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静かな湖畔? ◆3Dh54So5os


「綺麗……」
突然目の前に現われた光景に白河ことりは思わず感嘆の声をもらした。
ブリーフ一丁と言うあまり直視したくない格好の赤坂衛と共に森の中を進むこと約1時間、ことり達は山頂から見て西側にある湖の畔へとやってきていた。
絶海の孤島にあるものとは思えない程広い湖畔はここが殺しあいの場であることなど微塵も感じさせない程静かで、美しかった。
すっかり昼の陽射しとなりつつある陽光を受けて瑠璃色に輝く湖面にことりは暫しの間見入っていたが、次の瞬間、赤坂の声で現実に引き戻された。
「ことり、あれを……」
言葉少なめにある方向を指差す赤坂。言われるがままにそちらを見たことりは、その先に美しい湖畔には不釣合なモノがあることに気が付いた。

所々に赤錆がういたパワーショベルやブルドーザー、土埃にまみれたオフロードダンプ、窓ガラスが割れて廃墟と化しているプレハブ小屋……。
大自然のなかにぽつんと放置されたそれらはことりの目にはやけに異質なモノのように思えた。
「あれは……いったい……」
「多分、この湖にダムか何かを造る計画があったんだと思う。 これくらいの貯水量があれば生活用水の溜め池にも発電にも使えるだろうからね……」
「そんなっ!?」
赤坂の言葉に思わず声をあげることり。
このような景色とは無縁の初音島で育ったことりからしてみればにわかに理解しがたい話だった。
実際に生活するには必要なのかもしれないが、このような地にダムを造ろう等という神経がよく理解できなかったのだ。
「こういう島とかだとあまり聞かないけど、山奥の山村とかに行けば良くある話だよ。ここみたいに計画が途中で中断させるようなことも……ね……」
「?」
どこか昔のことを思い出すような赤坂の口振りにことりは一瞬疑問を感じたが、それを深く考えることは出来なかった。
赤坂がプレハブ小屋の方へ歩き始めたからだ。
「あの小屋に何かあるかも知れない。ちょっと様子を見てくるからことりはここで待っててくれ」
「えっ? そ、それなら私も……」
そう言いながら反射的に後を追いかけたことりを赤坂は手で制した。
「誰がが潜んでいる可能性もあるし、罠が仕掛けてあるかもしれない。安全が確認できたら呼ぶからそれまでは……」
「……分かりました」
赤坂の言葉にことりは素直に頷いた。のこのこついて行って足手纏いになっては意味がないからだ。
相変わらず武器は竹刀一本だけ、正直何かあったとき自分自身を守れるかどうかも危うい。
(よくよく考えてみたら私って結構お荷物なのかも……)
ことりが自身の無力さを内心嘆いて居ることなど露知らず、一方の赤坂は顔を少し赤くしながら言った。
「それに、作業小屋ならもしかすると作業服ぐらいあるかも知れないしね」
「あっ……」
その言葉に赤坂の今の格好と当面の目的を思い出したことりも顔を赤らめる。
なんとなく気まずい雰囲気が漂い始め、二人は知らず知らずのうちに視線を逸らせる。
「わ、分かりました。おとなしく待ってますので、なるべく早めに呼んで下さいね」
「あ、ああ、分かった」
「あっ、それと……」
さらに顔を赤くしながら歩き始めた赤坂に、ことりは今更ながら思い出した言葉をかけるべく呼びかけた。
「ん?」
「くれぐれも、無茶だけはしないでくださいね」
ことりの言葉に赤坂はふっと微笑むと、親指を立てて見せながら再び歩き始めた。

ブリーフ一丁で……


  ◇   ◇   ◇


歪んで、開きにくくなった戸を無理やり開けると、中からぶわっと埃が舞い上がった。
慌てて口元を押さえるが、それでも全てを防ぎきるには至らず、派手にむせ込んでしまう。
「ごほっ、ごほっ……ふぅ、誰もいない……か……」
ぼろぼろの外見と同じく中も荒れ放題の散らかり放題な小屋の中を見渡しながら呟く赤坂。
後は罠などが仕掛けられていないかだが……
「そっちも大丈夫そうだな……」
大して室内を物色することなく赤坂はそう判断した。
一歩踏み出してみて埃まみれの床にくっきりと足跡が付いたからだ。
足跡が付くほど埃が積もっているのに、プレハブ小屋の中には見渡す限り、それ以外の足跡はない。
この状態で足跡を残さずに室内に入り込み、さらに罠を仕掛けるのは不可能と判断してもいいだろう。
「さて、それじゃあ宝探しを始めようか」
小屋の中に危険がないことが分かり、内心安堵しつつ、赤坂は次の目的を達するために室内を探りはじめた。
プレハブ小屋は平屋で大した大きさではなかったが、作業着の捜索は思った以上に難航した。
蛍光灯やガラスの破片が散らばっていたり、ベニヤ板や鉄板が積み重なっていて、下のものが取り出せなかったり、
何よりものを動かすたびに盛大に舞い上がる埃には閉口せざるをえなかった。

