童貞男の苦悩と考え ◆4JreXf579k
やあ、ようこそ北川劇場へ。
このチンゲラーメン100個分はサービスだから、まず頭から被ってチンゲまみれになってほしい。
うん、「まだあれから一分も経ってないんだ」
済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思わない。
でも、この話を読んだとき、君はきっと言葉では言い表せない「スカート一つで欲情する童貞」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐としたこのバトルロワイアルの中で、たまにはこんなほんわかした話があってもいい、そう思ってこの話を書いたんだ。
じゃあ、続きといこうか。
このチンゲラーメン100個分はサービスだから、まず頭から被ってチンゲまみれになってほしい。
うん、「まだあれから一分も経ってないんだ」
済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思わない。
でも、この話を読んだとき、君はきっと言葉では言い表せない「スカート一つで欲情する童貞」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐としたこのバトルロワイアルの中で、たまにはこんなほんわかした話があってもいい、そう思ってこの話を書いたんだ。
じゃあ、続きといこうか。
■ ■ ■ ■ ■ ■
まだか…………放送はまだか……放送はまだかぁ!!
腹筋することもやめて、股間を押さえてうずくまってる俺には今どれだけの時間が経過してるかも分からない。
壁に掛けられた時計に目をやるが…………まだあれから一分しか経ってないという事実に気付く。
腹筋することもやめて、股間を押さえてうずくまってる俺には今どれだけの時間が経過してるかも分からない。
壁に掛けられた時計に目をやるが…………まだあれから一分しか経ってないという事実に気付く。
(っぐわ! ……くそ! ……また暴れだしやがった……)
いかん……いかんですよ……このままじゃジリ貧だ。
このままでは俺の体の中のうちゅうのほうそくがみだれる。
放送まであと五分も戦い続ければならないのか……持つのか俺の理性。
いや、今の俺―――北川潤にとって五分とは永遠にも等しい長さだ。
このまま股間を押さえてうずくまってるだけじゃ今の俺の迸るリビドーを抑えることなどできるのか? いや、できるはずがない(反語表現)。
ならば根本的な問題の解決をするしかないというものだ。
よし、このまま風子に襲い掛かり問題の根本的解決に走る、そして伝説へ―――
ダメだダメだ!! ここまで頑張ってきた俺の努力が無駄になるじゃないか、魅力的な選択肢だけど。
この、けしからんふとももと尻め!! そんなに俺を惑わせたいのか!?
って今見えた!! 吹いてきた風が風子のスカートをふわっと微かに持ち上げてくれましたよ!! もちろんその奥も見えましたよ!!
見えた見えた!! 白だ純白の白だ!! いやっほーう、大自然の力万歳!! 天皇陛下万歳!!
よーしパパそんなもの見せられちゃ黙ってられないぞぉ。
ル○ンダイブのごとく一瞬でパンツ一丁になると、寝ている風子の前で腰に手を当て仁王立ちして、
このままでは俺の体の中のうちゅうのほうそくがみだれる。
放送まであと五分も戦い続ければならないのか……持つのか俺の理性。
いや、今の俺―――北川潤にとって五分とは永遠にも等しい長さだ。
このまま股間を押さえてうずくまってるだけじゃ今の俺の迸るリビドーを抑えることなどできるのか? いや、できるはずがない(反語表現)。
ならば根本的な問題の解決をするしかないというものだ。
よし、このまま風子に襲い掛かり問題の根本的解決に走る、そして伝説へ―――
ダメだダメだ!! ここまで頑張ってきた俺の努力が無駄になるじゃないか、魅力的な選択肢だけど。
この、けしからんふとももと尻め!! そんなに俺を惑わせたいのか!?
って今見えた!! 吹いてきた風が風子のスカートをふわっと微かに持ち上げてくれましたよ!! もちろんその奥も見えましたよ!!
見えた見えた!! 白だ純白の白だ!! いやっほーう、大自然の力万歳!! 天皇陛下万歳!!
