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魔法少女(前編) ◆guAWf4RW62



東より顔を見せた太陽が、殺人遊戯の場と化した孤島を黄金色に照らし上げる。
朝凪近くの微風に、木立が静かな葉擦れの音を奏でている。
双葉恋太郎とその仲間達は、木々の隙間より陽光が漏れる森の中を、緩やかな速度で歩いていた。

「――――ッ、ハ、ハア…………」
「……恋太郎さん、大丈夫?」
「余り無理しないで、一度休んだ方が良いと思うの……」

苦しげな恋太郎を見かねて、時雨亜沙と一ノ瀬ことみが気遣うように声を投げ掛ける。
視力の大半を失った状態での移動は、予想以上に困難を極めていた。
ことみの手を借りているお陰でどうにか進めてはいるものの、整備されていない道の凹凸が、生い茂る雑草が、今の恋太郎にとっては凶悪な障害物だ。
だというのに、恋太郎は一向に立ち止まろうとしない。

「休んでなんかいられない……早くハクオロという男を止めないと……四葉みたいな犠牲者が、また増えちまう……。
 あんな危険な男を放っておけば、観鈴って子も、俺達の仲間も、どうなってしまうか分からないじゃないかっ……!」

語る恋太郎の声には、鬼気迫るものがある。
それも無理は無いだろう。
ハクオロという男は、戦わずして大石と自分に深手を負わせた程、頭の切れる男。
それに加えて、四葉のような人畜無害な少女を、躊躇わずに殺せる冷徹さも持ち合わせている。
そのような男を放置しておけば、神尾観鈴だけでなく、白鐘沙羅や白鐘双樹までもが、殺されてしまうかも知れないのだ。
だから、目が見えなくとも恋太郎は歩き続ける。
実際には疲れ切った身体で凶悪犯と対峙しても、殺されるだけに決まっているのだが――そこまで考えられる程の冷静さが、今の恋太郎には無かった。
積み重なる疲労が、閉ざされた視界が、募る焦燥感が、恋太郎から判断力を奪ってゆく。
更に。

『――皆、もう待ち切れないって感じね』


弱り目に祟り目という諺もあるが、突如鳴り響いた第一回定時放送は正にそれだろう。
それは一ノ瀬ことみにとって、数少ない友人である藤林杏の死を報せる凶報。
そして恋太郎にとっては――

「――――オイ、冗談だろ……?」

沈黙の落ちた森の中で、恋太郎が独り呟いた。
呆然としているような、訝しむような、そんな声だった。
尋常でないその様子を受け、ことみも亜沙も何も言えなくなってしまった。

「双樹が……死んじまった、だって…………? 訳、分かんねーよ…………」

告げられた死者達の中には、恋太郎の半身とも云うべき存在――白鐘双樹の名前があったのだ。
何時までも一緒に過ごしたいと思っていた少女の名前が、確かにあったのだ。

「双樹が…………そう、じゅ……が…………あああ……ああァアアアァアアあァアアアッッ!!!」

恋太郎の悲痛な叫びが、辺り一帯に空しく響き渡る。
計らずして全身から力が抜けてゆき、膝から地面に崩れ落ちた。
白鐘双樹の死は、恋太郎の精神を極限まで削り取ってしまったのだ。


そして放送から2時間近くが経った今も、ことみ達はその場から動けないでいた。
恋太郎が体育座りの格好で沈み込んでいる為、動くに動けなかったのだ。
ことみも亜沙も、恋太郎に対し何度か呼び掛けてみたが、返事は無かった。
今の恋太郎は、抜け殻のような状態となってしまっていた。

故にことみと亜沙は今出来る事――まずはメンバーの持ち物について確認し合う。
この殺し合いの場に於いて、自分達が持ち得る戦力の把握は必要不可欠な事だった。

「――ことみちゃんの荷物で使えそうなのは、鉈くらいだね……」

亜沙が顎に手を当てながら、冷静に思案を巡らせる。
ことみの持っていた道具は鉈と、得体の知れぬパンやジャムだった。
人が生きていくのに栄養補給は重要だが、少なくとも鉈以外戦闘には役に立たないだろう。

