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「下半身に罪はない!~トイレを求めて全力疾走~」(2007/10/14 (日) 13:15:25) の最新版変更点
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**下半身に罪はない!~トイレを求めて全力疾走~◆Qz0e4gvs0s
「う~~トイレ! トイレ!」
今トイレを求めて全力疾走している僕は、殺し合いに参加するごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば泣きっ面に蜂状態なところカナー。
名前は春原陽平。
そんなわけで全力疾走でトイレを目指しているのだ。
ふと隣を見ると、顔を真っ赤にした少女が汚物を見る目でこっちを睨んでる。
ウホッ! なんでこんな事に……
◇ ◇ ◇ ◇
「そにれしても、なんでこんな手錠を」
茜は左手についた手錠に目を落とし、大きくため息をつく。そして、腹立たしそうに春原を睨みつける。
「だから、僕のせいじゃないだろ~……うっ」
睨まれてビクつきつつも、一応反論する春原。だが、その声は小さい。
手錠をはめる事になった原因は自分にあるのだが、理由を言ったらもっと叱られる気がして言えなかった。
第一、それを吐露してしまう事は、せっかく良い雰囲気になってきた瑞穂に軽蔑されてしまう。
だがら、春原は茜の言葉をある程度受けて反省していた。
「まぁ、新市街まで行けば金物屋もあるでしょうから、そうしたら切れますよ」
二人を……主に茜をなだめるように瑞穂はフォローした。
かれこれ歩き始めて数十分。このまま行けば、十分約束の時間に間に合うはずである。
ところが森に入り、少し先に鉄塔が確認できる辺りからペースが落ちてしまった。
その原因は、またもや春原にあった。
いままで軽快に喋りつつ足を進めていたのだが、つい先程から無口になってしまった。
おまけに、時々立ち止まっては意味不明な体操を始める始末。
最初は小言だけですんでいた茜も、次第に苛立ちが隠せなくなり遂には怒りを爆発させる。
「いい加減にしてよ! さっきから何やってるのよ!?」
「いや……くぅ」
「呻いてちゃ分からないでしょ! ハッキリ言いなさい」
「ま、まぁまぁ茜さん。陽平さんも何か理由があるんですよ。そうですよね?」
噛み付きそうになる茜を抑え、瑞穂は優しく問いかける。
そんな瑞穂の態度に興奮する春原。
(はぁはぁ……瑞穂さん良い匂いだぁ――って違う違う!)
慌てて首を振る。そして、遠慮がちに言葉を発した。
「じ、実はその、と、トイレに行きたい……と言ったら怒りますか?」
「「えぇええ!?」」
二人が同時に声を挙げる。先に我にかえったのは瑞穂だった。
「そ、それは我慢できませんか?」
「け、けっこうキツイです。はい」
「我慢してよ!」
「無理言うなよ! もう最終防衛ラインまで来ちゃってるんだよ!」
「男でしょ! なんとか出来るでしょう!」
「無理だって! お前だってトイレ我慢するのつらいだろ!?」
「女の子にそんな事聞くなぁぁぁぁ!!」
「ちょ、膀胱に暴行はまず、ぼべらッ!!」
「あ、茜さん落ち着いて」
目一杯春原の腹部(膀胱付近)に膝蹴りを放つ。
崩れかかった春原を支え、瑞穂は必死に茜をなだめた。
「茜さん。生理現象ですからここは……」
最初は嫌だと首を横に振っていた茜だったが、瑞穂の説得でしぶしぶ首をふった。
春原ならまだしも、同性(と思い込んでいる)瑞穂の言葉であれば仕方ない。
「しょうがないわ。後ろ向いててあげるから、草の陰で早く済ましてよ!」
これが茜の出来る精一杯の妥協だった。
だが、春原は苦笑いを浮かべたままその場に立ち尽くす。
「何してるのよ。これ以上譲歩できないわよ!」
これ以上何を望むと言うのだろうか。茜は顔を真っ赤にして背を向ける。
そんな茜をこれ以上怒らせたくなかったが、そうは言っていられなかった。
「お、おっきいほう……だったりして」
本人としては精一杯可愛く言ったつもりである。
「ふざけるなぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
赤坂が戻るのを待っていたトウカは、アルルゥの寝顔を見て安心していた。
「アルルゥ殿が無事でよかった。何かあっては、聖上に顔向けできぬ」
あとは、エルルゥにカルラやオボロ、そしてハくオロに合流できればいい。
