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「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(後編) ◆tu4bghlMI


【……なるほど、ソレがつぐみの推理か】
【ええ。二人が見せた"完全に塔の存在を認識してない"ような素振り。そして"今は"実際に塔を認識出来ているという事実。
 この二つが導き出す結論はただ一つだけ――】
【暗示、ねぇ……本当にそんな事する意味あんのかよ】

カニの台詞につぐみは小さく頷く。
『暗示』、俗に言う催眠術というものと良く似ている。
だが単純に全ての参加者に暗示をかける、というやり方ではムラが出来る可能性が高い。
このような精神に働き掛ける技術は個人差が強過ぎるのだ。

既に想像に近いがこの暗示を強化する意味で何か薬物を使用したのではないか。
つまり幻覚剤に近い精神に強い影響を及ぼす薬を。
それがつぐみの推理だった。


【そうね……あの塔には何か重要な役割があってそれを隠す為、って言うのが一番考え易いかしら】
【だな。立地的な事を考えると電波関係が一番素直な考えかな……】



ピッ


「え……」

それは誰の声だったのだろう。
分からない。その瞬間、三人ともが呆気に取られてしまった。
一人が、ペンを落とした。

カツン

乾いた音。


ピッピッ


止まない電子音。
周りは海、空には月。
特別な施設などほとんどない無音空間に小鳥のさえずりに似た不可解な音が響いた。


ピッピッピッ


「これはまさか……」


つぐみは思わず自分の首輪を握り締める。
全く聞き覚えのない音だ。
だけど分かる。全身の感覚が警鐘を鳴らす。

これは――首輪が爆発する時の音だ。


ピッピッピッピッピッピッピッ


「おい!! これって……ッ!!」


きぬも自分と同様に首輪を握り締めながら叫ぶ。
分かっている。彼女もコレが一体何の音なのか、直感的に理解しているのだ。


ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ


音はどんどん大きくなる。
鼓膜が無機質なその音で一杯になる。
残響、余韻。耳が痛い。
つぐみときぬは顔を、見合わせた。

――なぜなら、その音は自分達以外の首輪から鳴り響いていたのだから。


「純一ッ!!!!」
「ヘタレッ!!」


ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ


「……ごめんな、二人とも。俺、ここまでみたいだ」


電子音を響かせる首輪の主は笑いながら、そう呟いた。
そして二人から少し距離を取ると、まるでゴールした瞬間のマラソンランナーのように空を、天を見上げた。
両腕を思いっきり伸ばし、全てを抱きしめるような、そのまま背中から地面へ落ちて行きそうなポーズを取る。

何故アナタはそんなに笑っていられるのだろう。
どうしてこれっぽちもアナタは慌てていないのだろう。

想定される未来は絶対的な死。
裏返る事のない『死神』


大空には金色に光る月。

『月』

タロットにおける大アルカナの十八番目。
その意味は【不安】【混沌】【曖昧】

――違う。
大きく胸を張り、仰け反るように空を見上げる純一にとって月は普段とは"逆位置"
つまり【明瞭】そして……【混沌の終わり】



何故アナタはそんな、全てを受け入れたような顔で笑うのだろう。



「つぐみ、後は頼んだぞ。……きぬ、つぐみに迷惑かけるんじゃないぞ」
「純一……ッ!!」
「駄目、きぬ!! 行っちゃ駄目なの!!」


つぐみは純一の元に駆け出そうとするきぬを必死で抑える。
手を離せば今すぐにでも彼女は飛び出してしまう。そんな事をしても、もはや結末は変えられない。
そんな事になったら悲しむのはきぬ自身。
わざわざ自分達と距離を取った、純一の意思を彼の『正義』を裏切る事になる。


ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ



「……ことり、ごめんな」


ピッ


「見ないでッ!!!!」


つぐみはきぬの小さな身体を自分の胸に押し付けた。
彼女はゲームが始まる時にも目の前で親友を殺されている。
これ以上、彼女に辛い光景を見せたくは無かった。









……ん?




……アレ。


電子音が、止んだ。

しかし特別な音、要するに何かが爆発する音が聞こえてこない。
おかしい。ホールで少女が首輪を爆破された時、爆発の規模は小さかったが確かに"ボン"という音が響いた。
つぐみは恐る恐る顔を上げる。



――爆発、しない?



