冬月コウゾウ補完計画5


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「冬月…明日は卒業式だな…」

「そうだな…ッ…」

「……冬月、今日の仕事は私がやる。
お前は帰れ」

「碇、大丈夫か?」

「問題ない、全て順調だ」

「…ならその言葉に甘えよう」

私は背を向け、司令室から出ていった。
最後に碇が何かを言っていた気がするが…聞こえなかったな

翌日、第弐中学校

「ただ今より、卒業証書授与式を執り行います」

「副司令…」

加持君がいろいろと用意してくれていたようだ、こっそり渡された鞄には痛み止めや小型酸素ボンベが入っている。

……これが最期だ。頼む…老いた肉体を蝕む病魔よ…今は立ち止まってくれ。

「校歌、斉唱」

…今の私にはほとんど聞こえなくなっている。
私の隣には碇、アスカ君がいてその隣にシンジ君がいた。

「卒業証書、授与
3ーA、明石エリカ」

…授与が始まる。
一人一人…ゆっくりと進んでいるように私は感じた…、そしてミズキ君が生まれてからの思い出が甦る。

「碇ミズキ」
「はいっ!」

「ああ…ミズキ…」「ミズキ…お疲れさま…」

シンジ君と碇は…泣いているか。
…いつの間にか…私の頬にも涙が伝う。

少し…眠くなってきたな……

「…!?副司令…!」

「…えっ…加持さん!?」

「シンジ君、急いで道を…!」

加持君の声が遠退いてゆく。
私が眠りにつく直前、…ミズキ君がこちらを向いて笑ってくれた気がした。
……おめでとう…ミズキ……く…ん……。


私は今どこにいるのだろうか。周りは闇、不思議なことに恐怖を感じない。
少し歩いてみると橋があった、切り立った崖を結ぶ橋のようだ。

「…冬月、先生。」
…赤木ナオコ君、…君は…死んだはずだ。
夢の中だからだろうか…。

「冬月先生、まだこちらに来ては行けません」
何故だね?私はもう全てを終わらせたはずだ

「何故かは冬月先生御自身が知っているはずです。そして、何故終われないかも」
……ふむ…考えてみると…私にはまだ…伝えておかなければならないことがあった…ような…

「冬月先生、あなたを呼ぶ声が聞こえませんか?」
私を呼ぶ声……

【冬月!冬月!】
【副司令さん…っ!】

…ああ、碇やミズキ君の声が聞こえる。
「声のする方へ、光の方へ行ってください。
それから、あの人に…おめでとう。と」
わかった。…ありがとう、赤木君。
私は、振り返り赤木君が指差した光の方へ走った。風になったように…走った。
私は、光に包まれ、
そして。

「副司令が目をましました!」
…ここは……ネルフ内の緊急治療室か…
「冬月、…お前は……何故…!」
「い…かり…か…」
「…すま…ん…な…いか…り…、赤木…君……から…『おめでとう』…と…」
「もういい…わかった……冬月…」

…ふぅ…やけに頭がスッキリしている、しかし呂律は回らないな
やはり限界ということか…
「副司令さんっ!」
「お……ぉ…、ミズ…キ…くん………卒…ぎょう…おめで…とう…」
「…副司令さん…もうしゃべらないで…休んで…良くなって…また一緒に食事…行こうよ…」
「……あ…あ…」
…良くなったら、京都の美味しい食べ物屋を巡ろう。

「副しれ…っ…さ…!」

泣かないでくれ、ミズキ君…。
私は…幸せなのだから…


「な…ぁ…いかり…」

「…なんだ。」

「……先に…逝く…」

「…ああ、……待っていろ。すぐに追いつく

…ユイや赤木君によろしくな」


「……ああ…一足…先…に…ユイ君の…て…りょ……りを…。」

「フッ…まったく…仕方が…ない…な…」

碇……アスカ君……シンジ君…ミズキ君…。


私は、幸せだった。
ありがとう。


「………………」

こうして、私は眠りについた。
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