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「地獄の島、向日葵の少女(後編)」(2007/11/08 (木) 23:21:49) の最新版変更点
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**地獄の島、向日葵の少女(後編) ◆TFNAWZdzjA
ことりは前進する。
唯一の武装以外、全ての支給品を奪われた彼女にはそれしかない。
ただ愚直に、ただ一途に、ただ真っ直ぐに、そうやって距離を詰めることしか出来ない。
相手は銃。たった一度だけ指を引く、それだけで全てを終わらせる人殺しの道具。
そんな脅威を相手にしても、不思議と恐怖はなかった。そんな余分なことに意識は割けなかった。それほど、彼女は無心だった。
「地に這い蹲ってよっ……!!」
悪魔がそんな天使を嘲り笑う。なんて恐ろしい目をするんだろう、とことりは思った。
その瞳を真正面から睨み付ける。目に映るのは佐藤良美、ただ一人。それだけを真っ直ぐに凝視した。
逃げない、退かない、負けない、迷わない。もう絶対に間違えない。
そんな無様を自分自身が許さない。ことりは一切の迷いも恐れもなく前へと進む。
パァン!
――――――あと、16歩。
「あぐっ……痛っ……!」
銃弾がことりの左肩を撃ち抜いた。初めて銃に撃たれたという事実に眩暈がした。
焼けるような痛み、左腕が千切れてしまったかのような苦しみ。一瞬、白い光景が視界を埋め尽くす。
唇を噛んで意識を強引に戻す。まだ死んでいない、左手が使えないなら右手だけで倒してみせると意気込んだ。
パァン!
――――――あと、12歩。
「ああっ……あっ……あ……」
続いての銃声と共に、ことりは右足の太ももに激痛が走るのを感じた。
まるで焼きごてを押し付けられたかのような苦痛。
ぐらり、と倒れかけてしまう。脚を撃たれては前進できない、それは両者の共通認識。このままでは一方的な処刑だ。
(頑張るん……だからっ!)
一秒にも満たない刹那、瞳の裏に残る笑顔を思い出す。
皆が応援してくれる。仲間がたくさん支えてくれる。それを思い出すだけで痛みを感じる余裕もなくなった。
守られる側から守る側へ。
逃げる側から戦う側へ。それらは全て何のためなのかを思い出した。
痛い思いをしてでも、苦しい思いをしてでも……命を、己の全てをかけてでも護りたい人が自分の後ろにいるのだから。
どうして倒れることが出来る? どうして諦めることが出来るというのか。
(赤坂さんから、高嶺さんから貰った、この勇気で、命で……!)
ほら、まだ走れる。まだ戦うことが出来る。
もう二度と暴力なんかに屈するな。もう二度と諦めようと考えるな。もう絶対に妥協なんてしてやるな。
誰にでも幸せになれる権利がある、難しいのはその妥協……だったら、何もかも妥協なんてしてやらない。
白河ことりは頑張れる。皆に支えられて戦える。求めるものは幸せは居場所。
(私が、朝倉くんを守るんだからあっ!!)
残る距離はあと7歩。二秒に満たない時間でたどり着ける。
悲鳴を上げる身体に身体に鞭打ち、ラストスパートをかけた。一気に距離を詰めて勝負を決める腹積もり。
悪魔なんかに負けるものか、と。乾坤一擲、心中であげた決意の雄たけびに、ことりの全身が震えた。
あと3歩――――――さあ、カーテンコールの時間だ。
パァンッ!!
(…………?)
最初、その衝撃を理解できなかった。
だが、冷静なほうの頭でことりは気づく。所詮、それは無謀な試みだったのだということが。
映画のようには、ドラマのようにはいかないことを痛感させた。そんな、そんな虚しい進軍。
「あ……れ……っ……?」
現実はあまりにも無常だった。それは全ての理想を叩き潰す、無常な結末だった。
良美が放った銃弾は吸い込まれるかのように、ことりの腹を突き破っていた。
鮮血が腹と口から溢れる。でも、このまま好きな人の前で血を吐き出すなんてやりたくなくて、ことりは無理やり血の塊を飲み込んだ。
それだけが、ことりに残された最後の抵抗と言っても良かった。
「ことりぃぃいいいいいーーーーーーーーーっ!!!!!」
「朝倉……っ……く、ん……あ……あ……」
あと3歩。たった3歩だけだった。
目の前には愉快そうに、ことりの絶望を楽しんで嘲り笑う良美の笑顔。手を伸ばせば届きそうな距離。
でも、このままでは届かない。前のめりに、ゆっくりと静止した時間の中で倒れようとする少女。
カーテンコールは現実を受け入れられない少女を認め、彼女の前にだけ幕を下ろす。
悪魔はそれを満足そうに鑑賞する―――――滅ぶのは、お前一人だけだ、と。
◇ ◇ ◇ ◇
(あーあ、本当に莫迦な子だったね)
一発目、ことりの痛がる顔が見たくて肩を撃った。
だけど、痛みに耐えながらも希望を見据えるような瞳を見て苛立った。そのまま近づいてくる少女が無様だった。
二発目、今度は近づいてくる脚を撃ち抜いてやった。
これであの女は走れない。もう自分に近づけない、そういう絶望を見たかった。きっと見られると思っていた。
だけど、その脚は激痛に耐えて加速した。あの気に入らない瞳がすぐ近くに迫っていた。
だから三発目、もういいや、と思った。
腹に目掛けて銃弾を放つ。ことりのお腹に穴が開いて、ごぽごぽとそこから絶え間なく赤い液体が噴出していた。
ようやく、ことりの瞳に絶望が灯る。
せめて前のめりに倒れようというのか、ゆっくりと私の足元に倒れようとしている。それはまるで甘美な喜劇。
(まだちょっとは生きてるかな? だったら純一くんを殺して冥土の土産に……)
私は笑っていた。ここまで呆気なく終わる命を哂っていた。
勝ったんだ、あの忌々しい女に。それが無常に嬉しかった。なんて興奮する瞬間なんだろう、と感動した。
だから。
目の前の少女が踏みとどまって立ち上がった時、私は再び目の前の光景に驚愕した。
◇ ◇ ◇ ◇
最後の3歩はとても遠く感じた。
薄れていく意識、何度も木霊する弱音、生きるために必要なものがポタポタと毀れていく喪失感。
このまま倒れたら楽になれる。辛いことから目を背けられる。そんな甘言に身を任せてしまいたい。
だけど。
だけど、それは無理な話。
だってほら、まだ聞こえるよ? まだ私の耳に残ってる、まだ私の頭に木霊するよ?
『頑張って』
声援が聞こえているのに、楽になりたいなんて思えない。
これは期待、これは願い、これは希望、これは力、これは意志、これは私の掛け替えのない力の源。
あと―――――2歩。
認めよう、私はとても弱かったんだ。
一人じゃ何もできない、弱い人間だったんだ。本来なら一日だって生きていられない脆弱な存在だったんだ。
そんな私だから、仲間を力を借りるの。
仲間の本当の意味を知らない貴女には、決して分からない素敵な力で。
(心の中で瞳を閉じて、誰かを想うの)
そうすればほら、聞こえてくるでしょう?