機械のさえずりが終了してから数秒が経過。もう少しで二桁になる。
ちなみに純一は先程のポーズのまま天を見つめている。
このままCMに入ったら絶好の"引き"になりそうなくらい決まっている。
少し、カッコいいかもしれない。



……。


数十秒が経過。そろそろ一分だ。
時計も一回りする。さすがにきぬも痺れを切らしてつぐみの胸から顔を上げた。
ちなみに純一は未だ先程のポーズのまま天を見つめている。

これは……鷹野三四がもしや、緩急を付けているのだろうか。
私達がホッとした所をいきなりズガン。確かにショックは大きいが、イマイチ締まらない気もする。



…………。


数分が経過。そろそろ三分だ。何となく分かった。
カップラーメンを作るのにも手頃な時間。いい加減、馬鹿馬鹿しくなって来た。
ようやく、ここで純一が例のポーズを崩す。
そして一言。



「爆発……しなかったみたい」


語尾に『テヘッ☆』とでも付ければ少しは可愛げがあっただろうか。
緊張の糸がプツンと切れる。空気が、一気に軽くなる。

つぐみはヘナヘナとその場にへたれ込む。
純一も自分が死ななかった事にやはり安心しているのだろう。口元には若干の笑みが零れた。
しかし何だかんだで事態は丸く収まった。
清々しいほどのブラフ、という結末。一件落着だ。

そう約一名、感動や安堵とは違った感情に肩を震わせている少女を除いた話ではあるが。


「ふ、ふ、ふ、ふ……」
「ふ?」
「ふざけんな、ボケえええええええええ!!!!!」
「ぶ……ちょ、蟹沢……タンマ」
「歯ぁ食いしばれッ!!!!」

結局、純一に炸裂したのは首輪に仕込まれた爆弾……では無くて、きぬの鉄拳。
絶妙な角度で右頬に抉りこんだ最高のストレートを食らい、純一は空に舞う。そして地面に尻餅を付いた。
だがきぬのバトルフェイズは終了していない。そのままの体勢で速攻。
慣れた動きでマウントを取ると追撃を加える。

「なーにが『二人とも。俺、ここまでみたいだ』だよ!! このド阿呆が!! お前は新世界の神にでもなったつもりか!!」
「やめ、痛、げふ……手加減し……」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!!!!」

つぐみはマウントポジションのままボコボコにされる純一と拳を振り上げるきぬをボンヤリと見つめていた。
その光景は『君がッ!泣くまでッ!殴るのをやめないッ!!』という感じ。
……泣いても許して貰える保障は無いが。
少なくともしばらく彼女の鉄拳制裁が止む事は無いだろう。

そして、噛み締めるようにつぐみは胸の中でその結末を唱えた。


首輪は、爆発しなかった、と。









「――お取り込み中、申し訳無いんだけれど」


「「「ッ!?」」」


結論を出すには――早過ぎた。
灯台の展望台の一つ上のフロア、つまりは光源のある方向から聞き慣れた声が響く。
きぬも純一を殴る手を止めて音源の方向を垣間見る。


「名演技だったわねぇ。思わず私も感動しちゃったわ」
「ぐ……」
「鷹野ッ!! てめぇよくもフカヒレを、レオをスバルを、皆を……ッ!!」


鷹野三四。声を聞いた機会は数回しかないものの、おそらく一生忘れないであろう相手。
天井に備え付けられたスピーカーに向けて、立ち上がったきぬが啖呵を切る。

「……蟹沢さん。"今回"はあなたには用は無いの。少しだけ黙っていて貰えるかしら」
「な、なんだと、コラ!! ボクを舐めんじゃねぇ!!」
「――今日はね、二つお話をしに来たの」
「おい、ボケ!! 鷹野この野郎、ボクの話を聞けッ!!!」
「……きぬ、いいからちょっと静かにして」

放っておけば一時間だろうと怒鳴り続けそうなきぬを制止すると、つぐみはキッとスピーカーを睨み付ける。
どこか他の場所から自分達を見ているであろう、鷹野に向けて。


「話してもいいかしら。昔々、あるところに可愛らしい十二人の姉妹がいました。
 彼女達は仲も良く、一人の兄と一緒に十三人で毎日楽しく暮らしていました」
「はぁ? いきなり何を……」
「……きぬ」
「う……わーったよ」

