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「もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い」(2007/10/21 (日) 17:11:25) の最新版変更点
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**もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い ◆UcWYhusQhw
「つぐみ、ちょっといいか?」
鷹野の介入が終わった後、つぐみは車を詳しく見てすぐに直ることがわかったので修理をした。
その後すぐに出発したがC-8を出ようかとした時、また車が止まってしまった。
最初は車を置いていこうとしたが(また、主にカニから)つぐみの主張で修理する事になった。
その修理している間、ほとんど喋らなかった。
行き先も決めずただ東に進んでいた。
鷹野の介入があった前にあったじゃれあいなど全く無かった。
つぐみが修理して間もほとんど会話は無かった。
その均衡を破ったのは純一。
つぐみに聞きたいことがあって喋り始めた。
つぐみは面倒臭そうに
「何?」
「ああ、この後何処に行くんだ? 勿論ホテルに行くんだよな?」
だがつぐみの答えは純一にとって予想外の答えだった。
「いえ、今は行かないわ」
純一は驚き怒り
「どうしてだよ!? あそこにことりがいるんだぞ!? 今だってどうなってるか分からないんだぞ!」
「落ち着きなさい、純一。焦ったって何も無いわ。それにあの話が本当かどうかも分からないのよ?」
純一はさらに怒りつぐみに掴みかかり
「そんなの行って見なきゃ分からないだろ!? 何でそんなにのんびりしてんだよ!?」
そう言い放った。
今の純一では鷹野の言葉が真実かどうかを判断する事はできなかった。
ただことりが襲われるのがずっと頭の中に繰り返されていた。
そんな考えを振り払うかの様に感情をただ爆発させていた。
つぐみはそれでも冷静に
「冷静なりなさい、純一。あなた、今、本当に人を殺しそうな目をしているわよ?」
純一はハッとし、顔を逸らした。
そんな純一見てつぐみはため息をつき
「少なくとも今の状態の貴方をホテル行かせることは出来ないわ」
純一は不機嫌そうに
「……畜生、なんだよ。つぐみはことりを見捨てるというのかよ!?」
「そうはいってないわ。だから純一、冷静に……」
「いってるのも一緒だろ!? もういい、俺独りで行く」
純一は怒りながら荷物を持ち走り去っていった。
そんな純一は見ながら
「……カニ。純一をすぐに追って止めて。今のままでは危険すぎる」
今のままの純一ではゲームに乗った人間にあったらすぐに殺されるだろう。
まして彼は戦闘経験が無いのだ。
余りにも危険すぎた。
きぬは
「いいけど……お前が行かないのかよ? ボクが行っても……」
「私が行っても純一を止める事はできないわ。私はそこまで口が上手くないし……お願い」
きぬは考えて出した結論は
「わかったよ。必ずあのヘタレを連れて帰る」
「頼んだわ」
「まかせとけ」
そんな言葉を交わした後きぬは純一が去った方向へ走っていった。
確かにことりは男とホテルに向かっている。
だがその男は安全な高嶺悠人だということはまだ誰も知る由が無かった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
きぬ行ったわね。
多分彼女なら純一を止める事ができるだろう。
だって彼女がやろうとしている事は多少の差異あろうとも純一の考えとほとんど一緒なんだから。
私には気の聞いた言葉をかける事はできない。だからきぬが適任だろう。
今の純一は危険すぎる。
ただ感情を爆発させているだけだ。大切な友人を助けたい一心で。
もっともそれが彼の良い所でもあるのだけど。
これは私のエゴだけど純一やきぬには理想を捨てて欲しくない。
彼らの理想はとても甘く理想論ではあるけど鷹野と対峙するに当たって大きな力となる。
この狂った空間の中で彼らの純粋すぎる理想は貴重で大きな武器となるだろう。
それを今、純一は大切な人と天秤にかけ捨てようとしている。
本来かける必要などないのに。
だから私は拒否をした。
エゴであるのだけど。
元々ホテルには行くつもりだった。
潤たちがここを拠点にするはずだし、他の対主催が拠点にしている可能性が高い。
だから純一が自分を失わなかった時、ホテルに行く予定だ。
それまで私がすべき事それは現状分析。
そう鷹野の介入があったから、これ以上ミスは許されない。
もうあんな出来事は起こしてはならない。
今まで私が犯してきたミス。
それは言葉だ。
塔の事以外でも心当たりが多い。
それゆえの処置だったのだろう。
だからこれからは重要な事は絶対に喋らない。
それに備えて車に盗聴器がないか修理のついで調べたが今の所それに近いものはなかった。
しかし鷹野の介入があったことで私自身緊張感を持ったの事実だ。
もう残り人数も半分なのだ。
のらりくらりとしてる余裕はないって事なのだ。
それにしてもあの塔は鷹野が介入するほどとても重要なものなのであろう。
首輪に関することか、それとも脱出の妨害するためのものなのだろうか?