よーしパパそんなもの見せられちゃ黙ってられないぞぉ。
ル○ンダイブのごとく一瞬でパンツ一丁になると、寝ている風子の前で腰に手を当て仁王立ちして、
「ところで風子……俺のパンツを見てくれ……こいつをどう思う?」
完璧だ………完璧すぎる。
腰に当てられた両手、開かれた両足の間隔、キッチリと伸ばされた背筋、キラリと光る白い歯。
全てが完璧すぎて思わず咽び泣いてしまいそうだ。
これがいわゆる会心の出来、というものだろう。
もし風子が起きていたら一もニもなくきっとこう言ってくれるさ。
腰に当てられた両手、開かれた両足の間隔、キッチリと伸ばされた背筋、キラリと光る白い歯。
全てが完璧すぎて思わず咽び泣いてしまいそうだ。
これがいわゆる会心の出来、というものだろう。
もし風子が起きていたら一もニもなくきっとこう言ってくれるさ。
「すごく……アフガニスタンです(パンツの柄が)」ってね。
そして二人は今日、三段飛ばしで大人への階段を駆け上がるのさ。
子供は二人、一姫二太郎の方向でいくか。
都会でも田舎でもないような、そんな平凡な住宅地に新居を構えよう。
お家の壁の色は白に決めた、で、暖炉もほしいところだな。
ペットには……セントバーナードでも飼ってみるか。
え? 猫? 俺は犬派なんだよ。
―――それはよく晴れた休日のこと。
庭には一面に敷き詰められた芝生の上、二人の子供とペットのセントバーナードが楽しそうに走り回って、
俺と風子はお茶でも飲みながらそんな子供たちの様子を微笑ましそうに見るんだ。
何も変わりない生活、何の変化のない日常、けれど俺にはその全てが幸せに感じられて…………って違う!!
危ねぇ……まさかパンツ一つでこの俺をビーストモードにトランスフォームさせたばかりか将来設計までさせるとは。
伊吹風子め……恐ろしい子!!
ならば……これでどうだ!?
奥義!! あさっての方向を向いて腕立て伏せ!!
説明しよう。 この奥義はあさっての方向を向くことにより、今まで視界から得られていた煩悩の元を断つとともに、
健全な運動をすることで欲望を昇華するという全米も真っ青な画期的方法だ。
悩める思春期の中高生を救う救世主になり得る方法として、現在先進国で先を争うように研究が始まっているとかいないとか。
とにかく健全な運動をしてれば邪悪な煩悩も消え去るはずだ。
そうと決まればオイッチニ、サンシ、悪霊退散、悪霊退散、煩悩退散、煩悩退散……ってしまったぁ!!
テントを張った股間がいちいち床に当たって集中できないじゃないか!!
のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
子供は二人、一姫二太郎の方向でいくか。
都会でも田舎でもないような、そんな平凡な住宅地に新居を構えよう。
お家の壁の色は白に決めた、で、暖炉もほしいところだな。
ペットには……セントバーナードでも飼ってみるか。
え? 猫? 俺は犬派なんだよ。
―――それはよく晴れた休日のこと。
庭には一面に敷き詰められた芝生の上、二人の子供とペットのセントバーナードが楽しそうに走り回って、
俺と風子はお茶でも飲みながらそんな子供たちの様子を微笑ましそうに見るんだ。
何も変わりない生活、何の変化のない日常、けれど俺にはその全てが幸せに感じられて…………って違う!!
危ねぇ……まさかパンツ一つでこの俺をビーストモードにトランスフォームさせたばかりか将来設計までさせるとは。
伊吹風子め……恐ろしい子!!
ならば……これでどうだ!?
奥義!! あさっての方向を向いて腕立て伏せ!!
説明しよう。 この奥義はあさっての方向を向くことにより、今まで視界から得られていた煩悩の元を断つとともに、
健全な運動をすることで欲望を昇華するという全米も真っ青な画期的方法だ。
悩める思春期の中高生を救う救世主になり得る方法として、現在先進国で先を争うように研究が始まっているとかいないとか。
とにかく健全な運動をしてれば邪悪な煩悩も消え去るはずだ。
そうと決まればオイッチニ、サンシ、悪霊退散、悪霊退散、煩悩退散、煩悩退散……ってしまったぁ!!
テントを張った股間がいちいち床に当たって集中できないじゃないか!!
のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
「北川さん、変態さんだったんですか?」
いつの間にか起きていた風子が俺のほうを見て汚いもの、いやそれ以下の物を見るかのような目で話しかけてくる。
変態って……腕立て伏せしてるだけで変態扱いなら世のスポーツマンは須らく変態になるだろうよ。
と、そこまで考えていたところで今の自分の格好に気が付く。
そもそも腕立て伏せをする前はビーストモードにトランスフォームしていたわけで……ビーストモードの時何をしていたかというと……
うん、もう何も言わなくていいよ、問答無用の変態ですね。
……………………………………………………電波に変態って言われた。
俺の心の中の何かが激しく傷付いていくのを感じる。
思い出しても見ろ、百貨店での出会いから今までのこいつの言動の数々を。
出会って早々に「風子参上!」とかかまして、仮面ラ○ダーの変身ポーズをやりやがった。
その後もレナって子に襲われているときも、襲われている自覚がないかのような言動。
挙句の果てに人をタクシー扱いして役場までおんぶさせるわ、食料を全部食べるわ。
まさに電波、超弩級の電波じゃないか。
その電波ゆんゆんな少女に「変態」と罵られた俺の心の痛みが如何ばかりのものか、想像付く者はいないだろう。
このまま黙っていられるか。
俺の自尊心とプライドが、ん? 自尊心とプライドって同じ意味か? まあいい、とにかく俺のあれとかそれがこのままでは収まりが付かない。
変態って……腕立て伏せしてるだけで変態扱いなら世のスポーツマンは須らく変態になるだろうよ。
と、そこまで考えていたところで今の自分の格好に気が付く。
そもそも腕立て伏せをする前はビーストモードにトランスフォームしていたわけで……ビーストモードの時何をしていたかというと……
うん、もう何も言わなくていいよ、問答無用の変態ですね。
……………………………………………………電波に変態って言われた。
俺の心の中の何かが激しく傷付いていくのを感じる。
思い出しても見ろ、百貨店での出会いから今までのこいつの言動の数々を。
出会って早々に「風子参上!」とかかまして、仮面ラ○ダーの変身ポーズをやりやがった。
その後もレナって子に襲われているときも、襲われている自覚がないかのような言動。
挙句の果てに人をタクシー扱いして役場までおんぶさせるわ、食料を全部食べるわ。
まさに電波、超弩級の電波じゃないか。
その電波ゆんゆんな少女に「変態」と罵られた俺の心の痛みが如何ばかりのものか、想像付く者はいないだろう。
このまま黙っていられるか。
俺の自尊心とプライドが、ん? 自尊心とプライドって同じ意味か? まあいい、とにかく俺のあれとかそれがこのままでは収まりが付かない。
「唐突だが風子、ナチスの総統は誰だと思う?」
「いきなりどうしたんですか、変態さん? ヒトデー総統に決まってるじゃないですか。 全世界にヒトデ王国を造ろうとして敗れてしまった人です。
風子があと半世紀程早く生まれていれば今頃全世界にヒトデ文化が根付いていたのに……惜しい人でした」
「いきなりどうしたんですか、変態さん? ヒトデー総統に決まってるじゃないですか。 全世界にヒトデ王国を造ろうとして敗れてしまった人です。
風子があと半世紀程早く生まれていれば今頃全世界にヒトデ文化が根付いていたのに……惜しい人でした」
ああ見える、見えるよ……一面に広がるお花畑が。
うふふ、あはは、なんだか体の奥底から笑いがこみ上げてくるよ。
短い付き合いとはいえそろそろこの子の思考パターンも把握できていたつもりだった。 つもりだったんだ。
彼女のそれを理解してストライクゾーンをここまで広くしていたのに。
彼女がどんなに電波なことを言っても受け止めてあげて、その上でやっぱりこいつは電波だ、と蔑んで俺の精神の安定を図るつもりだったのに……
想定の範囲外ってレベルじゃねーよ。
おまけにこいつ北川さんから変態さんに変えやがったな。
「ところで変態さん、いつまでその格好をしているんですか?」
ああ、まだ半裸のままだったな、これは俺のほうが悪いな。
ところでふと気になったんだが電波と変態、どっちが人としてマシな方なんだろう?
