FEG@wiki E98 攻撃

見上げると空があった。
今日の空の色は淡く雲のかかってはいたが澄んだ綺麗な青だった。
ふぅ・・・。
溜息のように軽く息を吐き、深呼吸した滋賀小助は戦いの前の静けさを一人感じていた。
澄んだ空気を吸い込み、背伸びをする。体の調子を確かめる。

緊張しているわけではない、むしろこういう場こそ自身をより良く生かす場だと考えている。
「恩返しというわけじゃない、・・・連中には世話になったからな。」
ぽつり、と一言つぶやく。
以前と何か変わったつもりは無いが、相棒には最近、あなたは丸くなりましたよ、と言われ、・・・正直うざかった。

ザッ・・・。
わざとらしい足音を立て、岩手文明が現れる。
「コーヒー、K2さんから頂きましたよ。そろそろ始まるようですね……。皆さん、忙しそうにしてましたよ」
岩手文明は両手に持ったカップの片方を滋賀に手渡す。
「そうか…」
カップを受け取り、一口だけ口をつける。
「どうかしましたか?」


イラスト:高渡

「前々から言おうと思ってたが、」
「ん?」
「意味無く、人のいるところで俺の隣りに立つな。俺の背が低く見える」

滋賀小助、別に身長なんて気にしてない。

が、前からそうだが、最近特にこいつなれなれしすぎると思っている。
小笠原の件でからかわれてから少し警戒している、というか拗ねている節がある。

岩手が軽くふきだし、(滋賀小助視点で)いやらしい笑みを浮かべる。
「意味はありますよ・・・、」
うっとうしいから煙に巻くつもりが食いつかれている。
「相棒でしょう?」

岩手のセリフは予想どうりのものだった。
「くっ!……行くぞっ!!」

滋賀小助は顔を背けて部隊が待機している場所へと足を向けた。

岩手はコーヒーを飲みながら小助のあとを追う。
「ええ、勝って、そして帰りましょう」

SS:周船寺竜郎

一面に広がる緑の大海原。それが地に生きる草花の群れなら
どんなにいいことか。違うのだ。目の前に広がるのは、
緑オーマの大軍勢なのだ。
彼らは、ニューワールドに侵攻を続け、
九州:たけきの藩国に至ってしまったのだ。
軍勢を成し、隊列を組み、緑オーマの大軍隊は
たけきの藩国に攻め入る攻撃の指示を今か、今かと
待ち構えていた。彼らの行軍歌が、九州の地に
響こうとしていた。

その圧倒的な、大軍勢の様子を丸々見える小高い丘の上、
そこに岩手・滋賀、そしてK2がいた。岩手は、閉じた目の
内に緑オーマの気配を感じ、ただそれだけで相手の人数が
いかに多いかということを知ることができた。

そして、ため息。こんなに多くの緑オーマを見ることの出来る
機会など、めったに無い。皆無、と言っていいだろう。

「K2さん、貴方はこんなに多くのアラダ達を見たことが
ありますか?」
K2と呼ばれた男性は
「白や赤もこれぐらいの人数でしたよ。」
と頷きながら、そう返した。

幸いにもこの位置はまだ敵に気づかれていない。
その油断をつき、攻撃に出る

「さて、行くか。」誰に向かって言ったわけでなく、
一人そうつぶやくと、滋賀は軽く手をふった。
その手のまわりに青い光りがきらめく。
唇の端に笑みを浮かべ、敵を見据える。
現役時代、戦場で戦った勘が戻って来る。
体調は回復し、最高に気分がいい。
体を伸ばして軽く準備体操をしながら、
これから攻撃するための作戦を考え始めた。

***作戦

オペレータ修正がある場合
≪オペレータとの連携による防御と回避≫
・オペレーターからの情報で敵の陣形が判っており、敵防御の弱い方向へ移動する
・オペレーターからの情報で敵の種別が判別しており、敵の防御に関する情報がある
・オペレーターからの情報で敵の移動ルート及び移動速度が判別しており、最適な陽動、攻撃行動が取れる
・オペレーターからの誘導で、火力を展開するのに適切な配置が行われている
・オペレーターからの誘導と地図から、最適な移動ルートがとれている
・地形情報のオペレートをうけることで、隠蔽がとれる地形が判っている
・地形情報のオペレートをうけることで、安定した攻撃姿勢が取れるポイントが判っている
・会話をすることで緊張をほぐし、リラックスした状態で行動を行える。