こんなにも素晴らしい応援が聞こえてくるでしょう?
『頑張って』
私の中に残っている赤坂さんの笑顔、優しい微笑みを力に。
『頑張れ』
私の心を救ってくれた高嶺さんの凛々しい顔、その強さを私に。
『ことり、頑張れ!』
私の心にいつもあった恋心、朝倉くんへの想いを精一杯の頑張りに。
あと―――――1歩。
武装が違う? ――――――私の手の中にあるのは裁きを象徴する魔法の武器、負けてなんていない。
経験が違う? ――――――元々はほとんど日常にいた人たち。一日で踏んだ場数にどれほどの意味があるものか。
覚悟が違う? ――――――以前ならともかく、今の私なら絶対に負けるはずがない。絶対に負けてなんてやらない!
この応援がある限り、私が貴女に負ける要素なんて何一つだってあるはずがない。
そうでしょう? 赤坂さん、高嶺さん、朝倉くん。私を今日まで生かしてくれた大切な人たち。
皆も遠い空の向こう側で見てるかな? 芳乃さん、音夢さん、杉並くん……皆はどんな想いを持っていたんだろう。
「っ……うぁ……っ……ぁぁぁぁあああああああああっ!!!!!」
「そんなっ……そんなわけがっ……!」
ともかく、今は目の前の相手に集中しなければ。
私は勝つ、絶対に。
人を哂い、人を騙し、人を傷つけ、人を脅し、人を殺し続けた悪魔なんかに負けられない。
これ以上の悲劇を起こさないためにも、私は貴女を倒してみせる。
これで0歩――――これで射程距離。長い行進の終わり。
教えてあげるよ、貴女の敗因を。
殺すつもりなら肩を狙う必要はなかった。殺すつもりなら両足を撃たなければならなかった。
本当に殺すつもりで撃ったなら、狙うのはお腹なんかじゃなかった!
心臓を狙うべきだった、額を撃ち抜くべきだった。結局、私に余裕ばかりを見せていたから、こうなった!
結局、貴女は遊びすぎた。私に必要以上の絶望を味わわせようとしてしまった。それに固執して大局を見失った!
そうだ、もうひとつ敗因がある。
貴女のこの島での行動を見せてもらった。何度も惨劇を、悲劇を演出してきたことに震えが止まらなかった。
だけど、その中にこそ貴女を倒すヒントがあった。
この地獄の島での一日間、近代兵器に頼ってきた敵ばかりが相手だった。敵も味方も剣や銃での戦いばかり。
だけど、魔法を使う相手は誰もいなかった。
高嶺さんのように魔法を使える人間には誰にも出逢わなかった。魔法の支給品の存在を知らなかった。
だから私がこのホテルでいつも構えていたこの武装の価値を知らなかった。
私も知らない、だけど高嶺さんが無駄使いはするなというからには、それなりの力がある。あると信じている。
私は仲間を信じた。貴女は誰も信じなかった。それが究極の敗因。
岬、今日子のハリセン―――――驚愕する良美さんの身体に振り下ろす。
その刹那、眩いばかりの電撃と光……そして悪魔の悲鳴に視覚と聴覚がどうにかなりそうになるのを感じた。
バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!
「ぁぁぁああああああああああああああああっ!!!!」
一撃は確実に良美さんの体力を奪った……だけど、まだ足りない。これだけで倒せる相手じゃない。
もう、身体に力が入らない。
ハリセンを持つ腕が震える。もう放してしまえと呟いている。
身体を支える足が震える。もう倒れてしまえと囁いている。
だけど、これで本当に最後。
今まで応援してくれた声援に応えるように、私は私の手で幻視したカーテンを静かに下ろした。
バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!
◇ ◇ ◇ ◇
二度目の雷に良美の身体は打ち震えた。
今までのどんな一撃にも勝る衝撃が身体全体を打ち据える。それで良美は敗北を喫した。
だが、悲しいかな。
このハリセンは威力は高い。だが、人を殺すことは決して出来ない。どんなに強い一撃でも人殺しだけは出来ない。
「……っ……っ……このっ!」
口すら数秒間はまともに利けない、それほどの重傷。
だが、その引き金を引いてことりを殺すことは出来た。痙攣する指で、ことりの心臓に今度こそ狙いをつける。
恨み言すら口に出来ないが、せめてこの女にトドメは刺す、その意気込みの中で。
ヒュン!
「ぎゃっ……!!?」
純一が放った釘打ち機の釘が、良美の掌を貫通した。
銃を取りこぼす。その隙に純一が接近し、良美を思いっきり蹴飛ばした。そうして倒れ伏すことりをしっかりと胸に抱く。
良美は憎しみのままに純一を睨み付ける。デイパックの中にはまだ武器がある、だがここで戦うにはあまりにも分が悪い。
「純一、無事!?」
「ことりっ……大丈夫かっ!?」
「おら、純一っ! 味方を連れてきてやったぜ、ボクに感謝しろよな!」
さらに、残りの仲間たちまでがやってくる。
このままでは逃げることすら出来ない。良美はデイパックと……そしてことりの持っていたハリセンを拾って逃走を開始する。
もちろん彼らにも、そのまま良美を逃がすつもりは毛頭ない。この落とし前はしっかりとつけてやらなければならないのだから。
(銃は……だめ、使えないっ……)
左手の小指を失い、引き金を引くには安定しない。
右手は純一に撃たれた釘が貫通している。痛みに耐えて引き抜くが、とても何かは握られない。
追撃者は悠人、つぐみ、蟹沢の三名。銃も使わずにこの場からの逃走を図ることは困難だ。
「良美、逃がさないぞっ!!」
「悠人くんっ……結局、貴方は間に合わなかった。私からことりちゃんを……救えなかったね!」
「よっぴーーーーーっ、待ちやがれぇぇえっ!!!」
「バイバイ、カニっち。今度こそお礼してあげるから!」
「待ちなさい、良美!」
「つぐみさん、せっかくだから教えてあげる! 武さんはね、殺し合いに乗ったよ! 女の子に焼き殺して心臓にナイフを突き立てた!」
良美がデイパックから取り出したのは、猫の人形とお酒、そして発火装置。
先鋒を切った悠人にハリセンを振るった。電撃が悠人を襲い、その隙に良美は即席の武器を作り上げる。
人形に酒を浴びせ、発火装置で点火し、それを一向に投げつける。
さながらそれは実在する火の玉に相違ない。狭い廊下に広がる炎、アルコール46度は炎の壁を作り上げた。
「その人形のように、武さんは女の子を殺した! これは紛れもない事実……さあ、どうするつぐみさん?」
「っ……武は……そんなこと、しないっ!!!」
走り去る背中に、つぐみはミニウージーを発砲する。
だが、どうにもならない。良美はそのまま階段へと降りていき、ホテルから逃げ出した。
こちらにはことりがいる。完全に追いつくことなんて出来はしない。悔しいが、この場は見逃すしかないだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
「はあっ……はあっ……」
くそ、くそくそくそ!
負けた、あんな甘い女に負けた!悔しい、ここまでやられるなんて!