調べようにも今のままでは人が足りなすぎる。
現在判明している対主催グループは私達と潤達。計6人。
鷹野の話が事実なら他にも大きな対主催チームがあるという。
できる事なら他の対主催チームと合流したい。
私は思い描くプランはこうだ。
まず拠点を作る。
候補は、ホテル、病院、学校、図書館。
実際もう拠点にしてるチームあるだろう。
その後首輪解析、脱出、というチームに別け行動した方がいいだろう。
だが今のままでは人材が不足しすぎている。
せめて後5人くらいは欲しいのだが……特に現状、知っているメンバーでは戦闘要員が少ないので欲しい所だが
まあ無い物をねだっても仕方ないか。
とりあえずの目的は
一時的な拠点の確保。
そして人材を集める事。
このふたつだ。
そして私には、もう一つ考えなければならない事がある。
それは鷹野の話がどこまで真実か嘘か見抜かなければならない。
まずは姉妹の話だが……これはおそらく事実だと思う。
なぜなら鷹野の話があまりにも具体的すぎる事だ。
もう既に死んだという二人の姉妹の死に方などがあまりにも現実的なのだ
が、一番上の姉を殺したものが武だというが、これは絶対嘘だ。
あの武がとてもこのゲームに乗るとは思えない。
乗るぐらいだったら自決でもしてるだろう。
武は元々自己犠牲が強い性格だ。
だから到底人殺しなどしないだろう。
たぶん……これは鷹野が私に仕掛けた罠。
今だ武の足取りをつかめない私を貶めようとするために。
だが……そんなもの無駄よ。
こんな罠にはまるものか。
武は乗らない確信がある。
だから多分その姉を殺した人間を鷹野が武に置き換え私に伝えたと考えたのが妥当だろう。
次に鷹野が純一にいった事。
今後の私達の行動方針を決めるきっかけにもなったものでもある。
そうことりという人が男に襲われ今はホテルに向かっているという事。
なんとまあ愚劣な事を。
これが全部嘘だとしても純一に与える影響は大きい。
唯一の大切な友人が強姦されたといわれて平気で居られる方がおかしい。
そして純一はそのせいで自らの正義と理想を捨てようとしてる。
おそらく純一はその襲った男に確実な殺意を持っているだろう。
だがこれは罠ではないだろうか?
確かに今男とホテルに向かっている事が事実としよう。
しかしその男が「安全」な男だったら。
結果、対主催同士の仲違いというもっとも鷹野が望んだ結果になる。
これはとても乱暴な仮定だ。
だから私はあまり信じてはいない。
でも純一が勘違いで殺してしまったら本当に取り返しのつかない事になる。
それゆえに純一に冷静になってほしい。
まあこれはきぬに任せるしかないのだが。
ともあれホテルに行く事は決定事項だ。
だから今は思考を止め車の修理に専念しよう。
これは私にしかできない事なんだから
純一達が帰ってくるまで終えることにしよう。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(なんでだよ……どうして解ってくれないんだよ!)
純一は不機嫌そうに道を進んでいた。
これは今まで傍にいてくれたつぐみが自分の気持ちを理解してくれなかったのも影響していた。
そんな時
「やっと追いついた、おい! こら、ヘタレ! テメー! 何独りで行ってんだよ!」
きぬが追ってきた。
純一はやはり不機嫌そうに
「蟹沢……どうしてお前も止める?」
「そりゃ今のお前普通じゃねーんだよ! ちっとは落ち着けよ!」
純一は激昂し
「落ち着いてられれるか! 俺はことりを襲った奴を許さない!」
「おい……ヘタレ、お前、怖いぞ。まさか襲った人間殺す気じゃないだろうな?」
きぬが恐る恐る言うと
「ああ。もしかすると殺してしまうかもしれない」
と純一は言ってのけた。
「お、おい、嘘だろ?」
「嘘じゃない、結局大切な人守るな為なら俺は理想捨てる」
純一はことりと己の理想を天秤にかけた。
結果、ことりを助けるためなら理想を捨てる覚悟をした。
そして思ってしまった。
「結局さ、大切な人を守るに為には誰かを殺したり傷つけるしかないんだ」
そう思い理想を捨てた。
だがここにそれを赦さないものが1人。
そう
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
同じ決意をしたきぬだった。
きぬは怒りに任せて純一を殴り飛ばした。
不意をつかれた純一はそのまま倒れた。
きぬはそのままマウントポジションをとり殴り続けた
「おい、やめろ、かに……さわ!」
純一は止めるように言うが
「いーや、止めるもんか」
そしてきぬは言葉を続け
「テメー! ふざんけんなよ!」
「何が『大切な人を守るに為には誰かを殺したり傷つけるしかない』だよ! そんな事考えてるから殺し合いは止まらないんじゃないかよ!」
「テメーボクに言ったよな! 『殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出する』って言ったよな! 何自分からその理想捨ててんだよ!」
「ボク、そうお前が言って嬉しかった。ボク以外にも同じ考え持ってる人間がいるんだって! なのになんでそう言ったお前が捨ててんだよ!」
「テメーだって生半可な気持ちで言ったんじゃないんだろ! なら捨てるじゃねー! 大切な人護ってその理想叶えろや! ボクも叶えてお前が叶えるの見届けてやる! 」
きぬの純粋な気持ちが繰り出される拳ともに吐き出された。
それは純一に痛みを伴って確かに伝わっていった。
(いてえ、でも俺は何でこんな簡単に捨てようとしてたんだ? 理想とことり両方叶える事ができないから? 違う俺はただ感情に任せただけだ)
(俺は簡単に理想捨てちゃいけないんだ。だってここに必要としてくれる人がいるから)
きぬの叫びは続き
「いいか? もう二度と『大切な人を守るに為には誰かを殺したり傷つけるしかない』なんてすんじゃねー!」
「皆がそんな考えするから殺し合いは止まらないんだよ! そんな考えのせいで」
そして純一にさらに強い一撃が加わる
「姫が!」
さらに1発。
「乙女さんが!」
その拳にはもう怒りだけではない
「フカヒレが!」
悲しみが乗せれていた。
そう
「スバルが!」
大切な仲間を失った悲しみ。
次第に殴る力が弱くなり
「土見が……」
知らないうち目に涙が溜まり
「レ……オが……犠牲に……なっちまった」
泣いていた。
いくら自分で仲間の死を乗り越えたと思ってもそんな簡単にわりきれることでない。
それが今悲しみがぶり返してしまった。
