誰にだって人を信じる権利はある、難しいのはその履行 ◆/Vb0OgMDJY


「おい! 大丈夫か!」
(…れ……)
「前原さん、先に傷の手当てしておきませんか」
「ああ、そうだな…………遠野さん、お願いしてもいいか」
「……えっちですね、前原さん」
(……だ……れ……)
「い、いや違う、違います! 俺は決してやましい事なんか考えてない!!」
「……冗談です、……それじゃあ向こう向いてて下さいね」
「って、全然冗談と思ってねえじゃねえかー!!」

ボク――月宮あゆが目を覚ましたとき、目の前には見知らぬ人達が居た。
目の前の二人――すぐ傍に居る女の人と、その横で首だけ変な方向に向けている男の子――はボクの肩の手当てをしてくれていて、目が覚めた事に気づいてはいないみたいだった。
「誰……なの」
「おっ、気がついたのか、っておわ!!」
 ボクが目を覚ました事に気づいた男の子がこっちを向いた、けどすぐに元の方に首を向けた。
「前原さん……やっぱりえっちです」
「いや! 見てない! 俺は何も見てない! 何も見てなんかいないぞ!!」
 その男の子――前原くんという名前らしい――に女の人が少し楽しそうに声を掛けて、前原くんが必死で弁解していた。ただ、その内容が少し気になった、ので少し顔を持ち上げて、
「……えっち……」
 ボクの下着姿の上半身が目に入った瞬間、無意識に呟いた。
「だから違うって言ってんだろーがー!!」
 前原くんは叫んで、
「前原……危険なんだから叫ぶな」
 車の方からやってきた男の人に怒られていた。女の人はそれを楽しそうに眺めていた。
(楽しそうだなぁ)
 それを見ながら何となく
(ボクたちも、さっきまでは……) 考えて、
「! ここ何処!? 」
 思い出した。 ボクが今どんなところにいるのか ボクが何をしてしまったのか ボクが何をしたかったのかボクがどんなことを思っていたのか 全て思い出していた。


「な……何だいきなり」
「薬局はどっち!? 薬局は……良美さんは……何処なの」
「お、おい落ち着けよ。 薬局? 確か……」
「……良美さんって、もしかして佐藤良美さんですか?」
 圭一の答えを遮って、美凪はあゆに問いかけた。
「! 良美さんの事を知っているの?」
その美凪の問いにあゆは反応を返したが、
「……その前に、何があったのか話してもらえないか」
 その質問は武に遮られた。

「え……」
 武さんの問いに女の子は明らかに怯えを見せた。
「ち……違う……の、ボクは、あんな、あんなこと……するつもりなんか……」
 その言葉には明らかな恐怖が込められていた。
「……いったい何をやったんだ」
「武さん、そんなに怖い声はだめです」
武さんの質問を美凪さんがたしなめる。美凪さん、ぐーだ。
「ボクは、あんな、こ……殺し、たく、なんて、」
 女の子の言葉で大体の事はわかった。
 彼女は良美さんと同じような状況になってしまったんだろう。
(なら、励ましてやらないと)
――だが
「何で、乙女さん、大石さん、名雪さん、みんな、ボクが、なんで」
その一言で圭一の思考は吹き飛んでしまった。――
「!? 大石さん!? 大石さんがどうしたって!!?」
 無意識のうちに女の子の肩をつかんで、そう叫んでいた。
「え、お……大石さんのこと……知ってるの?」
「ああ! 知ってる! けどそんなことはどうだっていい! 大石さんが、大石さんをどうしたって!?」
(この子は今なんて言った? 大石さんが死んでしま……いや、この子が■した?)
 女の子の体を激しく揺さぶる、その言葉が何かの間違いだと願いながら。