なんて屈辱、どいつもこいつも思い通りに私の手の中で踊っていればいいのに。噛み付いてくる奴らばかりだ。
だけど、おかげで学習した。
この世には魔法が存在する。ことりちゃんから奪ったこのハリセン、私を電撃で痺れさせたこの忌々しい凶器。
高い授業料を払って手に入れたこれの威力は身をもって知った。悠人くんですら一撃で退けることができたのだから。
「ふふっ……このハリセンとそれに指輪、これさえあれば」
大石さんのデイパックに入っていた指輪には気づいていた。
綺麗な指輪だけど殺し合いには役に立たない。そう思って放っておいたけど、それは間違いだったみたいだね。
この緑色の指輪、宝石の中で渦巻く風、これは間違いなく魔術品。
祈先生の魔術を見せてもらったことがある。
魔法陣やら面倒くさい手順があったが、これはそんなものじゃない。便利な人殺しの道具。
それによく考えてみよう。思えば私は負けてなんかいない。
ことりちゃんは死んだ。あの傷では助からない。私は生きて、ことりちゃんは死んだ。それが全てだ。
「……ぐっ……痛っ……ひどいなぁ」
だけど、ダメージが大きい。疲労もここに来て限界に近づいてきている。
悠人くんの話では殺し合いを放棄した人たちは、病院を目指しているらしい。このコンディションで近づくのは自殺行為。
だから私は北上することにした。今は傷の手当てと休眠……休むことも戦いに必要なことなのだから。
小屋に到着する。やっと落ち着いて休める場所を見つけた。
それじゃあ、ほんの少しだけ―――――沈むように、眠りにつこう。
◇ ◇ ◇ ◇
「ことり……ことりっ……」
次に目を覚ましたとき、私は朝倉くんの腕の中にいた。
すごく幸せな気分だった。体中がすごく痛いけど、それすらも消え失せるかと思うぐらい。
私の覗き込むように橙色の髪の小柄な女の子、そして高嶺さんが悔しそうな顔をしていた。
「やめてくれよ……死なないでくれ。それじゃ、さくらのときと同じだ……っ……」
朝倉くんが泣いていた。高嶺さんも何かを堪えるかのような表情で謝り続けている。
泣かないでほしかった。笑顔でいてほしかった。
「ことり……ごめん。守ってやれなくて、ごめんっ……!」
「朝倉くん……泣かないで。守ってくれた、助けてくれたよ?」
良美さんに捕まったとき、絶望に気絶してしまったとき。
私の目を覚ましてくれたのは、朝倉くんの怒号だった。朝倉くんが助けに来てくれたから、私はこうして頑張れた。
この地獄の島の中で私は願いを叶えられた。この惨劇の嵐の中、私は後悔せずに誓いを果たすことができた。
「ことり、すまない。俺は……ことりを救えなかった」
「違います、高嶺さんは救ってくれました……朝倉くんに逢いたい、助けてあげたいって心、思い出させてくれました……」
「だけど……」
「舞のこと、お願いします……私の友達、止めてあげてください……」
唯一の心残りは舞のこと、どうか目を覚ましてほしい。
高嶺さんは静かに頷く。これで思い残すことは何もない。そろそろ、意識が遠のいてきた。
「あはっ……もう、何も見えなくなってきました……」
「ことりっ……!」
「最後に……ぎゅっとしてください……私の、最期のわがまま」
厚かましいのを覚悟でそんな言葉をつぶやくと、優しく私の体を包み込んでくれた。そんな感覚がまだ残ってた。
そして朝倉くんの心に入る。そこでは この瞬間、私のことを大切に思ってくれる朝倉くんの偽らざる気持ちが伝わってきた。
それとつぐみさん、それに蟹沢さん……あの小柄の人だよね。その人たちへの感謝。ちょっとだけ嫉妬してみたけど、それでもいいと思った。
今、この瞬間だけは……朝倉くんが私を愛してくれている。
それだけで、それだけで充分。
この島はすごく大変で辛いことばかりだったけど。
私の最期の居場所はこんなにも素敵――――――だから私、とても幸せでした。
◇ ◇ ◇ ◇
私は悲しみにくれる純一たちから距離を置き、夜空を見上げていた。
甘さは捨てたはずだった。だけど、まだ甘さを捨てるには足りなかったのかも知れない。
無条件に佐藤良美を信じた。それこそ、私がまだ甘さを捨て切れていない証拠だった。なんて無様なんだろう。
(武……嘘よね?)
良美の言葉も、主催者の言葉も信用するに値しない。
だけどここまでの偶然があるだろうか。主催者と良美、両者の言動が一致した。少女を焼き殺したのだと断定した。
二人が手を組んでいる、なんて考えられない。だから否が応でも、武への疑心が広がっていく。
(お願い……嘘だって言ってよ……逢いたいよ、武……)
すでに一日が経過した。私たちはまだ再会していない。武の確かな情報すらない。
そっと、手の中にあるものを包む。良美が退却のときに落としていった小道具……それは、愛する夫の私物。
PDA……どうしてそれを良美が持っていたのか。支給品なのか、それとも本人に逢っていたからだろうか。
もしも武が殺し合いに乗っていたらどうする?
万が一、武が殺し合いに乗っていたら……その時は、私はどんな行動をとるだろう?
武のために純一たちを殺す? そもそも私は武がいればそれでいい、純一への甘さも武が原点なのだ。
もしも、武が放送で呼ばれたら?
