月9


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「もう限界だっ!!ずっと我慢してきたけど、もうキミのワガママには付き合えない。」
「なによ!アンタ男でしょう?そんぐらいの甲斐性見せなさいよ!!」
「互いに仕事が楽しいからって家事の分担をしたのに、歓送迎会だ、女同士の集まりだ…
何かにつけて押しつけるくせに、ボクにはめったに行かせない。
自分だけ好きなモノ散々買うクセに、ボクにはキミが買ってくる安物ばっか。
ストレスや不満が溜まれば、ボクを殴ったり、蹴ったり。
いったい何様だよ?」
「……お礼とお詫びにアタシが夜のサービスしてるじゃ…」
「まだキミのカラダにそんな価値があると?
それに…それだけじゃない。ボクの誕生日にキミはドコに行ってたんだい?」
「それは…悪かっ…」
「結婚記念日だって自分でうるさく言ってたくせに、いったいドコでナニしてたんだい?」


「あ~もう、ウッサイわね!アンタだって知っているでしょ…男もいたけど、最後はどっちも女同士よ。
……確かにアタシが悪かったわよ、ゴメンナサイ。
でも!……マユがケンを裏切ったみたく…不倫じゃないんだから許してよ。
あの…うん、家事もちゃんとやるし、お小遣いも増やすし、同僚と友達とのお付き合いだって認めるから…」
「ふざけるな!キミのどこが謝る態度だよ!!」
「……………」
「ちょうどいいでしょ?やり直すにしても、別れ…」
「ヤダ!その先は言わないでっ…。
ねぇアタシのこと嫌いになったの?愛想が尽きたの?
アンタが望むなら仕事辞めて、家庭に入るわ。子供だって…」
「落ちついて。もう出張と休暇組んでるから、今更変えられないんだ。
準備は昨日終わらせてあるから……早いけどもう行くよ。」
「待って!行く前に聞かせて欲しい事があるの。」
「何?」
「ア…アタシのこと…今でも…好き?」
「……………正直な話、よくわからない。」
「そっか………。」
――キィー、パタン――





「ねぇ、アスカ?」
「なぁ~に、シンジ?キスの催促?」
「このドラマって…」
「そうよ、ヒカリが台本書いてるの。」
「妙に生々しくない?それに夫がシンイチで、奥さんがアイカって…。」
「アタシが原案出したの。モデルは昔のアタシと甲斐性を半分に削ったシンジよ。」
ソファーで腕を組み、僕の肩に頭を載せたままでアスカは続けた。
「アタシ達の“もしかしたら”の姿。最悪のね。」
「…そうかもね。」
「まあ、あと三ヶ月経たないうちにパパとママになるアタシ達には関係無い話よ。」


そう言ってアスカは僕の手を取り、膨らんでいるお腹に触れさせる。
「あっ!今動いた。」
「ふふふ…やんちゃな赤ちゃんよね。」
「自分みたいで?」
「アタシのどこがやんちゃなのよ?貞淑な美人妻に向かってそんなこと言う口はこの口かぁ~!」
そして僕の口を摘む。
「ムグッ…むがんはがひ」
「なんて言ってるの?」
「ゴメンナサイ。アスカは器量良しの貞淑な美人妻です。」
「分かれば宜しい。」
そして、アスカの瑞々しくて可愛らしい唇が僕の唇に重なる。
テレビからは女性の泣き声が聞こえてくる。
今の僕達と正反対の不幸な二人。世の中にはそんな不幸が溢れている。だからこそ僕は、アスカとの貴重な幸せを死ぬまで、ずっとずっと守り抜いていこう。
「アスカ。」
「なぁ~に?」
「愛してるよ。」



糸冬
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