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瓶詰妖精 ◆tu4bghlMIw


席順は先ほど変わらず、座椅子に奥からボク、ハクオロさん、千影ちゃん。
反対の椅子側は悠人さん、アセリアさん、瑞穂さん、という順番だ。
さっきと違うのは各自の目の前に飲み物が置かれている事くらい。
千影ちゃんと瑞穂さんが紅茶。ボクはオレンジジュース。悠人さんがコーヒー。
ハクオロさんは何だか良く分からないお茶。アセリアさんはコーラと格闘している。

まず、行われたのは簡易的な自己紹介。
一応名乗りだけは移動中に済ませていたけど、ちゃんとした形のものは初めて。
アセリアさんはラキオスという国の騎士隊長さんらしい。
瑞穂さんは日本でも有数のお嬢様校で生徒の代表的な役職に就いていたと言っていた。

またその時"アルルゥ"という女の子の形見らしい蜂の巣を手渡された。
ハクオロさんは凄く複雑な視線でソレを見ていた。
アセリアさんが言うには、本当はハクオロさんと手合わせをしてみたかったのだけど状況が状況だから自重する、らしい。





「……こんな所でしょうか。とりあえず今は明確な目的地は無いんです。
 ただ、困っている人達を助けて回りたいと思っています」


……どうしよう。
隣でハクオロさんが、対面では悠人さんが頭を抱えている。
千影ちゃんは何を考えているか分からない。

二人の苦悶の表情の原因はずばり国崎さん。
話は数十分前、国崎さんが自分のやった事を懺悔した時まで遡る。
この時ボクらはその口から『博物館で女騎士や髪の長い女子高生、短い女子高生と交戦した』という情報を得ていた。

だけど。
国崎さんは戦った女の子達の名前を覚えていなかった。
でも唯一、殺してしまったアルルゥちゃんの名前だけは覚えていたんだ。

"人殺し"なんて、やっぱり本人がどれだけ覚悟をしていても簡単に切り捨てる事は出来やしない。
それは、悲しいくらい印象深い罪。
上手く頭が回らない戦場でも、国崎さんの中でその意識は貫かれていたんだと思う。

そして現在。
浮かび上がる問題は、その交戦した集団の中に瑞穂さんとアセリアさんが含まれていた、という事だ。


悠人さんが「やっぱりか……」なんて呟いた声が聞こえた気がした。
どうも話に出て来た『女騎士』がアセリアさんじゃないのかと疑っていたようだ。

それにもう一つ、瑞穂さん達は今、二人連れなのだ。
髪の長い女子高生が瑞穂さん、女騎士がアセリアさんだとすれば、髪の短い女子高生はどこに行ってしまったんだろう。
気になったけど、尋ねるのは止めた。
何となく、聞いてはいけない事のような気がしたから。

でも二人とって国崎さんが許せる相手では無いというのは確か。
悲しみの青と憎しみの黒、そして怒りの赤。
その全てをごちゃ混ぜにしたような感情の波を二人の態度や台詞からヒシヒシと感じた。


……言い難いなぁ。
これがボクの正直な感想。
目の前でエスペリアさんを殺された訳でも無い悠人さんですら、烈火の如く怒り狂っていたのだから。

だったら本当に手が届きそうな距離でつい先程まで一緒にいた年下の女の子を殺され、あまつさえ死の瞬間まで看取っていたとしたら。
その心境は、胸中はいわば燃え盛る灼熱の業火のようなものだろう。
本当に殺したいほど憎いに決まっている。
(というか実際にアセリアさんは、出会ったら即切り伏せるとまで断言していた)

そんな二人に『国崎往人はかくかくしかじかの事があったから、改心して今は正義の為に戦っています』なんて言える訳が無い。
一体どんな反応が返ってくるか、考えるだけでも背筋が凍りそうだ。

「あの……ハクオロさん? 悠人さん? お二人とも」
「い、いや……特に問題なんて無いぞ。なぁ、悠人」
「は……そ、そうですよね。ハクオロさん」

口の中のオレンジジュースを吹き出してしまうかと思った。瑞穂さんの問い掛けを二人が露骨に誤魔化そうとしたからだ。
思わず隣に座っているハクオロさんの顔を直視してしまう。
あ、眼が合った。凄く決まりの悪そうな表情をしている。

「……ゴホン。瑞穂、アセリア。……いいか、落ち着いて私の話をよく聞いて欲しい」
「ん、問題ない」
「ええ……で、お話とは?」

さすがハクオロさんっ!
ボク達にできないことを平然とやってのけるっ! そこに痺れる! 憧れるうぅ!
という感じだろうか。悠人さんがホッと胸を撫で下ろした。
一度躊躇こそしたものの、真正面から切り込んでいくその姿は凄く頼もしかった。