私はきっと昔に戻るかも知れない。武を殺したライプリヒ製薬の上層部を残らず抹殺する、あの修羅に。
そうだ、今殺してもそれは変わらない。もしも死んだら優勝でも、主催者打倒でもいい。とにかく、主催者を皆殺しに―――
「ふっ……あはは。無理、無理よね。それを、教えてくれた……」
お腹の中に宿った、武との繋がり。あのクヴァレでの一夜の夢、全てを受け入れて求めてくれた武。
あのときの感動は忘れられない。武との子供がここにいるよ、って……海を眺めながら感涙した、あの日は忘れない。
教えてくれた、武と愛しい子供たちが。
復讐なんて無意味。生きているかぎり生きていいんだ。大丈夫、きっと大丈夫だから。
俺は、死なない―――――その言葉だけを17年間、信じてきたのだ。
いまさら、武を信じるのに何の躊躇いがあるだろうか。
あの苦痛の17年間に比べれば、この島での一日なんて塵にも等しい。それぐらいで私と武の絆は壊れない。
もしも武が殺し合いに乗っていたなら、私が救う。17年前の借りを返して、そして一発殴ってやるだけだ。
「つぐみ、待たせた……ことりの埋葬、終わったよ」
「そう……大丈夫?」
「ああ……ことり、向日葵の花みたいに笑ってたから。俺たちがやるのは悲しむことじゃない……そうだよな?」
「これからことりの遺品、形見分けをしようと思うんだ。皆、異存はないな?」
異論はない。幸い、良美は逃げるのに必死でことりから奪ったデイパックは落としていた。
いくつかは自分のデイパックに移しているようだが、それでも戦力は整えておいたほうがいい。
さあ、悲しみを乗り越えて。
私たちは再び、主催者へと挑戦し続ける。だけどその前に、頑張った女の子の冥福を祈ろう。
どうか、安らかに。
夜空に星は見えないが、それでも純一の背中を押してくれる存在がいるような気がした。
――――頑張ってね。
&color(red){【白河ことり@D.C.P.S. 死亡】}
【D-5 ホテル/2日目 深夜】
【高嶺悠人@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【装備:トウカの刀@うたわれるもの、ベレッタM92F(9mmパラベラム弾15/15+1)】
【所持品1:支給品一式×3、バニラアイス@Kanon(残り6/10)、予備マガジン×3、暗視ゴーグル、FN-P90の予備弾、電話帳】
【所持品2:カルラの剣@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、竹刀、懐中電灯、単二乾電池(×2本)バナナ(台湾産)(1房)、発火装置】
【状態:疲労中程度、手足に軽い火傷(行動に支障なし)、左太腿に軽度の負傷(処置済み・歩行には支障なし)、「時詠」に対する恐怖】
【思考・行動】
基本方針1:仲間を守る
基本方針2:なんとしてもファンタズマゴリアに帰還する
0:純一たちと共に時間までに東へ移動し、病院に向かい千影と合流する。
1:ことりの冥福を祈る
2:舞(容姿のみ)を警戒
3:衛、千影を含む出来る限り多くの人を保護
4:ゲームに乗った人間と遭遇したときは、衛や弱い立場の人間を守るためにも全力で戦う。割り切って容赦しない
5:地下にタカノ達主催者の本拠地があるのではないかと推測。しかし、そうだとしても首輪をどうにかしないと……
【備考】
※バニラアイスは小型の冷凍庫に入っています。
※衛と本音をぶつけあったことで絆が強くなり、心のわだかまりが解けました。
※アセリアに『時詠』の事を話していません。
※千影が意図的に西へと移動したことに気付いていません。方向音痴だったと判断。
※前原圭一を一応、警戒していますが信じるに足らないと思っています
【小町つぐみ@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:鉈@ひぐらしのなく頃に祭、スタングレネード×6、ミニウージー(6/25)】
【所持品:支給品一式x3、ベレッタ M93R(18/21)、天使の人形@Kanon、バール、工具一式、暗号文が書いてあるメモ、
バナナ(台湾産)(3房)、倉成武のPDA@Ever17-the out of infinity-、倉田佐祐理の死体の写真】
【状態:健康、肉体的疲労小】
【思考・行動】
基本:武と合流して元の世界に戻る方法を見つける。 ゲームを終わらせる。
1:ホテルで北川を待つつもりだが、悠人を引き込もうと思ってる
2:武を探す、武を信じる
3:ゲームに進んで乗らないが、自分達と武を襲う者は容赦しない
4:圭一を探す(見つければ梨花達の事を教える)
5:四姉妹の話が真実か確かめる
【備考】
赤外線視力のためある程度夜目が効きます。紫外線に弱いため日中はさらに身体能力が低下。
参加時期はEver17グランドフィナーレ後。
※純一 とは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※音夢とネリネの知り合いに関する情報を知っています。
※北川、梨花をある程度信用しました。
※投票サイトの順位は信憑性に欠けると判断しました。
※きぬを完全に信用しました。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※倉田佐祐理の死体の写真は額の銃痕が髪の毛で隠れた綺麗な姿。撮影時間(一日目夕方)も一緒に写っています。
【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:拡声器】
【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス
支給品一式x3、投げナイフ一本、ハクオロの鉄扇@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、
麻酔薬入り注射器×2 H173入り注射器×2、食料品沢山(刺激物多し)懐中電灯、単二乾電池(×4本)】
【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、首に麻酔の跡、疲労小】
【思考・行動】
基本:ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。
0:ことりの冥福を祈る
1:純一たちについていく
2:圭一、武を探す
3:病院に行った後、宮小路瑞穂達を探す。
4:ゲームをぶっ潰す。
5:よっぴーへの怒り
6:純一への不思議な感情
【備考】
※仲間の死を乗り越えました
※アセリアに対する警戒は小さくなっています
※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。
※つぐみを完全に信用しました。つぐみを椰子(ロワ不参加)に似てると思ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※純一と絆が深まりました。純一への不思議な感情を持ち始めました。
【朝倉純一@D.C.P.S.】
【装備:釘撃ち機(16/20)、大型レンチ】
【所持品:支給品一式x4 エルルゥの傷薬@うたわれるもの オオアリクイのヌイグルミ@Kanon クロスボウ(ボルト残26/30)
ヘルメット、ツルハシ、果物ナイフ、昆虫図鑑、スペツナズナイフの柄虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】
【状態:精神疲労・強い決意・血が服についている、顔がボコボコ、口の中から出血、頬に青痣、左腕と右足太ももに銃創(治療済み)】
【思考・行動】
基本行動方針:人を殺さない 、殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
0:ことりの冥福を祈る。
1:北川をホテルで待つ
2:つぐみと蟹沢で武を探す
3:つぐみと蟹沢を守り通す
4:圭一を探す
5:さくらとことりをちゃんと埋葬したい
6:理想を貫き通す
純一の参加時期は、音夢シナリオの初キス直後の時期に設定。
※つぐみとは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※北川、梨花、風子をかなり信用しました。 悠人もそれなりに。
※蟹沢と絆が深まりました。
※自分自身をヘタレかと疑ってます。
【備考】
※佐藤良美をマーダーとして警戒しています。 鳥も参加してる事も知りました。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての話を、梨花から聞きました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※つぐみ達の車にキーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。
※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。
※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。
【E-5 小屋/2日目 黎明】
【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:今日子のハリセン@永遠のアセリア(残り使用回数0回)、フムカミの指輪@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)】
【所持品:支給品一式×3、S&W M627PCカスタム(0/8)、S&W M36(5/5)、錐、食料・水x4、タロットカード@Sister Princess、
大石のデイパック、地獄蝶々@つよきす、S&W M627PCカスタムの予備弾20、.357マグナム弾(40発)、肉まん×5@Kanon、オペラグラス、医療品一式】
【状態:左肩に銃創と穴、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み、左手小指損失、全身に疲労、右手に穴】
【思考・行動】
基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。
1:今は少しでも多く疲れを取る
2:病院には今は向かわない。北上する予定
3:魔法、魔術品を他にも手に入れておきたい
4:あらゆるもの、人を利用して優勝を目指す
5:いつか圭一とその仲間を自分の手で殺してやりたい
【備考】
※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない)
※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ)
※大空寺あゆ、ことみのいずれも信用していません。
※大石の支給品は鍵とフムカミの指輪です。 現在鍵はは倉成武が所有
※商店街で医療品とその他色々なものを入手しました。 具体的に何を手に入れたかは後続書き手任せ。ただし武器は無い)
※襲撃者(舞)の外見的特長を知りました。
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|投下順に読む|174:[[少女連鎖(Ⅱ)-少女達の檻-]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|時系列順に読む|174:[[少女連鎖(Ⅱ)-少女達の檻-]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|朝倉純一|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|小町つぐみ|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|蟹沢きぬ|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|高嶺悠人|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|佐藤良美|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|&color(red){白河ことり}||
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**地獄の島、向日葵の少女(後編) ◆TFNAWZdzjA
ことりは前進する。
唯一の武装以外、全ての支給品を奪われた彼女にはそれしかない。
ただ愚直に、ただ一途に、ただ真っ直ぐに、そうやって距離を詰めることしか出来ない。
相手は銃。たった一度だけ指を引く、それだけで全てを終わらせる人殺しの道具。
そんな脅威を相手にしても、不思議と恐怖はなかった。そんな余分なことに意識は割けなかった。それほど、彼女は無心だった。
「地に這い蹲ってよっ……!!」
悪魔がそんな天使を嘲り笑う。なんて恐ろしい目をするんだろう、とことりは思った。
その瞳を真正面から睨み付ける。目に映るのは佐藤良美、ただ一人。それだけを真っ直ぐに凝視した。
逃げない、退かない、負けない、迷わない。もう絶対に間違えない。
そんな無様を自分自身が許さない。ことりは一切の迷いも恐れもなく前へと進む。
パァン!