だが、島の地理に疎いうえ、この鉄柱のように見たこともない建造物もある。
それに、赤坂と戦ったときのような力に制限がかかった状態で戦うのは厳しい。
それらを考慮したうえで、トウカはもう少しこの場所に留まる事に決めた。
「しかし、アカサカ殿は遅いな」
約束の時間からしばらく経つが、未だその影は見えなかった。
他に気配もない。トウカはアルルゥが眠るっているのを微笑ましく見守った。
そして、周囲に誰も居ない事を何度も確認するとアルルゥをギュッと抱きしめた。
「ああ、アルルゥ殿は相変わらず可愛いでござる」
先程まで赤坂と戦っていた時とは全く違う、しまりのない顔だった。
アルルゥが目を覚ますと、周囲にはトウカ一人しか居なかった。
疲れているのか、アルルゥの袖を掴みながら寝息を立てている。
「?」
辺りを見渡すが、大好きな父が居ない。レオやアカサカもいない。
無意識のうちに三人を探すため立ち上がった。
寝ているトウカを起こさないように、アルルゥはそっと駆け出した。
しばらく走っていると、向こうの茂みから話し声が聞こえてきた。
父かもしれないと思ったアルルゥは、急ぎ足で近付く。
そして、三人の顔がしっかり判別できる辺りまできた。
どうやら、父ではないようだ。それでも、アルルゥは興味を惹かれたのか三人をジッと観察する。
特に、長髪の女の人がどことなく気になっていた。
「ふざけるなぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
突然の大声に驚いてしまう。その拍子に、隠れていた茂みを揺らしてしまった。
「誰ですか?」
長髪の女の人と目が合う。人見知りの激しいアルルゥだったが、女の優しい目に逃げるのをやめる。
「なんだこのチビ」
だが、突然現れた変な男に驚き、アルルゥは一目散に逃げ出してしまう。
「あっ」
「ちょ、何怖がらせてるんですか!?」
「な、何もしてないって! いやマジで! やめ、ぎゃぁああああああああああ!!」
「私、あの子を追いかけます。しばらくして戻らなかったら、新市街で落ち合いましょう」
「集合場所は!?」
「確か、博物館があったはずです! そこで」
「分かりました!?」
三人の声を背に受け、アルルゥは走り続けていた。
「待って!」
誰かが追いかけてくる。後ろを振り返る余裕がないアルルゥは、ひたすら走り続けた。
◇ ◇ ◇ ◇
叫び声で目が覚めたトウカは、隣からアルルゥが消えた事にショックを受けていた。
「あ、ああ、アルルゥ殿ーーーー!!」
呼びかけてみるが、返事は返ってこなかった。
「もしや先程の悲鳴は!」
真っ青になり、剣を片手に悲鳴のした方へ駆け出す。
(某とした事が、アルルゥ殿の抱き心地が良すぎて眠ってしまうとはッ)
人の気配がないか必死で探り当てる。と、前方に二人の気配を感知できた。
もしアルルゥが襲われていたならば一大事である。
確認する前に、トウカは二人の前に飛び出した。
「某、エヴェンクルガがトウカと申す! アルルゥ殿はどこにおられる!」
「は!?」
トウカの突然の登場に目を丸くした少女。もう一人は、股間を抑えて前屈みになっていた。
「アルルゥ殿をどこにやった!」
「いえ、いったい何の事だか」
「とぼけるな! 先程の悲鳴はアルルゥ殿に違いない!」
「いや、アレは――」
「言わぬと言うなら……斬る」
腰に備えた剣を抜き去り、相手に向け構える。
「だから、私達そんな人知らないって」
「問答無用!」
「場所を教えて欲しかったらその子を斬るな……って僕狙ってたのかよ!」
飛び掛るトウカは、背を向ける春原に剣を振り上げた。
だが、春原の叫んだ言葉に最後まで剣を振るうのを止める。
体に触れるギリギリ振るった剣は、春原の制服の背中を真っ二つにしていた。
「ちょっと待てぇぇぇぇ! 最後まで振ってるじゃないか! 嘘つくなぁぁ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
制服の背中が斬られ、春原の逞しくない尻と背中の一部は風に晒されていた。
ズボンも股間の部分が左右に切断されており、手で抑えないとずり落ちてしまう。
「やべ、お腹の痛みが尋常じゃなくなってきた」
「アルルゥ殿はどこだ!」
「そ、その前に、えーと、あ、ぼ、僕らを攻撃しないって約束しろ! いや、して下さい。」
「良いだろう……だが、事と次第によっては斬る」
(約束になってねーーよ!!)