うふふ、あはは、なんだか体の奥底から笑いがこみ上げてくるよ。
短い付き合いとはいえそろそろこの子の思考パターンも把握できていたつもりだった。 つもりだったんだ。
彼女のそれを理解してストライクゾーンをここまで広くしていたのに。
彼女がどんなに電波なことを言っても受け止めてあげて、その上でやっぱりこいつは電波だ、と蔑んで俺の精神の安定を図るつもりだったのに……
想定の範囲外ってレベルじゃねーよ。
おまけにこいつ北川さんから変態さんに変えやがったな。
「ところで変態さん、いつまでその格好をしているんですか?」
ああ、まだ半裸のままだったな、これは俺のほうが悪いな。
ところでふと気になったんだが電波と変態、どっちが人としてマシな方なんだろう?
■ ■ ■ ■ ■ ■
「それじゃあ、また。 次の放送であえることを祈っているわ」
そう言うと憎たらしい音声はそれっきり聞こえなくなった。
「竜宮レナと倉田佐祐理……か」
百貨店で俺を襲った女―――レナ―――が死んだとは……
あの狂気に彩られた顔と笑い声が今でも容易く脳裏に再生される。
あそこまで純粋な狂気はむしろ無邪気、と表現したほうがしっくりくるかもしれない。
この島はあんな危険な女でさえあっさりと脱落してしまうようなところなのか。
あの女を殺しうる存在……マシンガンのような強力な武器を持った人物か、はたまた武器がなくともその身一つで敵を殺せる屈強な戦士か、いずれにせよ危険な人物に変わりない。
そして倉田佐祐理。
直接面識はないが、相沢がよく言っていた佐祐理さんとはおそらく彼女のことだろう。
相沢の奴……大丈夫だろうか? 復讐に走ったりとか馬鹿なこと考えなきゃいいんだが……
いや、俺は相沢を信じている。 一時の激情に駆られるような男ではないはずだ。
相沢も水瀬も放送では呼ばれてない。
他人の死を喜ぶわけではないが、こうして知り合いが無事なのはいいことだ。
一刻も早くコイツらと、この二人じゃなくても信頼できる人間と合流するべきだ。
そう前向きになりかけた俺は、名簿を見てまた落胆してしまう。
「竜宮レナと倉田佐祐理……か」
百貨店で俺を襲った女―――レナ―――が死んだとは……
あの狂気に彩られた顔と笑い声が今でも容易く脳裏に再生される。
あそこまで純粋な狂気はむしろ無邪気、と表現したほうがしっくりくるかもしれない。
この島はあんな危険な女でさえあっさりと脱落してしまうようなところなのか。
あの女を殺しうる存在……マシンガンのような強力な武器を持った人物か、はたまた武器がなくともその身一つで敵を殺せる屈強な戦士か、いずれにせよ危険な人物に変わりない。
そして倉田佐祐理。
直接面識はないが、相沢がよく言っていた佐祐理さんとはおそらく彼女のことだろう。
相沢の奴……大丈夫だろうか? 復讐に走ったりとか馬鹿なこと考えなきゃいいんだが……
いや、俺は相沢を信じている。 一時の激情に駆られるような男ではないはずだ。
相沢も水瀬も放送では呼ばれてない。
他人の死を喜ぶわけではないが、こうして知り合いが無事なのはいいことだ。
一刻も早くコイツらと、この二人じゃなくても信頼できる人間と合流するべきだ。
そう前向きになりかけた俺は、名簿を見てまた落胆してしまう。
「なんてこった……もう11人も死んでたのかよ……」
改めて名簿を見直すと、名簿につけられた×印の多さに危機を感じずにはいられない。
死者の名前を聞き取るのに精一杯で、何人死んだかまでは頭が回ってなかったようだ。
俺だって百貨店で一度は襲われてるし、この腐った殺し合いを歓迎している極悪非道な奴がいるのは分かってる。
最初からヤル気満々の者、この島で血の味を覚えてしまった者、他にも色々と人殺しをする理由はあるだろうさ。
しかし、この死人の数は俺の予想を大きく覆すものだ。
6時間で11人―――1時間におよそ二人がこの島で望まぬ生の終焉を迎えたことになる。
このままのペースで行くと単純計算で一日半―――36時間後には優勝者を除いた全参加者が死に絶えることになるだろう。
馬鹿げているとしか言いようがない。
昨日まで戦場なんて物騒な言葉とは無縁と言ってもいい者がほとんどのはずだ。
