チュートリアル:ノートパッドアプリケーションを作る
このチュートリアルでは、みなさんに実際に手を動かしてもらいながらアプリケーションを作成するための Android フレームワークやツールの紹介を行います。プレコンフィギュレーションファイルから始め、簡単なノートパッドアプリケーションを開発する過程を通じてプロジェクトのセットアップ方法、アプリケーションロジックの開発方法、ユーザインターフェースの開発方法、アプリケーションのコンパイルと起動方法についての具体的な例を示します。
このチュートリアルではノートパッドアプリケーションの開発をいくつかのエクササイズ(下記参照)に分けて進めていきます。それぞれのエクササイズはいくつかのステップからなります。エクササイズの中のステップに沿って進んでいくとアプリケーションが完成していき、改良が進んでいきます。エクササイズの中ではそれぞれのステップについて詳しい説明が与えられ、アプリケーションを完成させるために必要なコードのサンプルも示されています。
チュートリアルを終えると、機能を果たす Android アプリケーションが完成し、Android アプリケーションの開発において重要な考え方についての知識が得られていることでしょう。Android SDK に付属するノートパッドアプリケーションのサンプルコードを研究・利用してより複雑な機能を加えてみるのもよいでしょう。
目次
本チュートリアルは熟練した開発者(特に Java 言語の知識のある方)を想定して書かれています。これまでに Java アプリケーションを書いたことが無い方でも本チュートリアルを読み進めることはできますが、読み進めるスピードは落ちてしまうかもしれません。
また、本チュートリアルは「
SDKとプラグインのインストール」と「
もしもしAndroid!」ドキュメントの内容を前提として書かれています。これらのドキュメントでは Android アプリケーションの開発環境のセットアップについて詳説しています。本チュートリアルを開始する前に、これらのドキュメントに従って SDK のインストールとセットアップを済ませておきましょう。
最後に、本チュートリアルではAndroid プラグインをインストールした Eclipse 開発環境上でのノートパッドアプリケーション開発を解説しています。Eclipse をお使いでない場合、エクササイズを進めていくことはできますが、Eclipse 上での操作がお使いの環境でどの操作に相当するのかを読み解く必要があります。Android SDK に付属するノートパッドアプリケーションのサンプルコードを研究・利用してより複雑な機能を加えることもできます。
チュートリアルを開始する前に、 SDK と Eclipse 開発環境のセットアップが必須です。開発環境が整ったら、エクササイズのアーカイブファイルを展開しましょう。アーカイブファイルは SDK パッケージに含まれています。アーカイブにはそれぞれのエクササイズで使う一連の Eclipse プロジェクトファイルが入っています。これらのプロジェクトファイルを使えば自分でプロジェクトファイルを設定する必要がありません。
チュートリアルプロジェクトファイルを準備するには、
-
プロジェクトエクササイズアーカイブ(.zip)
をダウンロードします。
- 好きな場所にアーカイブファイルを展開します。
- 展開してできた NotepadCodeLab フォルダを開きます。
NotepadCodeLab フォルダには、6つのプロジェクトファイルがあるはずです( Notepadv1、 Notepadv2、 Notepadv3、 Notepadv1Solution、 Notepadv2Solution 、Notepadv3Solution)。Notepadv* プロジェクトはそれぞれのエクササイズを開始する時点で使うファイル、Notepadv*Solution プロジェクトはエクササイズの終了時点でできているはずの「模範解答」です。何か問題が起きた場合には Solution ファイルと比べてみて問題点を修正するとよいでしょう。
下表にチュートリアルのエクササイズと、そのエクササイズで扱う話題について示します。いずれのエクササイズもそれより前のエクササイズの例を完成させていることを仮定して進めていきます。
エクササイズ1 |
シンプルなノートリストを作ります。ユーザはこのリストから新規ノートの追加ができますが、追加したノートの編集はできません。ListActivities とメニューオプションの作り方と操作の仕方の基本をデモンストレートします。ノートを保存するために SQLite データベースを用います。 |
エクササイズ2? |
アプリケーションに2つ目のアクティビティを追加します。新規アクティビティを作成して Androidmanifest に追加する方法、アクティビティ間でデータをやり取りする方法、スクリーンレイアウトの応用的な利用法についてデモンストレートします。starSubActivity() を使ってアクティビティを非同期的に呼び出す方法についても述べます。 |
エクササイズ3 |
アプリケーションにライフサイクルイベントの操作を追加し、ライフサイクル全体を通してアプリケーションの状態を保持することができるようにします。 |
追加事項? |
Eclipse のデバッガの使用方法と、デバッガを用いてライフサイクルイベントが生成していく様子を見る方法についてデモンストレートします。本節は必ず読まなければいけないものではありませんが、読むことを強くお勧めします。 |
- チュートリアル内で扱われていない概念について浅く広く知りたい方は「よくある問題と対処」をご覧ください。
- Android SDK には完全に動作するサンプルアプリケーションが同梱されており、より深く学習することができます。サンプルアプリケーションは SDK の samples フォルダにあります。
- 本チュートリアルは SDK の samples フォルダ内のフル機能の Notepad アプリケーションをもとに書かれています。チュートリアルが終了したら、フル機能の Notepad アプリケーションのソースコードを研究することを強くお勧めします。フル機能のノートパッドアプリケーションは様々な興味深い機能が追加されています。たとえば
- ノートリストをストライプ表示する
- draw() メソッドをオーバーライドしてカスタムテキストエディットビューを作り、ラインノートパッドのように見せる
- ノートのコンテントプロバイダーを実装する
- 自動的に保存するのではなく編集操作を元に戻す
最終更新:2007年11月20日 20:54