でもその悲しみに耐え
「泣いてない、泣いてないもんねっ!」
自分を励まし
「だから、おめーは最後までそんな考えをするんじゃねー! 純一! 鷹野なんかに負けんな!」
「理想を貫けや! 純一! 人殺しなんかせずに大切な人間助けろや! ボクの知ってる男は皆そうだったぞ!」
「だから! 諦めるんじゃねー! 最後までお前は理想を叶えろ! たとえ理想論でもさ!」
「だから、貫けーー!! 純一! テメーの信じた正義をさーーーーー!」
純一にその思いを伝えきった。
「わかったか? このダボが!」
純一にももう迷いはなかった。
「ああ。俺はもう迷わない! もう誰も殺したり傷つけない!俺はたとえ理想論だとしても最後まで自分が信じた理想を貫く! 俺のためにもお前の為にも!」
「ことりを助け、絶対理想を曲げない!」
「だから俺は殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出する! 絶対にだ!」
そう言い切った。
純一はことりと正義を天秤にかけることはもうしない。
その二つをやり遂げる
そう決めた。
きぬ満足そうに
「ようやく解ったな! このヘタレが!」
「ああ、だから蟹沢泣いていいんだぞ?」
きぬは目を丸くし
「は? 何言ってんだ?」
「だからもう耐えなくていいんだ。いらないと思うけど胸かしてやるよ」
「ボクは別に耐えてなんか……」
「悲しい時は泣けばいい、そうおしえてもらったからつぐみに」
そういった純一はとても優しそうできぬは
「そうか……ごめんちょっとボク泣くわ」
そして
「うあ……あ……ああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…………!!」
きぬは泣き出した。
今まで溜めていた分全てを吐き出した。
それを純一が傍にいた。
きぬの大きな泣き声。
それはきっときぬが送る
散ってった仲間への子守唄。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「落ち着いたか? 蟹沢?」
「ああ、もう大丈夫」
きぬが泣き終わったのはそれから10分くらいだった。
「よし、つぐみの所いくぞ。俺は今度こそ行くのを許して貰う。もうあの時は違う」
「俺はもう諦めない。最後まで理想を貫く」
そうきぬにつたえるがきぬは一向に立ち上がらなかった。
純一は不審に思い
「蟹沢?」
「んあ? い、いやなんでもないぞ」
「そっかじゃあ行こう。待たせるのも悪い」
「ああ」
(何でボクは今一瞬ヘタレの事かっこいいと思った。何で? それになんか胸がモヤモヤする……)
きぬはそれを振り払うように純一の手を引っ張り
「うし、さっさといくぞ、ヘタレ!」
「おい! 引っ張るな蟹沢!」
そしてつぐみのところへ駆け出した
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(これで……だいたいはOKね。後は動くかどうかね……ん、あれは?)
車の修理をだいたい終えたつぐみの目に見えたのは
「おーい! クラゲ! ヘタレ連れてきたぞー!」
「だから、ひっぱるな! それとヘタレじゃないって」
純一を引っ張ってきたきぬだった。
どうやら予想通り説得は成功したらしい。
つぐみは笑みをたたえて
「お帰り、カニ……それと純一」
「おう、帰ってきたぞ」
「ああ、ただいま」
そして純一はつぐみの方を向いた。
その顔にはもう殺気はなかった。
「つぐみ、もう一度頼む。ホテル連れてっていってくれ。力を貸してくれ」
「俺はもう信念を曲げない。だから頼む!」
つぐみは目を閉じ考えながら
「もう勝手な行動しない? どんな事でも迷わない?」
「ああ。約束する」
つぐみは目を開け
「どうやら、元に戻ったみたいね、貴方はそうやって理想を貫きなさい。どんな事を言われても、どんな事があっても」
「行きましょう、ホテルへ。貴方がそうならば大丈夫ね。元々いくつもりだったし」
純一は嬉しそうに
「いいのか?」
「ええ、もちろんよ」
そういってつぐみはペンと紙を出した。
そして見られないところに移動し
『これからのプランを説明するわ。』
と書き出した。それと同時に
「それにしても純一凄く顔腫れてるわよ?」
『いい? これからすぐ出発するわ。襲われてるのならゆっくり出来ない。それでフェリー、教会、病院についていくかどうかは近くを通る時に決めるわ。船着場については今回は行かない事にするわ。ここまでOK?』
「まあ、色々あったんだよ」
『わかったそれでいいぜ』
「色々ねぇ・・・・・・まあいいわ」
『じゃあ……これでいいわね。とりあえず目標は白河ことりの救出。その後はホテルを拠点に潤たちを待ちつつ仲間を集めるということよ。異論はない? いいなら出発するわよ』
『ボクはそれでいいぜ』
『俺もだ』
そこでつぐみはペンを置き
「じゃあ行きましょうか」
「ああ、行こう」
三人が立ち上がり行こうとするも、つぐみがそれを止めた
「あ、ちょっと待って純一」
「何だ?」
「白河ことりはどんな特徴をしてるの? 教えてくれる?」
そうつぐみが聞きたかったのはことりの特徴。
助け出す人間の特徴がわからなきゃどうしようもないからだ。
「そうだな……赤い髪をして、美人だな、それと性格もよくて、誰からも好かれてたな」
純一のことりの特徴の話が続く。
だんだん脱線してきたのだが。
だが純一はきぬがプルプルと震えてたのに気付かなかった。
「歌が上手くて後は料理が断然上手かったな。他には……ぎゃは!?」
隙ができてた純一にきぬが放った裏拳1発。
それは気持ちよく鳩尾に決まっていた。
「が……は……蟹……沢?」
「なんか、すっげーむかつくんだよ、あーむしゃくしゃする! このヘタレが! いこクラゲ」
「え、ええ」
そうしてきぬはつぐみを引っ張り車の所まで行った。
「おーい、待てよ! 何で蟹沢に殴られないといけないんだよ」
純一も慌てて付いていった。
その後無事車もかどうし純一たちは出発した。
だけどきぬが抱いた不思議な感情は消える事はなかった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
あれ? なんだここ?
何で俺は今教室にいる?
ああそうか俺は寝てしまったのか。
そうこれはきっと誰かの夢の世界。
俺の能力で紛れ込んだのか。
俺に見えるのは沢山の学生が笑ってる姿。
とても幸せな風景。
その一人に目がいった。
あれは蟹沢?