【地形】
≪市街地≫
・道路が整備されており、速やかに部隊展開が出来る
・街路や建物を背景として敵の姿を確認しやすい。
・隠蔽や防御に使える建築物がたくさんある。
・放置されている車両に身を隠せる。
・建物の中や、屋根の上で身を隠せる。
・移動するときは常に建物の壁を背にして敵から見えにくい位置を取る。
・建物の中に敵が潜んでいることを警戒し、身をかがめながらすばやく通過する。
・建物が壊れているので、瓦礫の山に身を隠せる。
・見慣れている風景なので異質な存在である根源種族は見つけやすい
・市街地詳細地図の存在による敵の侵攻経路・展開等の予測
・大規模な軍隊(根源種族)は市街地では侵攻展開速度が比較的鈍る
・市外には下水など地下の通路が発達しており、歩兵には移動、伏撃、包囲、離脱など様々な局面で有利である。
・入り組んだ路地は大型の兵器には邪魔でしかない為、歩兵には攻防共に有利である。
・屋内や狭い道では素早く接近でき、また距離を離されにくい
・攻撃班は市街地であることを利用し、敵を狭い路地で攻撃。攻撃面を限定することで、数の不利をカバーする。

≪市街地・歩兵系≫
・下水道や建造物内部を使って敵の側面へと移動できる
・建物などの遮蔽物を利用した待ち伏せで近距離から魔による攻撃や奇襲を行える。
・市外には下水や路地など隠蔽された通路が発達しており、歩兵には移動、伏撃、包囲、離脱など様々な局面で有利である。
・入り組んだ路地は大型の兵器には邪魔でしかない為、歩兵には攻防共に有利である。
・ゲリラ戦がしやすく、奇襲や敵側面を取る事が容易
・少人数ゆえゲリラ戦時に相手に気取られにくい為奇襲を掛けやすい。
・魔を召喚しやすいような場所を確保。
・身振りを行う事になるので足場に気をつける

≪山林≫
・周囲の森や林、くぼ地に身を隠す
・土や枝、葉っぱをかぶせて偽装する。
・枝葉などを使って偽装するときはなるべく自然な模様になるようにする。
・偽装に使う植物はその土地の気候にあったものを選び、定期的に交換する。
・森林の模様をした迷彩服を着る。
・偽装用ネットを使う。
・皮膚に擬装用のペイントを施したり、どろやすすをつかって迷彩を施す。
・歩兵による伏撃が可能
・木々を遮蔽として身を隠す事が出来る
・木々や凹み地に伏せて衝撃を緩和
・密度の高い森林地の場合、大型機はつっかえるため行動の邪魔が出来る
・歩兵ならば小さいので、活動に支障がない
・木に登る事で上から攻撃することが出来る
・下生えや木の根、木の洞などに身を隠す事で防御効果が期待できる
・高低差、木々により入れる戦力に限りがあるため、敵戦力の選別を行える。・機動力はあまりないが歩兵であれば、この地形でも踏破可能。

≪段々畑≫
・通常の滑らかな丘陵地帯と違い、段があるために彼我に高低差がある場合(ない場合でも一応)遮蔽として利用できる。
・畑(水田)は土が軟らかく、またはぬかるんでいるため自重で沈み動きが取りづらくなる。
・自重の重い敵は大幅に動きが制限される。
・足場の悪くなることを嫌い、あぜ道を通ってくる敵は一直線になるため射撃の的にしやすい。
・作物が育っている状態では茂みとなるため隠れることができる
≪山≫
・岩石の崩落や雪崩に気を付ける。または、それを利用して攻撃する。
・河川の上流で土砂崩れがあった場合、下流は危険なので避難する。逆に敵を下流に追いやる。
・足跡から部隊の人数を悟られないようにするため、泥や湿地などでは、後ろの者が前の者の足跡の上を歩く。