「……実は私達は国崎往人とついさっきまで一緒にいたのだ」
「…………あの……すみません、もう一回お願い出来ますか」
「私達は国崎往人と――」
「奴は何処だッ!!!!!!!」


ハクオロさんの台詞を遮って、ガタンと大きな音を立ててアセリアさんが立ち上がった。
アセリアさん全然落ち着いて無いです、みたいな突っ込みが通用する雰囲気では勿論無い。
目の前に置いてあったコップが倒れる。でも中身のコーラは既に飲み干されていたので実害は無し。
氷がバラバラと机の上に散らばった。

「クニサキユキトは何処だ、答えろッ!! 返答次第では――」
「……往人とは北の公園で別れた。だがアセリア聞いて欲しい、奴は、」
「北か……ミズホ行くぞ、アルルゥの敵を取る」

アセリアさんはそう言うと、傍らに置いてあったデイパックを背負い席を立った。
既にハクオロさんの話を聞く気は皆無。全身から怒気を噴出し、眼はボク達の方をまるで見ていない。

「待って!! ハクオロさんの話を聞きましょう、だってアルルゥちゃんは……」
「……聞くに値しない。どうせ、臆病風にでも吹かれたに決まっている」

瑞穂さんも立ち上がり、必死でアセリアさんを引き止めようとする。
ボクには何も出来ない。ただ言い争う二人を見ているだけ。
座ってこの光景を眺めている事しか出来なかった。


「アセリアッ!!!! 話を聞けッ!!」
「ユート……見損なったぞ。何故、そんな悪漢を見逃したんだ。……エスペリアも悲しむ」
「ッ!!!!」


アセリアさんは最後に「外で待っている」と言い残し、店を出て行った。
静寂。
皆俯いて口を閉ざしたまま。
唯一ずっとカップに唇を付けていた千影ちゃんが、カチャンと音を立ててソレをソーサーの上に置く音が響いたぐらい。
空になったカップ。紅茶は綺麗に無くなっていた。


 ■


「皆さん、短い間でしたが私も行かせて貰います。……アセリアさんが待っていますので」
「話だけでも聞いていかないか。国崎は……」
「……いえ、結構です。大丈夫です、何となくですがハクオロさんの言いたい事は分かりますので」

瑞穂さんが若干表情を曇らせる。
もしかして彼女は国崎さんが人殺しをするのを止めた事に、何となく気付いているんだろうか。
でも、ソレを上手く自分の中で処理出来なくて、こんな表情をしているのかな、と思った。

「そうだ、一つだけ。言っておかなければならない事があります」
「言っておかなければならない事?」
「はい。これから先、鷹野が直接何かコンタクトを取ってくる可能性があります。
 でも、彼女の言葉には決して惑わされないで下さい」

瑞穂さんは制服の裾をギュッと強く、握り締めた。
真一文字に結ばれたその口元は過去の自分に対する怒りの感情に満ち溢れているようだった。

「……鷹野が? もしかして瑞穂さん何か……」

悠人さんの眉がピクリと動いた。
だって、瑞穂さんの台詞は自分"が"何か言われたという事を裏付けるようなものだったから。
この酷い殺し合いの舞台を設定した人間から直接、接触される――それがどんな意味を持つかは分からないけど、ボクにだって決して良い事じゃない事くらいは分かる。


「っ……ええ。私はその……鷹野に唆されて一度だけ、仲間に牙を剥きました」
「なんと……」
「でも、アセリアさんが。茜さんが。アルルゥちゃんが。仲間がいたから私は自分の過ちに気付く事が出来たんです」


そう言った瑞穂さんの顔つきは、今までの黒い感情に染まったソレとはまるで違った。
心の底から信頼した人間にだけ向ける、対人関係の殻を脱ぎ捨てたような表情。
見る者を安堵させるような本当に素晴らしい朗らかな笑顔。

「良い仲間を持ったんですね」
「……そうですね、本当にそう思います」

悠人さんに向かって胸を張り、何の躊躇いも無く懺悔する瑞穂さんの姿にボクは凄く胸を打たれた。
綺麗なダークブラウンの髪がサラサラ揺れて、大きくなったら可憐ちゃんもこんな風になるのかな、ってちょっとだけ思った。
店の外で待っているアセリアさんもあんなに怒ったのは多分、それだけアルルゥちゃんの事を大切に想っていたからだと思う。
住んでいた世界は違ってもあの二人はきっと強い絆で結ばれているんだ、きっと。

「衛? ……どうした、ぼんやりして」
「衛くん……顔が赤いよ。……熱でもあるのかい?」
「へ……あ、ゴ、ゴメン!! な、何でも無いよ、悠人さん、千影ちゃん。アハハハハ……」
「……そう、かい」

