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先の先、後の先。◆jWwIlynQcU


あと30分ほどで三度目の放送が流れる頃、ネリネは吊り橋を超えて「C-5」に入り
そのまま北西へ進み「B-5」を目指していた。
他の参加者との接触または途中で禁止エリアが指定される等の突発的な出来事がなければ
B-5を斜めに抜けて廃アパート群のある「A-4」、百貨店のある「A-3」を経由して博物館の
ある「C-3」へ向かうというのが彼女の考えた移動ルートだった。

一見すると大変遠回りになるルートだが最も近道となる「『D-5』から『C-5』に
向かい、そのまま北上し『C-3』へ到着」というルートは誰もが思いつくルートなので
博物館周辺から南下する人間と確実にぶつかることから頭の中から排除していた。

他にも南へ移動することを考えたりしたが、地理に明るくない以上は行く気が起き
なかったのもあって、結局多少は地理に明るい新市街へ向かうという結論に到った。

そして、この時「ならばいっそのこと誰も通らないと思われる遠回りルートを使って
移動すれば」と思ったネリネの頭に浮かんだのが、最も遠回りとなる現在のルートだった。

ホテルでの戦闘(戦闘と言うよりネリネによる一方的な『狩り』だったが)でほとんど
体力を消耗せず、魔力も亜沙を“献身”で殺した事によりまた少し回復したが、今回は
相手がこちらの掌の上で踊ってくれたから完全なワンサイドゲームとなっただけでしか
ない。

もし、先客が自分より知識もあって冷静な判断力を持つ者だったら負けていたかもしれない
と今更になってネリネは思う。

体力も魔力もかなり回復してきているネリネがあえてここで安全策をとったのには、
この様な事情もあったのだ。

現在のペースで行けば、三度目の放送開始とB-5エリアへの移動はほぼ同じタイミングに
なるだろうとネリネは考えながら、髪をポニーテールに結ぶ赤いリボンをほどき、代わり
に黒い髪留めを取り出し、髪を束ねる。

これから暗くなる闇夜の中で赤いリボンは目立つ。
少しでも目立たない工夫が必要だと考えた上でのアクセサリー変更だった。

(欲を言えば髪も黒く染め直したいところですが……)

そこまで考えたネリネはふと足を止め、“献身”の方を見る。
もっとも目で見たところで“献身”に変化は無い。
だが明らかに先ほどまでと異なる雰囲気が漂ってくる。

(これは……永遠神剣の気配!? つまり、永遠神剣を持つ参加者がこっちに近づいている?)

立ち止まったネリネは周囲を警戒しつつも“献身”を両手で握り意識を集中する。

“献身”を通じて感じられる気配。それは間違いなく永遠神剣のものだった。

(やはり、間違いなく近づいてきています……どこから?)

少しでもはっきりとその気配を感じ取ろうとしたネリネは“献身”を水平に構え、その
まま磁石の針の様に動かす。
無駄かもしれないが、どの方向からやってくるのかでも判ればと思ったからだ。

少しずつ、ゆっくりと慎重に自分を中心にして“献身”を動かしていく……。

そして、ある方向に来たときほんの僅かだがその気配が鮮明になった――

(北東……そしてそれより北……)

ネリネが感じ取ったのは自分の位置から北東に一つ、それと更に北――北北東の方角――
の二つだった。
それもまるで互いが引き合うかの様に一つの気配のある場所に向かってもう一つが向かって
いるかの如き動き……。

(二つの合流点は……神社?)

地図を広げたネリネは自分のおおよその位置から鉛筆で線を引き、予想を立てる。
おそらく、神社にいるであろう永遠神剣の持ち主の下へ南下する形でもう一つの
永遠神剣の持ち主が近づいているのだ。

ネリネは自分が立てた仮説を思い出す。

「魔力を持った人間及び永遠神剣の持ち主を“献身”で殺せば魔力の回復がはかれる」という仮説を。

魔力を持った人間のケースは千影や亜沙の件で既に実証済みだ。
だが、永遠神剣の持ち主については未だはっきりとしていない。

ここでもしどちらか片方の永遠神剣の持ち主に戦いを挑み、魔力を奪うことができれば
また魔力の回復がはかれる。
その為には予定の移動ルートを変更し、最低でもB-5からC-4へ斜めに突っ切ってD-4へ
向かい、神社の直前で合流前にそれぞれ別個、あるいはどちらか一方を倒す必要がある。

双方が神社に集まったところを叩く手もあるが、もし永遠神剣の持ち主が共闘して自分に
戦いを挑めば苦戦は必至だろう。

永遠神剣の持ち主が一箇所に集まるのに先んじてどちらかを叩く「先の先」か、
それとも初志貫徹で博物館へこのまま向かい、動きを待ってから手を打つ「後の先」か?

