して回る』ではなくて『生き残ること』なのだから。


――そうだ、生き残ること。
ボクはハッとした、それは目の前が開けた感覚。
そして何か大切にしていたものが崩れ、新しい何かが誕生した感覚。

決定的な、分岐点と言えるかもしれない。


「いか……なくちゃ。あの人の……いる、所へ」


涙が止まった。不思議と、ピタリと。
生き残ってあの人の下に到達する、ソノ条件さえ満たせばボクは死ななくて済む。
あんな眼に合うのはゴメンだ。絶対嫌だ。
もう、襲われる恐怖に怯えたくない。
骨が砕ける感触も、肉が弾ける感覚も、皮が引き裂かれる苦痛も二度と味わいたくない。
殺す恐怖のほうが、殺される恐怖よりずっとずっとマシだ。


やっと、気付いた。


今までのボクは臆病だった。
足を引っ張って、涙を流して、逃げ回って、そんな他の人間に頼ることしか出来ない役立たずだった。
でも、それじゃあダメなんだ。
確かにその方法でも生き残ることは出来る。
ただそれは手段にすぎない。
それは選択肢の一つに留めて置くべきものなんだ。

生き残るためにボクが取るべきやり方。
それは『誰かに頼る』でも『何も出来ずに泣き喚く』でも無かった。

生き残るため、死なないため、ボクが選ぶべき第三の流儀――それは。




「こ……ろす?」



その呟きはいわば、真っ白な紙にぽたりと一滴垂らした墨汁のようなものだった。
黒は浸食する。穢れのない、無垢な大地を。そして、塗り潰す。
じわじわと広がる明度の無いその色が、未踏の処女地に近いソレを変えてしまうのに多くの時間はいらない。

ああ、土石流のように溢れ出すこの感情は何だ。
全部、全部吐き出してしまえ。


「――殺す。佐藤さんも名雪さんも全部全部全部ッ!!!」


天使様も言っていた。

『他者を殺すか、協力するか、従えるか、従うか、欺くか、いかなる方法でも構わない』

誰かを利用して殺す。
誰かに頼って殺す。
誰かと一緒に殺す。
誰でもいい、殺す。

そして何が何でも生き残る。

どんなことをしてもいい、構わない。
それがボクの流儀。
イマの『ツキミヤアユ』が取るべきやり方なのかもしれない。


「そうだ、ボクは……絶対に生き残る。そう決めたんだ……うぐぅ」


最後にユキトさんの死体を一瞥するとボクは歩き出した。
拳銃はデイパックの中へ。
純粋無垢な月宮あゆへと擬態しながら。




【国崎往人@AIR 死亡】



【F-4 住宅街/1日目 真夜中】

【月宮あゆ@Kanon】
【装備:背中と腕がボロボロで血まみれの服】
【所持品:支給品一式x3、コルトM1917(残り6/6発)、コルトM1917の予備弾31、情報を纏めた紙×2】
【状態:健康体、ディーと契約、満腹、明確な殺意、生への異常な渇望、眠気は皆無】
【思考・行動】
行動方針:他の参加者を利用してでも、生き残る
0:人を殺してでも、どんな事をしてでも生き残る
1:工場に行く(北上)
2:死にたくない

【備考】
※契約によって傷は完治。 契約内容はディーの下にたどり着くこと。
※悲劇のきっかけが佐藤良美だと思い込んでいます
※契約によって、あゆが工場にたどり着いた場合、何らかの力が手に入る。
(アブ・カムゥと考えていますが、変えていただいてかまいません)
※ディーとの契約について
 契約した人間は、内容を話す、内容に背くことは出来ない、またディーについて話すことも禁止されている。(破ると死)
※情報を纏めた紙にはまだ眼を通していません。
※あゆは自分の命を最優先に考えて行動します。
 そのためには他人の足を引っ張ろうが、泣こうが、頼ろうが、嘘をつこうが逃げようがお構い無しです。
 ばれると困るので極力自分の手で殺したくはないと思っています。
※あゆの付けていた時計(自動巻き、十時を刻んだまま停止中)はトロッコの側に落ちています。
※F-4にて銃声が響きました。周囲のエリアにいる人間がこの音を聞いた可能性があります。

【たいやき@Kanon】はあゆが全部完食しました。



【G-4 港付近/1日目 真夜中】
【女子二人】
0:港で往人とあゆが帰ってくるのを待つ。
1:港を経由して病院へ。出来ればその前に車が欲しい
2:放送後、図書館に電話して情報交換。

【二見瑛理子@キミキス】
【装備:トカレフTT33 7/8+1】
【所持品:支給品一式、ブロッコリー&カリフラワー@ひぐらしのなく頃に祭、空鍋&おたまセット@SHUFFLE! ON THE STAGE
     エスペリアの首輪、映画館にあったメモ、家庭用工具セット情報を纏めた紙×10】
【状態:強い決意、左足首捻挫(処置済み)】
【思考・行動】
基本:殺し合いに乗らず、首輪解除とタカノの情報を集める。
0:往人が心配。
1:港を経由して病院へ。
2:圭一達の参入を歓迎。
3:陽平のように錯乱している者や、足手まといになりそうな者とは出来れば行動したくない。
4:陽平には出来れば二度と出会いたくない。
5:例の音声が頭から離れない。

【備考】
※往人を信頼していますが、罪は赦してません。
※鳴海孝之に対して僅かに罪悪感を抱いています。
※パソコンで挙がっていた人物は、この殺し合いで有益な力を持っているのでは? と考えています。
※首輪が爆発しなかった理由について、
1:監視体制は完全ではない
2:筆談も監視されている(方法は不明)
のどちらかだと思っています。

※家庭用工具セットについて
観鈴が衛から受け取った日用品の一つです。
ドライバー、ニッパー、ペンチ、ピンセットなどの基本的な工具の詰め合わせである。
なお全体的に小型なので武器には向いていないと思われます。


【遠野美凪@AIR】
【状態:軽度の疲労】
【装備:包丁】
【所持品:支給品一式×2、救急箱、人形(詳細不明)、服(詳細不明)、顔写真付き名簿(圭一と美凪の写真は切り抜かれています)情報を纏めた紙×2】
1:病院へ行く。ハクオロと会う。
2:知り合いと合流する
3:佐藤良美を警戒
4:例の音声が頭から離れない。
※春原陽平、小町つぐみの情報を得ました
※武がH173に感染していることに気が付きました


163:邂逅(前編) 投下順に読む 165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い
163:邂逅(前編) 時系列順に読む 165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い
163:邂逅(前編) 国崎往人
163:邂逅(前編) 遠野美凪 170:決着は、初めて出会った場所で――(前編)
163:邂逅(前編) 二見瑛理子 170:決着は、初めて出会った場所で――(前編)
154:選択肢 月宮あゆ 170:決着は、初めて出会った場所で――(前編)
159:安息と憂鬱の狭間 大空寺あゆ 171:出会わなければ殺戮の夜叉でいられた






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