千影ちゃんが何か言いたそうな素振りを見せていたけど、ボクには良く分からなかった。
でも言われて初めて気付いたんだ。

どうしてボク、悠人さんの方を見ていたんだろう。

二人に返した言葉も何故か少しどもってしまったし、何でこんなに自分が取り乱しているのかも分からない。
両手で頬に触れてみると、本当に熱い。まるで朝にあにぃと並んでランニングした後みたいだ。
きっと傍から見たら真っ赤に染まってしまっている気がする。

「……でも解せないな」
「何がです?」
「こうやって話してみた限り、瑞穂くんは芯の通った実直な人間。信頼に足る人物だ。
 そんな瑞穂くんが介入して来た主催者の言葉に騙されるなんて……。逆にどんな事を言われたのか、気になるな」

千影ちゃんが一歩前に出て話の舵を取る。
確かに言う通りだ。瑞穂さんのような人が鷹野さんの言う事を素直に聞く訳が無い。
特別な取引か何かを持ち掛けられたのかな。例えば……言う事を聞いて人殺しに乗れば、好きな人間を一人生かしてやる、とか。

「そうですね……近々知る事になるでしょうし、それなら早い方がいいですよね」

瑞穂さんがそう呟いて一人で頷いた。
そしてボク達の方に向き直り、一度息を吸ってから喋り始める。


「鷹野三四は言いました――ゲームの優勝者は、好きな願いを一つだけ叶えられる、と。
 それがどんな願いであれ、例えば――死人を生き返らせる事も可能、だと」
「「「「な……」」」」


ボクは自分の肩が跳ね上がるのを止める事は出来なかった。
唇から声にならない声が零れる。
一瞬の空白、そしてその言葉の意味を考える。反芻する。

『ゲームの優勝者は、好きな願いを一つだけ叶えられる』
『死人を生き返らせる事も可能』

ソレってつまり、四葉ちゃんを生き返らせる事も可能って事……?
いや……違う。優勝というのは最後の一人になる事。
つまりその時点で、咲耶ちゃんも千影ちゃんも悠人さんも死んでしまっている事になる。

それにどう考えてもボクが優勝出来る訳が無いし、もちろん進んで殺し合いに乗るつもりも全く無い。
運良く一人でが生き残る確立なんて何千万分の一だろうか、全くアテにならない。
それに、まるで信憑性が無い。
本当に鷹野さんが約束を守ってくれるのか、どこにも保障は無いのだから。
だったら瑛理子さんが言っていたように首輪を解析して、沢山の人と一緒に脱出出来た方がいいに決まっている。

「エスペリアさえ、生きていてくれればな……。
 千影が見たという『献身』と合わせてマナ次第で死者を蘇生させる事も可能だったのだが」

悠人さんの発言にボクはもう一度驚いた。
俄かには信じられない話だけど、悠人さんは死んでしまった人間を生き返らせる手段に心当たりがあったらしい。
だけどエスペリアさんは……。

ボクがそんな事を考えていると、千影ちゃんが瑞穂さんに近付いた。
どうしんだろう、何をそんなに焦っているのだろう。疑問に思う。

「瑞穂……くん、一つだけ聞きたい。それは……鷹野三四から……直接言われた事なのかい?」
「そう、ですね。スピーカー越しではあったのですが」
「……つまり、真実なんだね」
「千影……ちゃん?」

その時、千影ちゃんは凄く難しそうな表情をしていた。
酷く思いつめたような、崖の上で自殺をするタイミングを計っている人のような印象を受けた。


ドクン。
何かが脈打った。
ドクン。
これは……心臓の音?瑞穂さんのさっきの台詞を聞いた時もこんな風にはならなかったのに。
何だろう、この感覚。
凄い、不安だ。心がブルブル震える。今にも壊れてしまいそう。
なんで、どうして。今ボクの周りには信頼出来る人間しかいないのに。何も心配する事なんて無いはずなのに。


ハクオロさんは例えるならお父さんみたいな感じ。
大きくて、優しくて、家族を守る大黒柱。リーダーと言ってしまってもいいかもしれない。

悠人さんは遙あねぇと逸れたっきり、ずっと一緒に居てくれて、遙あねぇがあんな事になった時も必死に慰めてくれて。
ここまで何度足を引っ張ったかも分からないボクを支えてくれて。
凄く頼りになる人だ、それに……ちょっとだけあにぃに似ている気がする。

アセリアさんはちょっと怖い所はあるけど、凄く強くて頼りがいのある人。
身に纏った甲冑が格好良い。戦う女の人、って感じだ。

瑞穂さんは包容力に溢れた、まるでもう一人あねぇが出来たんじゃないかと錯覚してしまいそうな人。
ボクも大きくなったら瑞穂さんみたいに立派になれるのかな。少し、自信が無い。