心の中で突っ込みながら、春原は慎重に喋りだした。
「アルルゥって奴は、えと……」
「私達の仲間が保護しています」
しどろもどろに答える春原に代わり、茜が言葉を続けた。
「すぐに会わせたいですが、場所が離れているため今すぐとは言えません」
「そうだったか。ならば、案内してもらいたい」
「ぶっぃえっくしょん!」
「いえ。私達も探している人物がいます。それが終わるまでは合流できません」
「むぅ。だがなぜお主らがアルルゥ殿を」
「う、今度は腹がキリキリしてきた」
「こちらに走ってきたのを保護したんです」
「なるほど」
「つーか、痛みを通り越して快感になりつつある、って違う! 違う!」
「……その代わり、その仲間の場所をお教えします。それならば自分で会いに行けるでしょう」
「おお!」
「地図は持っていま――」
「いてぇ、マジでいてぇ」
「春原さん、黙ってて!」
「は、はひぃ」
凄みを効かせた茜の眼に、春原は沈黙してしまう。
「すまぬが、地図は置いてきてしまった。暫し待って頂きたい」
「分かりました。ここで待っていますのでお早めに」
「かたじけない! それと、いきなり斬りかかってすまなかった!」
礼を言うと、トウカと名乗る女は前の道を戻っていった。
それを見送った茜は、緊張を解いて座り込んだ。
「はぁ~。何とかなった」
「ま、僕の機転の利いた発言がなければやばかったよね……主に僕が」
別の意味で座り込んでいた春原が自慢げに語りだす。
「ま、その後しどろもどろになって危なかったけどね」
「ふゅ~ふゅ~」
トウカと違い、春原には敬語を使わない。
刺すような視線から目を逸らし、下手くそな口笛を吹く。
「でも、騙すみたいでなんだか悪い気がするわね」
「何だよ~。斬りかかって来たのはあっちなんだぜ。僕達は何も悪くないさ」
「それはそうだけど」
「もうさ、お仕置きついでに二度と会わないよう、一番端っこの方に向かわせようぜ」
「良いのかな」
「いいっていいって! あの女。中身はうっかりしてそうだから、疑わずに目指すぜ。うへへ」
「あ」
茜の顔が失敗したという表情を浮かべる。その視線の先には。
「く、く、く、く」
地図を取りに戻ったはずのトウカが剣を構えて仁王立ちしていた。
「げぇ!」
「クケーーー!!」
怒りを露に切りかかってきた。
「おわ、なんでもう戻って来るんだよ!」
「どうせならここで地図を見せてもらおうと思ったのだが、戻ってきて正解でござった!」
ゆっくりと切っ先を春原に向ける。背を向けて走り出す二人。
「某を謀った報いを受けよ! きえぇぇぇええええええええ!!」
『イャッホォォォオゥ! 国崎最高!!』
国崎最高ボタンを取り出した茜は、躊躇せずボタンを叩いた。
その音声に驚いたトウカの手元は狂い、こちらを向いた春原を斬るつもりが紙一重で避けられてしまう。
素人にしては反応が良かったが、完全に避け切れなかったため、春原の「あるもの」が切れてしまう。
同時に、強い突風が吹いて「何か」が遥か彼方へ飛び去っていく。
「い、い、い」
茜が目を背ける。
「!!」
斬ったトウカ自身も、突然現れた「それ」にショックを受ける。
「へ? あれ?」
ただ一人反応が遅れた春原は、自分自身を見下ろす。
どこも怪我していない。どこも斬れてない。うん。
でも、何か大切なものが無いような……
改めて自分を見下ろす。確かに無事だ。こうして肉眼でみても素肌は無事。あれ?
確かに無事である。何度見ても無事である。そう……生まれたままのその姿は無事だった。
「って、僕の服がねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!」
最初に前を斬られ、先程後ろを斬られた春原の制服は、繋ぎ目を失い風に飛ばされてしまった。
今や春原を守るのは、手錠と靴だけであった。立派な露出狂である。
「あ、茜さん?」
「いやぁぁぁぁあああ!! そんな汚いものをこっち向けないで!」
「ちょ」
今度はトウカの方に正面向く。
「ど、どうしてくれるんすか!?」
「ひ、ひぃ」
全裸の春原は、股間を隠さずトウカに近寄る。それにあわせて、トウカはあとずさる。
「なあ!」
「く、来るな!」
「来るなってアンタ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんんん!!」
そしてそのまま、踵を返して去っていってしまった。
「あ、あれ……はぅッ!!」
自ら立ち去ったのはありがたかったが、何か釈然としない。
と、思い出したように地面に座り込む。つられて引っ張られた茜が嫌そうに目を向ける。
「どうしたの? あッ」
腹部と尻を押さえ、大量の脂汗をかく春原を見て嫌な事を思い出した。
この男は、追われる前に重大な事を言っていた気がする。
「そ、そろそろ限界」
「待って、こんな所で嫌!」
「も、漏れる……も、ぁ」
「走るわよ! 早く!」
「アッー!!」
二人はひたすら走った。立ち止まったら悲惨な事が起こる。
もしこんな姿を警察に見られたら、ひとたまりもないだろう。
被害者である茜が一番不憫であるが、隣の全裸男に文句を言う気にはなれない。
もっとも、近くにいた本物の刑事はそんな二人に気付く事無く同じ方向を目指していた。
距離にして1km。開けたところでない森の中では、お互いを気付く事はなかった。
「う~~トイレ! トイレ!」
