「約束の場所へ」(2007/09/10 (月) 16:50:10) の最新版変更点
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**約束の場所へ ◆/Vb0OgMDJY
「ふぅん、それじゃあ武さんは一足先に神社へ行ってもらえるかな」
閑静な住宅街の一角で、二人の人間が向き合っていた。
佐藤良美と倉成武、
脅迫する者とされる者、
お互いを信じる理由など何も無く、ただ目的のためだけに一緒にいる二人。
しかし、この二人に唯一つだけ共通していることがある。
それは
「……お前は圭一の事を殺したいんじゃなかったのか……?」
一人の人物「前原圭一」を殺すという目的。
あくまで当面の目的ではあるが、少なくともそれだけは二人に共通した目的だった。
しかし、武から圭一達の目的地と思われる場所を聞いた良美の反応は意外なものだった。
「ん? 寂しいのかな、武さん」
「……虫唾が走るような事を言うな。つぐみの事が無ければ誰がお前なんかと一緒に居たいと思うかよ……」
それを聞いて、――内心の笑みを隠しながら――苦笑した。
(冗談が通じないなー、まあ、ここで笑い飛ばす人よりはよっぽど使い安いけど)
倉成武は基本的に真面目で正義感の強い人間なのは間違いない。
そして、わたしへの敵意を隠そうともしていない。
(まあ、圭一君達と一緒にいたんだから当然だよね)
だからこそ“使いやすい”人間。
明確な目的があれば、それを成就するための努力を惜しまない。
だから、分かりやすい目標を用意してあげればいい。
けれど、この“手駒”を使う時には、一つ注意しなければいけないことがある。
「まあ、一緒に行ってあげてもいいけど、今からだと神社に着く頃には「放送」がながれちゃうよね」
「……!!」
武の反応に笑みを浮かべながら
「神社はこの島のほぼ真ん中にあるし、もし島の端っこが禁止されたら、六時間じゃ間に合わないかもしれないよね」
そのことを告げた。
勿論、今のは全て嘘。
けれど、必要な行動をとるための口実でもある。
この手駒を使う上での最大の注意点は、「放送の時に一緒にいないこと」だ。
私はつぐみさんを島のどこか、人の来ない場所に放置していることになっている。
けど、実際はつぐみさんに出会った事もない。
だから、実はつぐみさんは既に死んでいるかもしれない。
そして、その放送の時に武さんと一緒にいたら、彼はどうするか、
……考える必要もない。
だから、放送の時には彼と一緒に居てはいけない。
これは彼を使う時の基本事項。
それと、可能性は低いけど、本人と出会ってしまうという事もないとはいえない。
だから最適なのは、彼を先に行かせて、こっちはそれを把握できる範囲で行動すること。
そのためには、
(よく知らないけど、双眼鏡とかならスーパーにあるのかな)
遠くから監視する道具が必要だ。
丁度このあたりは商店街も近い。
彼との距離をとって、必要なものを集めるのには丁度良い。
「まあ、放送を聞いたら私も神社に行くから、神社でまた会うことにしようか」
「……好きにしろ……」
と言って、武さんはさっさと歩き出してしまった。
それを見送りながら、
(そういえば、名雪ちゃんがお友達と約束しているのも神社だったよね)
それも確か第三回の放送の時に。
(うん、まあ武さんには頑張ってもらおうかな)
圭一たち三人と、他に何人いるかわからないが、まあ高みの見物になれば一番楽。
理想を言うと、武にはそこで死んでもらえると助かるのだが。
そして、
「頑張ってね、圭一君。貴方は私が殺してあげるんだから」
そう言い残して、彼女はその場から立ち去った。
【F-4 住宅街/1日目 夕方】
【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:S&W M627PCカスタム(8/8)、地獄蝶々@つよきす、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)、ハンドアックス(長さは40cmほど)】
【所持品:支給品一式×3、S&W M36(0/5)、錐、食料・水x4、可憐のロケット@Sister Princess、タロットカード@Sister Princess、
大石のデイパック、 S&W M627PCカスタムの予備弾53、肉まん×5@Kanon、虎玉@shuffle、ナポリタンの帽子@永遠のアセリア、
日本酒x1(アルコール度数は46)、工事用ダイナマイトx1、発火装置、首輪(厳島貴子)】 】
【状態:軽度の疲労、手首に軽い痛み、左肩に銃創(出血は収まりつつある)、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み】
【思考・行動】
基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。
0:商店街で遠くを監視できる道具を手に入れた後、武から離れながら神社へ向かう。
1:武を利用し尽くして、優勝を目指す
2:いつか圭一と美凪を自分の手で殺してやりたい
【備考】
※メイド服はエンジェルモートは想定。現在は【F-4】に放置されています。
※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない)
※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ)
※名雪の第三回放送の時に神社に居るようにする、の情報を得ました
(禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化)
※ネリネを危険人物と判断しました(名前のみ)
※大空寺あゆ、ことみ、亜沙のいずれも信用していません。
※未成年が日本酒を飲んではいけません。
※大石の鞄に、未確認支給品が1~2個入っています。
※監視用にどのような道具を手に入れるかは、次の書き手さんにお任せします。
また、他に何か手に入れるかもしれません。
早足で移動しながら、考える。
考えるのは少し前に別れた女――佐藤良美――のこと。
いや、正確に言えばその女の言葉の内容だ。
(あの女が俺から離れた理由は……なんだ?)
