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よくある質問をまとめたページです。 #region #contents #endregion ↑をクリックするとこのページの一覧が開きます。 *ゲーム中の動作関するQ&A ****&font(blue){Q.プレイ中、画面がグラグラ動いて気持ち悪い} &font(red){A.プレイ中にF5を数回押せば直ることがあります} ****&font(blue){Q.○○○のソフトが動かない} &font(red){A.最低限、全ての設定を試して見ましょう。}  グラフィックプラグイン2種(その中のOP変更も)や  CPUの設定変更等の違いだけでも変わる場合があります)  また、特定箇所でのフリーズ等はパッチで解消できる可能性が高いです。  恒久的な不具合はエミュのVerUPを待ちましょう(一部分表示不可や起動不可・再生不可など) ****&font(blue){Q.ステートセーブ(クイックセーブ)出来ないんですけど?} &font(red){A.r8xx以降、SSSPSX PAD Pluginを使用していると落ちます} ・古いPCSX2を使用するか他のPAD PLUGINを使用してください ・LilyPAD(r914) PCSX2(r967) OS:Vista x64でステートセーブ、ESC共に100%クラッシュ。LilyPADのKeyboardAPIをWindows messaging(デフォ)>Raw inputに変更で不具合回避できた ・LilyPAD(r930) PCSX2(r967) OS:Vista x64で、ESC時に100%クラッシュ。コンパネ>地域と言語のオプション>キーボードと言語タブのキーボードの変更>テキストサービスと入力言語の全般タブの追加一番したの日本語(既定)をチェックしてok>既定の言語で追加した「日本語(日本) - 日本語」を選んで適用>OK>PC再起動 ****&font(blue){Q.ゲームによって、パッドが正常に動かないことがあるよ?} &font(red){A.JoyToKeyを使いましょう。} 現時点でJoyPadのプラグインは動作が完全でないことが多い。 モンハン然り、虫姫さま然り。 キーボードプラグイン使ってJoytoKeyを用いた方がいい アナログスティックには対応してないけど不具合が少ない。 ****&font(blue){Q.FF10の開始直後のOPで台詞がループし止まる。} &font(red){A.初期ロットのJP版ソフトだとなります。}  パッチで飛ばそうと思えば飛ばせるが、その後も様々な場所で発生する。  後期ロットやインター版などでは正常にプレイ可能。 (0.9.4では初期からパッチが同封され解消) ****&font(blue){Q.音ゲーをやりたいが音楽と表示がずれる} &font(red){A.基本的には音ゲーは無理です。}  SPU-XであればLatencyという項目を限りなく小さな値にすることで、  ある程度音楽と表示を近づけることができます。  ZeroSPUではRealTimeModeのオプションがあり、これをチェックすることで  こちらもなるべく近い状態になります。  ただいずれも完全に一致させることができるわけではありません。  エミュレータの性質上、音をクリアに合成するためにはある程度の時間の音データを  受けた後合成を行います。このある程度の時間がSPU-XのLatencyの時間ですが、  これが小さくなりすぎるとノイズが発生してしまいます。  NTSCの場合1フレームは約16msなので、これよりもおおきな遅延がある場合は  どうころんでも表示と音が一致しているように見えないということになります。 ****&font(blue){Q.無双シリーズでMIXJOY(ディスク入れ替え)ができない} &font(red){A.特殊ビルドを使用する。} この特殊ビルドを使うと問題なくディスクの入れ替えができるようになる。 ↓の URLからダウンロードした exeファイルを安定版の v1.6.0に上書きするだけ。 https://github.com/fldef/pcsx2-fldef/releases/tag/v1.6.0-swapfix-3 *PCSX2に関するQ&A ****&font(blue){Q.「このアプリケーションの構成が正しくないため、アプリケーションを開始できませんでした。…」が表示されてPcsx2が起動しない。} &font(red){A.Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ】をインストールしてください。} Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ http://www.microsoft.com/Downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=a5c84275-3b97-4ab7-a40d-3802b2af5fc2 ****&font(blue){Q.サウンドプラグインがエラー出て起動できない} Failed to init XAudio2 engine. XA2 may not be available on your system. Ensure that you have the latest DirectX runtimes installed, or use DirectC / WaveOut drivers instead. Error Details: (code 0x80040154) Unknown error code! &font(red){A.2月5日付けのDirectXエンドユーザーランタイムを入れろ} http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=2da43d38-db71-4c1b-bc6a-9b6652cd92a3 ****&font(blue){Q.新GUIでフレームリミットができなくなってるんだけど?