そうかこれは蟹沢の夢。
蟹沢の日常だった風景。
もう二度と戻れない風景。
俺は目を逸らしたいけど逸らせなかった。
が、その瞬間、世界が変わった。
多分別の人の夢に行ったんだろう。
これは原っぱか
6人の男女が絶望していた。
一人の男が喋る
「どうやら……完璧に脱出は無理のようだ」
一人の小柄の少女が反論した。
あれ?
何処かで見たような?
「まだ、諦めちゃダメです! まだきっときっと出来ます!」
「いや無理だ。なら皆やる事はわかるかい?」
他の4人の人達がうなずいた。
そして銃を取り出し
自決を始めた。
銃の音が空しく響く。
それはなんて悲しい光景。
少女が叫ぶ
「どうしてですか! やめてください!」
「これは皆で約束した事なんだ。脱出が無理ならお前を優勝させようって」
「え?」
「だから」
男が銃を頭に向け
「さよなら。君はいきぬいて。世界は君を拒絶などしない」
トリガーを引いた。
その瞬間少女に血がかかる
「どうしてですか? 一度はゲームに乗ったのに……他の人が生きた方がいいのに……どうして――子を生かすんですかぁぁぁぁぁぁぁ!」
少女のがなく声がひびく
5つの死体に囲まれて。
空にはまん丸の月。沢山の星
ずっと響く彼女の声。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
そんな残酷な風景を後にして俺はまた違う夢に飛んだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【C-8 平原/1日目 夜中】
【カニとクラゲと暫定ヘタレ】
基本思考:ゲームを止める
基本方針1; ホテルに行き白河ことりの救出。座礁したフェリーを確、教会、病院、行く稼動かは保留。船着場は行かない。その後はホテルで潤を待つ
基本方針2;その最中でゲームに乗ってないものと合流できたら合流する。
基本方針3;またそのなかで暗号文、廃抗別入り口、禁止エリアでカモフラージュされた何か、電力の供給源、首輪の解除方法、の手がかりも見つける
【備考】
※佐藤良美とネリネをマーダーとして警戒しています。 鳥も参加してる事も知りました。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての話を、梨花から聞きました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※つぐみ達の車にキーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。
※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。
※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。
【小町つぐみ@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:スタングレネード×9、ミニウージー(16/25)】
【所持品:支給品一式x2 天使の人形@Kanon、バール、工具一式、暗号文が書いてあるメモ】
【状態:健康、】
【思考・行動】
基本:武と合流して元の世界に戻る方法を見つける。 ゲームを終わらせる。
1:ホテルに行きことりを救出。
2:武を探す。
3:ゲームに進んで乗らないが、自分達と武を襲う者は容赦しない
4:圭一を探す(見つければ梨花達の事を教える)
5:四姉妹の話が真実か確かめる
【備考】
赤外線視力のためある程度夜目が効きます。紫外線に弱いため日中はさらに身体能力が低下。
参加時期はEver17グランドフィナーレ後。
※純一 とは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※音夢とネリネの知り合いに関する情報を知っています。
※北川、風子、梨花をある程度信用しました。
※投票サイトの順位は信憑性に欠けると判断しました。
※きぬを完全に信用しました。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:拡声器】
【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス
支給品一式x3、投げナイフ一本、ハクオロの鉄扇@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、
麻酔薬入り注射器×2 H173入り注射器×2、炭酸飲料水、食料品沢山(刺激物多し)】
【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、首に麻酔の跡、疲労小】
【思考・行動】
基本:ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。
0;睡眠中
1:ホテルに行きことりを救出
2:圭一、武を探す
3:病院に行った後、宮小路瑞穂達を探す。
4:ゲームをぶっ潰す。
5:よっぴーに不信感。
6:純一への不思議な感情
7:ことりへの微妙な嫉妬
【備考】
※仲間の死を乗り越えました
※アセリアに対する警戒は小さくなっています
※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。
※つぐみを完全に信用しました。つぐみを椰子(ロワ不参加)に似てると思ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※純一と絆が深まりました。純一への不思議な感情を持ち始めました。ことりへの微妙な嫉妬をいだいだいてます
【朝倉純一@D.C.P.S.】
【装備:釘撃ち機(20/20)、大型レンチ】
【所持品:支給品一式 エルルゥの傷薬@うたわれるもの オオアリクイのヌイグルミ@Kanon】
【状態:精神疲労・強い決意・血が服についている、顔がボコボコ、口の中から出血、頬に青痣】
【思考・行動】
基本行動方針:人を殺さない 、殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
0:夢の世界に旅立っています。
1:ホテルにいきことりを救出。
2:つぐみと蟹沢で武を探す。
3:つぐみと蟹沢を守り通す
4:ことり、圭一を探す。
5:さくらをちゃんと埋葬したい。
6:理想を貫き通す。
純一の参加時期は、音夢シナリオの初キス直後の時期に設定。
※つぐみとは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※北川、梨花、風子をかなり信用しました。
※蟹沢と絆が深まりました。
※自分自身をヘタレかと疑ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思いたい。
|164:[[彼女たちの流儀 ]]|投下順に読む|166:[[月光のセレナーデ]]|
|164:[[彼女たちの流儀 ]]|時系列順に読む|166:[[月光のセレナーデ]]|
|158:[[「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(後編) ]]|小町つぐみ|173:[[地獄の島、向日葵の少女(前編)]]|