俺に露払いさせる、というのはまず間違いないだろう。
だが、そんなわかりきった事はどうでもいい、元よりつぐみ以外の人間は皆殺しにするつもりだ。
だから、重要なのはもう一つの事。
(禁止エリアになった時の為…か?
確かに一緒にいて、放送後にいきなり別れると言い出すのは不自然だからな)
つぐみについてだ。
(何処だ……何処につぐみは捕まっているんだ?)
あの女がつぐみを捕まえているとは思えない、
が捕まっていないという確証もない。
何故なら、自分とつぐみは“殺せない”からだ。
この島で多少効力が落ちているとはいえ、キュレイウイルスのキャリアである自分達は簡単には殺せない。
だから殺せずに、捕まえておくしかないということはあり得る。
他の人間なら、捕まえておくなんて可能性はほとんどないが、つぐみなら可能性はある。
(となると、島のこちら側にいるって考えるのが自然か……?)
この場所で別れたというのならそう考えるのが普通である。
ここに一つ、武が気付いていない心の働きがあった。
武はH173の症状を否定する為に、キュレイの効力がこの島で落ちている事を認めきれず、その落ち幅を弱く考えてしまっていた。
だから良美が離れたのは、放送時につぐみの名前が呼ばれた場合に備えてとは認められなかった。
なので、彼は無意識のうちに「良美とつぐみは遭遇したことがある」ということを事実と認識していた。
(あるいは、神社の近くでつぐみに会った、っていう可能性もあるな)
良美が一度つぐみに会っていて、(おそらくその時に敵対して)それが神社の近くであり、再び遭遇することで、嘘がばれる事を恐れた、というのはあり得る話だ。
恐らくだが、こちらのほうが可能性は高いように思う。
そして
(どっちにしろ、あの女がつぐみに会ったっていうなら、島の真ん中より東側っていう可能性が高そうだな)
そう結論付けた。
「まあ、だからといって一度神社に行くしかねえんだけどな」
あまり高い可能性ではないが、つぐみの命が良美に握られている以上、神社に行くしかない。
そしてそれは、
「待っていろ圭一! ……いや、瑞穂でも、茜でも、陽平でもいい!! 善人面して俺の事を利用していた奴らは許さねえ!」
今の武の目的、圭一の殺害とも一致している場所だった。
仲間達との誓いも、貴子の最後の勇気も、圭一の信頼も、今の武には届かない。
それでも、彼はかつての約束の場所へ向かう。
あるいはそれが、彼らの最後の絆なのかもしれない。
【E-4 学校へ向かう道/1日目 夕方】
【倉成武@Ever17】
【装備:投げナイフ2本、永遠神剣第四位「求め」@永遠のアセリア】
【所持品:支給品一式 ジッポライター、貴子のリボン@乙女はお姉さまに恋してる、富竹のカメラ&フィルム4本@ひぐらしのなく頃に】
【状態:L5侵蝕中。中度の疲労。極度の疑心暗鬼。頭蓋骨に皹(内出血の恐れあり)。頬と口内裂傷。頚部に痒み。 脇腹と肩に銃傷。刀傷が無数。服に返り血)】
【思考・行動】
基本方針:つぐみ以外誰も信用する気はありませんが、人質を取られている可能性がある為、良美の指示には従う。
1:圭一を殺害する
2:良美の指示に従い、他の参加者達を殺害する
3:圭一の殺害後、つぐみを救い出す
【備考】
※キュレイウィルスにより、L5の侵蝕が遅れています、現在はL3相当の状態で若干症状が進行しています。
※前原圭一、遠野美凪の知り合いの情報を得ました。
※富竹のカメラは普通のカメラです(以外と上物)フラッシュは上手く使えば目潰しになるかも
※永遠神剣第四位「求め」について
「求め」の本来の主は高嶺悠人、魔力持ちなら以下のスキルを使用可能、制限により持ち主を支配することは不可能。
ヘビーアタック:神剣によって上昇した能力での攻撃。
オーラフォトンバリア:マナによる強固なバリア、制限により銃弾を半減程度)
※沙羅と情報交換しました。
※キュレイにより少しづつですが傷の治療が行われています。
※つぐみが捕まっているという話を、完全に信じた訳ではありません。
時は少し遡る。
神社の石段の前に、一台の救急車が停止した。
その中から三人の人間が出てくる。
「ふー、救急車の運転って以外と気を使うものね」
のびをしながら、運転席から降りる沙羅、
「お疲れ様で賞を進呈。わーぱちぱち」
その沙羅を労う美凪、
そして、
「……どうなってんだ、こりゃ」
いささか、呆然としている圭一の三人。
彼らは特に何ごとも無く、武との約束の場所へと到着した。
「ふーん中々立派な神社ね」