「亜沙さんの荷物は、イングラムM10に、ゴルフクラブに――――これは?
 ……こんなの、ご本にも載ってなかったの」
「何だろうね? ボクにも良く分からないんだ」

亜沙の鞄から出てきたのは、『C120』と書いたラベルの貼ってある、小さな注射器だった。
しかし亜沙は勿論、凄まじい知識量を誇ることみですらも、『C120』とは一体何の薬であるのか分からなかった。
説明書も付いていないし、下手に用いぬ方が良いだろう。
続いてことみは、恋太郎のデイバックへと手を伸ばした。

「恋太郎さんの荷物は確認済みだけど、一つ気になる物が有るの」

そう言ってことみが取り出したのは、『参加者の術、魔法一覧』と銘うってあるファイルだった。
その名前を見た瞬間、亜沙の眉がピクリと動いたが、ことみはそれに気が付かなかった。

「普通なら魔法なんて有り得ないの。けれどこの殺し合いが始まる時、私はホールの外にワープさせられた……。
 だからきっと、魔法のようなものが本当に存在すると思うの。それなら、対策を練らなくちゃいけない」

自らの考察を述べながら、ことみはファイルに目を通してゆく。
そこには、常識では考えられぬような様々な能力が羅列してあった。
読心能力、法術、超人的な身体能力――そして。

「え――亜沙さんも魔法を使えるの?」
「…………っ」

ファイルの中には、時雨亜沙の名前もあったのだ。
それによるとどうやら、亜沙は回復魔法の優れた使い手である様子。
そこでことみの脳裏に、一つの疑問が浮かび上がる。

「……どうして魔法で恋太郎さんを治してあげないの?」

ことみが疑問を持つのも当然だ。
回復魔法がどの程度効力がある物かは知らないが、少なくとも全く無意味という事は無いだろう。
にも関わらず、どうして回復魔法が使える事を黙っていたのだろうか?
だが亜沙は、ゆっくりと首を横に振った。

「ごめん……魔法なんて使えないよ……」
「―――え?」
「ボクは、人間なんだから…………人間で在り続けなければいけないんだから……」
「……亜沙さん?」

呟く亜沙の表情は昏い色に染まっており、確かな拒絶の意が伝わってくる。
対することみは、訳も分からずただ困惑するばかりだった。
そんな時である。


「――――時雨先輩ッ!」

片手に槍を持ち、所々に血の付着した服と、長い髪を携えた少女――ネリネが、生い茂る木々の向こう側から歩いてきたのは。
それを見たことみは、半ば反射的に鉈を構えそうになった。
だがすぐさま亜沙が手を伸ばし、ことみを制止した。
続けて亜沙は腰を起こし、先程までとは一転して、花が咲いたような笑顔を浮かべた。

「リンちゃ~んっ! 無事だったんだね!」

知人に会えて余程嬉しかったのだろう、亜沙は無防備にネリネへと近付いてゆく。
そう、信じられないくらい無防備に。
折角のイングラムM10を、構える事すらせずに。

直後、渦巻く疾風。
鳴り響く金属音。

「…………つうっ!」

ネリネがおもむろに槍を一振りし、亜沙のイングラムM10を弾き飛ばしていた。
イングラムM10は少し離れた場所にある、茂みの中へと吸い込まれていった。

「リンちゃん、何を……!?」
「――余り騒がないで下さい。人が来ては面倒ですから」

亜沙が言い終わるのを待たずして、その喉元に槍が突き付けられた。
ネリネは氷の仮面を纏いながら、ことみと恋太郎の方へと視線を向け、告げる。
とても、冷たい声で。

「貴女達も動かないで下さいね。下手な事をすれば、その瞬間時雨先輩の喉に風穴が開きますから」

失意の底に居る恋太郎は当然として、その一言でことみも動けなくなってしまった。
凍り付くようなネリネの瞳が、何よりも雄弁に物語っていた――今の台詞は、虚言などでは無いと。
亜沙は肩を震わせながらも、懸命に言葉を搾り出した。