} &font(red){A.pcsx2.iniを以下に変更してください} [EmuCore/Video]にあるEnableFrameLimiting=disabledをEnableFrameLimiting=enabledに変更して保存 もしくはGSdx.iniのvsync=1 の状態でGSdx.iniのファイル属性ReadOnlyにしたらリミットかかるようになった fpsを制限出来るソフト GSD BBS reader http://mosax.sakura.ne.jp/fswiki.cgi?page=GSD+-+BBS+reader これで調整してやったほうが楽かもしれない。 F4キーでリミットがかかるのでこちらがおすすめ。 ****&font(blue){Q.file could not be created or opened.が表示されてPcsx2が起動しない} &font(red){A.フォルダ名やファイル名に全角文字を使わない} 0.9.6以前のPcsx2とはpcsx2.iniに互換性がないので別のフォルダを作成することをお奨めします また、ユーザーアカウント名に全角文字を使用しているとマイドキュメントのフォルダ名に全角文字が含まれますので同様の結果になります ****&font(blue){プラグインの設定が保存されない} &font(red){A.フォルダ名やファイル名に全角文字を使わない} フォルダ名に全角文字を使っていたり、ユーザーアカウント名に全角文字を使用しているとマイドキュメントのフォルダ名に全角文字が含まれます 初期設定でマイドキュメントを指定するときは注意してください ****&font(blue){Q."Please update DirectX"というエラーメッセージが出て起動しない、プラグインが設定できない、d3dx10_40.dllが見つからない等} &font(red){A.DirectXを更新してください。DirectX10/9.0cを入れてあっても中身が古いとこのエラーが出ます↓} DirectXの最新バージョンは10/9.0cですが中のファイルは更新され続けています。このエラーが出る時はVer番号は最新だが中身が古くなっているという状態なので、以下のリンクから改めて最新版をダウンロードして下さい。 DirectX End-User Runtime Web Installer(インストーラーが最新のファイルに更新してくれます。) http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=2da43d38-db71-4c1b-bc6a-9b6652cd92a3 Vistaで「内部システムエラーが発生しました。WindowsフォルダにあるDXError.logとDirectX.logを参照して、問題を分析してください。」と出る場合は http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=886acb56-c91a-4a8e-8bb8-9f20f1244a8e&DisplayLang=ja ****&font(blue){Q.PCSX2で使えるチートツールないの?} &font(red){A1.本体内蔵のチート機能}  使い方については[[チート]]を参照。 いちいち専用の形式に書き換える必要がある上に先頭が「0」(復号化すると「D」)のコードのような事、例えば特定のボタンを押した時だけ効果が出るようなコードが使えないので微妙。 どうしても本体だけで完結したい物好きでもなければ素直に以下に挙げるソフトを使った方が良い。 &font(red){A2.emuhaste}  http://i486.mods.jp/ichild/download/emulator-cheet-program-emuhaste(v4.02)  本体内蔵よりは使い勝手がいい。 PARのコードを使う場合は復号化の必要がある。 同梱のコード処理エンジン(ps2par_mfc.dll)は対応していないコードが非常に多くそのままだと微妙。 上の配布先で一緒に配布している別バージョンのPS2PARエンジンを導入することで補える。 ただし、その別バージョンのエンジンはバイトコピーコード(先頭が「8」(復号化すると「5」)のコード)の実装が間違っているようなので注意。(同梱のソースから判断しただけなので実際は動くかもしれない) 他のコードもいくつか実装が間違っているようなので、以下の二つのどちらかを使った方が良いかもしれない。 &font(red){A3.PCSX2CT} https://u7.getuploader.com/bazina/download/12 暗号・生形式の両方とも使えてさらにメモリサーチ等もできる最高なツール。 ↑や↓のものと違いコードにコード名をつけて登録できそれぞれオンオフできたり、保存したコードファイルをアタッチ時に自動で読み込んだり等便利な機能が揃っていて至れり尽くせり。PCSX2向けチートツールとしての使い勝手は一番いい。 ただしこちらも先頭が「8」(復号化すると「5」)のコードが動かない(対応コード一覧にはあるけど駄目)。実行するとPCSX2CTがクラッシュしてしまうのである意味上のものより酷いかもしれない。 配布元が既に消滅しているので使いたい場合は探す必要がある。 ※Vista/7で使う場合、環境によっては「管理者として実行」する必要あり。 &font(red){A4.MECC} http://tyakata.com/  こちらも暗号・生形式両方使えてサーチもできる。サーチ機能はこちらの方が上。 こちらはPS2PARで使えるコードなら全て対応しているようなので、上の二つで対応していない先頭「8」のコードが使いたいならこれ。 ****&font(blue){Q.PCSX2のメモリーカードに拾ってきたセーブデータ入れる方法は?} &font(red){A.PSUをPCSX2のカードイメージに直に書き込むならmymc} http://www.csclub.uwaterloo.ca:11068/mymc/index.html 書き込む時にファイルの選択はできないけど後から消せる ・PCSX2のカードイメージを選択 → 抽出したいファイルを選んでExport ・PCSX2のカードイメージを選択 → Importで入れたいPSUデータを選ぶ  → 入れた後でいらないデータをDelete VC++ .NET ランタイムをインストールすることをお忘れなく。 