なのに、いざ火蓋が切られるとこうも簡単に人を殺せてしまうのか。
「クソッ……みんな……そんなに殺したり殺されたりしたいのかよ!」
持っていたペンを折ってしまい兼ねないほど強く拳を握り締める。
そういえば風子の方はどうなんだろう。
誰か知り合いが死んで悲しんだりしてないだろうか。
死者の名前を聞き取るのに精一杯で、何人死んだかまでは頭が回ってなかったようだ。
俺だって百貨店で一度は襲われてるし、この腐った殺し合いを歓迎している極悪非道な奴がいるのは分かってる。
最初からヤル気満々の者、この島で血の味を覚えてしまった者、他にも色々と人殺しをする理由はあるだろうさ。
しかし、この死人の数は俺の予想を大きく覆すものだ。
6時間で11人―――1時間におよそ二人がこの島で望まぬ生の終焉を迎えたことになる。
このままのペースで行くと単純計算で一日半―――36時間後には優勝者を除いた全参加者が死に絶えることになるだろう。
馬鹿げているとしか言いようがない。
昨日まで戦場なんて物騒な言葉とは無縁と言ってもいい者がほとんどのはずだ。
なのに、いざ火蓋が切られるとこうも簡単に人を殺せてしまうのか。
「クソッ……みんな……そんなに殺したり殺されたりしたいのかよ!」
持っていたペンを折ってしまい兼ねないほど強く拳を握り締める。
そういえば風子の方はどうなんだろう。
誰か知り合いが死んで悲しんだりしてないだろうか。
「おい風子、お前の知り合いは……ってまた寝てるのかよ!?」
「zzzzzzzzzzzzz……」
「zzzzzzzzzzzzz……」
なんとも幸せそうな顔で寝てやがる。
つーかこれはあれか、全く自分の置かれた境遇を把握できてないのか。
初めて会ったときからそうなんじゃないかと思っていたが……一応確かめてみるか。
「おい風子、起きろ。 起きるんだ」
「う~ん、どうしたんですか北川さん。 まだ起きるには早い時間ですよ」
眠そうな目をこすって不機嫌そうに言い放つ風子だがそんなことに構ってられない。
「あ~風子。 ここに×印を付けられた人物でお前の知り合いはいるか?」
そう言って風子に俺の名簿を見せてやる。
「いませんけど……それがどうかしたんですか? それだけなら風子はまた眠らせてもらいます」
うわ、やっぱりだ。 まったく状況を理解できてない。。
説明しても……無駄だろうな。
あのタカノの説明を聞いて理解できないのに、俺ごときがいくら熱弁を奮って説明しても理解できるとは思えない。
再び熟睡に入ろうとする風子を捕まえてもう別のことを聞く
「おいおい寝るのはまだ早いぞ。 そもそもお前の知り合いはいるのか?」
そういえば俺は風子のことを何も知らない。
襲われていたり、風子が寝ていたりで情報を交換する時間がなかったから仕方ないといえば仕方ないのだが。
「岡崎さんと、この人……」
「なるほど、岡崎朋也と春原陽平ね……」
名簿の二人の名前のところに○をつけておく。
「ちなみに俺の知り合いは相沢祐一と水瀬名雪だ」
その二人にも一応○をつけておく。
「いいか、よく覚えとけよ風子。 この二人が俺の知り合いの……ってまた寝たか」
「zzzzzzzzzzzzz……」
今度こそ長い長い熟睡モードに入った風子。
本当に幸せそうな寝顔だ。 こっちの苦労も知らずに。
まあいい。 考えようによっては寝ているときのほうが扱いやすいかもしれない。
今のやりとりにしたって風子がこっちの聞いてきたことにスラスラ答えてくれた。
まともに起きていたらこれだけのことをやるのに何倍、何十倍の労力がかかったか分からない。
(寝ている状態が一番扱いって子供の面倒見ているみたいだな……)
そう思いながら俺は物音を立てないようにして仮眠室を出て行くことにした。
さて、次にやるべきことはこの役場内の探索だ。
つーかこれはあれか、全く自分の置かれた境遇を把握できてないのか。
初めて会ったときからそうなんじゃないかと思っていたが……一応確かめてみるか。
「おい風子、起きろ。 起きるんだ」
「う~ん、どうしたんですか北川さん。 まだ起きるには早い時間ですよ」
眠そうな目をこすって不機嫌そうに言い放つ風子だがそんなことに構ってられない。