「リンちゃん…………殺し合いに、乗っちゃったの?」
「ええ、私は殺し合いを肯定しました。ですから此処で、時雨先輩達を殺させて頂きます」

何の躊躇も疑問も見せず、ネリネは堂々と言い放った。
亜沙はそんなネリネに対し、多分に怒りの混じった眼差しを向ける。

「そんな……何言ってるのよっ! この殺し合いには、稟ちゃんだって参加させられてるんだよ!?
 殺し合いに乗っちゃったら、一人しか生きて帰れないんだよ!?」
「――稟さまが参加させられているからこそ、殺し合いに乗るんじゃないですか。
 私は稟さま以外の全員を殺し尽くして、最後の二人になったら自害するつもりです。私何か、間違っている事を言ってますか?」

亜沙の必死な訴えを、今更何を言ってるのかという風に一笑に付すネリネ。

「間違ってるに決まってるじゃない! 皆で力を合わせて頑張れば、殺し合いなんかしなくても何とかなるよ!」
「……時雨先輩は放送をお聞きにならなかったのですか? 
 この島では確かに殺し合いが行われており、人が次々に死んでいっていると教えられたばかりじゃないですか。
 そんな状況で協力し合おうだなんて、未だ寝惚けているんですか?」

ネリネは呆れた顔を浮かべ、諭すように言葉を並べてゆく。
ネリネからすればこの状況で誰かと協力し合うなど、有り得ない事だった。
朝倉音夢は自分と行動を共にした所為で、命を落としてしまったのだ。
自分だって小さな少女――古手梨花――に情けを掛けた途端、不意打ちを食らってしまった。
この島で誰かと組むという行為は、自分自身の命を縮める愚行に過ぎない。
だというのに、それまで沈黙を守っていたことみが、突如反論の言葉を口にした。

「亜沙さんの言う通りなの! 押し付けられたルールなんかに、従う必要なんて無いよっ!」

向けられた瞳は、汚れの無い純粋なものだった。
亜沙に続いて別の女まで――立て続けに的外れの説教をされたネリネは、苛立ちを感じ始めていた。

「……どなたかは存じませんが、貴女も馬鹿な空想に取り憑かれているようですね。良いでしょう――私が現実を教えて差し上げます」

ネリネはそう言って、亜沙に槍を突きつけたまま、もう片方の手をデイパックに入れる。
そして中から、とある物を取り出して見せた。
瞬間、亜沙が絶叫する。

「……きゃああああああああっ!!」

ネリネが亜沙に示したのは、鮮血に塗れた人間の生首だった。
生首の顔は土気色に染まっており、その表情は苦悶に歪んでいる。
亜沙の悲鳴を認め、ネリネはとても満足げに微笑んだ。

「……これが誰かと行動を共にした人間の末路です。この方――朝倉音夢さんは、私を利用しようとして逆に殺されてしまった。
 死人は何も出来ないのですから、先に裏切った者勝ちなんですよ」

それに、と続ける。

「この殺し合いを開催した人間は、恐るべき力を持っています。そうでなければ、とっくに魔界と神界の救助部隊が駆けつけている筈ですから。
 参加者が徒党を組んだ所で、到底敵う相手ではありません」
「うっ…………」

亜沙は反論が思いつかず、唾を飲み下すしかなかった。
普段はつい忘れてしまいがちだが、ネリネは魔界の王の娘なのだ。
魔王を敵に回せる程の存在に対し、自分達だけで抗うのは確かに無謀かも知れなかった。

ネリネは音夢の首を鞄に戻し、槍を深く構え直した。

「さあ、無駄話はそろそろ終わりにしましょう。聞きたい事は一つだけ――時雨先輩は稟さまを何処かで見かけましたか?」
「ううん……ボクは見てないよ」
「――――ああ、成る程。それはそうでしょうね」

ネリネはすぐに、質問する相手を間違ったという事に気付いた。
亜沙が稟と出会っていれば、行動を共にしない筈が無いのだ。
ならば、と首を回し、ことみの顔を眺め見た。

「そこの方は、稟さまとお会いになりましたか?」

稟と知り合いで無い者ならば、出会ってもお互いに信用し合うとは限らない。
ならばことみが稟と出会っている可能性もあると考えたのだが、残念ながらネリネの期待は外れだ。
ことみは土見稟と出会った事は愚か、顔を見た事すらないのだから。