今トイレを求めて全力疾走している僕は、殺し合いに参加するごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば生まれたままの状態なところカナー。
名前は春原陽平。
そんなわけで全力疾走でトイレを目指しているのだ。
ふと隣を見ると、顔を真っ赤にした少女が汚物を見る目でこっちを睨んでる。
アッー! これが事の顛末さ……
【B-4の森の出口/1日目 早朝】
【春原陽平@CLANNAD】
【装備:投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式 ipod(岡崎のラップ以外にもなにか入ってるかも……?)】
【状態:全裸、瑞穂に一目惚れ、生理現象緊急指令発令中】
【思考・行動】
0:トイレを求めて全力疾走
1:手錠をどうにかしたい
2:衣類を手に入れたい
3:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
4:瑞穂を守る。
5:瑞穂と合流したい。
6:知り合いを探す
【備考】
右手首に手錠がかかっており、茜とつながれています
手錠の鎖は投げナイフ程度の刃物では切れない。銃ならたぶん大丈夫
瑞穂が自分に好意を持ってると誤解
現在靴を除いて全裸です
【涼宮茜@君が望む永遠】
【装備:国崎最高ボタン、投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式、手製の廃坑内部の地図(全体の2~3割ほど完成)】
【状態:健康 精神的に多大なダメージ】
【思考・行動】
1:手錠をどうにかしたい
2:春原をトイレにぶち込みたい
2:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
3:知り合いを探す
【備考】
左手首に手錠がかかっており、陽平とつながれています
手錠の鎖は投げナイフ程度の刃物では切れない。銃ならたぶん大丈夫
【赤坂衛@ひぐらしのなく頃に】
【装備:デリホウライのトンファー@うたわれるもの】
【所持品:支給品一式、椅子@SHUFFLE!】
【状態:トウカとの戦闘による疲労、左腿に怪我、首筋に軽い傷】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない。
1:対馬レオを連れ戻す。
2:1が達成次第、トウカとアルルゥの元に戻って一緒に人が集まりそうな場所に行く。
3:1が達成できなかった場合、昼の12時に神社へ向かう。
4:大石さんと合流したい。
5:梨花ちゃんが自分の知っている古手梨花かどうか確かめる。
【B-5 森の中/1日目 早朝】
【トウカ@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄】
【装備:舞の剣@Kanon】
【所持品:支給品一式、不明支給品0~2(本人確認済み)、スペツナズナイフの柄】
【状態:精神的疲労】
【思考・行動】
基本:殺し合いはしないが、襲ってくる者は容赦せず斬る
1:アルルゥを探し出す
2:アルルゥを探すが、見つからない場合は一度昼の12時に神社へ向かう
3:ハクオロ、エルルゥと早急に合流し守る
4:オボロ、カルラと合流、協力しハクオロ等を守る
5:先程の二人組から情報を得る
6:次に蟹沢きぬと出会ったら真偽を問いただす
【備考】
蟹沢きぬが殺し合いに乗っていると疑っています
舞の剣は少々刃こぼれしています
春原の全裸を見てショックを受けています
◇ ◇ ◇ ◇
瑞穂と少女の追いかけっこは、吊り橋まで来たところでようやく終わりを迎えた。
「待ってくれたのかしら?」
少女の目線まで屈んで、相手を警戒させないように微笑んだ。
「ね、大丈夫だから」
その言葉に、少女は逃げようか迷っていた動きを止める。そして、距離をとったままジッと瑞穂を見ていた。
飛び掛れば捕まえられない距離ではないが、そんな事をすれば少女が吊り橋から落ちかねない。
なにより、そんな乱暴な真似をしてまで追いかけようとは思わなかった。
「お話をしましょう。私は宮小路瑞穂と申します。よろしければ、お名前教えていただけるかしら?」
「ん……アルルゥ」
「アルルゥちゃん。良かったら近くでお話しませんか?」
「ん~」
しばらく悩んだ末。一歩前進しアルルゥは少しずつ喋りだした。
「おとーさん」
「え?」
「おとーさんとおねーちゃん探してる」
「アルルゥちゃんの?」
瑞穂の問いかけに元気良く頷く。
「あと、アカサカとレオも探してる」
「アカサカにレオ。その二人はアルルゥちゃんの家族かしら?」
今度は首を横に振る。
「いいひと」
「いいひとなのね」
「んふぅ~」
屈託なく笑うアルルゥに、瑞穂は安らぎを覚えていた。
「良かったら、私にお手伝いをさせて貰えないかしら?」
「?」
「アルルゥちゃんのお父さんとお姉ちゃん、それとアカサカさんとレオさん。一緒に探して良いかしら」
「いい!」
その言葉に、アルルゥは元気良く答えた。
「それじゃあ」
そういって瑞穂は手を差し出した。おそるおそる、だがしっかりと手を伸ばすアルルゥ。
「よろしくねアルルゥちゃん」
「ん。ミズホおねーちゃん良い匂い~」
握ったまま、アルルゥは瑞穂の胸に飛び込んだ。そんなアルルゥを、瑞穂は優しく抱きしめる。
昇りつつある朝日が、二人の姿を輝かせていた。