つぐみがジロリときぬに目配せ。
そのムードに気圧されてさすがにきぬも無駄口を止めた。
純一は黙ったまま、じっとスピーカーから流れる声に耳を傾けている。

「ですがある日、姉妹の中から"四人"だけが選ばれ、小さな島でとあるゲームに参加する事になりました。
 ――最後の一人になるまで殺しあう、"バトルロワイアル"という名前のゲームに」
「!?」

小さな島で行われるゲーム。
これは……もしや、ある参加者のグループの事を言っているのだろうか。
瞬間、三人ともが『名簿の中の特徴的な四つの名前』を思い出した。
『衛』『咲耶』『千影』『四葉』……名簿で苗字が書かれておらず、名前だけが記されていた四人を。


「姉妹は必死に生き抜こうと頑張りました。ですが所詮は非力な少女。
 一人はボウガンで額を貫かれ、一人はアルコールを頭からかけられ生きたまま火を付けられて殺されました。
 生き残った残りの姉妹も、一人は服から何まで持ち物を全て奪われ、暗闇の中で捕らえられています。
 もう一人はほのかな恋心を抱く相手と別れ、ある反ゲーム派のチームリーダーと行動を共にしています。
 ですが、目の前に現れた少女が突然こう言ったのです。『その男はあなたの姉妹を殺した犯人よ!!』と」


鷹野の話は壮絶だった。思わず三人は息を呑む。
一体この話の何処までが真実なのかは分からない。
だがこれが例の四人の話だとすると確かに、二人は既に放送で名前が呼ばれている以上、全くの虚構だと決め付ける訳にもいかなかった。

「ね……可哀想でしょ。この子達。それにね、もう一つあるのよ。彼女達の残りの姉妹の……」
「――何が、何が言いたいのッ!! 鷹野三四!!」

業を煮やしたつぐみが鷹野を怒鳴り付ける。
彼女の怒りはもっともだ。
鷹野の話は確かに他の参加者の情報、という視点から見れば有意義なものであったがソレに全く必要性を感じない。


「フフフ……怖いわねぇ、小町つぐみ。
 ……いいえ、年上なんだからつぐみさん、と呼んだ方がいいかしら。
 でも彼女達の一番上の姉に火を付けて殺したのが、あなたの大切な人――倉成武だと知ったらどう思う?」
「――嘘、でしょ。そんな出任せに引っ掛かると思ってるの?
 武は何があってもゲームに乗るような人間じゃない。そんな事は私が誰よりも理解している」


つまり鷹野は暗にこう言いたかったらしい。

『倉成武はゲームに乗っている、しかも非力な少女を残酷な手段で殺める事も辞さない、最悪の形で』

だが、つぐみにまるで動揺は見られなかった。
強固という言葉では表し切れないくらい、完璧な信頼が両者の間にはあった。


「フフフ、信頼してるのね、彼の事。
 さてと……朝倉くん。実はね、あなたに一つだけ聞きたい事があるの」
「……言ってみろ」
「ねぇ朝倉くん、あなたは小町つぐみと初めて会った時、こう言ったはず。
 『この島で殺し合いに乗ってる人間を止め、この島で生きてる人間全員でこのゲームから脱出する』と」
「……それがどうした」

ぶっきらぼうに返答する純一の声色は不機嫌の一言。
鷹野に対する生理的な嫌悪感が彼の全身から溢れ出していた。

「素敵よねぇ、理想論や世迷い言なんて単語じゃ言い表せないくらい素敵。
 でもね、コレを知って同じ台詞が口に出せるかしら。
 ――少し前、あなたのたった一人残った最後のお友達、白河ことりさんが男の人に襲われたの」
「……ッ!! ことりが……だと」

