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青空

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also_little

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青空とは、ナチュラル・グリーンalso。の誕生日記念として書いた小説の事である。

内容

『フォース』というのがこの世から消滅して早数日

『英雄』が『魔神』を倒し、世界を救った

その代償として、『フォース』は消えてしまった

もしかしたら、そのほうが良かったのかもしれない


―――青空


五年前、私はダブルによって封印された

裏切られたのだ

棺桶に閉じ込められた

暗くて、冷たくて、一刻も早くここから出たかった

けど、出れない

他の者はどうしてるのだろうか

やっぱり、バクとダブルに――







かれこれ五年、現在

棺桶に隙間が出来た、私はそこから出れた

待っていたのは二人の男

一人は五年前に裏切った男、ダブル

そしてもう一人は見知らぬ男だった

手には金色に輝くトライデント、神器である「トライデントプシー」が握られていた

名は「リトル」、このカンマス王国の者では無い

カンマスの者ではないものに負ける?それは最大の恥

勝てない?そんな事は無い

私は勝てる

私こそ裏の王、我は裏の王なのだ





―この者達に力を、勇気を…

そう思ったのは、死を知らせる鐘が鳴り響く直後の事だった

その勇姿は、今までの事を物語っていた

トライデントプシーを体の一部の様に使いこなしていた、強かった

それはダブルも同じ

前とはかなり強くなっていた

…だから、仲間達は負けたのだ

グレイ、アブソリュート、メテオ、Sスネーク、ギンマンジ、カクスト、…

後もう少し早く起きていれば助けられた?

違う

自分が表を壊すだの何だの言っていなければ、こんな事にはならなかった

「魔神」の命令など聞き入れていなければ何もかもが平和だった

だから裏切られ、封印もされたのだ

同じように彼等6人も、殺しあわずに、誰も死なないで、静かに平和で、裏で暮らせたのかもしれないのに

けど、裏の平和を保たせるためには「魔神」の言う事を、命令を聞き入れなければ駄目だった

仲間のためにも、アイツの我侭を聞き入れなければいけなかった

もしダブルが、バクが裏切って封印してくれなければ

私は自分を偽り、表を消していた

最初から私の負けは確定していたのだ

ならば、彼等は私の事を、この裏の世界を助けてくれるのだろうか

可能性はあるのか

あるのなら、助けてくれるのなら

――この者に全てを掛けたい







時は進み、世界が滅ぶ直前だった

「魔神」であり「フォースの生みの親」である「ダ・ハーラ」

フォースは憎しみが集まった物、人々を苦しめてフォースがこの世に現れた

その元凶、その全ては「ダ・ハーラ」のせいなのだ

彼のフォース、「自由」はチートとかと言うレベルではない

本当の自由、反則などという言葉は刻まれていない

速さは無限とは桁違いすぎる、回避不可能、回避など出来るはずも無い

力など、既に殺戮以上のレベルである

最強にして最悪の存在が、目の前に居るのだ

では何故、彼が表を消そうとしたか――

それは「ビンババ」という者、それはカンマス王国の初代管理者

今リトルが持っている「神器トライデントプシー」を操れずに死んだのだ

それがうざかっただけ―

既に彼にとっては殺し合いや殺戮は「小さな遊び」にしか過ぎなかった


今の彼は正に鬼の姿をしていた

同時に、彼も――





そして、その「ダ・ハーラ」の前に居る英雄

リトルである、が

既にリトルでは無かった

姿が激変していた

そして似ている、いやその者本人だった

その姿は初代管理者ビンババ――





さらにその後リトルは、変化をする

黒い体、鬼神である

手には黒トライデントプシーが握られている

全てを守りたかった、守りたい、守ってみせるから

その思いは、リトルを鬼神と化させたのだ





目の前では鬼と鬼、世界の結末を左右する死闘が繰り広げられていた

ダブルは、「死の書」を読み上げている

本当は読むのに五年も掛かる

けど、それでも彼は読み続けている

死ぬ覚悟を、全てをかける思いで読み上げる

半分、そして最後の十三文字

その最後の十三文字で、彼はうろたえていた

その、最期の十三文字を読んでしまえば、自分は死んでしまう

それが恐怖である

私でも分かっている、死は恐ろしい

…最期ならば、やる事は一つだった

ダブルと一緒に、最後の三十文字を読んでやる

それで精一杯だった







ダ・ハーラは敗れた

フォースもこの世から消え去った

その代わりとして、周りは大量の花々で溢れかえった

裏はダ・ハーラによって汚された

今、その主はいない

本来の裏の姿は、今正に目の前で蘇ったのだ





ダブルは笑みを浮かべて、眠っていた

やり遂げたという、満足げな顔で彼は旅立っていったのだ

本当に勇気があるものでしか出来なかった事を彼はやり遂げた

良い判断だったとは思う



もう自分の体からは力は感じられない

それはリトルも、全てのフォース使いも同じだった

ダ・ハーラが敗れて消えたこの世界は、彼が死んだと同時にフォースは一緒に消えていったのだ

トライデントプシーも、エスターモッグも、ただの神器にしか過ぎなくなってしまった

だが、コレでよかったのかもしれない

これで悲しむ者が居なければ、コレでよかった

そうに違いない





リトルは元の世界に戻っていった

もう会えない

彼には戻ったと同時に、彼のカンマスの記憶は消えてしまったのだ

彼が役目を全て果たした今、カンマスに本当の平和が訪れたのだ

だから彼に頼る事はもう無い、後は自分達だけで行けるのだ





そして現在

もうリトルは居ない

来る事も無い、思い出される事も無い

寂しい…と言うのが本音であろうか

もう一回でも会ってみたい、と言うのだろうか

けど、一回でも、最後に一回会いたかった

今、本当の平和、そして「青空」が広がるこのカンマスを見せてあげたかった

ありがとう、リトル

我、裏の王が認めた…最強の英雄よ

永遠に――


END






後書き~~~
大変長らくお待たせしましたwww
フォースシリーズの、ネオフォースの裏の王「エーエム」殿視線で書いてみたおww(
もう半分以上は妄想(?)に過ぎないけど、許してくださいwww
リクエスト&誕生日小説として、この小説を送ります!!ww

アイスペユニヴァース!管理人のオルソ様!!お誕生日おめでとうございます!!
      アイスペは永久不滅だぁ~~~!!www



完成時間 2009年11月30日 18時10分
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