【装備】
<全般>
・飲み物:喉の渇きは発声に良くない影響を与える為、喉と疲労に良いハチミツレモンを用意する。

【体術】
<事前準備>
・事前に簡易的な防壁を生成・展開しておき、タイミングによって瞬時に発動できるようにしておく。 
・魔法や呪文、詠唱に関する知識を習得しておく。 
・呪文の詠唱に習熟しておき、戦闘中に的確に召喚を行えるようにする。
・二人揃っていないと魔を呼び出すことができないので、バラバラにならないようにする。
・精霊回路の手袋はあらかじめつけておく。

<召喚時>
・相手を狙う際ははっきりと目を見開き、相手を見据える。
・持ち前の知識や冷静さで視野狭窄に陥ることなく、客観的に判断する。 
・魔によって敵の視覚を混乱させたり、敵部隊の注意を引きつける。 
・敵全体、あるいは一部を狙うなど状況に応じて効果範囲を使い分ける
1、敵部隊の一部を狙う際は魔の攻撃を収束して当てるようにする
2、敵の動きを止めたいときは魔を分散させて当てるようにする 

<詠唱の集団戦術>
・魔を使う時は互いの力を同調させることで魔の効果を高める。
・召喚後は立ち止まらず、陣形の配置のまとまりごとと移動して次の攻撃に備える。
・それぞれが連携しタイミングを合わせて攻撃を開始、カバーしあう。

<詠唱補佐>
・詠唱戦時の情報伝達には口述を使えないので、身体言語をうまく使う。たとえば、仲間にある方向の敵を攻撃するよう命令する場合
1、指や視線で方向を示す。
2、ハンドシグナル。
・詠唱の途中で邪魔されないように、歩兵その他でガードする。
・橋など目立つ建物を爆砕、敵にこちらの規模を過大評価させる。
・とにかく弾幕を張り、相手を拘束する。
・常に動きまわり、位置を特定されないこと。

【白兵】
【陣形】
・敵に対して多数で攻撃することを前提とし、敵1体に2人以上で攻撃できるようにポジションをとる。
・敵に後ろを取られないように味方同士でお互いに背中を守る。 
・敵の後方に回り込むように動き、攻撃する。敵が正面を向いている時は隠れるか逃げる。これを繰り返して誘導する。
・全体としてひとつの方向に誘い込むのだが、そうと悟られないように陣形を組む。

≪歩兵など≫
・攻撃班は可能なら友軍の攻撃から隠れている敵を側面、背面から奇襲する。

【体術】
≪全般≫
・オーマの防御系絶技に対して耐久力を越える火力の集中を行い突破を目指す
・間断無く攻撃し続けることで相手の消耗を狙う
・魔を利用して相手の体勢を崩す。
・フェイントを交えて相手の防御を崩してから攻撃する。
・相手の目線、体捌き、ポジションから間合いや攻撃のタイミングをはかる。
・目や鼻、こめかみ、あご、首、喉、鳩尾を狙って攻撃する。
・敵の急所を積極的に狙い、突いたり目潰しする。
・攻防の流れの中で相手の無防備な部分を見極めて肘や膝で打つ。
・相手の懐に飛び込む際は防御を意識しつつ相手の急所を狙って突く。
・相手が飛び込んできた際は体全体を攻撃線からはずして防御する。
・相手の打撃が来た場合、銃や杖、刀など手持ちの装備を使って防御する。
・相手の攻撃の軌道を見極め、上段・中段・下段受けを状況によって使い分ける。
・攻撃を受けた際は相手の近くから離脱するか、攻撃を続行するかを選択する。
・反撃の際は防御したら即座に突く、蹴る、打つなどして攻撃する。
・初撃で相手の動きを止めた後、続けて突き・蹴りなどで攻撃を続ける。
・基本的な攻撃の技術を応用し、連続して技を繰り出すようにする。
・相手が前に進んでくる勢いを利用し、脚を払ってバランスを崩し、次の攻撃につなげる。
・力がない者は敏捷性・スピード・タイミング・バランス感覚を最大限に利用する。
・単純なスピードだけでなく、攻守のタイミングを常に意識する。
・一度に倒しきれないほど多数の敵は、前衛の負荷を超えない範囲で、少しずつおびき出して倒す。
・打突に体重を乗せるためには脇を締め、腰の回転を意識する
・力みすぎないよう心がける(動きに柔軟性がなくなるから)
・相手の勢いを意識する
・相手との間合いを意識する
・自分にとってベストの間合いで戦うことを意識する
・決めたと思っても気を抜かない
・打撃を行うさい、姿勢が崩れるほどの体重をかけないこと
(体が流れるため、打ち終わりに自分の姿勢が崩れるため)
・即座に行動できるよう自身の姿勢を意識し、常に維持すること
・打撃は、相手に当たったらすぐに引く(姿勢維持と打撃力が上がるという効果がある)
・合図を使って連携して動く
・ターゲットの選定は武術の心得がある者が行う