【C-6吊り橋/1日目 早朝】
【宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【装備:投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
2:アルルゥを守る
3:アルルゥの家族、それとアカサカとレオを探す
3:知り合いを探す
【備考】陽平には男であることを隠し続けることにしました。
アルルゥにも男性である事は話していません。 他の人に対してどうするかはお任せ
【アルルゥ@うたわれるもの】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(コンパス、時計、ランタン以外)、ベネリM3の予備弾(12番ゲージ弾)×35】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない。
1:瑞穂と一緒にいる
2:おとーさんやおねーちゃんたちと合流したい
【備考】
※状況をあまり把握してませんが、赤坂とレオ、瑞穂のことは仲間だと認識しました
|060:[[眠り姫目覚める時――/――皇の策略]]|投下順に読む|062:[[それぞれの失敗?]]|
|059:[[二度と触れ得ぬキョウキノサクラ]]|時系列順に読む|062:[[それぞれの失敗?]]|
|045:[[温泉に集いし者たち(後編)]]|春原陽平|082:[[Crazy innocence]]|
|045:[[温泉に集いし者たち(後編)]]|涼宮茜|082:[[Crazy innocence]]|
|046:[[みんなで広げよう勘違いの輪(後編)]]|赤坂衛|077:[[赤坂衛の受難]]|
|046:[[みんなで広げよう勘違いの輪(後編)]]|トウカ|091:[[シャムロックを散らした男]]|
|045:[[温泉に集いし者たち(後編)]]|宮小路瑞穂|079:[[涙をこえて]]|
|046:[[みんなで広げよう勘違いの輪(後編)]]|アルルゥ|079:[[涙をこえて]]|
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**下半身に罪はない!~トイレを求めて全力疾走~◆Qz0e4gvs0s
「う~~トイレ! トイレ!」
今トイレを求めて全力疾走している僕は、殺し合いに参加するごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば泣きっ面に蜂状態なところカナー。
名前は春原陽平。
そんなわけで全力疾走でトイレを目指しているのだ。
ふと隣を見ると、顔を真っ赤にした少女が汚物を見る目でこっちを睨んでる。
ウホッ! なんでこんな事に……
◇ ◇ ◇ ◇
「そにれしても、なんでこんな手錠を」
茜は左手についた手錠に目を落とし、大きくため息をつく。そして、腹立たしそうに春原を睨みつける。
「だから、僕のせいじゃないだろ~……うっ」
睨まれてビクつきつつも、一応反論する春原。だが、その声は小さい。
手錠をはめる事になった原因は自分にあるのだが、理由を言ったらもっと叱られる気がして言えなかった。
第一、それを吐露してしまう事は、せっかく良い雰囲気になってきた瑞穂に軽蔑されてしまう。
だがら、春原は茜の言葉をある程度受けて反省していた。
「まぁ、新市街まで行けば金物屋もあるでしょうから、そうしたら切れますよ」
二人を……主に茜をなだめるように瑞穂はフォローした。
かれこれ歩き始めて数十分。このまま行けば、十分約束の時間に間に合うはずである。
ところが森に入り、少し先に鉄塔が確認できる辺りからペースが落ちてしまった。
その原因は、またもや春原にあった。
いままで軽快に喋りつつ足を進めていたのだが、つい先程から無口になってしまった。
おまけに、時々立ち止まっては意味不明な体操を始める始末。
最初は小言だけですんでいた茜も、次第に苛立ちが隠せなくなり遂には怒りを爆発させる。
「いい加減にしてよ! さっきから何やってるのよ!?」
「いや……くぅ」
「呻いてちゃ分からないでしょ! ハッキリ言いなさい」
「ま、まぁまぁ茜さん。陽平さんも何か理由があるんですよ。そうですよね?」
噛み付きそうになる茜を抑え、瑞穂は優しく問いかける。
そんな瑞穂の態度に興奮する春原。
(はぁはぁ……瑞穂さん良い匂いだぁ――って違う違う!)
慌てて首を振る。そして、遠慮がちに言葉を発した。
「じ、実はその、と、トイレに行きたい……と言ったら怒りますか?」
「「えぇええ!?」」
二人が同時に声を挙げる。先に我にかえったのは瑞穂だった。
「そ、それは我慢できませんか?」
「け、けっこうキツイです。はい」
「我慢してよ!」
「無理言うなよ! もう最終防衛ラインまで来ちゃってるんだよ!」
「男でしょ! なんとか出来るでしょう!」
「無理だって! お前だってトイレ我慢するのつらいだろ!?」
「女の子にそんな事聞くなぁぁぁぁ!!」
「ちょ、膀胱に暴行はまず、ぼべらッ!!」
「あ、茜さん落ち着いて」
目一杯春原の腹部(膀胱付近)に膝蹴りを放つ。
崩れかかった春原を支え、瑞穂は必死に茜をなだめた。
「茜さん。生理現象ですからここは……」
最初は嫌だと首を横に振っていた茜だったが、瑞穂の説得でしぶしぶ首をふった。