――だというのに、ことみは言った。

「稟って……土見……稟さん……?」
「――――知ってるんですか!?」
「うん、土見稟さんなら、少し前に見たの」
「何処でっ! 何処で稟さまを見たのですかっ!!」

これまでの冷静な態度から一変して、ネリネは大きく叫んでいた。
ネリネは稟の事に関してだけは、冷静でいられない少女なのだ。
ネリネにとって人を殺して回るのは、あくまでも二次的な目的に過ぎない。
最優先目標は稟を探し出し、何としてでも守り続ける事だ。
しかしその決意、その想いこそが、致命的な隙を生み出す原因となる。

「ええええええいっ!!」
「――――キャッ!?」

気付いた時には完全に手遅れだった。
ことみの話に集中する余り、眼前の亜沙に対する注意が疎かとなっていたのだ。
ネリネが前方に視線を戻すと、亜沙に槍の柄の部分を掴まれていた。
二人はそのまま縺れ合い、地面へと倒れ込んだ。

「――リン、ちゃんっ、大人しく……して貰うよ……!」
「く……うっ…………」

押し倒されたネリネは、馬乗りの形を取られてしまっていた。
槍越しに思い切り押さえつけられ、身体を自由に動かせない。
ひ弱な自分程度の膂力では、亜沙を跳ね飛ばすなど到底不可能だし、槍を奪い返す事さえままならない。
ネリネは悔しげに、ただ奥歯を噛み締める事しか出来なかった。

(力が……力が欲しいっ……! 稟さまを守り抜けるだけの力がっ……!!)

このままではすぐに武器を奪い取られ、殺されるか或いは拘束されてしまうだろう。
そんな事になってしまえば、稟を守ってあげられなくなる。
稟を生き延びらせるべく覚悟を決めた自分が、未だ夢見事を吐いている亜沙如きに敗れてしまうのだ。
もう少し自分に『力』があればと、強靭な肉体があればと、そう思わずにはいられない。
だが、そこでネリネは気付く。
自分は誰よりも強い『力』を持っている事に。

(そうです……何を勘違いしていたのですか、私は。強靭な肉体なんて必要無い――私は、魔王の娘なんですから)

ネリネは解放する。
プリムラという例外を除けば、恐らくは魔界でもトップクラスに分類されるであろう、強大な魔力を。
途端に、身体の奥底から際限無く力が溢れ出して来た。
槍を握り締める手に力を込め、上に圧し掛かっている亜沙を思い切り突き飛ばす。

「――――ハァァァッ!!」
「ー―――うわわわっ!?」

凄まじいまでの力で押し上げられた亜沙は、呆気無く弾き飛ばされた。
優に2-3メートルは宙を舞い、どすんと地面に尻餅をつく。
それでも何とかすぐに腰を起こし、眼前のネリネを睨みつけた。

「リンちゃん、貴女そんなに力持ちだったっけ……?」

それは当然の疑問だった。
亜沙はネリネが非力なのを知っていたからこそ、敢えて馬乗りになったのだ。
まずはネリネの自由を奪い取り、それから説得しようと、そう考えていたのだ。
しかし突然、猛獣の如き膂力で弾き飛ばされてしまった。
あんな力、ネリネには出せる筈が無い。

亜沙の疑問を見透かしたネリネが、余裕の態度で口を開く。

「分かっていませんね、時雨先輩。確かに私は非力ですが、街一つ消し去れる程の魔力があります。
 そしてどうやらこの槍は、魔力を『力』に変えてくれるようです」

ネリネの持つ槍――永遠神剣第七位“献身”は、契約者の身体能力を強化する機能を持つ。
ネリネが槍に魔力を送った事で、初めてその機能が発動したのだ。
ネリネは自身が得た力を確かめるべく、前方へと疾駆した。