そして、千影ちゃん。この島に来て初めて会う事が出来たボクの大切な姉妹。
ボクより少しだけ歳上で咲耶ちゃんと並ぶ姉妹の中のまとめ役。


これ以上無いくらい素敵な人たちに囲まれているのに。
どうして、どうして千影ちゃんの物憂げな横顔がちょっと目に入っただけでこんなに動揺してしまったのだろう。

「どう……したんだい、衛くん?」

きっとこの時のボクは酷い顔をしていたんだと思う。
こんな有り得ない環境に放り込まれて精神が疲れ切っている事は自覚している。
だから周りの人の変化にも凄く敏感になる。
それが長年同じ時間を共有していた千影ちゃんであっても同じだ。


――もしも一瞬でも眼を離したら、ボクの目の前から永遠に消え去ってしまうんじゃないか。

――四葉ちゃんのように、会う事も、最期の瞬間を見届ける事も出来ないまま、機械的に死を受け入れる事になるんじゃないか。


「今……千影ちゃん、怖い顔してた」


ボクがそう言うと千影ちゃんは一瞬、驚いたような表情を浮かべたものの、すぐに笑ってくれた。
そして頭を優しく撫でてくれた。嬉しかった。暖かかった。

その笑顔は口元が軽く上がる程度の動作。顔の筋肉の動きだけ見れば本当に些細な動きでしかない。
だけどボクたち姉妹とあにぃにとってはこれで十分なんだ。普段から感情をあまり表には出さない千影ちゃんが見せる、精一杯の変化。
それだけでボク達には千影ちゃんが考えている事が何となく分かる。
どれだけ姉妹を大切に思っているのかも、皆ちゃんと分かってる。

「……大丈夫。……咲耶も四葉も必ず私が救ってみせるから」


 ■


瑞穂さんはもう行ってしまった。
ハクオロさんもそれ以上詳しい話はせず、簡潔に自分達の目的地が病院である事、首輪解除を目的に動いている事だけを告げた。
凄く、信頼出来る人だったと思う。
そう考えると瑛理子さんの『この島から脱出するには、出来るだけ多くのゲームに乗っていない人間の力が必要』と言う言葉がより強く思い出される。

まるで喧嘩別れのような状態だったけど、何とかそれなりの意思疎通は出来たみたい。
悠人さんは一つ余っていた銃を渡していたし、千影ちゃんも瑞穂さんの血塗れの制服の替えとして自分の支給品を渡していた。
縁があればまた会える、と最後に瑞穂さんは笑って手を振っていた。



森の入り口が見えた。ここからボク達は南と東、それぞれ神社と学校を目指す。
ターニングポイントだ。
千影ちゃんがボクの隣にいる、ハクオロさんと向き合う。
瞳には強い意志。何かを決意したような印象を受けた。

「…………ハクオロくん。衛くんの事を……よろしく頼むよ」
「ああ、分かった。衛の事は任せてくれ。だが……」
「……何だい?」
「その、"ハクオロくん"という呼び方はどうにかならないか?」

ボクは不謹慎だけど、少し笑ってしまった。
うん、確かに"ハクオロくん"はおかしい。
千影ちゃんが誰であっても『くん付け』で呼ぶのはいつもの事。敬語を使う人間は相当限られて来る。
でもさすがに一回りも歳が違いそうな大人の男の人に対して使うには違和感を感じた。

「……不満、かい。…………そうだ、じゃあトウカくんには何と……呼ばれていたんだい?」
「トウカにか? トウカは国の役職の名前で"聖上"と呼んでいたが……」
「……そう。それでは私も……聖上、と呼ばせて貰おうかな」

不満かい、と尋ねた千影ちゃんが一番不満そうだったのは二人には黙っておく。
悠人さんもハクオロさんも気付かなかっただろうけど、ボクだけには分かった。
長く付き合っている人間じゃないと気付かない、微妙な表情の変化だから。

「聖上、衛くんの事を……守ってあげて欲しい」
「ああ、引き受けた。千影、君の妹は私がこの身に代えても守ってみせる」
「衛くん……少しだけのお別れだ」
「うん、千影ちゃん元気でね! 悠人さんも千影ちゃんを守ってあげて!」
「約束する。衛も頑張るんだぞ」

頬を膨らませたりもしないし、語気が荒くなったりもしない。少し、眉を潜める。ただそれだけ。
でも千影ちゃんはそんな事を引きずったりはしない。
ほら、今だって、凄くいい笑顔だった。