どうするべきか、ネリネは迷う。
数分間の思案、そして。

(どちらにしても私がB-5へ足を踏み入れるのはもうすぐ。そして放送が流れるのもあと僅か。
ここは、B-5を移動しながら放送を聞きつつ北上して、それからは……)


北東のC-4からC-3へ可能な限り早く移動、どちらか片方を速攻で叩き潰して一気に北の博物館へ――


彼女が選んだのは「先の先」だった。






同じ頃、神社を目指す高嶺悠人と千影の通称「永遠神剣チーム」は神社を目指してD-4を
やや西よりに移動しつつ南へと下っていた。
神社はD-4の左下、南西の隅っこ近くにある為、西に向かいつつ同時に南下するのは別に
おかしいことではない。

だが、悠人は移動の途中少しだけ引っかかることがあった。

(少しばかり西へ行き過ぎているんじゃないのか?)

自分の先を行く千影はずんずん森の奥へ突き進んでいるが、どうもハクオロと衛の二人と
分かれてから西へ「行き過ぎている」気がしてならないのだ。
もっとも、神社の詳しい位置を知らない悠人としては6人の中で唯一神社に行った経験を
持つ千影に頼るほか無いのだが。

だが夕闇に覆われはじめた森の中は昼間の時と違い、言葉通り「自然の迷路」だ。
コンパスと地図があっても迷いかねない。
そして、どんどん森の奥へ入っていく千影の様子を見ていると表情に殆ど変化が
ないもののどこか怯えているかのように思える。
まるで何かから逃げるかのような雰囲気が漂っている気がしてならない。

「まってくれないか千影。気になることがあるんだ」

だから千影に聞いてみる事にした。

「なんだい、悠人くん?」
「さっきから気になっていたんだが、どうも先ほどから西に行き過ぎてないか?」
「ああ、その事か……ふふ、大丈夫だよ悠人くん。心配はないよ」

しかし、振り返った千影は少し笑ってみせるとそのまま悠人に向かって言う。

「悠人くんは神社の正確な位置を知らないんだろう?なら、黙って私のあとをついて来て
くれたら十分だよ。私は一度このエリアを北に向かって、そして衛くんとも再会できたからね」
「そうか、それならいいけどな……」

千影にこういわれては悠人も突っ込みの入れようがなかった。
神社への道を知っているのは千影だけであり、この場合は彼女の言を信じるほか無いのだ。

何より、今の悠人は“時詠”への恐怖や千影を守りきれるのかという不安、ハクオロや
衛、瑛理子にやりきれない思いはあったが国崎往人への心配、せっかく会えたアセリアと
喧嘩別れみたいな形になった事なども考えていた為にこれ以上の異議をとなえる気もなかった。



(悠人くんも鋭いね……でも、深入りされなくて助かったよ)

悠人と短い会話を済ませ、再び歩き出した千影は心の中でそう呟く。
彼女の言うように悠人の言っていることは間違いではなかった。

実際、千影は隠すような形で手に持ったコンパスを時折見ながら、意図的に西へ西へと
舵を切るように移動していた。

既にD-4の西側いっぱいまで自分たちは移動しており、このままいけば放送が始まる頃には
隣のC-4へ入ることになるだろう。

(やはり、ここは神社に直接向かうより遠巻きに様子を伺う方がいいだろうね……)

あの「三度目の放送の時には神社にいる」と舞とことりに話した時感じた不吉な予感は
千影の中でジワジワと増大しつつある。
この事が、彼女を意図的に神社から遠ざかる動きをとらせていたのだ。

本当なら探索以外にもこの島で出会った知人である名雪、舞、ことり、トウカと交わした
約束を履行するために神社へ急ぐ必要はあった。

しかし、放送前後の際、神社にいるのは危険だと千影の勘は告げていた。

それに、喫茶店で瑞穂たちから聞いた話では舞はゲームに乗ったということだったから、
神社に彼女が現われた日にはどういう事態になるか千影も予想がついていた。

(とりあえず、放送が終わるまでは神社の外に立つ形で様子を見ることにしよう)

つまりは、そのことを悠人が気付いて自分を責めても、それによりこの不吉な予感を
薄められるのなら安いものだと千影は思っていた。

要するに、放送後の神社で何かが生じてから自分達は神社に赴けばいいと千影は
判断したのである。

(こういう動きを何と言うのかな……そう「後の先」とでも言うべきだろうね)