ランチャのPS2Lunchを使う場合は指定フォルダにコピーすれば勝手に取り込まれる。 http://www.geocities.jp/can_you_digit_sukka/PS2lunch.html (リンク切れ) ****&font(blue){Q.そもそもPS2のセーブデータをPCに吸い上げるにはどうすれば?} &font(red){A.uLanchELFなどのファイラを使う } ただし起動するのに「PS3用メモリーカードアダプター(2013年製造終了)」か「Swap Magic」のどちらかが必要。 具体的な方法はあちらのwikiを参照。 ****&font(blue){Q.XBOX360パッドでの設定がうまくいかない} &font(red){A.LilyPadを使ってみる } ・Vert Axis(垂直)を押してスティック↑を入力、Horiz Axis(水平)を押してスティック→を入力する。(公式/非公式x360cにて確認) ****&font(blue){Q.USBゲームパッドで振動設定がよくわからない} &font(red){A.LilyPadの1P 右下 Add Force Feedback Effectから設定できる } Big Motor(右モーター)をConstant Small Moter(左モーター)をSquare Wave 左右とも Xaxis Yaxis にチェックを入れる。 スライダーで振動の強さを調節。 Testボタンを押してもモーターが振動しない場合はUSBコンバータ・USBゲームパッドのドライバソフトを導入する。 ****&font(blue){Q.ボタンのアナログ(感圧)入力には対応している?} &font(red){A.LilyPadは対応しています} ゲームパッド側がアナログ入力に対応していればそのまま検知します。 例えばXBOX360コントローラーのLTRTをL2R2に割り振るとちゃんと押した具合で認識されます。 DualShock 3があるなら [[ScpToolkit>https://forums.pcsx2.net/Thread-ScpToolkit-XInput-Wrapper-aka-ScpServer-Reloaded]] をインストールし、[[こちらの手順>https://github.com/nefarius/ScpToolkit/wiki/Pressure-sensitivity-in-PCSX2]]に従ってプラグインを導入することで全ボタンの圧力をちゃんと検知してくれるようになります。 DS3が無い場合でも、設定でSensitivityを適当に下げることで押し具合を調節できるので、ゲームの進行に絶対に必要だけど常時使うわけではないのであればこちらでも十分でしょう。 ****&font(blue){Q.w32pthreads.dllってどこにあるの?} &font(red){A.skydriveのパッケージに入ってる} pthreadVC2.dllをリネームしてもいい ****&font(blue){Q.VMってなにさ?} &font(red){A.VMとはVirtual Memory buildの略}  VM版はSSE2対応CPU必須。 今時のPCは普通対応しているし、PCSX2自体も現行バージョンはVM版のみなので、骨董品みたいなPCや古いバージョンをわざわざ使うときでもなければ気にしなくていい。 ****&font(blue){Q.64MBのメモリーカードは使えますか?} &font(red){A.ゲームによっては使えます} 64MBのメモリカード http://www29.atwiki.jp/emups2/pub/specialbuild/64memory.zip 8MBから64MBにコピーしても壊れて使用できないことがある為に 8MBのメモリカードは削除しないことをお奨めします *PCに関するQ&A ****&font(blue){Q.CPU・GPUどちらを増強しようか迷ってるんだけど} &font(red){A.場合により異なります} ボトルネックの簡単な判別法としては、GSdxのD3D internal resをネイティブにしてfpsが上がるならボトルネックはGPU、上がらないならボトルネックはCPUです。もちろんゲーム毎に違うので、いろいろなゲームを試してどちらの増強がより効果的か判断しましょう。 買い替えるとすれば、 CPUならデュアルコアの3.0GHz以上 GPU (GeForce) ならシェーダー数が100以上 (Radeonなら500以上) が目安です。 [[必要なPCのスペック]]を参考にしましょう。 増強の他にも、OCという選択肢もあります。 CPUのOCはFPSの上昇がダイレクトに現れますが、GPUのOCは効果が現れにくいです。 しかしGPUを変えることでCPUのOCでは効果が出なかった場所でのFPSが改善・全体的にFPSが安定する事があります。 CPUとGPUはどちらも重要なので、メモにある検証結果などもよく読み判断しましょう。 またスレで意見を聞く時は必ず自分のスペックも公開しましょう。 CPUがネックだったからCPUを変えても効果が薄かったぞ!・GPUがネックだったけど略、という事もありますが、 ソフト・PCSX2の使用状況・エミュレートの状況諸々により、その時どれが本当にネックになっているのか確実な答えを出せる人間はいません。 最終的には自己判断、二の舞を演じることがないように情報交換をしていく事も大切です。 ****&font(blue){Q.Kaspersky7を入れるとVM版が動かない(英語・日本語共通)} &font(red){A.Kaspersky7のアンチダイアラーが0x30000000を占有しているためです。}  アンチダイアラを使わないなら、プライバシーコントロールで  アンチダイアラーのチェックをはずした後、サービスのセルフディフェンスのチェックを外し  インストフォルダにある「adialhk.dll」をリネームしてしまえばVM版を使えるようになります。  なお、リネーム後はセルフディフェンスのチェックを再度入れてください ****&font(blue){Q.8GBメモリを積んでるのにメモリー不足で落ちる。} &font(red){A.Build1.2.1現在アプリケーションメモリ拡張が無効になっているためです。