「これは服が見つかっても着る前に身体を洗わないとだな……」
捜索開始から15分も経つと赤坂の身体は埃や煤で真っ黒になっていた。
そこに全身からふき出た汗が混じってなんともいえない不快感を醸し出している。
唯一の救いとしては窓ガラスが割れている所為で風通しがいいことだろうか。これで風が一切入ってこないような環境だったら既に音を上げていたかもしれない。
こういう環境で作業をしている解体業者の気持ちがちょっとだけ分かったような気がした。
「はぁ、せめてマスクがあれば…………おっ」
何枚目かのベニヤ板をどかしたとき、待望のソレは足元から顔をのぞかせた。
それは通気用の小さな穴と戸の取っ手以外対した起伏も機構もない鉄の箱。
「ロッカーか……」
上に板材が載っていたため多少変形していたが、紛れもなくそれはロッカーだった。
まだ一部が埋もれたままだったが、大した量ではないので手っ取り早く戸を開けてみることにする。
「よっ……と」
力ずくで戸を開けるのと同時に、再び小屋の中を舞う埃。
その埃が治まったとき、赤坂は今までの努力が無駄ではなかったことを悟った。
ロッカーの中からビニルの包装に包まれた真新しい作業着一式が出てきたのである。
いくつかある中から自分に合うサイズのものを選びとり、セットのヘルメットと共にそれを手に取る。
ビニル包装のおかげかあれだけ埃を飛ばしたのに汚れもなく、着るのも問題はなさそうだった。
「これで一安心かな……ん?」
そう言いながら軽く埃を払うべく作業着を広げてみた赤坂は次の瞬間、妙な感覚に襲われた。
なぜかその作業着を以前どこかで見たことがあるような気がしたのだ。
どこにでもありそうなデザインゆえ気のせいである可能性の方が高いのだが、既視感はなかなか消えてくれなかった。
「……あーっ、いけないいけない。早く着替えてことりを呼ばないと……いや、身体を洗うのが先か?」
一瞬、そのまま思考の海に溺れかけたが、外で待っていることりの事を思い出し、赤坂はその疑念を一時的に追い払った。


  ◇   ◇   ◇


「うわ、赤坂さん、凄い格好になってますね……」
赤坂の合図を受けてプレハブ小屋の前までやって来たことりは赤坂の格好を見て目を丸くした。
何かを倒す音や、時々窓から煙のように埃が吹き出る様子を見ていたので大方予想は付いていたが、実際に見ると赤坂の格好は凄まじいものがあった。
炭鉱労働者か、SL列車に乗ってうっかり窓を開けたままトンネルに入ってしまった時のような、とにかく身体中煤だらけだったのだ。
「大丈夫ですか? なんだかかなり悪戦苦闘してたみたいですけど……」
「あはは……喘息の労災が下りるなら下ろして欲しいところだね」
そういいながら笑って見せようとして、直後盛大にむせ込む赤坂。大丈夫そうではなさそうだ。
「とりあえず、湖で身体を洗った方が良いんじゃないですか? その間私は何か使えそうなものが無いか探してますから」
「そうかい? それじゃあすまないがお願いできるかな。あっ、それとこの服も預かっておいてくれないか?」
「分かりました。赤坂さんが水から上がるまで責任を持って預からせてもらいますね」
ことりがビニル包装に包まれた作業着とヘルメットを受け取ると赤坂はそそくさと湖へと向かっていった。
ジャボジャボと湖へ入っていく様子を見送ってからことりは背後の廃棄物郡に目をやる。
「さて、何処から探しましょうか?」
この中ではプレハブ小屋が一番期待できるが、赤坂が既に探したし、埃だらけらしいから遠慮したいところだ。
そうなるとブルドーザーやパワーショベルといった重機類の捜索、ということになるのだが……
「どの辺を見たらいいんだろう? 動かし方とか構造とか分からないし……」
白河ことり、風見学園本校一年生、ちなみに無免。