――――――あと、16歩。
「あぐっ……痛っ……!」
銃弾がことりの左肩を撃ち抜いた。初めて銃に撃たれたという事実に眩暈がした。
焼けるような痛み、左腕が千切れてしまったかのような苦しみ。一瞬、白い光景が視界を埋め尽くす。
唇を噛んで意識を強引に戻す。まだ死んでいない、左手が使えないなら右手だけで倒してみせると意気込んだ。
パァン!
――――――あと、12歩。
「ああっ……あっ……あ……」
続いての銃声と共に、ことりは右足の太ももに激痛が走るのを感じた。
まるで焼きごてを押し付けられたかのような苦痛。
ぐらり、と倒れかけてしまう。脚を撃たれては前進できない、それは両者の共通認識。このままでは一方的な処刑だ。
(頑張るん……だからっ!)
一秒にも満たない刹那、瞳の裏に残る笑顔を思い出す。
皆が応援してくれる。仲間がたくさん支えてくれる。それを思い出すだけで痛みを感じる余裕もなくなった。
守られる側から守る側へ。
逃げる側から戦う側へ。それらは全て何のためなのかを思い出した。
痛い思いをしてでも、苦しい思いをしてでも……命を、己の全てをかけてでも護りたい人が自分の後ろにいるのだから。
どうして倒れることが出来る? どうして諦めることが出来るというのか。
(赤坂さんから、高嶺さんから貰った、この勇気で、命で……!)
ほら、まだ走れる。まだ戦うことが出来る。
もう二度と暴力なんかに屈するな。もう二度と諦めようと考えるな。もう絶対に妥協なんてしてやるな。
誰にでも幸せになれる権利がある、難しいのはその妥協……だったら、何もかも妥協なんてしてやらない。
白河ことりは頑張れる。皆に支えられて戦える。求めるものは幸せは居場所。
(私が、朝倉くんを守るんだからあっ!!)
残る距離はあと7歩。二秒に満たない時間でたどり着ける。
悲鳴を上げる身体に身体に鞭打ち、ラストスパートをかけた。一気に距離を詰めて勝負を決める腹積もり。
悪魔なんかに負けるものか、と。乾坤一擲、心中であげた決意の雄たけびに、ことりの全身が震えた。
あと3歩――――――さあ、カーテンコールの時間だ。
パァンッ!!
(…………?)
最初、その衝撃を理解できなかった。
だが、冷静なほうの頭でことりは気づく。所詮、それは無謀な試みだったのだということが。
映画のようには、ドラマのようにはいかないことを痛感させた。そんな、そんな虚しい進軍。
「あ……れ……っ……?」
現実はあまりにも無常だった。それは全ての理想を叩き潰す、無常な結末だった。
良美が放った銃弾は吸い込まれるかのように、ことりの腹を突き破っていた。
鮮血が腹と口から溢れる。でも、このまま好きな人の前で血を吐き出すなんてやりたくなくて、ことりは無理やり血の塊を飲み込んだ。
それだけが、ことりに残された最後の抵抗と言っても良かった。
「ことりぃぃいいいいいーーーーーーーーーっ!!!!!」
「朝倉……っ……く、ん……あ……あ……」
あと3歩。たった3歩だけだった。
目の前には愉快そうに、ことりの絶望を楽しんで嘲り笑う良美の笑顔。手を伸ばせば届きそうな距離。
でも、このままでは届かない。前のめりに、ゆっくりと静止した時間の中で倒れようとする少女。
カーテンコールは現実を受け入れられない少女を認め、彼女の前にだけ幕を下ろす。
悪魔はそれを満足そうに鑑賞する―――――滅ぶのは、お前一人だけだ、と。
◇ ◇ ◇ ◇
(あーあ、本当に莫迦な子だったね)
一発目、ことりの痛がる顔が見たくて肩を撃った。
だけど、痛みに耐えながらも希望を見据えるような瞳を見て苛立った。そのまま近づいてくる少女が無様だった。
二発目、今度は近づいてくる脚を撃ち抜いてやった。
これであの女は走れない。もう自分に近づけない、そういう絶望を見たかった。きっと見られると思っていた。
だけど、その脚は激痛に耐えて加速した。あの気に入らない瞳がすぐ近くに迫っていた。
だから三発目、もういいや、と思った。
腹に目掛けて銃弾を放つ。ことりのお腹に穴が開いて、ごぽごぽとそこから絶え間なく赤い液体が噴出していた。
ようやく、ことりの瞳に絶望が灯る。
せめて前のめりに倒れようというのか、ゆっくりと私の足元に倒れようとしている。それはまるで甘美な喜劇。
(まだちょっとは生きてるかな? だったら純一くんを殺して冥土の土産に……)
私は笑っていた。ここまで呆気なく終わる命を哂っていた。
勝ったんだ、あの忌々しい女に。それが無常に嬉しかった。なんて興奮する瞬間なんだろう、と感動した。
だから。
目の前の少女が踏みとどまって立ち上がった時、私は再び目の前の光景に驚愕した。
◇ ◇ ◇ ◇
最後の3歩はとても遠く感じた。
薄れていく意識、何度も木霊する弱音、生きるために必要なものがポタポタと毀れていく喪失感。
このまま倒れたら楽になれる。辛いことから目を背けられる。そんな甘言に身を任せてしまいたい。
だけど。
だけど、それは無理な話。
だってほら、まだ聞こえるよ? まだ私の耳に残ってる、まだ私の頭に木霊するよ?
『頑張って』
声援が聞こえているのに、楽になりたいなんて思えない。
これは期待、これは願い、これは希望、これは力、これは意志、これは私の掛け替えのない力の源。
あと―――――2歩。
認めよう、私はとても弱かったんだ。
一人じゃ何もできない、弱い人間だったんだ。本来なら一日だって生きていられない脆弱な存在だったんだ。
そんな私だから、仲間を力を借りるの。
仲間の本当の意味を知らない貴女には、決して分からない素敵な力で。
(心の中で瞳を閉じて、誰かを想うの)
そうすればほら、聞こえてくるでしょう?
こんなにも素晴らしい応援が聞こえてくるでしょう?