こうしてボク達は森に入る所で別れた。
次に会うのは病院。どれくらい時間が掛かるだろうか。見当も付かない。
この島に来てからボクはほとんどずっと悠人さんと一緒にいた。
苦しい時も、危ないときも、悲しい時も――全部悠人さんがいてくれたから耐える事が出来た。
でも今この瞬間、隣には悠人さんはいない。
これからはハクオロさんと二人でボクは与えられた目的を果たさなきゃいけないんだから。



【D-4 森(マップ右上)/1日目 夕方】


【歩く死亡フラグと恋する少女】
【思考・行動】
1:学校・住宅街を経由して病院へ

【ハクオロ@うたわれるもの】
【装備:Mk.22(8/8)、オボロの刀(×2)@うたわれるもの】
【所持品:投げナイフ×2、ビニール傘、ランダム支給品2(確認済み、武器ではない)
支給品一式×3、予備マガジン(8)x4、スーパーで入手した品(日用品、医薬品多数)、タオル、陽平のデイバック】
【状態:精神疲労】
【思考・行動】
基本方針:ゲームには乗らない。
1:衛を守る。
2:学校・住宅街を経由して病院へ
3:仲間や同志と合流しタカノたちを倒す。
4:トウカがマーダーに間違われるようなうっかりをしていないか不安。
5:悠人の思考が若干心配。(精神状態が安定した事に気付いてない)

【備考】
※校舎の周辺の地形とレジャービルの内部状況を把握済み。
※中庭にいた青年(恋太郎)と翠髪の少女(亜沙)が殺し合いに乗っているかもしれないと疑っています。


【衛@Sister Princess】
【装備:TVカメラ付きラジコンカー(カッターナイフ付き バッテリー残量50分/1時間)】
【所持品:支給品一式、ローラースケート@Sister Princess、スーパーで入手した食料品、飲み物、日用品、医薬品多数】
【状態:精神状態は正常、疲労軽程度】
【思考・行動】
基本方針1:死体を発見し遙や四葉の死に遭遇したが、ゲームには乗らない。
基本方針2:あにぃに会いたい
基本方針3:悠人さんがいなくてもくじけない
0:ハクオロについていく。
1:別れたメンバーを心配。
2:ハクオロの足手まといにならぬよう行動を共にする。
3:咲耶にも早く会わなきゃと思う。
4:ネリネをマーダーとして警戒。
5:鳴海孝之という人を悠人と共に探して遙が死んだことを伝える。

【備考】
※悠人の本音を聞いた事と互いの気持ちをぶつけた事で絆が深まりました。
※TVカメラ付きラジコンカーは一般家庭用のコンセントからでも充電可能です。充電すれば何度でも使えます。
※ラジコンカーには紐でカッターナイフがくくりつけられてます。
※医薬品は包帯、傷薬、消毒液、風邪薬など、一通りそろっています。軽症であればそれなりの人数、治療は可能です。
※日用品の詳細は次の書き手さんにまかせます。



【D-2 都市部(マップ下)/1日目 夕方】
【女子二人】
1:とりあえず公園(D-2)に行く

【アセリア@永遠のアセリア】
【装備:鉄パイプ(頑丈だがかなり重い、長さ二メートル程、太さは手で握れるくらい)】
【所持品:支給品一式 鉄串(短)x1、ひぐらし@ひぐらしのなく頃に、フカヒレのコンドーム(12/12)@つよきす-Mighty Heart-】
【状態:激怒、肉体的疲労小、右耳損失(応急手当済み)、頬に掠り傷、ガラスの破片による裂傷(応急手当済み)】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない
0:公園まで北上
1:仲間を守る
2:無闇に人を殺さない(但し、クニサキユキトとエスペリアを殺した相手と襲撃者は殺す)
3:強者と戦う
4:永遠神剣を探す
5:もっと使い勝手の良い武器を手に入れる
6:悠人とハクオロに失望
7:川澄舞、国崎往人を強く警戒


【宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【装備:ベレッタM92F(9mmパラベラム弾15/15+)】
【所持品:支給品一式×3、フカヒレのギャルゲー@つよきす-Mighty Heart-、
 多機能ボイスレコーダー(ラジオ付き)、斧、レザーソー、投げナイフ3本、
 フック付きワイヤーロープ(5メートル型、10メートル型各1本)、国崎最高ボタン、茜手製の廃坑内部の地図(全体の2~3割ほど完成)、予備マガジンx3、バーベナ学園の制服@SHUFFLE! ON THE STAGE 】
【状態:悲しみ、決意、困惑、血塗れ(孝之の返り血によるもの)】
【思考・行動】
0:アセリアを宥める
1:エルダー・シスターとして、悲しみの連鎖を終わらせる(殺し合いを止める)
2:アセリアを守る
3:川澄舞と国崎往人を警戒
【備考】
※陽平には男であることを隠し続けることにしました。
※蟹沢きぬにも男性であることは話していません。
※アセリアにも男性であることは話していません。他の人にどうするかはお任せ