|158:[[「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(後編) ]]|朝倉純一|173:[[地獄の島、向日葵の少女(前編)]]|
|158:[[「塔-THE TOWER」「正義-JUSTICE-」(後編) ]]|蟹沢きぬ|173:[[地獄の島、向日葵の少女(前編)]]|
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**もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い ◆UcWYhusQhw
「つぐみ、ちょっといいか?」
鷹野の介入が終わった後、つぐみは車を詳しく見てすぐに直ることがわかったので修理をした。
その後すぐに出発したがC-8を出ようかとした時、また車が止まってしまった。
最初は車を置いていこうとしたが(また、主にカニから)つぐみの主張で修理する事になった。
その修理している間、ほとんど喋らなかった。
行き先も決めずただ東に進んでいた。
鷹野の介入があった前にあったじゃれあいなど全く無かった。
つぐみが修理して間もほとんど会話は無かった。
その均衡を破ったのは純一。
つぐみに聞きたいことがあって喋り始めた。
つぐみは面倒臭そうに
「何?」
「ああ、この後何処に行くんだ? 勿論ホテルに行くんだよな?」
だがつぐみの答えは純一にとって予想外の答えだった。
「いえ、今は行かないわ」
純一は驚き怒り
「どうしてだよ!? あそこにことりがいるんだぞ!? 今だってどうなってるか分からないんだぞ!」
「落ち着きなさい、純一。焦ったって何も無いわ。それにあの話が本当かどうかも分からないのよ?」
純一はさらに怒りつぐみに掴みかかり
「そんなの行って見なきゃ分からないだろ!? 何でそんなにのんびりしてんだよ!?」
そう言い放った。
今の純一では鷹野の言葉が真実かどうかを判断する事はできなかった。
ただことりが襲われるのがずっと頭の中に繰り返されていた。
そんな考えを振り払うかの様に感情をただ爆発させていた。
つぐみはそれでも冷静に
「冷静なりなさい、純一。あなた、今、本当に人を殺しそうな目をしているわよ?」
純一はハッとし、顔を逸らした。
そんな純一見てつぐみはため息をつき
「少なくとも今の状態の貴方をホテル行かせることは出来ないわ」
純一は不機嫌そうに
「……畜生、なんだよ。つぐみはことりを見捨てるというのかよ!?」
「そうはいってないわ。だから純一、冷静に……」
「いってるのも一緒だろ!? もういい、俺独りで行く」
純一は怒りながら荷物を持ち走り去っていった。
そんな純一は見ながら
「……カニ。純一をすぐに追って止めて。今のままでは危険すぎる」
今のままの純一ではゲームに乗った人間にあったらすぐに殺されるだろう。
まして彼は戦闘経験が無いのだ。
余りにも危険すぎた。
きぬは
「いいけど……お前が行かないのかよ? ボクが行っても……」
「私が行っても純一を止める事はできないわ。私はそこまで口が上手くないし……お願い」
きぬは考えて出した結論は
「わかったよ。必ずあのヘタレを連れて帰る」
「頼んだわ」
「まかせとけ」
そんな言葉を交わした後きぬは純一が去った方向へ走っていった。
確かにことりは男とホテルに向かっている。
だがその男は安全な高嶺悠人だということはまだ誰も知る由が無かった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
きぬ行ったわね。
多分彼女なら純一を止める事ができるだろう。
だって彼女がやろうとしている事は多少の差異あろうとも純一の考えとほとんど一緒なんだから。
私には気の聞いた言葉をかける事はできない。だからきぬが適任だろう。
今の純一は危険すぎる。
ただ感情を爆発させているだけだ。大切な友人を助けたい一心で。
もっともそれが彼の良い所でもあるのだけど。
これは私のエゴだけど純一やきぬには理想を捨てて欲しくない。
彼らの理想はとても甘く理想論ではあるけど鷹野と対峙するに当たって大きな力となる。
この狂った空間の中で彼らの純粋すぎる理想は貴重で大きな武器となるだろう。
それを今、純一は大切な人と天秤にかけ捨てようとしている。
本来かける必要などないのに。
だから私は拒否をした。
エゴであるのだけど。
元々ホテルには行くつもりだった。
潤たちがここを拠点にするはずだし、他の対主催が拠点にしている可能性が高い。
だから純一が自分を失わなかった時、ホテルに行く予定だ。
それまで私がすべき事それは現状分析。
そう鷹野の介入があったから、これ以上ミスは許されない。
もうあんな出来事は起こしてはならない。
今まで私が犯してきたミス。
それは言葉だ。
塔の事以外でも心当たりが多い。
それゆえの処置だったのだろう。
だからこれからは重要な事は絶対に喋らない。
それに備えて車に盗聴器がないか修理のついで調べたが今の所それに近いものはなかった。
しかし鷹野の介入があったことで私自身緊張感を持ったの事実だ。
もう残り人数も半分なのだ。
のらりくらりとしてる余裕はないって事なのだ。
それにしてもあの塔は鷹野が介入するほどとても重要なものなのであろう。
首輪に関することか、それとも脱出の妨害するためのものなのだろうか?
調べようにも今のままでは人が足りなすぎる。
現在判明している対主催グループは私達と潤達。計6人。
鷹野の話が事実なら他にも大きな対主催チームがあるという。
できる事なら他の対主催チームと合流したい。
私は思い描くプランはこうだ。
まず拠点を作る。
候補は、ホテル、病院、学校、図書館。
実際もう拠点にしてるチームあるだろう。
その後首輪解析、脱出、というチームに別け行動した方がいいだろう。
だが今のままでは人材が不足しすぎている。
せめて後5人くらいは欲しいのだが……特に現状、知っているメンバーでは戦闘要員が少ないので欲しい所だが
まあ無い物をねだっても仕方ないか。
とりあえずの目的は
一時的な拠点の確保。
そして人材を集める事。
このふたつだ。
そして私には、もう一つ考えなければならない事がある。
それは鷹野の話がどこまで真実か嘘か見抜かなければならない。
まずは姉妹の話だが……これはおそらく事実だと思う。
なぜなら鷹野の話があまりにも具体的すぎる事だ。
もう既に死んだという二人の姉妹の死に方などがあまりにも現実的なのだ
が、一番上の姉を殺したものが武だというが、これは絶対嘘だ。
あの武がとてもこのゲームに乗るとは思えない。
乗るぐらいだったら自決でもしてるだろう。
武は元々自己犠牲が強い性格だ。
だから到底人殺しなどしないだろう。
たぶん……これは鷹野が私に仕掛けた罠。
今だ武の足取りをつかめない私を貶めようとするために。
だが……そんなもの無駄よ。
こんな罠にはまるものか。
武は乗らない確信がある。
だから多分その姉を殺した人間を鷹野が武に置き換え私に伝えたと考えたのが妥当だろう。
次に鷹野が純一にいった事。
今後の私達の行動方針を決めるきっかけにもなったものでもある。
そうことりという人が男に襲われ今はホテルに向かっているという事。
なんとまあ愚劣な事を。
これが全部嘘だとしても純一に与える影響は大きい。
唯一の大切な友人が強姦されたといわれて平気で居られる方がおかしい。
そして純一はそのせいで自らの正義と理想を捨てようとしてる。
おそらく純一はその襲った男に確実な殺意を持っているだろう。
だがこれは罠ではないだろうか?