『頑張って』
私の中に残っている赤坂さんの笑顔、優しい微笑みを力に。
『頑張れ』
私の心を救ってくれた高嶺さんの凛々しい顔、その強さを私に。
『ことり、頑張れ!』
私の心にいつもあった恋心、朝倉くんへの想いを精一杯の頑張りに。
あと―――――1歩。
武装が違う? ――――――私の手の中にあるのは裁きを象徴する魔法の武器、負けてなんていない。
経験が違う? ――――――元々はほとんど日常にいた人たち。一日で踏んだ場数にどれほどの意味があるものか。
覚悟が違う? ――――――以前ならともかく、今の私なら絶対に負けるはずがない。絶対に負けてなんてやらない!
この応援がある限り、私が貴女に負ける要素なんて何一つだってあるはずがない。
そうでしょう? 赤坂さん、高嶺さん、朝倉くん。私を今日まで生かしてくれた大切な人たち。
皆も遠い空の向こう側で見てるかな? 芳乃さん、音夢さん、杉並くん……皆はどんな想いを持っていたんだろう。
「っ……うぁ……っ……ぁぁぁぁあああああああああっ!!!!!」
「そんなっ……そんなわけがっ……!」
ともかく、今は目の前の相手に集中しなければ。
私は勝つ、絶対に。
人を哂い、人を騙し、人を傷つけ、人を脅し、人を殺し続けた悪魔なんかに負けられない。
これ以上の悲劇を起こさないためにも、私は貴女を倒してみせる。
これで0歩――――これで射程距離。長い行進の終わり。
教えてあげるよ、貴女の敗因を。
殺すつもりなら肩を狙う必要はなかった。殺すつもりなら両足を撃たなければならなかった。
本当に殺すつもりで撃ったなら、狙うのはお腹なんかじゃなかった!
心臓を狙うべきだった、額を撃ち抜くべきだった。結局、私に余裕ばかりを見せていたから、こうなった!
結局、貴女は遊びすぎた。私に必要以上の絶望を味わわせようとしてしまった。それに固執して大局を見失った!
そうだ、もうひとつ敗因がある。
貴女のこの島での行動を見せてもらった。何度も惨劇を、悲劇を演出してきたことに震えが止まらなかった。
だけど、その中にこそ貴女を倒すヒントがあった。
この地獄の島での一日間、近代兵器に頼ってきた敵ばかりが相手だった。敵も味方も剣や銃での戦いばかり。
だけど、魔法を使う相手は誰もいなかった。
高嶺さんのように魔法を使える人間には誰にも出逢わなかった。魔法の支給品の存在を知らなかった。
だから私がこのホテルでいつも構えていたこの武装の価値を知らなかった。
私も知らない、だけど高嶺さんが無駄使いはするなというからには、それなりの力がある。あると信じている。
私は仲間を信じた。貴女は誰も信じなかった。それが究極の敗因。
岬、今日子のハリセン―――――驚愕する良美さんの身体に振り下ろす。
その刹那、眩いばかりの電撃と光……そして悪魔の悲鳴に視覚と聴覚がどうにかなりそうになるのを感じた。
バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!
「ぁぁぁああああああああああああああああっ!!!!」
一撃は確実に良美さんの体力を奪った……だけど、まだ足りない。これだけで倒せる相手じゃない。
もう、身体に力が入らない。
ハリセンを持つ腕が震える。もう放してしまえと呟いている。
身体を支える足が震える。もう倒れてしまえと囁いている。
だけど、これで本当に最後。
今まで応援してくれた声援に応えるように、私は私の手で幻視したカーテンを静かに下ろした。
バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!
◇ ◇ ◇ ◇
二度目の雷に良美の身体は打ち震えた。
今までのどんな一撃にも勝る衝撃が身体全体を打ち据える。それで良美は敗北を喫した。
だが、悲しいかな。
このハリセンは威力は高い。だが、人を殺すことは決して出来ない。どんなに強い一撃でも人殺しだけは出来ない。
「……っ……っ……このっ!」
口すら数秒間はまともに利けない、それほどの重傷。
だが、その引き金を引いてことりを殺すことは出来た。痙攣する指で、ことりの心臓に今度こそ狙いをつける。
恨み言すら口に出来ないが、せめてこの女にトドメは刺す、その意気込みの中で。
ヒュン!
「ぎゃっ……!!?」
純一が放った釘打ち機の釘が、良美の掌を貫通した。
銃を取りこぼす。その隙に純一が接近し、良美を思いっきり蹴飛ばした。そうして倒れ伏すことりをしっかりと胸に抱く。
良美は憎しみのままに純一を睨み付ける。デイパックの中にはまだ武器がある、だがここで戦うにはあまりにも分が悪い。
「純一、無事!?」
「ことりっ……大丈夫かっ!?」
「おら、純一っ! 味方を連れてきてやったぜ、ボクに感謝しろよな!」
さらに、残りの仲間たちまでがやってくる。
このままでは逃げることすら出来ない。良美はデイパックと……そしてことりの持っていたハリセンを拾って逃走を開始する。
もちろん彼らにも、そのまま良美を逃がすつもりは毛頭ない。この落とし前はしっかりとつけてやらなければならないのだから。
(銃は……だめ、使えないっ……)
左手の小指を失い、引き金を引くには安定しない。
右手は純一に撃たれた釘が貫通している。痛みに耐えて引き抜くが、とても何かは握られない。
追撃者は悠人、つぐみ、蟹沢の三名。銃も使わずにこの場からの逃走を図ることは困難だ。
「良美、逃がさないぞっ!!」
「悠人くんっ……結局、貴方は間に合わなかった。私からことりちゃんを……救えなかったね!」
「よっぴーーーーーっ、待ちやがれぇぇえっ!!!」
「バイバイ、カニっち。今度こそお礼してあげるから!」
「待ちなさい、良美!」
「つぐみさん、せっかくだから教えてあげる! 武さんはね、殺し合いに乗ったよ! 女の子に焼き殺して心臓にナイフを突き立てた!」
良美がデイパックから取り出したのは、猫の人形とお酒、そして発火装置。
先鋒を切った悠人にハリセンを振るった。電撃が悠人を襲い、その隙に良美は即席の武器を作り上げる。
人形に酒を浴びせ、発火装置で点火し、それを一向に投げつける。
さながらそれは実在する火の玉に相違ない。狭い廊下に広がる炎、アルコール46度は炎の壁を作り上げた。
「その人形のように、武さんは女の子を殺した! これは紛れもない事実……さあ、どうするつぐみさん?」
「っ……武は……そんなこと、しないっ!!!」
走り去る背中に、つぐみはミニウージーを発砲する。
だが、どうにもならない。良美はそのまま階段へと降りていき、ホテルから逃げ出した。
こちらにはことりがいる。完全に追いつくことなんて出来はしない。悔しいが、この場は見逃すしかないだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
「はあっ……はあっ……」
くそ、くそくそくそ!
負けた、あんな甘い女に負けた!悔しい、ここまでやられるなんて!