春原ならまだしも、同性(と思い込んでいる)瑞穂の言葉であれば仕方ない。
「しょうがないわ。後ろ向いててあげるから、草の陰で早く済ましてよ!」
これが茜の出来る精一杯の妥協だった。
だが、春原は苦笑いを浮かべたままその場に立ち尽くす。
「何してるのよ。これ以上譲歩できないわよ!」
これ以上何を望むと言うのだろうか。茜は顔を真っ赤にして背を向ける。
そんな茜をこれ以上怒らせたくなかったが、そうは言っていられなかった。
「お、おっきいほう……だったりして」
本人としては精一杯可愛く言ったつもりである。
「ふざけるなぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
赤坂が戻るのを待っていたトウカは、アルルゥの寝顔を見て安心していた。
「アルルゥ殿が無事でよかった。何かあっては、聖上に顔向けできぬ」
あとは、エルルゥにカルラやオボロ、そしてハクオロに合流できればいい。
だが、島の地理に疎いうえ、この鉄柱のように見たこともない建造物もある。
それに、赤坂と戦ったときのような力に制限がかかった状態で戦うのは厳しい。
それらを考慮したうえで、トウカはもう少しこの場所に留まる事に決めた。
「しかし、アカサカ殿は遅いな」
約束の時間からしばらく経つが、未だその影は見えなかった。
他に気配もない。トウカはアルルゥが眠るっているのを微笑ましく見守った。
そして、周囲に誰も居ない事を何度も確認するとアルルゥをギュッと抱きしめた。
「ああ、アルルゥ殿は相変わらず可愛いでござる」
先程まで赤坂と戦っていた時とは全く違う、しまりのない顔だった。
アルルゥが目を覚ますと、周囲にはトウカ一人しか居なかった。
疲れているのか、アルルゥの袖を掴みながら寝息を立てている。
「?」
辺りを見渡すが、大好きな父が居ない。レオやアカサカもいない。
無意識のうちに三人を探すため立ち上がった。
寝ているトウカを起こさないように、アルルゥはそっと駆け出した。
しばらく走っていると、向こうの茂みから話し声が聞こえてきた。
父かもしれないと思ったアルルゥは、急ぎ足で近付く。
そして、三人の顔がしっかり判別できる辺りまできた。
どうやら、父ではないようだ。それでも、アルルゥは興味を惹かれたのか三人をジッと観察する。
特に、長髪の女の人がどことなく気になっていた。
「ふざけるなぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
突然の大声に驚いてしまう。その拍子に、隠れていた茂みを揺らしてしまった。
「誰ですか?」
長髪の女の人と目が合う。人見知りの激しいアルルゥだったが、女の優しい目に逃げるのをやめる。
「なんだこのチビ」
だが、突然現れた変な男に驚き、アルルゥは一目散に逃げ出してしまう。
「あっ」
「ちょ、何怖がらせてるんですか!?」
「な、何もしてないって! いやマジで! やめ、ぎゃぁああああああああああ!!」
「私、あの子を追いかけます。しばらくして戻らなかったら、新市街で落ち合いましょう」
「集合場所は!?」
「確か、博物館があったはずです! そこで」
「分かりました!?」
三人の声を背に受け、アルルゥは走り続けていた。
「待って!」
誰かが追いかけてくる。後ろを振り返る余裕がないアルルゥは、ひたすら走り続けた。
◇ ◇ ◇ ◇
叫び声で目が覚めたトウカは、隣からアルルゥが消えた事にショックを受けていた。
「あ、ああ、アルルゥ殿ーーーー!!」
呼びかけてみるが、返事は返ってこなかった。
「もしや先程の悲鳴は!」
真っ青になり、剣を片手に悲鳴のした方へ駆け出す。
(某とした事が、アルルゥ殿の抱き心地が良すぎて眠ってしまうとはッ)
人の気配がないか必死で探り当てる。と、前方に二人の気配を感知できた。
もしアルルゥが襲われていたならば一大事である。
確認する前に、トウカは二人の前に飛び出した。
「某、エヴェンクルガがトウカと申す! アルルゥ殿はどこにおられる!」
「は!?」
トウカの突然の登場に目を丸くした少女。もう一人は、股間を抑えて前屈みになっていた。
「アルルゥ殿をどこにやった!」
「いえ、いったい何の事だか」
「とぼけるな! 先程の悲鳴はアルルゥ殿に違いない!」
「いや、アレは――」
「言わぬと言うなら……斬る」
腰に備えた剣を抜き去り、相手に向け構える。
「だから、私達そんな人知らないって」
「問答無用!」
「場所を教えて欲しかったらその子を斬るな……って僕狙ってたのかよ!」
飛び掛るトウカは、背を向ける春原に剣を振り上げた。
だが、春原の叫んだ言葉に最後まで剣を振るうのを止める。
体に触れるギリギリ振るった剣は、春原の制服の背中を真っ二つにしていた。
「ちょっと待てぇぇぇぇ! 最後まで振ってるじゃないか! 嘘つくなぁぁ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
制服の背中が斬られ、春原の逞しくない尻と背中の一部は風に晒されていた。
ズボンも股間の部分が左右に切断されており、手で抑えないとずり落ちてしまう。
「やべ、お腹の痛みが尋常じゃなくなってきた」
「アルルゥ殿はどこだ!」
「そ、その前に、えーと、あ、ぼ、僕らを攻撃しないって約束しろ! いや、して下さい。」
「良いだろう……だが、事と次第によっては斬る」
(約束になってねーーよ!!)