} PEヘッダに4GT対応を表明するIMAGE_FILE_LARGE_ADDRESS_AWAREビットフラグを立てなければなりません。 https://ntcore.com/?page_id=371 をダウンロード、解凍して解凍後の4gb_patch.exeにpcsx2本体をD&DしてあげればOKです。 ****&font(blue){Q.PCでエミュできるようになったんだから、PS3でもできるようになるんじゃ?} &font(red){A.先のことは分かりませんがおそらく3Dでまともに動作するようになるには数年かかると思われます。} 理由はPCとPS3(コンシュマー機)ではCPU/GPU等の回路設計が違うためです。 ゲームのプログラミング結果のテスト動作はPS3ベースの設計専用ハードウェアにデータを転送して 行っているため開発およびデバッグが出来るのです。 現在でもPS2のソフトウェアで安定して60fpsが出せないゲームが存在するのはそのためです。 ※ゲーム側でFPS制限を行っている場合を除く。 #co(){ #region &font(red){A.不可能ではないだろうけど...} GSのメモリバスが2560bitで、帯域が48GB/sもあるから、という理由がよく挙げられる。しかし、これは理由としては適切ではない。 GSのピクセルパイプラインは16本あり、150MHzで動作するため、フィルレートは2.4Gpixels/sである。確かに48GB/sという帯域幅は、GSが「常に」2.4Gpixels/sというフィルレートを維持するのに必要な数字である。つまり、1クロックあたり (64bitピクセルデータの読み込み+32bitテクスチャデータの読み込み+処理後の64bitピクセルデータの書き込み) のメモリアクセスを16並列で行い、150MHzで動作するため、 (64+32+64)*16*150 = 384000 (Mbps) = 48000 (MB/s) という計算だ (ピクセルデータの64bitは32bit color+32bit depth)。 ただし、これはピーク時に必要な帯域であるので、実際にどの程度のフィルレートが必要なのかを考えてみる必要がある。例えばPS2で標準的な640x480の解像度の場合を計算してみると、 640*480*60(fps) = 18432000pixels/s = 18Mpixels/s となり、GSの限界である2.4G pixels/sには遠く及ばない。 では、2.4Gpixels/sという値がそもそもオーバースペックだったのか、というとそういうわけではない。通常、1ピクセルを処理するためにピクセルパイプラインは複数回動作する。これはマルチパスレンダリングと呼ばれ、様々な画面効果を演出するために必要である。PS2のGSは、ハードウェアの世代としてはシェーダ以前、つまり固定機能のピクセルパイプラインであり、プログラマブルではない。また、マルチテクスチャもサポートしていない。そのため、1パスのレンダリングで行える演算は限られており、リッチな画面効果の演出には、1フレームに対し多くの回数のレンダリングを行う手法がとられていた。ピークの2.4Gpixels/sという値は、VGA解像度でおよそ130回ほどマルチパスレンダリングを行える計算である。PS2のゲームは、この事実上無限とも言えるマルチパスレンダリングを活用する事により、様々な画面効果を演出している。 一方、シェーダ以降のピクセルパイプラインでは、考え方が全く異なる。ピクセルパイプラインが固定機能だった時代にはマルチパスレンダリングといういわば「重ね書き」でしか表現できなかった効果が、シェーダープログラミングという全く別のアプローチで可能になったからだ。固定機能ピクセルパイプラインの世代では、フィルレートの増強とともにメモリ帯域をリニアに増やす必要があったが、ピクセルシェーダ世代では、ピクセルパイプラインあたりのピクセル演算性能(=プログラマビリティ)を増やすことが重要になり、これはすなわちメモリアクセス性能とフィルレートのリニアな関係が崩れた事を意味する。 以上の説明で、GSのeDRAMの帯域と、PS3のRSXを含む昨今のGPUのVRAM帯域とでは、全く話が異なる事が理解できるだろう。実際、現在のハイエンドクラスのPC用GPUは、フィルレートに関してはGSよりも一桁以上高い性能を持っている。しかし、メモリ帯域に関してはせいぜい数倍止まりである。つまり、フィルレートとメモリ帯域幅がアンバランスなのはRSXに限らずシェーダ世代のGPUには一般的なことであり、性能の足枷にはならない。 更に言えば、GSのeDRAMは4MBと少ない。しかも、RSXを含むPC用のGPUとは異なり、GS自体は圧縮されたテクスチャデータをサポートしない。圧縮テクスチャを使うにはメインメモリ上にあるデータをIPUを用いて展開し、GSに転送する必要があるため、非効率だ。このため、テクスチャデータを多用すればするほど4MBという容量が足枷となり、GSのピーク性能を維持するのは困難になる。 PS2エミュレーションにはPS3の性能は不十分、という事自体は誤りではないだろう。しかしこれはRSXのメモリ帯域が足りていないから、などという話ではなく、Cellを含めPS3全体の処理能力が不足しているのが原因だろう。Cellはマルチスレッド・ベクトル方向に性能を振ったアーキテクチャであり、シングルスレッド・スカラ性能が特に重要なエミュレーションには向かない。 もっとも、Sonyがエミュレーションを諦めてしまったのは、性能よりはむしろ互換性が原因であろう。欧州では実際にソフトウェアエミュレーションによるPS2互換機能付きのPS3(※)が発売されているが、互換性はEE+GSを搭載したものに比べて非常に低かったという。つまり、性能云々以前に、合理的な期限のうちに互換性を十分なレベルにまで引き上げるのは困難で、(Sony的には)すでに過去のものとなったプラットフォームのためにこれ以上の開発リソースを割くのは無駄であると判断された結果であろう。 ※EEのみ、グラフィック処理に関しては代替LSIを使用 #endregion }