「『古手神社』……ふる…てって読むんでしょうか」
「いや……それは『ふるで』って読むんだ、美凪さん」
石段の周辺出ている旗に書かれた名前を読もうとする美凪に、圭一が言った。
「? この神社の事を知ってるの、圭一?」
それを聞いて沙羅が圭一に質問した。
ちなみに美凪は「博識で賞」なるものを用意していたが、二人ともスルーした。
「ああ、知っている、けど、何でここに」
石段の周りの風景も、この位置から僅かに見える境内も、圭一の記憶の中にある「古手神社」そのものだ。
けれど、
「ここは雛見沢じゃあない、この付近の景色もまるで違う」
辺りに見えるのは、見慣れた雛見沢の景色ではなく、見知らぬもの。
圭一の知らない場所に、何故か古手神社だけが存在している。
「……とりあえず、境内まで入って調べて見るべきね」
「ああ、そうだな、武さんが来るまではまだ時間があるからな」
「じゃあ、頑張ってくださいね、前原さん」
「ああ……って俺一人で調べるのかよ!?」
「いえ、私達も調べますけど、この神社の事を知っているのは前原さんだけですよ」
「う、まあそうなんだが」
美凪のもっともな意見に言葉のない、圭一。
そこで二人とも少し立ち尽くすが
「ほら、つまんないこと言ってないで、さっさと上るわよ」
という沙羅の声に、
「いや、待ってくれ見える範囲にスクーターはないけど、もしかしたら迂回して神社の中で待ち伏せしているかもしれない」
圭一は冷静な反応を返す。
そもそも彼らの目的は、一足先に神社に向かった土見稟を止めること。
そして、彼が待ち伏せしているかもしれない以上、正面から入るのは危険すぎる。
「ちょっと回り道になるけど、横の方から入ろう」
そうして、回り道している間に、
「そういえば……武さんの知り合いの方はいつ来るのでしょう」
「言われてみれば…そのことは聞いてないな」
今更ながらに重要な事に気付いた。
「……ここまで来て、そんな事を言ってるの?」
これには沙羅もあきれたが、
「まあ、武さんが来ればわかるだろ」
という圭一の信頼の前では何も言えなかった。
そして、仲間を疑うことのない三人は、約束の場所へとたどり着く。
【D-4 神社/1日目 午後】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に祭】
【状態:精神安定、右拳軽傷、体全体に軽度の打撲と無数の切り傷、左肩刺し傷(左腕を動かすと、大きな痛みを伴う)】
【装備:悟史のバット@ひぐらしのなく頃に】
【所持品:支給品一式×2、折れた柳也の刀@AIR(柄と刃の部分に別れてます)、キックボード(折り畳み式)、手榴弾(残1発)】
【思考・行動】
基本方針:仲間を集めてロワからの脱出、殺し合いには乗らない、人を信じる
1:まずは神社を調べる。
2:美凪と沙羅を守る。
3:土見稟の凶行を止める。
4:倉成武との再会を果たす
5:知り合いとの合流、または合流手段の模索
6:良美を警戒
7:あゆについては態度保留、但し大石を殺したことを許す気は今のところない。
8:土見稟を警戒
9:ハクオロを警戒
【備考】
※倉成武を完全に信用しています。
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました
※救急車(鍵付き)のガソリンはレギュラーです。現在の燃料は残り1/3くらいです。
※沙羅の事は信用しています
【遠野美凪@AIR】
【状態:軽度の疲労】
【装備:包丁】
【所持品:支給品一式×2、救急箱、人形(詳細不明)、服(詳細不明)、顔写真付き名簿(圭一と美凪の写真は切り抜かれています)】
基本方針:圭一についていく
1:まずは神社を調べる
2:知り合いと合流する
3:佐藤良美を警戒
4:土見稟を警戒
※倉成武を信用するかは保留。
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました
※あゆのことは基本的には信用しています
※沙羅と情報交換しました。
※沙羅の事は信用しています
【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】
【装備:永遠神剣第六位冥加@永遠のアセリア -この大地の果てで- ワルサー P99 (16/16)】
【所持品:支給品一式 フロッピーディスク二枚(中身は下記) ワルサー P99 の予備マガジン8 カンパン30個入り(10/10) 500mlペットボトル4本】
【状態:軽度の疲労・強い決意・若干の血の汚れ】