※フカヒレのギャルゲー@つよきす について
プラスチックケースと中のディスクでセットです。
ケースの外側に鮫菅新一と名前が油性ペンで記してあります。
ディスクの内容は不明です。

【備考】
※瑞穂本人の国崎往人に対する認識がどの程度までハクオロ達と共通しているかは次の書き手さんにお任せします。
※悠人、ハクオロ、衛、千影をそれなりに信頼。
※ハクオロ達のグループが病院を目指している、首輪解除を狙っていると言う情報を入手。
※悠人からベレッタM92F(9mmパラベラム弾15/15)、予備マガジンx3、千影からバーベナ学園の制服@SHUFFLE! ON THE STAGEを受け取っています。


 ■


……どうやら誰も気付かなかったみたいだね。
私はポケットの中でPDAを弄びながらそんな事を思った。
誰にもバレないように"撮影"をするのは、少し苦労のいる作業だった。

なにしろ、面と向かって"一枚、倉田佐祐理の写真を撮らせてくれ"などと懇願する事なんて、出来る訳が無いから。
いかに舞くんに彼女の最後の姿を見せてあげたい、という免罪符があろうとも、酷く嫌な目で見られるのは分かりきっている。
私だけならまだいい。
だが衛くんまでそんな視線で見られるのは耐えられなかった。
それで結局、取った手段は盗撮まがいの行為。死者を冒涜していると呪い殺されても文句は言えないかな。

そうだ、もう一つ驚いた事がある。
それは"舞くんが"ゲームに乗ってしまったらしい、という事。
平常時の舞くんに出会った人間はあの中で自分ひとりだったから、この事はまだ誰にも言っていない。

別れた直後の放送で佐祐理くんの死を聞かされたから、と考えるのが妥当だろうか。
そうなるとことりくんの身の安全が不安になって来る。
とはいえ、未だ名前は呼ばれていない訳だから何処かで生きているとは思うのだけれど。
全身を血に染めた恐ろしい復讐鬼。二人の話からはそんなイメージしか伝わってこなかった。

でも、せっかく苦労して写真を撮ったのに完全に無駄骨になってしまったようだ。
狂ってしまった舞くんに佐祐理くんの最期の姿を見せる――
そんな事をしたら、余計彼女を追い詰める事にしかならないのだから。



衛くんは笑っていた。
こんな過酷な状況下におかれているとは思えない、太陽のような笑顔で。
衛くんはこの集団の実質的なリーダーである聖上と一緒にいる。
彼は信用出来る人間だ。だから大丈夫。私が傍にいるよりもきっと頼りになるはずだ。

隣にいる男、高嶺悠人の顔を盗み見る。
強靭な肉体、高い魔力、集団の先頭に立つリーダーシップ、策を講じる知性。どれをとってもトップクラスだ。
聖上や先程出会った瑞穂くんも優れた能力を持っていたと思うが、やはり魔術的素質の有無は大きいと思う。
リーダーとしてはコチラの二人の方が上であるようにも思えるけれど。


それに、永遠神剣の存在。あれは反則的な支給品だったと今更ながら思う。
……いや、違うか。魔法の使えないものにとってはただの武具に過ぎないのだから。

とはいえ同じく永遠神剣を持った場合のアセリアくんにも同じ事が言えるはず。
なにしろ、あの弾丸のような身のこなしが更に強化される訳だから。
アレは別体系の魔法の使い手ながら、無理やり魔力を注ぎ込んで『献身』を使用していたネリネくんにさえ、凄まじい身体能力の強化をもたらしていた。
だが、そんな印象ですら霞むのが"本物"の使い手に永遠神剣が渡った場合。
『時詠』の力を行使した悠人くんの力はあまりにも圧倒的だった。
本人は上手く操作出来なかったと言っていたが、そんな言葉はあの爆発的な破壊力の前には掻き消させれる。

私やネリネくんが剣を使うといっても、それは所詮無理やり使っているに過ぎない。
当然、永遠神剣を使った戦闘のプロフェッショナルである二人には敵わないのだ。
つまり彼らファンタスマゴリアの人間と永遠神剣、この組み合わせが実現すれば当面の敵はいなくなると言う事だ。


まぁ……私の永遠神剣の使い方があまり良くなかったというのも大きい気もする。
よりによってこの私が剣を握ってチャンバラに講じるなんて、あまりにも不向き過ぎる。
『何らかの方法』によって莫大な魔力を補給する手段でもあれば、剣の力に完全に頼った戦いが出来るかもしれないが。