よくある質問をまとめたページです。 #region #contents #endregion ↑をクリックするとこのページの一覧が開きます。 *ゲーム中の動作関するQ&A ****&font(blue){Q.プレイ中、画面がグラグラ動いて気持ち悪い} &font(red){A.プレイ中にF5を数回押せば直ることがあります} ****&font(blue){Q.○○○のソフトが動かない} &font(red){A.最低限、全ての設定を試して見ましょう。}  グラフィックプラグイン2種(その中のOP変更も)や  CPUの設定変更等の違いだけでも変わる場合があります)  また、特定箇所でのフリーズ等はパッチで解消できる可能性が高いです。  恒久的な不具合はエミュのVerUPを待ちましょう(一部分表示不可や起動不可・再生不可など) ****&font(blue){Q.ステートセーブ(クイックセーブ)出来ないんですけど?} &font(red){A.r8xx以降、SSSPSX PAD Pluginを使用していると落ちます} ・古いPCSX2を使用するか他のPAD PLUGINを使用してください ・LilyPAD(r914) PCSX2(r967) OS:Vista x64でステートセーブ、ESC共に100%クラッシュ。LilyPADのKeyboardAPIをWindows messaging(デフォ)>Raw inputに変更で不具合回避できた ・LilyPAD(r930) PCSX2(r967) OS:Vista x64で、ESC時に100%クラッシュ。コンパネ>地域と言語のオプション>キーボードと言語タブのキーボードの変更>テキストサービスと入力言語の全般タブの追加一番したの日本語(既定)をチェックしてok>既定の言語で追加した「日本語(日本) - 日本語」を選んで適用>OK>PC再起動 ****&font(blue){Q.ゲームによって、パッドが正常に動かないことがあるよ?} &font(red){A.JoyToKeyを使いましょう。} 現時点でJoyPadのプラグインは動作が完全でないことが多い。 モンハン然り、虫姫さま然り。 キーボードプラグイン使ってJoytoKeyを用いた方がいい アナログスティックには対応してないけど不具合が少ない。 ****&font(blue){Q.FF10の開始直後のOPで台詞がループし止まる。} &font(red){A.初期ロットのJP版ソフトだとなります。}  パッチで飛ばそうと思えば飛ばせるが、その後も様々な場所で発生する。  後期ロットやインター版などでは正常にプレイ可能。 (0.9.4では初期からパッチが同封され解消) ****&font(blue){Q.音ゲーをやりたいが音楽と表示がずれる} &font(red){A.基本的には音ゲーは無理です。}  SPU-XであればLatencyという項目を限りなく小さな値にすることで、  ある程度音楽と表示を近づけることができます。  ZeroSPUではRealTimeModeのオプションがあり、これをチェックすることで  こちらもなるべく近い状態になります。  ただいずれも完全に一致させることができるわけではありません。  エミュレータの性質上、音をクリアに合成するためにはある程度の時間の音データを  受けた後合成を行います。このある程度の時間がSPU-XのLatencyの時間ですが、  これが小さくなりすぎるとノイズが発生してしまいます。  NTSCの場合1フレームは約16msなので、これよりもおおきな遅延がある場合は  どうころんでも表示と音が一致しているように見えないということになります。 ****&font(blue){Q.無双シリーズでMIXJOY(ディスク入れ替え)ができない} &font(red){A.特殊ビルドを使用する。} この特殊ビルドを使うと問題なくディスクの入れ替えができるようになる。 ↓の URLからダウンロードした exeファイルを安定版の v1.6.0に上書きするだけ。 https://github.com/fldef/pcsx2-fldef/releases/tag/v1.6.0-swapfix-3 *PCSX2に関するQ&A ****&font(blue){Q.「このアプリケーションの構成が正しくないため、アプリケーションを開始できませんでした。…」が表示されてPcsx2が起動しない。} &font(red){A.Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ】をインストールしてください。} Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ http://www.microsoft.com/Downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=a5c84275-3b97-4ab7-a40d-3802b2af5fc2 ****&font(blue){Q.サウンドプラグインがエラー出て起動できない} Failed to init XAudio2 engine. XA2 may not be available on your system. Ensure that you have the latest DirectX runtimes installed, or use DirectC / WaveOut drivers instead. Error Details: (code 0x80040154) Unknown error code! &font(red){A.2月5日付けのDirectXエンドユーザーランタイムを入れろ} http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=2da43d38-db71-4c1b-bc6a-9b6652cd92a3 ****&font(blue){Q.新GUIでフレームリミットができなくなってるんだけど?} &font(red){A.pcsx2.iniを以下に変更してください} [EmuCore/Video]にあるEnableFrameLimiting=disabledをEnableFrameLimiting=enabledに変更して保存 もしくはGSdx.iniのvsync=1 の状態でGSdx.iniのファイル属性ReadOnlyにしたらリミットかかるようになった fpsを制限出来るソフト GSD BBS reader http://mosax.sakura.ne.jp/fswiki.cgi?page=GSD+-+BBS+reader これで調整してやったほうが楽かもしれない。 