なんて屈辱、どいつもこいつも思い通りに私の手の中で踊っていればいいのに。噛み付いてくる奴らばかりだ。
だけど、おかげで学習した。
この世には魔法が存在する。ことりちゃんから奪ったこのハリセン、私を電撃で痺れさせたこの忌々しい凶器。
高い授業料を払って手に入れたこれの威力は身をもって知った。悠人くんですら一撃で退けることができたのだから。
「ふふっ……このハリセンとそれに指輪、これさえあれば」
大石さんのデイパックに入っていた指輪には気づいていた。
綺麗な指輪だけど殺し合いには役に立たない。そう思って放っておいたけど、それは間違いだったみたいだね。
この緑色の指輪、宝石の中で渦巻く風、これは間違いなく魔術品。
祈先生の魔術を見せてもらったことがある。
魔法陣やら面倒くさい手順があったが、これはそんなものじゃない。便利な人殺しの道具。
それによく考えてみよう。思えば私は負けてなんかいない。
ことりちゃんは死んだ。あの傷では助からない。私は生きて、ことりちゃんは死んだ。それが全てだ。
「……ぐっ……痛っ……ひどいなぁ」
だけど、ダメージが大きい。疲労もここに来て限界に近づいてきている。
悠人くんの話では殺し合いを放棄した人たちは、病院を目指しているらしい。このコンディションで近づくのは自殺行為。
だから私は北上することにした。今は傷の手当てと休眠……休むことも戦いに必要なことなのだから。
小屋に到着する。やっと落ち着いて休める場所を見つけた。
それじゃあ、ほんの少しだけ―――――沈むように、眠りにつこう。
◇ ◇ ◇ ◇
「ことり……ことりっ……」
次に目を覚ましたとき、私は朝倉くんの腕の中にいた。
すごく幸せな気分だった。体中がすごく痛いけど、それすらも消え失せるかと思うぐらい。
私の覗き込むように橙色の髪の小柄な女の子、そして高嶺さんが悔しそうな顔をしていた。
「やめてくれよ……死なないでくれ。それじゃ、さくらのときと同じだ……っ……」
朝倉くんが泣いていた。高嶺さんも何かを堪えるかのような表情で謝り続けている。
泣かないでほしかった。笑顔でいてほしかった。
「ことり……ごめん。守ってやれなくて、ごめんっ……!」
「朝倉くん……泣かないで。守ってくれた、助けてくれたよ?」
良美さんに捕まったとき、絶望に気絶してしまったとき。
私の目を覚ましてくれたのは、朝倉くんの怒号だった。朝倉くんが助けに来てくれたから、私はこうして頑張れた。
この地獄の島の中で私は願いを叶えられた。この惨劇の嵐の中、私は後悔せずに誓いを果たすことができた。
「ことり、すまない。俺は……ことりを救えなかった」
「違います、高嶺さんは救ってくれました……朝倉くんに逢いたい、助けてあげたいって心、思い出させてくれました……」
「だけど……」
「舞のこと、お願いします……私の友達、止めてあげてください……」
唯一の心残りは舞のこと、どうか目を覚ましてほしい。
高嶺さんは静かに頷く。これで思い残すことは何もない。そろそろ、意識が遠のいてきた。
「あはっ……もう、何も見えなくなってきました……」
「ことりっ……!」
「最後に……ぎゅっとしてください……私の、最期のわがまま」
厚かましいのを覚悟でそんな言葉をつぶやくと、優しく私の体を包み込んでくれた。そんな感覚がまだ残ってた。
そして朝倉くんの心に入る。そこでは この瞬間、私のことを大切に思ってくれる朝倉くんの偽らざる気持ちが伝わってきた。
それとつぐみさん、それに蟹沢さん……あの小柄の人だよね。その人たちへの感謝。ちょっとだけ嫉妬してみたけど、それでもいいと思った。
今、この瞬間だけは……朝倉くんが私を愛してくれている。
それだけで、それだけで充分。
この島はすごく大変で辛いことばかりだったけど。
私の最期の居場所はこんなにも素敵――――――だから私、とても幸せでした。
◇ ◇ ◇ ◇
私は悲しみにくれる純一たちから距離を置き、夜空を見上げていた。
甘さは捨てたはずだった。だけど、まだ甘さを捨てるには足りなかったのかも知れない。
無条件に佐藤良美を信じた。それこそ、私がまだ甘さを捨て切れていない証拠だった。なんて無様なんだろう。
(武……嘘よね?)
良美の言葉も、主催者の言葉も信用するに値しない。
だけどここまでの偶然があるだろうか。主催者と良美、両者の言動が一致した。少女を焼き殺したのだと断定した。
二人が手を組んでいる、なんて考えられない。だから否が応でも、武への疑心が広がっていく。
(お願い……嘘だって言ってよ……逢いたいよ、武……)
すでに一日が経過した。私たちはまだ再会していない。武の確かな情報すらない。
そっと、手の中にあるものを包む。良美が退却のときに落としていった小道具……それは、愛する夫の私物。
PDA……どうしてそれを良美が持っていたのか。支給品なのか、それとも本人に逢っていたからだろうか。
もしも武が殺し合いに乗っていたらどうする?
万が一、武が殺し合いに乗っていたら……その時は、私はどんな行動をとるだろう?
武のために純一たちを殺す? そもそも私は武がいればそれでいい、純一への甘さも武が原点なのだ。
もしも、武が放送で呼ばれたら?
私はきっと昔に戻るかも知れない。武を殺したライプリヒ製薬の上層部を残らず抹殺する、あの修羅に。
そうだ、今殺してもそれは変わらない。もしも死んだら優勝でも、主催者打倒でもいい。とにかく、主催者を皆殺しに―――
「ふっ……あはは。無理、無理よね。それを、教えてくれた……」
お腹の中に宿った、武との繋がり。あのクヴァレでの一夜の夢、全てを受け入れて求めてくれた武。
あのときの感動は忘れられない。武との子供がここにいるよ、って……海を眺めながら感涙した、あの日は忘れない。
教えてくれた、武と愛しい子供たちが。
復讐なんて無意味。生きているかぎり生きていいんだ。大丈夫、きっと大丈夫だから。
俺は、死なない―――――その言葉だけを17年間、信じてきたのだ。
いまさら、武を信じるのに何の躊躇いがあるだろうか。
あの苦痛の17年間に比べれば、この島での一日なんて塵にも等しい。それぐらいで私と武の絆は壊れない。
もしも武が殺し合いに乗っていたなら、私が救う。17年前の借りを返して、そして一発殴ってやるだけだ。
「つぐみ、待たせた……ことりの埋葬をこれからしようと思うんだ」
「そう……大丈夫?」
「ああ……ことり、向日葵の花みたいに笑ってるから。俺たちがやるのは悲しむことじゃない……そうだよな?」
そんな彼を見て、思う。純一は強くなった。
かつての武を髣髴とさせるほど強くなった彼を見て、思う。自分もまた強くなければならないのだ、と。
「そういえばことりの遺品、埋葬の前に形見分けをしたいんだけど……皆、それでいいかな?」
異論はない。幸い、良美は逃げるのに必死でことりから奪ったデイパックは落としていた。
いくつかは自分のデイパックに移しているようだが、それでも戦力は整えておいたほうがいい。
さあ、悲しみを乗り越えて。
私たちは再び、主催者へと挑戦し続ける。だけどその前に、頑張った女の子の冥福を祈ろう。
どうか、安らかに。
夜空に星は見えないが、それでも純一の背中を押してくれる存在がいるような気がした。
――――頑張ってね。
&color(red){【白河ことり@D.C.P.S. 死亡】}
【D-5 ホテル/2日目 深夜】
【高嶺悠人@永遠のアセリア -この大地の果てで-】
【装備:トウカの刀@うたわれるもの、ベレッタM92F(9mmパラベラム弾15/15+1)】
【所持品1:支給品一式×3、バニラアイス@Kanon(残り6/10)、予備マガジン×3、暗視ゴーグル、FN-P90の予備弾、電話帳】
【所持品2:カルラの剣@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、竹刀、懐中電灯、単二乾電池(×2本)バナナ(台湾産)(1房)、発火装置】
【状態:疲労中程度、手足に軽い火傷(行動に支障なし)、左太腿に軽度の負傷(処置済み・歩行には支障なし)、「時詠」に対する恐怖】
【思考・行動】
基本方針1:仲間を守る
基本方針2:なんとしてもファンタズマゴリアに帰還する
0:純一たちと共に時間までに東へ移動し、病院に向かい千影と合流する。
1:ことりの冥福を祈る
2:舞(容姿のみ)を警戒
3:衛、千影を含む出来る限り多くの人を保護
4:ゲームに乗った人間と遭遇したときは、衛や弱い立場の人間を守るためにも全力で戦う。割り切って容赦しない
5:地下にタカノ達主催者の本拠地があるのではないかと推測。しかし、そうだとしても首輪をどうにかしないと……
【備考】
※バニラアイスは小型の冷凍庫に入っています。
※衛と本音をぶつけあったことで絆が強くなり、心のわだかまりが解けました。
※アセリアに『時詠』の事を話していません。
※千影が意図的に西へと移動したことに気付いていません。方向音痴だったと判断。
