一度失敗した東京→大阪に再挑戦したbaruのレポート。
barubaru24@Twitter

もみあげさんが纏めてくれた、挑戦中のTwitterまとめ。
togetter・baruのキャノボ中ツイッターまとめ

エピソード編以外の内容はこちら。
baruさんの東京→大阪(西向き)キャノンボールレポート

エピソード編


スタート前

4月29日朝5時。とある理由で、GW中旬にやろうとしていたキャノボを、4月30日にやることを決意(理由は後述)。

早速、荷物を大阪中央郵便局留めで送付。そしてキャノボに必要な電気小物を買いに秋葉原へ。

この日、大阪からのキャノンボーラー、As_LeRoiさんが達成しそうだと言うので、ついでに日本橋まで出迎えに。13時40分、22時間39分という好タイムでAsさんは見事達成。差し入れを渡して、祝福しました。クライマータイプなのにキャノボ達成とは凄いなあ・・・。


16時には家に帰って就寝。が、案の定遠足前は眠れない。2時間半の睡眠時間で起床し、輪行で東京駅へ。自転車を組立て、最寄りのコンビニでトイレと補給。このコンビニは前回の大阪→東京達成後によったコンビニ。当時はampmだったけど、ファミマになっていた。




日本橋交差点に行くと、ロングライダースの執筆仲間で、自分と同じく東京→大阪キャノンボール達成を目標としている44さんが見送りに来てくれていた。

道路元標の前で写真を撮ってもらい、スタート位置に着きました。


日本橋→箱根

4月30日、午前1時2分、44さんに見送られて日本橋をスタート。風は微妙に向かい風。でも時速30km巡航は可能な範囲。時速32~35kmくらいの速度で巡航し、都内を43分で突破。かなりいいペースだ。

戸塚までを2時間30分で走破し、終電後の踏み切りを抜ける。信号の少なさを考慮し、R134を今回は使用した。

小田原までは順調に抜け、3時間6分で最初の休憩を取る。


そしてここからは序盤の難敵、箱根。今回はかなり力をセーブして上った。前回はそれなりに頑張ってしまい、足を無駄に使ってしまったため。結局58分でR1最高地点に到着。前回より2分遅いが、足は残せた。これでいい。

箱根で夜は明け、芦ノ湖には5時40分に到着。気温は2℃。もう5月だというのに・・・。荷物を減らすためにウインドブレーカーを置いてきたのを後悔した。


箱根→静岡

5時50分、ダウンヒル開始。箱根の三島側は下りの苦手な自分でも攻められる貴重な峠。意気揚々と下り、三島まで降りる。沼津で二度目の休憩。風は相変わらず向かい風だが下り基調なので、時速30km巡航を続ける。

富士では、昨年12月に戦友・261さんから教わった近道を使用。聞いておいて良かった。蒲原~由比のバイパス地獄も、既に四回目なので難なく切り抜ける。


東静岡ではガンダムを見られるかな~と思ったけど、なくなっていた。公開期間終わっちゃったのか。なんとも殺風景になっており、残念。

静岡駅には8時半ごろ到着。三度目の休憩をローソンで取った。これにて全工程の3分の1が終了。まだまだ序盤。


静岡~浜名湖

毎度のことだが、静岡駅を過ぎると、向かい風が強くなる。この日も例外ではなく、巡航速度は26kmほどにダウン。宇津ノ谷峠は対して苦労せずに抜けたものの、トンネルを出たとたんに強烈な向かい風に襲われ、気が滅入った。藤枝の市街地に入るも、道端の幟はすべてこちら側を向いている、この辺りの風向きは南西。そして進行方向も・・・南西だった。

中盤の山場、金谷峠。今回はあまり辛くない。箱根で足を温存したからだろうか?10時8分に峠に到着。前回はここで休憩をしたが、余裕があるので先を急ぐ。

キャノボにおいて、肉体的な最難関を箱根とすれば、精神的な最難関は掛川~浜松区間。基本的に、思い通りに走れているうちは眠くならない。しかし、思い通りに走れなくなるととたんに眠くなる。

      • 諦めてしまおうか?そんな考えが頭をよぎる。まだ20代、挑戦するチャンスはいくらでもある。

いや、しかし浜名湖までは走ろう。諦めるのはそこからでも遅くない。


向かいを走るローディに挨拶をしたり、脳内BGM(中島みゆき・旅人のうた)を再生したりしつつ、気を紛らわす。天竜川を越え、相も変わらず向かい風のR1を行く。この区間は大型の車の交通量が多い。車道を走っていれば、自然と車が風避けになってくれるのだ。


そして浜名湖まであと5km地点。状況は一変した。


浜名湖~岡崎

風向きが変わった。南西の風が南東の風に変化した。向かい風だった風は追い風になった。まさに神風。

実は日程を急遽4月30日にしたのと、浜名湖まで我慢しようとしていたのはここに理由があった。



上記のサイトは風向き予報のサイトで、2日後までの各地の風向の予測をみることが出来る。29日の朝、この予報で「浜名湖以西は30日は午前中は南西風、午後から南東風に変化する」となっていた。・・・これはまたとないチャンスではないか?