【思考・行動】
基本行動方針:一人でも多くの人間が助かるように行動する
1:まずは神社を調べる。
2:情報端末を探す。
3:首輪を解除できそうな人にフロッピーを渡す
4:前原にタカノの素性を聞く。
5:混乱している人やパニックの人を見つけ次第保護。
6:最終的にはタカノを倒し、殺し合いを止める。 タカノ、というかこのFDを作った奴は絶対に泣かす。
【備考】
※FDの中身は様々な情報です。ただし、真偽は定かではありません。
下記の情報以外にも後続の書き手さんが追加してもOKです。
『皆さんに支給された重火器類の中には実は撃つと暴発しちゃうものがあります♪特に銃弾・マガジンなどが大量に支給された子は要注意だぞ☆』
『廃坑の入り口は実は地図に乗ってる所以外にもあったりなかったり(ぉ』
『海の家の屋台って微妙なもの多いよね~』
『H173を打たれても早めにC120を打てば症状は緩和されます(笑)』
少なくともこの4文はあります。
H173に基本的な情報や症状についての情報が載っています
場合によってはさらに詳しい情報が書いてある可能性もあります
※“最後に.txt .exe ”を実行するとその付近のPC全てが爆発します。
※↑に首輪の技術が使われている可能性があります。ただしこれは沙羅の推測です。
※双葉恋太郎の銃“S&W M60 チーフスペシャル(5/5)”は暴発しました。
※港には中型クルーザーが停船していますが、エンジンは動きません。
※パソコンに情報端末をつなげるとエンジンが動くというのはあくまでも沙羅の推測です。
※図書館のパソコンにある動画ファイルは不定期配信されます。現在、『開催!!.avi』のみ存在します。
※図書館についてある程度把握しました。
※隠しフォルダの存在を知りました。実際にパソコン内にあるかどうかは書き手さんにおまかせ。
※武たちと情報交換しました。
※圭一と美凪を信用しました。武については保留。
|140:[[Lunatic snow]]|投下順に読む|142:[[カニとクラゲと暫定ヘタレの出会い]]|
|140:[[Lunatic snow]]|時系列順に読む|142:[[カニとクラゲと暫定ヘタレの出会い]]|
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|佐藤良美||
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|倉成武||
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|白鐘沙羅||
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|前原圭一||
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|遠野美凪||
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**約束の場所へ ◆/Vb0OgMDJY
「ふぅん、それじゃあ武さんは一足先に神社へ行ってもらえるかな」
閑静な住宅街の一角で、二人の人間が向き合っていた。
佐藤良美と倉成武、
脅迫する者とされる者、
お互いを信じる理由など何も無く、ただ目的のためだけに一緒にいる二人。
しかし、この二人に唯一つだけ共通していることがある。
それは
「……お前は圭一の事を殺したいんじゃなかったのか……?」
一人の人物「前原圭一」を殺すという目的。
あくまで当面の目的ではあるが、少なくともそれだけは二人に共通した目的だった。
しかし、武から圭一達の目的地と思われる場所を聞いた良美の反応は意外なものだった。
「ん? 寂しいのかな、武さん」
「……虫唾が走るような事を言うな。つぐみの事が無ければ誰がお前なんかと一緒に居たいと思うかよ……」
それを聞いて、――内心の笑みを隠しながら――苦笑した。
(冗談が通じないなー、まあ、ここで笑い飛ばす人よりはよっぽど使い安いけど)
倉成武は基本的に真面目で正義感の強い人間なのは間違いない。
そして、わたしへの敵意を隠そうともしていない。
(まあ、圭一君達と一緒にいたんだから当然だよね)
だからこそ“使いやすい”人間。
明確な目的があれば、それを成就するための努力を惜しまない。
だから、分かりやすい目標を用意してあげればいい。
けれど、この“手駒”を使う時には、一つ注意しなければいけないことがある。