 だが、
「ご……ごめ……ごめんな……さい。 ボクは……ボクが……大石さん達を、……痛い!」
無意識のうちに力が入り、女の子が痛みを訴える
「大石さんを……殺したのか!!」
 がそんなものを気にせずに続けた。
「ごめんなさい! ごめんなさい! ボクは殺したくなんかなかったんです! 殺す気なんか無かったんです! ボクは、どうして、ごめんなさい、ごめんなさい!」
 女の子が謝罪を繰り返す、だがソんなものは耳に入らない。
(大石さんが……死んだ?)
 確かに、見た目は胡散臭い人かもしれない。
 魅音たちに言わせれば、嫌な人だったのだろう。
 自分も一度は憎らしく思った相手だ。
 だが、その憎らしい態度は俺たちの事を思っての行動だった。
 忘れはしない、大石さんが居なければ、沙都子は今頃無事ではなかったかもしれない。
(その……大石さんが……死ンだ)
 自身というものをしっかりと持っており、安心できる社会的な地位を備えていて、この殺し合いの場所でも信頼できる相手。
 あの時は確かに同じ目的の為に戦ってくれた仲間
 その大石さんを
(コいツが……■した?)
  そうして明確な――その感情を自覚せずに――■意を抱いた時
「前原くん、だめです。」
 遠野さんの声が前原を止めた。
「だけどこいつは、大石さんを!」
「いや、そのぐらいにしておけ前原。 まだ聞かなきゃならん事がある」
気持ちはわからなくもないが、とは続けなかった。
「だけど!!」
「それとも、報復にその子を殺すのか?」
「え……?」
 と、どうやら頭が冷えたようだ。
「殺し合いを止めるつもりなんだろ、そして殺すつもりはない。 だから俺たちは一緒に行動しているんだろ」
「武さん……その言い方はよくないです」
 少し厳しく言ったら遠野さんにたしなめられてしまった。 だが、効果は十分だったようだ。 前原は女の子の肩から手を放し、少し離れたところへ移動した。

 最も、平静とはほど遠い状況のようだったが。
(とりあえずはこれでいい)
前原は、冷静になれば人を殺す気はない……はずだ。 だが、
(何故だ、人を殺したと言っているこの子よりも、さっきの前原の方が遥かに危険な相手に見えた)
 実際、明らかにひ弱な目の前の子よりは、男である前原のほうが強そうではある、しかし、先ほどの前原は……手当たり次第に人を殺しそうに見えた。
(一体どうしたんだ、俺は)
自分自身がどこかおかしいのではないか、その不安を武は感じていた。

 前原さんは、しばらく離れていましたが、目の前の女の子――月宮あゆちゃんという名前だそうです――が少し落ち着いて、武さんがあゆちゃんに質問するころには戻ってきました。
 その時に、
「ごめんな、美凪さん、武さん」
 と言ってきました。
 私は反省しましたで賞のお米券をあげました。
 武さんも気にするなと言っていました、男の子の友情というやつですね。
 そうして、私たちはあゆちゃんの話を聞くことにしました。
 やっぱりというか、あゆちゃんは大石蔵人さん――前原さんのお知り合いの刑事さんだそうです――、鉄乙女さん、水瀬名雪さん――あゆちゃんの元々のお友達だそうです――を殺してもしまったそうです。
 わかっていたけどやっぱりがーんです。
 それで、怪我をしていた大石さんと乙女さんの為に薬を取りに行った、良美さんのところに行こうとして、途中で肩の傷のせいで倒れてしまったそうです。
 そうそう、大石さんの怪我はハクオロという人、乙女さんの怪我は楓という人のせいだそうです。
 確認の為に名簿で調べてみましたが、ハクオロという人は一度見たら多分忘れられません。
 ところがです、あゆちゃんの話を聞いていると、少しおかしな所があるのです。

「……その、傷に良く効く薬ってのを、入れたんだな?」
 そうなのです、血を吐いて死んでしまったという大石さんと、乙女さんの食事に、良美さんからもらったお薬を混ぜたらしいのです。
「え? じゃ、じゃあ、良美さんが……? そ、そんなはずないよ、だって、良美さんと乙女さんは、あんなに親しそうだったのに」
 短い間でしたが、お友達だった人を疑いたくはありませんが、あのときの良美さんは……なんていうのか凄く、危険な感じのする人でした。 そして、知り合いだったらしい男の子も、躊躇わずに撃っていました。
「ただし、君の話を全て信じるなら……だ、そして弾みとはいえ、その名雪という子を殺したのは事実だ」
 もちろんあゆちゃんが嘘をついている可能性もあります。でも、あんまり嘘がうまそうな子にも見えません。
「……とりあえず、薬局に行ってみよう。 そこに良美さんが居れば全てがはっきりする。……それに、もし良美さんが最初からそのつもりなら、薬局には行ってないことになる、
それなら」
 はっきりすると、前原さんは言いました。
 それで私たちはひとまず薬局によることにしました。
「ただ、その前に遠野さん、月宮さんが何か隠し持っていないか調べてくれないか。
 それから月宮さん、君の荷物は水と食料以外は預からせてもらう」
「好きにして……いいよ」
 でもその前に、あゆちゃんが危険じゃないか調べる必要があります。
 私があゆちゃんを救急車の後部座席で調べている間、
「なんだ? この剣はいやに柄の部分が長いが、使い難くないのか?」
「なんつーか、えらく派手だな。 どっかの映画に出てきそうだ」
 前原さんと武さんはあゆちゃんの荷物を調べていました。