F4キーでリミットがかかるのでこちらがおすすめ。 ****&font(blue){Q.file could not be created or opened.が表示されてPcsx2が起動しない} &font(red){A.フォルダ名やファイル名に全角文字を使わない} 0.9.6以前のPcsx2とはpcsx2.iniに互換性がないので別のフォルダを作成することをお奨めします また、ユーザーアカウント名に全角文字を使用しているとマイドキュメントのフォルダ名に全角文字が含まれますので同様の結果になります ****&font(blue){プラグインの設定が保存されない} &font(red){A.フォルダ名やファイル名に全角文字を使わない} フォルダ名に全角文字を使っていたり、ユーザーアカウント名に全角文字を使用しているとマイドキュメントのフォルダ名に全角文字が含まれます 初期設定でマイドキュメントを指定するときは注意してください ****&font(blue){Q."Please update DirectX"というエラーメッセージが出て起動しない、プラグインが設定できない、d3dx10_40.dllが見つからない等} &font(red){A.DirectXを更新してください。DirectX10/9.0cを入れてあっても中身が古いとこのエラーが出ます↓} DirectXの最新バージョンは10/9.0cですが中のファイルは更新され続けています。このエラーが出る時はVer番号は最新だが中身が古くなっているという状態なので、以下のリンクから改めて最新版をダウンロードして下さい。 DirectX End-User Runtime Web Installer(インストーラーが最新のファイルに更新してくれます。) http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=2da43d38-db71-4c1b-bc6a-9b6652cd92a3 Vistaで「内部システムエラーが発生しました。WindowsフォルダにあるDXError.logとDirectX.logを参照して、問題を分析してください。」と出る場合は http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=886acb56-c91a-4a8e-8bb8-9f20f1244a8e&DisplayLang=ja ****&font(blue){Q.PCSX2で使えるチートツールないの?} &font(red){A1.本体内蔵のチート機能}  使い方については[[チート]]を参照。 単純な書き込みだけでなくバイトコピーや条件判断コードなども使えるが、いちいち専用の書式に書き換える必要がある。 数値を書き換えるだけなら以下に挙げるソフトを使った方が良い場面も。 &font(red){A2.emuhaste}  http://i486.mods.jp/ichild/download/emulator-cheet-program-emuhaste(v4.02)  本体内蔵よりは使い勝手がいい。 PARのコードを使う場合は復号化の必要がある。 同梱のコード処理エンジン(ps2par_mfc.dll)は対応していないコードが非常に多くそのままだと微妙。 上の配布先で一緒に配布している別バージョンのPS2PARエンジンを導入することで補える。 ただし、その別バージョンのエンジンはバイトコピーコード(先頭が「8」(復号化すると「5」)のコード)の実装が間違っているようなので注意。(同梱のソースから判断しただけなので実際は動くかもしれない) 他のコードもいくつか実装が間違っているようなので、以下の二つのどちらかを使った方が良いかもしれない。 &font(red){A3.PCSX2CT} https://u7.getuploader.com/bazina/download/12 暗号・生形式の両方とも使えてさらにメモリサーチ等もできる最高なツール。 ↑や↓のものと違いコードにコード名をつけて登録できそれぞれオンオフできたり、保存したコードファイルをアタッチ時に自動で読み込んだり等便利な機能が揃っていて至れり尽くせり。PCSX2向けチートツールとしての使い勝手は一番いい。 ただしこちらも先頭が「8」(復号化すると「5」)のコードが動かない(対応コード一覧にはあるけど駄目)。実行するとPCSX2CTがクラッシュしてしまうのである意味上のものより酷いかもしれない。 配布元が既に消滅しているので使いたい場合は探す必要がある。 ※Vista/7で使う場合、環境によっては「管理者として実行」する必要あり。 &font(red){A4.MECC} //http://tyakata.com/ //リンク先がツールについての情報を消したのでコメントアウト  こちらも暗号・生形式両方使えてサーチもできる。サーチ機能はこちらの方が上。 こちらはPS2PARで使えるコードなら全て対応しているようなので、上の二つで対応していない先頭「8」のコードが使いたいならこれ。  その他プロセスメモリエディタでもPCSX2のプロセスを捕捉することで、メモリを書き換えることが可能です。 v1.6.0まではPS2のメインメモリは0x20000000から0x22884000に確保されますが、 v1.7.0(v1.8.0)以降は変動するので注意が必要です。 PCSX2のログウィンドウから「ソース」→「開発者用詳細表示」を有効にしてからPCSX2を起動することで、 >EE Main Memory @ 0x20000000 -> 0x22884000 [40mb] という行が表示されて確保されたアドレスが分かります。 ****&font(blue){Q.PCSX2のメモリーカードに拾ってきたセーブデータ入れる方法は?} &font(red){A.PSUをPCSX2のカードイメージに直に書き込むならmymc} http://www.csclub.uwaterloo.ca:11068/mymc/index.html 書き込む時にファイルの選択はできないけど後から消せる ・PCSX2のカードイメージを選択 → 抽出したいファイルを選んでExport ・PCSX2のカードイメージを選択 → Importで入れたいPSUデータを選ぶ  → 入れた後でいらないデータをDelete VC++ .NET ランタイムをインストールすることをお忘れなく。 