「まあ、一緒に行ってあげてもいいけど、今からだと神社に着く頃には「放送」がながれちゃうよね」
「……!!」
武の反応に笑みを浮かべながら
「神社はこの島のほぼ真ん中にあるし、もし島の端っこが禁止されたら、六時間じゃ間に合わないかもしれないよね」
そのことを告げた。
勿論、今のは全て嘘。
けれど、必要な行動をとるための口実でもある。
この手駒を使う上での最大の注意点は、「放送の時に一緒にいないこと」だ。
私はつぐみさんを島のどこか、人の来ない場所に放置していることになっている。
けど、実際はつぐみさんに出会った事もない。
だから、実はつぐみさんは既に死んでいるかもしれない。
そして、その放送の時に武さんと一緒にいたら、彼はどうするか、
……考える必要もない。
だから、放送の時には彼と一緒に居てはいけない。
これは彼を使う時の基本事項。
それと、可能性は低いけど、本人と出会ってしまうという事もないとはいえない。
だから最適なのは、彼を先に行かせて、こっちはそれを把握できる範囲で行動すること。
そのためには、
(よく知らないけど、双眼鏡とかならスーパーにあるのかな)
遠くから監視する道具が必要だ。
丁度このあたりは商店街も近い。
彼との距離をとって、必要なものを集めるのには丁度良い。
「まあ、放送を聞いたら私も神社に行くから、神社でまた会うことにしようか」
「……好きにしろ……」
と言って、武さんはさっさと歩き出してしまった。
それを見送りながら、
(そういえば、名雪ちゃんがお友達と約束しているのも神社だったよね)
それも確か第三回の放送の時に。
(うん、まあ武さんには頑張ってもらおうかな)
圭一たち三人と、他に何人いるかわからないが、まあ高みの見物になれば一番楽。
理想を言うと、武にはそこで死んでもらえると助かるのだが。
そして、
「頑張ってね、圭一君。貴方は私が殺してあげるんだから」
そう言い残して、彼女はその場から立ち去った。
【F-4 住宅街/1日目 夕方】
【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:S&W M627PCカスタム(8/8)、地獄蝶々@つよきす、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)、ハンドアックス(長さは40cmほど)】
【所持品:支給品一式×3、S&W M36(0/5)、錐、食料・水x4、可憐のロケット@Sister Princess、タロットカード@Sister Princess、
大石のデイパック、 S&W M627PCカスタムの予備弾53、肉まん×5@Kanon、虎玉@shuffle、ナポリタンの帽子@永遠のアセリア、
日本酒x1(アルコール度数は46)、工事用ダイナマイトx1、発火装置、首輪(厳島貴子)】 】
【状態:軽度の疲労、手首に軽い痛み、左肩に銃創(出血は収まりつつある)、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み】
【思考・行動】
基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。
0:商店街で遠くを監視できる道具を手に入れた後、武から離れながら神社へ向かう。
1:武を利用し尽くして、優勝を目指す
2:いつか圭一と美凪を自分の手で殺してやりたい
【備考】
※メイド服はエンジェルモートは想定。現在は【F-4】に放置されています。
※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない)
※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ)
※名雪の第三回放送の時に神社に居るようにする、の情報を得ました
(禁止エリアになった場合はホテル、小屋、学校、図書館、映画館の順に変化)
※ネリネを危険人物と判断しました(名前のみ)
※大空寺あゆ、ことみ、亜沙のいずれも信用していません。
※未成年が日本酒を飲んではいけません。
※大石の鞄に、未確認支給品が1~2個入っています。
※監視用にどのような道具を手に入れるかは、次の書き手さんにお任せします。
また、他に何か手に入れるかもしれません。
早足で移動しながら、考える。
考えるのは少し前に別れた女――佐藤良美――のこと。
いや、正確に言えばその女の言葉の内容だ。
(あの女が俺から離れた理由は……なんだ?)