  ◇  ◇  ◇

どうやら行ったみたいね。
 救急車が移動した事を確認してから私――咲耶は民家の生垣から移動した。
 求めていた情報はなかったが、それなりの収穫はあった、佐藤良美、芙蓉楓、ハクオロ、
殺し合いに乗っていると思われる危険な人間たち。 そして彼らの話を聞いて思いついたこと。
「薬とかは必要よね。」
傷薬、包帯、消毒液などの医療品は必要だろう、それに予備の食料や水、工夫すれば武器になりそうなものなど、丁度商店街にいるのだから集めておいて損はないはずだ。
できるなら、美凪とかいう女が持っていた名簿も欲しいが、奪うとなるとリスクが高すぎる。
 彼らと同行して名簿だけ見せてもらう事も考えたのだが、あの武という男はかなり用心深いようだ、そしてなんとなくだが齟齬を感じた。結果として、咲耶は彼らの前に姿を見せなかった。
とりあえず、近くを周って必要なものを集めよう、その後は……やっぱり神社かしらね、多分道中で放送も流れるでしょう。
「薬とかが残ってるといいんだけどね」

【G-4 住宅街南/1日目 昼】

【咲耶@Sister Princess】
【装備:S&W M627PCカスタム(8/8)地獄蝶々@つよきす】
【所持品:支給品一式 食料・水x4、可憐のロケット@Sister Princess、タロットカード@Sister Princess 
S&W M627PCカスタムの予備弾61、肉まん×5@Kanon、虎玉@shuffle、ナポリタンの帽子@永遠のアセリア、日本酒x3、工事用ダイナマイトx3、ポリタンク石油(10L)×3、発火装置、首輪(厳島貴子)】
【状態:身を隠しています。若干緊張】
【思考・行動】
基本方針:自分と姉妹達が死なないように行動する
0:商店街で必要なアイテムを探してから、放送を聞きがてら神社へ向かう。
1:衛、千影を探し守る。
2:首輪を解析する能力を持つ参加者を探して利用する
3:佐藤良美、芙蓉楓、ハクオロを危険な相手と認識
4:姉妹以外の参加者は確実に皆殺し
5:余裕がある時は姉妹の情報を得てから殺す
6:宮小路瑞穂に興味
【備考】
咲耶が商店街で得た品物については次の書き手さんにおまかせします。

 ◇  ◇  ◇

「う……そ」
武さん、前原さん、遠野さんと一緒にやってきた薬局、そこは商品が綺麗に並べられていた。つまり、良美さんはここには来てない、そういうこと。
「ここに……来る前に……何かあったのかも」
 そんな……何で……何で……何で……
「それは否定しない、だが、疑わしいのも事実だ」
 何で……ボク……ボク達……何かしたの? 
 乙女さんと……友達なんだよね?
 あの薬は……ボク達の為にくれたんだよね? 
 大石さんや、乙女さんの為に……薬を……
「俺たちはこれから神社に向かう。 悪いがまだ君が完全に信用できる訳じゃない、一応同行してもらえるか」
「好き……にしていいよ……」