「あ~風子。 ここに×印を付けられた人物でお前の知り合いはいるか?」
そう言って風子に俺の名簿を見せてやる。
「いませんけど……それがどうかしたんですか? それだけなら風子はまた眠らせてもらいます」
うわ、やっぱりだ。 まったく状況を理解できてない。。
説明しても……無駄だろうな。
あのタカノの説明を聞いて理解できないのに、俺ごときがいくら熱弁を奮って説明しても理解できるとは思えない。
再び熟睡に入ろうとする風子を捕まえてもう別のことを聞く
「おいおい寝るのはまだ早いぞ。 そもそもお前の知り合いはいるのか?」
そういえば俺は風子のことを何も知らない。
襲われていたり、風子が寝ていたりで情報を交換する時間がなかったから仕方ないといえば仕方ないのだが。
「岡崎さんと、この人……」
「なるほど、岡崎朋也と春原陽平ね……」
名簿の二人の名前のところに○をつけておく。
「ちなみに俺の知り合いは相沢祐一と水瀬名雪だ」
その二人にも一応○をつけておく。
「いいか、よく覚えとけよ風子。 この二人が俺の知り合いの……ってまた寝たか」
「zzzzzzzzzzzzz……」
今度こそ長い長い熟睡モードに入った風子。
本当に幸せそうな寝顔だ。 こっちの苦労も知らずに。
まあいい。 考えようによっては寝ているときのほうが扱いやすいかもしれない。
今のやりとりにしたって風子がこっちの聞いてきたことにスラスラ答えてくれた。
まともに起きていたらこれだけのことをやるのに何倍、何十倍の労力がかかったか分からない。
(寝ている状態が一番扱いって子供の面倒見ているみたいだな……)
そう思いながら俺は物音を立てないようにして仮眠室を出て行くことにした。
さて、次にやるべきことはこの役場内の探索だ。
■ ■ ■ ■ ■ ■
役場の一階で俺は備え付けてあったイスに腰掛けていた。
役場内を探索して得られた成果はたった一つだった。
それはこの役場にはなにひとつ役に立ちそうな物が無い、ということ。
まあ物は考えようだ。
何も見つからなかった、と落胆するより何も無いというということが分かったと考えた方が精神的にもダメージは少ない。
PCという唯一の成果と言えなくはないものもあるが、自分には専門的な知識など皆無なので宝の持ち腐れになってしまう。
漫画やアニメに出てくる探偵のごとく腕組みをしながらPCのことを考える。
見たこともないOS、用途不明のフォルダ、そしてなぜかギャルゲーのアイコン。
明らかに何者か――たぶんタカノたち――の何らかの意図を感じるものだ。
その意図が俺たちにとってプラスに働くかマイナスに働くかは分からないが、いずれ調べなくてはならないものだろう。
当面の目的は相沢たち、もしくは信用できそうな人物との合流。
そしてしかるべき知識を持った人物にこのPCのことを教える。
しかし、よくよく考えれば俺たちは今まで風子を除けばレナという女にしか出会ってない。
既に11人もの死者が出ているのにも関わらず、だ。
支給された地図を頭の中で思い浮かべてみる。
人が集まりそうなところは誰がどう見ても新市街と住宅街の二つ。
その片方の新市街に人がいないということはみんな住宅街のほうにいるのではないか。
どちらにせよここに居座る続けることは選択肢から除外。
そして気になったことがもう一つ。
(風子のデイパックは今どうなっているだろうか)
レナが死んだことによりあの百貨店に置き去りにされたデイパックが急に気になったのだ。
常識的に考えれば、レナに回収されたのが妥当だろうし、他の危険人物が百貨店に居座っている可能性も捨てきれない。
しかし、無性に気になって仕方がない。
役場内を探索して得られた成果はたった一つだった。
それはこの役場にはなにひとつ役に立ちそうな物が無い、ということ。
まあ物は考えようだ。
何も見つからなかった、と落胆するより何も無いというということが分かったと考えた方が精神的にもダメージは少ない。
PCという唯一の成果と言えなくはないものもあるが、自分には専門的な知識など皆無なので宝の持ち腐れになってしまう。
漫画やアニメに出てくる探偵のごとく腕組みをしながらPCのことを考える。
見たこともないOS、用途不明のフォルダ、そしてなぜかギャルゲーのアイコン。