俺に露払いさせる、というのはまず間違いないだろう。
だが、そんなわかりきった事はどうでもいい、元よりつぐみ以外の人間は皆殺しにするつもりだ。
だから、重要なのはもう一つの事。
(禁止エリアになった時の為…か?
確かに一緒にいて、放送後にいきなり別れると言い出すのは不自然だからな)
つぐみについてだ。
(何処だ……何処につぐみは捕まっているんだ?)
あの女がつぐみを捕まえているとは思えない、
が捕まっていないという確証もない。
何故なら、自分とつぐみは“殺せない”からだ。
この島で多少効力が落ちているとはいえ、キュレイウイルスのキャリアである自分達は簡単には殺せない。
だから殺せずに、捕まえておくしかないということはあり得る。
他の人間なら、捕まえておくなんて可能性はほとんどないが、つぐみなら可能性はある。
(となると、島のこちら側にいるって考えるのが自然か……?)
この場所で別れたというのならそう考えるのが普通である。
ここに一つ、武が気付いていない心の働きがあった。
武はH173の症状を否定する為に、キュレイの効力がこの島で落ちている事を認めきれず、その落ち幅を弱く考えてしまっていた。
だから良美が離れたのは、放送時につぐみの名前が呼ばれた場合に備えてとは認められなかった。
なので、彼は無意識のうちに「良美とつぐみは遭遇したことがある」ということを事実と認識していた。
(あるいは、神社の近くでつぐみに会った、っていう可能性もあるな)
良美が一度つぐみに会っていて、(おそらくその時に敵対して)それが神社の近くであり、再び遭遇することで、嘘がばれる事を恐れた、というのはあり得る話だ。
恐らくだが、こちらのほうが可能性は高いように思う。
そして
(どっちにしろ、あの女がつぐみに会ったっていうなら、島の真ん中より東側っていう可能性が高そうだな)
そう結論付けた。
「まあ、だからといって一度神社に行くしかねえんだけどな」
あまり高い可能性ではないが、つぐみの命が良美に握られている以上、神社に行くしかない。
そしてそれは、
「待っていろ圭一! ……いや、瑞穂でも、茜でも、陽平でもいい!! 善人面して俺の事を利用していた奴らは許さねえ!」
今の武の目的、圭一の殺害とも一致している場所だった。
仲間達との誓いも、貴子の最後の勇気も、圭一の信頼も、今の武には届かない。
それでも、彼はかつての約束の場所へ向かう。
あるいはそれが、彼らの最後の絆なのかもしれない。
【E-4 学校へ向かう道/1日目 夕方】
【倉成武@Ever17】
【装備:投げナイフ2本、永遠神剣第四位「求め」@永遠のアセリア】
【所持品:支給品一式 ジッポライター、貴子のリボン@乙女はお姉さまに恋してる、富竹のカメラ&フィルム4本@ひぐらしのなく頃に】
【状態:L5侵蝕中。中度の疲労。極度の疑心暗鬼。頭蓋骨に皹(内出血の恐れあり)。頬と口内裂傷。頚部に痒み。 脇腹と肩に銃傷。刀傷が無数。服に返り血)】
【思考・行動】
基本方針:つぐみ以外誰も信用する気はありませんが、人質を取られている可能性がある為、良美の指示には従う。
1:圭一を殺害する
2:良美の指示に従い、他の参加者達を殺害する
3:圭一の殺害後、つぐみを救い出す
【備考】
※キュレイウィルスにより、L5の侵蝕が遅れています、現在はL3相当の状態で若干症状が進行しています。
※前原圭一、遠野美凪の知り合いの情報を得ました。
※富竹のカメラは普通のカメラです(以外と上物)フラッシュは上手く使えば目潰しになるかも
※永遠神剣第四位「求め」について
「求め」の本来の主は高嶺悠人、魔力持ちなら以下のスキルを使用可能、制限により持ち主を支配することは不可能。
ヘビーアタック:神剣によって上昇した能力での攻撃。
オーラフォトンバリア:マナによる強固なバリア、制限により銃弾を半減程度)
※沙羅と情報交換しました。
※キュレイにより少しづつですが傷の治療が行われています。
※つぐみが捕まっているという話を、完全に信じた訳ではありません。