「――――ッ!?」

正しく疾風の如き速度で突っ込んでくるネリネに対し、空手の状態である亜沙は碌な対応が出来ない。
そのまま亜沙の胸を白刃が貫くかと思われたが、そこでことみが現れた。

「……危ないっ!」
「チィ――――」

ことみは手に持った鉈で、ネリネの槍を何とか受け止めていた。
直後亜沙がゴルフクラブを取り出し、横凪ぎに振るった。
ネリネは後方に飛び退く事で、迫る危険より身を躱す。
ことみは後退するネリネに目もくれず、亜沙へと視線を移した。

「亜沙さん。あの人を止めるのは、もう生半可なやり方じゃ無理だと思うの」
「うん……そうだね」

それが二人の共通した見解だった。
先程垣間見たネリネの動きは、明らかに尋常でない。
武器を奪って押さえ込むなどという生易しい選択肢は、もう潰えてしまったと考えるべきだ。
ならばどうするべきか――二人が結論を出すよりも早く、ネリネの足元が爆ぜた。

「二人纏めて――死んでくださいっ!!」

先の突撃に倍する気合、倍する迫力。
益々勢いを増し、ネリネが殺気を剥き出しにして亜沙達に襲い掛かる。
真空波を伴って迫る白刃を、亜沙はゴルフクラブでどうにか受け止めた。
凄まじい衝撃に、計らずして亜沙の手が強い痺れに襲われる。
続いて、ネリネの打ち終わりの隙を狙って、ことみが鉈を振り下ろした。
狙いは細い首筋――二人掛かりとはいえ、手加減している余裕など微塵も無かった。

だがネリネは恐るべき速さで横にステップを踏み、ことみの攻撃から逃れた。
間髪置かずに、がら空きとなったことみの腹部目掛けて、鋭い中段蹴りを放つ。

「あぐっ……!」

唸りを上げる蹴撃は十分な破壊力を有しており、ことみがたたらを踏んで後退する。
その後、ネリネは唐突に上体を低く屈めた。
直後、それまでネリネが居た空間をゴルフクラブの先端が切り裂いていた。
手の痺れが回復した亜沙が、背後からネリネを狙ったのだ。
そして攻撃を空転させた亜沙は、今や致命的なまでの隙を晒している。
ネリネは上体を起こしながら、後方へと槍を振るった。

「……ああぁっ!」

亜沙は咄嗟の判断で上体を反らしたものの、左肩を浅く斬られてしまった。
それでも亜沙にとって幸運だったのは、ネリネが未だ槍の扱いに慣れていない事と、制限があった事だろう。
ネリネが槍の扱いに熟達していれば、身体能力への制限が無ければ、今頃亜沙の身体は真っ二つに裂かれている筈だった。
必死の思いで後退する亜沙達を眺め見ながら、ネリネは凍て付くような声で言った。

「私の目的――稟さまの生還を妨げようとする者に、捧げる太陽の光はありません。
 此処で朽ち果てて下さい」

それは紛れも無い死刑宣告。
大した身体能力を持たぬ亜沙とことみでは、今のネリネに対抗し得ない。
イングラムM10を拾いに行く時間など与えて貰える訳が無いし、近接戦闘では勝ち目など無い。
説得だって、間違いなく不可能だろう。
それでも――それでも亜沙は叫んだ。
友人に向けて、精一杯の想いを込めて。

「……そんなの駄目だよ! 稟ちゃんだって……死んじゃったシアちゃんだって、そんな事望んでないよ!」

その言葉は、ネリネの心にまで届かないだろう。
ネリネはその程度十分に承知した上で、殺し合いに乗っているのだから。
だが――


086:禁止区域侵攻――/――解放軍 投下順に読む 087:魔法少女(後編)
086:禁止区域侵攻――/――解放軍 時系列順に読む 087:魔法少女(後編)
081:博物館戦争(後編) ネリネ 087:魔法少女(後編)
066:そこには、もう誰もいない 双葉恋太郎 087:魔法少女(後編)
066:そこには、もう誰もいない 一ノ瀬ことみ 087:魔法少女(後編)
066:そこには、もう誰もいない 時雨亜沙 087:魔法少女(後編)




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