おそらくネリネくんもそう。剣を振り回すよりも魔力の塊をぶつけた方が効率は良いに決まっている。
彼女に関しては能力のキャパシティが大き過ぎて制御出来ていなかっただけ、な気もするけどね。
とはいえ時詠に魔力を注ぎ込めば抜群の媒介になるし、十分呪文の行使も可能だ。
普通の人間なら余裕で殺傷出来るレベルまでは出力を出せるはず。
もっとも今は自衛の意味以外でその力を使うつもりは全く無い。

そういえば、悠人くんが『時詠』を使った時に見せたあの不可解な態度。あれは何だったんだろう。
行使したのはどう見ても"タイムアクセラレイト"の魔術。それだけは間違いない。
つまりあの一瞬で数十メートルの距離を移動し、ホールの壁をバラバラにして、戻って来という事になる。
私を"あまり強そうに見えない"と評した悠人くんの想像通り、コレに比べたら私のタイムアクセラレイトなど足元にも及ばない。
だから少なくとも私には、あれが失敗したようにはとても見えないのだ。

まぁ、とにかく悠人くんが庇護者としてこれほど無い人材なのは確か。
衛くんも彼と一緒に居たからこそ、大した怪我をする事もなかったのだから。
彼に有らぬ疑いを掛けるのは野暮というものか。

「千影、それじゃあ行こうか。俺達の行動範囲は広いぞ、急がなきゃいけない」
「……分かってる。行こうか、悠人くん」

とにかく今出来る事は、ただ移動する事。
名雪くんがどうなったのか、少し気になるが今は仕方が無い。
出来るだけ早く神社に行けるようにするだけだ。
でもこんな事を考えていながらも、私の心の中では先ほど瑞穂くんが言っていた台詞が何度と無く繰り返されていた。


『ゲームの優勝者は、好きな願いを一つだけ叶えられる』


鷹野三四が言っていたというこの台詞、いったいどこまでが真実なのだろう。
優勝という条件を満たす事で、何らかの自在性を持った魔法が発動するのか、それとも恒常的にそんな力が使えるのか。
それとも願いを叶えるという言葉自体がブラフなのか。
判断するためには、ソレこそ鷹野三四に直接問い掛けるくらいしか方法は無い。

私程度の実力ではそんな儀式を執り行う事は夢のまた夢。だが、死者を蘇生させる術式が存在している事もまた確か。
それは悠人くんの言葉からも分かる事実だ。
別の世界であっても死者蘇生の技術は確立されている。
超常的な力を持ち合わせる鷹野がその秘法を行使する事が出来ても不思議ではない。


十二個揃えのパズルはもう完成しない。
十一番目のピースが壊れてしまったから。この世界から消え去ってしまったから。
もう、本来の姿に戻る事は無い。

パズルは完成してこそ価値があるもの。そんな事は誰にだって分かる。
ならば残った十一のピースには何の価値も無いのか。
……どうなのだろう。心情的には声を大にして否定したい。
一つ欠けたからといって、残りの全ての存在さえ無かった事になるなんてあんまりだと思うから。

だけどこの例え話をそっくりそのまま、自分達姉妹に当て嵌めた時。
やっぱり私は一つでもピースが欠けてしまったパズルに意味なんて無いと思う。
可憐、花穂、衛、咲耶、雛子、鞠絵、白雪、鈴凛、春歌、四葉、亞里亞、そして私、千影。
十二人揃ってこそ、なんだ。


ねぇ咲耶くん、君は今何処で何をしているんだい?
衛くんは元気だったよ。心から信頼出来る人間と出会えて本当に幸せそうだった。
早く君もいつものような笑顔で私の前に現れてくれないか。
そして、一番上の姉らしく落ち着いた顔で私達を叱って欲しい。励まして欲しい。
四葉くんを失った、私達の事を。

そしてゆっくり話し合おう。
これからの事、皆の事、この島で出会った人間の事。
喋ってみたい事は沢山ある。
今回ばかりは私も、少し話し過ぎてしまうかもしれないね。


それにね。
実は少しだけ、怖いんだ。
……私がこんな事を言うと、君は多分、気味悪がると思うんだけど。

輪廻と転生。死と再生。私はそんな流れを傍観しながら生きて来た。
前世から続く兄くんとの縁、騎士とその妹。
血の禁忌を超えて結ばれた、許されない愛。
いくつもの時代を超えて延々と続く逃れられない運命。

兄くんさえいれば他には何もいらない。今まではずっと、そう思っていた。
だけどね。ようやく私は気付いたんだ。
あの当たり前のようで騒がしい、皆といる空間が大好きだったって事に。
失ってから初めて分かる――陳腐な表現だけど、他にどうも言い表す事が出来ないんだ。


咲耶くん。
このまま私が闇に溶けて醜い姿に成り果てても、
私達は姉妹でいる事を許されるだろうか?