確かに今男とホテルに向かっている事が事実としよう。
しかしその男が「安全」な男だったら。
結果、対主催同士の仲違いというもっとも鷹野が望んだ結果になる。
これはとても乱暴な仮定だ。
だから私はあまり信じてはいない。
でも純一が勘違いで殺してしまったら本当に取り返しのつかない事になる。
それゆえに純一に冷静になってほしい。
まあこれはきぬに任せるしかないのだが。
ともあれホテルに行く事は決定事項だ。
だから今は思考を止め車の修理に専念しよう。
これは私にしかできない事なんだから
純一達が帰ってくるまで終えることにしよう。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(なんでだよ……どうして解ってくれないんだよ!)
純一は不機嫌そうに道を進んでいた。
これは今まで傍にいてくれたつぐみが自分の気持ちを理解してくれなかったのも影響していた。
そんな時
「やっと追いついた、おい! こら、ヘタレ! テメー! 何独りで行ってんだよ!」
きぬが追ってきた。
純一はやはり不機嫌そうに
「蟹沢……どうしてお前も止める?」
「そりゃ今のお前普通じゃねーんだよ! ちっとは落ち着けよ!」
純一は激昂し
「落ち着いてられれるか! 俺はことりを襲った奴を許さない!」
「おい……ヘタレ、お前、怖いぞ。まさか襲った人間殺す気じゃないだろうな?」
きぬが恐る恐る言うと
「ああ。もしかすると殺してしまうかもしれない」
と純一は言ってのけた。
「お、おい、嘘だろ?」
「嘘じゃない、結局大切な人守る為なら俺は理想捨てる」
純一はことりと己の理想を天秤にかけた。
結果、ことりを助けるためなら理想を捨てる覚悟をした。
そして思ってしまった。
「結局さ、大切な人を守る為には誰かを殺したり傷つけるしかないんだ」
そう思い理想を捨てた。
だがここにそれを赦さないものが1人。
そう
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
同じ決意をしたきぬだった。
きぬは怒りに任せて純一を殴り飛ばした。
不意をつかれた純一はそのまま倒れた。
きぬはそのままマウントポジションをとり殴り続けた
「おい、やめろ、かに……さわ!」
純一は止めるように言うが
「いーや、止めるもんか」
そしてきぬは言葉を続け
「テメー! ふざんけんなよ!」
「何が『大切な人を守る為には誰かを殺したり傷つけるしかない』だよ! そんな事考えてるから殺し合いは止まらないんじゃないかよ!」
「テメーボクに言ったよな! 『殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出する』って言ったよな! 何自分からその理想捨ててんだよ!」
「ボク、そうお前が言って嬉しかった。ボク以外にも同じ考え持ってる人間がいるんだって! なのになんでそう言ったお前が捨ててんだよ!」
「テメーだって生半可な気持ちで言ったんじゃないんだろ! なら捨てるじゃねー! 大切な人護ってその理想叶えろや! ボクも叶えてお前が叶えるの見届けてやる! 」
きぬの純粋な気持ちが繰り出される拳ともに吐き出された。
それは純一に痛みを伴って確かに伝わっていった。
(いてえ、でも俺は何でこんな簡単に捨てようとしてたんだ? 理想とことり両方叶える事ができないから? 違う俺はただ感情に任せただけだ)
(俺は簡単に理想捨てちゃいけないんだ。だってここに必要としてくれる人がいるから)
きぬの叫びは続き
「いいか? もう二度と『大切な人を守る為には誰かを殺したり傷つけるしかない』なんてすんじゃねー!」
「皆がそんな考えするから殺し合いは止まらないんだよ! そんな考えのせいで」
そして純一にさらに強い一撃が加わる
「姫が!」
さらに1発。
「乙女さんが!」
その拳にはもう怒りだけではない
「フカヒレが!」
悲しみが乗せれていた。
そう
「スバルが!」
大切な仲間を失った悲しみ。
次第に殴る力が弱くなり
「土見が……」
知らないうち目に涙が溜まり
「レ……オが……犠牲に……なっちまった」
泣いていた。
いくら自分で仲間の死を乗り越えたと思ってもそんな簡単にわりきれることでない。
それが今悲しみがぶり返してしまった。
でもその悲しみに耐え
「泣いてない、泣いてないもんねっ!」
自分を励まし
「だから、おめーは最後までそんな考えをするんじゃねー! 純一! 鷹野なんかに負けんな!」
「理想を貫けや! 純一! 人殺しなんかせずに大切な人間助けろや! ボクの知ってる男は皆そうだったぞ!」
「だから! 諦めるんじゃねー! 最後までお前は理想を叶えろ! たとえ理想論でもさ!」
「だから、貫けーー!! 純一! テメーの信じた正義をさーーーーー!」
純一にその思いを伝えきった。
「わかったか? このダボが!」
純一にももう迷いはなかった。
「ああ。俺はもう迷わない! もう誰も殺したり傷つけない!俺はたとえ理想論だとしても最後まで自分が信じた理想を貫く! 俺のためにもお前の為にも!」
「ことりを助け、絶対理想を曲げない!」
「だから俺は殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出する! 絶対にだ!」
そう言い切った。
純一はことりと正義を天秤にかけることはもうしない。
その二つをやり遂げる
そう決めた。
きぬ満足そうに
「ようやく解ったな! このヘタレが!」
「ああ、だから蟹沢泣いていいんだぞ?」
きぬは目を丸くし
「は? 何言ってんだ?」