"白河ことり"の名前を出され、純一の表情が一瞬で曇る。
狼狽。高い身体能力を持ち合わせる倉成武と違い、彼女は何の力も持たない少女に過ぎないのだ。

「くすくす、勿論ただ襲われたって訳じゃないわ。……分かるでしょ、あなたも男の子なんだから」
「な……ま……さか」

"男の子"というキーワードに純一が酷く反応する。
隣で鷹野の言葉を聴いていたつぐみときぬが顔を見合わせた。


「アレは見物だったわぁ。私も少しだけ興奮しちゃったもの。
 ……まぁ、部下達の熱狂振りの方が物凄かったけれど。
 ことりさんの悲鳴が木霊する度、衣服が破かれていく度、ドンドン室内のボルテージが上がって行く様は凄かったわねぇ」
「そん……な……でも、ことりは……」


隣できぬが「え……マジで」と小声で吐き出すように呟いたのをつぐみは聞き逃さなかった。
ここまで言われればどんな馬鹿だって何が起こったか分かる。
要するに純一の探し人、白河ことりは男にレイプされたと言いたいらしい。馬鹿馬鹿しい。
もちろん真っ赤な嘘である可能性は非常に高い。
身近な人物の不幸を捏造する事で精神的なショックを与える――卑劣な手だ。

だがどう考えても口から出任せに決まっている発言も、純一にとっては相当なショックだったようだ。
確かに、つぐみには武が殺し合いに乗らないという確信があるが、純一にはことりが襲われない確信を持つ術は無い。
嘘だと分かっていても否定材料が足りない。
考えれば考えるほど、深みに嵌って行く。

「……ことりさんは"生きて"はいるわよ。でもね……"死んだ方が幸せ"って言う考え方もあるの。
 今頃は男の人と森の中のホテルに向かっている頃かしら……くすくす」
「嘘……だ」

ホテル。これまた具体的な単語が出て来たものだ。――そして酷く生々しい。
しかもここ、灯台から行こうと思えば十分に行ける距離だ。
つぐみには必死にスピーカーから流れる声を否定する純一が痛々しく見えた。


「……私が言いたかったのはソレだけ。
 そうね、二人の言う通り全部嘘……嘘よ、フフフ。気にする必要なんて無いわ。
 じゃあ、"言葉"には気をつけて。"次"は無いわよ、二人とも」


 ■


「……少し、やり過ぎだったのでは」
「……フフフ、どうしてかしら? 私は"何一つとして"嘘は言っていないじゃない」
「まぁ、それは確かに。ですが白河ことりが今ホテルに向かっているのは鳴海孝之に襲われた後高嶺悠人に保護されたため。
 それに襲われてる最中だって、激高している人間ばかりだったじゃないですか」

天性のアイドル的素養。
そんなものが本当にあるかどうかは知らないが、確かに白河ことりは独特のオーラを持っている。
つまり一方的に見る側の人間、大衆を熱狂させる才能だ。
それはこの司令部でも同じ事で、彼女に熱を上げている人間は他のどの参加者よりも多い。

故に白河ことりが鳴海孝之にレイプされかかった時、司令部では複数の人間が暴動を起こしかかる事態にまで至った。
最悪、暴走し掛かった彼女の担当オペレーターに鳴海孝之の首輪が爆破されてしまう――その寸前まで。

彼らが言うには綺麗なまま殺されるならばまだいい。
だが鳴海孝之のような最低の下衆に彼女が犯されるのだけは我慢ならなかったらしい。
衣服が破かれる度に上がるのは歓声などでは無く悲鳴、という訳だ。
結局見かねた鷹野の一喝と救世主・川澄舞の登場によって、事態はなんとか収拾したのだが。


「……忘れたわ、そんな事は」
「それに倉成武が咲耶を殺害したのは彼女がゲームに乗った人間だったからで……。
 まぁ、今となっては彼も"殺す"立場に回っている訳ですが」

確かに倉成武は咲耶を殺した。これは紛れも無い事実だ。
だがソレは何人もの人間が入り乱れての大乱戦の結果であり、仲間を守るための精一杯の行動であった。


「しかし何故、蟹沢きぬに対して何も言わなかったのですか? 彼女の知り合いもまだ何人か――」
「蟹沢さんの盗聴器は壊れているから。――彼女が何を"喋って"も私にはソレを裁く権利は無いわ。
 大体……彼女の知り合いにはもう碌な人間が残っていないもの。皮肉な事にね」