時は少し遡る。
神社の石段の前に、一台の救急車が停止した。
その中から三人の人間が出てくる。
「ふー、救急車の運転って以外と気を使うものね」
のびをしながら、運転席から降りる沙羅、
「お疲れ様で賞を進呈。わーぱちぱち」
その沙羅を労う美凪、
そして、
「……どうなってんだ、こりゃ」
いささか、呆然としている圭一の三人。
彼らは特に何ごとも無く、武との約束の場所へと到着した。
「ふーん中々立派な神社ね」
「『古手神社』……ふる…てって読むんでしょうか」
「いや……それは『ふるで』って読むんだ、美凪さん」
石段の周辺出ている旗に書かれた名前を読もうとする美凪に、圭一が言った。
「? この神社の事を知ってるの、圭一?」
それを聞いて沙羅が圭一に質問した。
ちなみに美凪は「博識で賞」なるものを用意していたが、二人ともスルーした。
「ああ、知っている、けど、何でここに」
石段の周りの風景も、この位置から僅かに見える境内も、圭一の記憶の中にある「古手神社」そのものだ。
けれど、
「ここは雛見沢じゃあない、この付近の景色もまるで違う」
辺りに見えるのは、見慣れた雛見沢の景色ではなく、見知らぬもの。
圭一の知らない場所に、何故か古手神社だけが存在している。
「……とりあえず、境内まで入って調べて見るべきね」
「ああ、そうだな、武さんが来るまではまだ時間があるからな」
「じゃあ、頑張ってくださいね、前原さん」
「ああ……って俺一人で調べるのかよ!?」
「いえ、私達も調べますけど、この神社の事を知っているのは前原さんだけですよ」
「う、まあそうなんだが」
美凪のもっともな意見に言葉のない、圭一。
そこで二人とも少し立ち尽くすが
「ほら、つまんないこと言ってないで、さっさと上るわよ」
という沙羅の声に、
「いや、待ってくれ見える範囲にスクーターはないけど、もしかしたら迂回して神社の中で待ち伏せしているかもしれない」
圭一は冷静な反応を返す。
そもそも彼らの目的は、一足先に神社に向かった土見稟を止めること。
そして、彼が待ち伏せしているかもしれない以上、正面から入るのは危険すぎる。
「ちょっと回り道になるけど、横の方から入ろう」
そうして、回り道している間に、
「そういえば……武さんの知り合いの方はいつ来るのでしょう」
「言われてみれば…そのことは聞いてないな」
今更ながらに重要な事に気付いた。
「……ここまで来て、そんな事を言ってるの?」
これには沙羅もあきれたが、
「まあ、武さんが来ればわかるだろ」
という圭一の信頼の前では何も言えなかった。
そして、仲間を疑うことのない三人は、約束の場所へとたどり着く。
【D-4 神社/1日目 午後】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に祭】
【状態:精神安定、右拳軽傷、体全体に軽度の打撲と無数の切り傷、左肩刺し傷(左腕を動かすと、大きな痛みを伴う)】
【装備:悟史のバット@ひぐらしのなく頃に】
【所持品:支給品一式×2、折れた柳也の刀@AIR(柄と刃の部分に別れてます)、キックボード(折り畳み式)、手榴弾(残1発)】
【思考・行動】
基本方針:仲間を集めてロワからの脱出、殺し合いには乗らない、人を信じる
1:まずは神社を調べる。
2:美凪と沙羅を守る。
3:土見稟の凶行を止める。
4:倉成武との再会を果たす
5:知り合いとの合流、または合流手段の模索
6:良美を警戒
7:あゆについては態度保留、但し大石を殺したことを許す気は今のところない。
8:土見稟を警戒
9:ハクオロを警戒
【備考】
※倉成武を完全に信用しています。
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました
※救急車(鍵付き)のガソリンはレギュラーです。現在の燃料は残り1/3くらいです。
※沙羅の事は信用しています
【遠野美凪@AIR】
【状態:軽度の疲労】
【装備:包丁】