直接伝えられないのがもどかしい。
海に流した瓶詰の手紙のようだ。願いが届くのかも、届かないのかも分からない。
本当に必要な時にどうして君は近くにいないんだ。
私の中で、ある可能性が生まれてしまった。
『十二人』を復活させる、現状砂漠の砂のように掴み所の無い、信憑性の無いプランではあるけれど。

でも今はこの可能性はほとんどゼロに近いよ。
だってまだ、君と衛くんがいるのだから。
二人がいる限り、私が悪魔に成り果てる未来は永久にやって来る訳が無いんだ。




【D-4 森(マップ上)/1日目 夕方】

【永遠神剣チーム】
【思考・行動】
1:神社から中央部(ホテル付近)を探索後病院へ
2:トウカ、名雪、ことりを探す


【高嶺悠人@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【装備:今日子のハリセン@永遠のアセリア、トウカの刀@うたわれるもの、ベレッタM92F(9mmパラベラム弾14/15+1)】
【所持品:支給品一式×3、バニラアイス@Kanon(残り9/10)、予備マガジン×4、暗視ゴーグル、FN-P90の予備弾、電話帳】
【状態:疲労軽程度、左太腿に軽度の負傷(処置済み・歩行には支障なし)、「時詠」に対する恐怖】
【思考・行動】
基本方針1:千影を守る
基本方針2:なんとしてもファンタズマゴリアに帰還する
0:神社から中央部(ホテル付近)を探索後病院へ
1:北上した襲撃者を警戒。
2:国崎往人に対するやり切れない感情。
3:咲耶を含む出来る限り多くの人を保護。
4:ゲームに乗った人間と遭遇したときは、衛や弱い立場の人間を守るためにも全力で戦う。割り切って容赦しない。
5:ネリネをマーダーとして警戒
6:地下にタカノ達主催者の本拠地があるのではないかと推測。しかし、そうだとしても首輪をどうにかしないと……

【備考】
※バニラアイスは小型の冷凍庫に入っています。
※衛と本音をぶつけあったことで絆が強くなり、心のわだかまりが解けました。
※アセリアに『時詠』の事を話していません。


【千影@Sister Princess】
【装備:永遠神剣第三位『時詠』@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【所持品:支給品一式、銃火器予備弾セット各100発(クロスボウの予備ボルトのみ残数80/100)、
     バナナ(フィリピン産)(2房)、倉成武のPDA@Ever17-the out of infinity-、倉田佐祐理の死体の写真】
【状態:左肩重傷(治療済み)、肉体的疲労小、魔力消費小、スカートに裂け目】
【思考・行動】
基本行動方針:襲ってくるものには手加減しない。時詠の能力使用は極力控える
0:神社に向かう。
1:咲耶を探す。
2:鷹野の発言に強い興味。
3:永遠神剣に興味
4:北川潤、月宮あゆ、朝倉純一の捜索
5:魔力を持つ人間とコンタクトを取りたい
6:『時詠』を使って首輪が外せないか考える
7:もう一度舞に会いたい

※千影は『時詠』により以下のスキルが使用可能です。 但し魔力・体力の双方を消耗します。
 タイムコンポーズ:最大効果を発揮する行動を選択して未来を再構成する。
 タイムアクセラレイト…自分自身の時間を加速する。他のスキルの運用は現時点では未知数です。 詳しくはwiki参照。
 またエターナル化は何らかの力によって妨害されています。
※未来視は時詠の力ではありません。
※四葉とオボロの事は衛と悠人には話してません(衛には話すつもりは無い)
※千影は原作義妹エンド後から参戦。
※倉田佐祐理の死体の写真は額の銃痕が髪の毛で隠れた綺麗な姿。
 撮影時間(一日目夕方)も一緒に写っています。
※ハクオロ、トウカ、悠人を強く信頼。


139:朝焼けと青空の境界線を越えて 投下順に読む 140:Lunatic snow
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 時系列順に読む 140:Lunatic snow
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 国崎往人 148:求め、誓い、空虚、因果(前編)
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 二見瑛理子 148:求め、誓い、空虚、因果(前編)
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 高嶺悠人 144:先の先、後の先。
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 千影 144:先の先、後の先。
139:朝焼けと青空の境界線を越えて ハクオロ 157:決断の代償
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 157:決断の代償
139:朝焼けと青空の境界線を越えて 宮小路瑞穂 148:求め、誓い、空虚、因果(前編)
139:朝焼けと青空の境界線を越えて アセリア 148:求め、誓い、空虚、因果(前編)






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