そう言われて、男は納得した。
一人はゲームに乗った人間、そしてもう一人はゲームに乗った鳥。
確かにマトモな知り合いは皆無だ。
しかも既に蟹沢きぬは佐藤良美に対して不信感を抱き始めている。

「それと……どうして警告に留めるだけでなく、あんな間を置くようなやり方を取ったのですか?」
「例えば……そうね。あなた、煙草は吸う?」
「た、煙草ですか? まぁ一応それなりには……」

煙草。あまりに突拍子も無い例えに男は曖昧な解答を述べる事しか出来なかった。

「それじゃあ、禁煙する人の『最後の一服』と言えばイメージが湧くかしら」

最後の一服。
それは長年煙草を吸い続けた人間が、健康などを理由に禁煙する際に吸う最後の一本の煙草を差す。
大概にしてこの"禁煙"という行いは成功しないため、実際には本当のラスト、とは行かない場合が多い。


「――平穏よ」
「平……穏?」
「私はあの子達に"最後の平穏"をあげたかったの。
 見たでしょう? 首輪が爆発しないって分かった瞬間の三人が見せたほっとした表情」


男は鷹野の言葉に寒気を覚えた。
言葉面だけを見れば、その言葉は慈愛や同情と言った憐憫の感情に満ちているように見えただろう。
だが真実はもっと別。
最後の平穏、それはつまり彼らにはもう心が休まる瞬間は訪れないと宣言しているに等しいのだから。


「それが……鷹野様の言う『対価』なのですか」
「くすくす、ただ私は不協和音をばら撒いただけ。あとは勝手にあの子達が昇華させてくれるわ。
 崩れる時は硬い砦ほど呆気ないもの。私は"何一つとして"嘘はついていないわ。
 一つでも真実に辿り着いた時……あの子達が被った"嘘"の仮面は剥がれ落ちる。
 後は何もかもが自然と崩れていくわ……フフフ」


そう高らかに宣言する鷹野の姿はまさに悪魔のようだった。




男は思った。
もしかして三人にとってあそこで朝倉純一の首輪が爆破されていた方が幸せだったのではないか。
確かにソレは呆気ない死かもしれない。だがソレはとても意味のある死。
死の間際に彼が見せた強い心、意思は仲間に受け継がれ、後々の未来を形作る血脈となっただろう。

だが現実は違う。
あの場所では誰一人として命を落とす事は無かった。
その代わり堅牢な要塞のようだった三人の関係に若干の綻びが生じた。


女は否定した、そして否定し続ける――愛する人間がゲームに乗っている可能性を。
男は秤に掛ける事になる――大切な人と自らの正義を。
そしてもう一人の女はそんな振り子のように揺れる二人を見て、心を悩ませる。


失ったものは平穏。心の平静、安らげる場所。
どれだけ大きなダムであろうと、一部分の欠落が崩壊の序章となる。

無くしてしまったものは帰って来ない。
そしてやり直す事も出来ない。
もはや彼らの連環に"絶対"はなく、このまま綺麗な最期を迎える事もないかもしれない。


もう俺が鷹野様の下した結末に介入するなど出来ない。
俺は選択を誤ったのかもしれない、今更ながら少しだけ思う。
だが後悔はしていない。
お前がした事などちっぽけな正義、自己満足だと罵りたければ罵るがいい。

あそこで延命を申し出しても、所詮は陽炎のような命。
必ず費える時が来るのに、あんな事をして何の意味がある? みたいにな。


だが俺は忘れたくない。あの時彼女達が見せた、幸せそうな表情を。最後の平穏を。
訪れる死、降り掛かる死、そして無常。
全て受け入れてやる。見届けてやる。
そして最期の引き金を俺の手で押す事になろうと、もはや躊躇はしない、決して。






【司令室/1日目 夜中】

【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に 祭】
【状態:????】
【思考・行動】
基本思考:ゲームを完結させる
1:???