「だからもう耐えなくていいんだ。いらないと思うけど胸かしてやるよ」
「ボクは別に耐えてなんか……」
「悲しい時は泣けばいい、そうおしえてもらったからつぐみに」
そういった純一はとても優しそうできぬは
「そうか……ごめんちょっとボク泣くわ」
そして
「うあ……あ……ああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…………!!」
きぬは泣き出した。
今まで溜めていた分全てを吐き出した。
それを純一が傍にいた。
きぬの大きな泣き声。
それはきっときぬが送る
散ってった仲間への子守唄。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「落ち着いたか? 蟹沢?」
「ああ、もう大丈夫」
きぬが泣き終わったのはそれから10分くらいだった。
「よし、つぐみの所いくぞ。俺は今度こそ行くのを許して貰う。もうあの時は違う」
「俺はもう諦めない。最後まで理想を貫く」
そうきぬにつたえるがきぬは一向に立ち上がらなかった。
純一は不審に思い
「蟹沢?」
「んあ? い、いやなんでもないぞ」
「そっかじゃあ行こう。待たせるのも悪い」
「ああ」
(何でボクは今一瞬ヘタレの事かっこいいと思った。何で? それになんか胸がモヤモヤする……)
きぬはそれを振り払うように純一の手を引っ張り
「うし、さっさといくぞ、ヘタレ!」
「おい! 引っ張るな蟹沢!」
そしてつぐみのところへ駆け出した
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
(これで……だいたいはOKね。後は動くかどうかね……ん、あれは?)
車の修理をだいたい終えたつぐみの目に見えたのは
「おーい! クラゲ! ヘタレ連れてきたぞー!」
「だから、ひっぱるな! それとヘタレじゃないって」
純一を引っ張ってきたきぬだった。
どうやら予想通り説得は成功したらしい。
つぐみは笑みをたたえて
「お帰り、カニ……それと純一」
「おう、帰ってきたぞ」
「ああ、ただいま」
そして純一はつぐみの方を向いた。
その顔にはもう殺気はなかった。
「つぐみ、もう一度頼む。ホテル連れてっていってくれ。力を貸してくれ」
「俺はもう信念を曲げない。だから頼む!」
つぐみは目を閉じ考えながら
「もう勝手な行動しない? どんな事でも迷わない?」
「ああ。約束する」
つぐみは目を開け
「どうやら、元に戻ったみたいね、貴方はそうやって理想を貫きなさい。どんな事を言われても、どんな事があっても」
「行きましょう、ホテルへ。貴方がそうならば大丈夫ね。元々いくつもりだったし」
純一は嬉しそうに
「いいのか?」
「ええ、もちろんよ」
そういってつぐみはペンと紙を出した。
そして見られないところに移動し
『これからのプランを説明するわ。』
と書き出した。それと同時に
「それにしても純一凄く顔腫れてるわよ?」
『いい? これからすぐ出発するわ。襲われてるのならゆっくり出来ない。それでフェリー、教会、病院についていくかどうかは近くを通る時に決めるわ。船着場については今回は行かない事にするわ。ここまでOK?』
「まあ、色々あったんだよ」
『わかったそれでいいぜ』
「色々ねぇ・・・・・・まあいいわ」
『じゃあ……これでいいわね。とりあえず目標は白河ことりの救出。その後はホテルを拠点に潤たちを待ちつつ仲間を集めるということよ。異論はない? いいなら出発するわよ』
『ボクはそれでいいぜ』
『俺もだ』
そこでつぐみはペンを置き
「じゃあ行きましょうか」
「ああ、行こう」
三人が立ち上がり行こうとするも、つぐみがそれを止めた
「あ、ちょっと待って純一」
「何だ?」
「白河ことりはどんな特徴をしてるの? 教えてくれる?」
そうつぐみが聞きたかったのはことりの特徴。
助け出す人間の特徴がわからなきゃどうしようもないからだ。
「そうだな……赤い髪をして、美人だな、それと性格もよくて、誰からも好かれてたな」
純一のことりの特徴の話が続く。
だんだん脱線してきたのだが。
だが純一はきぬがプルプルと震えてたのに気付かなかった。
「歌が上手くて後は料理が断然上手かったな。他には……ぎゃは!?」
隙ができてた純一にきぬが放った裏拳1発。
それは気持ちよく鳩尾に決まっていた。
「が……は……蟹……沢?」
「なんか、すっげーむかつくんだよ、あーむしゃくしゃする! このヘタレが! いこクラゲ」
「え、ええ」
そうしてきぬはつぐみを引っ張り車の所まで行った。
「おーい、待てよ! 何で蟹沢に殴られないといけないんだよ」
純一も慌てて付いていった。
その後無事車もかどうし純一たちは出発した。
だけどきぬが抱いた不思議な感情は消える事はなかった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
あれ? なんだここ?
何で俺は今教室にいる?
ああそうか俺は寝てしまったのか。
そうこれはきっと誰かの夢の世界。
俺の能力で紛れ込んだのか。
俺に見えるのは沢山の学生が笑ってる姿。
とても幸せな風景。
その一人に目がいった。
あれは蟹沢?
そうかこれは蟹沢の夢。
蟹沢の日常だった風景。
もう二度と戻れない風景。
俺は目を逸らしたいけど逸らせなかった。
が、その瞬間、世界が変わった。
多分別の人の夢に行ったんだろう。
これは原っぱか
6人の男女が絶望していた。
一人の男が喋る
「どうやら……完璧に脱出は無理のようだ」
一人の小柄の少女が反論した。
あれ?