ランチャのPS2Lunchを使う場合は指定フォルダにコピーすれば勝手に取り込まれる。 http://www.geocities.jp/can_you_digit_sukka/PS2lunch.html (リンク切れ) ****&font(blue){Q.そもそもPS2のセーブデータをPCに吸い上げるにはどうすれば?} &font(red){A.uLanchELFなどのファイラを使う } ただし起動するのに「PS3用メモリーカードアダプター(2013年製造終了)」か「Swap Magic」のどちらかが必要。 具体的な方法はあちらのwikiを参照。 ****&font(blue){Q.XBOX360パッドでの設定がうまくいかない} &font(red){A.LilyPadを使ってみる } ・Vert Axis(垂直)を押してスティック↑を入力、Horiz Axis(水平)を押してスティック→を入力する。(公式/非公式x360cにて確認) ****&font(blue){Q.USBゲームパッドで振動設定がよくわからない} &font(red){A.LilyPadの1P 右下 Add Force Feedback Effectから設定できる } Big Motor(右モーター)をConstant Small Moter(左モーター)をSquare Wave 左右とも Xaxis Yaxis にチェックを入れる。 スライダーで振動の強さを調節。 Testボタンを押してもモーターが振動しない場合はUSBコンバータ・USBゲームパッドのドライバソフトを導入する。 ****&font(blue){Q.ボタンのアナログ(感圧)入力には対応している?} &font(red){A.LilyPadは対応しています} ゲームパッド側がアナログ入力に対応していればそのまま検知します。 例えばXBOX360コントローラーのLTRTをL2R2に割り振るとちゃんと押した具合で認識されます。 DualShock 3があるなら [[ScpToolkit>https://forums.pcsx2.net/Thread-ScpToolkit-XInput-Wrapper-aka-ScpServer-Reloaded]] をインストールし、[[こちらの手順>https://github.com/nefarius/ScpToolkit/wiki/Pressure-sensitivity-in-PCSX2]]に従ってプラグインを導入することで全ボタンの圧力をちゃんと検知してくれるようになります。 DS3が無い場合でも、設定でSensitivityを適当に下げることで押し具合を調節できるので、ゲームの進行に絶対に必要だけど常時使うわけではないのであればこちらでも十分でしょう。 ****&font(blue){Q.w32pthreads.dllってどこにあるの?} &font(red){A.skydriveのパッケージに入ってる} pthreadVC2.dllをリネームしてもいい ****&font(blue){Q.VMってなにさ?} &font(red){A.VMとはVirtual Memory buildの略}  VM版はSSE2対応CPU必須。 今時のPCは普通対応しているし、PCSX2自体も現行バージョンはVM版のみなので、骨董品みたいなPCや古いバージョンをわざわざ使うときでもなければ気にしなくていい。 ****&font(blue){Q.64MBのメモリーカードは使えますか?} &font(red){A.ゲームによっては使えます} 64MBのメモリカード http://www29.atwiki.jp/emups2/pub/specialbuild/64memory.zip 8MBから64MBにコピーしても壊れて使用できないことがある為に 8MBのメモリカードは削除しないことをお奨めします *PCに関するQ&A ****&font(blue){Q.CPU・GPUどちらを増強しようか迷ってるんだけど} &font(red){A.場合により異なります} ボトルネックの簡単な判別法としては、GSdxのD3D internal resをネイティブにしてfpsが上がるならボトルネックはGPU、上がらないならボトルネックはCPUです。もちろんゲーム毎に違うので、いろいろなゲームを試してどちらの増強がより効果的か判断しましょう。 買い替えるとすれば、 CPUならデュアルコアの3.0GHz以上 GPU (GeForce) ならシェーダー数が100以上 (Radeonなら500以上) が目安です。 [[必要なPCのスペック]]を参考にしましょう。 増強の他にも、OCという選択肢もあります。 CPUのOCはFPSの上昇がダイレクトに現れますが、GPUのOCは効果が現れにくいです。 しかしGPUを変えることでCPUのOCでは効果が出なかった場所でのFPSが改善・全体的にFPSが安定する事があります。 CPUとGPUはどちらも重要なので、メモにある検証結果などもよく読み判断しましょう。 またスレで意見を聞く時は必ず自分のスペックも公開しましょう。 CPUがネックだったからCPUを変えても効果が薄かったぞ!・GPUがネックだったけど略、という事もありますが、 ソフト・PCSX2の使用状況・エミュレートの状況諸々により、その時どれが本当にネックになっているのか確実な答えを出せる人間はいません。 最終的には自己判断、二の舞を演じることがないように情報交換をしていく事も大切です。 ****&font(blue){Q.Kaspersky7を入れるとVM版が動かない(英語・日本語共通)} &font(red){A.Kaspersky7のアンチダイアラーが0x30000000を占有しているためです。}  アンチダイアラを使わないなら、プライバシーコントロールで  アンチダイアラーのチェックをはずした後、サービスのセルフディフェンスのチェックを外し  インストフォルダにある「adialhk.dll」をリネームしてしまえばVM版を使えるようになります。  なお、リネーム後はセルフディフェンスのチェックを再度入れてください ****&font(blue){Q.8GBメモリを積んでるのにメモリー不足で落ちる。