【備考】
※「海の家」における移動機能を使用した場合、首輪に備え付けられた盗聴器は壊れます。
 現在【アセリア】【蟹沢きぬ】【月宮あゆ】【土見稟】の4名の首輪は盗聴機能停止中。
 よってディーがあゆに接触した事実を鷹野達は知りません。
※C-5に設置された電波塔(支給された地図には載っていない)によって、島内の通信と首輪の制御を行っています。
※入江機関が独自に開発した薬物と初音島の枯れない桜の力、暗示によって、参加者に『山頂にある電波塔を意識しなくなる』暗示をかけています。
 スピリットであるアセリア、キュレイウィルスのキャリアである倉成武、動物である土永さんはこの暗示が早期の段階で解ける可能性があります。
 小町つぐみ、蟹沢きぬ、この事実に気が付きました。




【C-8 平原/1日目 夜中】

【カニとクラゲと暫定ヘタレ】
基本思考:ゲームを止める
基本方針1;座礁したフェリーを確認後、教会、船着場、病院の順番で行く。
基本方針2;その最中でゲームに乗ってないものと合流できたら合流する。
基本方針3;またそのなかで暗号文、廃抗別入り口、禁止エリアでカモフラージュされた何か、電力の供給源、首輪の解除方法、の手がかりも見つける

【備考】
※佐藤良美とネリネをマーダーとして警戒しています。 鳥も参加してる事も知りました。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての話を、梨花から聞きました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※つぐみ達の車にキーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。
※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。
※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。


【小町つぐみ@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:スタングレネード×9、ミニウージー(16/25)】
【所持品:支給品一式x2 天使の人形@Kanon、バール、工具一式、暗号文が書いてあるメモ】
【状態:健康、】
【思考・行動】
基本:武と合流して元の世界に戻る方法を見つける。 ゲームを終わらせる。
1:予定を変更しホテルに行くべきか悩んでいる。
2:武を探す。
3:ゲームに進んで乗らないが、自分達と武を襲う者は容赦しない
4:圭一を探す(見つければ梨花達の事を教える)
5:四姉妹の話が真実か確かめる

【備考】
赤外線視力のためある程度夜目が効きます。紫外線に弱いため日中はさらに身体能力が低下。
参加時期はEver17グランドフィナーレ後。

※純一 とは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※音夢とネリネの知り合いに関する情報を知っています。
※北川、風子、梨花をある程度信用しました。
※投票サイトの順位は信憑性に欠けると判断しました。
※きぬを完全に信用しました。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。


【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:拡声器】
【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス
     支給品一式x3、投げナイフ一本、ハクオロの鉄扇@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、
     麻酔薬入り注射器×2 H173入り注射器×2、炭酸飲料水、食料品沢山(刺激物多し)】
【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、首に麻酔の跡、疲労小】
【思考・行動】
基本:ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。
1:何故ボクが省かれるのか分からない。鷹野、ムカつく。
2:圭一、武を探す
3:病院に行った後、宮小路瑞穂達を探す。
4:ゲームをぶっ潰す。
5:よっぴーに不信感。

【備考】
※仲間の死を乗り越えました
※アセリアに対する警戒は小さくなっています
※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。
※つぐみを完全に信用しました。つぐみを椰子(ロワ不参加)に似てると思ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。


【朝倉純一@D.C.P.S.】
【装備:釘撃ち機(20/20)、大型レンチ】
【所持品:支給品一式 エルルゥの傷薬@うたわれるもの オオアリクイのヌイグルミ@Kanon】
【状態:精神疲労・強い決意・血が服についている、顔がボコボコ、口の中から出血、頬に青痣】
【思考・行動】
基本行動方針:人を殺さない 、殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
0:ことりが……嘘だろ?
1:ホテルが気になる
2:つぐみと蟹沢で武を探す。
3:つぐみと蟹沢を守り通す
4:ことり、圭一を探す。
5:さくらをちゃんと埋葬したい。

純一の参加時期は、音夢シナリオの初キス直後の時期に設定。
※つぐみとは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※北川、梨花、風子をかなり信用しました。
※蟹沢を完全に信用しました。
※自分自身をヘタレかと疑ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思いたい。


158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 投下順に読む 159:安息と憂鬱の狭間
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 時系列順に読む 160:予期せず出会うもの
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 小町つぐみ 165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 朝倉純一 165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 蟹沢きぬ 165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い
158:「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(前編) 鷹野三四 169:第四回定時放送






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