心の中で突っ込みながら、春原は慎重に喋りだした。
「アルルゥって奴は、えと……」
「私達の仲間が保護しています」
しどろもどろに答える春原に代わり、茜が言葉を続けた。
「すぐに会わせたいですが、場所が離れているため今すぐとは言えません」
「そうだったか。ならば、案内してもらいたい」
「ぶっぃえっくしょん!」
「いえ。私達も探している人物がいます。それが終わるまでは合流できません」
「むぅ。だがなぜお主らがアルルゥ殿を」
「う、今度は腹がキリキリしてきた」
「こちらに走ってきたのを保護したんです」
「なるほど」
「つーか、痛みを通り越して快感になりつつある、って違う! 違う!」
「……その代わり、その仲間の場所をお教えします。それならば自分で会いに行けるでしょう」
「おお!」
「地図は持っていま――」
「いてぇ、マジでいてぇ」
「春原さん、黙ってて!」
「は、はひぃ」
凄みを効かせた茜の眼に、春原は沈黙してしまう。
「すまぬが、地図は置いてきてしまった。暫し待って頂きたい」
「分かりました。ここで待っていますのでお早めに」
「かたじけない! それと、いきなり斬りかかってすまなかった!」
礼を言うと、トウカと名乗る女は前の道を戻っていった。
それを見送った茜は、緊張を解いて座り込んだ。
「はぁ~。何とかなった」
「ま、僕の機転の利いた発言がなければやばかったよね……主に僕が」
別の意味で座り込んでいた春原が自慢げに語りだす。
「ま、その後しどろもどろになって危なかったけどね」
「ふゅ~ふゅ~」
トウカと違い、春原には敬語を使わない。
刺すような視線から目を逸らし、下手くそな口笛を吹く。
「でも、騙すみたいでなんだか悪い気がするわね」
「何だよ~。斬りかかって来たのはあっちなんだぜ。僕達は何も悪くないさ」
「それはそうだけど」
「もうさ、お仕置きついでに二度と会わないよう、一番端っこの方に向かわせようぜ」
「良いのかな」
「いいっていいって! あの女。中身はうっかりしてそうだから、疑わずに目指すぜ。うへへ」
「あ」
茜の顔が失敗したという表情を浮かべる。その視線の先には。
「く、く、く、く」
地図を取りに戻ったはずのトウカが剣を構えて仁王立ちしていた。
「げぇ!」
「クケーーー!!」
怒りを露に切りかかってきた。
「おわ、なんでもう戻って来るんだよ!」
「どうせならここで地図を見せてもらおうと思ったのだが、戻ってきて正解でござった!」
ゆっくりと切っ先を春原に向ける。背を向けて走り出す二人。
「某を謀った報いを受けよ! きえぇぇぇええええええええ!!」
『イャッホォォォオゥ! 国崎最高!!』
国崎最高ボタンを取り出した茜は、躊躇せずボタンを叩いた。
その音声に驚いたトウカの手元は狂い、こちらを向いた春原を斬るつもりが紙一重で避けられてしまう。
素人にしては反応が良かったが、完全に避け切れなかったため、春原の「あるもの」が切れてしまう。
同時に、強い突風が吹いて「何か」が遥か彼方へ飛び去っていく。
「い、い、い」
茜が目を背ける。
「!!」
斬ったトウカ自身も、突然現れた「それ」にショックを受ける。
「へ? あれ?」
ただ一人反応が遅れた春原は、自分自身を見下ろす。
どこも怪我していない。どこも斬れてない。うん。
でも、何か大切なものが無いような……
改めて自分を見下ろす。確かに無事だ。こうして肉眼でみても素肌は無事。あれ?
確かに無事である。何度見ても無事である。そう……生まれたままのその姿は無事だった。
「って、僕の服がねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!」
最初に前を斬られ、先程後ろを斬られた春原の制服は、繋ぎ目を失い風に飛ばされてしまった。
今や春原を守るのは、手錠と靴だけであった。立派な露出狂である。
「あ、茜さん?」
「いやぁぁぁぁあああ!! そんな汚いものをこっち向けないで!」
「ちょ」
今度はトウカの方に正面向く。
「ど、どうしてくれるんすか!?」
「ひ、ひぃ」
全裸の春原は、股間を隠さずトウカに近寄る。それにあわせて、トウカはあとずさる。
「なあ!」
「く、来るな!」
「来るなってアンタ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁんんんんんんんんんん!!」
そしてそのまま、踵を返して去っていってしまった。
「あ、あれ……はぅッ!!」
自ら立ち去ったのはありがたかったが、何か釈然としない。
と、思い出したように地面に座り込む。つられて引っ張られた茜が嫌そうに目を向ける。
「どうしたの? あッ」
腹部と尻を押さえ、大量の脂汗をかく春原を見て嫌な事を思い出した。
この男は、追われる前に重大な事を言っていた気がする。
「そ、そろそろ限界」
「待って、こんな所で嫌!」
「も、漏れる……も、ぁ」
「走るわよ! 早く!」
「アッー!!」
二人はひたすら走った。立ち止まったら悲惨な事が起こる。
もしこんな姿を警察に見られたら、ひとたまりもないだろう。
被害者である茜が一番不憫であるが、隣の全裸男に文句を言う気にはなれない。
もっとも、近くにいた本物の刑事はそんな二人に気付く事無く同じ方向を目指していた。
距離にして1km。開けたところでない森の中では、お互いを気付く事はなかった。
「う~~トイレ! トイレ!」
今トイレを求めて全力疾走している僕は、殺し合いに参加するごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば生まれたままの状態なところカナー。
名前は春原陽平。
そんなわけで全力疾走でトイレを目指しているのだ。
ふと隣を見ると、顔を真っ赤にした少女が汚物を見る目でこっちを睨んでる。
アッー! これが事の顛末さ……
【B-4の森の出口/1日目 早朝】
【春原陽平@CLANNAD】
【装備:投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式 ipod(岡崎のラップ以外にもなにか入ってるかも……?)】