かつて神社で戦った二人の少女はそれぞれの意図をもって「先の先」「後の先」という
別々の手段を選んだ。
この二人が再び出会うのかそれとも出会うことなく終わるのかは定かではない。






【C-6 森(左上端) /1日目 夕方】

【ネリネ@SHUFFLE! ON THE STAGE】
【装備:永遠神剣第七位“献身” 登山用ブーツ 双眼鏡】
【所持品1:支給品一式×5 IMI デザートイーグル 7/10+1 IMI デザートイーグル の予備マガジン10 九十七式自動砲 弾数2/7
S&W M37 エアーウェイト 弾数0/5 出刃包丁@ひぐらしのなく頃に 祭 コンバットナイフ イングラムM10(9ミリパラベラム弾32/32)
イングラムの予備マガジン(9ミリパラベラム弾32発)×7】
【所持品2:トカレフTT33の予備マガジン10 洋服・アクセサリー・洗髪剤いずれも複数、食料品・飲み物多数】
【所持品3:朝倉音夢の生首(左目損失・ラム酒漬け) 朝倉音夢の制服 桜の花びら コントロール室の鍵 ホテル内の見取り図ファイル】
【所持品4:謎ジャム(半分消費)@Kanon、『参加者の術、魔法一覧』、四葉のデイパック】
【所持品5:C120入りのアンプル×8と注射器@ひぐらしのなく頃に、ゴルフクラブ、灯油入り一斗缶×2、各種医薬品】
【状態:肉体的疲労は僅か・魔力消費小、腹部に痣(消えかけ)、左腕打撲、右耳に裂傷、左足首に切り傷(いずれも治りかけ)、非常に強い意志】
【思考・行動】
1:B-5へ移動後、一度C-4、C-3と移動して博物館を目指す(その途中で永遠神剣の持ち主を発見したら倒して魔力を回復する)。
2:稟を探す。その途中であった人間は皆殺し。知人であろうとも容赦無く殺す(戦い方は一撃離脱・ゲリラ戦中心、出来る限り単独行動している者を狙う)
3:ハイリスク覚悟で魔力を一気に回復する為の方法、或いはアイテムを探す
4:トウカを殺し、楓の仇を討つ
5:純一に音夢の生首を浸したラム酒を飲ませ、最後に音夢の生首を見せつけ殺す
6:つぐみの前で武を殺して、その後つぐみも殺す
7:桜の花びらが気になる
8:稟を守り通して自害
9:最悪、稟が死亡した時は稟の遺体を持ち帰るために優勝を目指す。

【備考】
現在は髪を鮮やかなオレンジに染め、黒の髪留めでポニーテールにしています。
私服(ゲーム時の私服に酷似。ただし高級品)に着替えました。(汚れた制服と前の私服はビニールに包んでデイパックの中に)
私服の上からウィンドブレーカーをはおっています。
ネリネの魔法(体育館を吹き飛ばしたやつ)は使用不可能です。
※これはネリネは魔力は大きいけどコントロールは下手なので、 制限の結果使えなくなっただけで他の魔法を使えるキャラの制限とは違う可能性があります。
※永遠神剣第七位“献身”は神剣っていってますが、形は槍です。


※永遠神剣第七位“献身”は制限を受けて、以下のような性能となっています。
永遠神剣の自我は消し去られている。
魔力を送れば送る程、所有者の身体能力を強化する(但し、原作程圧倒的な強化は不可能)。
魔力持ちの敵に突き刺せば、ある程度魔力を奪い取れる。
以下の魔法が使えます。


尚、使える、といってもウインドウィスパー以外は、実際に使った訳では無いので、どの位の強さなのかは後続の書き手に委ねます。
アースプライヤー  回復魔法。単体回復。大地からの暖かな光によって、マナが活性化し傷を癒す。
ウィンドウィスパー 防御魔法。風を身体の周りに纏うことで、僅かな間だけ防御力を高める。
ハーベスト     回復魔法。全体回復。戦闘域そのものを活性化させ、戦う仲間に力を与える。