そうして車は走り出す、だが彼らは知らない。 あゆが殺してしまったと思っている相手の一人、名雪が生きている事を。そして彼らがそれを知るのはそう遠い話ではない。



【G-4 住宅街北/1日目 昼】
【倉成武@Ever17】
【装備:投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式 ジッポライター、貴子のリボン@乙女はお姉さまに恋してる、永遠神剣第四位「求め」@永遠のアセリア、富竹のカメラ&フィルム4本@ひぐらしのなく頃に】
【状態:L5侵蝕中。軽度の疲労。頭蓋骨に皹(内出血の恐れあり)。頬と口内裂傷(出血中)。頚部に痒み】
【思考・行動】
0:やはり俺の体はどこかおかしい……?
1:L5侵蝕中(軽度)
2:土見稟を追い神社へ、参加者殺害を防ぐ
3:知り合いを探す。つぐみを最優先
4:土見稟をマーダーと断定
5:金髪の少女(芳乃さくら)をマーダーとして警戒
6:佐藤良美を警戒
7:ハクオロ、芙蓉楓を警戒
8:余裕があれば救急車の燃料を入れる。
【備考】
※キュレイウィルスにより、L5の侵蝕が遅れています、現在はL2相当の状態で強いストレスや、疑心に陥らない限りは進行はしません。
※前原圭一、遠野美凪の知り合いの情報を得ました。
※救急車(鍵付き)のガソリンはレギュラーです。現在の燃料は残り2/3です。
※圭一に若干の不安を抱きました。
※あゆについてはまだ警戒しています。
※富竹のカメラは普通のカメラです(以外と上物)フラッシュは上手く使えば目潰しになるかも
※永遠神剣第四位「求め」について
「求め」の本来の主は高嶺悠人、魔力持ちなら以下のスキルを使用可能、制限により持ち主を支配することは不可能。
ヘビーアタック:神剣によって上昇した能力での攻撃。
オーラフォトンバリア:マナによる強固なバリア、制限により銃弾を半減程度)
※フィルムは未使用2本、撮影済み2本。何が写っているかは不明


【前原圭一@ひぐらしのなく頃に祭】
【状態:精神安定、右拳軽傷、腹部に軽度の打撲、左肩刺し傷(左腕を動かすと、大きな痛みを伴う)】
【装備:柳也の刀@AIR】
【所持品:支給品一式×2、キックボード(折り畳み式)、手榴弾(残4発)】
【思考・行動】
基本方針:仲間を集めてロワからの脱出、殺し合いには乗らない、人を信じる
0:大石さん……
1:美凪を守る
2:美凪や武と共に稟を止めるため神社に向かう
3:知り合いとの合流、または合流手段の模索
4:良美を警戒
5:あゆについては態度保留、但し大石を殺したことを許す気は今のところない。
6:土見稟を警戒
7:ハクオロ、芙蓉楓を警戒
【備考】
※倉成武を完全に信用しました
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました


【遠野美凪@AIR】
【状態:健康】
【装備:悟史のバット@ひぐらしのなく頃に】
【所持品:包丁、支給品一式×2、救急箱、人形(詳細不明)、服(詳細不明)、顔写真付き名簿(圭一と美凪の写真は切り抜かれています)】
基本方針:圭一についていく
1:知り合いと合流する
2:佐藤良美を警戒
3:土見稟を警戒
※倉成武を完全に信用しました
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました
※あゆのことは基本的には信用しています

【月宮あゆ@Kanon】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式、】
【状態:疲労極めて大。混乱。恐怖。喉に紫の痣。左肩に抉り傷(治療済)(左腕に力が入らない)】
【思考・行動】
0:良美さん、そんな……
2:早く祐一と会いたい
3:往人を説得したい
【備考】
※名雪は死んだと思っています
※佐藤良美に疑いを抱きはじめています
※芙蓉楓を危険人物と判断
※前原圭一・古手梨花・赤坂衛の情報を得ました(名前のみ)
※ハクオロという人物を警戒(詳細は聞いていない)
※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ)
※名雪の第三回放送の時に神社に居るようようにするの情報を得ました
  (禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化)
※月宮あゆ、水瀬名雪の通った後は、注意すれば血痕が残っているのが分かります。
※あゆの支給品は武のデイパックに入っています。




109:阿修羅姫と夢の国の王様 投下順に読む 111:完璧な間違い(前編)
109:阿修羅姫と夢の国の王様 時系列順に読む 111:完璧な間違い(前編)
101:それぞれの出会い。 咲耶 120:サプライズド・T・アタック(前編)
101:それぞれの出会い。 倉成武 120:サプライズド・T・アタック(前編)
101:それぞれの出会い。 前原圭一 120:サプライズド・T・アタック(前編)
101:それぞれの出会い。 月宮あゆ 120:サプライズド・T・アタック(前編)
101:それぞれの出会い。 遠野美凪 120:サプライズド・T・アタック(前編)








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