基本的に東京と大阪の間には西向きの風が吹いており(いわゆる偏西風)、東京→大阪に挑戦する際にはこの風が大きな障壁となる。そして、例外的に東寄りの風が吹く場合がある。それは低気圧が西側にある場合。事前の調査で、浜名湖あたりで風向きが変わると読んでいた。

もちろん予報は予報。外れる可能性はある。でも、現に追い風が今吹いている。念のため、リアルタイムの風向を携帯でチェックすると、名古屋~三重~大阪も概ね無風か南東風。これより先、向かい風の区間はない。自分は賭けに勝った!



あっという間に弁天島を越えて、潮見坂を抜ける。ここで一瞬小雨に振られるが、すぐに上がった。2chのスレで天気予報をチェックしてくれた人の話を見ると、ここから先も雨にふられることは無さそうだという。正に「追い風が吹いてきた」状態。

前回リタイヤした因縁の豊橋には13時31分到着。

そして豊橋から先は先週試走したばかりのルート。試走では全編向かい風で10時間24分。ここまで300km走った疲れがあったとしても、残り時間は11時間半ある。これから先、追い風区間ばかりだとすれば、11時間半を超えるとは思えない。単純計算をするならば、

  13時31分 + 10時間24分(試走タイム) = 23時55分(リミット: 25時02分)

には辿りつける公算が出来た。24時間のタイムリミットまでには一時間以上の貯金がある計算になる。

この時点で、正直達成が見えた気がした。やはり試走をしておいて良かった。安心感が全く違う。しかし、パンクや事故などのトラブルがあれば容易に崩壊しうる時間でもある。油断しないよう、先を急ぐことにした。



豊橋から岡崎までのゆるい登りは全編追い風。試走では時速25km程度しか出なかったのに、時速30km以上で脚が回る。もうこうなってくるとイケイケ(死語)状態である。アドレナリンドバドバ。眠気は吹っ飛んだ。

岡崎のコンビニには予定よりも19分早く到着。この時点では、目標よりもかなり早くゴール出来るのではないかと見込んでいた。


岡崎~関

岡崎から名古屋までの間も、やはりほぼ無風か追い風。かなり楽に巡航できるものの、ひとつだけ想定外なことがあった。先週の試走ではあまり無かった渋滞がおきている。熱田神宮南交差点についたときには、岡崎であった19分の貯金が10分に減少していた。うーむ、GW補正をかけ忘れたか。


そして、長良川を渡る橋の上では歩道を通ることを選択。ここならば渋滞に巻き込まれることもない。・・・が。所々歩道には段差がついている。段差を乗り越えようとしたとき、トップチューブバッグからエネループがこぼれ・・・川の中へとボチャン。貴重なエネループが2本失われた。その後、エネループはすべてジャージのポケットに入れたのは言うまでもない。


四日市を越えると、それまでの走行距離は400kmを超える。自分の場合、露骨に疲れが出てくるのがこの400kmという距離。しかもここから夜になるということで、平均時速は再び落ち込む。前回の正念場も400km地点で訪れたが、今回も例外では無かった。



関~大津

カエルの大合唱が流れる中、三重県の関宿に到着。鈴鹿峠はスペック的には8kmで260mしか登らない小さな峠。前回の大阪→東京の時の箱根に比べれば恐れるべくもない。


関駅を過ぎ、市瀬の交差点を過ぎると本格的な登りがスタート。真っ暗な峠道をマイペースで登っていく。心拍は150bpm程度と、ヒルクライムをしているとは思えない強度。試走の時はヒルクライムなのに向い風という条件だったが、今回は無風。ずいぶんと登りやすい。時々追い抜いてくるトラックや車は怖いものの、淡々と登っていくことが出来た。