※古手梨花を要注意人物と判断(容姿のみの情報)
※音夢とつぐみの知り合いに関する情報を知っています。
※音夢の生首はビニール袋へ詰め込みラム酒漬けにした上、ディパックの中に入れてます。
※魔力が極端に消耗する事と、回復にひどく時間がかかる(ネリネの魔力なら完全回復まで数日)という事に気が付きました。
※トウカと、川澄舞(舞に関しては外見の情報のみ)を危険人物と認識しました。
※千影の“時詠”を警戒。ただし“時詠”の能力までは把握していません。
※魔力持ち及び永遠神剣の持ち主を献身で殺せばさらに魔力が回復する仮説を思いつきました。
※ある程度他の永遠神剣の気配を感じ取れます。
※桜の花びらは管理者の一人である魔法の桜のものです。
※見取り図によってホテルの内部構造をかなり熟知しています。
※回収したディパックは武器を入れたものに丸ごと突っ込んで移動に支障が無いようにしています。


【D-4 森(マップ中、西端)/1日目 夕方】

【永遠神剣チーム】
【思考・行動】
1:神社から中央部(ホテル付近)を探索後病院へ
2:トウカ、名雪、ことりを探す

【高嶺悠人@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【装備:今日子のハリセン@永遠のアセリア、トウカの刀@うたわれるもの、ベレッタM92F(9mmパラベラム弾14/15+1)】
【所持品:支給品一式×3、バニラアイス@Kanon(残り9/10)、予備マガジン×4、暗視ゴーグル、FN-P90の予備弾、電話帳】
【状態:疲労軽程度、左太腿に軽度の負傷(処置済み・歩行には支障なし)、「時詠」に対する恐怖】
【思考・行動】
基本方針1:千影を守る
基本方針2:なんとしてもファンタズマゴリアに帰還する
0:神社から中央部(ホテル付近)を探索後病院へ
1:北上した襲撃者を警戒。
2:国崎往人に対するやり切れない感情。
3:咲耶を含む出来る限り多くの人を保護。
4:ゲームに乗った人間と遭遇したときは、衛や弱い立場の人間を守るためにも全力で戦う。割り切って容赦しない。
5:ネリネをマーダーとして警戒
6:地下にタカノ達主催者の本拠地があるのではないかと推測。しかし、そうだとしても首輪をどうにかしないと……

【備考】
※バニラアイスは小型の冷凍庫に入っています。
※衛と本音をぶつけあったことで絆が強くなり、心のわだかまりが解けました。
※アセリアに『時詠』の事を話していません。
※千影が意図的に西へ西へと移動しているのにまだ気付いていません。


【千影@Sister Princess】
【装備:永遠神剣第三位『時詠』@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【所持品:支給品一式、銃火器予備弾セット各100発(クロスボウの予備ボルトのみ残数80/100)、
     バナナ(フィリピン産)(2房)、倉成武のPDA@Ever17-the out of infinity-、倉田佐祐理の死体の写真】
【状態:左肩重傷(治療済み)、肉体的疲労小、魔力消費小、スカートに裂け目】
【思考・行動】
基本行動方針:襲ってくるものには手加減しない。時詠の能力使用は極力控える
0:神社に向かう。ただし、不吉な予感から現在は意図的に西へと移動して三度目の放送時は神社にいないようにする
1:咲耶を探す。
2:鷹野の発言に強い興味。
3:永遠神剣に興味
4:北川潤、月宮あゆ、朝倉純一の捜索
5:魔力を持つ人間とコンタクトを取りたい
6:『時詠』を使って首輪が外せないか考える
7:もう一度舞に会いたい

※千影は『時詠』により以下のスキルが使用可能です。 但し魔力・体力の双方を消耗します。
 タイムコンポーズ:最大効果を発揮する行動を選択して未来を再構成する。
 タイムアクセラレイト…自分自身の時間を加速する。他のスキルの運用は現時点では未知数です。 詳しくはwiki参照。
 またエターナル化は何らかの力によって妨害されています。
※未来視は時詠の力ではありません。
※四葉とオボロの事は衛と悠人には話してません(衛には話すつもりは無い)
※千影は原作義妹エンド後から参戦。
※倉田佐祐理の死体の写真は額の銃痕が髪の毛で隠れた綺麗な姿。
 撮影時間(一日目夕方)も一緒に写っています。
※ハクオロ、トウカ、悠人を強く信頼。


143:血みどろ天使と金色夜叉 投下順に読む 145:心の瑕、見えないもの
143:血みどろ天使と金色夜叉 時系列順に読む 145:心の瑕、見えないもの
138:Hunting Field(後編) ネリネ 152:炎の魔法少女(前編)
139:瓶詰妖精 高嶺悠人 152:炎の魔法少女(前編)
139:瓶詰妖精 千影 152:炎の魔法少女(前編)






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