「う~ん、どれもまともに動きそうも無いなぁ……」
スポンジの飛び出たダンプカーの運転席に腰掛けながら、ことりは思わず溜息をついた。
各種重機の運転台によじ登って見たものの、長い時間雨風に晒されていたであろうそれらにまともに扱えそうなものはほとんど無かった。
唯一動きそうなこのダンプもガソリンメーターが底を尽いている。
「使えそうなものもこれくらいかな」
そう呟くことりの目の前にあるのは重機やダンプから回収した発炎筒4本に、懐中電灯2本、単二乾電池6つと小物ばかりだ。
いずれも使い勝手の良いものではあるが、武器になりそうなものではない。
「やっぱり小屋の中を探してみた方がいいのかな?」
助手席に置いた作業着とヘルメットを見ながら、一人思案することり。
作業着はともかくヘルメットは防具代わりにもう一個くらいあってもいいかもしれない。
銃器相手にはほぼ無力だろうが刃物相手なら気休め程度にはなるだろう。
「あれ?」
そんなことを考えながら作業着とヘルメットを交互に見た、その時だった。作業着に何か刺繍がしてあることに気がついたのは……
同系色の糸を使っていた為分かりにくかったが、刺繍で何か文字が書いてある。見たところこの作業着を使っていた社名のようだ。
「……小此木造園? 何でダムの工事現場に造園業者が……?」
ダムの工事現場というのはあくまで赤坂の予想だが、違ったとしてもこんな山奥の湖畔に造園業者が来るだろうか?
どうでも良いことかも知れないが、やけに気になったことりはそのまま考えようとして……刹那、中断を余儀なくされた。
湖から上がってきたらしく、赤坂の声が聞こえたからだ。
「え、えっと、ことり、ちょっといいかな?」
「はい、何でしょ……」
「あっ、ちょっ、待った!こっちは見な……」
反射的に振り返ろうとしたことりを赤坂は止めたが、既に手遅れだった。
ことりは完全に振り返ってしまい、ばっちりと見てしまったのだ。靴以外何も身に着けていない赤坂の姿を……。
そう、今の赤坂はブリーフさえも身に着けていなかったのだ。大事なところだけは大き目の葉っぱで隠していたが、そんなのは何の慰めにもならない。
「い、いや、勘違いしないでくれ、タオルを用意していないことに水に浸かってから気づいたんだ。決して見せようとかそういう意図は……」
あたふたと必死に弁明する赤坂の言葉はことりには届いて居なかった。
ことりはまず絶句し、次に硬直し、後悔し、最後に悲鳴を上げた。



「赤坂さんのエッチーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」


少女の悲鳴と共に小物による集中砲火が赤坂を襲ったのはそれから間もなくのことである。



【C-5 湖畔(川の始まり付近)/1日目 昼】

【白河ことり@D.C.P.S.】
【装備:竹刀 風見学園本校制服】
【所持品1:支給品一式 バナナ(台湾産)(4房)虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】
【所持品2:ヘルメット、発炎筒(×4本)、懐中電灯(×2本)、単二乾電池(×6本)】
【状態:健康・極度の混乱状態】
【思考・行動】
基本方針:ゲームには乗らない。最終的な目標は島からの脱出。
0:赤坂さんのエッチーーーーー!!
1:赤坂と一緒に行動する
2:仲間になってくれる人を見つける。
3:朝倉君たちと、舞と、舞の友達を探す。
4:千影の姉妹を探す。

※虹色の羽根
喋るオウム、土永さんの羽根。
この島内に唯一存在する動物、その証拠。
【備考】
※テレパス能力消失後からの参加ですが、主催側の初音島の桜の効果により一時的な能力復活状態にあります。
 ただし、ことりの心を読む力は制限により相手に触らないと読み取れないようになっています。
 ことりは、能力が復活していることに大方気付き、『触らないと読み取れない』という制限についてはまだ気づいていません。
※第三回放送の時に神社に居るようにする(禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化) つもりですが、
 赤坂の判断や状況次第で変化するかも知れません
※坂上智代から、ボイスレコーダーを発端とした一連の事件について、聞きました。


【赤坂衛@ひぐらしのなく頃に】
【装備:デリホウライのトンファー@うたわれるもの】
【装備予定品:小此木造園の作業着@ひぐらしのなく頃に 祭】
【所持品:支給品一式、椅子@SHUFFLE!、ブリーフ】
【状態:疲労、左腿に怪我、首筋に軽い傷、葉っぱと靴のみ着用】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない。
0:ご、誤解だよ!
1:ことりと一緒に行動する
2:まずは服を取りに戻る
3:正午までに神社に向かいトウカ・アルルゥと合流
4:大石さんと合流したい。
5:梨花ちゃんが自分の知っている古手梨花かどうか確かめる。

【備考】
※赤坂の衣類はC-4の遥の墓のそばに放置
※あゆが遥を殺した人間である可能性を考えています(あゆと遥の名前は知りません)
※坂上智代から、ボイスレコーダーを発端とした一連の事件について、聞きました。

096:彼女は眠らぬ山猫の様に、深く静かに休息す 投下順に読む 098:交錯する意志
094:瞬間、心、重ねて/さよならの囁き(後編) 時系列順に読む 099:CROSS††POINT
077:復讐鬼とブリーフと 赤坂衛 126:私の救世主さま(前編)
084:復讐鬼とブリーフと 白河ことり 126:私の救世主さま(前編)






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