深夜0時
「結局チョコくれなかったなぁ…」
結婚して8年。毎年2月14日にもらってきたチョコだが、今年はどうやら・・・いや、今年からは無いのかもしれない
「まあ僕らもいい年だしね。あはは…」
夕飯終わりに娘であるミライにプレゼントされたチ〇ルチョコをチビチビ食べる…。少し悲しいバレンタイン
ガチャっ
「シンジお先~っ、なかなかいいお湯だったわよ」
ホコホコと湯気を出したアスカがリビングに登場
右手にはしっかりとビールをぶら下げている
そして左手には・・・
「あっ、チョコ…」
「ふふん!気付いたようね♪
ハッピーバレンタイン!碇シンジくん」
毎年恒例の赤いリボンに包まれたチョコ。今年は遅めに参上
「あ、ありがとう。もうもらえないと思ってたよ」
「んなワケないでしょバ~カ・・・まあ去年みたいに手作りじゃないけどさ」
包みを開けると、市販のバレンタイン用チョコが顔を出した
「本当だ。・・・やっぱり、めんどくさくなっちゃった?僕らもいい年だし」
「いやぁ…そうじゃないんだけど…。まあ確かに年齢に関係してるんだけどさ」
「なに?」
「・・・アタシがアンタにチョコ作ったり、あげたりすると、ミライが嫉妬すんのよ…
だからミライが寝静まった時間に渡そうと思ったってワケよ」
えへへ…と笑ったアスカは、チョコを包みの中から1個つまむと、シンジの口元に運んでいく
「ちょ、ちょっとアスカぁ…」
「いいじゃん♪ミライに先越されて、ちょっと悔しいし…
だからいい年こいた夫婦のバレンタインを見せつけてやりましょ?…ね♪」
そんな碇家の2月15日でした