結果、試走では35分掛かったヒルクライムを本番で28分で登れてしまった。呆気無さ過ぎた、鈴鹿峠・・・。



鈴鹿峠のピークであるトンネルをぬけると、そこは爽快ダウンヒル地帯・・・のはずなんですが、夜の鈴鹿峠、とりわけ滋賀側は街灯が全くと言っていいほどなく、ある程度明るくなるまでは余りスピードを出すことは出来なかった。

最後の休憩所である大津のコンビニには21時40分着。前回の実績でいえば、ここから2時間20分ほどあればゴール・梅田新道まで辿りつくはず。Twitterに、

  「最後の休憩、大津なう。達成は見えてるので安全第一でいきます。梅新24時00分着想定」

と書き込み、いよいよ最後の区間へと走りだした。



大津~梅田新道

大津の駅前を通りすぎると、逢坂峠と呼ばれる場所に突入するが、キツい坂ではない。そんなに苦労せずに乗り越えてダウンヒルに入る。そしてダウンヒルの途中で近道に入る予定だったのだが・・・。

入る場所を間違えた。全く違うところで曲がってしまい、往復1kmのロス。そして正しいところで曲がり直してからも分岐を間違って500mのロス。試走してルートは頭に叩き込んだつもりだったが、やはり夜だと分かりづらい。まぁ、今更1.5kmほどロスしたところで達成濃厚であることは変わらない。焦らず先に進むことにする。



観月橋駅から抜け道を使ってR1に復帰する。あとはひたすら、この京阪国道を進むだけ。残り時間2時間10分で、残り距離は39km。大阪市内の道路混雑を鑑みても余裕はある。

時刻が23時を回ると、ついに雨がふりだした。まぁこれまで追い風の影響をさんざん享受したわけで、これくらいの雨は仕方ない。気にせず走る。

枚方、寝屋川、守口を抜け、ついに大阪市に入る。残り8km。時刻はちょうど0時を回ったところ。なんとか0時20分には到着できるか!?

蒲生4丁目の信号を右折すると、ラスト4kmは直線となる。ここでまたしても想定外の出来事が起こる。タクシーの台数が試走のときよりも断然多い。それもそのはず、時刻は土曜日の24時。飲み会帰りの人たちが街にあふれる時間。それにしてもここまでとは・・・銀座よりもひどいんじゃないのか?ここで接触でも起こそうものならすべてが水泡と帰すわけで、慎重にタクシーの横を進んでいく。



そして、いくつかの交差点を越えて、見えた「梅田新道」の文字。豊橋で勝利を確信してから実に8時間50分。0時20分にGPSの計測をストップ!23時間18分に及ぶ挑戦が終わった。



ゴール後

梅田新道の歩道に自転車を乗り入れ、達成の喜びを噛み締めていると、駆け寄ってくる人に写真を撮られた。

会社の先輩だった。ロングライダースにも書いたように、大阪発の前回、見送りに来てくれたKさんである。「京都に入るとき連絡くれー」と言われたので、大津を出発するタイミングでメールをしたわけですが、奈良の自宅からわざわざ駆けつけてくれたそうです。ありがたい。


  Kさん「おつかれー、記念写真取る?」

と尋ねられたので、

  baru「じゃあ、道路元標の前で撮りましょう!」

ということで、梅田新道の道路元標前に移動。写真を取っていただきました。



そうこうしていると、またしても駆け寄ってくる人が。それはなんと、前日に大阪→東京を達成したAs_LeRoiさんと、その友人の方でした。前日のお返しという形だったのかな?

聞けばAs_LeRoiさん、枚方の自宅からわざわざ自走でやってきたと・・・ありがたい。



実は前日、日本橋の道路元標の前で、As_LeRoiさんからは握手という名のバトンを受け取ってました。このバトンを日本橋から梅田新道に持ち帰ることが自分の任務だったわけですが、達成できたわけです。

  baru「バトン、持ち帰りましたよ!」

といって再度握手すると、

  As_LeRoi「んじゃもう一回東京向かわなw」

というジョークで返される。さすが関西人w



そんなこんなで、ゴールで30分くらい話し込んでました。思えば前回の挑戦の時はゴールに誰も居なくて、孤独に祝杯(メロンソーダ)を上げたもんですが・・・今回は3人もの人が駆けつけてくれました。しかもお土産にレッドブルまでw この時のレッドブルは最高に美味かったです。

おまけ

http://www.akibax.co.jp/bike/joyful/img/23348.jpg
Asさんから貰った謎の補給食。なんという徹底したキャラ作り・・・

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最終更新:2011年06月01日 01:02