※前原圭一を一応、警戒していますが信じるに足らないと思っています
【小町つぐみ@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:鉈@ひぐらしのなく頃に祭、スタングレネード×6、ミニウージー(6/25)】
【所持品:支給品一式x3、ベレッタ M93R(18/21)、天使の人形@Kanon、バール、工具一式、暗号文が書いてあるメモ、
バナナ(台湾産)(3房)、倉成武のPDA@Ever17-the out of infinity-、倉田佐祐理の死体の写真】
【状態:健康、肉体的疲労小】
【思考・行動】
基本:武と合流して元の世界に戻る方法を見つける。 ゲームを終わらせる。
1:ホテルで北川を待つつもりだが、悠人を引き込もうと思ってる
2:武を探す、武を信じる
3:ゲームに進んで乗らないが、自分達と武を襲う者は容赦しない
4:圭一を探す(見つければ梨花達の事を教える)
5:四姉妹の話が真実か確かめる
【備考】
赤外線視力のためある程度夜目が効きます。紫外線に弱いため日中はさらに身体能力が低下。
参加時期はEver17グランドフィナーレ後。
※純一 とは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※音夢とネリネの知り合いに関する情報を知っています。
※北川、梨花をある程度信用しました。
※投票サイトの順位は信憑性に欠けると判断しました。
※きぬを完全に信用しました。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※倉田佐祐理の死体の写真は額の銃痕が髪の毛で隠れた綺麗な姿。撮影時間(一日目夕方)も一緒に写っています。
【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:拡声器】
【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス
支給品一式x3、投げナイフ一本、ハクオロの鉄扇@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、
麻酔薬入り注射器×2 H173入り注射器×2、食料品沢山(刺激物多し)懐中電灯、単二乾電池(×4本)】
【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、首に麻酔の跡、疲労小】
【思考・行動】
基本:ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。
0:ことりの冥福を祈る
1:純一たちについていく
2:圭一、武を探す
3:病院に行った後、宮小路瑞穂達を探す。
4:ゲームをぶっ潰す。
5:よっぴーへの怒り
6:純一への不思議な感情
【備考】
※仲間の死を乗り越えました
※アセリアに対する警戒は小さくなっています
※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。
※つぐみを完全に信用しました。つぐみを椰子(ロワ不参加)に似てると思ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※純一と絆が深まりました。純一への不思議な感情を持ち始めました。
【朝倉純一@D.C.P.S.】
【装備:釘撃ち機(16/20)、大型レンチ】
【所持品:支給品一式x4 エルルゥの傷薬@うたわれるもの オオアリクイのヌイグルミ@Kanon クロスボウ(ボルト残26/30)
ヘルメット、ツルハシ、果物ナイフ、昆虫図鑑、スペツナズナイフの柄虹色の羽根@つよきす-Mighty Heart-】
【状態:精神疲労・強い決意・血が服についている、顔がボコボコ、口の中から出血、頬に青痣、左腕と右足太ももに銃創(治療済み)】
【思考・行動】
基本行動方針:人を殺さない 、殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
0:ことりの冥福を祈る。
1:北川をホテルで待つ
2:つぐみと蟹沢で武を探す
3:つぐみと蟹沢を守り通す
4:圭一を探す
5:さくらとことりをちゃんと埋葬したい
6:理想を貫き通す
純一の参加時期は、音夢シナリオの初キス直後の時期に設定。
※つぐみとは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※北川、梨花、風子をかなり信用しました。 悠人もそれなりに。
※蟹沢と絆が深まりました。
※自分自身をヘタレかと疑ってます。
【備考】
※佐藤良美をマーダーとして警戒しています。 鳥も参加してる事も知りました。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての話を、梨花から聞きました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※つぐみ達の車にキーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。
※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。
※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。
【E-5 小屋/2日目 黎明】
【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:今日子のハリセン@永遠のアセリア(残り使用回数0回)、フムカミの指輪@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)】
【所持品:支給品一式×3、S&W M627PCカスタム(0/8)、S&W M36(5/5)、錐、食料・水x4、タロットカード@Sister Princess、
大石のデイパック、地獄蝶々@つよきす、S&W M627PCカスタムの予備弾20、.357マグナム弾(40発)、肉まん×5@Kanon、オペラグラス、医療品一式】
【状態:左肩に銃創と穴、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み、左手小指損失、全身に疲労、右手に穴】
【思考・行動】
基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。
1:今は少しでも多く疲れを取る
2:病院には今は向かわない。北上する予定
3:魔法、魔術品を他にも手に入れておきたい
4:あらゆるもの、人を利用して優勝を目指す
5:いつか圭一とその仲間を自分の手で殺してやりたい
【備考】
※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない)
※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ)
※大空寺あゆ、ことみのいずれも信用していません。
※大石の支給品は鍵とフムカミの指輪です。 現在鍵はは倉成武が所有
※商店街で医療品とその他色々なものを入手しました。 具体的に何を手に入れたかは後続書き手任せ。ただし武器は無い)
※襲撃者(舞)の外見的特長を知りました。
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|投下順に読む|174:[[少女連鎖(Ⅱ)-少女達の檻-]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|時系列順に読む|174:[[少女連鎖(Ⅱ)-少女達の檻-]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|朝倉純一|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|小町つぐみ|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|蟹沢きぬ|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|高嶺悠人|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|佐藤良美|175:[[クレイジートレイン/約束(前編) ]]|
|173:[[地獄の島、向日葵の少女(中編) ]]|&color(red){白河ことり}||
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