【状態:全裸、瑞穂に一目惚れ、生理現象緊急指令発令中】
【思考・行動】
0:トイレを求めて全力疾走
1:手錠をどうにかしたい
2:衣類を手に入れたい
3:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
4:瑞穂を守る。
5:瑞穂と合流したい。
6:知り合いを探す
【備考】
右手首に手錠がかかっており、茜とつながれています
手錠の鎖は投げナイフ程度の刃物では切れない。銃ならたぶん大丈夫
瑞穂が自分に好意を持ってると誤解
現在靴を除いて全裸です
【涼宮茜@君が望む永遠】
【装備:国崎最高ボタン、投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式、手製の廃坑内部の地図(全体の2~3割ほど完成)】
【状態:健康 精神的に多大なダメージ】
【思考・行動】
1:手錠をどうにかしたい
2:春原をトイレにぶち込みたい
2:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
3:知り合いを探す
【備考】
左手首に手錠がかかっており、陽平とつながれています
手錠の鎖は投げナイフ程度の刃物では切れない。銃ならたぶん大丈夫
【赤坂衛@ひぐらしのなく頃に】
【装備:デリホウライのトンファー@うたわれるもの】
【所持品:支給品一式、椅子@SHUFFLE!】
【状態:トウカとの戦闘による疲労、左腿に怪我、首筋に軽い傷】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない。
1:対馬レオを連れ戻す。
2:1が達成次第、トウカとアルルゥの元に戻って一緒に人が集まりそうな場所に行く。
3:1が達成できなかった場合、昼の12時に神社へ向かう。
4:大石さんと合流したい。
5:梨花ちゃんが自分の知っている古手梨花かどうか確かめる。
【B-5 森の中/1日目 早朝】
【トウカ@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄】
【装備:舞の剣@Kanon】
【所持品:支給品一式、不明支給品0~2(本人確認済み)、スペツナズナイフの柄】
【状態:精神的疲労】
【思考・行動】
基本:殺し合いはしないが、襲ってくる者は容赦せず斬る
1:アルルゥを探し出す
2:アルルゥを探すが、見つからない場合は一度昼の12時に神社へ向かう
3:ハクオロ、エルルゥと早急に合流し守る
4:オボロ、カルラと合流、協力しハクオロ等を守る
5:先程の二人組から情報を得る
6:次に蟹沢きぬと出会ったら真偽を問いただす
【備考】
蟹沢きぬが殺し合いに乗っていると疑っています
舞の剣は少々刃こぼれしています
春原の全裸を見てショックを受けています
◇ ◇ ◇ ◇
瑞穂と少女の追いかけっこは、吊り橋まで来たところでようやく終わりを迎えた。
「待ってくれたのかしら?」
少女の目線まで屈んで、相手を警戒させないように微笑んだ。
「ね、大丈夫だから」
その言葉に、少女は逃げようか迷っていた動きを止める。そして、距離をとったままジッと瑞穂を見ていた。
飛び掛れば捕まえられない距離ではないが、そんな事をすれば少女が吊り橋から落ちかねない。
なにより、そんな乱暴な真似をしてまで追いかけようとは思わなかった。
「お話をしましょう。私は宮小路瑞穂と申します。よろしければ、お名前教えていただけるかしら?」
「ん……アルルゥ」
「アルルゥちゃん。良かったら近くでお話しませんか?」
「ん~」
しばらく悩んだ末。一歩前進しアルルゥは少しずつ喋りだした。
「おとーさん」
「え?」
「おとーさんとおねーちゃん探してる」
「アルルゥちゃんの?」
瑞穂の問いかけに元気良く頷く。
「あと、アカサカとレオも探してる」
「アカサカにレオ。その二人はアルルゥちゃんの家族かしら?」
今度は首を横に振る。
「いいひと」
「いいひとなのね」
「んふぅ~」
屈託なく笑うアルルゥに、瑞穂は安らぎを覚えていた。
「良かったら、私にお手伝いをさせて貰えないかしら?」
「?」
「アルルゥちゃんのお父さんとお姉ちゃん、それとアカサカさんとレオさん。一緒に探して良いかしら」
「いい!」
その言葉に、アルルゥは元気良く答えた。
「それじゃあ」
そういって瑞穂は手を差し出した。おそるおそる、だがしっかりと手を伸ばすアルルゥ。
「よろしくねアルルゥちゃん」
「ん。ミズホおねーちゃん良い匂い~」
握ったまま、アルルゥは瑞穂の胸に飛び込んだ。そんなアルルゥを、瑞穂は優しく抱きしめる。
昇りつつある朝日が、二人の姿を輝かせていた。
【C-6吊り橋/1日目 早朝】
【宮小路瑞穂@乙女はお姉さまに恋してる】
【装備:投げナイフ2本】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:新市街へ行き、脱出のための協力者を探す
2:アルルゥを守る
3:アルルゥの家族、それとアカサカとレオを探す
3:知り合いを探す
【備考】陽平には男であることを隠し続けることにしました。
アルルゥにも男性である事は話していません。 他の人に対してどうするかはお任せ
【アルルゥ@うたわれるもの】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(コンパス、時計、ランタン以外)、ベネリM3の予備弾(12番ゲージ弾)×35】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本:ゲームには乗らない。
1:瑞穂と一緒にいる
2:おとーさんやおねーちゃんたちと合流したい
【備考】
※状況をあまり把握してませんが、赤坂とレオ、瑞穂のことは仲間だと認識しました
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