【所持品:支給品一式×2、救急箱、人形(詳細不明)、服(詳細不明)、顔写真付き名簿(圭一と美凪の写真は切り抜かれています)】
基本方針:圭一についていく
1:まずは神社を調べる
2:知り合いと合流する
3:佐藤良美を警戒
4:土見稟を警戒
※倉成武を信用するかは保留。
※宮小路瑞穂、春原陽平、涼宮茜、小町つぐみの情報を得ました
※あゆのことは基本的には信用しています
※沙羅と情報交換しました。
※沙羅の事は信用しています
【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】
【装備:永遠神剣第六位冥加@永遠のアセリア -この大地の果てで- ワルサー P99 (16/16)】
【所持品:支給品一式 フロッピーディスク二枚(中身は下記) ワルサー P99 の予備マガジン8 カンパン30個入り(10/10) 500mlペットボトル4本】
【状態:軽度の疲労・強い決意・若干の血の汚れ】
【思考・行動】
基本行動方針:一人でも多くの人間が助かるように行動する
1:まずは神社を調べる。
2:情報端末を探す。
3:首輪を解除できそうな人にフロッピーを渡す
4:前原にタカノの素性を聞く。
5:混乱している人やパニックの人を見つけ次第保護。
6:最終的にはタカノを倒し、殺し合いを止める。 タカノ、というかこのFDを作った奴は絶対に泣かす。
【備考】
※FDの中身は様々な情報です。ただし、真偽は定かではありません。
下記の情報以外にも後続の書き手さんが追加してもOKです。
『皆さんに支給された重火器類の中には実は撃つと暴発しちゃうものがあります♪特に銃弾・マガジンなどが大量に支給された子は要注意だぞ☆』
『廃坑の入り口は実は地図に乗ってる所以外にもあったりなかったり(ぉ』
『海の家の屋台って微妙なもの多いよね~』
『H173を打たれても早めにC120を打てば症状は緩和されます(笑)』
少なくともこの4文はあります。
H173に基本的な情報や症状についての情報が載っています
場合によってはさらに詳しい情報が書いてある可能性もあります
※“最後に.txt .exe ”を実行するとその付近のPC全てが爆発します。
※↑に首輪の技術が使われている可能性があります。ただしこれは沙羅の推測です。
※双葉恋太郎の銃“S&W M60 チーフスペシャル(5/5)”は暴発しました。
※港には中型クルーザーが停船していますが、エンジンは動きません。
※パソコンに情報端末をつなげるとエンジンが動くというのはあくまでも沙羅の推測です。
※図書館のパソコンにある動画ファイルは不定期配信されます。現在、『開催!!.avi』のみ存在します。
※図書館についてある程度把握しました。
※隠しフォルダの存在を知りました。実際にパソコン内にあるかどうかは書き手さんにおまかせ。
※武たちと情報交換しました。
※圭一と美凪を信用しました。武については保留。
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|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|佐藤良美|153:[[歯車二つ(前編)]]|
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|倉成武|153:[[歯車二つ(前編)]]|
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|白鐘沙羅|153:[[歯車二つ(前編)]]|
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|前原圭一|153:[[歯車二つ(前編)]]|
|124:[[信じる者、信じない者(Ⅱ)]]|遠野美凪|153:[[歯車二つ(前編)]]|
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