何処かで見たような?
「まだ、諦めちゃダメです! まだきっときっと出来ます!」
「いや無理だ。なら皆やる事はわかるかい?」
他の4人の人達がうなずいた。
そして銃を取り出し
自決を始めた。
銃の音が空しく響く。
それはなんて悲しい光景。
少女が叫ぶ
「どうしてですか! やめてください!」
「これは皆で約束した事なんだ。脱出が無理ならお前を優勝させようって」
「え?」
「だから」
男が銃を頭に向け
「さよなら。君はいきぬいて。世界は君を拒絶などしない」
トリガーを引いた。
その瞬間少女に血がかかる
「どうしてですか? 一度はゲームに乗ったのに……他の人が生きた方がいいのに……どうして――子を生かすんですかぁぁぁぁぁぁぁ!」
少女のがなく声がひびく
5つの死体に囲まれて。
空にはまん丸の月。沢山の星
ずっと響く彼女の声。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
そんな残酷な風景を後にして俺はまた違う夢に飛んだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【C-8 平原/1日目 夜中】
【カニとクラゲと暫定ヘタレ】
基本思考:ゲームを止める
基本方針1; ホテルに行き白河ことりの救出。座礁したフェリーを確、教会、病院、行く稼動かは保留。船着場は行かない。その後はホテルで潤を待つ
基本方針2;その最中でゲームに乗ってないものと合流できたら合流する。
基本方針3;またそのなかで暗号文、廃抗別入り口、禁止エリアでカモフラージュされた何か、電力の供給源、首輪の解除方法、の手がかりも見つける
【備考】
※佐藤良美とネリネをマーダーとして警戒しています。 鳥も参加してる事も知りました。
※盗聴されている事に気付きました
※雛見沢症候群、鷹野と東京についての話を、梨花から聞きました。
※鷹野を操る黒幕がいると推測しています
※自分達が別々の世界から連れて来られた事に気付きました
※つぐみ達の車にキーは刺さっていません。燃料は軽油で、現在は約三分の二程消費した状態です。
※山頂に首輪・脱出に関する重要な建物が存在する事を確認。参加者に暗示がかけられている事は半信半疑。
※山頂へは行くとしてももう少し戦力が整ってから向かうつもり。
【小町つぐみ@Ever17 -the out of infinity-】
【装備:スタングレネード×9、ミニウージー(16/25)】
【所持品:支給品一式x2 天使の人形@Kanon、バール、工具一式、暗号文が書いてあるメモ】
【状態:健康、】
【思考・行動】
基本:武と合流して元の世界に戻る方法を見つける。 ゲームを終わらせる。
1:ホテルに行きことりを救出。
2:武を探す。
3:ゲームに進んで乗らないが、自分達と武を襲う者は容赦しない
4:圭一を探す(見つければ梨花達の事を教える)
5:四姉妹の話が真実か確かめる
【備考】
赤外線視力のためある程度夜目が効きます。紫外線に弱いため日中はさらに身体能力が低下。
参加時期はEver17グランドフィナーレ後。
※純一 とは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※音夢とネリネの知り合いに関する情報を知っています。
※北川、風子、梨花をある程度信用しました。
※投票サイトの順位は信憑性に欠けると判断しました。
※きぬを完全に信用しました。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
【蟹沢きぬ@つよきす-Mighty Heart-】
【装備:拡声器】
【所持品:竜鳴館の血濡れのセーラー服@つよきす-Mighty Heart-、地図、時計、コンパス
支給品一式x3、投げナイフ一本、ハクオロの鉄扇@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、
麻酔薬入り注射器×2 H173入り注射器×2、炭酸飲料水、食料品沢山(刺激物多し)】
【状態:強い決意、両肘と両膝に擦り傷、左手指先に切り傷、数箇所ほど蜂に刺された形跡、首に麻酔の跡、疲労小】
【思考・行動】
基本:ゲームに乗らない人間を助ける。ただし乗っている相手はぶっ潰す。
0;睡眠中
1:ホテルに行きことりを救出
2:圭一、武を探す
3:病院に行った後、宮小路瑞穂達を探す。
4:ゲームをぶっ潰す。
5:よっぴーに不信感。
6:純一への不思議な感情
7:ことりへの微妙な嫉妬
【備考】
※仲間の死を乗り越えました
※アセリアに対する警戒は小さくなっています
※宣戦布告は「佐藤」ではなく「よっぴー」と叫びました。
※つぐみを完全に信用しました。つぐみを椰子(ロワ不参加)に似てると思ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思っています。
※純一と絆が深まりました。純一への不思議な感情を持ち始めました。ことりへの微妙な嫉妬をいだいだいてます
【朝倉純一@D.C.P.S.】
【装備:釘撃ち機(20/20)、大型レンチ】
【所持品:支給品一式 エルルゥの傷薬@うたわれるもの オオアリクイのヌイグルミ@Kanon】
【状態:精神疲労・強い決意・血が服についている、顔がボコボコ、口の中から出血、頬に青痣】
【思考・行動】
基本行動方針:人を殺さない 、殺し合いに乗ってる人間を止め全員での脱出
0:夢の世界に旅立っています。
1:ホテルにいきことりを救出。
2:つぐみと蟹沢で武を探す。
3:つぐみと蟹沢を守り通す
4:ことり、圭一を探す。
5:さくらをちゃんと埋葬したい。
6:理想を貫き通す。
純一の参加時期は、音夢シナリオの初キス直後の時期に設定。
※つぐみとは音夢の死を通じて絆が深まりました。
※北川、梨花、風子をかなり信用しました。
※蟹沢と絆が深まりました。
※自分自身をヘタレかと疑ってます。
※鷹野の発言は所々に真実はあっても大半は嘘だと思いたい。
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