明らかに何者か――たぶんタカノたち――の何らかの意図を感じるものだ。
その意図が俺たちにとってプラスに働くかマイナスに働くかは分からないが、いずれ調べなくてはならないものだろう。
当面の目的は相沢たち、もしくは信用できそうな人物との合流。
そしてしかるべき知識を持った人物にこのPCのことを教える。
しかし、よくよく考えれば俺たちは今まで風子を除けばレナという女にしか出会ってない。
既に11人もの死者が出ているのにも関わらず、だ。
支給された地図を頭の中で思い浮かべてみる。
人が集まりそうなところは誰がどう見ても新市街と住宅街の二つ。
その片方の新市街に人がいないということはみんな住宅街のほうにいるのではないか。
どちらにせよここに居座る続けることは選択肢から除外。
そして気になったことがもう一つ。
(風子のデイパックは今どうなっているだろうか)
レナが死んだことによりあの百貨店に置き去りにされたデイパックが急に気になったのだ。
常識的に考えれば、レナに回収されたのが妥当だろうし、他の危険人物が百貨店に居座っている可能性も捨てきれない。
しかし、無性に気になって仕方がない。
住宅街に行くか、このまま新市街に留まるか。
もう一度百貨店に行ってみるか、行かないか。
もう一度百貨店に行ってみるか、行かないか。
(どっちにしろ風子と相談して決めるしかないか)
そう結論付けると俺は二階への階段を昇っていくのだった。
そう結論付けると俺は二階への階段を昇っていくのだった。
【B-2 役場の二階の仮眠室/1日目 時間 朝】
【北川潤@Kanon】
【所持品:支給品一式、チンゲラーメン(約3日分)、ゲルルンジュース(スチール缶入り750ml×3本)】
【状態:至って健康。なんとか落ち着いてきた】
【思考・行動】
1:知り合い(相沢祐一、水瀬名雪)と信用できそうな人物の捜索。
2:PCの専門知識を持った人物に役場のPCのことを教える
3:あの娘を見てしまった以上、殺し合いに乗る気にはなれない……
【所持品:支給品一式、チンゲラーメン(約3日分)、ゲルルンジュース(スチール缶入り750ml×3本)】
【状態:至って健康。なんとか落ち着いてきた】
【思考・行動】
1:知り合い(相沢祐一、水瀬名雪)と信用できそうな人物の捜索。
2:PCの専門知識を持った人物に役場のPCのことを教える
3:あの娘を見てしまった以上、殺し合いに乗る気にはなれない……
【備考】チンゲラーメンの具がアレかどうかは不明
チンゲラーメンを1個消費しました。
※住宅街に行くか、このまま新市街に留まるか。
もう一度百貨店に行ってみるか、行かないか。
以上を次の書き手さんに任せます
チンゲラーメンを1個消費しました。
※住宅街に行くか、このまま新市街に留まるか。
もう一度百貨店に行ってみるか、行かないか。
以上を次の書き手さんに任せます
【伊吹風子@CLANNAD】
【装備:なし】
【所持品:なし】
【状態:睡眠中】
【思考・行動】
1:zzz
2:北川さん……お腹すいてます?
3:北川さんって……変態さんですか?
【備考】今のところ状況をあまり把握してません。
【装備:なし】
【所持品:なし】
【状態:睡眠中】
【思考・行動】
1:zzz
2:北川さん……お腹すいてます?
3:北川さんって……変態さんですか?
【備考】今のところ状況をあまり把握してません。
【備考】
※新市街での深夜から黎明に行われた戦闘は知りません。
※役場の仮眠室の冷蔵庫には、ゲルルンジュース750mlが残り6本入っています。
※新市街での深夜から黎明に行われた戦闘は知りません。
※役場の仮眠室の冷蔵庫には、ゲルルンジュース750mlが残り6本入っています。
082:Crazy innocence | 投下順に読む | 084:私にその手を汚せというのか |
082:Crazy innocence | 時系列順に読む | 084:私にその手を汚せというのか |
070:童貞男と黒タイツ女 | 北川潤 | 089:童貞男の孤軍奮闘 |
070:童貞男と黒タイツ女 | 伊吹風子 | 089:童貞男の孤軍奮闘 |