} &font(red){A.Build1.2.1現在アプリケーションメモリ拡張が無効になっているためです。} PEヘッダに4GT対応を表明するIMAGE_FILE_LARGE_ADDRESS_AWAREビットフラグを立てなければなりません。 https://ntcore.com/?page_id=371 をダウンロード、解凍して解凍後の4gb_patch.exeにpcsx2本体をD&DしてあげればOKです。 ****&font(blue){Q.PCでエミュできるようになったんだから、PS3でもできるようになるんじゃ?} &font(red){A.先のことは分かりませんがおそらく3Dでまともに動作するようになるには数年かかると思われます。} 理由はPCとPS3(コンシュマー機)ではCPU/GPU等の回路設計が違うためです。 ゲームのプログラミング結果のテスト動作はPS3ベースの設計専用ハードウェアにデータを転送して 行っているため開発およびデバッグが出来るのです。 現在でもPS2のソフトウェアで安定して60fpsが出せないゲームが存在するのはそのためです。 ※ゲーム側でFPS制限を行っている場合を除く。 #co(){ #region &font(red){A.不可能ではないだろうけど...} GSのメモリバスが2560bitで、帯域が48GB/sもあるから、という理由がよく挙げられる。しかし、これは理由としては適切ではない。 GSのピクセルパイプラインは16本あり、150MHzで動作するため、フィルレートは2.4Gpixels/sである。確かに48GB/sという帯域幅は、GSが「常に」2.4Gpixels/sというフィルレートを維持するのに必要な数字である。つまり、1クロックあたり (64bitピクセルデータの読み込み+32bitテクスチャデータの読み込み+処理後の64bitピクセルデータの書き込み) のメモリアクセスを16並列で行い、150MHzで動作するため、 (64+32+64)*16*150 = 384000 (Mbps) = 48000 (MB/s) という計算だ (ピクセルデータの64bitは32bit color+32bit depth)。 ただし、これはピーク時に必要な帯域であるので、実際にどの程度のフィルレートが必要なのかを考えてみる必要がある。例えばPS2で標準的な640x480の解像度の場合を計算してみると、 640*480*60(fps) = 18432000pixels/s = 18Mpixels/s となり、GSの限界である2.4G pixels/sには遠く及ばない。 では、2.4Gpixels/sという値がそもそもオーバースペックだったのか、というとそういうわけではない。通常、1ピクセルを処理するためにピクセルパイプラインは複数回動作する。これはマルチパスレンダリングと呼ばれ、様々な画面効果を演出するために必要である。PS2のGSは、ハードウェアの世代としてはシェーダ以前、つまり固定機能のピクセルパイプラインであり、プログラマブルではない。また、マルチテクスチャもサポートしていない。そのため、1パスのレンダリングで行える演算は限られており、リッチな画面効果の演出には、1フレームに対し多くの回数のレンダリングを行う手法がとられていた。ピークの2.4Gpixels/sという値は、VGA解像度でおよそ130回ほどマルチパスレンダリングを行える計算である。PS2のゲームは、この事実上無限とも言えるマルチパスレンダリングを活用する事により、様々な画面効果を演出している。 一方、シェーダ以降のピクセルパイプラインでは、考え方が全く異なる。ピクセルパイプラインが固定機能だった時代にはマルチパスレンダリングといういわば「重ね書き」でしか表現できなかった効果が、シェーダープログラミングという全く別のアプローチで可能になったからだ。固定機能ピクセルパイプラインの世代では、フィルレートの増強とともにメモリ帯域をリニアに増やす必要があったが、ピクセルシェーダ世代では、ピクセルパイプラインあたりのピクセル演算性能(=プログラマビリティ)を増やすことが重要になり、これはすなわちメモリアクセス性能とフィルレートのリニアな関係が崩れた事を意味する。 以上の説明で、GSのeDRAMの帯域と、PS3のRSXを含む昨今のGPUのVRAM帯域とでは、全く話が異なる事が理解できるだろう。実際、現在のハイエンドクラスのPC用GPUは、フィルレートに関してはGSよりも一桁以上高い性能を持っている。しかし、メモリ帯域に関してはせいぜい数倍止まりである。つまり、フィルレートとメモリ帯域幅がアンバランスなのはRSXに限らずシェーダ世代のGPUには一般的なことであり、性能の足枷にはならない。 更に言えば、GSのeDRAMは4MBと少ない。しかも、RSXを含むPC用のGPUとは異なり、GS自体は圧縮されたテクスチャデータをサポートしない。圧縮テクスチャを使うにはメインメモリ上にあるデータをIPUを用いて展開し、GSに転送する必要があるため、非効率だ。このため、テクスチャデータを多用すればするほど4MBという容量が足枷となり、GSのピーク性能を維持するのは困難になる。 PS2エミュレーションにはPS3の性能は不十分、という事自体は誤りではないだろう。しかしこれはRSXのメモリ帯域が足りていないから、などという話ではなく、Cellを含めPS3全体の処理能力が不足しているのが原因だろう。Cellはマルチスレッド・ベクトル方向に性能を振ったアーキテクチャであり、シングルスレッド・スカラ性能が特に重要なエミュレーションには向かない。 もっとも、Sonyがエミュレーションを諦めてしまったのは、性能よりはむしろ互換性が原因であろう。欧州では実際にソフトウェアエミュレーションによるPS2互換機能付きのPS3(※)が発売されているが、互換性はEE+GSを搭載したものに比べて非常に低かったという。つまり、性能云々以前に、合理的な期限のうちに互換性を十分なレベルにまで引き上げるのは困難で、(Sony的には)すでに過去のものとなったプラットフォームのためにこれ以上の開発リソースを割くのは無駄であると判断された結果であろう。 ※EEのみ、グラフィック処理に関しては代替LSIを使用 #endregion }

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