≪打撃≫
・状況によってアッパーカットや手刀、拳槌、肘打ち、膝蹴りを使い分ける。
・突く際は全体重を乗せて、相手の体の向こう側を意識して打ち抜く。
・状況に応じて横蹴り、前蹴り、回し蹴りなど蹴りの種類を変える
・回し蹴りを打つ際は脚、膝、腰の力を利用し、上半身でバランスをとりながら相手に全体重を叩き込む。
・蹴るときは踵、つま先、脛など状況によって蹴りに使う部分を変える。
・打撃の種類
基本突き:脇を絞り、真っ直ぐ拳を突き出す。上半身の力だけでなく体重移動や腰の回転を意識し体重をかけて打つ。
上段突き:胸やノド、頭部を狙う。頭部は特に目、鼻、こめかみ、あごなど急所が集中しているので効果が高い。
中段突き:相手の胴体のど真ん中=鳩尾を中心に狙う。鳩尾にまともに打撃が入ると内臓へ衝撃が伝わって立っていられなくなる。
裏拳:手の甲でスナップを利かせて打つ。顔面など比較的もろい部分を狙う。
拳槌:握った拳を振り下ろしたり、体を回転させるようにして打つ。
肘打ち:人体の中でも硬い肘を使い、相手を打つ。全体重をかけて相手の弱い部分を狙う。
上段蹴り:下半身のばねを使って脚を振り上げ、上半身のバランスをとりながら相手の頭部を蹴る。
中段蹴り:相手のわき腹、みぞおちを狙う蹴り。相手の状況で前蹴りや回し蹴りを使い分ける。
下段蹴り:膝や足の甲を使って相手の太もも周辺めがけて蹴りこむ。足をつぶして立てなくしたり、素早さを封じたりできる。
前蹴り:片足を上げて抱え込み、体重を乗せて真っ直ぐ蹴りこむ。
・CQCに属する現代の戦闘技術(フェアバーン・システム、無音殺傷、クラヴ・マガetc)を応用する

≪歩兵など≫
・戦闘時は声を出さないこと(叫んだりしない)。ただし、要救助者への呼びかけや、緊急の事態はこの限りではない。
・隠れつつ展開。敵集団内に煙幕弾を投じて距離を詰める
・少数であっても、戦闘時には敵より多い数で攻撃できるよう、連携を密にとりゲリラ的に撃破。


頭の中で立てた作戦に基づいて、シミュレーションを行い、
攻撃手順を再考してから顔をあげ、もう一度敵を見渡す。
相変わらずの緑の海に変化が現れるのが見えた。
滋賀のリューンを感じだ緑オーマのアラダ達がこちらに
やってくる……。いよいよ戦いだ。

相棒の岩手もまた同じようなことをしていた。
作戦の中で、実行できそうなもの、必要不可欠なものを
しっかりと頭に刻み、手順を反復し、それから顔を上げ、
閉じた瞳のまま、敵集団を見る。



「数が多いな」


「わざわざ目を開く必要は無さそうですが。まあ多少は大変ですね。」

微笑む岩手。
そんな二人の下へどこからか声が届く。

「ここに応援」

その声は、すぐ近くから聞こえるようでもあり、
遥か彼方の遠くから聞こえるようでもあった。
その声は滋賀の攻撃の後押しをしてくれた。

その姿を見て岩手は柔らかに微笑み、顔も知らない誰か達に
感謝を唱えてから、敵陣に向かい、手を振り上げた。

イラスト:高渡


イラスト:あやの

SS:かすみ
作戦:作戦ライブラリ&サーペント&川原雅
編集者:高渡